JP2010043597A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】内燃機関の排気浄化装置において、排気浄化能力の回復を速やかに完了させることができる技術を提供する。
【解決手段】第1目標温度まで上昇させて排気浄化装置の排気浄化能力を回復させる回復手段と、所定条件が成立した場合に目標温度を第1目標温度よりも低い第2目標温度に変更する変更手段と、還元剤供給量を算出する還元剤量算出手段と、目標温度を第2目標温度としているときに、第1目標温度まで上昇させると仮定したときの不足分である還元剤供給量を算出する不足分算出手段と、を備え、所定条件が成立しなくなり目標温度が第1目標温度に戻された後の所定期間に亘り、第1目標温度とするために要する還元剤供給量に、不足分算出手段により算出される還元剤供給量を上乗せする。
【選択図】図4
【解決手段】第1目標温度まで上昇させて排気浄化装置の排気浄化能力を回復させる回復手段と、所定条件が成立した場合に目標温度を第1目標温度よりも低い第2目標温度に変更する変更手段と、還元剤供給量を算出する還元剤量算出手段と、目標温度を第2目標温度としているときに、第1目標温度まで上昇させると仮定したときの不足分である還元剤供給量を算出する不足分算出手段と、を備え、所定条件が成立しなくなり目標温度が第1目標温度に戻された後の所定期間に亘り、第1目標温度とするために要する還元剤供給量に、不足分算出手段により算出される還元剤供給量を上乗せする。
【選択図】図4
Description
本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
酸化触媒とパティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタという。)とを設け、排気中の粒子状物質(以下、PMという。)を捕集する技術が知られている。フィルタに捕集されているPM量が一定量に達すると、該フィルタよりも上流に設けた酸化触媒へ還元剤を供給し、該フィルタの温度を上昇させることによりPMを酸化させて除去することができる。このようにPMを除去することをフィルタの再生という。
そして、フィルタの再生が実行されているときに内燃機関がアイドル状態となった場合であっても、フィルタの過熱を抑制しつつフィルタの再生を継続させることが可能な機関回転数とすることで該フィルタの再生を継続する技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この技術では、フィルタの再生が不可能な機関回転数の場合にはフィルタの再生を中止している。
ここで、フィルタが比較的高温の状態からアイドル状態や減速状態となったときには、フィルタの温度を維持するために多量の還元剤を供給する必要がある。しかし、排気が低温の場合や排気の流量が少ない場合に多量の還元剤を供給すると、触媒の上流側端面に還元剤が付着して詰まりが生じる虞がある。これにより、触媒の活性を維持できなくなる虞もある。また、排気中へ還元剤を供給してから実際に触媒へ到達するまでに時間がかかるため、温度制御が困難となる。さらに、フィルタにPMが多く堆積しているときには、該PMの酸化により多くの熱が発生するため、フィルタが過熱する虞もある。しかし、減速やアイドル中に還元剤の供給を停止すると、フィルタの再生が可能な温度よりも低くなってしまい、その後に再度昇温するのに時間がかかる。これにより、フィルタの再生が完了するまでに時間がかかってしまう。なお、吸蔵還元型NOx触媒におけるNOx還元時や硫黄被毒回復時にも同様のことがいえる。
特許第4003768号公報
特開2006−97577号公報
特開2007−315225号公報
本発明は、上記したような問題点に鑑みてなされたものであり、内燃機関の排気浄化装置において、排気浄化能力の回復を速やかに完了させることができる技術を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために本発明による内燃機関の排気浄化装置は、以下の手段を採用した。すなわち、本発明による内燃機関の排気浄化装置は、
内燃機関の排気通路に設けられ排気を浄化する排気浄化装置と、
前記排気浄化装置よりも上流側の排気中へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記排気浄化装置へ還元剤を供給することで該排気浄化装置の温度を第1目標温度まで上昇させて該排気浄化装置の排気浄化能力を回復させる回復手段と、
前記回復手段により前記排気浄化装置の排気浄化能力を回復させているときであって排気浄化能力の回復を継続することができない所定条件が成立したときに目標温度を前記第1目標温度よりも低い第2目標温度に変更する変更手段と、
前記排気浄化装置の温度を前記第1目標温度または前記第2目標温度とするために要する還元剤供給量を算出する還元剤量算出手段と、
前記変更手段により前記排気浄化装置の目標温度を前記第2目標温度としているときに、前記第1目標温度まで上昇させると仮定したときの不足分である還元剤供給量を算出する不足分算出手段と、
を備え、
前記所定条件が成立しなくなり目標温度が前記第1目標温度に戻された後の所定期間に亘り、前記還元剤量算出手段により算出される前記第1目標温度とするために要する還元剤供給量に、前記不足分算出手段により算出される還元剤供給量を上乗せすることを特徴とする。
内燃機関の排気通路に設けられ排気を浄化する排気浄化装置と、
前記排気浄化装置よりも上流側の排気中へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記排気浄化装置へ還元剤を供給することで該排気浄化装置の温度を第1目標温度まで上昇させて該排気浄化装置の排気浄化能力を回復させる回復手段と、
前記回復手段により前記排気浄化装置の排気浄化能力を回復させているときであって排気浄化能力の回復を継続することができない所定条件が成立したときに目標温度を前記第1目標温度よりも低い第2目標温度に変更する変更手段と、
前記排気浄化装置の温度を前記第1目標温度または前記第2目標温度とするために要する還元剤供給量を算出する還元剤量算出手段と、
前記変更手段により前記排気浄化装置の目標温度を前記第2目標温度としているときに、前記第1目標温度まで上昇させると仮定したときの不足分である還元剤供給量を算出する不足分算出手段と、
を備え、
前記所定条件が成立しなくなり目標温度が前記第1目標温度に戻された後の所定期間に亘り、前記還元剤量算出手段により算出される前記第1目標温度とするために要する還元剤供給量に、前記不足分算出手段により算出される還元剤供給量を上乗せすることを特徴とする。
排気浄化装置には、還元剤を反応させるために少なくとも酸化能力を有する触媒が備わる。つまり、触媒で還元剤が反応することにより、排気浄化装置の温度が上昇する。排気浄化装置は、少なくともその温度を第1目標温度としなければ排気浄化能力が十分に回復されない。つまり、排気浄化装置の実際の温度を第1目標温度よりも低い第2目標温度としても浄化能力の回復は緩慢となるか全くされない。しかし、第2目標温度は、還元剤の供給により上昇させた後の温度であるため、通常よりも高温である。つまり、第1目標温度は、排気浄化装置の浄化能力を回復させることのできる温度とすることができる。また、第2目標温度は、排気浄化装置に還元剤が詰まったり、排気浄化装置が過熱したりすることのない温度とすることができる。すなわち、排気浄化装置の温度を第1目標温度として浄化能力を回復している最中に、詰まり又は過熱等が発生する虞のある所定条件が成立したときに、目標温度が第2目標温度とされる。排気浄化装置の目標温度を第2目標温度とすることにより浄化能力は回復されないが、高温状態が維持されるため、所定条件が成立しなくなったときに第1目標温度まで速やかに上昇させて浄化能力の回復を再開することができる。なお、所定条件とは、排気浄化装置の目標温度を第1目標温度とすると排気浄化装置の浄化能力が低下する等の不具合が発生する虞のある温度とすることができる。
還元剤量算出手段は、排気浄化装置の目標温度を第1目標温度としているときには、該第1目標温度を維持するために必要となる還元剤供給量を算出する。また、排気浄化装置の目標温度を第2目標温度としているときには、該第2目標温度を維持するために必要となる還元剤供給量を算出する。そして、不足分算出手段は、排気浄化装置の目標温度を第2目標温度としているときに、第1目標温度まで上昇させると仮定したときの不足分である還元剤供給量を算出する。つまり、あとどれだけの還元剤供給量を加えれば第1目標温度となるのかを算出している。
そして、この不足分算出手段により算出された還元剤供給量を、所定条件が成立しなくなった後に上乗せする。つまり、所定条件が成立しなくなった後の所定期間は、第1目標温度を維持するために必要となる還元剤供給量よりも多くの還元剤を供給することになる。ここで、所定条件が成立しなくなった直後は排気浄化装置の実際の温度は第1目標温度よりも低くなっている。この状態から排気浄化装置の温度を速やかに第1目標温度まで上昇させれば、浄化能力の回復処理を速やかに再開することができる。そこで、通常の還元剤供給量に上乗せをして還元剤を供給している。つまり、還元剤供給量を上乗せする前よりも還元剤供給量を上乗せした分だけ早く温度が上昇するようになる。そして、上乗せする還元剤の総量は、排気浄化装置の目標温度を第2目標温度としているときの不足分である還元剤供給量であるため、上乗せによるオーバーシュートや過熱を抑制できる。
また、本発明では所定期間に亘って還元剤供給量を上乗せしている。ここで、還元剤供給量を上乗せする期間が短いと還元剤が排気浄化装置で反応しきれずにすり抜けたり、過熱したりする虞がある。また、還元剤供給量を上乗せする期間が長いと、排気浄化装置の温度上昇が緩慢となるため、該還元剤供給量を上乗せする効果が低くなってしまう。この
ように、還元剤供給量を上乗せする期間によって、その効果が異なる。そのため、最適な期間を所定期間として設定する。これにより、排気浄化装置を速やかに昇温させることができる。また、目標温度を第2目標温度としているときには、還元剤供給量を抑制しているため、排気浄化装置に還元剤が詰まったり、触媒の温度が活性温度の下限値よりも低くなったり、過熱したりすることを抑制できる。
ように、還元剤供給量を上乗せする期間によって、その効果が異なる。そのため、最適な期間を所定期間として設定する。これにより、排気浄化装置を速やかに昇温させることができる。また、目標温度を第2目標温度としているときには、還元剤供給量を抑制しているため、排気浄化装置に還元剤が詰まったり、触媒の温度が活性温度の下限値よりも低くなったり、過熱したりすることを抑制できる。
本発明においては、前記不足分算出手段は、前記第1目標温度まで上昇させると仮定したときに不足するエネルギを還元剤供給量に換算して算出することができる。
つまり、排気浄化装置の温度は、該排気浄化装置が持つエネルギで決まるため、該エネルギの変化を還元剤供給量に換算して供給する。すなわち、所定条件が成立するか否かに関わらず、平均エネルギは一定となる。これにより、排気浄化装置の温度制御を正確に行うことができる。なお、エネルギは、排気浄化装置を通過するガスの熱容量と、温度と、に応じて算出することができる。
本発明においては、内燃機関の吸入空気量を測定する測定手段を備え、前記還元剤供給量を上乗せするときの内燃機関の吸入空気量が多いほど上乗せ量を少なくすることができる。
ここで上乗せ量とは、前記所定期間に対して十分に短い期間において、還元剤量算出手段により算出される還元剤供給量に上乗せされる量とすることができる。これは、単位時間当たりに上乗せする還元剤供給量としても良い。また、間欠的に還元剤を供給する場合の一回あたりの供給時間を長くすることにより増加する分の還元剤供給量を上乗せ量としても良い。そして、上乗せ量の総量が、不足分算出手段により算出された値と等しくなり得る。
例えば内燃機関の吸入空気量が多いときには、排気中に酸素が多く含まれるため、還元剤の反応が促進される。そのため、還元剤供給量を上乗せしているときには排気浄化装置の温度上昇が早くなるので、該排気浄化装置が過熱する虞がある。これに対し、吸入空気量が多いほど上乗せ量を少なくすれば、排気浄化装置の過熱を抑制することができる。還元剤供給量を上乗せしているときに吸入空気量が変化した場合には、それに合わせて上乗せ量を変化させても良い。上乗せ量は、吸入空気量に応じて無段階に少なくしても良く、段階的に少なくしても良い。吸入空気量は、排気の量としても良い。また、上乗せ量を少なくすると、不足分算出手段により算出される還元剤供給量を消費するために要する時間が長くなる。そのため、前記所定期間を延ばさなくてはならない。つまり、還元剤供給量を上乗せするときの内燃機関の吸入空気量が多いほど前記所定期間を長くするとしても良い。
本発明においては、前記還元剤供給量を上乗せするときにおいて、前記不足分算出手段により算出される還元剤供給量が多いほど上乗せ量を多くすることができる。
ここで、算出される還元剤供給量が多くなるほど、不足しているエネルギが大きいということになる。つまり、上乗せ量を多くしても、排気浄化装置の温度がオーバーシュートしたり過熱したりする確率も低くなる。そして、上乗せ量を大きくすることにより、排気浄化装置の温度をより速やかに上昇させることができる。また、上乗せ量を多くすると、不足分算出手段により算出される還元剤供給量を消費するために要する時間が短くなる。そのため、前記所定期間を短くしなくてはならない。つまり、不足分算出手段により算出される還元剤供給量が多いほど前記所定期間を短くするとしても良い。
本発明においては、前記不足分算出手段は、前記変更手段により目標温度を第2目標温
度としている期間が閾値を超える場合には、該期間の一部において還元剤供給量を算出することができる。
度としている期間が閾値を超える場合には、該期間の一部において還元剤供給量を算出することができる。
排気浄化装置の目標温度が第2目標温度とされている期間が長くなると、その期間の最初のほうの不足分である還元剤供給量と、現時点での温度との関連性が低くなる。そのため、不足分算出手段により算出される還元剤供給量を全て上乗せすると、還元剤供給量が過多となる虞がある。これに対し、不足分の還元剤供給量を算出しても効果のある期間の上限として閾値を設定する。そして、排気浄化装置の目標温度が第2目標温度とされている期間の中の一部で還元剤供給量を算出する。このようにして、過熱等を抑制できる。
本発明においては、前記期間の一部とは、前記所定条件が成立しなくなったときから前の規定の期間であっても良い。
つまり、所定条件が成立しなくなった直前の規定の期間である。規定の期間の終点と、所定条件が成立しなくなった始点とが等しいとしても良い。この直前の期間における算出値であれば、排気浄化装置に与える影響も大きいと考えられる。そして、規定の期間とすることにより、上乗せ量が多くなりすぎることもないので、排気浄化装置の過熱等を抑制したり、還元剤の消費量を低減したりできる。なお、規定の期間とは、不足分である還元剤供給量と、現時点での温度との関連性が高い期間である。また、不足分算出手段により算出された還元剤供給量を、所定条件が成立しなくなった後に供給しても有効となる期間としても良い。
本発明においては、内燃機関の吸入空気量を測定する測定手段を備え、前記不足分算出手段により還元剤供給量が算出されるときの内燃機関の吸入空気量が多いほど前記規定の期間を短くすることができる。
ここでいう吸入空気量は、排気浄化装置の目標温度が第2目標温度とされているときのものである。つまり、吸入空気量が多くなるほど、排気浄化装置の温度変化が速くなるため、不足分である還元剤供給量と、現時点での温度との関連性が低くなる。つまり、全期間の算出値を上乗せしても効果は小さい。これに対し、吸入空気量が多いほど、還元剤供給量を算出する期間を短くすることにより、有効な期間のみの還元剤供給量を算出することができる。
本発明においては、前記所定期間に再度所定条件が成立した場合には、前記不足分算出手段により先に算出された還元剤供給量をリセットすることができる。
つまり、再度所定条件が成立した場合には、前回の所定条件が成立したときの温度変化の影響は小さくなるため、この影響は無視することにする。これにより、上乗せ量が多くなりすぎることを抑制できるため、排気浄化装置の過熱を抑制したり、還元剤の消費量を低減したりできる。
本発明においては、前記不足分算出手段により算出される還元剤供給量が多いほど、前記所定条件が成立しなくなってから還元剤の供給を開始するまでの期間を短くすることができる。
ここで排気浄化装置を目標温度に制御すべく還元剤供給手段から還元剤を供給する供給期間と還元剤供給を止める休止期間とを組み合わせた周期が繰り返され、かつ各周期において休止期間が供給期間を挟んで分割されるように還元剤供給手段を操作し、供給期間の前に設けられる休止期間である供給前休止期間の長さが周期の始点における排気浄化装置の温度に応じて変更されるように還元剤供給手段を操作することがある。
つまり、供給期間の前に供給前休止期間が設けられるので、この供給前休止期間に排気浄化装置の温度を低下させることにより、続く供給期間における排気浄化装置の温度の過度の上昇を抑えることができる。供給期間における排気浄化装置の過熱が抑制されるように供給前休止期間中に低下させるべき排気浄化装置の温度幅は、周期の始点における排気浄化装置の温度に応じて異なる。供給前休止期間中に低下させるべき温度幅は供給前休止期間の長さと相関するため、周期の始点における排気浄化装置の温度に応じて供給前休止期間の長さを変更することにより、供給期間における排気浄化装置の過熱を防止可能な適切な長さの供給前休止期間を設定できる。これにより、無駄な長さの供給前休止期間を設けることを抑制できるので、還元剤供給を速やかに実行できる。
しかし、排気浄化装置の目標温度が第2目標温度とされている期間が長いほど、不足分算出手段により算出される還元剤供給量が多くなり、排気浄化装置の実際の温度も第2目標値に近づく。このような場合には、排気浄化装置の温度が元から低いので、供給前休止期間を設けたとしてもその効果は小さくなる。これに対し、不足分算出手段により算出される還元剤供給量が多いほど、供給前休止期間を短くすることにより、無駄な長さの供給前休止期間を設けることを抑制できるため、排気浄化装置の温度を速やかに上昇させることができる。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置によれば、排気浄化能力の回復を速やかに完了させることができる。
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の具体的な実施態様について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施例に係る内燃機関の排気浄化装置を適用する内燃機関1とその吸・排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、水冷式の4サイクル・ディーゼルエンジンである。
内燃機関1には、吸気通路2および排気通路3が接続されている。この吸気通路2の途中には、該吸気通路2内を流通する吸気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ4が設けられている。このエアフローメータ4により、内燃機関1の吸入空気量が測定される。また、この吸入空気量に基づいて排気の量を求めることもできる。なお、本実施例においてはエアフローメータ4が、本発明における測定手段に相当する。
一方、排気通路3の途中には、排気浄化装置5が設けられている。この排気浄化装置5には、酸化触媒51とパティキュレートフィルタ52(以下、フィルタ52という。)が上流側から順に備えられている。なお、酸化触媒51はフィルタ52と一体となっていてもよい。また、酸化触媒51をフィルタ52に担持していても良い。さらに、酸化触媒51の代わりに吸蔵還元型NOx触媒又は三元触媒等の酸化能力を有する他の触媒を用いて
も良い。
も良い。
さらに、排気浄化装置5よりも上流の排気通路3には、該排気通路3を流通する排気中に還元剤たる燃料(軽油)を噴射する還元剤噴射弁7を備えている。還元剤噴射弁7は、後述するECU10からの信号により開弁して排気中へ燃料を噴射する。なお、本実施例においては還元剤噴射弁7から還元剤を供給することにより、酸化触媒51で還元剤を反応させ、この反応熱によりフィルタ52の温度を上昇させる。そして、フィルタ52の温
度を、粒子状物質(PM)が酸化される温度(以下、PM酸化可能温度という。)に維持するように還元剤添加が行われる。これによりPMが酸化されるため、フィルタ52からPMを除去することができる。このようにPMを除去することをフィルタ52の再生という。なお、本実施例においては還元剤噴射弁7が、本発明における還元剤供給手段に相当する。
度を、粒子状物質(PM)が酸化される温度(以下、PM酸化可能温度という。)に維持するように還元剤添加が行われる。これによりPMが酸化されるため、フィルタ52からPMを除去することができる。このようにPMを除去することをフィルタ52の再生という。なお、本実施例においては還元剤噴射弁7が、本発明における還元剤供給手段に相当する。
また、還元剤噴射弁7よりも下流で且つ酸化触媒51よりも上流の排気通路3には、該排気通路3を流通する排気の温度を検出する上流側温度センサ8が取り付けられている。一方、フィルタ52よりも下流の排気通路3には、該排気通路3を流通する排気の温度を検出する下流側温度センサ9が取り付けられている。
以上述べたように構成された内燃機関1には、該内燃機関1を制御するための電子制御ユニットであるECU10が併設されている。このECU10は、内燃機関1の運転条件や運転者の要求に応じて内燃機関1の運転状態を制御するユニットである。
ECU10には、各種センサ等が電気配線を介して接続され、該センサ等の出力信号が入力されるようになっている。一方、ECU10には、還元剤噴射弁7が電気配線を介して接続され、該ECU10により還元剤噴射弁7が制御される。
なお、本実施例ではフィルタ52の再生を行うECU10が、本発明における回復手段に相当する。また、吸蔵還元型NOx触媒の硫黄被毒回復や、該吸蔵還元型NOx触媒に吸蔵されているNOxの還元を行うECU10も、回復手段に相当する。
ここで、図2は、排気浄化装置5の温度を上昇させるとき、又は上昇後の温度を維持するときに還元剤噴射弁7へ送られるECU10からの指令信号の波形と、その波形に対応する空燃比の変化とを同一時間軸上に示すタイムチャートである。図2(A)はECU10からの指令信号の推移を示したタイムチャートであり、図2(B)は空燃比の推移を示したタイムチャートである。これは、フィルタ52の再生時、吸蔵還元型NOx触媒の硫
黄被毒回復時、吸蔵還元型NOx触媒におけるNOx還元時等に行われる。
黄被毒回復時、吸蔵還元型NOx触媒におけるNOx還元時等に行われる。
還元剤噴射弁7は、同図2(A)に示す指令信号がオン(「ON」)の状態となっているときに開弁し、還元剤を添加する。そして、還元剤添加が行われることにより、排気浄化装置5に流入する排気の空燃比が低くなるようになる。ここで、添加期間を長くするほど、また添加インターバルを短くするほど、空燃比の変化量は大きくなる。また、総添加期間を長くするほど空燃比が低い期間も長くなる。一方、還元剤添加の休止期間の長さは、空燃比が高い期間の長さに対応する。なお、添加期間とその後の添加インターバルとを合わせた期間、すなわち添加期間の開始から次の添加期間の開始までの期間を添加間隔としている。総添加期間を長くすることにより排気浄化装置5の温度上昇速度は速くなり、休止期間を長くすることにより排気浄化装置5の温度上昇速度は遅くなる。なお、総添加期間の前に還元剤添加を行わない供給前休止期間を設けても良い。
そして、複数回の還元剤添加を行ったとしても、還元剤が添加されてから排気浄化装置5に到達するまでに排気中を還元剤が拡散するので、添加インターバル中に還元剤噴射弁7の近くを通過した排気の空燃比も低下する。このようにして、総添加期間中に複数回添加された還元剤により、総添加期間全体の空燃比が低くなる。
なお、添加期間、添加インターバル、総添加期間、又は休止期間を変更することは、還元剤添加量を変更することであり、ある期間における単位時間当たりの還元剤添加量の平均値を変更しているといえる。なお、本実施例では、添加期間、添加インターバル、総添加期間、又は休止期間を変更することも、単位時間当たりの還元剤添加量を変更している
ことに含める。そして、単位時間当たりの還元剤添加量を変更することにより排気浄化装置5の温度を制御することができる。
ことに含める。そして、単位時間当たりの還元剤添加量を変更することにより排気浄化装置5の温度を制御することができる。
そして、本実施例では、フィルタ52の再生中に該フィルタ52の再生を継続することが困難な状態となった場合には、排気浄化装置5の目標温度を一旦下げる。フィルタ52の再生を継続することが困難な状態とは、還元剤噴射弁7からの還元剤の供給を続けると、酸化触媒51が活性温度の下限値よりも低温となったり、該酸化触媒51の上流側端面に還元剤が付着したり、白煙が発生したり、フィルタ52が過熱したりすることをいう。つまり、減速やアイドル状態でフィルタ52の温度をPM酸化可能温度に維持しようとすると、還元剤を多量に供給する必要がある。しかし、還元剤供給量を多くすると、不具合が生じる虞がある。
そこでPM酸化可能温度を第1目標温度(例えば700℃)とし、不具合が生じないように温度を低下させるときの目標温度を第2目標温度(例えば600℃)とする。そして、フィルタ52の再生中に所定条件が成立したときに排気浄化装置5の目標温度を第2目標温度に変更し、所定条件が成立しなくなったときに目標温度を第1目標温度に戻す。実際の温度を第1目標温度及び第2目標温度とするために要する還元剤供給量は、機関回転数及び機関負荷と相関関係にあるため、これらの関係を予め実験等によりマップ化しておく。このマップを用いることにより、夫々の目標温度に対する還元剤供給量を得ることができる。なお、本実施例では目標温度を第1目標温度から第2目標温度に変更するECU10が、本発明における変更手段に相当する。また、排気浄化装置5の温度を第1目標温度または第2目標温度とするために要する還元剤供給量を算出するECU10が、本発明における還元剤量算出手段に相当する。
図3は、車速と、排気浄化装置5の目標温度と、排気浄化装置5の実際の温度と、の関係を示した図である。これは、フィルタ52の再生中に目標温度が、第1目標温度から第2目標温度に変更され、さらに第1目標温度に変更された場合の温度の推移を示した図である。温度において、実線が目標温度、破線が実際の温度を示す。なお、この図3は、本実施例に係る所定条件が成立しなくなった後の制御を行わない場合を示している。
目標温度が第2目標温度とされても、実際の温度は徐々に低下するため、第2目標温度となるまでには時間がかかる。そして、所定条件が成立しなくなってからは目標温度が第1目標温度とされるが、第1目標温度とするために必要となる還元剤を供給しても排気浄化装置5の実際の温度はすぐには上昇しない。
そこで本実施例では、所定条件が成立しなくなったことにより排気浄化装置5の目標温度を第1目標温度へ戻すときに、該第1目標温度にするために必要となる還元剤量に、早期昇温分の還元剤を所定期間に亘り上乗せして供給する。
図4は、本実施例に係る車速と、排気浄化装置5の目標温度と、排気浄化装置5の実際の温度と、の関係を示した図である。温度において、実線が目標温度、破線が実際の温度を示す。
還元剤量が上乗せされることにより、所定条件が成立しなくなった後の温度上昇の度合いが図3の場合と比較して大きくなる。また、これにより実際の温度が第1目標値を超えることになるが、この超えた分が許容範囲内となるように還元剤を供給する。
ここで、還元剤の上乗せ量の総量は、第2目標温度とされていたときのエネルギの不足分の積算値として算出する。なお、上乗せ量は、図2における総添加期間を延長することにより増加される還元剤供給量とする。ここで、エネルギは、(温度×通過ガス熱容量)
で表すことができる。通過ガス熱容量とは、排気浄化装置5を通過するガスの熱容量である。例えば、図4における第1目標温度(700℃)よりも下となる部分の面積と、上となる部分の面積とが同じになるようにする。つまり、図4においてハッチングを施した2つの部分の面積が同じになるようにする。
で表すことができる。通過ガス熱容量とは、排気浄化装置5を通過するガスの熱容量である。例えば、図4における第1目標温度(700℃)よりも下となる部分の面積と、上となる部分の面積とが同じになるようにする。つまり、図4においてハッチングを施した2つの部分の面積が同じになるようにする。
ここで、排気浄化装置5の温度は、エネルギの変化で決まる。エネルギは、排気浄化装置5を通過するガスが持ち去るエネルギ(通過ガス持ち去りエネルギ)と、酸化触媒51で還元剤が反応することにより発生するエネルギ(還元剤発熱エネルギ)とによって変化する。つまり、以下の式が成り立つ。
排気浄化装置エネルギ=排気浄化装置エネルギ前回値−通過ガス持ち去りエネルギ+還元剤発熱エネルギ
排気浄化装置エネルギ=排気浄化装置エネルギ前回値−通過ガス持ち去りエネルギ+還元剤発熱エネルギ
前回計算時から今回計算時までの間に、通過ガス持ち去りエネルギの分だけエネルギが小さくなり、還元剤発熱エネルギの分だけエネルギが大きくなる。そして、排気浄化装置5の温度を一定に保つには、(排気浄化装置エネルギ=排気浄化装置エネルギ前回値)とする必要があるため、(通過ガス持ち去りエネルギ=還元剤発熱エネルギ)の関係が成り立つ。
そして、通過ガス持ち去りエネルギは以下の式にしたがって算出する。
通過ガス持ち去りエネルギ=(第1目標温度−通過ガス温度)×通過ガス熱容量
ただし、通過ガス温度は、上流側温度センサ8または下流側温度センサ9により測定する。
通過ガス持ち去りエネルギ=(第1目標温度−通過ガス温度)×通過ガス熱容量
ただし、通過ガス温度は、上流側温度センサ8または下流側温度センサ9により測定する。
そして、この通過ガス持ち去りエネルギを還元剤供給量に換算した値を積算した値(以下、不足分積算値という。)が、還元剤の上乗せ量の総量となる。このようにして得られる還元剤の上乗せ量の総量を、所定条件が成立しなくなった後の所定期間に亘って分散させつつ供給する。なお、本実施例では通過ガス持ち去りエネルギを還元剤供給量に換算した値を積算するECU10が、本発明における不足分算出手段に相当する。また、通過ガス持ち去りエネルギを還元剤供給量に換算した値は、第1目標温度まで上昇させると仮定したときの不足分である還元剤量といえる。
このようにエネルギを用いて還元剤の上乗せ量の総量を算出することにより、還元剤供給量に関わらず、上乗せ量の総量(エネルギ)が一定であれば、排気浄化装置5の温度変動も許容範囲内に抑えることができる。
ここで、図5は、上乗せ量の総量を同じとして、上乗せ量を変化させたときの酸化触媒51の下流側端部の温度の推移を示した図である。図5(A)は酸化触媒51の下流側端部の温度の推移を示し、図5(B)は目標温度を示している。図5(B)の破線で示す目標温度としたときに、図5(A)の破線で示す温度となる。また、図5(B)の一点鎖線で示す目標温度としたときに、図5(A)の一点鎖線で示す温度となる。
図5は、上乗せ量の総量を同じとし、還元剤供給量を上乗せする期間(所定期間)を変化させたものともいえる。どの態様においても、AからBの期間における平均温度はほとんど同じになる。また、最高温度も大きな差はない。ただし、短い期間で供給するほど、温度の上昇率が高くなり、一定の温度に収束するのも早くなる。上乗せするエネルギの上限を例えば20000℃・g(100℃×5g/s×40sec)以下とすれば、オーバーシュートを730℃以下(許容範囲内)に抑制することができる。
なお、本実施例では、還元剤の上乗せ量を状況により補正している。ここで、還元剤供給量は、図2における総添加期間及び休止期間を調節することにより変化させている。つ
まり、総添加期間を長くするほど、単位時間当たりの還元剤供給量が多くなり、上乗せ量が多くなる。
まり、総添加期間を長くするほど、単位時間当たりの還元剤供給量が多くなり、上乗せ量が多くなる。
そして本実施例では、排気浄化装置5の温度、排気温度、吸入空気量、または酸化触媒51の劣化度合いに応じて還元剤の上乗せ量を補正する。この補正は、排気浄化装置5の温度が上昇し易いときほど、上乗せ量を少なくすることにより行う。つまり、排気浄化装置5の温度が上昇し易いとオーバーシュートが大きくなる虞があるのに対し、還元剤の上乗せ量を減少させることにより、オーバーシュートを抑制する。これは、単位時間当たりの還元剤供給量を減少させるともいえる。また、還元剤を上乗せする期間を長くするともいえる。排気浄化装置5の温度、排気温度、吸入空気量、酸化触媒51の劣化度合い等と補正量との関係は予め実験等により求めておく。
例えば、所定条件が成立しなくなった後の吸入空気量が多いほど、排気中に酸素が多く含まれるため、排気浄化装置5の温度が上昇し易く、オーバーシュートし易い。つまり、吸入空気量が多いほど、還元剤の上乗せ量を減少させることにより、オーバーシュートを抑制できる。
また、還元剤の上乗せ量は所定期間中に変化させても良い。例えば、上乗せ量を最初は多くして徐々に減少させても良い。つまり、第1目標温度まで余裕があるときには、より多くの還元剤を供給して速やかな昇温を図り、第1温度に近づいたときには、還元剤供給量を減少させてオーバーシュートの抑制を図ることができる。
さらに、還元剤の上乗せ量の総量が多いほど、上乗せ量(単位時間当たりの還元剤供給量)を多くしても良い。つまり、還元剤の上乗せ量の総量が多いほど、排気浄化装置5の目標温度が第2目標温度とされていたときの温度低下が大きかったことを意味する。そのため、第1目標温度になるまでの温度上昇値が大きくなる。そうすると、上乗せ量を増加させたとしても、オーバーシュートはし難い。このようなときに上乗せ量を増加させることで、排気浄化装置5の温度を速やかに第1目標温度まで昇温させることができる。
一方、本実施例では、還元剤の上乗せ量の総量にも補正を加える。ここで、所定条件が成立している期間が長い場合には、算出される還元剤の上乗せ量の総量も多くなる。このような場合に、算出された上乗せ量の総量をすべて供給すると、還元剤の供給過多により排気浄化装置5が過熱する虞がある。また、時間が経過するほど通過ガス持ち去りエネルギと、現時点での排気浄化装置5の温度との関連が小さくなる。つまり、所定条件が成立している期間が長い場合には、その初期の通過ガス持ち去りエネルギを補填したところで、その効果はほとんどない。
そこで、本実施例では、排気浄化装置の目標温度が第2目標温度とされている継続期間が閾値を超えた場合には、その期間全てではなく、その期間の一部において不足分積算値を算出することもできる。この場合、所定条件が成立しなくなったときの直前の規定の期間(例えば20秒間)において積算される分を上乗せ量の総量としても良い。また、この規定の期間は、所定条件が成立しているときの吸入空気量が多いほど、短くしても良い。つまり、吸入空気量が多いほど、排気の流量が多くなるため、排気浄化装置5の温度が変化し易くなる。そのため、通過ガス持ち去りエネルギと、現時点での排気浄化装置5の温度との関連性が低くなる。つまり、吸入空気量が多い場合には、長時間前の通過ガス持ち去りエネルギを補填したところで、その効果はほとんどない。このように、ほとんど効果がないときには還元剤の上乗せ量を減少させる。なお、所定条件が成立している期間に応じて上乗せ量の総量を減量しても良い。
そして、本実施例では、還元剤を上乗せして供給しているときに、再度所定条件が成立
した場合には、今までの不足分積算値をリセットする。つまり0とする。そして、再度所定条件が成立したときから不足分積算値を算出する。このように、所定条件が再度成立した場合には、前回の不足分積算値と、現時点での排気浄化装置5の温度と、の関連が小さくなる。また、前回の上乗せ量の総量を今回に加えると、排気浄化装置5が過熱する虞もある。これに対し、不足分積算値をリセットすることで、還元剤の過剰供給を抑制できる。
した場合には、今までの不足分積算値をリセットする。つまり0とする。そして、再度所定条件が成立したときから不足分積算値を算出する。このように、所定条件が再度成立した場合には、前回の不足分積算値と、現時点での排気浄化装置5の温度と、の関連が小さくなる。また、前回の上乗せ量の総量を今回に加えると、排気浄化装置5が過熱する虞もある。これに対し、不足分積算値をリセットすることで、還元剤の過剰供給を抑制できる。
なお、還元剤の供給前に供給前休止期間が設けられている場合(例えば特開2007−315225号公報参照。)には、上乗せ量の総量が多いほど、供給前休止期間を短くしても良い。
ここで、還元剤添加を開始する時期を遅らせることにより、排気浄化装置5の温度を下降させることができる。これにより、総添加期間における排気浄化装置5の温度が、該排気浄化装置5の劣化の進行が加速する所定の上限温度(以下、上限温度と称する。)よりも低い温度に制御されるように予め排気浄化装置5の温度を低下させることができる。しかし、供給前休止期間の始点における排気浄化装置5の温度が低い場合は、供給前休止期間の長さを短くしても添加期間中の排気浄化装置5の温度を上限温度未満に制御できる。そこで、供給前休止期間の始点における排気浄化装置5の温度が低いほど、供給前休止期間を短くする。そして、上乗せ量の総量が多いほど、排気浄化装置5の温度は下降しているので、供給前休止期間を短くすることができる。これにより、排気浄化装置5の過熱を抑制しつつ速やかに浄化能力を回復することができる。
図6は、本実施例に係る制御フローを示したフローチャートである。本ルーチンは所定の時間毎にECU10により繰り返し実行される。
ステップS101では、フィルタ52の再生中であるか否か判定される。ステップS101で肯定判定がなされた場合にはステップS102へ進み、否定判定がなされた場合には本ルーチンを一旦終了させる。
ステップS102では、所定条件が成立しているか否か判定される。つまり、排気浄化装置5の目標温度が第2目標温度とされているか否か判定される。ステップS102で肯定判定がなされた場合にはステップS103へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS107へ進む。
ステップS103では、第2目標温度に向けて還元剤が供給される。つまり、排気浄化装置5の温度が第2目標温度となるような還元剤供給量が算出され、これにしたがって還元剤の供給がなされる。
ステップS104では、通過ガス持ち去りエネルギ(不足分)が還元剤供給量に換算される。
ステップS105では、ステップS105で算出される還元剤供給量が補正される。例えば酸化触媒51の温度や、排気の温度、吸入空気量、酸化触媒51の劣化の度合いに応じて補正がなされる。
ステップS106では、ステップS105で補正された後の還元剤供給量が記憶される。なお、このときには積算を行わない。
ステップS107以降の処理中には、排気浄化装置5の目標温度が第1目標温度となっている。そして、ステップS107では、還元剤供給量に上乗せする必要があるか否か判
定される。つまり、目標温度が第2目標温度から第1目標温度に戻されてから所定期間内であるか否か判定される。ステップS107で肯定判定がなされた場合にはステップS108へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS114へ進む。
定される。つまり、目標温度が第2目標温度から第1目標温度に戻されてから所定期間内であるか否か判定される。ステップS107で肯定判定がなされた場合にはステップS108へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS114へ進む。
ステップS108では、排気浄化装置5の目標温度が第2目標温度とされていた継続時間が閾値を超えたか否か判定される。つまり、第2目標温度とされていた期間の初期の通過ガス持ち去りエネルギを無視するか否か判定される。ステップS108で肯定判定がなされた場合にはステップS109へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS110へ進む。
ステップS109では、ステップS106で記憶されている還元剤供給量の積算範囲を、最後の規定の期間に変更する。
ステップS110では、ステップS106で記憶されている還元剤供給量を積算する。つまり不足分積算値が算出される。
ステップS111では、ステップS110で積算された還元剤供給量から上乗せ量を算出する。不足分積算値を所定期間に亘り均等に分散して上乗せするように、上乗せ量が算出される。
ステップS112では、排気浄化装置5の目標温度を第1目標温度とするために要する還元剤量に、上乗せ量を加えて還元剤の供給を行う。
ステップS113では、所定期間が経過したか否か判定される。ステップS113で肯定判定がなされた場合にはステップS114へ進み、否定判定がなされた場合にはステップS112へ戻る。
ステップS114では、第1目標温度に向けて還元剤が供給される。つまり、排気浄化装置5の温度が第1目標温度となるような還元剤供給量が算出され、これにしたがって還元剤の供給がなされる。
以上説明したように本実施例によれば、排気浄化装置5の目標温度が第2目標温度のときには、第2目標温度とするために要する分だけしか還元剤を供給していないため、酸化触媒51の詰まり等を抑制できる。そして、排気浄化装置5の目標温度が第1目標温度に戻された後は、第1目標温度とするために要する分に上乗せして還元剤を供給するため、速やかに温度を上昇させることができる。これにより、フィルタ52の再生を速やかに完了させることができる。また、上乗せ量の総量を通過ガス持ち去りエネルギに基づいて算出しているため、排気浄化装置5の過熱を抑制できる。
なお、本実施例ではフィルタ52の再生中について説明したが、吸蔵還元型NOx触媒
の硫黄被毒回復時やNOx還元時であっても同様に適用することができる。
の硫黄被毒回復時やNOx還元時であっても同様に適用することができる。
1 内燃機関
2 吸気通路
3 排気通路
4 エアフローメータ
5 排気浄化装置
7 還元剤噴射弁
8 上流側温度センサ
9 下流側温度センサ
10 ECU
51 酸化触媒
52 パティキュレートフィルタ
2 吸気通路
3 排気通路
4 エアフローメータ
5 排気浄化装置
7 還元剤噴射弁
8 上流側温度センサ
9 下流側温度センサ
10 ECU
51 酸化触媒
52 パティキュレートフィルタ
Claims (9)
- 内燃機関の排気通路に設けられ排気を浄化する排気浄化装置と、
前記排気浄化装置よりも上流側の排気中へ還元剤を供給する還元剤供給手段と、
前記排気浄化装置へ還元剤を供給することで該排気浄化装置の温度を第1目標温度まで上昇させて該排気浄化装置の排気浄化能力を回復させる回復手段と、
前記回復手段により前記排気浄化装置の排気浄化能力を回復させているときであって排気浄化能力の回復を継続することができない所定条件が成立したときに目標温度を前記第1目標温度よりも低い第2目標温度に変更する変更手段と、
前記排気浄化装置の温度を前記第1目標温度または前記第2目標温度とするために要する還元剤供給量を算出する還元剤量算出手段と、
前記変更手段により前記排気浄化装置の目標温度を前記第2目標温度としているときに、前記第1目標温度まで上昇させると仮定したときの不足分である還元剤供給量を算出する不足分算出手段と、
を備え、
前記所定条件が成立しなくなり目標温度が前記第1目標温度に戻された後の所定期間に亘り、前記還元剤量算出手段により算出される前記第1目標温度とするために要する還元剤供給量に、前記不足分算出手段により算出される還元剤供給量を上乗せすることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 前記不足分算出手段は、前記第1目標温度まで上昇させると仮定したときに不足するエネルギを還元剤供給量に換算して算出することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 内燃機関の吸入空気量を測定する測定手段を備え、前記還元剤供給量を上乗せするときの内燃機関の吸入空気量が多いほど上乗せ量を少なくすることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記還元剤供給量を上乗せするときにおいて、前記不足分算出手段により算出される還元剤供給量が多いほど上乗せ量を多くすることを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記不足分算出手段は、前記変更手段により目標温度を第2目標温度としている期間が閾値を超える場合には、該期間の一部において還元剤供給量を算出することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記期間の一部とは、前記所定条件が成立しなくなったときから前の規定の期間であることを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 内燃機関の吸入空気量を測定する測定手段を備え、前記不足分算出手段により還元剤供給量が算出されるときの内燃機関の吸入空気量が多いほど前記規定の期間を短くすることを特徴とする請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記所定期間に再度所定条件が成立した場合には、前記不足分算出手段により先に算出された還元剤供給量をリセットすることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
- 前記不足分算出手段により算出される還元剤供給量が多いほど、前記所定条件が成立しなくなってから還元剤の供給を開始するまでの期間を短くすることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008207774A JP2010043597A (ja) | 2008-08-12 | 2008-08-12 | 内燃機関の排気浄化装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011157893A (ja) * | 2010-02-02 | 2011-08-18 | Denso Corp | 内燃機関の排気浄化システム |
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-
2008
- 2008-08-12 JP JP2008207774A patent/JP2010043597A/ja not_active Withdrawn
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