JP4838738B2 - 中芯原紙 - Google Patents

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Description

本発明は、段ボール用中芯原紙において、古紙を多用しつつ軽量でかつ強度があり、コルゲータでの貼合時に段ロールでの成形性と貼合適性、紙粉の発生を抑制できる中芯原紙に関する。
保護収納ケースとして使用されている段ボールは、その中芯の波形状の段高及び30cm当たりの段山数によって、A段、B段、C段等に分類される。また、いわゆる通常の段ボール箱の材料として用いられるA段、B段、C段の中芯の段高は、JISにより規格が定められており、各々約5mm、3mm、3.6mmである。これらはテレビ等の電化製品や野菜等の生鮮食料品といった比較的重量のある物の輸送箱として広く使用されている。
これらに対し、より薄型の段ボールとして、JIS等では特に規格は決められていないが、段高が1.1〜1.4mmのE段や、それよりさらに低い段高が1.0mm以下のF段、G段、ミニ段、マイクロフルート段ボール等と呼ばれるものが存在する。これら薄型の段ボール箱は個装や内装用箱、美粧用ギフト箱など、比較的軽量で通常はカートンとするものの代用として使用されている。
また、通常の中芯原紙は、JISで坪量別にその要求される強度によりA級、B級、C級に分類される。例えば坪量120g/mのものであれば、横方向の圧縮強さが、A級は144N・m/g以上、B級は120N・m/g以上、C級は96N・m/g以上で、縦方向の列断長が、A級は4.0km(引張強度で4.7kN/m)以上、B級は3.5km(引張強度で4.1kN/m)以上、C級は3.0km(引張強度で3.5kN/m)以上と定められている。
現在、A段〜C段の段ボールに使用されている中芯原紙の坪量としては、120〜200g/mが主体である。
近年の環境保護と物流・資材負担費用低減策として、中芯原紙の軽量化、古紙の多用化、低級グレードの古紙の使用は更に進展すると考えられる。
坪量の低い軽量中芯について、特許文献1に坪量70g/mの晒クラフト紙の中芯が開示されている。これは、フィンガーレス方式による薄型段ボール製造時の接着強度の低下の問題を防止することができる、特にマイクロフルート段ボールシートに好適に使用される中芯用原紙についてのものである。本発明者らは、これを通常使用されている段高が5〜3mmであるA段・B段・C段に用いられる中芯原紙として使用してみたが、段ボール箱の圧縮強度が低く実用することができなかった。
すなわち、中芯原紙を軽量化した場合には、坪量の低下に伴って紙厚が低下し、コルゲータで段割れ・段飛び・段切れが発生し、操業性が低下してしまうと共に、中芯原紙にライナー等を貼着して段ボールケースを形成した場合において、ケースの圧縮強度が低下してしまう。このような坪量の低下に伴う紙厚低下を防ぐためには、カレンダー処理を施さなければ良い。しかしながら、カレンダー処理を施さないと、中芯原紙の坪量のバラツキにより、地合が悪く(厚差が大きく)なり、厚薄ムラが生じてしまい、この厚ムラにより結局段割れが発生してしまう。
そこで、段割れを防止する方法として、例えば特許文献2に示されるように、ワックス類を含む水溶性高分子を主成分とする塗工液をオンマシン塗工設備により塗工する方法が提案されている。
しかしながら、ワックス類の塗工は抄紙機を汚し、この汚れが紙の欠陥となって現われ、さらにこの欠陥が断紙という新たな問題を引き起こしていた。また、本発明者らはこの方法を試してみたが、段ボールケースに用いることができる中芯原紙を得ることができなかった。すなわち、中芯原紙に必要とされる圧縮強度を得ることができなかった。
圧縮強度の向上を図るために、従来公知の方法であるポリアクリルアミドなどの紙力増強剤を添加して抄紙すると、紙の柔軟性が損なわれてしまうため、軽量中芯では段割れが生じてしまう。
また、段ボール外装用ライナーの強度を上げることによって、中芯原紙の圧縮強度を補うこともできる。しかしながら、この場合は、段ボール外装用ライナーの製造コストが高くなってしまうことに加え、外装用ライナーが厚物化してしまうため、コルゲータでの貼合スピードが低下し生産性が低下してしまう。さらに、段ボールケースの軽量化を図ることもできない。
そして、特許文献3には、水溶性高分子の1種または2種以上を中芯原紙に塗布する技術が開示されている。しかしながら、この特許文献3に記載された技術は、低坪量である軽量中芯原紙にかかる技術思想ではない。すなわち、特許文献3は、中芯原紙の軽量化に伴ない発現する紙粉の発生(発塵)の問題に対する解決策ではないので、塗工ムラが多いスプレー塗布により水溶性高分子を塗布しており、発塵の問題の解決には至らなかった。
また、中芯原紙は通常古紙を多用するため、前記圧縮強度の更なる低下を招いてしまうとともに、短繊維量が増加してしまい、加工工程や、裁断時において発塵が問題となる。すなわち、本発明者等の紙粉改善に対する調査において、紙粉は、繰り返し再利用される古紙パルプの劣化、使用する古紙の原料の低級化とともに、発生量が増加すること、及び、紙粉は、主として段ボール加工工程における裁断時、更に製函時や運送時に、段ボールケースの裁断面、特に中芯原紙から発生していることを知見している。
特に、食品包装向けの包装箱として使用される段ボールケースにおいて、紙粉が発生すると、発生した紙粉が食品に付着し商品価値が低下すると共に、商品の見栄えが低下してしまうため、早急な改善が求められている。
また、近年、生産性を向上させるため、抄紙機の抄速は高速化しつつある。抄速の高速化に伴い、ワイヤー上でのパルプ繊維の分散が不十分となり、紙の地合が悪くなり、厚差が大きくなる傾向がある。優れた印刷適性が要求される印刷用紙などについては、この厚差を是正するため、幅方向に原料の濃度調整が可能な機構を備えたヘッドボックスが導入されてきた。しかしながら、原料価格が安く、坪量を高くすることによって容易に強度が得られる中芯原紙の分野においては、これまで導入されたことがなかった。
特開2001−162704号公報 特許第3539281号 特開昭59−106951号公報
本発明は、上述したような実情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、省資源や運送費の低減に対応した軽量な中芯原紙であって、より詳細には、優れた強度、及び貼合適性を有し、また紙粉(発塵)の発生を抑制した中芯原紙を提供することにある。
本発明の上記目的は、古紙パルプを含有する原料パルプを用いて形成された原紙の表裏面に水溶性高分子の塗工液を塗布・乾燥して形成される中芯原紙であって、前記水溶性高分子の塗布面上に、非ワックス系の滑剤を塗布し、前記中芯原紙は、坪量が80〜185g/m、密度が0.50〜0.70g/cmとなるように抄紙され、また、JIS P 8220に準拠して前記中芯原紙を離解したときの重量平均繊維長が1.20〜1.50mmであり、さらにまた、前記水溶性高分子は澱粉を主成分とすることを特徴とする中芯原紙を提供することによって達成される。
また、本発明の上記目的は、前記澱粉は、分子量が300万未満で、かつ濃度が35%、温度40℃での粘度が85cp以下を示す化工澱粉であることを特徴とする中芯原紙を提供することによって達成される。
また、本発明の上記目的は、前記澱粉は、前記中芯原紙中に、フェノール硫酸法による比色定量により分析した値で2.5〜10g/m含有されていることを特徴とする中芯原紙を提供することによって、より効果的に達成される。
さらにまた、本発明の上記目的は、幅方向に前記原料パルプの濃度調整が可能な機構を備えたヘッドボックスにて湿紙を形成し、フィルムトランスファー方式からなる塗布設備にて、前記湿紙の表裏面に前記水溶性高分子の塗工液を塗布し、乾燥して製造したことを特徴とする中芯原紙を提供することによって、より効果的に達成される。
本発明に係る中芯原紙によれば、坪量が80〜185g/m、特に80〜112g/m、密度が0.50〜0.70g/cmとなるように抄紙し、中芯原紙をJIS P 8220に準拠して離解したときの重量平均繊維長を1.20〜1.50mmとし、また澱粉を主成分とする水溶性高分子を中芯原紙の表裏面に塗布することにより、強度の低下を防止するとともに、紙粉の発生を防止することができる。
また、澱粉として、分子量が300万未満で、かつ塗工濃度が35%、粘度が85cp以下を示す化工澱粉を用いることにより、周辺設備の汚損が生じることなくなる。
また、中芯原紙中に澱粉が、フェノール硫酸法による比色定量により分析した値で2.5〜10g/m含有されるように、水溶性高分子の塗布量を調整することにより、軽量の中芯原紙であっても、強度の低下をより防止することができると共に、紙粉の発生をより抑制することができる。
また、非ワックス系の滑剤を、水溶性高分子の塗布面上にさらに塗布することにより、紙粉の発生をより抑制することができる。
さらにまた、幅方向に原料パルプの濃度調整が可能な機構を備えたヘッドボックスにて湿紙を形成し、フィルムトランスファー方式からなる塗布設備にて、湿紙の表裏面に水溶性高分子の塗布液を塗布し、乾燥して製造することにより、軽量な中芯原紙であっても、強度の低下を防止することができると共に、紙粉の発生を抑制することができる。
以下、本発明に係る中芯原紙について、詳細に説明する。
本発明に係る中芯原紙は、坪量が80〜185g/m、特に、昨今の市場における中芯原紙の軽量化への要望に応答するために80〜112g/m、密度が0.50〜0.70g/cmとなるように抄紙される。
本発明の中芯原紙は、このように従来の中芯原紙に比べて、低坪量及び低密度であるので、省資源化及びコストダウンを図ることができる。また、中芯原紙の軽量化を図ることができるので、運送費を低減することができる。
なお、密度が0.50g/cm未満では、水溶性高分子の中芯原紙中への浸透が過度に進み、ステキヒトサイズ度が2秒以下になる場合が生じ、中芯原紙に貼着されるライナーとの接着性が悪化し、貼合不良が発生しやすい。そこで、このような貼合不良を防止するために、貼合するための糊の量を増加させると、生産性が低下するという問題が生じやすい。
一方、密度が0.70g/cmを超えると、中芯原紙中への水溶性高分子の適度な浸透が損なわれ、水溶性高分子の所定量の塗布が難しくなるため、圧縮強度やコルゲータにおける加工適性の低下、紙粉の発生が問題となりやすい。
本発明の中芯原紙は、比較的安価な原料・材料を組み合わせたとしても、通常の段ボールケース用の中芯として使用できる従来の中芯原紙と遜色のない強度と段繰り性を有し、紙粉の発生を抑制する坪量80〜185g/m、特に80〜112g/mの中芯原紙である。
本発明の中芯原紙の原料となるパルプスラリーは、パルプの全乾燥重量を基準として、古紙パルプを少なくとも50重量%以上含むものであれば良い。すなわち、実質的に古紙パルプのみからなるパルプスラリーであってもよく、あるいは古紙パルプ以外に他のパルプを配合したものであっても良い。
なお、古紙パルプの配合量が50重量%未満では、圧縮強度が低下することがなく、また紙紛の発生は少ないが、製造コストが高くなり、さらに省資源化に逆行することになる。
古紙パルプとしては、段ボール古紙、製本、印刷工場、裁断所等において発生する裁落、損紙、幅落としした古紙である上白、特白、中白、白損等の未印刷古紙を解離した古紙パルプ、上質紙、上質コート紙、中質紙、中質コート紙、更紙等に平版、凸版、凹版印刷等、電子写真方式、感熱方式、熱転写方式、感圧記録方式、インクジェット記録方式、カーボン紙などにより印字された古紙、及び水性、油性インクや、鉛筆などで筆記した古紙、新聞古紙を離解後脱墨したパルプ(以下、DIPと略記する)、製紙スラッジ、製紙工場排水スカム等を用いることができる。
本発明の中芯原紙の原料パルプには、上記古紙パルプ以外に、バージンのケミカルパルプ(CP:広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒クラフトパルプ、広葉樹未晒クラフトパルプ、針葉樹未晒クラフトパルプ、広葉樹晒亜硫酸パルプ、針葉樹晒亜硫酸パルプ、広葉樹未晒亜硫酸パルプ、針葉樹未晒亜硫酸パルプ等の木材及びその他の繊維原料を化学的に処理して作成されたパルプ)や、木材またはチップを機械的にパルプ化したグランドパルプ、木材またはチップに薬液を滲み込ませた後、機械的にパルプ化したケミグランドパルプ、ケミメカニカルパルプ及びチップをやや柔らかくなるまで蒸解した後、リファイナーでパルプ化したセミケミカルパルプ等のバージンパルプを含有させてもよい。
特に、本発明は坪量が80〜185g/m、中でも80〜112g/mの軽量の中芯原紙において、古紙パルプを50重量%以上含有させた場合に生じる、圧縮強度の低下を防止し、紙紛の発生を顕著に抑制することができるものである。
また、本発明の中芯原紙は、JIS P 8220に準拠して中芯原紙を離解した離解パルプにおける、JAPAN TAPPI No.52に準拠して測定した重量平均繊維長(以下、単に「重量平均繊維長」と言う。)が1.20〜1.50mm、より好ましくは1.30〜1.40mmである。これにより、古紙パルプの配合量にかかわらず、圧縮強度等の強度を一定に保つことができる。また、短繊維量が多くなることを防止することができるので、紙粉の発生を抑制することができる。さらにまた、後続のヘッドボックス及びプレスパートにおける紙厚低下がより少なくなり、地合の良い、すなわち厚薄ムラのより少ない紙層形成を行うことが可能となる。
なお、重量平均繊維長が1.20mm未満であると、圧縮強度の向上の効果が小さくなるとともに、短繊維量が多くなるため、紙粉が発生しやすくなる。一方、重量平均繊維長が1.50mmを超えると、製造工程での分級処理で歩留りが低下し、省資源やコスト面で問題が発生したり、さらには地合が悪くなり、厚薄ムラが発生しやすくなるため、段繰り性が悪化する。
また、本発明の中芯原紙は、その表裏面に水溶性高分子を塗布・乾燥して形成したので、このように坪量及び密度を、従来の中芯原紙よりも低くし、軽量にしても、従来の中芯原紙と同程度の強度、及び貼合適性を維持し、また紙粉の発生を抑制することができる。なお、中芯原紙の表裏面に塗布され、乾燥される水溶性高分子は、澱粉を主成分とする水性組成物である。
印刷用紙では、その表面に水溶性高分子を塗布するものがあるが、これは印刷時のインクの滲みを防止する目的で塗布されるものである。これに対し、本発明の中芯原紙の表裏面に水溶性高分子を塗布するのは、中芯原紙に要求される強度、特に圧縮強度を高めるとともに、紙粉の発生を抑制するためであり、印刷用紙とは、水溶性高分子を塗布する目的が異なる。
また、本発明には、後述するように、生産性に優れるフィルムトランスファー方式の塗工設備を用いるが、ゲートロールで水溶性高分子を塗布できる塗布量は、通常0.5〜2g/m程度である。しかしながら、本発明の中芯原紙を、軽量であっても強度に優れる軽量中芯とするためには、水溶性高分子の塗布量を多くすることが望ましい。従って、本発明は、以下に詳述する特定の水溶性高分子、特に特定の澱粉を用いることにより、生産性に優れるフィルムトランスファー方式の塗工設備を用いながらも、強度に優れ、なおかつ発塵の少ない軽量中芯原紙を得ることができた。
水溶性高分子の主成分である澱粉には、分子量が300万未満、好ましくは230万〜290万で、かつ、塗工液(澱粉糊液)の濃度が35%、温度40℃での粘度が85cp以下、好ましくは10〜80cp、より好ましくは30〜75cpの化工澱粉が用いられる。
澱粉が紙製造業者に提供される際の形態は固体材料であり、一般に、澱粉の分子量が高いほど、固体の澱粉が水系に溶解する速度が遅くなる。加えて、特に分子量の高い澱粉は、せん断に非常に高い敏感性を示すため、取り扱い及び品質管理が難しくなるという問題も生じてくる。
すなわち、本発明の中芯原紙に澱粉を用いる際には、澱粉を予め水溶液に溶解させておく必要があるが、分子量が300万以上である澱粉であると、完全な溶解を確保するためには、強力な混合を行う必要がある。
しかしながら、このような強力な混合操作を行うと、高分子量の澱粉は、せん断に対して高い敏感性を示すため、高分子量特性を得ることができないと共に、最終的に得られる澱粉分散液において、澱粉を均一に分散させることができない。
このため、本発明に用いられる澱粉には、分子量が300万未満のものが用いられる。しかしながら、澱粉の分子量が300万未満であっても、分子量が低すぎると、水溶性高分子は澱粉を主成分とするため、水溶性高分子を中芯原紙の表裏面に塗布する効果を得難い。従って、分子量が200万以上である澱粉を用いることが、より好ましい。
また、本発明に用いられる澱粉は、塗工液(澱粉糊液)の濃度が35%、温度40℃での粘度が85cp以下、好ましくは10〜80cp、より好ましくは30〜75cpの化工澱粉である。
すなわち、700m/分以上の高速抄紙において、澱粉糊液の濃度が35%で、温度40℃での粘度が85cpを超えると、粘性が高くなるため、澱粉塗工時紙が取られ断紙が生じたり、走行トラブルが発生するため、操業性を低下させるという問題がある。一方、澱粉糊液の粘度が低いと、特にゲートロールにおいて、澱粉糊液のミストが発生してしまい、周辺設備の汚損が生じる場合がある。
このような澱粉としては、例えば酸化澱粉、カチオン化澱粉、カルボキシメチル化澱粉、α化澱粉、リン酸エステル化澱粉、尿素リン酸変性澱粉、未変性澱粉等、公知の種々のものを単独で又は2種以上を混合して用いることができる。なお、これらの澱粉の原料についても特に限定されるものではないので、例えばタピオカ澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、小麦澱粉、サゴ澱粉、米澱粉、トウモロコシ澱粉等、公知の種々の原料澱粉を単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明の中芯原紙には、これらの澱粉の中でもリン酸変性された澱粉、特にリン酸エステル化澱粉及び/又は尿素リン酸変性澱粉の使用が好ましい。また、リン酸エステル化澱粉の場合は、リン酸の結合率が、リン酸エステル化澱粉の固形分当たりリン酸HPOとして0.1〜10重量%であるリン酸変性された澱粉の使用が好ましい。
リン酸変性された澱粉は、高濃度であっても粘性の上昇が低く、塗布性にも優れている。また、中芯原紙中への適度な浸透性を有するため、圧縮強度の向上、紙紛の抑制に極めて顕著な効果を発現させる。
本発明に用いられる水溶性高分子は、フェノール硫酸法による澱粉の比色定量により分析した値で、中芯原紙中に、澱粉が2.5〜10g/m、好適には3.0〜10g/m、更に好適には4.0〜10g/m含有されるように、中芯原紙の表裏面に塗布設備にて塗布される。これにより、本発明の中芯原紙を、坪量が80〜185g/m、特に80〜112g/m、密度が0.50〜0.70g/cmと軽量になるように抄紙しても、圧縮強度を維持し、紙紛の発生を抑制することができる。
すなわち、上述したように、ゲートロールにより塗布される水溶性高分子の塗布量は、中芯原紙中の澱粉含有料が0.5〜2g/ 程度であった。しかしながら、本発明では、中芯原紙の表裏面に塗布される水溶性高分子の主成分として、上述したように澱粉糊液の濃度が35%、温度40℃での粘度が85cp以下である澱粉を用いることにより、水溶性高分子を中芯原紙中の澱粉含有量が2.5g/ 以上となるように塗布することが可能となった。これにより、生産性に優れるフィルムトランスファー方式の塗布設備を用いながらも、軽量であっても強度に優れ、かつ発塵の少ない中芯原紙を得ることができる。
なお、中芯原紙中の澱粉含有量が2.5g/m未満では、圧縮強度の維持や紙粉の発生を抑制することが困難となる。一方、中芯原紙中の澱粉含有量が10g/mを超えると、既存のフィルムトランスファー方式に代表される塗布設備での塗布が困難となり、操業性を大きく低下させると共に、抄紙機の毀損、コスト負担が大きくなる。
また、水溶性高分子には、本発明の効果に影響のない範囲内で、澱粉のほか、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリルアミド(PAM)等を用いることができる。さらに、例えば滑剤、サイズ剤、填料分散剤、pH調整剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、蛍光消去剤等の公知の種々の添加剤を、単独で、あるいは2種以上を混合して添加しても良い。
しかしながら、水溶性高分子の塗布量が増加し、中芯原紙中の澱粉の含有量が増加すると、柔軟性が低下傾向となるため紙が剛直となり、ライナーとの貼合時に段割れを引き起こす場合がある。このような段割れの発生を防止するために、水溶性高分子の塗布面上(水溶性高分子の塗工層上)に、非ワックス系の滑剤を塗布することが好ましい。
滑剤としては、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩、低分子量ポリエチレンの水性分散液を好適に用いることができる。これらの中でも特に、液状炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、高級脂肪酸硫酸化油、脂肪族リン酸エステル、ポリアルキレングリコールまたはその誘導体、あるいはこれらの水性分散液や、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワックスなどを使用することができる。しかしながら、石油ワックスは、紙粉の発生(発塵)抑制効果が低いため、坪量が80〜185g/m、特に80〜112g/mと軽量である本発明の中芯原紙においては、非ワックス系の滑剤を用いることが好ましい。
本発明の中芯原紙は、幅方向に原料パルプの濃度調整が可能な機構を備えたヘッドボックスにて湿紙を形成し、フィルムトランスファー方式による塗布設備で、上述した澱粉を主成分とする水溶性高分子の塗工液を、湿紙の表裏面に塗布し、乾燥して製造される。
すなわち、図1に、本発明の中芯原紙を形成する実施設備の一例の概要図で示すように、幅方向に原料パルプの濃度調整が可能な機構を備えたヘッドボックス1により紙料を噴出させ、ワイヤーパート2においてパルプ繊維の分散を図りながら紙層を形成し、シュープレス3を備えるプレスパート4により脱水し、その後プレドライヤーパート5により湿紙の乾燥を図る。次いでサイズプレス6を使用して、上述した水溶性高分子の塗工液を湿紙の表裏面に塗布する。塗布後にアフタードライヤーパート7において、表裏面に水溶性高分子が塗布された湿紙を乾燥し、カレンダー装置8によりカンレダー処理を施し、巻取機9により巻取り、坪量が80〜185g/m、特に坪量が80〜112g/mの中芯原紙を得る。
このような幅方向に原料パルプの濃度調整が可能な機構を備えたヘッドボックスとしては、モジュールジェットヘッドボックス(VOITH社製)、コンセプトIV−MHヘッドボックス(三菱重工業社製)、オプチフローヘッドボックス(METSO社製)、BTF−ダイリューションシステム(川之江造機社製)などが使用できる。
ヘッドボックスでの原料濃度は0.8〜1.2%である。原料濃度が低い方がパルプ繊維の分散性が良好である。なお、印刷用紙を抄紙する場合の原料濃度は、紙の品質と設備費との兼ね合いから、通常0.6〜0.7%である。しかしながら、中芯原紙の場合は、印刷用紙とは異なり、印刷適性は要求されないため、印刷用紙と比べて、原料濃度が少し高く設定されている。
なお、ヘッドボックスに、幅方向に原料パルプの濃度調整が可能な機構が備えられていない場合は、ワイヤーパートでの紙の地合による厚薄差が大きくなり、後述するプレスパートのシュープレスでは、この厚薄差を是正することができない。従って、この厚簿差に起因する段割れを防止するために、カレンダー処理により厚薄差の是正を行わざるをえず、この結果、圧縮強度が低下する。また、厚簿ムラが多く、厚簿差が大きいと、低速コルゲータでは問題が生じないが、現在主流である300m/分を超える高速コルゲータでは、紙の走行安定性が問題となり、またこの問題が甚だしい場合には、シワや断紙が発生する原因となる。
本発明の中芯原紙の抄紙工程におけるプレスパートには、シュープレスが備えられている。すなわち、プレスパートにおいても、抄紙機の高速化に伴い、より高い脱水能力が求められるようになってきている。このため、従来の2ロールニップ方式から、より脱水能力のあるシュープレスを備えることが好ましい。
また、本発明者の鋭意検討の結果、シュープレスを備えることにより、2ロールニッププレスを備えた場合に比べて、脱水能力が高いということ以外に、紙厚の低下を抑制しながら脱水できることが分かった。
このように、上述したヘッドボックスと、シュープレスとを組み合わせることにより、坪量が80〜185g/m、特に坪量が80〜112g/mと軽量な中芯原紙であっても、厚簿ムラを少なくし、圧縮強度を向上させることができるとともに、発塵を抑えることができる。また、中芯原紙をコルゲータで波形に成型する際における段割れの発生の防止に効果がある。
このようなシュープレスとしては、シムベルトSプレス(METSO社製)、ニプコフレックスプレス(VOITH社製)、エクステンディドニッププレス(三菱重工業社製)などが使用できる。
なお、シュープレスを用いない場合は、ヘッドボックスにより紙の厚薄差を小さくできても、プレスでの紙厚の低下が大きくなるため、圧縮強度等の強度を得ることはできない。
このように上述したヘッドボックスと、シュープレスとを組み合わせて用いることにより、800m/分以上の高速で抄紙しても、紙厚を維持し、紙厚の低下を少なくすることができるとともに、厚ムラを少なくすることができる。この結果、坪量が80〜185g/m、特に80〜112g/mと軽量の中芯原紙であっても、圧縮強度等の強度を確保することができる。また、後述するカレンダー処理を施しても、中芯原紙の密度の増加を軽減することができるので、段ボールケース製造時の貼合において糊足が良好となり、好ましい貼合強度を得ることができる。
ドライヤーパートで乾燥された中芯原紙の湿紙は、上述したように湿紙が形成された後、さらにゲートロールコーター又はサイズプレスに代表されるフィルムトランスファー方式による塗布設備で、上述した水溶性高分子が、中芯原紙の湿紙の表裏面に塗布される。このように、フィルムトランスファー方式による塗布設備で、水溶性高分子を塗布することにより、強度、特に圧縮強度をより高めることができる。
サイズプレスの方式としては、2ロールのポンド式、ゲートロールやロッドメータリングなどの転写式、あるいはこれらの組合せによるビルブレードコーターなど、種々の方式を使用することができるが、均一な水溶性高分子層を少ない塗工量で形成することができるという観点から、転写式のものがより好ましい。
表裏面に水溶性高分子が塗布された本発明の中芯原紙は、その後、カレンダー処理を施すことが好ましい。これにより、厚ムラをより少なくすることができ、低坪量であっても、強度を確保することができる。
すなわち、従来の中芯原紙は、紙厚の低下を防止するため、通常、カレンダー処理は施されないが、これでは厚簿ムラを少なくすることができない。
また、CP制御(幅方向に多数並んだバルブを開閉して、インレットのパルプ濃度を局部的に調整する制御方法)ではカレンダー処理を施すことによる紙厚の低下を招かないうえ、厚ムラが解消されるため、高速コルゲータには好適である。
また、上述したようにして形成された本発明の中芯原紙は、SEMI G97−0996 2001の日本語訳に準拠して測定した縦・横裁断面における30〜50μmのさばき発塵紙粉量(以下、単に「さばき発塵紙粉量」という。)が2000個/m以下である。すなわち、従来の中芯原紙に比べて、紙粉の発生を顕著に抑制することができる。
なお、さばき発塵紙粉量とは、流れ方向に5cm×幅方向に20cmの大きさに押し切りカッターで断裁した試料を5枚重ね、グローブボックス内で端面を10回ずつさばき、SEMI G67−0996に順じて、100L吸引時の発塵量(発生した紙粉個数)をパーティクルカウンターにて計測し、1mに換算した値である。
従来の中芯原紙は、さばき発塵量が2000個/mを超え、時には3000個/m以上となることがあった。このように、さばき発塵紙粉量が2000個/mを超えると、紙紛の散見が顕著になるため、特に、中芯原紙が、食品包装向けの段ボールに使用される場合において、紙粉が食品に付着してしまい、商品価値の低下を招くとともに、見栄えの悪化を招いてしまう。
また、本発明の中芯原紙は、坪量が140g/m未満の場合、引張強度が3.0kN/m以上、圧縮強度が95N・m/g以上であり、また坪量が140g/m以上の場合、引張強度が5.0kN/m以上、圧縮強度が155N・m/g以上である。すなわち、引張強度は、JIS P 3904のC級の表示米坪120g/mで規定する3.5kN/m(裂断長3.0km)以上で、かつ圧縮強度も同欄で規定する96N・m/g以上を目標とした。これにより、坪量が80〜185g/m、特に80〜112g/mと軽量であっても、従来の中芯原紙と同等の強度、すなわちA〜C級の強度を有することが分かる。
なお、縦方向の強度の指標として、引張強度を用いたのは、中芯原紙をコルゲータで波形に成型する際の段繰り時における段割れの発生がないことを確かめるためである。また、横方向の強度の指標として、圧縮強度を用いたのは、中芯原紙の表面にライナー等を貼着して段ボールケースを形成し、この段ボールケースを積み上げた場合に、ケースつぶれなどの問題が発生しないことを確かめるためである。
以上、本発明に係る中芯原紙について、その紙層が単層から成る場合について説明したが、本発明に係る中芯原紙は、抄紙工程のワイヤーパートにおいて多層抄きとし2層以上の複数層としても良い。これにより、引張強度を高くしやすくなるという効果を得ることができる。
本発明に係る中芯原紙の効果を確認するため、以下のような各種の試料を作製し、これらの各試料に対する品質を評価する試験を行った。なお、本実施例は、本発明を限定するものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲において、適宜その構成を変更することができることはいうまでもない。
本発明に係る32種類の中芯原紙(これを「実施例1」ないし「実施例32」とする)を表1に示すような構成で作製し、また、これらの実施例1ないし実施例32と比較検討するための10種類の中芯原紙(これを「比較例1」ないし「比較例10」とする)を表2に示すような構成で作製し、また、これらの実施例1ないし実施例32と比較検討するための10種類の中芯原紙(これを「比較例1」ないし「比較例10」とする)を表2に示すような構成で作製した。なお、実施例1〜32は、あくまでも本願発明の参考程度のものであることから、以下、実施例1〜32を参考例1〜32と読み代えるものとする。
なお、各実施例及び比較例の各要因の全てについて、個々のラインを新設したものではなく、テストプラントによるテスト例が主たるものであることを断っておく。
Figure 0004838738
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[実施例1]
段ボール古紙80重量%と、茶古紙20重量%とを配合した後に、ダブルディスクリファイナーでカナダ標準濾水度(JIS P 8121に準ずる)が400ccとなるように原料パルプを調整し、原料パルプスラリーを作製した。
次に、水溶性高分子の水性組成物を作製した。この水溶性高分子は、主成分として、分子量が285万である日本コーンスターチ社製の、固形分濃度5.0%、30℃で測定したときのB型粘度が10cpsであるもの(SK−20)を用い、水溶性高分子の水性組成物を作製する。
このように作製した原料パルプスラリーを、モジュールジェットヘッドボックス(VOITH社製)に入れて、原料パルプの濃度が1.0%になるように濃度調整を行い、単層の湿紙を形成する。その後、シュープレス方式で湿紙を脱水し、プレドライヤーで乾燥させる。なお、抄速は800m/分である。
次いで、サイズプレスにより、上述した水溶性高分子の水性組成物を、中芯原紙中の澱粉含有量が2.5g/mとなるように、湿紙の表裏面に塗布し、乾燥させて、仕上がり水分がJIS P 3904で規定する8.0±1.5%の範囲内であって、単層から成り、坪量が100g/mである中芯原紙を得る(実施例1)。
[実施例2〜6,15]
水溶性高分子の構成を表1に示すように変更したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た中芯原紙。
[実施例7]
ヘッドボックスでの原料の濃度調整を行わず、また水溶性高分子の構成を表1に示すように変更したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た中芯原紙。
[実施例8]
水溶性高分子の構成を表1に示すように変更し、また原紙の層構成を2層にしたことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た中芯原紙。
[実施例9,14,16,22〜23,26〜27]
原料配合、及び水溶性高分子の構成を表1に示すように変更したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た中芯原紙。
[実施例10〜13,17〜18,20〜21,28〜30,32]
原料配合、ヘッドボックスにおける原料濃度、及び水溶性高分子の構成を表1に示すように変更したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た中芯原紙。なお、実施例32に用いた水溶性高分子には滑剤を配合しているが、この滑剤として、ステアリン酸カルシウムを用いた。
[実施例19]
原料配合、ヘッドボックスにおける原料濃度、プレス方式、及び水溶性高分子の構成を表1に示すように変更したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た中芯原紙。
[実施例24]
原料配合、プレス方式、及び水溶性高分子の構成を表1に示すように変更したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た中芯原紙。
[実施例25]
原料配合及び水溶性高分子の構成を表1に示すように変更し、また、ヘッドボックスで原料の濃度調整を行わなかったことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た中芯原紙。
[実施例31]
原料配合、及び水溶性高分子の構成を表1に示すように変更し、またカレンダー処理を施したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た中芯原紙。
[比較例1〜2,7]
水溶性高分子の構成を表2に示すように変更したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た中芯原紙。
[比較例3〜4]
ヘッドボックスでの原料の濃度調整を行わず、また水溶性高分子の構成を表2に示すように変更したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た中芯原紙。
[比較例5〜6]
プレス方式、及び水溶性高分子の構成を表2に示すように変更したことを除くその他の点は、実施例1と同様にして得た中芯原紙。
[比較例8〜10]
他社の坪量120g/mの段ボールケース用中芯原紙である。
なお、表1及び表2中の「プレス方式」とは、プレスパートにおける形式であり、表中の「S」とは、シュープレス(搬送フェルトにより搬送される湿紙を環状ベルトを介してプレスロールとプレスシューとでニップする抄紙機のプレス機構)を、「R」とは、ロールプレス(ロールとロールとの間に形成される隙間でプレスする機構)を示す。
また、「塗布形式」とは、水溶性高分子を、中芯原紙の湿紙の表裏面に塗布する際の塗布形式を示す。なお、「S」とは、サイズプレス(ロール表面に水溶性高分子被膜を形成し、用紙に転写する方法)を、「P」とは、ポンド式(ロール間に液溜めを設け用紙をドブ付けする方法)を、「B」とは、ビルブレード(ゴム被覆バッキングロールとブレードとの間で用紙に塗布する方法)を、「G」とは、ゲートロール(6本のロールで構成されるロール転写塗布方法)を示す。
「種類」とは、水溶性高分子の主成分となる澱粉の種類であり、表中の「酸」とは「酸化澱粉」を、「尿」とは「尿素リン酸変性澱粉」を、「エ」とは「リン酸エステル化澱粉」を示す。なお、本実施例では、酸化澱粉として、日本コーンスターチ社製の、固形分濃度が5.0%、30℃で測定したときのB型粘度が10cpsであるもの(SK−20)を用い、尿素リン酸エステル化澱粉として、日本食品化工社製のスターコート#16を用い、リン酸エステル化澱粉として、日本コーンスターチ社製のSK−3000を用いた。
「粘度(cp)」とは、水溶性高分子の濃度を35%で、温度が40℃であるときの粘度である。
これらの全実施例及び比較例について、品質評価を行った結果は、表3及び表4に示すとおりであった。なお、この品質評価試験は、JIS P 8111に準拠して温度23±2℃、湿度50±2%の環境条件で行った。
表3及び表4中の「坪量(g/m)」とは、各試料全層、すなわち中芯原紙全体の坪量で、JIS P 8124に記載の「紙及び板紙−坪量測定方法」に準拠して測定した値である。
「密度(g/cm)」とは、各試料の坪量及び厚さを測定して算出した値である。また、測定誤差をなくすため、各試料からサンプルを10枚採取して測定した平均値である。
「紙厚(μm)」とは、JIS P 8118(2006)「紙及び板紙−厚さ及び密度の試験方法」に基づいて測定した値である。
「澱粉含有量(g/m)」とは、フェノール硫酸法を用いた比色分析にて、酸化澱粉で作成した検量線を用い、定量した値である。
「重量平均繊維長(mm)」とは、各試料から約10cmに裁断した試験片の約25gを1リットルの水中に24時間浸漬した後、TAPPI標準離解機で、15分間離解処理し、JAPAN TAPPI 紙パルプ試験方法 No.52 繊維長試験方法に基づいて測定した値である。
「引張強度(kN/m)」とは、JIS P 8113に準じて測定した値である。
「圧縮強度(N・m/g)」とは、JIS P 8126に準じて測定した値である。
強度の評価とは、各実施例及び比較例の各試料の引張強度及び圧縮強度のそれぞれの評価値を、各試料の坪量で除した後、坪量120g/mに換算した値で、引張強度が4.0kN/m以上、圧縮強度が90N・m/g以上であるか否かを評価したものである。その評価基準は、◎印の「引張強度及び圧縮強度の両者を十分満足している」、○印の「引張強度及び圧縮強度の両者を満足している」、×印の「引張強度及び/又は圧縮強度を充足していない」の3段階とした。
「発塵量(個/m)」とは、SEMI G67−0996に順じ、100L吸引時の発塵量(発生した紙粉個数)をパーティクルカウンター(RION株式会社製、KC−20型)にて計測し、1mに換算した値である。
「サイズ度(秒)」とは、JIS P 8122に準じて測定したステキヒトサイズ度の値である。
Figure 0004838738
Figure 0004838738
表3及び表4から分かるように、本発明に係る中芯原紙、すなわち実施例1ないし実施例32に係る中芯原紙は、坪量が80〜185g/m、特に80〜112g/mと軽量であっても優れた強度を有し、また発塵量が少ないことが分かる。
本発明の中芯原紙を形成する実施設備の概要図の一例である。
符号の説明
1 ヘッドボックス
2 ワイヤーパート
3 シュープレス
4 プレスパート
5 ドライヤーパート
6 サイズプレス
7 アフタードライヤーパート
8 カレンダー装置
9 巻取機

Claims (4)

  1. 古紙パルプを含有する原料パルプを用いて形成された原紙の表裏面に水溶性高分子の塗工液を塗布・乾燥して形成される中芯原紙であって、
    前記水溶性高分子の塗布面上に、非ワックス系の滑剤を塗布し、
    前記中芯原紙は、坪量が80〜185g/m、密度が0.50〜0.70g/cmとなるように抄紙され、また、JIS P 8220に準拠して前記中芯原紙を離解したときの重量平均繊維長が1.20〜1.50mmであり、
    さらにまた、前記水溶性高分子は澱粉を主成分とすることを特徴とする中芯原紙。
  2. 前記澱粉は、分子量が300万未満で、かつ濃度35%、温度40℃での粘度が85cp以下を示す化工澱粉であることを特徴とする請求項1に記載の中芯原紙。
  3. 前記澱粉は、前記中芯原紙中に、フェノール硫酸法による比色定量により分析した値で2.5〜10g/m含有されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の中芯原紙。
  4. 幅方向に前記原料パルプの濃度調整が可能な機構を備えたヘッドボックスにて湿紙を形成し、
    フィルムトランスファー方式からなる塗布設備にて、前記湿紙の表裏面に前記水溶性高分子の塗工液を塗布し、乾燥して製造したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の中芯原紙。
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