JP2001275558A - 皮付き調理いも、調理いも類の製法及び皮付きいも類の皮遊離方法 - Google Patents
皮付き調理いも、調理いも類の製法及び皮付きいも類の皮遊離方法Info
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Abstract
に喫食することができる皮付き調理いも、その製法及び
皮付きいも類の皮遊離方法を提供する。 【解決手段】皮付き原料いもを加熱し、耐熱性容器に収
容し、加熱殺菌されてなる皮付き調理いもであって、該
調理いもが、表面積比で皮部:切断面部=1:1.0〜
2.0となっていることを特徴とする皮付き調理いもに
よって達成される。
Description
類を手に持っても、べたつかず、手を汚さずに簡便に喫
食することができる皮付き調理いも、調理いも類の製
法、及び皮付きのいも類の果肉から剥皮工程を経ること
なく皮部分を遊離させることができ、喫食者が片手で軽
く皮部分を剥くだけで容易に皮部分を除去することがで
きる、皮付きいも類の皮遊離方法に関し、更には、皮の
遊離をさせているにもかかわらず、皮付きいも特有の香
ばしい風味や外観を保持することができる、容器入りい
も類の皮遊離方法に関する。
もの加工方法としては、例えば、特開平7−95849
号公報に記載のような焼きいも製造方法がある。この方
法は、サツマイモを焼成後、冷却し、酸素透過性の少な
い包装資材を用いて包装内の気相が窒素置換された状態
で包装密封し、中心温度が105℃以上で10分以上加
熱殺菌する方法である。この方法によれば、皮の濡れが
なく、3ヶ月保存しても焼きいも色が変色しない製品と
なる。しかしながら、この方法では、保存性に優れる
が、皮が果肉部分に密着した部分と、皮が遊離した部分
が混在し、喫食する際に完全に皮を取りのぞいて食する
ことが難しい。
35562号公報に記載の焼きいもの製法がある。この
方法は、皮付きさつまいもを焼成した後、皮を剥いて包
装用フィルムにて密封包装し、熱湯ボイルなどによって
滅菌するものである。この方法では、皮を剥いてあるの
で、喫食時の皮を剥く手間ははぶかれるものの、さつま
いも特有の皮由来の香ばしさがなく、蒸しいものような
風味となってしまう。また、剥皮してからボイルされた
さつまいもは、さつまいも表面に澱粉が表出してさつま
いも同士が付着しやすく、また、形も崩れやすいという
欠点がある。更に、皮を剥いた調理いも類は、表面が水
分、糖分、澱粉質などでべたつきやすく、喫食する際に
手が汚れるという欠点もある。この欠点は、いも類を一
口大などに切断すると、表面積が増える分更に顕著とな
る。また、加熱殺菌すると、いも細胞内からの離水が生
じ易く食感が悪くなる。
0〜160℃1時間程度)焼成すると、香ばしさと甘味
が増し、食感も良くなるが、長時間焼くほど、いも果肉
部に「鬆」(「す」=亀裂部)が生じ易く、外観が悪く
なる。逆に、高温短時間焼成すると、「鬆」は入らない
が、焼成不充分で風味、食感が悪くなり、皮も果肉部に
密着して剥がしにくくなる。
事情に鑑みなされたものであって、その目的とするとこ
ろは、加熱調理したいも類を手に持っても、べたつか
ず、手を汚さずに簡便に喫食することができる皮付き調
理いも、加熱殺菌後も離水が無く、食感が良好な調理い
も類の製法、及び、皮付きのいも類の果肉から剥皮工程
を経ることなく皮部分を遊離させることができ、喫食者
が片手で軽く皮部分を剥くだけで容易に皮部分を除去す
ることができ、果肉部に鬆の入らない外観の良い皮付き
いも類の皮遊離方法、更には、皮の遊離をさせているに
もかかわらず、焼きいも特有の香ばしい風味を保持する
ことができ、皮がちぎれたりして外観を損なうことがな
い、風味、外観、携帯性に優れた調理いも、その製法及
び皮付きいも類の皮遊離方法を提供するにある。
料いもを加熱し、耐熱性容器に収容し、加熱殺菌されて
なる皮付き調理いもであって、該調理いもが、表面積比
で皮部:切断面部=1:1.0〜2.0となっているこ
とを特徴とする皮付き調理いもによって達成される。
ことを特徴とする調理いも類の製法によって達成され
る。 (1)いも類を加熱する工程。 (2)上記加熱いも類を乾燥する工程。
特徴とする調理いも類の製法によって達成される。 (1)いも類を加熱する工程。 (2)上記加熱いも類を乾燥する工程。 (3)上記乾燥いも類を加熱殺菌する工程。
ことを特徴とする皮付きいも類の皮遊離方法によって達
成される。 (1)いも類を皮付きのまま、加熱する工程。 (2)上記加熱いも類を乾燥する工程。 (3)上記乾燥いも類を、引き続き加熱殺菌し、該いも
類の皮を遊離させる工程。
ことを特徴とする容器入りいも類の皮遊離方法によって
達成される。 (1)いも類を皮付きのまま、加熱する工程。 (2)上記加熱いも類を、切断片の少なくとも1面に皮
が付着してい る状態に切断する工程。 (3)上記切断加熱いも類を乾燥する工程。 (4)上記乾燥いも類を、引き続き耐熱性容器に収容密
封する工程。 (5)上記密封容器入りいも類を、引き続き加熱殺菌
し、該いも類の皮を遊離させる工程。
も類を手に持っても、べたつかず、手を汚さずに簡便に
喫食することができる携帯性に優れた皮付き調理いも、
調理いも類の製法及び皮付きいも類の皮遊離方法につい
て検討を行った。その結果、皮付き原料いもを皮部:切
断面部=1:1.0〜2.0となるように、いもを皮付
きのまま切断し、加熱殺菌すると、好結果が得られるこ
とを見出した。
した原料いも類を、冷風を当てる等して、表皮水分と果
肉部水分との分布を異なるように乾燥すると、皮を剥い
たり、小口大に切って調理しても、表面のべたつきが解
消され、更に乾燥後のいもを加熱殺菌しても、離水が生
じ難く、食感も良好であることを見出した。
いもを加熱殺菌処理すると、比較的高温短時間の焼成で
あっても、いもの皮が果肉部分から遊離し、簡単に手で
剥皮でき、且ついも類の皮由来の香ばしい風味を付与で
きること、更に、いも果肉に鬆のない外観良好な調理い
もとすることができることを見出した。
少なくとも一面に皮がついている状態になるよう切断し
た後、乾燥して加熱殺菌すると、切断した部分の一部の
皮が完全剥離し、一部が弱く果肉部分に付着した遊離状
態となり、剥離部分を手でつまんでめくるだけで簡単に
皮全体を取り除くことができることを見出した。また、
このように処理した切断いも類は、皮が喫食前に剥がれ
落ちて他の切断いも片に付着するなどの外観上の問題を
生じず、また、切断いも片同士が付着したり、喫食時に
手がべたつくなどの問題を生じず、外観上、形態上良好
な、一口ずつ食べやすい形態とすることができることを
見出し本発明に到達した。
まず、本発明の皮付き調理いもは、表面積比で、皮部:
切断面部=1:1.0〜2.0となっている。
限定するものではなく、一般に用いられているものから
適宜選択して用いればよい。一般に知られているいも類
の例としては、例えば、さつまいも、ジャガイモ、さと
いも科(えびいも、八つ頭、セレベス、ハスイモ等)、
やまのいも科(長芋、むかご、大和いも、いちょういも
等)、クワイ、キクイモ、キャッサバ、タロイモ等が挙
げられる。
断面の表面積比が1:1.0〜2.0となるよう皮付き
のまま切断されている。すなわち、表面積比で皮1に対
し、切断面が1.0未満の場合、皮部分が多すぎて皮が
剥きづらく、喫食時の食感も悪くなる。また、逆に、
2.0を超えると、べたついて、手に持ちづらくなる。
類を加熱する工程、及び上記加熱いも類を乾燥する工程
を順次行う。
のようにして行われる。まず、生のいも類を水洗し、異
物等を除く。なお、いも類は、皮付きのままでも、皮を
剥離してもよく、また、適宜切断して用いてもよい。
としては、蒸す、茹でる、フライする、焼成するなどの
各種調理方法があり、所望の最終調理形態に合わせ適宜
加熱方法、装置を選択して用いればよい。また、加熱に
際しては、皮付きのまま丸ごとするか、もしくは、なる
べく果肉の露出が少ないように切断することが、香ばし
さ、ほどよい食感に仕上げる点で望ましい。上記方法の
中でも、特に、焼きいも特有の香ばしい風味、食感が好
適に得られる点で焼成方法が好適に用いられる。
ムオーブン等が挙げられ、茹でる場合には、水煮、容器
内でのボイル処理等が挙げられ、フライの場合には、フ
ライヤーを用いて油や糖質甘味料(糖アルコール、トレ
ハロース等)でフライする方法等が挙げられる。
焼き、遠赤外線加熱等、従来用いられている方法を適宜
用いればよい。例えば、甘味を増強させる点では、石焼
きが好適であり、迅速かつ均一大量処理の場合には、熱
風ロースト等のような、流体加熱する方法が好適であ
る。
さ、焼成装置、処理量等に合わせ、適宜設定すればよ
い。例えば、焼成の場合には、内部まで均一に澱粉のα
化が生じるようにしてもよいが、後述するレトルト殺菌
によってもα化が促進されるので、いも類全体の50重
量%以上の澱粉がα化するように適宜焼成条件を設定す
ればよい。但し、糖化を促進させる点で、60℃に内部
温度を到達させることが好適である。また、更に好まし
くは、中心温度が80℃到達となるよう焼成し、酵素
(アミラーゼ)を失活させることが色調(褐変防止)の
点で望ましい。
燥方法としては、流体乾燥、マイクロ波加熱、真空凍結
乾燥、天日乾燥及び天火乾燥等が挙げられる。これらの
中でも、流体乾燥は、いも類の品質に影響が少なく、効
率的に乾燥ができる点で好適である。
の気体)が流動し、いも類の水分を除去することにより
乾燥するものである。流体乾燥の具体的な方法として
は、流体をいも類表面に強制的に接触させ、いも類表面
の水分を蒸発させる方法等が挙げられる。また、具体的
な装置としては、扇風機、乾燥機、温風機、エアーコン
ディショナー等の送風装置等が挙げられる。
分、糖化度等)、品種、いも類の処理量、いも類の形
状、装置能力等によって適宜設定すればよい。例えば、
流体乾燥の場合、30kgのいも類ならば、風速1.5
〜6m/秒(28℃湿度60%)で2時間程度である。
また、流体の温度は、好ましくは常温(1〜45℃)
が、更に好ましくは、低温(1〜25℃)が望ましい。
すなわち、45℃を超えると、いも類の表面が白く変色
(粉ふき)しやすくなるため、外観、舌触りが悪くなる
傾向にある。この時、いも類の品質を変化させない程度
に、冷媒や熱源を併用するようにしてもよい。
皮部分と、中心部分との水分格差を生じている。具体的
には、表皮から5mmの厚さ部分の水分Aと、中心部か
ら5mm半径部分の水分Bの格差が、B−A=2〜5%
となっていることが望ましい。すなわち、水分格差が上
記範囲内であると、べたつきが解消され、手を汚さずに
喫食することができる点で好適である。また、皮付きの
いも類の場合、後述する加熱殺菌後、いも類の皮は遊離
し、手で簡単に、完全に剥離することができる傾向にあ
る。一方、水分格差が上記範囲よりも下回ると、手で持
ったときにべたつきを感じ、また皮が剥きづらくなる傾
向にある。また、逆に水分格差が上記範囲を超えると、
いも類の食感、風味、外観が悪くなったり、皮が剥がれ
落ちる傾向にある。
あるいは適宜切断、剥皮、二次調理(味付け等)して喫
食、流通(数日程度)可能であるが、更に常温もしくは
長期間流通する場合には、加熱殺菌することが好適であ
る。また、皮付きいも類の場合、皮を遊離させることが
できる点で、加熱殺菌することは好適である。
菌、レトルト殺菌等が挙げられる。また、加熱殺菌条件
は、いもの種類、大きさ、数量、殺菌方法等によって適
宜設定すればよい。例えば、丸ごとのいも類において
は、3ヶ月程度の常温流通ならば、特開平7−9584
9号に記載のように中心温度を105℃10分間保持す
る。また、常温で10ヶ月流通させる場合、特開平8−
214769号公報に記載のように100〜105℃2
0〜40分、123〜130℃15〜40分行う等の方
法が挙げられる。特に、1年間安定して常温流通するた
めの好適な条件は、いも類の中心温度が121℃4分以
上となるレトルト殺菌条件等が挙げられる。
乾燥工程を経ることによって、従来のように加熱殺菌に
よる離水が生じず、表面にベタツキがなく、手を汚さず
に喫食できる外観、携帯性、食感、風味の良好な調理い
も類である。また、皮付きのいも類の場合には、いも全
体に亘って均一に皮が遊離しており、手に持って皮を軽
くめくるだけで、簡単に、また、完全に皮を取り除くこ
とができる。また、レトルト殺菌のような、過酷な加熱
殺菌工程を経た場合でも、殺菌前のいもの形状を保持し
ている。
いは適宜切断、剥皮や二次調理して喫食することができ
るが、流通安定性(保存性、衛生面等)、並びに消費者
の携帯簡便性の点で、容器入り調理いもとすることが更
に好適である。
にして製造される。まず、上述したように、生いも類を
加熱した後、乾燥する。次いで、該乾燥いもを、上記容
器に収容し、必要に応じて窒素ガスやこれらを含む混合
ガスで酸素低減した後、容器開口部を密封し(缶の場合
には巻き締め、袋の場合にはヒートシール等)、加熱殺
菌をして得られる。なお、容器にいも類を収容する際に
は、乾燥前後に、調味料、色素、香料、乳化剤、ゲル化
剤、ビタミン類等の副原料を添加するようにしてもよ
い。あるいは、予めいも類にこれらの副原料を施与(ま
ぶす、水溶液化して浸漬する、噴霧する等)して容器に
収容するようにしてもよい。この時、副原料が高水分
(水溶液等)の場合には、乾燥前の施与が、乾燥の効果
を発揮する上で好ましいが、低水分(粉体等)の場合に
は、特に乾燥の前後の時を限定することなく、適宜施与
すればよい。このようにして得られた容器入り調理いも
類は、加熱殺菌工程後も離水が生じず、食感的にも良好
である。また、レトルト殺菌する際には、窒素ガスなど
を充填して容器内の残存酸素を置換することが、調理い
も類の品質保持、形状保持及び調理いも類の香気保持効
果の点で特に好適である。
形態として、次のようにすると、更に好適である。すな
わち、本発明の皮付きいも類の製法は、例えば、次のよ
うにして行われ、遊離した皮が簡単に剥離するようにな
る。まず、上述したように、生いも類を加熱する。次い
で、これを切断片とする。切断片は、少なくとも一面に
皮がついている状態とすることが風味、外観の点で望ま
しい。切断方法、切断の形態は、適宜選択すれば良い
が、切断方向がいも類の繊維の方向と垂直方向になるよ
うに輪切りなどにすると、皮が遊離後も付着した状態を
保ちやすく、外観的にも好適である。また、一口大の大
きさにしたい場合は、4〜10g/個となるように切断
するとよい。
水分格差となるように乾燥し、引き続き、適宜の数量の
いも類を容器に収容し、上述した殺菌条件で加熱殺菌す
る。
であり、その形態は、例えば缶、袋等が挙げられる。袋
を用いる場合、その材質としては、例えば耐熱性フィル
ム、ガスバリア性フィルムなどが挙げられ、殺菌方法な
どに併せて適宜選択して用いればよい。
を行う時に用いる容器の形態は、例えば、缶、ビン、パ
ウチのような合成樹脂製袋などの、耐熱性のある密封可
能な包装容器が好適である。
は、切断によって表面積が大きくなっているにもかかわ
らず、乾燥工程を経ることによって、べた付きがなく、
手を汚さずに喫食することができる。また、上記の切断
工程を経ることによって、加熱殺菌後、皮が完全に果肉
部分から剥離した端部と、残余の皮が果肉部から遊離は
しているものの果肉に付着している部分を形成する。従
って、完全に剥離した皮の部分をもって手で軽くめくる
だけで、きれいに皮を剥離することができる。また、も
し皮付きのまま喫食する場合も、皮の一部が果肉に付着
しているので、喫食中に皮が剥がれることがなく、皮付
きのままの風味を味わうことができる。
皮付きいもの外観を有するが、簡単に皮を剥離でき、ま
た手にべとつかない食べやすい一口サイズの調理いもと
することができる。なお、このようにして得られた一口
いも類は、密封容器に収容された状態で、自然志向の菓
子として製品化することもできるし、あるいは、いも類
加工品の原料とすることもできる。
及び容器入りいも類の製法は、連続的に行ってもよい
が、例えば、いも類を加熱する工程の後、一旦冷凍し
て、乾燥する前に、都度冷凍したいも類を解凍して乾燥
するようにしてもよい。すなわち、いも類を加熱後、冷
凍し、解凍すると、糖度が高まって風味が良くなり、ま
た、しまりのある食感となる点で特に好適である。
能であるが、乾燥後殺菌する場合は、いも類の表面と内
部とに水分格差を生じさせた状態を維持して引き続き加
熱殺菌することが好ましい。
実類などの食品材料と共に収容密封するようにしてもよ
い。
は、皮と切断面とを特定比となるよう切断しているの
で、手への付着がなく、皮が剥がしやすく、食感、風味
及び外観も良好である。また、本発明の調理いも類の製
法は、加熱調理後乾燥しているので、表面にベタツキが
なく、手を汚さずに喫食できる調理いも類を得ることが
できるものである。また、更に好適には、乾燥後、加熱
殺菌することにより、加熱殺菌に由来する離水がなく、
べたつきも生じないので、いも類の食感、携帯性も良好
となる。また、皮付きのいも類の場合、いも類の焼成が
高温短時間であっても、皮が遊離はしているものの果肉
部に付着した状態となっており、低温長時間焼成した時
のように「鬆」が入ることがなく、皮の遊離が行われ、
手で軽くむくだけで、簡単に完全に皮を剥離することが
できる。また、手でむく操作を加えるまでは、果肉部に
皮が付着した状態を保っているので、皮付きいも類の風
味、外観を維持している。従って、皮が付いたいもと、
付いていないいもとが混在するといったことがなく、品
質の安定した調理いもを提供できる。また、更に好適に
は、調理いも類を容器に収容後、密封することにより、
携帯性を更に向上させることができる。また、更に好適
には、皮付きいも類を予め切断してから乾燥するように
した場合には、皮の一部が完全剥離し残余の皮が遊離し
た状態で果肉部分に付着しているので、完全剥離した部
分から簡単に剥すことも、皮付きのまま喫食することも
でき、消費者の好みに応じて食べ分けることができる。
また、皮は遊離しているものの、流通工程で剥がれ落ち
足り、皮がたのいも片に付着することがないので、外観
も良好である。また、上記のようにして得られた調理い
も類は、長期保存中もいも本来の甘味、風味、食感、色
調、外観が維持されているものである。この調理いも類
は、包装容器を開封して、そのまま食してもよく、ある
いはいもごはん、いもきんとん、いもの甘露煮、いもグ
ラッセなど各種のいも加工食品に利用することができ
る、汎用性の高い調理いも類である。
マ)(直径4cm程度)を、電気オーブンを用いて、いも
の中心温度が80℃に到達するよう160℃で100分
焼成した。次いで、このさつまいもを、5〜7g/個と
なるように輪切りにして風速3m/秒、80分間、扇風
機で送風(20℃)して流体乾燥した。また、さつまい
もの皮:切断面の表面積比は、1個当たり平均1:1.
2であった。なお、どのさつまいもも皮:切断面の表面
積比が1:1.0〜2.0の範疇であった。このとき、
さつまいもの表皮部分(5mm厚さ)の水分は43%、
さつまいも中心部分5mm半径の水分は47%であっ
た。このようにして得られたさつまいもを5個レトルト
パウチに充填し、ヒートシール後、121℃で40分間
熱水レトルトにて加熱処理し、ひとくち調理さつまいも
を得た。
(ベニアズマ)(直径4cm程度)を、電気オーブンを用
いて、いもの中心温度が80℃に到達するよう160℃
で100分焼成した。次いで、このさつまいもを放冷
後、−30℃で急速凍結した。そして、室温で解凍後、
5〜7g/個となるように輪切りにして風速3m/秒、
80分間、扇風機で送風(20℃)して流体乾燥した。
また、さつまいもの皮:切断面の表面積比は、1個当た
り平均1:1.2であった。なお、最大でも、1:2.
0であった。このとき、さつまいもの表皮部分(5mm
厚さ)の水分は43%、さつまいも中心部分5mm半径
の水分は47%であった。このようにして得られたさつ
まいもを5個レトルトパウチに充填し、ヒートシール
後、121℃で40分間熱水レトルトにて加熱処理し、
ひとくち調理さつまいもを得た。
(ベニアズマ)(直径4cm程度)を、電気オーブンを用
いて、いもの中心温度が80℃に到達するよう160℃
で100分焼成した。次いで、このさつまいもを、5〜
7g/個となるように輪切りにして風速3m/秒、40
分間、温風機で送風(45℃)して流体乾燥した。ま
た、さつまいもの皮:切断面の表面積比は、1個当たり
平均1:1.2であった。なお、最大でも、1:2.0
であった。このとき、さつまいもの表皮部分(5mm厚
さ)の水分は41%、さつまいも中心部分5mm半径の
水分は46%であった。このようにして得られたさつま
いもを5個レトルトパウチに充填し、ヒートシール後、
121℃で40分間熱水レトルトにて加熱処理し、ひと
くち調理さつまいもを得た。
/秒、5分間、扇風機で送風(20℃)とする他は、実
施例1と同様に行った。また、さつまいもの皮:切断面
の表面積比は、1個当たり平均1:1.2であった。な
お、最大でも、1:2.0であった。また、さつまいも
の皮:切断面の表面積比は、1個当たり平均1:1.2
であった。なお、最大でも、1:2.0であった。この
とき、さつまいもの表皮部分(5mm厚さ)の水分は4
6%、さつまいも中心部分5mm半径の水分は47%で
あった。
/秒、200分、扇風機で送風(20℃)とする他は、
実施例1と同様に行った。また、さつまいもの皮:切断
面の表面積比は、1個当たり平均1:1.2であった。
なお、最大でも、1:2.0であった。このとき、さつ
まいもの表皮部分(5mm厚さ)の水分は35%、さつ
まいも中心部分5mm半径の水分は46%であった。
力500W周波数50〜60HZ)で2分加熱し、10
分間放冷する他は、実施例1と同様に行った。また、さ
つまいもの皮:切断面の表面積比は、1個当たり平均
1:1.2であった。なお、どのさつまいもも皮:切断
面の表面積比が1:1.0〜2.0の範疇であった。こ
のとき、さつまいもの表皮部分(5mm厚さ)の水分は
46.1%、さつまいも中心部分5mm半径の水分は4
8.3%であった。
と同様にした。
/個となるように輪切りにする他は実施例1と同様に行
った。また、さつまいもの皮:切断面の表面積比は、1
個当たり平均1:0.5であった。
となるように扇形に4分割する他は実施例1と同様に行
った。また、さつまいもの皮:切断面の表面積比は、1
個当たり平均1:2.2であった。
理いもを、開封して皮の遊離状態、外観、手へのべたつ
き、風味を専門パネラー20名で評価した。
皮が遊離しており、また、皮の端部が完全に剥離してい
るので、剥離部分を手で持って軽くめくるだけで、皮全
体を取り除くことができた。また、外観は、皮が一見切
断した時の状態のまま維持されているように見えた。ま
た、風味も皮由来の香ばしさが残っており、良好であっ
た。また、喫食時手に持ってもベタツキが少なかった。
また、実施例2は、冷凍、解凍処理を行っているので、
更に糖度が増し、しまりのある食感となり、風味、食感
ともに良好であった。また、実施例3は、流体乾燥の温
度が高めであるので、いも類の表面が白く粉ふきした状
態となり、ぱさつきとざらつきがやや感じられた。ま
た、実施例4は、乾燥後のさつまいもの表面部分と、中
心部分との水分格差が2〜5%より小さかったので、表
面がべたついており、食感もしまりが弱く、皮の遊離は
しているものと、していないものとが混在していた。ま
た、実施例5は、乾燥後のさつまいもの表面部分と、中
心部分との水分格差が2〜5%より大きかったので、表
面にぱさつきとざらつきが感じられ、しわの寄っている
ものが多かった。また、皮が剥がれ落ちているものが多
かった。また、実施例6は、皮の遊離はしているが、表
面の乾燥が強く、やや表面の食感が硬かった。
れていたり、皮が強固に果肉部分に付着していたりして
剥き難かったりし、外観的に好ましくなかった。また、
皮の付着しているものもしていないものも手にべとつき
やすく、食感的にもしまりがなく、好ましくなかった。
また、比較例2は、皮部分が多く、食感的にごわごわし
たものになり、皮も剥がしにくかった。また、大きさが
大きく、ひとくち調理いもとしては好ましくなかった。
また、比較例3は、皮部分が少なく、手に持つとべたつ
き易く、好ましくなかった。
Claims (5)
- 【請求項1】皮付き原料いもを加熱し、耐熱性容器に収
容し、加熱殺菌されてなる皮付き調理いもであって、該
調理いもが、表面積比で皮部:切断面部=1:1.0〜
2.0となっていることを特徴とする皮付き調理いも。 - 【請求項2】下記工程を順次行うことを特徴とする調理
いも類の製法。 (1)いも類を加熱する工程。 (2)上記加熱いも類を乾燥する工程。 - 【請求項3】下記工程を順次行うことを特徴とする調理
いも類の製法。 (1)いも類を加熱する工程。 (2)上記加熱いも類を乾燥する工程。 (3)上記乾燥いも類を加熱殺菌する工程。 - 【請求項4】下記工程を順次行うことを特徴とする皮付
きいも類の皮遊離方法。 (1)いも類を皮付きのまま、加熱する工程。 (2)上記加熱いも類を乾燥する工程。 (3)上記乾燥いも類を、引き続き加熱殺菌し、該いも
類の皮を遊離させる工程。 - 【請求項5】下記工程を順次行うことを特徴とする容器
入りいも類の皮遊離方法。 (1)いも類を皮付きのまま、加熱する工程。 (2)上記加熱いも類を、切断片の少なくとも1面に皮
が付着している 状態に切断する工程。 (3)上記切断加熱いも類を乾燥する工程。 (4)上記乾燥いも類を、引き続き耐熱性容器に収容密
封する工程。 (5)上記密封容器入りいも類を、引き続き加熱殺菌
し、該いも類の皮を遊離させる工程。
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