JP2010043369A - 多層抄き板紙及び段ボールシート - Google Patents

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Abstract

【課題】機密古紙を収納したまま未開梱の状態でも、溶解処理の際に離解性が容易で高く、十分な強度を保つことでき、耐罫線折れ適性及び印刷適性に優れ、上機密古紙を回収し収納したままで上物古紙に利用でき、外装、中芯、内装用に使用できる多層抄き板紙とする。
【解決手段】古紙の回収・収容用の段ボールケースを構成している段ボールシートの外装、中芯及び内装の少なくともいずれかとして用いられる少なくとも表面層及び裏面層を有する多層抄き板紙であって、JIS P 8120(1998)に準拠してC染色液を用いた判別法により判別した機械パルプの繊維配合率が3〜30質量%であり、JIS P 8220(1998)に準拠した方法で離解したパルプをJIS P 8222(1998)に準拠した方法で調整した手抄き紙の白色度が75%以上であり、坪量が80〜220g/m2である多層抄き板紙。
【選択図】図1

Description

本発明は、折り曲げ加工されて、例えば、機密情報等が記載された古紙を回収する際などに使用される段ボールケースに組み立てられる段ボールシート、及び、その外装や中芯、内装として使用される多層抄き板紙に関するものである。特に、回収した機密古紙を収納したまま、開梱せずに段ボールケースごと、上物古紙として再生処理が容易にできる多層抄き板紙及び段ボールシートに関するものである。
従来、官公庁、事業所等において不要となった重要文書や機密文書などの社外秘書類が溜まり、これらを廃棄処分する際に、大量の書類をシュレッダーで裁断しており、非常に手間がかかっている。そのため事業所の多くはこれら書類の廃棄を専門の処理業者に委託する。
この場合、配送業者が廃棄処理施設に持ち運んだ廃棄書類を直ちに溶解や焼却などの処理をするために、廃棄処理業者と配送業者の双方が万全の情報処理態勢を整え、廃棄書類の情報が漏洩しないように、例えば書類の輸送経路に第三者が立ち入ることのないようにするなどの様々な方策を講じている。その際の梱包容器(収容容器)としては、一般に段ボールケース、布や不透明な合成樹脂材料からなる回収袋が用いられている。そして、古紙が梱包されたまま溶解処理して、廃棄書類を有効に再利用している。しかしながら、合成樹脂材料からなる回収袋は、焼却処理には向いているが、そのまま溶解処理するには、無理がある。また、段ボールケースの場合は、そのまま溶解処理することができるが、ケースに使用されている紙が低白色度の古紙を再利用した段ボールシートで製造されており、一般的には、段ボールシート用の原料(WP)として処理され、上物の古紙である機密古紙を有効に利用できない。また、一般の段ボールシートの離解性は、機密古紙に比べて悪く、必要以上に繊維を傷めてしまう問題がある。事業所で書類に使用されている上質紙やPPC用紙などは、チラシ古紙、上白、色上等の古紙と同様に、おもに上質、中質系のグレードの紙に再利用されるのが好ましい。
また、このような段ボールシートの代わりとして、白板紙があるがコルゲーターでの加工適性や、製函適性(フラップでの割れ)が悪い。また、漂白されたクラフトパルプを多量に使用することは、経済性の点から無駄であり、また、資源の有効利用の点からも不向きである。
そこで、機密古紙などの古紙を運搬する際の収容容器の原紙としては、以下に示す各種用紙を用いることが考えられる。
まず、特許文献1では、裏層に脱墨処理を施さない古紙を多配合し、裏面に顔料を塗工したコート白ボールが開示されている。この白ボールは、裏面印刷時のインキ発色性が高められ、また、表面印刷の印刷適性にも優れ、耐罫線割れ適性にも優れるとされている。しかしながら、このコート白ボールによると、裏層に脱墨処理を施さない古紙が多く配合されているので、印刷適正の点では問題がないとしても、これらを原紙として使用した段ボールケースを古紙原料として利用する場合には、裏層に脱墨処理を施さない古紙が多く配合されているため、再生したパルプの白色度が低く、上質・中質グレードに使用する古紙原料としては、低白色であり、ゴミ、塵等の問題があり、品質を悪化させる要因になり、このようなコート白ボールで構成した段ボールケースと回収した機密古紙を同時に処理できなくなる。
また、特許文献2は、所定の両性界面活性剤をパルプスラリーに添加することにより、耐罫線割れ適性に優れた板紙を製造する方法を開示している。しかしながら、この製造方法によって製造された板紙によると、耐罫線割れ適性には優れるものの、引張り強度、圧縮強度の点で劣るとの問題が発生する。特許文献2の製造方法によって、製造された板紙を利用して、作られた段ボールケースは、機密古紙回収用の段ボールケースとしての強度を満たさない問題がある。
さらに、特許文献3では、密度やプリントサーフラフネス、透気度などを所定範囲とした低密度塗工板紙が開示されている。この板紙は、グラビア印刷適正及び耐罫線割れ適正に優れるとされている。しかしながら、この板紙によると、表層にラテックスが配合された顔料塗工層を有するため、段ボール構成の厳しいケースの場合には、フラップ部分で罫割れが発生しやすい問題が発生する。古紙パルプとして再生する場合のも塗工層部分が溶け難い問題が発生する。
さらに、特許文献4では、少なくとも一層のライナーが伸長紙である段ボールシートが開示されている。この段ボールシートによると、罫線割れを防止することができるとされている。しかしながら、この段ボールシートによると、伸びがあるので耐罫割れ性には適しているものの、機密古紙回収用の段ボールケースには圧縮強度が要求されてくるので、強度の面で劣るとの問題を抱えている。
そもそも以上の特許文献1〜4は、収容容器に組み上げた際の、再利用を目的とした離解性については検討されていない。また、上質系古紙である機密文書等の古紙からは、白色度の高い古紙パルプが得られる可能性が高いため、収容容器ごと溶解処理するに際して、収容容器が白色度を低下する要因とならないことが望まれる。しかしながら、特許文献1〜4においては、白色度についての言及があったとしても、それは印刷適性の観点からのものであり、再利用という観点からの言及はない。また、これら1〜4の文献に記載されている板紙については、段ボールケースとしての外装、内装用途のものであり、中芯として使用した場合には、貼合・製函工程で段とびが発生するなどの問題を抱えている。
特開2000−192395号公報 特開2001−262496号公報 特開2002−105895号公報 特開2001−105516号公報
本発明が解決しようとする主たる課題は、機密古紙回収容器としての機密性を保持するため、機密古紙を収納したまま未開梱の状態でも、溶解処理の際に離解性が容易で高く、また、本多層抄き板紙を使用して、作られた段ボールケースが回収容器として十分な強度を保つことでき、耐罫線折れ適性及び印刷適性に優れた多層抄き板紙及び段ボールシートを提供し、さらに本多層抄き板紙を、外装、中芯、内装として構成した段ボールシートを提供することができ、なおかつ上機密古紙を回収し、収納したままで、上物古紙に利用できる段ボールシートを提供することにある。本多層抄き板紙は、外装、中芯、内装用に使用できる兼用紙を提供することでもある。
この課題を解決した本発明は、次のとおりである。
〔請求項1記載の発明〕
貼合・製函加工を施されて、古紙の回収・収容用の段ボールケースを構成している段ボールシートの外装、中芯及び内装の少なくともいずれかとして用いられる少なくとも表面層及び裏面層を有する多層抄き板紙であって、
JIS P 8120(1998)紙、板紙及びパルプ−繊維組成試験方法に準拠してC染色液を用いた判別法により判別した機械パルプの繊維配合率が3〜30質量%であり、JIS P 8220(1998)に準拠した方法で離解したパルプをJIS P 8222(1998)に準拠した方法で調整した手抄き紙の白色度が75%以上であり、坪量が80〜220g/m2である、
ことを特徴とする多層抄き板紙。
〔請求項2記載の発明〕
少なくとも片面に水溶性樹脂を含む塗工液が塗工され、JIS P 8129(1997)に規定されるデニソンワックス値が13A以上とされている、
請求項1記載の多層抄き板紙。
〔請求項3記載の発明〕
前記水溶性樹脂はスチレン系樹脂とされ、
前記表面層の原料パルプは、針葉樹パルプが5〜50質量%配合されている、
請求項2記載の多層抄き板紙。
〔請求項4記載の発明〕
原料パルプに無機顔料が3〜20質量%内添されており、
紙密度が0.51〜1.10g/cm3とされている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層抄き板紙。
〔請求項5記載の発明〕
外装、中芯及び内装のいずれもが、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層抄き板紙で構成されている、
ことを特徴とする段ボールシート。
本発明によると、溶解処理の際に離解性が容易で高く、回収容器として十分な強度を保つことでき、耐罫線折れ適性及び印刷適性に優れ、上機密古紙を回収し、収納したままで、上物古紙に利用でき、外装、中芯、内装用に使用できる多層抄き板紙及び段ボールシートとなる。
次に、本発明の実施の形態を説明する。
本形態の多層抄き板紙(以下、本多層抄き板紙ともいう。)は、原料として、例えば、古紙が脱墨または漂白等の処理がなされ、JIS P 8220(1998)に準拠した方法で離解したパルプをJIS P 8222(1998)に準拠した方法で調整した手抄き紙のJIS P 8141(2001)に基づく白色度が75%以上、好適には80%以上、更に好適には85%以上のパルプおよび/またはクラフトパルプで、JIS−P8120(1998)に規定する紙、板紙及びパルプ−繊維組成試験方法に準ずるC染色法による呈色表に基づいて測定した機械パルプの繊維配合率が3〜30質量%、好ましくは10〜30質量%の原料パルプが用いられ、この原料パルプが抄紙されることで本発明の目的が達成される。原料パルプの白色度が75%未満であると、上質・中質系の紙へ配合するパルプとして、見映えを損なうという問題が生じる。
本多層抄き板紙は、従来の段ボール古紙からなる原料パルプを抄紙した多層抄き板紙と比べ、紙厚が低下する。そこで、機械パルプを3%以上、好適には3%以上30%以下に、より好適には10%以上25%以下にすることで、機密古紙回収ボックス等の古紙収容容器として必要な圧縮強度を確保できるともに、機密古紙を回収収容したまま、本多層抄き紙で構成された段ボールケースは、古紙パルプとして段ボールケースのまま再生する場合に、水が浸透しやすく、溶解性に適している。
本多層抄き板紙は、少なくとも片面に、好ましくは両面に水溶性樹脂を含む塗工液を塗工・乾燥して形成するのが好ましい。これにより、雑誌古紙のように灰分を含む古紙パルプを主成分として配合しても、表面強度をデニソンワックス値で13A以上とすることができ、印刷適性と貼合適性と内容物の搬送に必要な引張り強度とを保持しつつ、罫線割れの発生も抑制することができる。
坪量は、段ボールシートとして使用した際に、外装(ライナー)、内装(ライナー)、中芯として兼用できるよう80g/m2〜220g/m2とするのが好ましく、120〜180g/m2とするのがより好ましい。80g/m2未満であると、段ボールシートの外装もしくは、内装に使用した場合、機密古紙回収用収容器としての強度を満足することが出来にくくなる。また、220g/m2を超えると、機密古紙回収用容器としての段ボールケースを再生するために溶解処理する際、溶解性が著しく時間がかかる問題がある。特に、本多層抄き板紙は、坪量120〜180g/m2にすることで、外装、内装、中芯を同一原紙にした段ボールシート、段ボールケースを製造する際に、特に適している。
本多層抄き板紙は、例えば、2〜7層の湿紙をすき合わせることなどの方法によって製造される複数層からなる。したがって、少なくとも表面層及び裏面層を有する。前述塗工液は、表面層だけに塗工してもよく、裏面層にも塗工してもよい。
表面層は、パルプ原料中に脱墨または漂白処理された白色度75%以上のパルプが20〜95重量%、機械パルプが3〜30重量%、広葉樹晒クラフトパルプが2〜92重量%、針葉樹パルプが5〜50重量%の範囲で配合されていると好適である。
針葉樹パルプには、繊維長が長く、引張り強度に優れているという性質があるため、これを配合することにより、収容容器として必要な、引張強度、破裂強度、耐罫線割れという効果が認められる。針葉樹パルプの配合量は、好適には10〜50重量%、更に好適には30〜50重量%が望ましい。針葉樹パルプの配合量が5重量%未満であると、収容容器の原紙構成が厳しいと罫線割れが発生しやすいという問題が生じ、また50重量%を超えると、強度面からすると有利であるが、印刷適性の面で劣るという問題が生じる。
また、本多層抄き板紙は、無機顔料を3重量%〜20重量%、好適には5〜15重量%、更に好適には5〜10重量%の範囲で配合しても好ましい。無機顔料の配合により、嵩高といった効果が認められる。
その後、ソフトカレンダー、硬質チルド鉱等の金属ロールを数段重ねたカレンダー等を用い、紙密度を0.51g/cm3〜1.10g/cm3で調整する。0.51g/cm3未満では、表面層等に塗工液を塗工して形成した塗工層表面の凹凸が大きくなり、印刷カスレの要因となる。他方、1.10g/cm3を超えると柔軟性が低下し、罫線割れが発生する問題がある。
本多層抄き板紙において、使用することができる古紙原料は、特に限定されない。例えば、製本・印刷工場・裁断所等において発生する裁落、損紙、幅落とした古紙である上白、特白、中白、白損などの未印刷または印刷された古紙等を、例示することができ、これらの古紙を脱墨・漂白して得た古紙パルプを原料パルプとして使用することができる。また、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平版、凸版、凹版印刷等、電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録方式、インクジェット記録方式、カーボン紙などにより印字された古紙、水性、油性インクや鉛筆などで筆記した古紙、新聞古紙等の古紙を離解後脱墨したパルプ(DIP)、製紙スラッジ、製紙工場排水スカム等を用いることができる。すなわち、古紙再生促進センターが分類している上白、クリーム上白、罫白、カード、特白、中白、白マニラ、模造、色上、ケント、白アート、飲料パック、オフィスペーパー、特上切、別上切、中質反古、ケントマニラ、新聞、雑がみ、切茶、無地茶、雑茶、クラフト段ボール、段ボール、ワンプ、上台紙、台紙、ボールなどを用いることができる。中でも上白、クリーム上白、罫白、カード、特白、模造、色上、ケント、白アート、飲料用パック、オフィスペーパー等の古紙は、白色度が高く、脱墨処理を施したパルプの白色度が75%以上確保出来やすいので好ましい。
また、上記古紙パルプ以外にバージンのケミカルパルプ(広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、その他の繊維原料を化学的に処理されたパルプ)や木材またはチップに薬液をしみ込ませた後、機械的にパルプ化したケミグランドパルプ、ケミメカニカルパルプ及びチップをやや柔らかくなるまで蒸解した後、リファイナーでパルプ化したセミケミカルパルプ等のバージンパルプを含有させてもよい。
本多層抄き板紙において、表面層等に塗工する塗工液は、紙への浸透性がよく、造膜性のよい水溶性樹脂を塗工していることが望ましい。ゲートロール等のトランスファー塗工方式で水溶性樹脂を塗工することができる。
塗工量は、通常0.1〜10g/m2が好ましい。より好ましくは、0.2〜5.0g/m2が好ましい。本多層抄き板紙は、好ましくは以下に詳述する水溶性樹脂を用い、引張強度に優れ、罫線割れの発生を抑制し、かつ印刷適性を向上させることができることはもちろんのこと、段ボールシート、段ボールケースを製造する際に、段ボールケースとしての圧縮強度、中芯原紙としての段繰り加工適性、さらには、段ボールケースをそのまま溶解処理する工程において、適度な溶解離解性を有するものとすることができる。
本多層抄き板紙に塗工する塗工液の水溶性樹脂としてはスチレン系樹脂が、好ましくは、例えば、「ポリマロン351S」:荒川化学工業株式会社製などが好適に用いられる。スチレン系樹脂を使用すると、水性インクの着肉性もよく、フレキソ印刷やグラビア印刷の印刷適性が良く好ましい。また、スチレン系樹脂は熱に強く、段ボールシートの貼合工程にある熱板での、耐磨耗性に優れる点で、好ましいものとなる。
また、このスチレン系樹脂は、分子量が2万〜10万であると、好ましくは5〜10万であると、好適である。分子量が2万未満であると樹脂の粘度が低下するため、塗工した際に、原料パルプが抄紙されてなる表面層等に吸収されやすくなり、スチレン系樹脂塗工による効果が得られにくくなる。他方、分子量が10万を超えると粘度が高くなり過ぎ、塗工ムラ等のトラブルに繋がる。
本多層抄き板紙において、塗工液に配合するラテックスとしては、Tg(ガラス転移温度)が−20℃以上50℃以下のSBR(スチレンブタジエンゴム)などを好適に用いることができる。Tgが−20℃未満であればラテックスが低温で柔らかく、溶けやすくなるため、ドライヤーやカレンダー等に汚れが発生する可能性があり、他方、50℃を超えると、表面層等の表面に形成される塗工層が硬くなり、クッション性が失われ、印刷適性が低下する問題が発生する。SBRラテックスとしては、例えば、商品名PA5036:日本A&L株式会社製(Tg=1℃)、商品名JSR0589:日本JSR株式会社製(Tg=0℃)を挙げることができる。
このようなTg−20〜50℃のラテックスとスチレン系樹脂とを使用することによって、0.5〜2.0g/m2の少ない塗工量においても、印刷適性と罫線割れを防止することができる。
また、本形態の塗工液には、有機顔料を含むことが好ましい。有機顔料としては、真球もしくは中空のPP(プラスチックピグメント)が、本多層抄き板紙表面の凹凸の目止め効果もあり、無機顔料に比べ柔らかく、塗工層の割れの問題も解消される。
有機顔料の粒子径は2μm以上15μm以下が好適である。有機顔料の粒子径が2μm未満になると、塗工液を塗工した本多層抄き板紙をカレンダー処理する際に、塗工層の厚みが薄くなりすぎ、塗工層のクッション性を低下させるためフレキソ印刷、グラビア印刷時の印刷カスレの原因となる。他方、粒子径が15μmを超えると、塗工層が厚くなり、カレンダー処理した際に塗工層が潰れにくく、平坦化できなくなる。
以上のように塗工液が有機顔料を含む場合、塗工量が0.1g/m2未満になると本多層抄き板紙を外装、内装に使用する際には、塗工層の厚みが薄くなり過ぎ、表面層等へインクが吸収されやすくなるため、印刷光沢が低下する。また、本多層抄き板紙を中芯として使用する際には、表面の摩擦抵抗が高くなり、段ボールシートの加工において、段繰り適性が悪化し、段飛びが発生しやすくなる。他方、塗工量が0.8g/m2を超えると、本多層抄き板紙を外装として使用する場合、インクが表面層等へ全く吸収されなくなり、インクの接着力が低下する。また、水の吸収性も悪化する傾向にあることから、本多層抄き板紙を使用した段ボールケースを溶解処理する際に溶解速度が著しく悪化してしまい、溶解処理効率が低下する問題を発生させる。ゆえに、本多層抄き板紙を外装、内装、中芯の原紙として使用しながらも、段ボールケースとしての強度が十分なものとなり、また、機密古紙の収容容器として段ボールケースを使用し、開梱せずにそのまま効率よく溶解処理することができる本多層抄き板紙を提供することができる。
また、本形態の塗工液には、水溶性樹脂として澱粉を配合することにより、引張強度に優れ、罫線割れの発生を抑制し、かつ印刷適性を向上させることができることはもちろんのこと、段ボールシート、段ボールケースを製造する際に、段ボールケースとしての圧縮強度、中芯原紙としての段繰り加工適性、さらには、段ボールケースをそのまま溶解処理する工程において、適度な溶解離解性を有することができる。
本塗工液に配合される澱粉としては、分子量が300万未満、好ましくは230万〜290万である化工澱粉が好適である。澱粉が紙製造業者に提供される際の形態は固体材料であり、一般に、澱粉の分子量が高いほど、固体の澱粉が水系に溶解する速度が遅くなる。加えて、特に分子量の高い澱粉は、せん断に非常に高い敏感性を示すため、取り扱い及び品質管理が難しくなるという問題も生じてくる。従って、澱粉を用いる際には、澱粉を予め水溶液に溶解させておく必要があるが、分子量が300万以上の澱粉であると、完全な溶解を確保するためには、強力な混合を行う必要がある。しかしながら、このような強力な混合操作を行うと、高分子量の澱粉は、せん断に対して高い敏感性を示すため、高分子量特性を得ることができないと共に、最終的に得られる澱粉分散液において、澱粉を均一に分散させることができない。このため、本多層抄き板紙に用いられる澱粉には、分子量が300万未満のものが用いられる。しかしながら、澱粉の分子量が300万未満であっても、分子量が低すぎると、少なくとも表面層及び裏面層を含む基紙の表裏面に塗工しても、粘性が低く、増膜性にも劣るため、基紙表面に止まらず、紙中に染込みやすくなるため、表面強度の面で劣る傾向にある。従って、分子量が230万以上である澱粉を用いることが、より好ましい。
このような澱粉としては、例えば、酸化澱粉、カチオン化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、α化澱粉、リン酸エステル化澱粉、尿素リン酸変性澱粉、未変性澱粉等、公知の種々のものを単独で又は2種以上を混合して用いることができる。なお、これらの澱粉の原料についても特に限定されるものではないので、例えばタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、トウモロコシ澱粉等、公知の種々の原料澱粉を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本多層抄き板紙においては、これらの澱粉の中でもリン酸変性された澱粉、特にリン酸エステル化澱粉及び/又は尿素リン酸変性澱粉の使用が好ましい。また、リン酸エステル化澱粉の場合は、リン酸の結合率が、リン酸エステル化澱粉の固形分当たりリン酸H3PO4として0.1〜10重量%であるリン酸変性された澱粉の使用が好ましい。リン酸変性された澱粉は、高濃度であっても粘性の上昇が低く、塗工性にも優れている。また、基紙中への適度な浸透性を有するため、段ボールシートや段ボールケースとして必要な引張強度と、貼合適性と、印刷適性とを保持しながら、適度の水の浸透性を確保することができる。
また、本多層抄き板紙に用いられる澱粉は、フェノール硫酸法による澱粉の比色定量により分析した値で、基紙中に、澱粉が2.5〜10g/m2、好適には3.0〜5g/m2含有されるように、基紙の表裏面に塗工設備にて塗工するのが好ましい。これにより、本多層抄き板紙を、坪量が80〜220g/m2、特に120〜180g/m2、密度が0.50〜0.70g/cm3となるように抄紙して、段ボールシートや段ボールケースとしての外装原紙、内装原紙に必要な引張強度と、貼合適性と、印刷適性とを保持しながら、中芯原紙としての段繰り加工適性を有することができ、本多層抄き板紙を使用した段ボールシートや段ボールケースにおいて全ての原紙構成、外装、内装、中芯に使用することができる。
なお、澱粉を、塗工液の濃度が35%以上、温度40℃での粘度が85cp以下、好ましくは10〜80cp、より好ましくは30〜75cpのものとすることにより、基紙中の澱粉含有量が2.5g/m2以上となるように塗工することがより容易になる。これにより、段ボールシートや段ボールケースとしての外装原紙、内装原紙に必要な引張強度と、貼合適性と、印刷適性とを保持しながら、中芯原紙としての段繰り加工適性を有することができ、本多層抄き板紙を使用した段ボールシートや段ボールケースにおいて全ての原紙構成、外装、内装、中芯に使用することができる本多層抄き板紙を提供することができるのである。
なお、外装、内装用の本多層抄き板紙においては、澱粉含有量が2.5g/m2未満では、段ボールシートや段ボールケースに必要な圧縮強度と、貼合適性と、印刷適性とを保持しながら、貼合、製函適性を向上させることが困難となる。他方、澱粉含有量が10g/m2を超えると、塗工層が硬くなり、耐罫線割れ適性に劣るとともに、水の浸透性が悪化してくるので、溶解処理効率が悪化する傾向になる。
また、塗工液には、本発明の効果に影響のない範囲内で、水溶性樹脂のほか、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド(PAM)等を用いることができる。さらに、例えば滑剤、サイズ剤、填料分散剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、蛍光消去剤等の公知の種々の添加剤を、単独で、あるいは2種以上を混合して添加しても良い。
しかしながら、塗工量が増加し、表面層等の中の澱粉の含有量が増加すると、柔軟性が低下する傾向となるため紙が剛直となり、中芯原紙として使用した際に、段繰り効率が悪化する傾向にある。また、紙粉の発生が多くなるという問題がある。従って、塗工層上に、非ワックス系の滑剤を塗布することが好ましい。
滑剤としては、フッ素系樹脂(固形物、粉末、繊維状など)を主とするものが使用される。他に液状タイプの滑剤としてはシリコーンオイル、フッ素系のオイル等の合成油、スクワランオイルなどの動物性のオイル、菜種油、紅花油、ゴマ油、椿油などの植物性のオイル、鉱物油等を併用でき、潤滑性を得る手段としてはいずれも有効であるが、長期安定性を考慮した場合、シリコーンオイル、フッ素系のオイル等の合成オイルを使用するのが望ましい。シリコーンオイルにはメチルフェニルオイル、フロロシリコーンオイル、ジメチルシリコーンオイル、ポリエーテル、フッ素、エポキシ、アルコール等の変性シリコーンオイルなどがあり、多少の効果の違いはあるが、滑剤としてはほぼ使用可能である。フッ素系のオイルとしてはフルオロカーボン油、パーフルオロエーテル油などがある。
また、好適にはステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、低分子量ポリエチレンの水性分散液を好適に用いることができる。これらの中でも特に、液状炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸硫酸化油、脂肪族リン酸エステル、ポリアルキレングリコールまたはその誘導体、あるいはこれらの水性分散液や、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックスなどを使用することができる。しかしながら、石油ワックスは、紙粉の発生(発塵)の抑制効果が低いため、坪量が80〜220g/m2、特に120〜180g/m2の坪量において、外装、内装、中芯用の原紙として同一米坪の本多層抄き板紙においては、特に非ワックス系の滑剤を用いることが好ましい。上述の滑剤と水溶性樹脂を少なくとも本多層抄きの片面に塗布することで、本多層抄き板紙を、段ボールケースの外装、内装、中芯の原紙として兼用できる、多層抄き板紙を得ることができる。
本多層抄き板紙は、幅方向に原料パルプの濃度調整が可能な機構を備えたヘッドボックスにて湿紙を形成し、フィルムトランスファー方式による塗布設備で、上述した水溶性樹脂を含む塗工液を、湿紙の表裏面に塗工し、乾燥して製造することができる。
また、700m/分以上の高速抄紙において、塗工液は1.0〜2.5%の濃度で基紙に付与するのが好ましい。濃度が1.0%未満では、特にゲートロールにおいて、ミストが発生してしまい、周辺設備の汚損が生じる場合がある。また、必要量の塗工液を塗工することが困難な上に、過大な乾燥能力が必要になり操業性を落とす問題が生じる。他方、濃度が2.5%を超えると、粘性が高くなるため、塗工時に紙が取られ断紙が生じたり、走行トラブルが発生したりするため、操業性を低下させるという問題がある。
また、本多層抄き板紙は、段ボールシートの外装、内装とする場合においては、JIS−P8220に準拠して離解した離解パルプにおける、JAPAN TAPPI No.52に準拠して測定した重量平均繊維長(以下、単に「重量平均繊維長」と言う。)が1.20〜1.50mm、より好ましくは1.30〜1.40mmである。これにより、古紙パルプの配合量にかかわらず、古紙等の内容物の搬送に必要な引張強度と、貼合適性と、印刷適性とを一定に保持ことができる。また、短繊維量が多くなることを防止することができるので、紙粉の発生を抑制することができる。さらにまた、後続のヘッドボックス及びプレスパートにおける紙厚低下がより少なくなり、地合の良い、すなわち厚薄ムラのより少ない紙層形成を行うことが可能となる。
以上において、重量平均繊維長が1.20mm未満であると、古紙等の内容物の搬送に必要な引張強度と、貼合適性と、印刷適性とを一定に保持することが難しくなるとともに、短繊維量が多くなるため、紙粉が発生しやすくなる。他方、重量平均繊維長が1.50mmを超えると、製造工程での分級処理で歩留りが低下し、省資源やコスト面で問題が発生したり、さらには地合が悪くなったりする。
次に、本多層抄き板紙の製造方法について、図1(本多層抄き板紙を形成する実施設備の一例の概要図)を参照しながら説明する。
本設備においては、幅方向に原料パルプの濃度調整が可能な機構を備えたヘッドボックス1より紙料を噴出させ、ワイヤーパート2においてパルプ繊維の分散を図りながら紙層を形成し、シュープレス3を備えるプレスパート4により脱水し、その後プレドライヤーパート5により湿紙の乾燥を図る。次いでサイズプレス6を使用して、上述した塗工液を湿紙の表裏面に塗布する。塗布後にアフタードライヤーパート7において、表裏面に塗工液が塗布された湿紙を乾燥し、カレンダー装置8によりカンレダー処理を施し、巻取機9により巻取り、坪量が80〜220g/m2、特に坪量が120〜180g/m2の段ボールケースとして外装、内装、中芯の原紙に兼用できる本多層抄き板紙を得る。
このような幅方向に原料パルプの濃度調整が可能な機構を備えたヘッドボックス1としては、モジュールジェットヘッドボックス(VOITH社製)、コンセプトIV−MHヘッドボックス(三菱重工業社製)、オプチフローヘッドボックス(METSO社製)、BTF−ダイリューションシステム(川之江造機社製)などが使用できる。
なお、ヘッドボックス1に、幅方向に原料パルプの濃度調整が可能な機構が備えられていない場合は、ワイヤーパートでの紙の地合による厚薄差が大きくなり、後述するプレスパート4のシュープレス3では、この厚薄差を是正することができない。
本多層抄き板紙の抄紙工程におけるプレスパート4には、シュープレス3が備えられている。すなわち、プレスパート4においても、抄紙機の高速化に伴い、より高い脱水能力が求められるようになってきている。このため、従来の2ロールニップ方式から、より脱水能力のあるシュープレス3を備えることが好ましい。
また、本発明者の鋭意検討の結果、シュープレス3を備えることにより、2ロールニッププレスを備えた場合に比べて、脱水能力が高いということ以外に、紙厚の低下を抑制しながら脱水できることが分かった。
このように、上述したヘッドボックス1と、シュープレス3とを組み合わせることにより、坪量が80〜220g/m2、特に坪量が120〜180g/m2と段ボールシートや段ボールケースに用いる外装、内装、中芯の原紙として兼用できる貼合適性、段繰り適性、耐罫線割れ適性、印刷適性を有する多層抄き板紙を得ることができる。
このようなシュープレス3としては、シムベルトSプレス(METSO社製)、ニプコフレックスプレス(VOITH社製)、エクステンディドニッププレス(三菱重工業社製)などが使用できる。なお、シュープレス3を用いない場合は、ヘッドボックス1により紙の厚薄差を小さくできても、プレスでの紙厚の低下が大きくなるため、古紙等の内容物の搬送に必要な引張強度と、貼合適性と、印刷適性とを保持することができないおそれがある。
このように上述したヘッドボックス1と、シュープレス3とを組み合わせて用いることにより、800m/分以上の高速で抄紙しても、紙厚を維持し、紙厚の低下を少なくすることができるとともに、厚簿ムラを少なくすることができる。この結果、坪量が80〜220g/m2、特に120〜180g/m2において本発明の段ボールシート用の多層抄き板紙を得ることがきる。
ドライヤーパート5で乾燥された本多層抄き板紙の湿紙は、上述したように湿紙が形成された後、サイズプレス工程の塗布設備で、本多層抄き板紙の湿紙の表裏面に上述した塗工液が塗工される。
塗工液を本多層抄き板紙の湿紙の表裏面に塗工する方法として、2ロールのポンド式、ゲートロールサイズプレスやロッドメタリングサイズプレス等のフィルムトランスファー方式等の塗工方法を用いることができるが、均一な塗工層を少ない塗工量で形成することができるという観点から、フィルムトランスファー方式(転写式)の中でもゲートロールサイズプレスがより好ましい。このように、フィルムトランスファー方式による塗布設備で、塗工液を塗工することにより、古紙等の内容物の搬送に必要な引張強度、貼合適性、及び印刷適性を高めることができる。
両面もしくは片面に塗工液が塗工された本多層抄き板紙は、その後、カレンダー処理を施さないことが好ましい。これにより、プレスによる紙厚の低下をより少なくすることができ、低坪量であっても、古紙等の内容物の搬送に必要な強度と、貼合適性と、印刷適性とを保持することができる。
すなわち、従来の段ボールシート用の板紙は、カレンダー処理を施し、厚簿ムラを少なくすることで印刷適性を向上させるが、低級品レベルの軽度な印刷では差は認識できないレベルであるため、紙厚を確保するために、カレンダー処理をしない方が好ましい。
また、上述したようにして形成された本多層抄き板紙は、SEMI G97−0996 2001の日本語訳に準拠して測定した縦・横裁断面における30〜50μmのさばき発塵紙粉量(以下、単に「さばき発塵紙粉量」という。)が2000個/m3以下、好ましくは、美観の点と経済性の面から1200〜1600個/m3であると好適である。
本多層抄き板紙と近似の構成を有する中芯原紙においては、さばき発塵紙粉量が2000個/m3を超え、時には3000個/m3以上となることがあった。このように、さばき発塵紙粉量が2000個/m3を超えると、紙紛の散見が顕著になる。
なお、さばき発塵紙粉量とは、流れ方向に5cm×幅方向に20cmの大きさに押し切りカッターで断裁した試料を5枚重ね、グローブボックス内で端面を10回ずつさばき、SEMI G67−0996に順じて、100L吸引時の発塵量(発生した紙粉個数)をパーティクルカウンターにて計測し、1m3に換算した値である。
また、本多層抄き板紙は、坪量が140g/m2未満の場合、引張強度(縦)が3.0kN/m以上、圧縮強度(横)が95N・m2/g以上であり、坪量が140g/m2以上の場合、引張強度(縦)が5.0kN/m以上、圧縮強度(横)が155N・m2/g以上である。すなわち、引張強度は、JIS−P3904のC級の表示米坪120g/m2で規定する3.5kN/m(裂断長3.0km)以上で、かつ圧縮強度も同欄で規定する96N・m2/g以上を目標とした。これにより、坪量が80〜220g/m2、特に120〜180g/m2において、本発明の課題である機密古紙回収容器としての機密性を保持するため、機密古紙を収納したまま未開梱の状態でも、溶解処理の際に離解性が容易で高く、また、本多層抄き板紙を使用して、作られた段ボールケースが回収容器として十分な強度を保つことでき、耐罫線折れ適性及び印刷適性に優れた多層抄き板紙及び段ボールシートを提供し、さらに本多層抄き板紙を、外装、中芯、内装の原紙として構成した段ボールケースを提供することができ、なお且つ上機密古紙を回収し、収納したままで、上物古紙に利用できる段ボールケースを提供することができる。
以上で説明した本形態の多層抄き板紙は、例えば、外装ライナーとして180g/m2の本多層抄き板紙と内装ライナーとして180g/m2と中芯ライナーとして180g/m2の本多層抄き板紙を利用して、段ボールシートとすることができる。この段ボールシートは、折り曲げ加工等して機密古紙等の古紙を収容する古紙の収容容器たる段ボールケースとされる。段ボールシートにどのような加工等をして段ボールケースとするかは、特に限定されず、例えば、現在公知の段ボールケースと同様とすることもできる。
本発明に係る多層抄き板紙の効果を確認するため、以下のような各種の試料を作製し、これらの各試料に対する品質を評価する試験を行った。なお、本実施例は、本発明を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において、適宜その構成を変更することができることはいうまでもない。
表1及び表2に示すような構成で実施例に係る多層抄き板紙を作製し、また、これら実施例と比較検討するための比較例に係る多層抄き板紙を表1及び表2に示すような構成で作製した。なお、各実施例及び比較例の各要因の全てについて、個々のラインを新設したものではなく、テストプラントによるテスト例が主たるものであることを断っておく。
Figure 2010043369
Figure 2010043369
[実施例1]
NBKP50重量%と、LBKP25重量%と、機械パルプ25重量%を配合した後に、ダブルディスクリファイナーでカナダ標準濾水度(JIS−P8121に準ずる)が400ccとなるように原料パルプを調整し、原料パルプスラリーを作製した。
次に、水溶性樹脂として、分子量が290万である酸化澱粉(日本コーンスターチ株式会社製 SK−20)を用い、塗布される澱粉の濃度が2.0%となるように調整して水溶性樹脂塗工液を作成した。
上述したように作製した原料パルプスラリーを、モジュールジェットヘッドボックス(VOITH社製)に入れて、原料パルプの濃度が1.0%になるように濃度調整を行い、単層の湿紙を形成した。その後、シュープレス方式で湿紙を脱水し、プレドライヤーで乾燥させた。なお、抄速は800m/分である。
次いで、サイズプレスにより、上述した水溶性樹脂を、基紙中の澱粉含有量が2.7g/m2となるように、湿紙の表裏面に塗布し、乾燥させて、仕上がり水分がJIS−P3904で規定する8.0±1.5%の範囲内であって、4層から成り、坪量が100g/m2で、密度が0.57g/cm3で、紙厚が175μmである多層抄き板紙を得た。
[その他の実施例及び比較例]
表1及び表2に示す条件以外は実施例1と同様に作製し、評価を行った。なお、滑剤には、ステアリン酸カルシウム(ノプコートC−104:サンノプコ社製、固形分濃度50%)を用い、アフタードライヤーに噴霧器にて塗布し、転写して用いた。
なお、表2中の「プレス方式」とは、プレスパートにおける形式であり、表中の「S」とは、シュープレス(搬送フェルトにより搬送される湿紙を環状ベルトを介してプレスロールとプレスシューとでニップする抄紙機のプレス機構)を、「R」とは、ロールプレス(ロールとロールとの間に形成される隙間でプレスする機構)を示す。
また、表2中の「塗布形式」とは、水溶性樹脂を、多層抄き板紙の表裏面に塗布する際の塗布形式を示す。「P」とは、ポンド式(ロール間に液溜めを設け、用紙をドブ付けする方法)を、「B」とは、ビルブレード(ゴム被覆バッキングロールとブレードとの間で用紙に塗布する方法)を、「G」とは、ゲートロール(6本のロールで構成されるロール転写塗布方法)を示す。
表1中の「水溶性樹脂の種類」とは、本多層抄き板紙の少なくとも表面層に塗布している水溶性樹脂の種類であり、表中の「酸」とは「酸化澱粉」を、「尿」とは「尿素リン酸変性澱粉」を、「エ」とは「リン酸エステル化澱粉」を示す。また、「スチレン系/ラテックス」とは、商品名:ポリマロン351S(荒川化学工業(株)製)を示す。なお、本実施例では、酸化澱粉として、日本コーンスターチ社製のSK−20を用い、尿素リン酸エステル化澱粉として、日本食品化工社製のスターコート#16を用い、リン酸エステル化澱粉として、日本コーンスターチ社製のSK−3000を用いた。
表1中の「坪量(g/m2)」とは、各試料全層、すなわち段ボールシート用の多層抄き板紙全体の坪量で、JIS−P8124に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した値である。
表1中の「密度(g/cm3)」とは、各試料の坪量及び厚さを測定して算出した値である。また、測定誤差をなくすため、各試料からサンプルを10枚採取して測定した平均値である。なお、各試料の厚さ(μm)は、JIS−P8118(2006)「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に基づいて測定した値である。
表1中の「塗工量(g/m2)」とは、水溶性高分子の主成分となる澱粉の塗布量(g/m2)であり、フェノール硫酸法を用いた比色分析にて、酸化澱粉で作成した検量線を用い、定量した値である。
表1中の「繊維長(mm)」とは、重量平均繊維長(mm)であり、各試料から約10cm2に裁断した試験片の約25gを1リットルの水中に24時間浸漬した後、TAPPI標準離解機で、15分間離解処理し、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.52 繊維長試験方法に基づいて測定した値である。
これらの全実施例及び比較例について、品質評価を行った結果は、表2に示すとおりであった。なお、この品質評価試験は、JIS−P8111に準拠して温度23±2℃、湿度50±2%の環境条件で行った。
表2中の「引張強度縦(kN/m)」とは、JIS−P8113に準じて測定した縦方向の値である。
表2中の「圧縮強度横(N・m2/g)」とは、JIS−P8126に準じて測定した横方向の値である。
表2中の「ワックスピック(A)」とは、JIS−P8129(1997)に準じて測定したデニソンワックス値である。
表2中の「発塵量(個/m3)」とは、SEMI G67−0996に順じ、100L吸引時の発塵量(発生した紙粉個数)をパーティクルカウンター(RION株式会社製、KC−20型)にて計測し、1m3に換算した値である。
表2中の「製造コスト」は、比較例1における、原料コスト、使用薬品コスト、操業コストを基準に、コスト低減割合が大きいもの上位5つの実施例を◎、他のものを○、コストアップになったものを×とした。
表2中の「貼合適性」は、本多層抄き板紙を、段ボールシートの外装、内装、中芯として使用し、段ボールケースを作成し、その際の加工性を評価したものである。
◎:貼合時、段飛びもなく、外装、内装、中芯を貼合でき、シート反りも無かった。
○:貼合時、段飛びが認められたものの、シート反りもなく概ね良好であった。
△:貼合時、段飛びが発生し、外装、内装、中芯の貼合できなかった。
×:貼合時、段飛び、段割れが発生し、貼合できなかった。
表2中の「耐罫線割れ適性」は、本多層抄き板紙を使用して、作成した前記段ボールケースのフラップを180°折り曲げて、折り目の頂点を目視で観察した。20cm幅あたりの割れを評価した。
◎:割れが認められなかった。
○:2mm未満幅の割れが、3箇所未満であった。
△:2mm未満幅の割れが、3箇所以上あった。
×:2mmを超える割れが、連続して発生している。
表2中の「離解性」とは、溶解性であり、本多層抄き板紙を使用して、作成した前記段ボールケースにA4サイズの使用したPPC古紙を2500枚梱包して、そのまま段ボールケースごと40分間溶解し、溶解した古紙パルプを目視で確認した。
◎:40分で完全に溶解していた。未溶解物は認められなかった。
○:やや未溶解のパルプが認められた。
△:3mm以上の未溶解古紙が認められた。
×:明らかに未溶解古紙があった。
表2から分かるように、本発明に係る段ボールシート用の多層抄き板紙は、坪量が80〜220g/m2、特に120〜180g/m2において段ボールシートに使用される外装、内装、中芯の原紙として兼用でき、課題である機密古紙回収容器としての機密性を保持するため、機密古紙を収納したまま未開梱の状態でも、溶解処理の際に離解性が容易で高く、また、本多層抄き板紙を使用して、作られた段ボールケースが回収容器として十分な強度を保つことでき、耐罫線折れ適性及び印刷適性に優れた多層抄き板紙及び段ボールシートを提供し、さらに本多層抄き板紙を、外装、中芯、内装の原紙として構成した段ボールシート、段ボールケースを提供することができ、なお且つ上機密古紙を回収し、収納したままで、上物古紙に利用できる段ボールシート、段ボールケースを提供することができる。
また、本発明の多層抄き板紙は、段ボールシートを構成する中芯原紙としても用いることができるので、段ボールシートを同一の材料で低廉化に簡便に製造することが可能であり、段ボールシートの製造コストをより低減することができるが、比較例として列挙した従来の市販品の表裏面用紙(板紙)は特に中芯原紙として用いることができないので、外装原紙、中芯原紙、内装原紙と異なる品種を準備する必要があり、煩雑であると共にコストアップになる。
本発明は、例えば、機密情報等が記載された古紙を回収する際などに使用される古紙収容容器たる段ボールケースに組み立てられる段ボールシート、及び、そのライナーや中芯として使用される多層抄き板紙として、適用可能である。また、機密古紙を回収したまま、未開梱のまま溶解することができ、上物古紙として有効にリサイクルできる。
本形態の多層抄き板紙を形成する実施設備の概要図の一例である。
符号の説明
1…ヘッドボックス、2…ワイヤーパート、3…シュープレス、4…プレスパート、5…プレドライヤーパート、6…サイズプレス、7…アフタードライヤーパート、8…カレンダー装置、9…巻取機。

Claims (5)

  1. 貼合・製函加工を施されて、古紙の回収・収容用の段ボールケースを構成している段ボールシートの外装、中芯及び内装の少なくともいずれかとして用いられる少なくとも表面層及び裏面層を有する多層抄き板紙であって、
    JIS P 8120(1998)紙、板紙及びパルプ−繊維組成試験方法に準拠してC染色液を用いた判別法により判別した機械パルプの繊維配合率が3〜30質量%であり、JIS P 8220(1998)に準拠した方法で離解したパルプをJIS P 8222(1998)に準拠した方法で調整した手抄き紙の白色度が75%以上であり、坪量が80〜220g/m2である、
    ことを特徴とする多層抄き板紙。
  2. 少なくとも片面に水溶性樹脂を含む塗工液が塗工され、JIS P 8129(1997)に規定されるデニソンワックス値が13A以上とされている、
    請求項1記載の多層抄き板紙。
  3. 前記水溶性樹脂はスチレン系樹脂とされ、
    前記表面層の原料パルプは、針葉樹パルプが5〜50質量%配合されている、
    請求項2記載の多層抄き板紙。
  4. 原料パルプに無機顔料が3〜20質量%内添されており、
    紙密度が0.51〜1.10g/cm3とされている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層抄き板紙。
  5. 外装、中芯及び内装のいずれもが、請求項1〜4のいずれか1項に記載の多層抄き板紙で構成されている、
    ことを特徴とする段ボールシート。
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