JP2010047823A - 取鍋精錬法による清浄鋼の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】減圧機能を有する取鍋精錬設備を用いて、フッ素を含有しないフラックスを精錬剤として使用して、Ti≦0.0030%,T.O≦0.0010%の軸受鋼やそれに類する清浄鋼の製造方法を提供する。
【解決手段】転炉又は電気炉からの出鋼後、減圧下でAr又はN2ガスを使用して溶鋼およびスラグを撹拌して精錬し、精錬剤としてフッ素を含有するフラックスを使用せず、取鍋精錬後のスラグ組成が、質量濃度で、CaO:30〜60%,MgO:3.0〜15%,Al2O3:10〜30%かつ(%CaO)/(%SiO2):2.0〜10.0である条件下において、該取鍋精錬後のスラグ組成を質量濃度で、TiO2:1.0%以下、かつNa2OとK2Oとの合計として0.05〜1.00%とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、VOD,VADやタンク脱ガス装置などの減圧機能を有する取鍋精錬設備を用いて、精錬剤としてフッ素を含有するフラックスを使用せず、Ti≦0.0030%、T.O≦0.0010%の軸受鋼やそれに類する清浄鋼の溶製を可能にする、清浄鋼の製造方法に関する。
清浄鋼の溶製のための二次精錬を行う場合、取鍋内に添加する精錬材として、生石灰、アルミナなどのフッ素を含有しない原料にフッ素を含有する蛍石などを混合あるいは合成したフラックスを添加し撹拌操作を行う、いわゆるスラグ精錬が行われていた。
フッ素を含有する蛍石を添加する目的は、それ自体の融点が低く、またCaOを含むスラグの溶融する温度を下げる、すなわち滓化を促進することにある。フッ素を含有することにより、CaO濃度の高いスラグ、いわゆる高塩基度スラグであっても、滓化が良好となるため、スラグ‐メタル反応促進が可能となる。その結果、溶鋼脱硫や酸素濃度低下が促進され、処理時間の短縮や清浄度の向上が期待できる。
しかしながら、製鋼スラグのフッ素濃度が上昇すると、このスラグを路盤材や土木用資材としてリサイクルする場合に周辺土壌へフッ素が溶出する。フッ素は、水質汚濁に関する要監視項目であり、環境基本法の水質環境基準および土壌環境基準において溶出水中のフッ素濃度を0.8mg/L以下とすることが定められているので、製鋼スラグを上記用途に使用する場合には、これらの基準を超える汚染を引き起こさないことが必要である。また、フッ素含有スラグを使用すると、取鍋耐火物の溶損を助長する問題も生じる。したがって、環境、操業の両面の課題から、スラグのフッ素含有濃度を低減することが急務となっている。
上記基準を厳守するためには、ごく少量のフッ素含有であっても、スラグ組成によっては容易に基準値を超えてしまうことから、蛍石等のフッ素含有する精錬材を無添加にする必要がある。
蛍石等のフッ素を含有する精錬剤を無添加にした場合、(1)スラグの滓化が遅れる、(2)スラグ−メタル反応(脱S反応効率)が低下する、つまり脱硫不良、酸素濃度が低下しない(S,Oが低下し難い)といった問題点が生じる。
CaOを高濃度で含有するスラグの滓化を促進するためにはAl(アルミナ)を添加して低融点組成域に調整するのが一般的であり、その代表的なフラックスとしてカルシウムアルミネートが挙げられる。
特許文献1には、電気炉出鋼中に低融点の複合造滓材を投入し、取鍋精錬を開始し、ついで生石灰、カルシウムアルミネート、脱酸材をスラグの流動性を確保するように投入するLF(Ladle Furnance)での蛍石無添加処理方法が開示されている。しかしながら、蛍石を無添加にすることで、滓化性が悪化するのは明確であり、さらなる滓化に対する考慮が欠けている。
また、特許文献2には、アルミキルド鋼の製造方法において取鍋耐火物の組成および精錬後のスラグ組成が開示されているが、この文献でのスラグの流動性を適度に確保する方法としては、Al濃度を規定しているのみである。
特許文献3は、TiO含有量が0.05質量%以下のアルミナ系造滓材を用いることが開示されている。しかし、取鍋汚染などの条件の考慮が欠けているため、生成スラグによる溶鋼精錬という特性を考えると、鋼中Ti濃度のコントロールには不充分と考えられる。
特開2004-204313号公報 特開2007-84838号公報 特開平8-81710号公報
本発明は、VOD,VADやタンク脱ガス装置などの減圧機能を有する取鍋精錬設備を用いて、精錬剤としてフッ素を含有するフラックスを使用せず、Ti≦0.0030%、T.O≦0.0010%の軸受鋼やそれに類する清浄鋼の製造を可能にすることを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明者が検討を行った結果、減圧機能を有する取鍋精錬設備(例えば、VOD、VAD)において、Ti≦0.0030%、T.O≦0.0010%の軸受鋼やそれに類する清浄鋼を溶製する際に、精錬剤としてフッ素を含有しないフラックスを使用することに伴い、取鍋精錬後のスラグ組成CaO、SiO、Al、MgOの他にNaOおよびKOを用い、かつ、鋼中Ti濃度を低目管理するために、TiOを規定することが好適であるとの知見が得られた。ここで、鋼中のTi濃度を低目管理する目的は、軸受鋼製品使用時の静粛性の観点からである。
この知見を得るにあたって、本発明者は次のような検討を行った。
フッ素を含有することなくCaO系スラグの滓化を促進するには、酸性酸化物であるFeOやMnO濃度を上昇させることが考えられたが、これらFeO、MnOはいわゆる低級酸化物であり、これ自体が溶鋼に酸素を供給する酸化源となり、清浄度をむしろ悪化させる。
そこで、CaO系スラグの滓化を促進する新たな着想として、共存するAlやSiOといった両性、あるいは酸性酸化物の活量を抑え、なおかつ融点の降下も期待できるNaOおよびKOに着目した。これらの化合物は、連続鋳造工程におけるモールドパウダー等の成分として工業的に用いられているものである。また、NaOおよびKOには、初期滓化促進以外にAl(アルミナ)、SiO(シリカ)の活量を下げる効果があるため、特に高清浄鋼で脱酸の阻害要因となるスラグ中SiOの悪影響の抑制効果が期待できる。
しかしながら、これらの化合物はそれ自体が容易に蒸発し、その蒸発の過程でむしろ酸素供給源となる可能性もあった。
本発明者らはこの点を考慮して、清浄化効果を得られる滓化性とスラグ諸性質を確保可能な、NaOおよび/またはKO含有条件を検討した。なお、NaOの供給源として、珪酸ソーダ、メタ珪酸ソーダ、ソーダ灰(主要化合物はNaCO)、KOの供給源として、炭酸カリウムが挙げられる。
また、本発明で主目的としている軸受鋼などの高清浄鋼の溶製では、析出物を形成するような不純物元素についても極めて低濃度に抑制する必要がある。特に鋼中Ti濃度は、析出物であるTiNを形成して清浄度を損ねるので低くする必要があり、そのためにはスラグ中TiO濃度を低めに管理しなければならない。フッ素含有スラグにより精錬する場合は、酸化物を化学的に安定にする作用があるのでTiO濃度の管理は緩やかで良かったが、フッ素を含有しないスラグの場合には、新たな管理値を持つ必要がある。しかしながら、従来技術にはフッ素を含有しないスラグにおける取鍋精錬後のスラグ組成におけるTiOの管理値や制限値に関する具体的な開示はこれまでなされていなかった。
以上の検討に基づき、上記課題を解決すべく提供される本発明は、具体的には次のとおりである。
(1)転炉または電気炉からの出鋼後、減圧下でArまたはNガスを使用して溶鋼およびスラグを撹拌して精錬する取鍋精錬法による清浄鋼の製造方法であって、精錬剤としてフッ素を含有するフラックスを使用せず、取鍋精錬後のスラグ組成が、質量濃度で、CaO:30%〜60%、MgO:3.0%〜15%、Al:10%〜30%、かつ(%CaO)/(%SiO):2.0〜10.0である条件下において、該取鍋精錬後のスラグ組成を、質量濃度で、TiO:1.0%以下、かつ、NaOとKOとの合計として0.05〜1.00%とすることを特徴とする、製品中に含まれる元素の質量含有量が、C:0.15%〜1.10%、Si:0.10%〜0.50%、Mn:0.20%〜1.20%、P≦0.025%、S≦0.010%、Cr:1.30〜1.60%、Mo≦0.08%、sol.Al≦0.045%、Ti≦0.0030%、T.O≦0.0010%、残部Feおよび不純物である清浄鋼の製造方法。
取鍋加熱装置やタンク脱ガス装置などの取鍋精錬設備を用いて清浄鋼を溶製する際に、本発明に係る製造方法を実施することで、フッ素を含有するフラックスを精錬剤として使用しなくても、フッ素を含有する従来の精錬剤と同等の滓化性、流動性および精錬特性を得ることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。以下の説明において、スラグ組成における%および高組成における%は、いずれも質量%を意味する。
1.スラグ
減圧機能を有する取鍋精錬設備において、蛍石無添加のカルシウムアルミネート系フラックスを使用すると、滓化性と清浄度に問題が残る。そこで、次の対応を実施することにより、滓化は良好となり、蛍石添加フラックス同等の精錬特性を得ることが実現される。
(A)滓化性向上目的で、カルシウムアルミネート系フラックスにNaOを10%含有する珪酸ソーダを添加する。
(B)珪酸ソーダに関してはフッ素を含有しないフラックスに直接混合して入れるまたは、フッ素を含有していないフラックスとは別に添加する。
(C)初期滓化をさらに促進するために攪拌条件も強攪拌とする。
以下に、スラグ組成および攪拌条件について詳しく説明する。
(1)スラグ組成
スラグ中CaO濃度は、30質量%以上60%以下が必要である。その理由は、30%未満では、溶鋼の脱酸が不十分となり、60%を超えると本技術を用いても滓化不良となるからである。スラグ中CaO濃度は望ましくは、45%以上60%以下である。
スラグ中SiO濃度は、溶鋼の清浄度の観点から、(%CaO)/(SiO)=2.0〜10.0となるように設定する。
スラグ中Al濃度は、10%未満、または30%より大きい場合には、スラグの融点が上昇し、滓化性が悪化する。したがって、スラグ中Al濃度は10%以上30%以下とする。
取鍋耐火物にMgOが含有されており、その耐火物中のMgO溶損をできる限り防ぐため、スラグ中にMgOを3〜4%添加する。それでも、取鍋のスラグラインにおける耐火物からMgOが若干溶損する。そこで、そのMgOのピックアップも考慮して、スラグのMgO含有量を3%以上15%以下とする。
他のスラグ成分FeO、MnO濃度はそれぞれ1%以下が望ましい。低融点化の効果はあるもののそれ自身が酸素供給源となるためである。
(2)攪拌条件
本発明に係る方法では、フラックス組成の調整のみならず処理初期の攪拌条件も考慮することで、スラグの滓化促進を行う。また、清浄度向上の観点から処理末期の攪拌条件を考慮することが好ましい。
具体的には、次式で与えられる攪拌動力密度ε(W/t)と撹拌時間(s)とによる管理も行う。
Figure 2010047823
ここで、
ε:攪拌エネルギー密度(W/t)
Q:吹込みガス流量(Nl/min)
T:溶鋼温度(K)
Wg:溶鋼重量(t)
Z:溶鋼深さ(cm)
V:真空度(torr)
である。
基本的な撹拌処理条件として、初期滓化促進のため処理開始後10分間以上は強撹拌(ε≧30kW/t)とする。ただし、強撹拌にし過ぎると取鍋から溶鋼やスラグが飛散して操業が困難になるため、ε≦60kW/tが適当である。また、この強撹拌時間は15分間程度以内に抑える必要がある。初期滓化促進用にこれ以上の長時間強撹拌が必要となると、全精錬時間が延びてしまうために生産性低下や温度低下などの問題が生じるからである。
一方、精錬処理中に溶鋼へ混入したスラグ滴や生成介在物を浮上除去するため、従来知見に基づいて処理末期3分以上は弱攪拌(ε≦20kW/t)とすることが好ましい。この撹拌力は、あまりに弱過ぎても介在物浮上効果が得られないため、ε≧5kW/tが適当である。この弱撹拌時間は、長過ぎても効果が飽和してしまうから、5分間程度までで通常十分である。
なお、初期強撹拌から末期弱撹拌の中間期間は、特に撹拌力をコントロールする必要はない。また、本発明に係る取鍋精錬処理における撹拌開始から撹拌終了までの全撹拌時間は、典型的には15分〜30分間である。
2.溶鋼
本発明に係る製造方法が対象とする溶鋼の化学組成は、C:0.15%〜1.10%、Si:0.10%〜0.50%、Mn:0.20%〜1.20%、P:0.025%以下、S:0.010%以下、Cr:1.30〜1.60%、Mo:0.08%以下、sol.Al≦0.045%、Ti:0.0030%以下、T.O(溶鋼中の全酸素含有量):0.0010%以下、残部Feおよび不純物である。
この溶鋼成分は、C含有量、Si含有量、Mn含有量のいずれも、Ti≦0.0030%かつT.O≦0.0010%の軸受鋼やそれに類する清浄鋼を得るための成分である。
また、本発明に係る製造方法を実施するときの上記の溶鋼の温度は1480〜1650℃とする。溶鋼温度が1480℃未満であるとスラグの滓化が進まず、1650℃より大きい場合は耐火物の溶損が激しくなる。
なお、使用する鍋耐火物のスラグラインは耐食性を考慮したマグネシアカーボン系煉瓦を使用することが好適である。
図1に、上記したスラグ成分条件下において、(NaO+KO)質量%と初期撹拌力とが添加精錬剤の初期滓化時間に及ぼす影響を示す。
ここで、添加精錬剤としてはカルシウムアルミネート系フラックス(CaO:57%、Al:35%)を3.0〜25.0kg/t投入した後に、珪酸ソーダ(NaO:24%,SiO:74%)を0.03〜0.25kg/tを添加した。
初期滓化の良否は、前記精錬剤を投入後直ちに電極にて通電加熱を実施し、2.5±3.5℃/分以上の昇温速度が得られるまでに要した時間を「初期滓化に要した時間」と定義し、その時間が10分以下の場合を「初期滓化良好」と判定した。
この「初期滓化に要した時間」は、「フラックスが溶解し、スラグとなり溶鋼界面で流動性が良くなり均一になる時間」という考え方に基づく。
NaOとKOの合計を0.05質量%以上とし、かつ、処理開始後10〜11分間をε≧30kW/tにした場合に、初期滓化が促進されることが確認された。(図1)
(1)実験条件
取鍋内の溶鋼重量約70t、溶鋼温度1500〜1600℃、規格がC:0.50%〜1.00%、Si:0.15%〜0.45%、Mn:0.30%〜0.80%、P≦0.025%、S:0.010%以下、Cr:1.30〜1.60%、Mo:0.08%以下、sol.Al:0.045%以下、Ti:0.0030%、T.O:0.0010以下、残部Feおよび不純物である清浄鋼を取鍋精錬設備(VAD)にて処理した。フッ素を含有しないフラックスを使用すると滓化性が低下するため、カルシウムアルミネート系フラックス(CaO:57%、Al:35%)を3.0〜25.0kg/t投入した後に、珪酸ソーダ(NaO:24%,SiO:74%)を0.03〜0.25kg/t添加した。
VADの取鍋精錬条件は、上記の基本的な処理条件の範囲内とした。
(2)実験結果
表1にVAD処理後スラグ組成を示す。
Figure 2010047823
ここで、比較例に関しては、フッ素を含有したフラックスを使用した場合のスラグ組成であって、フッ素濃度が7.5%である。また、NaOまたは/およびKOは添加されていない。
表2に取鍋精錬の結果を示す。
Figure 2010047823
ここで、脱硫率(%)は、(処理開始時[%S]濃度−処理終了後[%S]濃度)/処理開始時[%S]濃度×100により求めた。
清浄度はブルーム連鋳機にて鋳造し、ビレットへ圧延実施した後のT.O濃度で評価を実施した。
介在物は製品での非金属介在物評価であり、ASTM−A法により、評価を実施した。その中でも、寿命を短くする球状あるいはランダム分布のD系(粒状酸化物)Heavyにて評価を実施した。
総合評価の見方は次のとおりである。
○:結果良好 (スラグ中のF濃度が低く、精錬後の溶鋼(製品)のS、T.OおよびTi含有量が所定の範囲以下である)
×:結果不良
比較例1〜6は従来法による精錬の結果であって、処理後スラグ中にFが7.5%含まれているため、このままではスラグが環境基本法に定められた基準を満たすことができない。
一方、本発明実施例1〜8ではフッ素を含有するフラックスを使用しなかったため、環境基本法に定められた基準を満たすことが出来るものである。その上、比較例においても製品中のS≦0.010%、T.O≦0.0010%、Ti≦0.0030%の規格を満たすものではあったが、本実施例によれば製品中のS≦0.007%、T.O≦0.0007%、Ti≦0.0020%というより高い規格をも満たし得ることが確認された。
上記の結果を詳しく説明すれば次のとおりである。
滓化促進のために添加したNaOおよびKOの濃度が0.05%未満では、それらが0.05%以上1.0%以下の場合に比べ、滓化が悪い結果となった。NaOおよびKOの濃度が0.05%以上1.0%の場合、フッ素を含有したフラックス同様滓化は良好であった。
NaCOおよびKCOの添加量が多すぎたらスプラッシュおよび発煙が大きくなり、1重量%以下に抑制する必要があることも明らかになった。
滓化が良くなる同一の攪拌条件においてはスラグ-メタル反応が促進されるため、脱S反応も良好であり、T.Oも低くなった。
また、スラグ中のTiO濃度が多い場合には、スラグ中TiOが還元され、製品のTi値が高くなる傾向となった。よって、スラグ中TiO濃度の管理も1%以下と制限することで、精錬後の溶鋼のTi含有量を低い状態に管理することが可能であることが確認された。
スラグ中NaOとKOとの合計濃度と攪拌動力密度との関係を示すグラフである。

Claims (1)

  1. 転炉または電気炉からの出鋼後、減圧下でArまたはNガスを使用して溶鋼およびスラグを撹拌して精錬する取鍋精錬法による清浄鋼の製造方法であって、
    精錬剤としてフッ素を含有するフラックスを使用せず、
    取鍋精錬後のスラグ組成が、質量濃度で、CaO:30%〜60%、MgO:3.0%〜15%、Al:10%〜30%、かつ(%CaO)/(%SiO):2.0〜10.0である条件下において、
    該取鍋精錬後のスラグ組成を、質量濃度で、TiO:1.0%以下、かつ、NaOとKOとの合計として0.05〜1.00%とすることを特徴とする、
    製品中に含まれる元素の質量含有量が、C:0.15%〜1.10%、Si:0.10%〜0.50%、Mn:0.20%〜1.20%、P≦0.025%、S≦0.010%、Cr:1.30〜1.60%、Mo≦0.08%、sol.Al≦0.045%、Ti≦0.0030%、T.O≦0.0010%、残部Feおよび不純物である清浄鋼の製造方法。
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