JP5634966B2 - スラグにおける六価クロムの抑制方法 - Google Patents

スラグにおける六価クロムの抑制方法 Download PDF

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Description

本発明は、スラグにおける六価クロムの抑制方法に関する。
近年、廃棄物の低減するためや天然資源の枯渇等の問題から、製鋼などで生成されたスラグを土木資材や路盤材等に利用することが注目されている。スラグを土工用、路盤材として利用するためには、環境庁告示46号に定められた土壌環境基準を満足する必要があり、六価クロムの溶出量は0.05mg/L以下とすることが定められている。
例えば、電気炉などでクロム鋼(含クロム鋼)を精錬した後のスラグ中には、Cr(三価クロム酸化物)が含有されている。この三価クロム酸化物は、さらに酸化すると、六価クロム酸化物となり有害な物質となるため、土工用や路盤材として利用するためには、六価クロムの溶出量が0.05mg/L以下にする必要がある。
スラグを土工用や路盤材に使用した場合であっても、当該スラグから六価クロムの溶出を抑制するための様々な技術が特許文献1〜3のように開発されている。
特許文献1では、クロムを含有する溶融スラグを鉄板上若しくは鋳型内に排出し、その溶融状態から400℃までの温度領域を5℃/分以上の冷却速度で冷却することとしている。
特許文献2では、溶融ステンレススラグと全改質材を混合した後の総重量に対し、改質材として金属の硫酸塩、FeO系物質のうち1種以上を0.5〜10重量%を溶融ステンレススラグと混合している。
特許文献3では、製鋼工程で発生した酸化クロムを含有するスラグであって、スラグ塩基度[質量比:%CaO/%SiO]が1.5以上、Fe含有量が10質量%以上のスラグに還元材を添加し、スラグ温度が1000℃以上で撹拌混合した後、冷却している。
特開昭56−45789号公報 特開平10−67545号公報 特開2010−105826号公報
特許文献1では、スラグを冷却する際に400℃までの温度領域を5℃/分以上の冷却速度で冷却することが開示されているものの、六価クロムの溶出量には冷却雰囲気も影響していることが分かっており、特許文献1で示した冷却速度のみでは六価クロムが溶出する懸念がある。
また、特許文献2に示すように、溶融ステンレススラグと全改質材とを混合して改質する方法では、例えば金属の硫酸塩添加はコストアップ要因であり、ダストにはPbなどの有害元素が含まれているため、六価クロム以外の有害元素が溶出する懸念がある。また、特許文献3に示すように、スラグ塩基度が1.5以上でFe含有量が10質量%以上のスラグに還元材を添加する方法は、初期のスラグ中酸化クロム濃度が2.0質量%以下を対象としており、酸化クロム濃度が2.0質量%を超えた場合には、六価クロムが溶出する懸念がある。
本発明は、上記問題点に鑑み、クロムを含有するスラグから簡単に六価クロムの溶出を抑制することができるスラグにおける六価クロムの抑制方法及びスラグを提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明の技術的手段は、クロムを含有するスラグから六価クロムの溶出を抑制する方法において、前記スラグの組成を、CaO:30〜55質量%、SiO:5〜17質量%、Al:0.5〜12質量%、T.Fe:5〜30質量%となるようにすると共に、式(1)を満たすようにし、六価クロムの溶出を抑制することを特徴とする。
本発明によれば、スラグからの六価クロムの溶出を確実に抑制することができる。
電気炉における精錬の状況を模式的に示したものである。 スラグから六価クロムが溶出する挙動を模式的に示したものである。 スラグの酸化度と六価クロムの溶出量との関係をまとめたものである(スラグ中の酸化クロム濃度を考慮しない場合)。 スラグの酸化度と六価クロムの溶出量との関係をまとめたものである(スラグ中の酸化クロム濃度を考慮した場合)。 M.Feと六価クロムの溶出量との関係をまとめたものである。 FeOと六価クロムの溶出量との関係をまとめたものである。 Feと六価クロムの溶出量との関係をまとめたものである。 スラグの還元剤とスラグの酸化度とをパラメータにしたときの六価クロムの溶出量を示したものである。
図1は、クロムを含む含クロム鋼を製造する電気炉を示したものである。
以下の説明において、溶銑や溶鋼のことを溶湯と表現し説明を行う。また、図面において、三価クロムをCr(III)とし、六価クロムをCr(VI)と表現することもある。
図1に示すように、電気炉1は、内部に投入した冷鉄源等を溶解すると共に、溶解した冷鉄源等や外部から直接装入された溶湯2を精錬するものであって、溶湯2を貯留する容器本体3と、この容器本体3を覆う蓋体4とを備えている。
容器本体3と蓋体4とは上下分離可能となっている。この容器本体3と蓋体4とによって、一方側(紙面、右側)に排サイ口5が形成され、他方側(紙面、左側)に出鋼口6が形成されている。なお、容器本体3に、排サイ口5や出鋼口6が形成されていてもよい。
排サイ口5には、容器本体3内の溶湯に対して、酸素を吹き込むためのランス7を装入することができる。なお、容器本体3に、排サイ口5や出鋼口6が形成されていてもよい。
蓋体4等には、アークを発生させる単独もしくは複数の電極8(例えば、炭素電極)が設けられ、この電極8のアーク放電によって内部の冷鉄源を溶解するようになっている。
したがって、電気炉1では、まず、冷鉄源(例えばクロムを含むスクラップ)などの主原料との前後を問わず副原料等を容器本体3に投入する。そして、電極8によるアーク放電によって、冷鉄源及び副原料を加熱溶解して溶融状態とし、その溶湯2に対してランス7により酸素を吹き込むことにより、精錬処理(脱りん処理)を行うことができる。
このように、クロム鋼を溶製するために電気炉にて精錬を行うと、この精錬処理後のスラグS1には、三価クロムなどのクロムが含有している。本発明では、このように精錬処理で生成したスラグS1を再利用できるようにしている。なお、本発明に規定するスラグにおいては、ステンレスを製造したときに生成するステンレススラグや還元炉で生成されたスラグは対象としていない。
再利用するスラグの組成は、質量%で、CaO:30〜55%、SiO:5〜17%、Al:0.5〜12%、T.Fe:5〜30%、MgO:3〜20%、Cr:0.3〜10%、MnO:2〜10%である。また、当該スラグにおいて、その他に、TとVと、Sと、P5、F、f−CaOとの合計が10質量%以下であり、残部が不可避不純物である。
CaOは、精錬処理において脱りん剤や脱硫剤として機能するものであり、特に酸化精錬においては、脱りん剤として機能する。CaO量は、脱りん処理後のりん濃度(P濃度)、即ち、目的とするP濃度によって異なるものの、30質量%以上必要である。なお、CaO濃度が高くなると溶融性(サイ化性)や反応性が低下することから、55質量%以下であることが必要である。
スラグの流動性を確保するためには、スラグ中のCaO濃度とSiO濃度の比(スラグ塩基度)を低くする必要があり、そのために、SiOは5質量%以上とする必要がある。なお、脱硫処理においては、ある程度の塩基度を確保する必要があることから、SiOの濃度を17質量%以下にする必要がある。
Alは、スラグの融点を下げる効果があるため、造さい材としてAl源を添加している。なお、電気炉1にて精錬を行った場合、Al濃度は0.5〜12質量%以下である。
T.Feは、金属鉄(M.Fe)や鉄酸化物(FeOやFe)を含むものであって、鉄酸化物はCaOと反応して低融点酸化物を構成し、スラグのサイ化を促進させる。精錬を行うにあたってスラグ中の酸化度を高めることは必要であるものの、スラグ中T.Feが高すぎると、溶湯(溶鋼)の歩留が低減することになり、T.Feが高すぎることは望ましくなく30質量%以下であることが必要であり、T.Feは5〜30%である。
MgOは、精錬上の機能は有しておらず、MgO系耐火物の溶損防止を目的として添加しており、MgOは3〜20%である。
Crは、精錬上の機能は有しておらず、溶湯中のCrが酸化されることにより、スラグ中に含有されることになる。Cr濃度は主に溶湯(溶鋼)とのCr分配やスクラップ中のCr成分に依存するが、0.3〜10%である。
MnOは、MgOと同様に精錬上の機能は有しておらず、溶鋼中Mnが酸化されることでスラグに含有されることになり、MnOは2〜10%である。
また、スラグ中には、上述した組成の他に、T、V、S、P5、F、f−CaOなどが含まれるが、これらの合計は、10質量%以下である。
本発明では、再利用するスラグの組成は、上述した範囲内に入るようにしている。そのため、上述したスラグの組成は、精錬処理後に排サイしたスラグ自体の組成であっても、改質処理を行った後の組成であってもよい。即ち、精錬後のスラグS1をそのまま再利用する場合は、精錬処理後(電気炉から排サイ後)の成分(組成)が上述した成分になるように精錬時にスラグの成分調整を行う。また、精錬処理後のスラグS1を一旦、改質して再利用する場合は、電気炉1からスラグポット(スラグを受ける容器)に精錬処理後のスラグS1を排サイし、スラグポットに排サイしたスラグに成分調整のための材料を加えて、上述した成分になるように成分調整を行う、或いはスラグポットに予め改質材を投入したうえでスラグS1を排サイしてもよい。
さて、本発明では、再利用するスラグの組成(成分)は、上述した範囲としているが、さらに、スラグの成分が式(1)を満たすようにしている。
以下、式(1)について説明する。
図2(a)に示すように、上述したように、スラグ中の六価クロム[(Cr(VI)]は、スラグ中に存在する三価クロム[Cr(III)]が酸化することによって生成される。そのため、スラグの酸化度が六価クロムの生成に影響を及ぼしている可能性が考えられる。発明者らは、まず、スラグの酸化度と六価クロムの溶出量とに着目して両者の関係を調査した。なお、スラグ中の酸化クロムを考慮していないスラグの酸化度は、Fe/T.Feであり、スラグ中の酸化クロムを考慮したスラグの酸化度は、Cr×Fe/T.Feである。
ここで、スラグの酸化度をFe/T.Feと、Feに着眼した理由は、酸化物の標準生成自由エネルギーを考慮したためである。FeはFeOよりも標準生成自由エネルギーが大きいので、Feの生成量が多いほど、スラグの酸化が進んでいると想定されるため、Fe/T.Feを酸化度との指標とした。加えて、後述の通り、Feには六価クロムの還元能が無いと想定されたためである。
その結果、図3に示すように、スラグの酸化度が増加するにしたがって、六価クロムの溶出量[Cr(VI)溶出量]が増加している。六価クロムの生成は、スラグ中の三価クロム(Cr)の濃度が影響すると考えられるため、その濃度を変えた場合の六価クロムの溶出量についても調査した。その結果を図4に示す。
図4に示すように、スラグ中の酸化クロムを考慮した場合であっても、スラグの酸化度が増加するにつれて六価クロムの溶出が増加することが確認された。即ち、スラグ中の酸化クロムの濃度如何に関わらず、スラグの酸化度を抑えることによって六価クロムの溶出量を少なくすることができる。
図2(b)に示すように、スラグ中に六価クロム[Cr(VI)]が生成していた場合は、容易に水溶液中に溶出してしまうが、図2(c)に示すように、水溶液中で六価クロムを還元し、三価クロム[Cr(III)]にすれば、六価クロムの溶出を抑えることができる。仮に、水溶液中に六価クロムが溶出したとしても、その六価クロムを水溶液中で三価クロムに還元することができれば、最終的には六価クロムの溶出を抑制することができる。スラグに含有される物質で還元剤として作用する成分について検討を行ったところ、M.FeおよびFeOが有効であることを知見した。
図5は、M.Feと六価クロムの溶出量との関係をまとめたものであり、図6は、FeOと六価クロムの溶出量との関係をまとめたものであり、図7は、Feと六価クロムとの関係をまとめたものである。
図5及び図6に示すように、スラグ中のM.FeやFeOが増加するにつれて、六価クロムの溶出量が減少している。なお、図7に示すように、Feと六価クロムの溶出量との相関関係はなかった。
ここで、M.Fe(金属鉄)とFeOとについて、M.Feについては、「2Fe+Cr 2−+7HO→2Fe(OH)+2Cr(OH)+2OH」となり、FeOについては、「6FeO+Cr 2−+13HO→6Fe(OH)+2Cr(OH)+2OH」と反応していると考えられる。即ち、FeやFeOが酸化することによって六価クロムを還元することができる(FeやFeOが還元剤として働く)ことから、スラグ中のM.FeやFeOが多い場合は、水溶液に溶出する六価クロムの溶出量を少なくすることができると考えられる。M.Feの方が少量で六価クロムの溶出量が低位安定化しているのは、上記の想定反応式において同一量の六価クロムを還元するのに必要な量がM.Feの方が少ない(=M.Feの方が還元能力が高い)ことが原因と推察される。
上述した結果より、六価クロムの溶出を抑制するにあたっては、スラグの酸化度[Cr×Fe/T.Fe]と、水溶液中で還元剤として働くFeの量比[(M.Fe+FeO)/T.Fe]とが重要であるとの知見に至った。
そこで、図8に示すように、スラグの酸化度と、還元剤として働くFeの量比とについてまとめると、ラインLよりもA領域にあるときは、六価クロムの溶出量を0.05mg/L以下にすることができる。この関係を定式化すると、式(1)となる。
なお、式(1)のFeO質量%は、スラグのFeO中のFe分で(FeO質量%)×56/72で求めることができる。また、式(1)のFe質量%は、スラグのFe中のFe分で(Fe質量%)×112/160で求めることができる。
表1及び表2は、本発明に示したスラグとなるようにした実施例と、本発明のスラグとは別のスラグになるようにした比較例とをまとめたものである。
実施例においては、電気炉等から排サイして、最終的に再利用するスラグ(リサイクルスラグ)となった時点での成分が上述した範囲内となるように、排サイ後のスラグの成分調整を行いながら冷却を行ったり、排サイ後に成分調整が必要でない場合は、排サイ後のスラグを成分調整を行わずに冷却を行った。
なお、本スラグの組成は分析により求めてもよいし、下記に示すような方法で求めることも可能である。排サイ直前のCaO、Al、SiO濃度は精錬中に添加した造サイ剤やフラックスの量から大きく変化しないため、添加量からの算出が可能である。Cr量は、溶鋼中のCr濃度から算出できる。T.Fe量、M.Fe、FeO、Fe濃度に関しては、酸素量、[C]濃度、温度などの精錬条件からの推定が可能である。なお、本実施例においては、分析により組成を確認した。
これらの推定濃度が所望のスラグ組成から外れるようであれば、排サイ時の成分調整や、下記に示すような冷却条件を制御することで本発明で規定したスラグ組成を満たすことが可能になる。
また、実施例では、電気炉等からスラグをスラグポットに排サイして冷却を完了するまでの工程を工夫することによって、最終的なスラグ(冷却完了後のスラグ)が式(1)を満たすようにした。
具体的には、電気炉からスラグをスラグポットに排サイする際に、スラグ中のFeや三価クロムが出来るだけ酸化しないように、スラグの排サイ時の表面積を小さくすることによってスラグの酸化面積を小さくした。また、スラグポットに排サイしたスラグを冷却する際に、スラグの表面に酸化防止剤(例えば、既に冷却済みのスラグであって好ましくは三価クロムが含有されていないスラグ)を散布して、スラグの酸化を防止する。酸化防止剤は、冷却済みのスラグに限定されず、金属Al、金属Siなど、Fe、Crよりも酸化し易い成分を含むものであれば好ましい。なお、酸化防止剤の散布と、スラグの成分調整とを併用してもよい。
また、スラグの酸化度は、温度に影響されることから、高温環境下でスラグが大気に曝される時間をできるだけ短くすることが好ましい。例えば、スラグが溶融状態から800℃までの冷却速度をできるだけ早くしてもよい。
なお、最終的にスラグの成分が本発明に規定した範囲にするための方法は、上述した方法に限定されない。
実施例及び比較例において、六価クロムの溶出量の判定は、環境庁告示14号(以下、環告14号)「海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律施行令第5条第1項に規定する埋立場所等に排出しようとする廃棄物に含まれる金属等の検定方法」および環境庁告示46号(以下、環告46号)「土壌の汚染に係る環境基準について」に基づいた基準に従い、以下の判定基準とした。
良好「○」:環告14号で六価クロム溶出量が0.5mg/L以下、且つ環告46号で六価クロム溶出量が0.05mg/L以下。不良「×」:環告14号で六価クロム溶出量が0.5mg/L超、且つ環告46号で六価クロム溶出量が0.05mg/L超。なお、各図や表で示した結果は、環告46号に基づいて評価した結果である。
実施例に示すように、再利用するスラグの組成(冷却完了後のスラグ)が、CaO:30〜55%、SiO:5〜17%、Al:0.5〜12%、T.Fe:5〜30%であり、式(1)を満たす組成であれば、六価クロムの溶出量を0.5mg/Lにすることができた。
特に、六価クロムの溶出を抑制するにあたって、従来のように厳密に冷却速度を管理しなくても、スラグの成分が規定範囲内になるようにすることによって、六価クロムの溶出を抑制することができる。また、上述したような規定範囲のスラグであれば確実に六価クロムの溶出を抑制することができる。
一方、比較例に示すように、CaO、SiO、Al、T.Fe:5〜30%のいずれかの成分が規定より外れ、又は、式(1)を満たさない場合は、六価クロムの溶出量が0.5mg/Lを超えてしまうことになった。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 電気炉
2 溶湯
3 容器本体
4 蓋体
5 排サイ口
6 出鋼口
7 ランス
8 電極
S1 スラグ

Claims (1)

  1. クロムを含有するスラグから六価クロムの溶出を抑制する方法において、
    前記スラグの組成を、CaO:30〜55質量%、SiO:5〜17質量%、Al:0.5〜12質量%、T.Fe:5〜30質量%となるようにすると共に、式(1)を満たすようにし、六価クロムの溶出を抑制することを特徴とするスラグにおける六価クロムの抑制方法。
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