JP2010050471A - 蓄電素子 - Google Patents

蓄電素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2010050471A
JP2010050471A JP2009240726A JP2009240726A JP2010050471A JP 2010050471 A JP2010050471 A JP 2010050471A JP 2009240726 A JP2009240726 A JP 2009240726A JP 2009240726 A JP2009240726 A JP 2009240726A JP 2010050471 A JP2010050471 A JP 2010050471A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
metal
polymer electrolyte
storage element
storage device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009240726A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4891378B2 (ja
Inventor
Minoru Sugiyama
稔 杉山
Kenji Kato
健治 加藤
Kazuo Onishi
和夫 大西
Shingo Sewa
信吾 瀬和
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eamex Corp
Original Assignee
Eamex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eamex Corp filed Critical Eamex Corp
Priority to JP2009240726A priority Critical patent/JP4891378B2/ja
Publication of JP2010050471A publication Critical patent/JP2010050471A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4891378B2 publication Critical patent/JP4891378B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/13Energy storage using capacitors
    • Y02T10/7011
    • Y02T10/7022

Landscapes

  • Electric Double-Layer Capacitors Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】電極が金属電極であり、比容量が大きく、エネルギー密度が高い高容量蓄電素子を提供する。
【解決手段】分子電解質と分極性電極とを備えた蓄電素子であって、前記分極性電極が前記高分子電解質との界面を備え、前記分極性電極が金属電極であり、前記分極性電極の負極電極が、前記高分子電解質との界面において、該負極電極に含まれる金属成分とのリチウム合金を有し、前記リチウム合金が可逆的な電気化学的酸化還元反応によりリチウムイオンを放出することができる合金であることを特徴とする蓄電素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、高分子電解質に分極性電極が形成された蓄電素子と蓄電素子の製造方法に関する。
蓄電素子は、コンデンサまたは蓄電器と呼ばれ、電極間に電荷を貯える装置あるいは回路素子である。キャパシタは、近年、パソコンや携帯端末等のメモリのバックアップ用電源としての用途を初め、瞬時の停電対応用電源、または太陽電池と組合わせたソーラー発電エネルギー貯蔵システム等の用途に用いることができるために注目されている。
キャパシタ(コンデンサ)に用いられる電極には、主に、金属電極と炭素電極がある。炭素電極は、活性炭等の炭素材料を用いた電極であり、比表面積が大きいので大容量化に適している。しかし、粉末化した炭素材料を混練するために、粉体を取り扱う必要があるので、取り扱いが難しく、作業性に欠ける。また、電極が炭素材料からなる場合には、電極として金属の網目状体や金属板等の集電体が必要となる。また、集電体を用いないキャパシタとするためには、ボタン型とするなど形状が限定されてしまい、キャパシタ形状の設計の自由度が減り、各種用途により所望の形状とすることができない。さらに、炭素材料からなる電極ごとに集電体を用いた場合には、集電体の厚さの分だけキャパシタが厚くなり、薄型化することができない。キャパシタの電極は、集電体の必要のない金属電極であることが好ましい。
金属電極を用いたキャパシタには、高分子層上に電極を形成したキャパシタである薄膜の高分子フィルムコンデンサがある(例えば、特許文献1参照)。前記高分子フィルムコンデンサは、面積1cmにおいて、厚さ0.35〜0.41μmの静電容量が0.015〜0.02μFで、厚さ0.8〜1.8μmの静電容量が25〜40μFであり、静電容量が十分ではなく、更なる静電容量の向上が必要である。
特開平11−8153号公報
本発明の目的は、電極が金属電極であり、比容量が大きく、エネルギー密度が高い高容量蓄電素子を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、高分子電解質と分極性電極とを備えた蓄電素子であって、前記分極性電極が前記高分子電解質との界面を備え、前記分極性電極が金属電極であり、前記分極性電極の負極電極が、前記高分子電解質との界面において、該負極電極に含まれる金属成分とのリチウム合金を有し、前記リチウム合金が可逆的な電気化学的酸化還元反応によりリチウムイオンを放出することができる合金であることを特徴とする蓄電素子を用いることにより、分極性電極が金属電極であり、比容量の大きな蓄電素子として用いることができることを見出し、本発明に至った。
また、本発明は、蓄電素子の製造方法であって、無電解メッキ法により高分子電解質上に分極性電極が形成された電極−電解質構造体を得る構造体形成工程と構造体形成工程により得られた該電極−電解質構造体がリチウムイオンを含む溶液を含有する状態で該分極性電極に電圧を印加して、該分極性電極の金属成分とリチウムとを含む層を該分極性電極の負極に形成する層形成工程とを含む蓄電素子の製造方法でもある。前記製造方法を用いることにより、前記分極性電極のうち負極となる金属電極が、前記高分子電解質との界面に、該金属電極を構成する金属成分とのリチウム合金を有するキャパシタを容易に得ることができる。
本発明の蓄電素子は、分極性電極として金属電極を備え、更に負極における電極と高分子電解質との界面においてリチウム合金を備えているので、金属電極と高分子電解質との界面に電気二重層が形成され、さらにリチウム合金の酸化還元反応が生じる。従って、前記蓄電素子の比容量は、電気二重層容量と、レドックス反応による擬似容量との和である容量値を有するために、通常の電気二重層キャパシタ及びレドックスキャパシタの容量値よりも大きい。
また、本発明の蓄電素子の製造方法は、前記分極性電極のうちの負極となる金属電極と前記高分子電解質との界面に、レドックス反応によりリチウムイオンを放出することができる層を容易に形成することができるので、通常の電気二重層キャパシタの容量よりも比容量が大きい蓄電素子を容易に得ることができる。
本発明の蓄電素子に用いる電極−電解質構造体の一様態として、該電極−電解質構造体の厚さ方向の断面を観察したSEM写真である。 本発明の蓄電素子に用いる電極−電解質構造体の一様態として、該電極−電解質構造体の厚さ方向の断面を観察したSEM写真である。
(蓄電素子)
本発明は、高分子電解質と分極性電極とを備えた蓄電素子であって、前記分極性電極が前記高分子電解質との界面を備え、前記分極性電極が金属電極であり、前記分極性電極の負極電極が、前記高分子電解質との界面において、該負極電極に含まれる金属成分とのリチウム合金を有し、前記リチウム合金が可逆的な電気化学的酸化還元反応によりリチウムイオンを放出することができる合金であることを特徴とする蓄電素子である。
本発明の蓄電素子は、分極性電極と高分子電解質とに界面を有する。そのために、前記蓄電素子は、蓄電時において、高分子電解質に含まれるイオン種による電気二重層を形成することができる。
また、本発明の蓄電素子は、前記分極性電極の負極電極に含まれる金属成分とのリチウム合金を、負極となる前記分極性電極と高分子電解質との界面に有する。前記リチウム合金は、電気化学的酸化還元反応により可逆的にリチウムイオンを放出することができる合金である。前記リチウム合金は、放電時に、リチウムイオンを放出して、酸化還元反応を生じることができる。そのために、前記蓄電素子は、電気二重層容量に加えて、電気二重層容量ではなく酸化還元反応を伴って発生する容量をも有する。すなわち、本発明の蓄電素子は、電気二重層のみによる容量を有する電気二重層キャパシタや、酸化還元反応のみによる容量を有するレドックスキャパシタよりも、大きな容量を有する。
前記リチウム合金は、放電時においてリチウムイオンを放出することができる合金であり、充電時においてリチウムイオンと負極電極に含まれる金属成分とで形成される合金であればよい。前記リチウム合金をリチウムとともに形成する金属は、特に限定されるものではないが、入手が容易であり、分極性電極を形成することが容易であることから、金(Au)、鉛(Pb)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、カドミウム(Cd)、ビスマス(Bi)、チタン(Ti)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉄(Fe)及びニッケル(Ni)からなる群より選ばれた金属であることが好ましい。つまり、本発明の蓄電素子の負極は、金属成分が、金、鉛、錫及び亜鉛からなる群より選ばれた1種以上の金属を、金属成分として含むことが好ましい。また、前記リチウム合金をリチウムとともに形成する金属は、分極性電極に含まれる金属でもあるので、充放電を繰り返した後における前記蓄電素子の充電時においても、前記リチウム合金を負極と高分子電解質との界面に容易に形成することができる。そのため、充放電を繰り返し行っても、前記蓄電素子の容量の低下が生じにくい。
本発明の蓄電素子は、分極性電極を備えている。上述のように、前記分極性電極のうちの負極は、負極に含まれる金属とリチウムとの合金を、負極と高分子電解質との界面に有している。前記リチウム合金をリチウムとともに形成する金属は、リチウムと合金を形成することができるのであれば、1種であっても良く、2種以上であっていても良い。
前記負極に含まれる金属成分は、より多くの量のリチウム合金を負極と高分子電解質との界面に形成することができるから、前記リチウム合金をリチウムとともに形成する金属のみからなることが好ましい。前記負極は、負極と高分子電解質との界面が広いために、より多くの量のリチウム合金を形成することができるから、負極と高分子電解質との界面が凹凸状に形成されていることが好ましく、前記蓄電素子の厚さ方向の断面において該高分子電解質と接し且つ該負極の電極成分を構成する突出し部を該高分子電解質との境界領域に有することが好ましい。前記突出し部は、前記突出し部の輪郭線が略周期曲線状及び/または不定形であってもよく、前記突出し部の形状がフラクタル状、半島状、島状部に首状の狭さく部を備えた形状、樹木形状、茸形状、ツララ形状、ポリープ状及び/または珊瑚状であっても良い。なお、前記島状部が略円形、略楕円形または多角形であってもよい。また、前記境界領域とは、前記蓄電素子の厚さ方向の断面において、負極と高分子電解質との界面の蓄電素子の厚さ方向における中央に最も近い位置と該界面の最も前記負極表面に近い位置との間の範囲であり、負極と高分子電解質との界面が含まれる範囲である。厚さ方向の断面において突出し部を有する電極−電解質構造体は、無電解メッキ法により高分子電解質に得ることができ、例えば図1または図2の電子顕微鏡写真の図のような突出し部を形成することができる。なお、図1および図2は、試料である電極−電解質構造体の断面を高真空にて金蒸着して、走査型電子顕微鏡により倍率300倍で撮影した該電極−電解質構造体の厚さ方向の断面を観察したSEM写真である。図1及び図2においては、白く見える部分が金属により構成されている。
また、前記負極は、負極と高分子電解質との界面が広く、より多くの量のリチウム合金を該界面に形成することができるから、多孔質状の金属電極であることが好ましく、リチウム合金をリチウムとともに形成する金属のみからなる多孔質状金属電極であることが更に好ましい。負極と高分子電解質との界面にリチウム合金がより多く形成されることにより、本発明の蓄電素子は、大きな比容量を有することができる。前記多孔質状金属電極は、例えば、高分子電界質に、無電解メッキ法における吸着還元法を高分子電解質に施すことにより得ることができる。
また、前記蓄電素子は、前記高分子電解質との界面を有する正極を備えている。前記正極は、前記高分子電解質との界面において電気二重層を形成することができる金属電極である。そのため、本発明の蓄電素子は、正極においては、電気二重層を形成することができる。上述のように、本発明の蓄電素子は、負極においてはリチウムが合金を形成する反応が主とし起こり、正極においては電気二重層の形成が生じることにより、充放電がなされる。前記蓄電素子は、正極においてもリチウムイオンを吸収する物質を含んでも良いが、前記正極の製造が容易であることから、リチウムイオンを吸収する物質を含まない金属電極であることが好ましい。なお、本発明の蓄電素子は、負極において電気二重層を形成することも可能である。
前記正極は、電気二重層を形成することができる金属電極であれば良いが、製造が容易であることから、負極と同様の材質であることが好ましい。つまり、前記正極は、電極の金属成分が、金、鉛、錫及び亜鉛からなる群より選ばれた1種以上の金属を含む金属電極であり、負極と正極との金属成分の組成が同様であることが好ましい。また、前記正極は高分子電解質との界面との間に気体が入らないことから、高分子電解質に接合された電極であることが好ましい。なお、前記負極も、同様に高分子電解質に接合された電極であることが好ましい。
本発明の蓄電素子に含まれる高分子電解質は、特に限定されるものではないが、主として高分子により形成された電解質であれば特に限定されるものではないが、金属錯体を十分に吸着させるためにイオン交換樹脂が好ましい。また、前記高分子電解質の樹脂成分としてイオン交換樹脂を含むことは、前記高分子電解質が膨潤状態においても、多量の溶媒分子を含まずに、蓄電素子の電解質として機能し、しかも従来よりも大きな静電容量を得ることができるので、好ましい。前記イオン交換樹脂は、特に限定されるものではなく、公知の樹脂を用いることができ、ポリエチレン、ポリスチレン、フッ素樹脂などにスルホン酸基、カルボキシル基などの親水性官能基を導入したものを用いることができる。前記イオン交換樹脂の具体例としては、パーフルオロカルボン酸樹脂、パーフルオロスルホン酸樹脂を用いることができ、例えばNafion樹脂(パーフルオロスルホン酸樹脂、DuPont社製)、フレミオン(パーフルオロカルボン酸樹脂またはパーフルオロスルホン酸樹脂、旭硝子社製)を用いることができる。前記イオン交換樹脂は、電解質塩のイオン種を選択する自由度が大きく、用途や特性に応じた組み合わせの幅を広げることができることから、陽イオン交換樹脂であることが好ましい。なお、前記高分子電解質は、無電解メッキ法により得られる蓄電素子としての形状に適した形状の高分子電解質成形品を用いることができ、膜状、板状、筒状、柱状や管状等の所望の形状を用いることができる。
本発明の蓄電素子は、イオンを含む溶媒により高分子電解質層が膨潤した状態にあるものである。溶媒は、非水溶媒であっても良く、水系溶媒であってもよい。また前記高分子電解質中に電解液の溶媒分子を若干含んだ状態であっても良い。
本発明の蓄電素子が、イオンを含む溶媒により高分子電解質が膨潤した状態である場合には、前記イオンは、負極においてリチウム合金を形成することができるので、Liイオンを好適に用いることができる。なお、前記負極におけるリチウム合金の酸化還元反応を阻害することが無く、前記蓄電素子の比容量を低下させなければ、他の陽イオンを含んでいても良い。本発明の蓄電素子において、高分子電解質中に含まれるリチウムイオンの濃度は、特に限定されるものでないが、0.1〜3.3mol/Lであることが好ましい。
本発明の蓄電素子の高分子電解質に含まれる陰イオンは、特に限定されるものではなく、公知の電解質に含まれる陰イオンを用いることができるが、陰イオンとしてBF 、PF 、ClO 、Ts、SO 2−、NO 、Cl、Br、I、CFSO 、CSO 、パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオン、BCH(C 、B(C 、B(C 、AsF及びSbF からなる群より選ばれた1種以上の陰イオンを好適に用いることができる。前記陰イオンとしては、ClO 、及び(CFSOが好ましく、(CFSOが特に好ましい。また、イオンを含む溶液として、Li(CFSONを含むイオン性液体(常温溶融塩)を用いることもできる。なお、前記蓄電素子は、リチウム合金を負極において形成する際に電極−電解質構造体に含まれるイオン種と、蓄電素子として用いられる際のなお、前記蓄電素子は、リチウム合金を負極において形成する際に電極−電解質構造体に含まれる溶媒と、蓄電素子として用いられる際の溶媒とが異なる種類であっても良いが、蓄電素子の高分子電解質にリチウムイオンを含むことが好ましい。
本発明の蓄電素子の高分子電解質に含まれる溶媒としては、水を用いることができる。前記溶媒に水を用いた場合には、キャパシタの充電・放電過程での金属のイオン化を防止するためには、分極性電極の金属成分として貴金属を用いることが好ましい。一方、前記溶媒として、非プロトン性極性有機溶媒を用いることもできる。高い誘電率、分解電圧を有する非水系の極性有機溶媒を用いた場合には、水の電気分解が起こりにくくなり、電気化学的に安定になるため、耐電圧が高くなり、エネルギー密度が大きくなる。また、極性有機溶媒を高分子電解質に含まれる溶媒として用いることは、貴金属以外の金属を電極として用いることが可能となり、コスト面においても有利である。特に、前記極性有機溶媒は、該極性有機溶媒の分解を防止するために、非プロトン性極性溶媒であることが好ましい。前記極性有機溶媒は、具体的には、プロピレンカーボネイト、N-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N,N-ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクトン、 1,2−ジメトキシエタン、N-メチルアセトアミド、スルホランエチレンカーボネイト、グルタロニトリル、アジポニトリル、ニトロメタン、ニトロエタン、ピリジン、好ましくは、プロピレンカーボネイト、n-メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、N−メチルホルムアミド、およびγ-ブチロラクトンが好ましく、更に好ましくはプロピレンカーボネイト、N-メチルホルムアミド、γ-ブチロラクトン、1,4−ジオキソランが更に好ましく、プロピレンカーボネイトが特に好ましい。なお、前記蓄電素子は、リチウム合金を負極において形成する際に電極−電解質構造体に含まれる溶媒と、蓄電素子として用いられる際の溶媒とが異なる種類であっても良い。
本発明の蓄電素子は、正極及び負極に金属電極を用いているが、上述のように電極界面に形成された電気二重層による電気二重層容量と酸化還元反応に伴う擬似容量との和として、比容量を有する。そのため、従来の金属電極を用いたキャパシタよりも大きな容量を有することができる。前記蓄電素子は、比容量が20F/cm以上である比容量を有することができる。なお、前記比容量は、定電流放電法により測定された数値であり、社団法人日本電子機械工業会発行の日本電子工業会規格、規格番号EIAJ RC-2377(2000年4月制定、電気二重層コンデンサの試験方法、3.3.1定電流放電法)に準拠して測定された値である。
(製造方法)
また、本発明は、蓄電素子の製造方法であって、無電解メッキ法により高分子電解質上に分極性電極が形成された電極−電解質構造体を得る構造体形成工程と構造体形成工程により得られた該電極−電解質構造体がリチウムイオンを含む溶液を含有する状態で該分極性電極に電圧を印加して、該分極性電極の金属成分とリチウムとを含む層を該分極性電極の負極に形成する層形成工程、とを含む蓄電素子の製造方法でもある。本発明の蓄電素子の製造方法を用いることにより、金属電極である負極と前記高分子電解質との界面において、該負極に含まれる金属成分とのリチウムとが含まれた層を有する蓄電素子を形成することができる。前記層が可逆的な電気化学的酸化還元反応によりリチウムイオンを放出することができる合金を含むことができるので、前記蓄電素子は、電気二重層容量とリチウム合金の酸化還元反応による擬似容量との両方を有するために、通常のキャパシタに比べて大きな比容量を有することができる。
本発明の製造方法においては、まず構造体形成工程において、高分子電解質に分極性電極を備えた電極−電解質構造体が無電解メッキ法により形成される。前記の電極−電解質構造体は、金属電極である分極性電極と高分子電解質とを含み、該分極性電極が該高分子電解質と界面を有する。構造体形成工程おいては、無電解メッキ法を用いることにより、高分子電解質に1対の分極性電極を容易に形成することができる。
前記無電解メッキ法は、特に限定されるものではないが、イオン交換樹脂に金属錯体を吸着させる吸着工程と、吸着工程により金属錯体が吸着したイオン交換樹脂に還元剤溶液を接触させて金属を析出させる還元工程とを含む方法であることが好ましい。この無電解メッキ法は、吸着還元法と呼ばれる方法であり、得られた電極−電解質構造体が電極−電解質接合体であるために分極性電極が高分子電解質と離れにくいので、分極性電極と高分子電解質との界面も広く、機械的強度も良好である電極−電解質構造体を容易に得ることができる。また、前記吸着還元法は、得られた分極性電極が多孔性金属電極であるので、該分極性電極と高分子電解質との界面を更に広くすることができる。さらに、前記吸着還元法は、得られる分極性電極と高分子電解質との界面を凹凸状にすることができ、上述の(蓄電素子)の項で述べたように、前記蓄電素子の厚さ方向の断面において該高分子電解質と接し且つ該負極の電極成分を構成する突出し部を該高分子電解質との境界領域に有する電極−電解質構造体を形成することができる。前記電極−電解質構造体は、分極性電極と高分子電解質との界面がさらに広くなるので、蓄電素子としてより大きな比容量を有することができる。前記突出し部は、前記突出し部の輪郭線が略周期曲線状及び/または不定形であってもよく、前記突出し部の形状がフラクタル状、半島状、島状部に首状の狭さく部を備えた形状、樹木形状、茸形状、ツララ形状、ポリープ状及び/または珊瑚状であっても良い。なお、前記島状部が略円形、略楕円形または多角形であってもよい。また、前記境界領域とは、前記蓄電素子の厚さ方向の断面において、負極と高分子電解質との界面の蓄電素子の厚さ方向における中央に最も近い位置と該界面の最も前記負極表面に近い位置との間の範囲であり、負極と高分子電解質との界面が含まれる範囲である。
前記無電解メッキ法は、高分子電解質への無電解メッキのための前処理の工程として、良溶媒または良溶媒を含む混合溶媒を高分子電解質に浸透させて、膨潤した前記高分子電解質が所定の形状を有し、前記高分子電解質の膨潤した状態での厚さを前記高分子電解質の乾燥した状態での厚さに対して120%以上に膨潤させる膨潤工程を行った後に、高分子電解質に金属錯体を吸着させる吸着工程、及び金属錯体が吸着した高分子電解質に還元剤溶液を接触させる還元工程を行うことにより金属層を形成する方法が、高分子電解質内部での金属の析出が容易となって分極性電極と高分子電解質の界面をより広くすることができるので特に好ましい。前記高分子電解質の膨潤した状態での厚さを前記高分子電解質の乾燥した状態での厚さに対して120%以上とする膨潤により、高分子電解質を形成する樹脂成分において、官能基を有する側鎖についてのセグメント運動の自由度が増大する。この自由度の増大により、無電解メッキ法の吸着工程において、金属錯体が前記高分子電解質の表面より内部へ吸着しやすくなり、また、還元工程においても還元剤溶液中の還元剤が高分子電解質の表面より内部へ吸着しやすくなり、高分子電解質内部において金属錯体及び還元剤のブラウン運動が容易となったと考えられる。
前記良溶媒は、高分子を良く膨潤させることができる溶媒の意味であり、高分子電解質を構成する高分子の種類により異なる。前記良溶媒は、複数種類の良溶媒を混合して用いても良い。前記良溶媒としては、例えば、メタノール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、テトラプロピルハイドロオキサイド等を用いることができる。前記高分子電解質が、パーフルオロカルボン酸樹脂またはパーフルオロスルホン酸樹脂である場合には、メタノール、エタノール、プロパノール、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、ジエチレングリコール、グリセリンを用いることができる。特に、前記膨潤工程において、前記高分子電解質がパーフルオロカルボン酸樹脂またはパーフルオロスルホン酸樹脂である場合に、メタノールまたはメタノールを含む溶媒を浸透させて、膨前記高分子電解質の膨潤した状態での厚さを前記高分子電解質の乾燥した状態での厚さに対して120%以上に膨潤することが好ましい。これは、メタノールは、膨潤がしやすく取り扱いが容易であるので、作業性が良好であるからである。
前記吸着還元法において、前記膨潤工程を経て還元工程行った場合、上述のように金属錯体が高分子電解質内部に入り込み、これが還元工程により粒子状金属となり、これら粒子状金属がお互い繋がることにより、金属電極が電解質に形成されるものである。本発明の蓄電素子は、このようにして高分子電解質に金属電極が形成されるのであるから、金属電極と電解質層の界面は必ずしも明確なものではなく、高分子電解質外側付近に金属成分がリッチな領域があり、電解質中心に向かうにつれ、徐々に電解質成分がリッチになる構造をとりうる。すなわち本発明の蓄電素子における金属電極とは、電解質上に明確な金属電極が層として存在している必要はなく、少なくとも電解質外側近辺に存在する金属が互いに繋がることにより、電極として使用可能な通電性の良い部分が形成されていることで足りるものである。従って本発明の蓄電素子では、金属電極層と電解質層とが目視による明確な界面を持たない構造であって、電解質層としての抵抗値を有する電解質部分が、金属を主成分として含み電極として使用可能な通電性の良い部分で両側から挟まれた構造をとることもできる。
本発明の蓄電素子の製造方法におてい、無電解メッキ法として、吸着還元法を行う場合には、分極性電極と高分子電解質との界面の形状を所望の状態とするために、吸着工程と還元工程とを繰り返し行うことができる。例えば、サンドブラスト等により高分子電解質表面を粗面化し、粗面化された高分子電解質に洗浄工程を施し、洗浄された高分子電解質に膨潤工程を施し、次いで第一回目の吸着工程と還元工程とを行った後に、洗浄工程と吸着工程と膨潤工程との組を複数回繰り返し行ってもよい。
前記吸着工程は、金属錯体が高分子電解質に吸着されるのであれば、特に限定されるものではなく、無電解メッキ法における公知の吸着還元法にて行われる吸着工程を行うことができる。前記吸着工程において用いられる金属錯体は、電極として用いることができる金属種であれば、金属錯体が特に限定されるものではないが、入手が容易であり、リチウムとの合金を容易に形成することができることから、金、鉛、錫及び亜鉛からなる群より選ばれた1種以上の金属を中心金属として含むことが好まし。また、前記金属錯体は、金(Au)、鉛(Pb)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、カドミウム(Cd)、ビスマス(Bi)、チタン(Ti)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、銀(Ag)、鉄(Fe)またはニッケル(Ni)の錯体が好ましく、中心金属の還元も容易に行うことができることから金、ニッケル、または鉄との錯体がより好ましい。
前記還元工程は、高分子電解質に吸着された金属錯体を還元することができれば、特に限定されるものではなく、無電解メッキ法にて行われる公知の還元工程を行うことができる。また、洗浄工程や高分子電解質を粗面化する前処理においても、無電解メッキ法における公知の吸着還元法を行うことができる。
本発明の蓄電素子の製造方法では、構造体形成工程に次いで、無電解メッキにより得られた電極−電解質構造体は、層形成工程において分極性電極に電圧が印加されることにより、負極において該分極性電極の金属成分とリチウムとを含む層が分極性電極と高分子電解質との界面に形成される。前記層は、負極の金属成分とリチウムとの合金を含むので、電気化学的な酸化還元によりリチウムを放出がすることができ、リチウム二次電池における負極活物質と同様の機能を負極においてし得る。したがって、負極において、前記層が負極と高分子電解質との界面部分に形成されていることにより、前記蓄電素子は該リチウム合金が放電時にリチウムイオンを放出し、充電時に負極界面に前記リチウム合金が形成されるので、電気二重層容量に加えて、擬似容量を有することができる。なお、前記層は、負極の最外層として形成されるのであるが、負極が多孔性電極である場合には、外見上、負極内部に形成されているように見える場合がある。また、層形成工程において、リチウムを含む層が前記負極に形成された後に、電極−電解質構造体を層形成工程に用いたリチウム溶液と別濃度若しくは別溶媒種のリチウム溶液に浸漬して、電極−電解質構造体に含まれる溶液を置換しても良い。
上述の蓄電素子の製造方法により得られた蓄電素子は、負極においてリチウムイオンを電気化学的酸化還元反応により放出することができる層を有するために電気二重層容量に加えて擬似容量をも有する、従来の電気二重層蓄電素子が有する容量よりも大きな比容量を有することができる。そのため前記蓄電素子は、比容量が大きく、エネルギー密度が高い。
(蓄電素子の構造)
本発明の蓄電素子は、高分子電解質と該高分子電解質を挟んで形成された2つの分極性電極からなる蓄電素子を積層、折畳、又は捲回させて、更にコイン型やラミネート型に形成し、これを缶又はラミネートパック等の容器に収容し、缶であれば封缶、ラミネートパックであればヒートシールする方法により、蓄電部品として組み立てることができる。また、前記方法において、容器を封缶若しくはヒートシールする前に、容器を特定の電解質溶液で充填して、蓄電部品を得ることもできる。本発明の蓄電素子を有底筒状の外装ケースに収納し、外装ケースの開口端部を弾性部材からなる封口体で封口することで、チップ部品である蓄電部品を得ることができる。本発明の蓄電素子を収納したケースには、線膨張率の小さい絶縁物質を充填しても良い。
本発明の蓄電素子は、ガスケットを介して金属蓋によって密封したコイン型、正極と負極との間にセパレータを介して巻回してなる素子を電解液とともに金属ケース中に収容して封口した巻回型、正極となる電極及び負極となる電極との間にセパレータを介して積層してなる素子の積層体が組み込まれた積層型等いずれの型でも使用できる。積層型が採用される場合においては、蓄電素子を陽極同士および陰極同士が重なるように積層しても良い。
本発明の蓄電素子は、大型平板の積層型固体電解コンデンサとすることができる。また、本発明の蓄電素子は、金属電極をU型または管状とすることもできる。管状の金属電極は、円形管、三角形管、方形管、長方形管、多角形管とすることができる。本発明の蓄電素子は、蓄電素子自体の形状も任意であり、該形状に角部を有する場合においては、熱的ストレス、機械的ストレス、並びに樹脂外装体との熱膨脹差に起因する歪みによる損傷若しくは漏れ電流不良を防止するために、該角部に所定曲率の曲面を形成することができる。
また、本発明の蓄電素子は、電極積層型や断面楕円状捲回型の蓄電部品とすることができる。蓄電素子を巻回する場合においては、ビニロン繊維を主体とするビニロン不織布をセパレータとして、セパレータを介して巻回された蓄電素子を用いて巻回型の蓄電部品とすることもできる。前記の巻回型の蓄電部品においては、捲回された蓄電素子の外周面に絶縁保護層を設けても良い。捲回した構成の蓄電素子においては、前記蓄電素子の捲回長さ方向に線状体が蛇行状態で連続して介在されていることにより、該線状体をリードとして用いることもできる。なお、本発明の蓄電素子を巻回した蓄電素子として用いる場合においては、蓄電素子を巻き止めるためのテープの長さを、コンデンサ素子の外周の長さよりも短くしても良い。
本発明の蓄電素子は、複数個を一つの部品として並べて一体的にパッケージして、アレイ型に構成しても良い。また、前記蓄電素子において単一のシート状固体電解質にマス目状パターンの電極を形成してマス目毎に蓄電素子を得て、各陰極層の表面と陰極リードフレームとをワイヤーボンダーを用いて金属ワイヤーに接合するか、または、各陰極層の表面の少なくとも一部に金属箔片を接合した後、該金属箔片の表面と陰極リードフレームとを、ワイヤーボンダーを用いて金属ワイヤーで接合しても良い。
ボタン型の蓄電部品において、金属容器の下底部と上蓋部を絶縁性のリングパッキンにより密閉されるように接合されて、該金属容器内に前記蓄電素子を入れることができる。
また、前記蓄電素子の表面を樹脂で被覆した後、有底筒状のアルミニウムケースに挿入し、開口部を絞り加工によってゴム封口して、エージングを行い、蓄電部品を形成しても良い。なお、封口部材の物性の改善による封止力の向上を適宜行うことができる。また、封口部材については、蓄電素子側に配された水素ガスを透過しない又は透過しにくい材料からなる一層目と電解コンデンサの外面側に配された弾性を有し前記一層目よりも水素ガスを透過しやすい材料からなる二層目との二層構造からなる封口部材を形成しても良い。蓄電素子をケースに収納する際において、該封口部材の一層目をその上下から挟むようにケース外周面に押圧溝を形成して、開口部を封口しても良い。また、蓄電素子を第1のケースが第2のケースに収納し、第2のケースの開口部をゴム等の弾性部材で封口し、前記蓄電素子のリード端子が前記弾性封口部材を貫通して外部に引き出される様に構成しても良い。
本発明の蓄電素子において、固体電解質と該固体電解質を挟んで形成された2つの金属電極とからなる蓄電素子を少なくとも2以上積層し、前記蓄電素子の陽極となる電極層に接続された陽極端子と陰極となる電極層に導電性接着剤を介して接続された陰極端子の一部が外表面に露呈するように前記蓄電素子の積層体を絶縁性の外装樹脂で被覆した構成としても良い。前記外装樹脂は、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を熱硬化することで、外装ケースとして用いることができる。積層型蓄電部品においては、リードフレームを面取り、つまり稜角の部分を少し平らに削ったり、丸味をつけたりして稜角部付近の素子の応力集中を緩和出来るように加工を施しておくことが好ましい。また、外装樹脂の外側のリードフレームを外装樹脂に沿って折曲げて外部リードとして積層型蓄電部品としても良い。また、外装樹脂については陽極導出線側の陽極導出面と対向する面とを研削するようにしたものとしてもよい。
また前記蓄電素子に外装を形成する場合には、樹脂を充填し、陰極導出部に角錐または円錐形状の外装樹脂部を金型にて形成し、該外装樹脂部を破断、除去して、前記蓄電素子の電極を露出させた構成を用いても良い。
外装樹脂の形成方法としては、一般に、エポキシ系の熱硬化性樹脂を使用して、ディップ成型(リード線タイプ)またはモールド成型(チップタイプ)により形成することができる。
また、前記蓄電素子は、側面を樹脂により被覆しても良く、電極よりも固体電解質層が突き出している場合には、その突出し部分を熱可塑性樹脂により埋めてもよい。また、角部分や綾線部分等の耐電圧が向上することから、本発明の蓄電素子の固体電解質層に肉厚が薄い部分の表面に絶縁性樹脂層を設けることもできる。
前記蓄電部品の構成において、金属電極に上に電極端子を接続することができる。前記電極端子を前記金属電極に接続する方法としてはカーボンペースト及び/又は銀ペーストを含む導電性接着剤を用いて、通電可能なように接続する方法を代表的に挙げることができる。また、前記電極端子を接続する際に、カーボンペースト、銀ペースト、若しくは金属部材を介在させて、前記金属層と前記電極端子とを接続しても良い。また、前記蓄電部品は、前記金属電極の表面に被覆層を設けること、前記電極端子(電極タブ部)に電気化学的な酸化皮膜層を設けること、または所定のセラミックス若しくは絶縁性の樹脂層(エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンやポリプロピレン等)をアルミニウム等の金属製の電極端子の表面に設けることにより、端子/電極の電位差コントロールや電位差電流を原因とする電気化学反応をコントロールすることができる。また、前記電極端子を、ポリピロールやスチレンスルホン酸などの特定の有機化合物と溶媒との混合物で処理することにより、漏れ電流を低下させることもできる。また、電極端子を設ける替わりに、銅などの金属箔を貼付けて集電部を形成し、該集電部にリードを接続しても良い。なお、前記電極端子は、繰り返し曲げ強度を備えることが好ましい。前記電極端子は、ワイヤー状であっても平型であっても良い。なお、前記酸化被膜層は、漏れ電流を防止するために、酸化皮膜中の不純物(皮膜の欠陥)を低減することが好ましい。また、デバイスの実装時に耐えることができる端子強度等の機械的強度が要求される用途についてはニッケル系金属(42アロイ等)が使用されている。前記電極端子は、陽極端子について、V字状の溝を有する略Vブロック形状として、前記陽極棒に対してその軸線と直交する方向から係合可能なように形成しても良い。
前記蓄電素子を取り付けるための平坦部と、その平坦部に続く丸棒部と、その丸棒部に溶接部を介して固定される引出し線とからなる蓄電素子用タブ端子を用いることもできる。
前記蓄電部品において、金属電極上に更に金属箔を設置して、引出電極部を設けても良い。前記引出電極部を束ねて重層部を作り、該重層部とリード部とを接続してもよい。また、エッチング処理により表面を粗面化した金属箔の表面を、金属表面に被着させることもできる。
また、前記金属電極の一端に電極リードピンを形成しても良い。前記金属電極の植立端は、屋根形に盛り上げられた曲面又は連接面からなるように形成することができる。前記電極リードピン植立端は、角錐状、円錐状、ドーム状、蒲鉾状、切妻状、寄棟状から選ばれる屋根形に盛り上げられ、該屋根形の頂部又は稜部に、前記電極リードピンが植立されることができる。植設される電極リードピン若しくは電極リード線に固定電解質の這い上がり防止板を設ける場合には、這い上がり防止板の突設部が蓄電素子面に当接するように、前記這い上がり防止板を電極リードピン若しくは電極リード線に挿通しても良い。
陽極端子のL字形脚部の一端を該L字形の外側へ向けて更に折り曲げて陽極リードピンに溶接し、陽極端子のL字形脚部の内側面を外装樹脂層に密着させることもできる。
前記蓄電部品において、チップ型とする場合には、前記電極端子または前記重層部に接続されたリードに外部陽極端子を溶接し、エポキシ樹脂を用いたトランスファーモールド工法で外装を施した後、陽、陰両外部端子の外装樹脂から出た部分を外装樹脂に沿って折り曲げ、整形して、チップ型蓄電部品を形成することができる。また、陰極の電極端子の一部が外部に表出した外装樹脂層における陰極導出面は、表面導電体層が形成され、次いで高温中での電圧印加処理(エージング処理)と高温雰囲気中での熱処理のいずれか一方もしくは両方が施され、その後、前記表面導電体層が除去されても良い。
本発明の蓄電においては、蓄電素子を被覆する外装樹脂の表面上に直接形成した金属層よりなる外部電極であって、且つこの外部電極と前記蓄電素子の陽極電極および陰極電極を電気的に接続した外部電極を形成しても良い。なお、前記外部電極は、前記外装樹脂における陽極導出線及び/または陰極導出層の表出部を含む外部電極形成部に、無電解メッキ金属層を含むベース金属層を設けて形成しても良い。なお、外部電極若しくは電極端子と導出線との接続のために、接続部に無電解メッキを施しても良い。
前記外部陽端子は、陽極に植立された陽極リードに外部陽極リードフレームを溶接した後、この溶接点を含む陽極リード導出面をモールドして、絶縁部材を形成し、次に、絶縁部材より導出した外部陰極リードフレームを切断し、絶縁部材に沿って折り曲げて外部陽極端子を形成しても良い。
また、コ字型の断面を有する陰極端子板を陰極引出し層の底面および側面に嵌合させ、陰極端子板を除いた蓄電素子の周面に樹脂外装体を形成し、なおかつ、陽極端子板を陽極リードの引出し側において陰極端子板と対向するようにして上記樹脂外装体上に被せて、陰極端子及び陽極端子を設けても良い。
本発明の蓄電素子を用いた蓄電部品については、陽極リードに離型材を塗布し、同陰極端子板の露出面に離型剤を塗布した後、蓄電素子を樹脂液中に浸漬し、引き上げてその樹脂液を乾燥させて蓄電素子の側面および段部を含む上面側にかけて樹脂外装体を形成し、次に対向する側縁に一対のフランジを有する陽極端子板をそのフランジを段部に係合させるようにして蓄電素子の上面側に装着した後、同陽極端子板を陽極リードに接続し、陰極端子板および陽極リードに塗布されている離型材を除去することにより、通電性を確保した状態で樹脂外装を形成しても良い。前記フランジは断面コ字状であっても良い。
前記チップ型蓄電部品についは、蓄電部品の底面の所定深さの陽極側段部および陰極側段部をそれぞれ陽極側と陰極側とに形成し、L字状に形成された陰極端子板を蓄電素子の陰極側側面から陰極側段部にかけて取り付けた後、陰極端子板に離型材を塗布して、該蓄電素子を樹脂液中に浸漬し、引き上げてその樹脂液を乾燥させて該蓄電素子の陽極側段部を含めた周面に樹脂外装体を形成し、次にL字状に折り曲げられた陽極端子板を陽極側側面から陽極側段部にかけて取り付け、同陽極端子板を設けることにより該蓄電部品を得ても良い。また、前記陽極外部電極層側の前記陽極体の端面近傍に、陽極に絶縁樹脂を含浸せしめた絶縁樹脂含浸部を形成し、前記絶縁樹脂含浸部の形成領域で、前記陽極と前記陽極外部電極層とが電気的に接続するように、チップ状蓄電部品を構成しても良い。
本発明の蓄電素子を用いた蓄電部品は、蓄電素子における電極の一体に陽極引き出し部を設け、かつこの陽極引き出し部としてマスキング用のレジスト膜を施した部分の延長部分に曲げ部と接続部を設け、さらに陰極導電体層および陽極引き出し部の設けられた接続部に別個のコム端子を接続しても良い。また、本発明の蓄電素子を用いた蓄電素子に用いられる陽極用リード線は、引き出し面側の綾線部分の一部をR状にした陽極リード線としても良い。
本発明の蓄電素子において樹脂により外装が形成される場合には、外装樹脂の表面に防湿性のコーティング材を塗布してもよい。また、本発明の蓄電部品を構成する各部分においては、固体電解質及び電極の湿潤を阻害しない程度に、撥水樹脂などの撥液性の樹脂を塗布しても良い。リードにおいては、リード付け根部分に絶縁物質等からなる保護層を形成して、短絡現象若しくは腐食を防止しても良い。
また、複数枚の蓄電素子を積層してなる蓄電素子積層体を用いる場合において、外装部材の一方の側面に陰極層を、他方の側面に陽極層を備えてなるように構成することもできる。
また、前記蓄電素子においては、金属電極のコーナー部を導電性高分子層で十分に被覆してショートを防ぐこともできる。
また、前記蓄電素子の金属電極上に、更にカーボン層を形成し、該カーボン層上に銀ペーストを塗布して複層化された電極層を形成しても良い。
前記蓄電部品においては、さらに集電板を設けても良い。前記集電板は、白金、導電性ブチルゴム等の導電性ゴムなどで形成してもよく、またアルミニウム、ニッケル等の金属の溶射によって形成してもよく、上記電極層の片面に金属メッシュを付設したものとしてもよい。
前記蓄電部品においては、積層型の蓄電部品の組立を行う際には、必要な耐電圧分のセルをパッキン若しくはテフロン(登録商標)のスペーサと交互に積み重ねて、最後にエンドプレートで挟んで締め付けることにより密閉構造を形成することができる。また、この際において、エンドプレートをそれぞれ締め付け板と集電板に分離し、柔軟性シートを締め付け板と集電板との間に挟み、上下の締め付け板をボルトで締め付け、柔軟性シートを介して集電板と蓄電素子とを上下から押さえつけ密閉することもできる。
本発明の蓄電は、液への浸漬を容易とするために、電極の各面のうち少なくとも一つの面に、少なくとも一つの凹所を、当該凹所が少なくとも他の電極に達しないように設けても良い。
また、蓄電部品を巻回型とする場合には、アルミニウム等の金属製ケースや合成樹脂製のケースに蓄電素子を収納し、密閉した構造を有している。例えば、蓄電素子をアルミニウム等からなる有底筒状の外装ケースに収納し、外装ケースと蓄電素子との間に、硬化時に吸湿性を有する樹脂を充填して、蓄電素子の少なくとも外周面に樹脂層を形成することもできる。なを、前記蓄電素子が非水系有機溶媒を電解質に用いている場合には、前記密閉構造においては、残留空気量を5%未満とすることが好ましい。また、前記蓄電部品においては、硬質部材と弾性部材を組み合わせてなる封口体を用いることにより、リード線に加わる機械的ストレスが内部に伝達することを防ぎ、内部への水分の侵入を防ぐことができる。
薄肉部に開口部が生じて電解液が滲み出した場合に絶縁スリーブが滲み出し電解液中のイオンを捕捉するように、金属ケースの要部に薄肉部を設け、蓄電素子を収納し電解液を充填し、絶縁スリーブにより該金属ケースを覆って被着してもよい。
また、前記蓄電部品において、リードにも酸化皮膜を形成することができる。リードの接合部分に撥水性樹脂等を形成し、リードに固体電解質が付着するのを防止することもできる。接合されたリードの根元部にエポキシ樹脂等を形成し、ストレスを受けないようにリード根元部を補強し、酸化皮膜の欠陥発生を抑制して、より漏れ電流不良を低減することもできる。
前記蓄電部品は、公知の構造とすることができ、適宜、絶縁性ガスケットを設けても良く、さらに封口後に所定の温度下において所定の電圧を印加することによる、公知のエージングを行うことができる。
前記蓄電部品については、くし状に形成したアルミニウムリードフレームの先端部分を折曲げた複数のプラス端子群を備えていても良い。
本発明の蓄電は、固体電解質にマス目状に電極を形成して得た蓄電素子シートを、マス目ごとに切断して蓄電素子を得て、蓄電素子を形成するために、得られた蓄電素子の電極を電極リード端子に接合させても良い。
本発明の蓄電素子は、湿潤性や含浸性を向上するために、固体電解質中に含まれる溶液中に界面活性剤を含んでも良い。
本発明の蓄電素子が絶縁容器内部に収納される場合において、蓄電素子に伝わる機械的振動、衝撃を大幅に減衰するために、蓄電素子間、若しくは蓄電素子と絶縁容器間のすき間に、ゲル状絶縁物及び弾性体に代表されるクッション材を満たしても良い。
(蓄電素子のサイズ)
本発明の蓄電素子は、公知のサイズとすることができ、例えば、7.3mm×4.3mm×2.0mmとすることができる。例えば、前記蓄電素子は、縦寸法を通常10mm以上、好ましくは20mm以上であり、25〜50mmとすることができ、同様に、横寸法を、通常10mm以上、好ましくは20mm以上であり、25〜50mmとすることができる。また、本発明の蓄電素子は、例えば、ケースサイズ10mmφ×16mmL、φ8×5L、4φ×7L、5φ×2.8L、または5φ×3L等の円筒形の蓄電部品とすることもできる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(電極−電解質構造体の製造例)
乾燥時の膜厚が160μmの膜状高分子電解質(フッ素樹脂系イオン交換樹脂:パーフルオロカルボン酸樹脂、商品名「フレミオン」、旭硝子社製、イオン交換容量1.8meq/g)を膨潤溶媒であるメタノール中に20℃で30分以上浸漬した。膨潤した前記膜状高分子電解質の膜厚を測定して、乾燥膜厚に対して膨潤後の膜厚の増加した割合〔膨潤度(%)〕を算出し、膨潤度が50%となるように前記膜状高分子電解質を膨潤溶媒に浸漬した。次いで、膨潤した高分子電解質に対して、それぞれ下記(1)〜(3)の工程を6サイクル繰り返して実施し、1対の金属電極である分極性電極が形成された高分子電解質を得た。(1)吸着工程:ジクロロフェナントロリン金塩化物水溶液に12時間浸漬し、成形品内にジクロロフェナントロリン金錯体を吸着させ、(2)還元工程:亜硫酸ナトリウムを含む水溶液中で、吸着したジクロロフェナントロリン金錯体を還元して、膜状高分子電解質表面に金電極を形成させた。このとき、水溶液の温度を60〜80℃とし、亜硫酸ナトリウムを徐々に添加しながら、6時間ジクロロフェナントロリン金錯体の還元を行った。次いで、(3)洗浄工程:表面に金電極が形成した膜状高分子電解質を取り出し、70℃の水で1時間洗浄した。
(実施例1)
上記製造例により得られた電極−電解質構造体を、ビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミドリチウム(Li(CFSON)の0.5mol/L水溶液に12時間浸漬した後に、該電極−電解質構造体を120分間真空乾燥した。乾燥された該電極−電解質構造体にビス(トリフルオロメチル)スルホニルイミドリチウム(Li(CFSON)の1.0mol/Lのプロピレンカーボネイト溶液に12時間浸漬した。プロピレンカーボネイト溶液を含む該電極−電解質構造体の一対の分極性電極に、負極電圧が−5.0Vとなるように、分極性電極のそれぞれに対して電圧を12時間印加して、実施例1の蓄電素子を得た。得られた蓄電素子は、負極が黒色状に変色し、電極−高分子電解質界面においてリチウムと金との合金を備えた。また、実施例1の蓄電素子に含まれるイオン種は(CFSOとLiであった。
(比較例1)
上記製造例により得られた電極−電解質構造体を、イオン交換水に12時間浸漬した後に、該電極−電解質構造体120分間真空乾燥した。HNOの1.0mol/L水溶液に浸漬した。HNO水溶液を含む該電極−電解質構造体の一対の分極性電極に、負極電圧が−5.0Vとなるように、分極性電極のそれぞれに対して電圧を12時間印加して、比較例1の蓄電素子を得た。比較例1の蓄電素子に含まれるイオン種は、H、NO であった。比較例1の蓄電素子は、電気二重層キャパシタである。
(比較例2)
上記製造例により得られた電極−電解質構造体を、(CNBFの0.5mol/L水溶液に12時間浸漬した後に、該電極−電解質構造体120分間真空乾燥した。ついで、(CNBFの1.0mol/Lプロピレンカーボネート溶液に浸漬した。(CNBFプロピレンカーボネイト溶液を含む該電極−電解質構造体の一対の分極性電極に、負極電圧が−5.0Vとなるように、分極性電極のそれぞれに対して電圧を12時間印加して、比較例2の蓄電素子を得た。比較例2の蓄電素子に含まれるイオン種は、(CとBF であった。比較例2の蓄電素子は電気二重層キャパシタである。
Figure 2010050471
〔評価〕
(比容量)
実施例1並びに比較例1及び2について、2電極の定電流放電法により得た実測値を表1に示す。定電流放電法によるの比容量の実測値は、商品名「HJ−201B」(北斗電工社製)を用いて、上記規格番号EIAJ RC−2377に準拠して測定した値である。なお、この方法で静電容量を測定する場合には、測定対象物である高分子電解質を切断して、膨潤状態で10mm×10mmの大きさの蓄電素子とした。なお、得られた実施例1並びに比較例1及び2の蓄電素子の乾燥した状態における膜厚は、160μmであった。なお、表中においてPCはプロピレンカーボネイトの略である。
(結果)
本発明の蓄電素子である実施例1の蓄電素子は、定電流放電法で測定された比容量が20F/cm3という大きな比容量を示した。これは、充電時においては、負極では電気化学的酸化還元反応により分極性電極の金属成分である金とリチウムとの合金がチウムイオンが含まれる層として負極界面に形成され、正極においては(CFSOにより電気二重層が形成される。そのために、レドックス反応による擬似容量と電気二重層による電気二重層容量を足し合わせた値を比容量として有すると考えられる。実施例1の蓄電素子は、電気二重層キャパシタとハイブリッドキャパシタとの特徴を兼ね備えたハイブリッドキャパシタとして機能しているものと考えられる。
これに対して、比較例1および比較例2の蓄電素子には、リチウムイオンを含まないために、分極性電極に電圧を印加しても、負極と高分子電解質との界面には合金の形成などの変化が認められなかった。そのため、充電時においては、正極及び負極に電気二重層が形成されるのみで、実施例1の蓄電素子と異なり、二次電池機構のような可逆的な酸化還元反応を伴わない。そのために、比較例1および比較例2の蓄電素子の比容量は、電気二重層容量により得られる容量であり、実施例1の蓄電素子の1/2以下で、非常に小さい値である。
本発明の蓄電素子は、従来のキャパシタよりも大容量であり、電荷密度が高いので、公知の電気二重層キャパシタの用途において、省スペース及び/又は小型軽量化が図れるので、好適に用いることができる。特に、本発明の蓄電素子は、小型且つ軽量であることから、携帯用機械機器の電源用及び大容量の据え置き型電源用の蓄電素子として好適に用いることができる。特に、次世代低公害車の駆動電源、並びに自動車電装品の電源は、自然エネルギー発電の貯蔵用及び/または補助用電源は、植え込み可能な医療装置用の電源、携帯用電子機器のメモリバックアップ用電源、携帯可能な時計用電源、急速充電用蓄電器、デジタルカメラ用電源、電動玩具並びに持ち運び可能な家庭用電気製品用電源に好適に用いることができる。以下更に詳細な具体的用途を挙げる。
本発明の蓄電素子は、小型で軽量である特性により、携帯用機械機器の電源として好適であり、また大容量の電源が必要である場合においても占有空間を狭くすることができるので、大容量の据え置き型電源としても好適である。特に、本発明の蓄電素子を用いたHEV、電気自動車、ハイブリッド自動車を含む次世代低公害車の自動車若しくは自動二輪車に用いる電源あるいは補助電源、電気自動車等の大電力型のパワーモジュール用電源、携帯可能な電話器に代表される情報通信機器の電力源、身分証明書用カード等のペーパー電池、太陽電池と併用したソーラー発電エネルギー貯蔵システム、並びに電池と組み合せたロードレベリング電源に好適に用いることができるものである。特に、本発明の蓄電素子は、燃料電池とキャパシタと電流出力型スイッチングレギュレータとを備えた電気自動車用のキャパシタとして好適に用いることができる。更に本発明の蓄電素子を用いたカーオーディオ等の自動車電装品の電源は、本発明の蓄電素子が軽量であることから車両の燃費の向上をすることができる。また、本発明の蓄電素子を用いた太陽光発電システム、風力発電システム、風力・太陽光、ハイブリッド発電システム、波力発電システムに代表される自然エネルギー発電の貯蔵用及び/または補助用電源は、省スペースであり且つ大容量の電源として好適に用いることができる。本発明の蓄電素子を用いた植え込み可能な医療装置は、蓄電素子が軽量であることから、人体に対する重量による負担が少ないので、好適に用いることができる。本発明の蓄電素子を用いたモバイルパソコン及び携帯電話、タイマー及び電源用時計機能に代表される携帯用電子機器の電源及びメモリバックアップ用の電源、ビデオカメラの電源或いは補助電源、携帯端末、パソコン、特にノート型パソコン等の電源及び瞬時停電対策用電源、本発明の蓄電素子を用いた携帯可能な時計用の電源や寿命、温度特性及び高周波特性に優れたパソコンの電源回路、本発明の蓄電素子を用いた急速充電用蓄電器、本発明の蓄電素子を用いたデジタルカメラ用電源、本発明の蓄電素子を用いた電動玩具並びに本発明の蓄電素子を用いた電気シェーバ及び電気ポットに代表される持ち運び可能な家庭用電気製品用電源も、蓄電素子が軽量であることから携帯性に優れている。
本発明の蓄電素子は、小型であって大容量であることから、公知の電気二重層キャパシタの用途以外の用途にも用いることができる。具体的には本発明の蓄電素子は、小型であって大容量であることから、無停電電源装置、家庭用蓄電システム等屋外設置機器、バッテリとDC−DCコンバータとの間に並列につないだ自動車用電装機器の電源回路、スイッチングレギュレータ、モータ制御レギュレータ、コンピュータエレクトロニクス、テレビジョン受像機等に用いる陰極線管に使用されるフライバックトランス、オーディオ増幅器、サージプロテクタ、抵抗スポット溶接器のような電気装置、コージェネレーション設備、自家用発電装置、X線撮像パネル、高圧進相用コンデンサ (電力設備に用いるコンデンサ 油浸紙フィルムコンデンサ )、岩盤などの被破壊物を破壊するための破壊装置、車両水没時の脱出装置、X線像(潜像)を画像信号として得るようにしたX線撮像装置、電池レス腕時計、表示パネルを用いた表示装置、液晶表示装置、特にプロジェクタ等に使用されるマトリクスの液晶表示装置陰極線管を用いた画像表示器、使い捨てカメラ、盗難防止を目的として商品等に貼着されて使用される共鳴ラベル、フラッシュ若しくはストロボ装置、並びに発光表示体についての電源若しくは補助電源として好適に用いることができる。
特に、本発明の蓄電素子は、大容量であることから、家電製品、工具若しくは電気自動車に組込(ビルトイン)の大パワーの動力源、受変電設備若しくは配電設備の蓄積デバイス、並びにエネルギー変換・貯蔵システムの補助貯電ユニットとして好適に用いることができる。本発明の蓄電素子は、積層することにより、高電圧用途として用いることも可能である。
本発明の蓄電素子は、小型かつ大容量であるので用いられる装置の小型化が可能であることから、電気車駆動装置やインバータ装置に用いる制御モジュール、特に小型で冷却効率のよい水冷式制御モジュールに好適に用いることができる。またかかる性質から、加速度センサユニット、排気ガスや可燃ガスを測定するガスセンサ及びガス濃度制御器にも好適に用いることができる。更に本発明の蓄電素子は、三端子の電気化学的デバイスとしての形態で、発熱抵抗式空気流量測定装置としても好適に用いることができる。
本発明の蓄電素子は、小型、大容量、かつ低等価直列抵抗であることから、半導体パッケージの最上層にチップ部品として蓄電部品を搭載した半導体パッケージ、並びに基板に蓄電素子が組み込まれたプリント回路基板に好適に用いることができる。基板に前記蓄電素子が組み込まれたプリント回路基板において、前記蓄電素子を面実装または埋込実装したプリント配線基板は、該プリント配線基板が用いられる電子機器の小型化、高機能化、低コスト化に好適である。従って、前記蓄電素子は、小型、大容量、低等価直列抵抗であるために、メモリ装置、特にDRAM (ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)やMMIC(モノリシック・マイクロ波集積回路) 、並びに不揮発性強誘電体メモリ素子に好適に用いることができる。また、前記蓄電素子は、小型、大容量、低等価直列抵抗であるために、LCR内蔵回路基板やノイズフィルタ等のフィルタ回路、強誘電体メモリ、ペロブスカイト型強誘電体、IC(Integrated Circuit)カード等の薄型の半導体装置、強誘電体を用いたFeRAM、有機EL素子の発光素子アレイ、ICカードなどのICチップ、強誘電体蓄電素子を有する半導体装置、並びに電力変換を行うスイッチング素子に好適に用いることができる。
本発明の蓄電素子は、電気電子機器の電源平滑用、ノイズ除去用および高周波でのESR値が要求される分野に適用が可能である。また、前記蓄電素子は、コンバータやインバータが発生するノイズ成分である高周波の抑制作用を有するので、ノイズフィルタとしても好適である。従って、前記蓄電素子が、小型化が容易で、大容量であり、低等価直列抵抗であることから、用いられる装置の小型化が可能であって、ノイズフィルタに用いることもできるので、プラズマ電位測定装置として好適に用いることができ、LC直列共振回路と共に備えることで触覚センサとして好適に用いることができる。さらに、かかる性質から、電気光学効果(ポッケルス効果)を利用して電圧を測定する光電圧センサ、光変換形計器用変圧器、高周波無線機器、衛星放送受信機器および無線LAN等の、取扱う信号の周波数が、概ね、400MHz〜20GHz(UHF〜SHF帯)の高周波機器におけるインピーダンス整合アンテナおよび指向性アンテナ等に関連して好適に実施されるインピーダンス整合器、携帯電話等の移動体通信機器に用いられるフィルタ部品、並びにテレビジョン信号受信用チューナにも好適に用いることができる。
また、本発明の蓄電素子は、家電製品、デバイス、設備、計測器または電気自動車を含む自動車若しくは自動二輪車における筐体、箱体、車台、シャーシ、車体、仕切り、支柱、カバー若しくはケースと、折り曲げ可能な金属板を電極層と接合して該金属板を接続することや銀ペーストを用いて直接接合することなどにより、実質的に一体化することが可能である。本発明の蓄電素子と実質的に一体化した筐体、箱体、シャーシ、仕切り、カバー及びケーシングは、前記蓄電素子が小型で、大容量で、しかも省スペース化に優れているので、電気自動車、電動自転車、電動車椅子、電動歩行器、電動スクータ、電動ランニングマシン、電動ゴルフカーの車台、シャーシ若しくは車体、ノート型パソコン、パーム型パソコン、携帯電話若しくは電動工具のパッケージングケース、または、太陽エネルギーを利用して発電する街灯の支柱とすることができる。
また、本発明の蓄電素子は、電力源としての用途以外にも、発電所などのボイラの給水、半導体製造工程、燃料電池発電等に用いられる純水の製造や、冷却塔用水の製造・循環使用、各種排水の回収に用いられる脱塩装置に用いることができる。前記蓄電素子を用いて、原水中の各種イオンを除去するとともに、シリカをも除去して脱塩水や純水を得ることができ、さらには原水の起源や性状が変わった場合にもその前処理を変えることなくなくこれに対応して安定した水質の脱塩水や純水を製造し、またこれによって二次純水(超純水)の安定的な製造を可能とする脱塩装置とすることができる。
本発明の蓄電素子は、ディスプレイへの適用を可能な電気化学的素子に用いることができる。より具体的には、基板と前記基板上に設けられた一対の櫛形電極と前記櫛形電極に接して設けられ発光性物質および電解質を含む発光層とを具備する発光素子、電流制御用トランジスタ、および前記蓄電素子からなる単位画素をマトリックス状に配列したアクティブマトリックス型の発光素子アレイを形成して、本発明の蓄電素子をディスプレイに適用することにより適用することができる。

Claims (15)

  1. 高分子電解質と分極性電極とを備えた蓄電素子であって、
    前記分極性電極が前記高分子電解質との界面を備え、
    前記分極性電極が金属電極であり、
    前記分極性電極の負極電極が、前記高分子電解質との界面において、該負極電極に含まれる金属成分とのリチウム合金を有し、
    前記リチウム合金が可逆的な電気化学的酸化還元反応によりリチウムイオンを放出することができる合金である
    ことを特徴とする蓄電素子。
  2. 負極となる金属電極の金属成分が、金、鉛、錫及び亜鉛からなる群より選ばれた1種以上の金属を含む金属電極である請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 負極となる金属電極が金電極である請求項1に記載の蓄電素子。
  4. 正極が負極となる金属電極の金属成分と同じの金属元素で構成されている請求項1乃至3のいずれかに記載の蓄電素子。
  5. 前記リチウム合金がリチウムイオンを含む非水溶液中において金属電極にマイナスの電圧を印加することにより生じるリチウム合金である請求項1乃至4のいずれかに記載の蓄電素子。
  6. 前記高分子電解質がイオン交換樹脂である請求項1乃至5のいずれかに記載の蓄電素子。
  7. 前記蓄電素子が電極接合体である請求項1乃至6に記載の蓄電素子。
  8. 前記蓄電素子の比容量が20F/cm以上である請求項1乃至7に記載の蓄電素子。
  9. 蓄電素子の製造方法であって、
    無電解メッキ法により高分子電解質上に分極性電極が形成された電極−電解質構造体を得る構造体形成工程と
    構造体形成工程により得られた該電極−電解質構造体がリチウムイオンを含む溶液を含有する状態で、該分極性電極に電圧を印加して、該分極性電極の金属成分とリチウムとを含む層を該分極性電極の負極に形成する層形成工程、とを含む蓄電素子の製造方法。
  10. リチウムイオンを含む溶液を前記電極−電解質構造体の高分子電界質に含有させることを、前記層形成工程の前工程として、若しくは前記層形成工程と同時に行うことを特徴とする請求項9に記載の蓄電素子の製造方法。
  11. 前記高分子電解質がイオン交換樹脂膜であり、前記無電解メッキ法が、イオン交換樹脂に金属錯体を吸着させる吸着工程と、吸着工程により金属錯体が吸着したイオン交換樹脂に還元剤溶液を接触させて金属を析出させる還元工程とを含む方法である請求項9または10に記載の蓄電素子の製造方法。
  12. 前記金属錯体が金、鉛、錫及び亜鉛からなる群より選ばれた1種以上の金属を含む請求項9乃至11のいずれかに記載の蓄電素子の製造方法。
  13. 高分子電解質と分極性電極とを備えた蓄電素子であって、
    高分子電解質に無電解メッキ法を施して分極性電極が形成された電極−電解質構造体を得た後に、該電極−電解質構造体がリチウムイオンを含む溶液を含有する状態で該分極性電極に電圧を印加することにより、該分極性電極の負極に該分極性電極の金属成分とリチウムとが結合した層を形成することにより得られた蓄電素子。
  14. 前記高分子電解質がイオン交換樹脂膜であり、前記無電解メッキ法が、イオン交換樹脂に金属錯体を吸着させる吸着工程と、吸着工程により金属錯体が吸着したイオン交換樹脂に還元剤溶液を接触させて金属を析出させる還元工程とを含む方法である請求項13に記載の蓄電素子。
  15. 前記金属成分が金、鉛、錫及び亜鉛からなる群より選ばれた1種以上の金属を含む請求項13または14に記載の蓄電素子。
JP2009240726A 2009-10-19 2009-10-19 蓄電素子 Expired - Fee Related JP4891378B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009240726A JP4891378B2 (ja) 2009-10-19 2009-10-19 蓄電素子

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009240726A JP4891378B2 (ja) 2009-10-19 2009-10-19 蓄電素子

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003411288A Division JP4436121B2 (ja) 2003-12-10 2003-12-10 蓄電素子および蓄電素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010050471A true JP2010050471A (ja) 2010-03-04
JP4891378B2 JP4891378B2 (ja) 2012-03-07

Family

ID=42067259

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009240726A Expired - Fee Related JP4891378B2 (ja) 2009-10-19 2009-10-19 蓄電素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4891378B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60220574A (ja) * 1984-04-17 1985-11-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 充電可能な電気化学装置
JPH026208B2 (ja) * 1984-02-01 1990-02-08 Elna Kk
JPH1126326A (ja) * 1997-06-30 1999-01-29 Nippon Zeon Co Ltd 有機電解液コンデンサー用シール剤、それを含む組成物、およびそれを用いたコンデンサー
JP2002037966A (ja) * 2000-07-21 2002-02-06 Jsr Corp 重合体組成物および複合膜
JP2004220906A (ja) * 2003-01-15 2004-08-05 Sumitomo Electric Ind Ltd リチウム二次電池負極部材、及びその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH026208B2 (ja) * 1984-02-01 1990-02-08 Elna Kk
JPS60220574A (ja) * 1984-04-17 1985-11-05 Matsushita Electric Ind Co Ltd 充電可能な電気化学装置
JPH1126326A (ja) * 1997-06-30 1999-01-29 Nippon Zeon Co Ltd 有機電解液コンデンサー用シール剤、それを含む組成物、およびそれを用いたコンデンサー
JP2002037966A (ja) * 2000-07-21 2002-02-06 Jsr Corp 重合体組成物および複合膜
JP2004220906A (ja) * 2003-01-15 2004-08-05 Sumitomo Electric Ind Ltd リチウム二次電池負極部材、及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4891378B2 (ja) 2012-03-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4436121B2 (ja) 蓄電素子および蓄電素子の製造方法
JP5069834B2 (ja) 改良されたエンクロージャ機構を有する電気化学エネルギー蓄積装置
JP4995609B2 (ja) 蓄電素子
US7311995B2 (en) Electrochemical cell
KR101067168B1 (ko) 칩형 전기 이중층 커패시터 및 그 제조방법
US7198654B1 (en) Separator sheet and method for manufacturing electric double layer capacitor using the same
US20020089807A1 (en) Polymer electrochemical capacitors
EP2850678B1 (en) An apparatus and associated methods
KR20110061102A (ko) 칩형 전기 이중층 커패시터 및 그 제조방법
JP2010199537A (ja) 電気二重層キャパシタパッケージ
JP4538572B2 (ja) キャパシタ及びその製造方法
JP5504473B2 (ja) キャパシタ、キャパシタの製造方法、及び、キャパシタの使用方法
JPH1154387A (ja) チップ型電気二重層キャパシタ
JP6188463B2 (ja) 電気化学デバイス及び電気化学デバイスの製造方法
JP2004356461A (ja) チップ型電気二重層コンデンサ及びチップ型電解質電池
JP4891378B2 (ja) 蓄電素子
JP5504472B2 (ja) キャパシタ及びその製造方法
CN107039606A (zh) 一种锂电池
JP2004127839A (ja) 電気化学デバイス
JP2005019790A (ja) 電気二重層コンデンサ及び電池
JP2007189127A (ja) 電気二重層キャパシタ
JP6405394B2 (ja) 電気化学デバイス
JP2003100570A (ja) 電気二重層キャパシタ
KR20170051738A (ko) 표면 실장형 슈퍼 커패시터의 제조 방법
KR20170051825A (ko) 표면 실장형 슈퍼 커패시터 및 그의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091118

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20111206

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111215

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141222

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees