JP2005019790A - 電気二重層コンデンサ及び電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電解液の漏れや外部からの水分の浸入のおそれが少ない、絶縁性の樹脂又は熱可塑性プラスチックで形成された容器を用いた電気二重層コンデンサ及び電池を提供する。
【解決手段】本発明の電気二重層コンデンサは、容器1を貫通して外部に延出する第1端子部材4及び第2端子部材5を具えている。前記容器1の外部に至る前記容器1の壁部に埋められた前記第1端子部材4の部分は、前記樹脂又は熱可塑性プラスチックよりも前記第1端子部材4に対する密着性の良い樹脂で形成された樹脂層11を介して前記容器1と繋がっている。前記容器1の外部に至る前記容器1の壁部に埋められた前記第2端子部材5の部分は、前記樹脂又は熱可塑性プラスチックよりも前記第2端子部材5に対する密着性の良い樹脂で形成された樹脂層12を介して前記容器1と繋がっている。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明の電気二重層コンデンサは、容器1を貫通して外部に延出する第1端子部材4及び第2端子部材5を具えている。前記容器1の外部に至る前記容器1の壁部に埋められた前記第1端子部材4の部分は、前記樹脂又は熱可塑性プラスチックよりも前記第1端子部材4に対する密着性の良い樹脂で形成された樹脂層11を介して前記容器1と繋がっている。前記容器1の外部に至る前記容器1の壁部に埋められた前記第2端子部材5の部分は、前記樹脂又は熱可塑性プラスチックよりも前記第2端子部材5に対する密着性の良い樹脂で形成された樹脂層12を介して前記容器1と繋がっている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、水系又は非水系電解質を具える電気二重層コンデンサ及び電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型のコイン型電気二重層コンデンサは、携帯電話やデジタルカメラ等の電子機器において、主にバックアップ用電源として広く用いられている。周知のように、コイン型電気二重層コンデンサは、一対の分極性電極と、これら分極性電極間に介在されたセパレータを、互い絶縁された一対の金属缶間の内部空間に収納したものである。分極性電極及びセパレータには、水系又は非水系の電解液が含浸されている(特許文献1参照)。
【0003】
回路基板に装着される電子部品はチップ化が進んでいるため、回路基板上では、電気二重層コンデンサに対して長方形状の実装領域が設定される場合が多い。しかし、長方形状の実装領域にコイン型電気二重層コンデンサを配置すると、該コイン型電気二重層コンデンサが円盤状の形状を有することから、実装領域の各角部周辺に大きな空き部分が生じる。
【0004】
電気二重層コンデンサの外形を角状にすれば、空き部分を小さくして実装領域を有効に活用できる。特に、より大きいコンデンサを装着できるので、回路基板に使用する電気二重層コンデンサの容量を一層大きくできる利点がある。電気二重層コンデンサの外形を角状にするためには、金属缶を共に角状に形成する必要があるが、このような構成を採用すると、これら金属缶をガスケットで封口することが困難となる。そこで、絶縁性の樹脂又はセラミック等で、電気二重層コンデンサの容器を形成することが考えられる。これにより、電気二重層コンデンサをチップ化することも可能となる。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−64484号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
絶縁性の樹脂又はセラミック等で形成された容器を用いた水系及び非水系電気二重層コンデンサでは、分極性電極と接続されるリード部材又は集電体は、容器を貫通して外部に引き出されることになる。しかしながら、このような電気二重層コンデンサでは、リード部材又は集電体と容器の密着性が高くないために、容器内部の電解液が、リード部材又は集電体と容器の間を通って漏れるおそれが高い。また、リード部材又は集電体と容器の間を通って、外部から水分が容器内部に浸入するおそれも高い。非水系電気二重層コンデンサでは、電解液に水分が混入すると、水の電気分解が発生して性能に悪影響が生じる。
【0007】
水系及び非水系電解質電池は、電気二重層コンデンサと同様な構造であるために、上記の問題は、水系及び非水系電解質電池の外形を角状にする場合にも生ずる。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、電解液の漏れや外部からの水分の浸入のおそれが少ない、絶縁性の樹脂又は熱可塑性プラスチックで形成された容器を用いた電気二重層コンデンサ及び電池を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気二重層コンデンサは、電解液が夫々含浸する第1分極性電極、セパレータ及び第2分極性電極を収納する、絶縁性の樹脂又は熱可塑性プラスチックで形成された容器と、前記第1分極性電極に電気的に接続された第1端子部材と、前記第2分極性電極に電気的に接続された第2端子部材とを具えており、前記第1端子部材及び前記第2端子部材は、前記容器を貫通して外部に延出しており、前記容器の外部に至る前記容器の壁部に埋められた前記第1端子部材の部分は、前記樹脂又は熱可塑性プラスチックよりも前記第1端子部材に対する密着性の良い樹脂で形成された樹脂層を介して前記容器と繋がっており、前記容器の外部に至る前記容器の壁部に埋められた前記第2端子部材の部分は、前記樹脂又は熱可塑性プラスチックよりも前記第2端子部材に対する密着性の良い樹脂で形成された樹脂層を介して前記容器1と繋がっている。
【0010】
また、本発明の電気二重層コンデンサでは、第1端子部材及び第2端子部材の少なくとも何れか一方は、容器の外部に至る前記容器の壁部に埋められた部分が屈曲されてよい。さらに、樹脂層の厚みは100μm以下であることが好ましい。
【0011】
【作用及び効果】
上記構成によれば、第1端子部材と樹脂層の接合面は、第1端子部材と容器の壁部を直接接触させる場合における接合面よりも隙間が少なくなる。第2端子部材と樹脂層の接合面についても同様である。したがって、本発明によれば、絶縁性の樹脂又は熱可塑性プラスチックで形成された容器を用いた電気二重層コンデンサにおいて、電解液の漏れや外部からの水分の浸入を抑制することができる。また、本発明によれば、第1端子部材と容器の壁部を直接接合する場合よりも、第1端子部材と容器の接合強度が向上する。第2端子部材と容器の接合強度についても同様である。樹脂層には、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。
【0012】
上記構成に加えて、第1端子部材を、容器の壁部内で屈曲させて外部へ延出させると、第1端子部材が容器から抜け難くなることに加えて、電解液の漏れや外部からの水分の浸入を一層抑制することができる。第2端子部材についても同様である。
【0013】
上記構成において、例えば、第1分極性電極を正活物質、第2分極性電極を負活物質とすることにより、本発明を電池にも適用できることは容易に理解される。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用したチップ型非水系電気二重層コンデンサの斜視図である。本実施例の電気二重層コンデンサは、絶縁性材料で形成された直方体状の外形を有する容器(1)を具えている。容器(1)の材料には、液晶ポリマー(LCP)、変形ポリアミド、ナイロン樹脂等の絶縁性樹脂、又は、ポリエチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の絶縁性の熱可塑性プラスチックが使用される。
【0015】
容器(1)は、第1容器半体(2)と第2容器半体(3)とが組み合わされて構成されており、容器(1)の内部空間には、分極性電極(6)(8)やセパレータ(7)等のコンデンサ要素が収納されている。容器(1)の内部からは、板状の第1端子部材(4)が、容器(1)を貫通して外部に引き出されている。さらに、板状の第2端子部材(5)が、第1端子部材(4)とは逆向きに容器(1)の外部に引き出されている。図1(a)は、第1端子部材(4)が引き出されている側から見た電気二重層コンデンサの斜視図であり、図1(b)は、第2端子部材(5)が引き出されている側から見た電気二重層コンデンサの斜視図である。
【0016】
図2は、図1におけるA−A線を含む垂直面で電気二重層コンデンサを破断し、矢視方向に見た断面図である。第1容器半体(2)及び第2容器半体(3)は、直方体のブロック状の部材であり(図5参照)、これら容器半体(2)(3)には、共に直方体状の窪みが形成されている。これら容器半体(2)(3)は互いの窪みを向き合わせるように組み合わされており、これら窪みが合わせられることによって、容器(1)の内部空間が形成されている。なお、これら容器半体(2)(3)の一方を板状に、他方を開口した箱状に形成してもよい。
【0017】
容器(1)の内部空間には、第1容器半体(2)側から第2容器半体(3)側へ順に、第1端子部材(4)、第1分極性電極(6)、セパレータ(7)、第2分極性電極(8)及び第2端子部材(5)が載置されている。第1端子部材(4)は、第1分極性電極(6)と電気的に接続されており、容器(1)の内部空間に配置される水平部分が集電体となることから、非水系電気二重層コンデンサの集電体として好適な材料であるステンレス、タングステンやアルミニウム等の板材を加工して作製されている。第1端子部材(4)の一端側は、第1容器半体(2)の壁部を貫通して外部に延び出ており、容器(1)の外部に延出した部分は、容器(1)の側面、さらには容器(1)の底面に沿って屈曲されている。第1端子部材(4)の一端側の先端部は、容器(1)の底面に配置されて、回路基板に半田付けされる部分となる。
【0018】
第2端子部材(5)は、第2分極性電極(8)と電気的に接続されており、容器(1)の内部空間に配置される水平部分が集電体となることから、非水系電気二重層コンデンサの集電体として好適な材料であるステンレス等の板材を加工して作製されている。第2端子部材(5)の一端側は、第2容器半体(3)の壁部を貫通して容器(1)の外部に延び出ている。第2端子部材(5)の外部に延出した部分も、容器(1)の側面、さらには容器(1)の底面に沿って屈曲されている。第2端子部材(5)の一端側の先端部は、容器(1)の底面に配置されて、回路基板に半田付けされる部分となる。なお、第2端子部材(5)は、第1端子部材(4)と同じ材料で形成されている必要はない。
【0019】
第1分極性電極(6)及び第2分極性電極(8)には、活性炭粉末又は活性炭繊維をシート状又はブロック状に成形したものが用いられる。第1分極性電極(6)及び第2分極性電極(8)には、フラーレンやカーボンナノチューブ等のカーボンナノマテリアルを用いることもできる。また、第1分極性電極(6)及び第2分極性電極(8)には、活性炭/炭素コンポジットを用いることもできる。セパレータ(7)には、ガラス繊維不織布、パルプの抄紙、又はポリ四フッ化エチレン(PTFE)等の絶縁性樹脂で形成されたフィルム等が用いられる。
【0020】
第1分極性電極(6)、セパレータ(7)及び第2分極性電極(8)には、電解液が含浸されている。本実施例では、トリ−エチル−メチル−アンモニウム−テトラ−フルオロ−ボレイド(Et3MeNBF4)又はテトラ−エチル−アンモニウム−テトラ−フルオロ−ボレイド(Et4NBF4)等の電解質を非プロトン性有機溶媒に溶かした電解液が使用されている。非プロトン性有機溶媒には、カーボネート、ラクトン、ニトリル、アミド、ニトロアルカン、スルホン、スルホキシド、ホスフェード、又は、ジニトリル若しくはエーテルニトリル等のような二官能性溶媒が使用される。また、、プロピレンカードネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ガンマブチロラクトン(GBL)、スルホラン(SFL)又はアセトニトリル(AN)等が電解液として用いられる。さらに、電解液として、1−メチル−3−メチル−イミダゾリウム等のイオン性液体を用いてもよい。
【0021】
第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)は、容器(1)の外部に至る容器(1)の壁部に埋められた部分の周囲を、すなわち容器(1)の外部に至る容器(1)の壁部内に配置された部分の周囲を、樹脂層(11)(12)で被覆されている。第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)は、これら樹脂層(11)(12)を介して容器(1)の壁部と繋がっている。樹脂層(11)は、容器(1)の材料である液晶ポリマーやポリプロピレン等よりも第1端子部材(4)とより密着する(ステンレス等の第1端子部材の材料に対する密着性がより高い)樹脂で形成されている。樹脂層(12)は、容器(1)の材料よりも第2端子部材(5)とより密着する(ステンレス等の第2端子部材の材料に対する密着性がより高い)樹脂で形成されている。本実施例では、これら樹脂層(11)(12)は、共にエポキシ樹脂で形成されている。
【0022】
図3(a)乃至(d)は、樹脂層(11)の異なる形態を夫々示す部分断面図である。図3(a)に示す形態では、樹脂層(11)は、容器(1)の外部に至る容器(1)の壁部に埋められた第1端子部材(4)の部分よりも、若干広い範囲に亘って形成されている。図3(b)に示す形態では、樹脂層(11)は、容器(1)の外表面近傍において形成されていないが、上記部分の大半に形成されており、容器(1)の内部空間側に若干はみ出ている。図3(c)に示す形態では、樹脂層(11)は、容器(1)の内表面近傍において形成されていないが、上記部分の大半に形成されており、容器(1)の外部へ若干はみ出ている。図3(d)に示す形態では、樹脂層(11)は、上記部分の大半に形成されているが、容器(1)の内表面近傍及び外表面近傍において形成されていない。以上に示すように、樹脂層(11)は、容器(1)の内部空間及び/又は容器(1)の外部へ若干はみ出ていてもよい。また、樹脂層(11)は、第1端子部材(4)における容器(1)の壁部を貫通する部分の大半(70%程度)を覆うように形成されておれば、外部に至る容器(1)の壁部に埋められた第1端子部材(4)の部分の全てに形成される必要はない。樹脂層(12)についても同様である。
【0023】
本実施例の電気二重層コンデンサの製造方法について説明する。まず、図4に示すように、第1端子部材(4)のベースとなる、ステンレス等で形成された板材(31)の一部を環状に覆うように、液状のエポキシ樹脂を塗布する。塗布されたエポキシ樹脂が硬化して、板材(31)に樹脂層(11)が形成される。同様に、樹脂層(12)も、第2端子部材(5)のベースとなる板材(32)の一部を環状に覆うように形成される。
【0024】
次に、図5に示すように、板材(31)にインサートモールド成形により第1容器半体(2)を作製する。第1容器半体(2)は、該第1容器半体(2)の窪みの底面上に板材(31)の一端側が配置され、板材(31)の他端側が第1容器半体(2)の側面から突出し、板材(31)の一端側の縁部が、第1容器半体(2)の壁部に埋められるように作製される。さらに、第1容器半体(2)は、板材(31)に形成された樹脂層(11)の全て又は大半が、第1容器半体(2)の壁部で覆われるように作製される。第2容器半体(3)も、同様に第2端子部材(5)のベースとなる、ステンレス等で形成された板材(32)に作製される。なお、後に図7を用いて説明する電気二重層コンデンサの場合、板材(31)(32)の屈曲工程がなされた後に樹脂層が形成されて、容器半体(2)(3)が作製される。
【0025】
図6に示すように、作製された第1容器半体(2)は、窪みを上方に向けた姿勢にされる。そして、第1分極性電極(6)が、導電性接着剤を用いて板材(31)に接着される。その後、電解液を含浸させたセパレータ(7)が第1分極性電極(6)上に載置され、さらに、第1容器半体(2)の窪みに電解液が注入される。第2容器半体(3)は、第2分極性電極(8)が導電性接着剤を用いて板材(32)に接着され、第2分極性電極(8)に電解液が含浸された後、窪みを下方に向けた状態で、第1容器半体(2)上に載置される。以上により、図2に示す、容器(1)の内部空間内のコンデンサ要素の積層構造が出来上がる。そして、第1容器半体(2)の壁部端面(2a)と第2容器半体(3)の壁部端面(3a)とを、超音波溶着によって接合し、最後に、板材(31)(32)の突出部分を容器(1)の外面に沿って屈曲させると、本実施例の電気二重層コンデンサが完成する。なお、後述する本発明を適用した水系電気二重層コンデンサ、非水系電解質電池及び水系電解質電池も同様に製造される。
【0026】
図7は、本発明の第2実施例の電気二重層コンデンサを示す断面図である。図2に示すように、先の実施例では、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)は、真っ直ぐに容器(1)の壁部を貫通しているが、第2実施例では、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)は壁部内で2度屈曲して、容器(1)の外部に引き出されている。樹脂層(11)(12)は、外部に至る容器の壁部に埋められた端子部材(4)(5)の部分の全て又は大半を被覆するように形成されている。
【0027】
樹脂層(11)(12)を形成することに加えて、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)を壁部内で屈曲させると、これら端子部材(4)(5)は、容器(1)から一層抜け難くなる。また、電解液及び水分の経路が容器の壁部厚さ方向に長くなり、容器(1)と端子部材(4)(5)の接触面が複雑になるので、電解液が一層漏れにくくなり、水分が外部から容器(1)の内部に一層入り難くなる。容器(1)の外部へこれら端子部材(4)(5)を引き出すことが可能であれば、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)の屈曲回数は限定されない。第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)の少なくとも何れか一方を容器(1)の壁部内で屈曲させてもよい。
【0028】
図8は、本発明の第3実施例の電気二重層コンデンサを示す断面図である。先の実施例の電気二重層コンデンサでは、構造の簡略化を図るために、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)を集電体に用いられる材料で形成している。一方、本実施例の電気二重層コンデンサでは、第1端子部材(4)を、板状の第1リード部材(15)と、該第1リード部材(15)に接合された、第1分極性電極(6)からの集電用の第1集電体部(16)とで構成している。また、第2端子部材(5)を、板状の第2リード部材(17)と、該第2リード部材(17)に接合された、第2分極性電極(8)からの集電用の第2集電体部(18)とで構成している。図8に示す実施例では、第1集電体部(16)の縁部は容器(1)の壁部に埋められて、第1集電体部(16)は、第1リード部材(15)が容器(1)の内部空間に露出しないように該第1リード部材(15)を覆っているが、第2集電体部(18)の縁部は、容器(1)の壁部に埋められておらず、第2集電体部(18)の周囲では、第2リード部材(17)が容器(1)の内部空間に露出している。
【0029】
第1集電体部(16)は、ステンレス、アルミニウム又はタングステン等の集電体として好適な材料で形成されている。第1リード部材(15)は、第1集電体部(16)を形成する材料とは異なる導電性金属(合金を含む。以下同じ)で、例えば銅、ニッケル又は銅合金等で形成されており、容器(1)を貫通して外部に引き出されている。なお、当然に、第1リード部材(15)を集電体として好適な材料で形成してもよい。第1集電体部(16)は、容器(1)の内部空間に配置される第1リード部材(15)の水平部分に、第1分極性電極(6)と接触するように設けられる。第1集電体部(16)は、例えば、プラスマ溶射等の方法で第1端子部材(4)の表面にアルミニウム層若しくはタングステン層等を形成することにより、又はアルミニウム箔若しくはタングステン箔等を第1端子部材(4)の表面に接合することにより、第1端子部材(4)に設けられる。第1集電体部(16)は、メッキ処理により形成されてもよい。第1集電体部(16)は、少なくとも第1リード部材(15)の水平部分の第1分極性電極(6)側に設ける必要があるが、例えば、当該水平部分の周囲を覆うように設けられてもよい。
【0030】
第2集電体部(18)は、ステンレス等の集電体として好適な材料で形成されている。第2リード部材(17)は、第2集電体部(18)を形成する材料とは異なる導電性金属で、例えば銅、銅合金又はニッケル等で形成されており、容器(1)を貫通して外部に引き出されている。なお、当然に、当然に第2リード部材(17)を集電体として好適な材料で形成してもよい。第2集電体部(18)は、容器(1)の内部空間に配置される第2リード部材(17)の水平部分に、第2分極性電極(8)と接触するように設けられる。第2集電体部(18)は、少なくとも第2リード部材(17)の水平部分の第2分極性電極(8)側に設ける必要があるが、当該水平部分の周囲を覆うように設けられてもよい。第2集電体部(18)は、第1集電体部(16)と同様な方法で第2端子部材(5)に設けられる。なお、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)の両方を、図8に示す構成にする必要はなく、これらの何れか一方を、図2に示すようにリード部材と集電体部を一体化した構成としてもよい。また、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)の少なくとも何れか一方を 図7に示すように容器(1)の壁部内で屈曲させてもよい。
【0031】
第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)には、容器(1)の外部に至る容器(1)の壁部に埋められた部分に、夫々樹脂層(11)(12)が形成されている。第1リード部材(15)は容器(1)の壁部を貫通しているが、第1集電体部(16)は壁部を貫通しておらず、樹脂層(11)は、第1リード部材(15)及び第1集電体部(16)に亘って形成されている。一方、第2集電体部(18)の縁部は、容器(1)の壁部に埋められておらず、第2集電体部(18)は容器(1)と接していない。樹脂層(12)は、第2リード部材(17)のみに形成されている。第1端子部材(4)は第2端子部材(5)のように構成されてもよく、第2端子部材(5)は第1端子部材(4)のように構成されてもよい。
【0032】
図9(a)乃至(d)は、樹脂層(11)及び第1集電体部(16)の異なる実施形態を夫々示す部分断面図である。これらの図に示された樹脂層(11)の範囲は、夫々図3(a)乃至(d)に示したものに対応している。樹脂層(11)は、容器(1)の内部空間及び/又は容器(1)の外部へ若干はみ出ていてもよく、樹脂層(11)は、外部に至る容器(1)の壁部に埋められた第1端子部材(4)の部分の大半を覆うように形成されていれば、当該部分の全てに形成される必要はない。樹脂層(12)についても同様である。
【0033】
図9(a)に示す実施形態では、第1集電体部(16)は、メッキ処理によって第1リード部材(15)上に形成されており、該第1リード部材(15)の水平部分の周囲を覆うよう形成されている。また、第1集電体部(16)は、容器(1)の外部に若干はみ出ている。形成されている樹脂層(11)は、容器(1)及び第1集電体部(16)と繋がっている。図9(b)及び(c)に示す実施形態では、第1集電体部(16)の端部は、容器(1)の壁部内に配置されている。樹脂層(11)は、容器(1)、第1リード部材(15)及び第1集電体部(16)と繋がっている。図9(d)に示す実施形態では、第1集電体部(16)は、容器(1)の壁部に入り込んでおらず、樹脂層(11)は、容器(1)及び第1リード部材(15)と繋がっている。第2リード部材(17)及び第2集電体部(18)も、これら実施形態と同様に形成されてもよい。
【0034】
図9(d)に示す実施形態の場合、樹脂層(11)には、(第1集電体部(16)を形成する材料とは異なる材料で形成された)第1リード部材(15)に対する密着性がよいことが求められ、図9(b)及び(c)に示す実施形態の場合、樹脂層(11)には、第1集電体部(16)に加えて第1リード部材(15)に対する密着性がよいことが求められる。エポキシ樹脂は、銅やステンレス等の一般的な導電性金属に対して、容器(1)を形成する液晶ポリマーよりも密着性がよいので、何れの場合でも、樹脂層(11)にエポキシ樹脂を使用することができる。第2端子部材(5)に形成された樹脂層(12)についても同様である。
【0035】
本発明は、水系電気二重層コンデンサに適用できる。この場合、電解液には、H2SO4又はKOH等の水溶液が使用され、図8に示す第1集電体部(16)及び第2集電体部(18)には、導電性ブチルゴム又は導電性エラストマーが使用される。また、セパレータ(7)には、ポリプロピレンのシート、ポリエチレン多孔膜、又はガラス繊維不燃布が使用される。水系電気二重層コンデンサでは、先の実施例とは異なり第1集電体部(16)及び第2集電体部(18)は金属ではないが、本発明を適用することにより、上記と同様な理由により、電解液の漏れや外部からの水分の浸入が抑制される。なお、本発明を水系電気二重層コンデンサに適用する場合、第1リード部材(15)及び第2リード部材(17)が電解液と接触することを避けなくてはならない。本発明を水系電気二重層コンデンサに適用する場合、第2集電体部(18)も第1集電体部(16)と同様に構成されて、第2リード部材(17)が容器(1)の内部空間に露出しないようにする必要がある。
【0036】
本発明は、非水系電解質電池に適用できる。この場合、例えば、図8に示す第1分極性電極(6)は正活物質(61)に、第2分極性電極(8)は負活物質(81)に置き換わる。リチウムイオン電池に本発明を適用する場合、正活物質(61)には、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム又はニッケル酸リチウム等の粉末を加圧成形又は焼結したものが使用され、負活物質(81)には、グラファイト系炭素材料又はコークス系炭素材料の粉末を加圧成形又は焼結したものが使用される。電解液には、リチウム塩を溶解させた有機溶媒が使用される。例えば、リチウム塩には、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、Li(CF3O2)2N又はLiC4F9SO3が使用され、有機溶媒には、プロピレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、又はこれらの何れかと鎖状炭酸エステルとの混合液が使用される。鎖状炭酸エステルには、ジメチルカーボネート(DMC)又はジエチルカーボネート(DEC)やエチルメチルカーボネート(EMC)が使用される。セパレータ(7)には、ポリオフィレン、ポリエチレン又はポリプロピレン等の高分子多孔性フィルムが使用される。第1集電体部(16)は、アルミニウム等で形成され、第2集電体部(18)は銅等で形成される。第1リード部材(15)は、第1集電体部(16)を形成する材料とは異なる導電性金属で、第2リード部材(17)は、第2集電体部(18)を形成する材料とは異なる導電性金属で形成される。なお、第1リード部材(15)をアルミニウム等で形成し、第2リード部材(17)を銅等で形成して、図2に示すように、集電体とリード部材を一体化してもよい。
【0037】
本発明は、水系電解質電池に適用できる。この場合、例えば、図8に示す第1分極性電極(6)は正活物質(61)に、第2分極性電極(8)は負活物質(81)に置き換わる。ニッケル水素電池に本発明を適用する場合、正活物質(61)には、ニッケル酸化物の粉末又はペレットを焼結又は圧縮成形したものが使用され、負活物質(81)には、Mm−Ni−Co−Mn−−Al(Mmは希土類元素の混合物)系の水素吸蔵合金の粉末又はペレットを焼結又は圧縮成形したものが使用される。電解液には、KOH又は高分子ヒドロゲル電解質が使用される。セパレータ(7)には、スルホン化ポリプロピレン等の高分子多孔性フィルムが使用される。第1集電体部(16)及び第2集電体部(18)には、発泡ニッケルが使用される。リード部材(15)(17)には、銅、アルミニウム、ニッケル等の金属が使用される。
【0038】
本発明の電気二重層コンデンサ又は電池において、樹脂層(11)(12)の厚みは、100μm以下にすることが好ましい。樹脂層(11)(12)が厚すぎると、端子部材(4)(5)と容器(1)の接合強度が低下するからである。また、容器(1)を形成する液晶ポリマー樹脂等よりも吸水率が高いエポキシ樹脂等を樹脂層(11)(12)に用いた場合、樹脂層(11)(12)をあまりに厚くすると樹脂層(11)(12)に吸収された水分がコンデンサ内部に浸入するおそれが高くなるからである。なお、樹脂層(11)(12)が薄すぎても端子部材(4)(5)と容器(1)の接合強度が低下するために、樹脂層(11)(12)の厚みは、1μm以上にすることが好ましい。
【0039】
以上の説明では、主に、本発明を非水系電気二重層コンデンサに適用した場合を主に取り上げたが、本発明を、水系電気二重層コンデンサ、非水系電解質電池及び水系電解質電池に適用する場合にも、図7に示すように、端子部材(4)(5)を容器(1)の壁部内で屈曲させてもよい。
【0040】
以上の説明では、本発明の実施例として、矩形の電気二重層コンデンサ及び電池を取り上げたが、本発明の実施において、容器(1)の形状は特に矩形に限定されることはない。例えば容器(1)を円柱状に形成しても、電解液の漏れや外部からの水分の浸入が抑制され、端子部材(4)(5)と容器(1)の接合強度が向上するという本発明の効果が得られることは明らかである。
【0041】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気二重層コンデンサの斜視図である。(a)図は、第1端子部材の引出面から見た図であり、(b)図は、第2端子部材の引出面から見た図である。
【図2】本発明に係る電気二重層コンデンサの断面図である。
【図3】本発明に係る電気二重層コンデンサの樹脂層周辺を示す部分断面図である。図3(a)乃至(d)は、樹脂層の異なる形態を夫々示す。
【図4】端子部材のベースとなる板材に樹脂層が形成された状態を示す斜視図である。
【図5】端子部材のベースとなる板材に容器半体が形成された状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る電気二重層コンデンサの製造工程を示す説明図である。
【図7】本発明に係る電気二重層コンデンサの断面図である。
【図8】本発明に係る電気二重層コンデンサ又は電池の断面図である。
【図9】本発明に係る電気二重層コンデンサの樹脂層周辺を示す部分断面図である。図9(a)乃至(d)は、樹脂層及び集電部の異なる形態を夫々示す。
【符号の説明】
(1) 容器
(4) 第1端子部材
(5) 第2端子部材
(6) 第1分極性電極
(7) セパレータ
(8) 第2分極性電極
(11) 樹脂層
(12) 樹脂層
(15) 第1リード部材
(16) 第1集電体部
(17) 第2リード部材
(18) 第2集電体部
(61) 正活物質
(81) 負活物質
【発明が属する技術分野】
本発明は、水系又は非水系電解質を具える電気二重層コンデンサ及び電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
小型のコイン型電気二重層コンデンサは、携帯電話やデジタルカメラ等の電子機器において、主にバックアップ用電源として広く用いられている。周知のように、コイン型電気二重層コンデンサは、一対の分極性電極と、これら分極性電極間に介在されたセパレータを、互い絶縁された一対の金属缶間の内部空間に収納したものである。分極性電極及びセパレータには、水系又は非水系の電解液が含浸されている(特許文献1参照)。
【0003】
回路基板に装着される電子部品はチップ化が進んでいるため、回路基板上では、電気二重層コンデンサに対して長方形状の実装領域が設定される場合が多い。しかし、長方形状の実装領域にコイン型電気二重層コンデンサを配置すると、該コイン型電気二重層コンデンサが円盤状の形状を有することから、実装領域の各角部周辺に大きな空き部分が生じる。
【0004】
電気二重層コンデンサの外形を角状にすれば、空き部分を小さくして実装領域を有効に活用できる。特に、より大きいコンデンサを装着できるので、回路基板に使用する電気二重層コンデンサの容量を一層大きくできる利点がある。電気二重層コンデンサの外形を角状にするためには、金属缶を共に角状に形成する必要があるが、このような構成を採用すると、これら金属缶をガスケットで封口することが困難となる。そこで、絶縁性の樹脂又はセラミック等で、電気二重層コンデンサの容器を形成することが考えられる。これにより、電気二重層コンデンサをチップ化することも可能となる。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−64484号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
絶縁性の樹脂又はセラミック等で形成された容器を用いた水系及び非水系電気二重層コンデンサでは、分極性電極と接続されるリード部材又は集電体は、容器を貫通して外部に引き出されることになる。しかしながら、このような電気二重層コンデンサでは、リード部材又は集電体と容器の密着性が高くないために、容器内部の電解液が、リード部材又は集電体と容器の間を通って漏れるおそれが高い。また、リード部材又は集電体と容器の間を通って、外部から水分が容器内部に浸入するおそれも高い。非水系電気二重層コンデンサでは、電解液に水分が混入すると、水の電気分解が発生して性能に悪影響が生じる。
【0007】
水系及び非水系電解質電池は、電気二重層コンデンサと同様な構造であるために、上記の問題は、水系及び非水系電解質電池の外形を角状にする場合にも生ずる。
【0008】
本発明は、上記の問題を解決するものであり、電解液の漏れや外部からの水分の浸入のおそれが少ない、絶縁性の樹脂又は熱可塑性プラスチックで形成された容器を用いた電気二重層コンデンサ及び電池を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気二重層コンデンサは、電解液が夫々含浸する第1分極性電極、セパレータ及び第2分極性電極を収納する、絶縁性の樹脂又は熱可塑性プラスチックで形成された容器と、前記第1分極性電極に電気的に接続された第1端子部材と、前記第2分極性電極に電気的に接続された第2端子部材とを具えており、前記第1端子部材及び前記第2端子部材は、前記容器を貫通して外部に延出しており、前記容器の外部に至る前記容器の壁部に埋められた前記第1端子部材の部分は、前記樹脂又は熱可塑性プラスチックよりも前記第1端子部材に対する密着性の良い樹脂で形成された樹脂層を介して前記容器と繋がっており、前記容器の外部に至る前記容器の壁部に埋められた前記第2端子部材の部分は、前記樹脂又は熱可塑性プラスチックよりも前記第2端子部材に対する密着性の良い樹脂で形成された樹脂層を介して前記容器1と繋がっている。
【0010】
また、本発明の電気二重層コンデンサでは、第1端子部材及び第2端子部材の少なくとも何れか一方は、容器の外部に至る前記容器の壁部に埋められた部分が屈曲されてよい。さらに、樹脂層の厚みは100μm以下であることが好ましい。
【0011】
【作用及び効果】
上記構成によれば、第1端子部材と樹脂層の接合面は、第1端子部材と容器の壁部を直接接触させる場合における接合面よりも隙間が少なくなる。第2端子部材と樹脂層の接合面についても同様である。したがって、本発明によれば、絶縁性の樹脂又は熱可塑性プラスチックで形成された容器を用いた電気二重層コンデンサにおいて、電解液の漏れや外部からの水分の浸入を抑制することができる。また、本発明によれば、第1端子部材と容器の壁部を直接接合する場合よりも、第1端子部材と容器の接合強度が向上する。第2端子部材と容器の接合強度についても同様である。樹脂層には、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。
【0012】
上記構成に加えて、第1端子部材を、容器の壁部内で屈曲させて外部へ延出させると、第1端子部材が容器から抜け難くなることに加えて、電解液の漏れや外部からの水分の浸入を一層抑制することができる。第2端子部材についても同様である。
【0013】
上記構成において、例えば、第1分極性電極を正活物質、第2分極性電極を負活物質とすることにより、本発明を電池にも適用できることは容易に理解される。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用したチップ型非水系電気二重層コンデンサの斜視図である。本実施例の電気二重層コンデンサは、絶縁性材料で形成された直方体状の外形を有する容器(1)を具えている。容器(1)の材料には、液晶ポリマー(LCP)、変形ポリアミド、ナイロン樹脂等の絶縁性樹脂、又は、ポリエチレンテレフタレート(PBT)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等の絶縁性の熱可塑性プラスチックが使用される。
【0015】
容器(1)は、第1容器半体(2)と第2容器半体(3)とが組み合わされて構成されており、容器(1)の内部空間には、分極性電極(6)(8)やセパレータ(7)等のコンデンサ要素が収納されている。容器(1)の内部からは、板状の第1端子部材(4)が、容器(1)を貫通して外部に引き出されている。さらに、板状の第2端子部材(5)が、第1端子部材(4)とは逆向きに容器(1)の外部に引き出されている。図1(a)は、第1端子部材(4)が引き出されている側から見た電気二重層コンデンサの斜視図であり、図1(b)は、第2端子部材(5)が引き出されている側から見た電気二重層コンデンサの斜視図である。
【0016】
図2は、図1におけるA−A線を含む垂直面で電気二重層コンデンサを破断し、矢視方向に見た断面図である。第1容器半体(2)及び第2容器半体(3)は、直方体のブロック状の部材であり(図5参照)、これら容器半体(2)(3)には、共に直方体状の窪みが形成されている。これら容器半体(2)(3)は互いの窪みを向き合わせるように組み合わされており、これら窪みが合わせられることによって、容器(1)の内部空間が形成されている。なお、これら容器半体(2)(3)の一方を板状に、他方を開口した箱状に形成してもよい。
【0017】
容器(1)の内部空間には、第1容器半体(2)側から第2容器半体(3)側へ順に、第1端子部材(4)、第1分極性電極(6)、セパレータ(7)、第2分極性電極(8)及び第2端子部材(5)が載置されている。第1端子部材(4)は、第1分極性電極(6)と電気的に接続されており、容器(1)の内部空間に配置される水平部分が集電体となることから、非水系電気二重層コンデンサの集電体として好適な材料であるステンレス、タングステンやアルミニウム等の板材を加工して作製されている。第1端子部材(4)の一端側は、第1容器半体(2)の壁部を貫通して外部に延び出ており、容器(1)の外部に延出した部分は、容器(1)の側面、さらには容器(1)の底面に沿って屈曲されている。第1端子部材(4)の一端側の先端部は、容器(1)の底面に配置されて、回路基板に半田付けされる部分となる。
【0018】
第2端子部材(5)は、第2分極性電極(8)と電気的に接続されており、容器(1)の内部空間に配置される水平部分が集電体となることから、非水系電気二重層コンデンサの集電体として好適な材料であるステンレス等の板材を加工して作製されている。第2端子部材(5)の一端側は、第2容器半体(3)の壁部を貫通して容器(1)の外部に延び出ている。第2端子部材(5)の外部に延出した部分も、容器(1)の側面、さらには容器(1)の底面に沿って屈曲されている。第2端子部材(5)の一端側の先端部は、容器(1)の底面に配置されて、回路基板に半田付けされる部分となる。なお、第2端子部材(5)は、第1端子部材(4)と同じ材料で形成されている必要はない。
【0019】
第1分極性電極(6)及び第2分極性電極(8)には、活性炭粉末又は活性炭繊維をシート状又はブロック状に成形したものが用いられる。第1分極性電極(6)及び第2分極性電極(8)には、フラーレンやカーボンナノチューブ等のカーボンナノマテリアルを用いることもできる。また、第1分極性電極(6)及び第2分極性電極(8)には、活性炭/炭素コンポジットを用いることもできる。セパレータ(7)には、ガラス繊維不織布、パルプの抄紙、又はポリ四フッ化エチレン(PTFE)等の絶縁性樹脂で形成されたフィルム等が用いられる。
【0020】
第1分極性電極(6)、セパレータ(7)及び第2分極性電極(8)には、電解液が含浸されている。本実施例では、トリ−エチル−メチル−アンモニウム−テトラ−フルオロ−ボレイド(Et3MeNBF4)又はテトラ−エチル−アンモニウム−テトラ−フルオロ−ボレイド(Et4NBF4)等の電解質を非プロトン性有機溶媒に溶かした電解液が使用されている。非プロトン性有機溶媒には、カーボネート、ラクトン、ニトリル、アミド、ニトロアルカン、スルホン、スルホキシド、ホスフェード、又は、ジニトリル若しくはエーテルニトリル等のような二官能性溶媒が使用される。また、、プロピレンカードネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ガンマブチロラクトン(GBL)、スルホラン(SFL)又はアセトニトリル(AN)等が電解液として用いられる。さらに、電解液として、1−メチル−3−メチル−イミダゾリウム等のイオン性液体を用いてもよい。
【0021】
第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)は、容器(1)の外部に至る容器(1)の壁部に埋められた部分の周囲を、すなわち容器(1)の外部に至る容器(1)の壁部内に配置された部分の周囲を、樹脂層(11)(12)で被覆されている。第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)は、これら樹脂層(11)(12)を介して容器(1)の壁部と繋がっている。樹脂層(11)は、容器(1)の材料である液晶ポリマーやポリプロピレン等よりも第1端子部材(4)とより密着する(ステンレス等の第1端子部材の材料に対する密着性がより高い)樹脂で形成されている。樹脂層(12)は、容器(1)の材料よりも第2端子部材(5)とより密着する(ステンレス等の第2端子部材の材料に対する密着性がより高い)樹脂で形成されている。本実施例では、これら樹脂層(11)(12)は、共にエポキシ樹脂で形成されている。
【0022】
図3(a)乃至(d)は、樹脂層(11)の異なる形態を夫々示す部分断面図である。図3(a)に示す形態では、樹脂層(11)は、容器(1)の外部に至る容器(1)の壁部に埋められた第1端子部材(4)の部分よりも、若干広い範囲に亘って形成されている。図3(b)に示す形態では、樹脂層(11)は、容器(1)の外表面近傍において形成されていないが、上記部分の大半に形成されており、容器(1)の内部空間側に若干はみ出ている。図3(c)に示す形態では、樹脂層(11)は、容器(1)の内表面近傍において形成されていないが、上記部分の大半に形成されており、容器(1)の外部へ若干はみ出ている。図3(d)に示す形態では、樹脂層(11)は、上記部分の大半に形成されているが、容器(1)の内表面近傍及び外表面近傍において形成されていない。以上に示すように、樹脂層(11)は、容器(1)の内部空間及び/又は容器(1)の外部へ若干はみ出ていてもよい。また、樹脂層(11)は、第1端子部材(4)における容器(1)の壁部を貫通する部分の大半(70%程度)を覆うように形成されておれば、外部に至る容器(1)の壁部に埋められた第1端子部材(4)の部分の全てに形成される必要はない。樹脂層(12)についても同様である。
【0023】
本実施例の電気二重層コンデンサの製造方法について説明する。まず、図4に示すように、第1端子部材(4)のベースとなる、ステンレス等で形成された板材(31)の一部を環状に覆うように、液状のエポキシ樹脂を塗布する。塗布されたエポキシ樹脂が硬化して、板材(31)に樹脂層(11)が形成される。同様に、樹脂層(12)も、第2端子部材(5)のベースとなる板材(32)の一部を環状に覆うように形成される。
【0024】
次に、図5に示すように、板材(31)にインサートモールド成形により第1容器半体(2)を作製する。第1容器半体(2)は、該第1容器半体(2)の窪みの底面上に板材(31)の一端側が配置され、板材(31)の他端側が第1容器半体(2)の側面から突出し、板材(31)の一端側の縁部が、第1容器半体(2)の壁部に埋められるように作製される。さらに、第1容器半体(2)は、板材(31)に形成された樹脂層(11)の全て又は大半が、第1容器半体(2)の壁部で覆われるように作製される。第2容器半体(3)も、同様に第2端子部材(5)のベースとなる、ステンレス等で形成された板材(32)に作製される。なお、後に図7を用いて説明する電気二重層コンデンサの場合、板材(31)(32)の屈曲工程がなされた後に樹脂層が形成されて、容器半体(2)(3)が作製される。
【0025】
図6に示すように、作製された第1容器半体(2)は、窪みを上方に向けた姿勢にされる。そして、第1分極性電極(6)が、導電性接着剤を用いて板材(31)に接着される。その後、電解液を含浸させたセパレータ(7)が第1分極性電極(6)上に載置され、さらに、第1容器半体(2)の窪みに電解液が注入される。第2容器半体(3)は、第2分極性電極(8)が導電性接着剤を用いて板材(32)に接着され、第2分極性電極(8)に電解液が含浸された後、窪みを下方に向けた状態で、第1容器半体(2)上に載置される。以上により、図2に示す、容器(1)の内部空間内のコンデンサ要素の積層構造が出来上がる。そして、第1容器半体(2)の壁部端面(2a)と第2容器半体(3)の壁部端面(3a)とを、超音波溶着によって接合し、最後に、板材(31)(32)の突出部分を容器(1)の外面に沿って屈曲させると、本実施例の電気二重層コンデンサが完成する。なお、後述する本発明を適用した水系電気二重層コンデンサ、非水系電解質電池及び水系電解質電池も同様に製造される。
【0026】
図7は、本発明の第2実施例の電気二重層コンデンサを示す断面図である。図2に示すように、先の実施例では、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)は、真っ直ぐに容器(1)の壁部を貫通しているが、第2実施例では、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)は壁部内で2度屈曲して、容器(1)の外部に引き出されている。樹脂層(11)(12)は、外部に至る容器の壁部に埋められた端子部材(4)(5)の部分の全て又は大半を被覆するように形成されている。
【0027】
樹脂層(11)(12)を形成することに加えて、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)を壁部内で屈曲させると、これら端子部材(4)(5)は、容器(1)から一層抜け難くなる。また、電解液及び水分の経路が容器の壁部厚さ方向に長くなり、容器(1)と端子部材(4)(5)の接触面が複雑になるので、電解液が一層漏れにくくなり、水分が外部から容器(1)の内部に一層入り難くなる。容器(1)の外部へこれら端子部材(4)(5)を引き出すことが可能であれば、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)の屈曲回数は限定されない。第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)の少なくとも何れか一方を容器(1)の壁部内で屈曲させてもよい。
【0028】
図8は、本発明の第3実施例の電気二重層コンデンサを示す断面図である。先の実施例の電気二重層コンデンサでは、構造の簡略化を図るために、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)を集電体に用いられる材料で形成している。一方、本実施例の電気二重層コンデンサでは、第1端子部材(4)を、板状の第1リード部材(15)と、該第1リード部材(15)に接合された、第1分極性電極(6)からの集電用の第1集電体部(16)とで構成している。また、第2端子部材(5)を、板状の第2リード部材(17)と、該第2リード部材(17)に接合された、第2分極性電極(8)からの集電用の第2集電体部(18)とで構成している。図8に示す実施例では、第1集電体部(16)の縁部は容器(1)の壁部に埋められて、第1集電体部(16)は、第1リード部材(15)が容器(1)の内部空間に露出しないように該第1リード部材(15)を覆っているが、第2集電体部(18)の縁部は、容器(1)の壁部に埋められておらず、第2集電体部(18)の周囲では、第2リード部材(17)が容器(1)の内部空間に露出している。
【0029】
第1集電体部(16)は、ステンレス、アルミニウム又はタングステン等の集電体として好適な材料で形成されている。第1リード部材(15)は、第1集電体部(16)を形成する材料とは異なる導電性金属(合金を含む。以下同じ)で、例えば銅、ニッケル又は銅合金等で形成されており、容器(1)を貫通して外部に引き出されている。なお、当然に、第1リード部材(15)を集電体として好適な材料で形成してもよい。第1集電体部(16)は、容器(1)の内部空間に配置される第1リード部材(15)の水平部分に、第1分極性電極(6)と接触するように設けられる。第1集電体部(16)は、例えば、プラスマ溶射等の方法で第1端子部材(4)の表面にアルミニウム層若しくはタングステン層等を形成することにより、又はアルミニウム箔若しくはタングステン箔等を第1端子部材(4)の表面に接合することにより、第1端子部材(4)に設けられる。第1集電体部(16)は、メッキ処理により形成されてもよい。第1集電体部(16)は、少なくとも第1リード部材(15)の水平部分の第1分極性電極(6)側に設ける必要があるが、例えば、当該水平部分の周囲を覆うように設けられてもよい。
【0030】
第2集電体部(18)は、ステンレス等の集電体として好適な材料で形成されている。第2リード部材(17)は、第2集電体部(18)を形成する材料とは異なる導電性金属で、例えば銅、銅合金又はニッケル等で形成されており、容器(1)を貫通して外部に引き出されている。なお、当然に、当然に第2リード部材(17)を集電体として好適な材料で形成してもよい。第2集電体部(18)は、容器(1)の内部空間に配置される第2リード部材(17)の水平部分に、第2分極性電極(8)と接触するように設けられる。第2集電体部(18)は、少なくとも第2リード部材(17)の水平部分の第2分極性電極(8)側に設ける必要があるが、当該水平部分の周囲を覆うように設けられてもよい。第2集電体部(18)は、第1集電体部(16)と同様な方法で第2端子部材(5)に設けられる。なお、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)の両方を、図8に示す構成にする必要はなく、これらの何れか一方を、図2に示すようにリード部材と集電体部を一体化した構成としてもよい。また、第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)の少なくとも何れか一方を 図7に示すように容器(1)の壁部内で屈曲させてもよい。
【0031】
第1端子部材(4)及び第2端子部材(5)には、容器(1)の外部に至る容器(1)の壁部に埋められた部分に、夫々樹脂層(11)(12)が形成されている。第1リード部材(15)は容器(1)の壁部を貫通しているが、第1集電体部(16)は壁部を貫通しておらず、樹脂層(11)は、第1リード部材(15)及び第1集電体部(16)に亘って形成されている。一方、第2集電体部(18)の縁部は、容器(1)の壁部に埋められておらず、第2集電体部(18)は容器(1)と接していない。樹脂層(12)は、第2リード部材(17)のみに形成されている。第1端子部材(4)は第2端子部材(5)のように構成されてもよく、第2端子部材(5)は第1端子部材(4)のように構成されてもよい。
【0032】
図9(a)乃至(d)は、樹脂層(11)及び第1集電体部(16)の異なる実施形態を夫々示す部分断面図である。これらの図に示された樹脂層(11)の範囲は、夫々図3(a)乃至(d)に示したものに対応している。樹脂層(11)は、容器(1)の内部空間及び/又は容器(1)の外部へ若干はみ出ていてもよく、樹脂層(11)は、外部に至る容器(1)の壁部に埋められた第1端子部材(4)の部分の大半を覆うように形成されていれば、当該部分の全てに形成される必要はない。樹脂層(12)についても同様である。
【0033】
図9(a)に示す実施形態では、第1集電体部(16)は、メッキ処理によって第1リード部材(15)上に形成されており、該第1リード部材(15)の水平部分の周囲を覆うよう形成されている。また、第1集電体部(16)は、容器(1)の外部に若干はみ出ている。形成されている樹脂層(11)は、容器(1)及び第1集電体部(16)と繋がっている。図9(b)及び(c)に示す実施形態では、第1集電体部(16)の端部は、容器(1)の壁部内に配置されている。樹脂層(11)は、容器(1)、第1リード部材(15)及び第1集電体部(16)と繋がっている。図9(d)に示す実施形態では、第1集電体部(16)は、容器(1)の壁部に入り込んでおらず、樹脂層(11)は、容器(1)及び第1リード部材(15)と繋がっている。第2リード部材(17)及び第2集電体部(18)も、これら実施形態と同様に形成されてもよい。
【0034】
図9(d)に示す実施形態の場合、樹脂層(11)には、(第1集電体部(16)を形成する材料とは異なる材料で形成された)第1リード部材(15)に対する密着性がよいことが求められ、図9(b)及び(c)に示す実施形態の場合、樹脂層(11)には、第1集電体部(16)に加えて第1リード部材(15)に対する密着性がよいことが求められる。エポキシ樹脂は、銅やステンレス等の一般的な導電性金属に対して、容器(1)を形成する液晶ポリマーよりも密着性がよいので、何れの場合でも、樹脂層(11)にエポキシ樹脂を使用することができる。第2端子部材(5)に形成された樹脂層(12)についても同様である。
【0035】
本発明は、水系電気二重層コンデンサに適用できる。この場合、電解液には、H2SO4又はKOH等の水溶液が使用され、図8に示す第1集電体部(16)及び第2集電体部(18)には、導電性ブチルゴム又は導電性エラストマーが使用される。また、セパレータ(7)には、ポリプロピレンのシート、ポリエチレン多孔膜、又はガラス繊維不燃布が使用される。水系電気二重層コンデンサでは、先の実施例とは異なり第1集電体部(16)及び第2集電体部(18)は金属ではないが、本発明を適用することにより、上記と同様な理由により、電解液の漏れや外部からの水分の浸入が抑制される。なお、本発明を水系電気二重層コンデンサに適用する場合、第1リード部材(15)及び第2リード部材(17)が電解液と接触することを避けなくてはならない。本発明を水系電気二重層コンデンサに適用する場合、第2集電体部(18)も第1集電体部(16)と同様に構成されて、第2リード部材(17)が容器(1)の内部空間に露出しないようにする必要がある。
【0036】
本発明は、非水系電解質電池に適用できる。この場合、例えば、図8に示す第1分極性電極(6)は正活物質(61)に、第2分極性電極(8)は負活物質(81)に置き換わる。リチウムイオン電池に本発明を適用する場合、正活物質(61)には、コバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム又はニッケル酸リチウム等の粉末を加圧成形又は焼結したものが使用され、負活物質(81)には、グラファイト系炭素材料又はコークス系炭素材料の粉末を加圧成形又は焼結したものが使用される。電解液には、リチウム塩を溶解させた有機溶媒が使用される。例えば、リチウム塩には、LiBF4、LiClO4、LiPF6、LiAsF6、Li(CF3O2)2N又はLiC4F9SO3が使用され、有機溶媒には、プロピレンカーボネート、ガンマブチロラクトン、又はこれらの何れかと鎖状炭酸エステルとの混合液が使用される。鎖状炭酸エステルには、ジメチルカーボネート(DMC)又はジエチルカーボネート(DEC)やエチルメチルカーボネート(EMC)が使用される。セパレータ(7)には、ポリオフィレン、ポリエチレン又はポリプロピレン等の高分子多孔性フィルムが使用される。第1集電体部(16)は、アルミニウム等で形成され、第2集電体部(18)は銅等で形成される。第1リード部材(15)は、第1集電体部(16)を形成する材料とは異なる導電性金属で、第2リード部材(17)は、第2集電体部(18)を形成する材料とは異なる導電性金属で形成される。なお、第1リード部材(15)をアルミニウム等で形成し、第2リード部材(17)を銅等で形成して、図2に示すように、集電体とリード部材を一体化してもよい。
【0037】
本発明は、水系電解質電池に適用できる。この場合、例えば、図8に示す第1分極性電極(6)は正活物質(61)に、第2分極性電極(8)は負活物質(81)に置き換わる。ニッケル水素電池に本発明を適用する場合、正活物質(61)には、ニッケル酸化物の粉末又はペレットを焼結又は圧縮成形したものが使用され、負活物質(81)には、Mm−Ni−Co−Mn−−Al(Mmは希土類元素の混合物)系の水素吸蔵合金の粉末又はペレットを焼結又は圧縮成形したものが使用される。電解液には、KOH又は高分子ヒドロゲル電解質が使用される。セパレータ(7)には、スルホン化ポリプロピレン等の高分子多孔性フィルムが使用される。第1集電体部(16)及び第2集電体部(18)には、発泡ニッケルが使用される。リード部材(15)(17)には、銅、アルミニウム、ニッケル等の金属が使用される。
【0038】
本発明の電気二重層コンデンサ又は電池において、樹脂層(11)(12)の厚みは、100μm以下にすることが好ましい。樹脂層(11)(12)が厚すぎると、端子部材(4)(5)と容器(1)の接合強度が低下するからである。また、容器(1)を形成する液晶ポリマー樹脂等よりも吸水率が高いエポキシ樹脂等を樹脂層(11)(12)に用いた場合、樹脂層(11)(12)をあまりに厚くすると樹脂層(11)(12)に吸収された水分がコンデンサ内部に浸入するおそれが高くなるからである。なお、樹脂層(11)(12)が薄すぎても端子部材(4)(5)と容器(1)の接合強度が低下するために、樹脂層(11)(12)の厚みは、1μm以上にすることが好ましい。
【0039】
以上の説明では、主に、本発明を非水系電気二重層コンデンサに適用した場合を主に取り上げたが、本発明を、水系電気二重層コンデンサ、非水系電解質電池及び水系電解質電池に適用する場合にも、図7に示すように、端子部材(4)(5)を容器(1)の壁部内で屈曲させてもよい。
【0040】
以上の説明では、本発明の実施例として、矩形の電気二重層コンデンサ及び電池を取り上げたが、本発明の実施において、容器(1)の形状は特に矩形に限定されることはない。例えば容器(1)を円柱状に形成しても、電解液の漏れや外部からの水分の浸入が抑制され、端子部材(4)(5)と容器(1)の接合強度が向上するという本発明の効果が得られることは明らかである。
【0041】
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気二重層コンデンサの斜視図である。(a)図は、第1端子部材の引出面から見た図であり、(b)図は、第2端子部材の引出面から見た図である。
【図2】本発明に係る電気二重層コンデンサの断面図である。
【図3】本発明に係る電気二重層コンデンサの樹脂層周辺を示す部分断面図である。図3(a)乃至(d)は、樹脂層の異なる形態を夫々示す。
【図4】端子部材のベースとなる板材に樹脂層が形成された状態を示す斜視図である。
【図5】端子部材のベースとなる板材に容器半体が形成された状態を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る電気二重層コンデンサの製造工程を示す説明図である。
【図7】本発明に係る電気二重層コンデンサの断面図である。
【図8】本発明に係る電気二重層コンデンサ又は電池の断面図である。
【図9】本発明に係る電気二重層コンデンサの樹脂層周辺を示す部分断面図である。図9(a)乃至(d)は、樹脂層及び集電部の異なる形態を夫々示す。
【符号の説明】
(1) 容器
(4) 第1端子部材
(5) 第2端子部材
(6) 第1分極性電極
(7) セパレータ
(8) 第2分極性電極
(11) 樹脂層
(12) 樹脂層
(15) 第1リード部材
(16) 第1集電体部
(17) 第2リード部材
(18) 第2集電体部
(61) 正活物質
(81) 負活物質
Claims (8)
- 電解液が夫々含浸する第1分極性電極(6)、セパレータ(7)及び第2分極性電極(8)を収納する、絶縁性の樹脂又は熱可塑性プラスチックで形成された容器(1)と、前記第1分極性電極(6)に電気的に接続された第1端子部材(4)と、前記第2分極性電極(8)に電気的に接続された第2端子部材(5)とを具えており、
前記第1端子部材(4)及び前記第2端子部材(5)は、前記容器(1)を貫通して外部に延出しており、
前記容器(1)の外部に至る前記容器(1)の壁部に埋められた前記第1端子部材(4)の部分は、前記樹脂又は熱可塑性プラスチックよりも前記第1端子部材(4)に対する密着性の良い樹脂で形成された樹脂層(11)を介して前記容器(1)と繋がっており、
前記容器(1)の外部に至る前記容器(1)の壁部に埋められた前記第2端子部材(5)の部分は、前記樹脂又は熱可塑性プラスチックよりも前記第2端子部材(5)に対する密着性の良い樹脂で形成された樹脂層(12)を介して前記容器(1)と繋がっている電気二重層コンデンサ。 - 前記第1端子部材(4)及び前記第2端子部材(5)の少なくとも何れか一方は、前記容器(1)の外部に至る前記容器(1)の壁部に埋められた部分が屈曲されている請求項1に記載の電気二重層コンデンサ。
- 前記第1端子部材(4)及び前記第2端子部材(5)の少なくとも何れか一方は、リード部材(15)(17)及び集電体部(16)(18)で構成されている請求項1又は請求項2に記載の電気二重層コンデンサ。
- 前記樹脂層(11)(12)の厚みは100μm以下である請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電気二重層コンデンサ。
- 電解液が夫々含浸する正活物質(61)、セパレータ(7)及び負活物質(81)を収納する、絶縁性の樹脂又は熱可塑性プラスチックで形成された容器(1)と、前記正活物質(61)に電気的に接続された第1端子部材(4)と、前記負活物質(81)に電気的に接続された第2端子部材(5)とを具えており、
前記第1端子部材(4)及び前記第2端子部材(5)は、前記容器(1)を貫通して外部に延出しており、
前記容器(1)の外部に至る前記容器(1)の壁部に埋められた前記第1端子部材(4)の部分は、前記樹脂又は熱可塑性プラスチックよりも前記第1端子部材(4)に対する密着性の良い樹脂で形成された樹脂層(11)を介して前記容器(1)と繋がっており、
前記容器(1)の外部に至る前記容器(1)の壁部に埋められた前記第2端子部材(5)の部分は、前記樹脂又は熱可塑性プラスチックよりも前記第2端子部材(5)に対する密着性の良い樹脂で形成された樹脂層(12)を介して前記容器(1)と繋がっている電池。 - 前記第1端子部材(4)及び前記第2端子部材(5)の少なくとも何れか一方は、前記容器(1)の外部に至る前記容器(1)の壁部に埋められた部分が屈曲されている請求項5に記載の電池。
- 前記第1端子部材(4)及び前記第2端子部材(5)の少なくとも何れか一方は、リード部材(15)(17)及び集電体部(16)(18)で構成されている請求項5又は請求項6に記載の電池。
- 前記樹脂層(11)(12)の厚みは100μm以下である請求項5乃至請求項7の何れかに記載の電池。
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