JP2010043266A - 黒色水性インク組成物 - Google Patents

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Tetsuya Aoyama
哲也 青山
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Abstract

【課題】耐光性及び耐オゾン性に優れ、ブラックインクとして優れた色相を有しさらに保存安定性にも優れた黒色水性インク組成物の提供。
【解決手段】下記式(1):
Figure 2010043266

で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の黒色染料と、その他の少なくとも一種の染料を添加することによって色相を調整する。さらに、その他の染料が、−SO3H基、−COOH基、−SO3M基、及び−COOM基(前記各基中、Mはアルカリ金属原子を表す。)からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を有し、しかもアンモニウム塩でなくかつ有機カチオンとの塩でもない化合物であることが好ましい。さらに、前記その他の染料がイエロー染料及びマゼンタ染料からなる群から選ばれる染料であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録に好適に用いることができ、保存安定性に優れ、しかも優れた色相を有する黒色水性インク組成物、そのインク組成物を用いたインクジェット記録方法、及びその記録方法によって記録された記録物に関する。
インクジェット記録方法は、細いノズルからインク組成物を小滴として吐出し、文字や画像を記録媒体表面に付着させて記録する公知の方法である。実用化されているインクジェット記録方法としては、(i) 電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換し、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物をこの機械信号によって断続的にノズルヘッドから吐出して記録媒体表面にインク組成物を付着させて文字や画像を記録する方法、(ii) ノズルヘッドの吐出部にごく近い一部分を急速に加熱し、ノズルヘッド部分に貯えたインク組成物中に泡を発生させ、その泡の体積膨張によってインク組成物をノズルヘッドから断続的に吐出して記録媒体表面にインク組成物を付着させて文字や画像を記録する方法等がある。
インクジェット記録方法に用られるインク組成物は、各種染料を水または有機溶剤、あるいはそれらの混合液に溶解させた溶液が一般的であり、しかもこのインク組成物には、万年筆及びボールペン等の筆記具用のインクに比べて高い安全性及び良好な印字特性が要求される。
さらに近年、広告用の印刷物の作成にインクジェットプリンタが採用されるようになってきており、水性インク組成物を用いたインクジェット記録方法によって作成された印刷物は、室内のほかに室外にも設置される。したがって、太陽光及び/または種々の光源からの光、並びに大気中に含まれるオゾン、窒素酸化物、及び硫黄酸化物等の化学物質に晒されることにより、印刷物の画質が経時に劣化しないことが必要となっている。この要求に対し、イエロー、マゼンタ、シアン等のカラーインクに対する検討が種々行われてきている。ブラックインクに関しては、画像の中における使用率の低さやその染料濃度の高さにより、インク自身の堅牢度がカラーインクに比べて高いこと等から開発が遅れていた。しかし、ブラックインクは、画像中において画像のコントラストを得るといった観点から重要であり、カラーインクの特性向上と相まって、近年開発が加速されている。
このような状況の下、染料を着色剤として用いたインク組成物の耐ガス性、特に耐オゾン性を改善可能な染料として、例えば、下記構造のジスアゾ系の染料が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
Figure 2010043266
Figure 2010043266
しかしながら、上記染料を用いたインク組成物でも耐光性及び耐オゾン性等が不十分であり、印刷物が光及びオゾン等にさらされることによって印刷物の画質が経時的に劣化、たとえば退色するという問題があった。
特開平3−229770号公報 特開平3−91576号公報
上述のとおり、耐光性及び耐オゾン性に優れた黒色水性インク組成物が求められている一方で、黒色水性インク組成物には、色相が所望する色相、例えばニュートラル(無彩色)であることや、インク組成物自身が優れた保存安定性を有していることも求められている。
本発明は、耐光性及び耐オゾン性に優れ、長期間にわたって高品質な画像を保つことができる印刷物を作成することが可能であり、しかも、ブラックインクとして優れた色相を有する黒色水性インク組成物、さらに、優れた色相を有するとともにインクとしての保存安定性にも優れた黒色水性インク組成物を提供するとともに、そのインク組成物を用いたインクジェット記録方法、及びそのインクジェット記録方法によって記録された記録物を提供しようとするものである。
本発明の黒色水性インク組成物は、下記式(1):
Figure 2010043266

(前記式(1)中、R1は置換基を有するフェニル基又は置換基を有するナフチル基を表し、R2は置換基を有するフェニレン基又は置換基を有するナフチレン基を表し、R3は少なくとも1つの二重結合及び置換基を有する5〜7員環の複素環基を表す。さらに前記R1〜R3における前記置換基は独立して、OH、SO3H、PO32、CO2H、NO2、C1〜4のアルキル基、置換基を有するアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、置換基を有するアルコキシ基、置換基を有するアミノ基、及び置換基を有するフェニル基からなる群から選ばれる。)
で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の黒色染料と、前記黒色染料以外の少なくとも一種の染料とを含み、前記黒色染料以外の染料を添加することによって色相が調整されていることを特徴とするものである。
本発明の上記黒色水性インク組成物は、前記式(1)で表される化合物が以下の式(2):
Figure 2010043266

(前記式(2)中、R1〜R9は独立して、H、OH、SO3H、PO32、CO2H、及びNO2からなる群から選ばれる基を表す。)
で表される化合物であることが好ましい。
さらに本発明の上記黒色水性インク組成物においては、黒色水性インク組成物中に含有される前記黒色染料以外の染料が、−SO3H基、−COOH基、−SO3M基、及び−COOM基(前記各基中、Mはアルカリ金属原子を表す。)からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を有し、かつ、一級アミノ基を有さず、しかも、アンモニウム塩でなく、かつ有機カチオンとの塩でもない化合物であることが好ましい。
本発明の上記黒色水性インク組成物においては、黒色水性インク組成物中に含有される前記黒色染料以外の少なくとも一種の染料が、イエロー染料及びマゼンタ染料からなる群から選ばれる染料であることが好ましい。
本発明の上記黒色水性インク組成物においては、前記黒色染料以外の染料として、イエロー染料及びマゼンタ染料を少なくとも含むことが好ましい。
本発明の上記黒色水性インク組成物にイエロー染料を含有させる場合、イエロー染料が以下の式(3):
Figure 2010043266

及び以下の式(4):
Figure 2010043266

(前記式(3)及び(4)中、R5、R5'、 R6、及びR6'は、独立してCH3、OCH3を表し、Z及びZ'は独立して、下記式:
Figure 2010043266

のいずれかの構造を有するものであり、互いに同一であっても異なっていても良い。ここで、Mは独立して、H、Li、Na、またはKを表し、nは1又は2の整数である。)
で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の上記黒色水性インク組成物にマゼンタ染料を含有させる場合、マゼンタ染料が以下の式(5):
Figure 2010043266

(前記式(5)中:Aは、5員複素環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。B1およびB2は、各々−CR1=、−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR1=または−CR2=を表す。R5,R6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更に置換基を有していてもよい。G、R1、R2は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基またはアリール基または複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルおよびアリールチオ基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R1とR5、あるいはR5とR6が結合して5〜6員環を形成してもよい。)
で表される化合物及びそのアルカリ金属塩、並びにC.I.DirectRed227からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の黒色水性インク組成物においては、上記式(5)で表される化合物及びそのアルカリ金属塩が、以下の式(6):
Figure 2010043266

(前記式(6)中:Z1は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z2は、水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。R1、R2、R5、R6は、一般式(5)の場合と同義である。R3、R4は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基またはスルファモイル基を表す。Qは、水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。上記Z1、Z2、R1〜R6、Qの各基は、更に置換基を有していてもよい。)
で表される化合物及びそのアルカリ金属塩であることが好ましい。
本発明の上記黒色水性インク組成物にイエロー染料及びマゼンタ染料を含有させる場合、イエロー染料が上記式(3)で表される化合物及び上記式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、かつ、マゼンタ染料が、上記式(5)で表される化合物及びそのアルカリ金属塩、上記式(6)で表される化合物及びそのアルカリ金属塩、並びにC.I.DirectRed227からなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましい。
本発明の上記黒色水性インク組成物においては、前記黒色染料が、黒色水性インク組成物の総重量に対して0.5〜12.0重量%含まれていることが好ましい。
本発明の上記黒色水性インク組成物にイエロー染料を含有させる場合、前記イエロー染料が黒色水性インク組成物の総重量に対して0.03〜3.0重量%含まれていることが好ましい。
本発明の上記黒色水性インク組成物にマゼンタ染料を含有させる場合、前記マゼンタ染料が黒色水性インク組成物の総重量に対して0.02〜3.0重量%含まれていることが好ましい。
本発明の上記黒色水性インク組成物にイエロー染料を含有させる場合、黒色水性インク組成物が、前記黒色染料と前記イエロー染料とを15:1〜10:3の重量比で含むことが好ましい。
本発明の上記黒色水性インク組成物にマゼンタ染料を含有させる場合、黒色水性インク組成物が、前記黒色染料と前記マゼンタ染料とを25:1〜10:3の重量比で含むことが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法は、上記黒色水性インク組成物を細いノズルより液滴として吐出させ、前記液滴を記録媒体に付着させることを特徴とするものである。
本発明の記録物は、上記インクジェット記録方法によって印刷されたことを特徴とするものである。
本明細書中に示す特定の化学構造を有する黒色染料と、この黒色染料の色相を調整するための他の染料を黒色水性インク組成物に含有させることにより、黒色水性インク組成物の色相を所望する色相に調整することができる。さらに、前記の色相を調整するための他の染料として、化学構造中に一級アミノ基を有さず、しかも、アンモニウム塩でなく、かつ有機カチオンとの塩でもない化合物である染料を用いることにより、黒色水性インク組成物の保存安定性を良好にできる。染料としてアルカリ金属塩を用いた場合に、黒色水性インク組成物の保存安定性を特に優れたものにすることができる。さらに本発明の黒色水性インク組成物を用いて印刷された画像は、耐光性及び耐オゾン性に優れる。本発明の黒色水性インク組成物は、特にインクジェット記録方法に用いるために好ましいものである。なお、上記有機カチオンとは、第4級アンモニウムイオン及び第4級ホスホニウムイオンをいう。
本発明者らは、本明細書中に示す特定の化学構造を有する黒色染料(以下、この段落中、特定黒色染料と記す。)と、この特定黒色染料の色相を調整するための別の染料とを含む黒色水性インク組成物が、優れた色相を有し、かつ、この黒色水性インク組成物を用いることによって、耐光性及び耐オゾン性に優れた画像を有する印刷物が得られることを見出した。さらに本発明者らは、特定黒色染料の色相を調整するために用いる染料が、一級アミノ基を有する場合、アンモニウム塩である場合、および有機カチオンとの塩である場合のいずれかに該当する場合には、得られる黒色水性インク組成物の保存安定性が悪くなる場合があることを見いだし、さらにそれに基づいて、黒色水性インク組成物の色相を調整するために用いる染料が、一級アミノ基を有さず、しかも、アンモニウム塩でなく、かつ有機カチオンとの塩でもない化合物である場合に、黒色水性インク組成物の保存安定性が良好なものとなることを見いだした。特に、特定黒色染料の色相を調整するために用いる染料が、アルカリ金属塩である場合に、得られる黒色水性インク組成物の保存安定性がきわめて優れたものになることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成したものである。
本発明の黒色水性インク組成物(以下、「ブラックインク組成物」とも記す。)は、水、または水と水溶性有機溶剤からなる水性媒体中に、下記の式(1):
Figure 2010043266

で表される化合物及び式(1)で表される化合物の塩からなる群(以下、あわせて「式(1)の染料」という。)から選ばれる一種以上を含有するとともに、式(1)の染料の色相を調整するために、式(1)の染料以外の少なくとも一種の染料を含むものである。
上記式(1)中、R1は置換基を有するフェニル基または置換基を有するナフチル基を表す。さらに式(1)中、R2は置換基を有するフェニレン基または置換基を有するナフチレン基を表す。さらに式(1)中、R3は少なくとも1つの二重結合及び置換基を有する5〜7員環の複素環基を表す。さらにR1〜R3における前記置換基は独立して、OH、SO3H、PO32、CO2H、NO2、C1〜4のアルキル基、置換されたアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、置換されたアルコキシ基、置換されたアミノ基、及び置換されたフェニル基からなる群から選ばれる基を表す。
さらに上記の置換されたアルキル基は、OH、SO3H、PO32、及びCO2H基からなる群から選ばれた1種以上の基で置換されたC1〜4のアルキル基から選ばれることが好ましい。また、上記の置換されたアルコキシ基は、OH、SO3H、PO32、及びCO2Hからなる群から選ばれる1種以上の基で置換されたC1〜4のアルコキシ基から選ばれることが好ましい。また、上記の置換されたアミノ基は、OH、SO3H、PO32、及びCO2Hからなる群から選ばれた1種以上の基で置換されたC1〜4のアルキル基を1つまたは2つ有するアミノ基からなる群から選ばれることが好ましい。また、上記の置換基されたフェニル基は、OH、SO3H、PO32、CO2H、C1〜4のアルキル基、及び置換されたC1〜4のアルキル基からなる群から選ばれる置換基を1つまたは2つ有するフェニル基からなる群から選ばれることが好ましい。
さらに本発明に用いる上記式(1)で表される化合物としては、以下の式(2):
Figure 2010043266

(式(2)中、R1〜R9は独立して、H、OH、SO3H、PO32、CO2H、及びNO2からなる群から選ばれる基を表す。)
で表される化合物であることが特に好ましい。
本発明のインク組成物に用いる式(1)で表される化合物としては、以下の式(7)〜式(13)で表される化合物が特に好ましい。
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
本発明のインク組成物に用いる上記式(1)又は式(2)で表される化合物は、好ましい方法を用いて適宜合成することができるが、例えば各化合物において3つのアゾ基によって結合されている4つの対応する各構造を有するビルディングブロックをアゾカップリングによって結合することによって合成することができる。すなわち、たとえば式(1)で表されるジヒドロキシナフタレン骨格部分をQで表すと、式(1)の化合物は、R3−N=N−R2−N=N−Q−N=N−R1で表すことができる。この化合物を合成する一つの具体的な方法を模式的に示すと、まずR1−NH2をジアゾ化して得られたジアゾニウム塩をQHと反応させてR1−N=N−QHとする。次にCH3CON−R2−NH2をジアゾ化して得られる化合物とR1−N=N−QHをカップリングさせてR1−N=N−Q−N=N−R2NCOCH3を合成する。この化合物のアセチル基を除去してアミノ基としてからジアゾ化し、続いてR3HとカップリングさせてR1−N=N−Q−N=N−R2−N=N−R3が合成できる。
さらに合成の具体例として前記式(7)で表される化合物の合成例を以下に説明する。
5−アセチルアミノ−2−アミノベンゼンスルホン酸(23.0g、0.10モル)を濃硝酸(30ml)を含む水(300ml)に添加した。亜硝酸ナトリウム(6.9g)を0〜5℃の温度で10分かけて加えた。60分後、過剰の亜硝酸を分解し、得られたジアゾニウム塩溶液を、5〜10℃、pH8〜9を維持しながらゆっくりと、水(500g)に溶解しておいた1,8−ジヒドロキシナフタレン−3,6−ジスルホン酸(32.0g、0.10モル)の溶液に添加した。この反応が定量的に進行したことは、HPLCにより確認できた。これによってカップリング生成物を含む溶液(染料ベースという)が得られた。
次に5−ニトロ−2−アミノベンゼンスルホン酸(43.6g、0.20モル)を、濃塩酸(60g)を含む水(500g)に添加した。亜硝酸ナトリウム(13.8g)を0〜5℃の温度で15分かけて加えた。60分後、得られたジアゾニウム塩溶液を、5〜10℃、pH6〜7を維持しながら120分かけて、あらかじめテトラヒドロフラン(1000g)を添加しておいた上記染料ベースに添加した。5時間後、生成した沈殿物を集め、乾燥器で乾燥させると、暗赤色の固形物が得られた(55.3g)。この暗赤色の固形物を水(1000ml)に溶解させて、80℃まで加熱した。水酸化ナトリウム(10g)を加え、さらに8時間温度を80℃に保った。8時間後、濃塩酸を用いてpH7〜8に調節し、溶液を放冷して室温にまで下げた。この溶液をVisking(商標)チュービングを用いて透析(50μScm-1未満)してから、フィルタを用いて濾過し、乾燥器で乾燥させると47.2gの黒色固形物が得られた。
上記で得られた黒色固形物をpH7〜9で水に再溶解させたが、pHの調整には水酸化リチウムを用いた。次いで亜硝酸ナトリウム(8.3g)を加え、10分間攪拌した。それから、この染料/亜硝酸塩の溶液を、濃塩酸(30g)を含む氷水(100ml)中に移した。放置すると温度は15〜25℃に上昇したが、そのまま3時間おいた。得られたジアゾジウム塩溶液を、15〜20℃、pH6〜7を維持しながら120分かけて、1−(4−スルホフェニル)−3−カルボキシ−5−ピラゾロン(17.9g、0.06モル)の溶液に加えた。このpHは水酸化リチウムを添加することによって維持した。次いでこの溶液をVisking(商標)チュービングを用いて透析(50μScm-1未満)し、さらにフィルタを用いて濾過し、乾燥器で乾燥させると60.0gの前記式(7)で表される化合物が黒色固形物として得られた。
本発明のブラックインク組成物に用いるための前記式(1)で表される化合物の塩としては、式(1)で表される化合物がOH、SO3H、PO32基等のプロトン酸基を有する場合に、そのプロトン酸基のアルカリ金属塩、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、及びカリウム塩が好ましく、特にリチウム塩及びナトリウム塩が好ましい。式(1)で表される化合物のアルカリ金属塩を用いることによって、優れた保存安定性を有するブラックインク組成物を得ることができる。
本発明のブラックインク組成物には、式(1)の染料の1種のみを含有させることも、2種以上を含有させることもできる。本発明のブラックインク組成物に用いる式(1)の染料は、それ自身では色相が完全にニュートラル、すなわち無彩色ではなく、一般にシアン味を帯びた色相を有する。本発明においては、ブラックインク組成物に式(1)の染料以外の染料の少なくとも一種を添加することによって式(1)の染料の有する色相を調整する。一般には、ブラックインク組成物の色相は無彩色であることが好まれるため、色相を無彩色に調整することが特に好ましいが、所望により無彩色以外の色相に調整することもできる。本発明においては、式(1)の染料と色相が異なる染料の少なくとも一種をブラックインク組成物に添加することによって、ブラックインク組成物の色相を所望の色相に調整する。この式(1)の染料と色相が異なる染料は、スルホ基(−SO3H基)及びカルボキシル基(−CO2H基)、並びにそれらの基のアルカリ金属塩(−SO3M基及び−CO2M基、ここでMはアルカリ金属原子を表す。)からなる群から選ばれる少なくとも一種の基(以下、「特定親水性基」とも記す。)を有し、かつ、一級アミノ基を有さず、しかも、アンモニウム塩でなく、かつ有機カチオンとの塩でもない化合物であることが好ましい。このような染料を用いて得られる、ブラックインク組成物は保存安定性が良好であるという効果が得られる。また、この染料は、スルホ基及びカルボキシル基、並びにそれらのアルカリ金属塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を有することにより、水性溶媒に容易に溶解できるという効果がある。
上記の式(1)の染料以外の染料は、式(1)の染料と異なる色相を有する染料であり、例えば、ブラック染料、イエロー染料、マゼンタ染料、及びシアン染料から選ばれる少なくとも一種の染料が挙げられる。この式(1)の染料以外の染料を適宜選択してブラックインク組成物に添加することにより、ブラックインク組成物を所望する色相にすることができる。この場合、ブラックインク組成物の色相を調整するため、式(1)の染料と異なる色相を有する染料を二種以上併用することもできる。式(1)の染料が一般にシアン味を帯びているため、ブラックインク組成物の色相をニュートラルにするためには、イエロー染料及びマゼンタ染料からなる群から選ばれる一種以上の染料をブラックインク組成物に添加して色相を調整することが好ましく、少なくとも一種のイエロー染料及び少なくとも一種のマゼンタ染料をブラックインク組成物に添加することが特に好ましい。
次に本発明のブラックインク組成物の色相を調整するためにブラックインク組成物に添加する染料として好ましいイエロー染料及びマゼンタ染料について説明する。
本発明において用いる上記イエロー染料としては特に限定されないが、良好な保存安定性を有するインク組成物を得られることから、上述した特定親水性基を有するものであることが好ましい。さらに、良好な保存安定性を有するブラックインク組成物が得られることから、一級アミノ基を有さず、しかもアンモニウム塩でなく、かつ、有機カチオンとの塩でもないイエロー染料を用いることが好ましい。なかでも、ブラックインク組成物の耐光性及び耐オゾン性を優れたものにできることから、本発明においては、イエロー染料として以下の式(3):
Figure 2010043266

及び以下の式(4):
Figure 2010043266

で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることが特に好ましい。
ここで、前記式(3)及び(4)中、R5、R5 、R6、及びR6 は独立して、CH3、OCH3を表し、Z及びZ'は、独立して、
Figure 2010043266

のいずれかの構造を有するものであり、互いに同一であっても異なっていても良い。ここで、Mは独立して、H、Li、Na、またはKを表し、nは1又は2の整数である。本発明で用いるイエロー染料として特に好ましいものは、C.I.ダイレクトイエロー86(C.I.Direct Yellow 86)である。
本発明のブラックインク組成物にイエロー染料を添加する場合、上記式(3)及び式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種のほか、本発明の効果を損なわない範囲で、その他のイエロー染料を併用することもできる。
次に本発明に用いるマゼンタ染料について説明する。本発明のブラックインク組成物にマゼンタ染料を添加する場合、マゼンタ染料の化学構造は特に限定されない。しかし、水性溶媒への溶解性が良好であることから、上述した特定親水性基を有するマゼンタ染料が好ましい。さらに、得られるブラックインク組成物の保存安定性を良好なものにすることができることから、一級アミノ基を有さず、しかもアンモニウム塩でなく、かつ、有機カチオンとの塩でもないマゼンタ染料を本発明に用いることが好ましい。特に、ブラックインク組成物の耐光性及び耐オゾン性を優れたものにできることから、本発明においては、マゼンタ染料として以下の式(5):
Figure 2010043266

で表される化合物及びそのアルカリ金属塩(以下、あわせて「式(5)の染料」とも記す。)、並びにC.I.DirectRed227からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。優れた保存安定性を有するブラックインク組成物が得られることから、前記式(5)で表される化合物のアルカリ金属塩としてはリチウム塩、ナトリウム塩、及びカリウム塩が特に好ましい。
ここで前記式(5)中:Aは、5員複素環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。B1およびB2は、各々−CR1=、−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR1=または−CR2=を表す。R5,R6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更に置換基を有していてもよい。G、R1、R2は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基またはアリール基または複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルフアモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルおよびアリールチオ基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R1とR5、あるいはR5とR6が結合して5〜6員環を形成してもよい。
さらに上記式(5)で表される化合物は、以下の式(6)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2010043266
上記式(6)中:Z1は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z2は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表す。R1、R2、R5、R6は、上記式(5)の場合と同義である。R3、R4は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基またはスルファモイル基を表す。Qは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表す。上記Z1、Z2、R1〜R6、Qの各基は、更に置換基を有していてもよい。
以下に上記式(5)で表される化合物についてさらに詳細に説明する。
上記式(5)において、 Aは5員複素環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。 前記5員複素環のヘテロ原子の例には、N、O、およびSを挙げることができる。好ましくは含窒素5員複素環であり、複素環に脂肪族環、芳香族環または他の複素環が縮合していてもよい。Aの好ましい複素環の例には、ピラゾール環、イミダゾール環、チアゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾイソチアゾール環を挙げることができる。各複素環基は更に置換基を有していてもよい。なかでも、下記一般式(a)から(f)で表されるピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環が好ましい。
Figure 2010043266
上記一般式(a)〜(f)のR7〜R20は、後に説明する置換基G、R1、R2と同じ置換基を表す。上記一般式(a)〜(f)のうち、好ましいのは一般式(a)、(b)で表されるピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましいのは一般式(a)で表されるピラゾール環である。
1およびB2は、各々−CR1=、−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR1=または−CR2=を表すが、各々−CR1=、−CR2=を表すものがより好ましい。
5、R6は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルおよびアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表し、各基は更に置換基を有していてもよい。 R5、R6で表される好ましい置換基は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、アルキルおよびアリールスルホニル基を挙げることができる。 さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、アシル基、アルキルまたはアリールスルホニル基である。最も好ましくは、水素原子、アリール基、複素環基である。各基は更に置換基を有していてもよい。 ただし、R5、R6が同時に水素原子であることはない。
さらに、G、R1、R2は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基またはアリール基または複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルおよびアリールチオ基、ヘテロ環チオ基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、スルファモイル基、またはスルホ基を表し、各基は更に置換されていてもよい。
Gで表される好ましい置換基としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルキル基、またはアリール基または複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルおよびアリールチオ基、およびヘテロ環チオ基が挙げられ、より好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アルキル基またはアリール基または複素環基で置換されたアミノ基、またはアシルアミノ基であり、なかでも水素原子、アリールアミノ基、アミド基が最も好ましい。各基は更に置換基を有していてもよい。
1、R2で表される好ましい置換基としては、水素原子、アルキル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、カルバモイル基およびシアノ基を挙げることができる。各基は更に置換基を有していてもよい。R1とR5あるいはR5とR6が結合して5〜6員環を形成してもよい。A、R1、R2、R5、R6、Gで表される各置換基が更に置換基を有する場合の置換基としては、上記G,R1,R2で挙げた置換基を挙げることができる。
上記式(5)で表されるマゼンタ染料は、A、R1、R2、R5、R6、G上のいずれかの位置に置換基としてイオン性親水性基をさらに有する。置換基としてのイオン性親水性基は、スルホ基(−SO3H基)、カルボキシル基(−CO2H基)、−SO3M基、及び−CO2M基(ここで、Mはアルカリ金属原子を表す。)からなる群から選ばれる基である。前記イオン性親水性基としては、カルボキシル基およびスルホ基が好ましく、特にスルホ基が好ましい。また、前記Mで表されるアルカリ金属原子は、リチウム、ナトリウム、及びカリウムから選ばれることが特に好ましい。Mがアンモニウムや有機カチオンではなく、アルカリ金属原子であるマゼンタ染料を用いた場合、特に保存安定性に優れたブラックインク組成物が得られる。
本発明のブラックインク組成物に用いる場合、上記式(5)で表されるマゼンタ染料のうち、特に好ましいものは、上記式(6)で表されるものである。式(6)中、Z1はハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z1はσp値が0.30〜1.0の電子吸引性基であるのが好ましい。好ましい具体的な置換基については後述する電子吸引性置換基を挙げることができるが、なかでも、炭素数2〜12のアシル基、炭素数2〜12のアルキルオキシカルボニル基、ニトロ基、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基、炭素数1〜12のカルバモイル基及び炭素数1〜12のハロゲン化アルキル基が好ましい。特に好ましいものは、シアノ基、炭素数1〜12のアルキルスルホニル基、炭素数6〜18のアリールスルホニル基であり、最も好ましいものはシアノ基である。
上記式(6)中のR1、R2,R5,R6は、上記式(5)の場合と同義である。R3、R4は、各々独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表す。なかでも、水素原子、アリール基、複素環基、アシル基、アルキル及びアリールスルホニル基が好ましく、水素原子、アリール基、複素環基が特に好ましい。Z2は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表す。
式(6)中、Qは、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表す。なかでも、Qは5〜8員環を形成するのに必要な非金属原子群からなる基が好ましい。この5〜8員環は置換されていてもよいし、飽和環であっても不飽和結合を有していてもよい。そのなかでも、特にアリール基、複素環基が好ましい。好ましい非金属原子としては、窒素原子、酸素原子、イオウ原子および炭素原子が挙げられる。5〜8員環の具体例としては、例えばベンゼン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロヘキセン環、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、ピリダジン環、トリアジン環、イミダゾール環,ベンゾイミダゾール環、オキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、ベンゾチアゾール環、オキサン環、スルホラン環およびチアン環等が挙げられる。
式(6)で説明した上記の各基は更に置換基を有していてもよい。これらの各基が更に置換基を有する場合、その置換基としては、式(5)で説明した置換基、G、R1、R2で例示した基やイオン性親水性基が挙げられる。
ハメット置換基定数σp値が0.60以上の電子吸引性基としては、シアノ基、ニトロ基、アルキルスルホニル基(例えばメタンスルホニル基)、アリールスルホニル基(例えばベンゼンスルホニル基)を例として挙げることができる。ハメットσp値が0.45以上の電子吸引性基としては、上記に加えアシル基(例えばアセチル基)、アルコキシカルボニル基(例えばドデシルオキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、m−クロロフェノキシカルボニル)、アルキルスルフィニル基(例えば、n−プロピルスルフィニル)、アリールスルフィニル基(例えばフェニルスルフィニル)、スルファモイル基(例えば、N−エチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル)、ハロゲン化アルキル基(例えば、トリフロロメチル)を挙げることができる。
ハメット置換基定数σp値が0.30以上の電子吸引性基としては、上記に加え、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ)、カルバモイル基(例えば、N−エチルカルバモイル、N,N−ジブチルカルバモイル)、ハロゲン化アルコキシ基(例えば、トリフロロメチルオキシ)、ハロゲン化アリールオキシ基(例えば、ペンタフロロフェニルオキシ)、スルホニルオキシ基(例えばメチルスルホニルオキシ基)、ハロゲン化アルキルチオ基(例えば、ジフロロメチルチオ)、2つ以上のσp値が0.15以上の電子吸引性基で置換されたアリール基(例えば、2,4−ジニトロフェニル、ペンタクロロフェニル)、および複素環(例えば、2−ベンゾオキサゾリル、2−ベンゾチアゾリル、1−フェニル−2−ベンズイミダゾリル)を挙げることができる。σp値が0.20以上の電子吸引性基の具体例としては、上記に加え、ハロゲン原子などが挙げられる。
前記式(5)で表されるマゼンタ染料として特に好ましい置換基の組み合わせは、以下の通りである。
(イ)R5およびR6は、好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基、複素環基、スルホニル基、アシル基であり、さらに好ましくは水素原子、アリール基、複素環基、スルホニル基であり、最も好ましくは水素原子、アリール基、複素環基である。ただし、R5およびR6が共に水素原子であることは無い。
(ロ)Gは、好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ヒドロキシ基、アミノ基(ただし、一級アミノ基を除く。)、アミド基であり、さらに好ましくは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基(ただし、一級アミノ基を除く。)、アミド基であり、最も好ましくは水素原子、アミノ基(ただし、一級アミノ基を除く。)、アミド基である。
(ハ)Aは、好ましくはピラゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環であり、さらに好ましくはピラゾール環、イソチアゾール環であり、最も好ましくはピラゾール環である。
(ニ)B1およびB2は、それぞれ−CR1=、−CR2=であり、そしてこれらR1、R2は、各々好ましくは水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、アルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基であり、さらに好ましくは水素原子、シアノ基、カルバモイル基、アルキル基である。
なお、式(5)で表される化合物の好ましい置換基の組み合わせについては、種々の置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基である化合物が好ましく、より多くの種々の置換基が前記好ましい基である化合物がより好ましく、全ての置換基が前記好ましい基である化合物が最も好ましい。
前記式(5)で表される化合物は、どのような方法で製造されてもよいが、例えば、以下のような方法で製造することができる。
(a)下記一般式(14)で表される化合物と、ジアゾ化剤とを反応させてジアゾニウム塩を形成する。
(b)上記工程(a)で形成されたジアゾニウム塩を下記式(15)で表されるカップリング剤と反応させて、上記式(5)で表される化合物を形成する。
(c)塩基の存在下で、上記工程(b)で形成された化合物をアルキル化剤、アリール化剤又はヘテリル化剤と反応させてアルキル基等の置換基を導入した上記式(5)で表される化合物を形成する。
Figure 2010043266
(式(14)及び(15)中、A、G、B1、B2、R5、R6は上記式(5)の場合と同義である。)
さらに、上記式(5)の化合物において水溶性基を導入する場合、求電子反応を用いる。求電子反応としてはスルホン化、マンニッヒ反応、フリーデルクラフツ反応があり、中でもスルホン化が好ましい。
以下に本発明において好ましく用いることのできる式(5)で表される化合物の具体例を示す。
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
そのほか、本発明のブラックインク組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で前記式(5)の染料と併せて、その他のマゼンタ系染料を用いることもできる。併用できるマゼンタ系染料としては、例えば、以下の式(16):
Figure 2010043266

[前記式(16)中、Yは、C1〜C4のアルキル基、アルコキシ基、又はOH、SO3H、COOMで置換されたフェニル基、又はナフチル基を表す。さらにBは次式を表す。
Figure 2010043266

(式中、R1はH、OH、又はCOOHで置換されたC1〜C4のアルキル基を表し、R2は、OH、OCH3、OC25、SO3M、COOMで置換されたC1〜C4のアルキル基を表し、Mは独立して、H、Li、Na、またはKを表す。)]
で表される化合物を挙げることができる。
したがって、本発明のブラックインク組成物において色相を調整するために、上記式(1)の染料とともに少なくとも一種のイエロー染料及び少なくとも一種のマゼンタ染料をブラックインク組成物中に含有させる場合、イエロー染料としては上記式(3)で表される化合物及び上記式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種を用い、かつマゼンタ染料としては上記式(5)の染料及びC.I.DirectRed227からなる群から選ばれる少なくとも一種を用いることが好ましい。さらに上記式(5)の染料としては、上記式(6)の染料が好ましい。
次に本発明のブラックインク組成物中に含有させる染料の量について説明する。本発明のブラックインク組成物は、黒色染料として上記式(1)の染料の少なくとも一種を含むほか、色相を調整するために式(1)の染料以外の少なくとも一種の染料を含む。この場合、本発明のブラックインク組成物に含有させる式(1)の染料以外の染料の種類及び量は、ブラックインク組成物の色相を所望の色相に調整できるように適宜決定することができる。ただし、一般には以下に示す量で染料を用いることが好ましい。
本発明のブラックインク組成物中には、黒色染料として上記式(1)の染料の少なくとも一種を含有させるが、前記式(1)の染料が合計で、ブラックインク組成物の総重量に対して0.5〜12.0重量%含まれることが好ましく、1.0〜10.0重量%含まれることがさらに好ましい。ブラックインク組成物中に含まれる式(1)の染料の合計量が0.5重量%以上の場合、そのインク組成物を用いて記録媒体に画像等を記録したときに、充分良好な発色、及び高い画像濃度を得ることができる。また、ブラックインク組成物中に含まれる式(1)の染料の含有量を12.0重量%以下にすることにより、そのインク組成物の粘度を好ましい値に調節することができ、またインクジェットヘッドからのインク組成物の吐出量を安定化することができ、さらにインクジェットヘッドの目詰まりを防止することができる。
本発明のブラックインク組成物にイエロー染料を含有させる場合、イエロー染料を合計で、ブラックインク組成物の総重量に対して0.03〜3.0重量%含有させることが好ましく、0.1〜2.5重量%含有させることがさらに好ましい。イエロー染料として上記式(3)で表される化合物(以下、「式(3)の染料」とも記す。)及び式(4)で表される化合物(以下、式(4)の染料)とも記す。)からなる群から選ばれる一種以上を用いる場合も、ブラックインク組成物中に含まれる式(3)の染料及び式(4)の染料が合計で、ブラックインク組成物の総重量に対して0.03〜3.0重量%含有させることが好ましく、0.1〜2.5重量%含有させることがさらに好ましい。ブラックインク組成物に含まれるイエロー染料の合計量、又はブラックインク組成物に含まれる式(3)の染料及び式(4)の染料の合計量を0.03重量%以上にすることにより、ブラックインク組成物を所望する色相に調整できるという効果が得られ、さらに、3.0重量%以下にすることにより、インクジェットノズルの目詰まりを防止できるという効果が得られる。
本発明のブラックインク組成物にマゼンタ染料を含有させる場合、マゼンタ染料を合計で、ブラックインク組成物の総重量に対して0.02〜3.0重量%含有させることが好ましく、0.1〜2.5重量%含有させることがさらに好ましい。マゼンタ染料として上記式(5)の染料、式(6)の染料、及びC.I.DirectRed227からなる群から選ばれる一種以上を用いる場合も、ブラックインク組成物中に含まれるこれらの染料を合計で、ブラックインク組成物の総重量に対して0.02〜3.0重量%含有させることが好ましく、0.1〜2.5重量%含有させることがさらに好ましい。ブラックインク組成物に含まれるマゼンタ染料の合計量、又はブラックインク組成物に含まれる式(3)の染料及び式(4)の染料の合計量を0.02重量%以上にすることにより、ブラックインク組成物を所望する色相に調整できるという効果が得られ、さらに、3.0重量%以下にすることにより、インクジェットノズルの目詰まりを防止できるという効果が得られる。
さらに、本発明のブラックインク組成物に黒色染料として式(1)の染料の少なくとも一種を含有させるとともに、イエロー染料として式(3)の染料及び式(4)の染料からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有させる場合、ブラックインク組成物中に前記黒色染料と前記イエロー染料とを15:1〜10:3の重量比で含有させることが、ブラックインク組成物として好ましい色相が得られるという点から好ましい。
また、本発明のブラックインク組成物に黒色染料として式(1)の染料の少なくとも一種を含有させるとともに、マゼンタ染料として式(5)の染料、式(6)の染料、及びC.I.DirectRed227からなる群から選ばれる少なくとも一種を含有させる場合、ブラックインク組成物中に前記黒色染料と前記マゼンタ染料とを25:1〜10:3の重量比で含有させることが、ブラックインク組成物として好ましい色相が得られるという点から好ましい。
本発明のブラックインク組成物は上記式(1)の染料の少なくとも一種及び色相を調整するための他の染料の少なくとも一種を、水を含む溶媒中に溶解して製造することができる。本発明のインク組成物に用いる溶剤としては、水、または水と水溶性有機溶剤との混合物が好ましい。本発明に用いる水溶性有機溶剤としては、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;エチレングリコール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、トリエチレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレングリコール類;グリセリン;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルキルアルコール類;尿素;及び、2−ピロリドン、スルフォラン、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の極性有機溶媒からなる群から選ばれる一種以上が例示できる。本発明に用いる水溶性有機溶剤は、常温において水より蒸気圧が小さいものが好ましい。
インク組成物の記録媒体への浸透性を高めることができること、及びカラー印刷を行う場合に本発明のブラックインクとそれに隣接するカラーインクとが接する境界においてインクがにじみにくくなることによって非常に鮮明な画像が得られることから、グリコールエーテル系水溶性有機溶剤を本発明のブラックインク組成物に含有させることが特に好ましい。本発明で用いるグリコールエーテル系水溶性有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等が好ましい。
本発明のブラックインク組成物にグリコールエーテル系水溶性有機溶剤を含有させる場合、ブラックインク組成物中に含まれるグリコールエーテル系水溶性有機溶剤の割合は特に限定されるものではなく、当業者は本発明の効果を損なわないように適宜その割合を定めることができる。ただし、本発明のブラックインク組成物は、グリコールエーテル系水溶性有機溶剤を3〜30重量%含有することが好ましく、5〜20重量%含有することがさらに好ましい。ブラックインク組成物に含まれるグリコールエーテル系水溶性有機溶剤の量を3重量%以上にすることによって記録媒体へのインクの浸透性を高めることができ、さらにカラー印刷においては、本発明のブラックインクによって形成された画像とカラーインクによって形成された画像との境界で、インクのにじみ(ブリーディング)を生じにくくすることができる。また、ブラックインク組成物に含まれるグリコールエーテル系水溶性有機溶剤の量を30重量%以下にすることによって、そのブラックインク組成物を用いて記録媒体上に形成した画像をにじみにくくできること加え、ブラックインク組成物が分離することなく均一な状態に保つことができる。ブラックインク組成物が分離する場合は、用いたグリコール系水溶性有機溶剤を水に溶解してブラックインク組成物を均一にするための溶解助剤を添加することが必要になり、溶解助剤の添加によってブラックインク組成物の粘度が高くなるため、インクジェットヘッドではブラックインク組成物の吐出が困難になる場合がある。なお、上記グリコールエーテル系水溶性有機溶剤は1種のみを用いること、及び2種以上を併用することができる。
本発明のブラックインク組成物には、さらに界面活性剤を添加することができる。本発明に用いる界面活性剤としてはノニオン系界面活性剤が好ましい。ノニオン系界面活性剤を本発明のブラックインク組成物に添加すると、ブラックインク組成物が記録媒体に速やかに浸透かつ定着されやすくなり、しかもインクジェット方法により記録媒体上に吐出された一滴のインクによって形成される像の形状を真円に近いものにすることができることにより、得られる画像の画質を高めることができる。
本発明に用いるノニオン界面活性剤としては、例えばアセチレングリコール系界面活性剤を用いることが好ましいが、これに限定されるものではない。本発明のブラックインク組成物に用いるアセチレングリコール系界面活性剤としては、特に以下の式(17):
Figure 2010043266

(式(17)中、R1、R2、R3、及びR4はそれぞれ独立して、C1〜C6の直鎖、環式又は分枝アルキル鎖を表し、さらにA1O及びA2Oはそれぞれ独立してC2〜C3のオキシアルキレン鎖、例えばオキシエチレンまたはオキシプロピレン、またはC2〜C3のアルキレンオキサイドが重合または共重合して得られるポリオキシアルキレン鎖、例えばポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖、もしくはポリオキシエチレンプロピレン鎖を表す。また式中、n及びmはA1OまたはA2O単位、すなわちオキシアルキレンの繰り返し数を表し、0≦n<30、0≦m<30、及び0≦n+m<50を満たす数である。)
で表される化合物を用いることが好ましい。このアセチレングリコール系界面活性剤としては、例えば、サーフィノール465(商標)、サーフィノール104(商標)(以上商品名、Air Products and Chemical社製)、オルフィンSTG(商標)、オルフィンE1010(商標)(以上商品名、日信化学工業株式会社製)を例示することができ、これらから選ばれる一種以上を本発明のブラックインク組成物に添加することが好ましい。
本発明においては、ブラックインク組成物中に界面活性剤が、好ましくは0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜2重量%含まれるように、ブラックインク組成物に界面活性剤を添加するのがよい。ブラックインク組成物に対して界面活性剤を0.1重量%以上含有させることによって、記録媒体に対するインク組成物の浸透性を高くすることができる。またブラックインク組成物に含有される界面活性剤の量を5重量%以下にすることにより、ブラックインク組成物によって記録媒体上に形成された画像がにじみにくいという効果が得られる。
本発明のブラックインク組成物には、さらに所望により、保湿剤、粘度調整剤、pH調整剤、及びブラックインク組成物に用いることができる他の添加剤を添加することができる。具体的には、アルギン酸ナトリウム等の水溶性オリゴマー及び水溶性ポリマー、水溶性樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防かび剤、防錆剤などを本発明のインク組成物に添加することができる。当業者は本発明の効果を損なわない範囲で、選択された好ましい添加剤を好ましい量で用いることができる。
本発明のブラックインク組成物は、そのpHが20℃において7.0〜9.0であることが好ましく、7.4〜8.5であることがさらに好ましい。20℃におけるインク組成物のpHを7.0以上にすることによってインクジェットヘッドの共析メッキが剥離することを防止することができ、かつインクジェットヘッドからのインク組成物の吐出特性を安定化することができる。また、ブラックインク組成物のpHを20℃において9.0以下にすることによって、ブラックインク組成物が接触する各種の部材、たとえばインクカートリッジやインクジェットヘッドを構成する部材が劣化されることを防ぐことができる。
本発明においては、ブラックインク組成物にpH調整剤を添加することによって、20℃におけるブラックインク組成物のpHを好ましい値に調節することが好ましい。本発明において用いることができるpH調整剤としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリプロパノールアミンなどのアミン類を用いることが好ましい。ブラックインク組成物へのpH調整剤の添加量は、ブラックインク組成物のpHを上述の好ましい範囲に入れることができる量であり、その量は適宜定めることができる。なお、本発明におけるブラックインク組成物のpH値は、市販のpHメーターを用い、ブラックインク組成物にpH電極を直接挿入することによって20℃において測定された値である。
本発明のブラックインク組成物を調製するためには、たとえば、ブラックインク組成物に含有されるべき各成分を充分に混合して均一な溶液にした後、平均目開き0. 8μm のメンブランフィルターを用いて加圧濾過したのち、減圧下で脱泡する方法を用いることができる。
本発明のブラックインク組成物は一般の筆記具用、記録計用、ペンプロッター用等に使用することができるが、インクジェット記録方法に用いることが特に好ましい。本発明のブラックインク組成物を用いることができるインクジェット記録方法は、ブラックインク組成物を細いノズルから液滴として吐出させ、その液滴を記録媒体に付着させるいかなる記録方法も含む。本発明のブラックインク組成物を用いることができるインクジェット記録方法の具体例を以下に説明する。
第一の方法は静電吸引方式とよばれる方法である。静電吸引方式は、ノズルとノズルの前方に配置された加速電極との間に強電界を印加し、ノズルから液滴状のインクを連続的に噴射させ、そのインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えることによって、インク滴を記録媒体上に向けて飛ばしてインクを記録媒体上に定着させて画像を記録する方法、または、インク滴を偏向させずに、印刷情報信号に従ってインク滴をノズルから記録媒体上にむけて噴射させることにより画像を記録媒体上に定着させて記録する方法である。本発明のインク組成物はこの静電吸引方式による記録方法に用いることが好ましい。
第二の方法は、小型ポンプによってインク液に圧力を加えるとともに、インクジェットノズルを水晶振動子等によって機械的に振動させることによって、強制的にノズルからインク滴を噴射させる方法である。ノズルから噴射されたインク滴は、噴射されると同時に帯電され、このインク滴が偏向電極間を通過する間に印刷情報信号を偏向電極に与えてインク滴を記録媒体に向かって飛ばすことにより、記録媒体上に画像を記録する方法である。本発明のインク組成物はこの記録方法に用いることが好ましい。
第三の方法は、インク液に圧電素子によって圧力と印刷情報信号を同時に加え、ノズルからインク滴を記録媒体に向けて噴射させ、記録媒体上に画像を記録する方法である。本発明のインク組成物はこの記録方法に用いることが好ましい。
第四の方法は、印刷信号情報に従って微小電極を用いてインク液を加熱して発泡させ、この泡を膨張させることによってインク液をノズルから記録媒体に向けて噴射させて記録媒体上に画像を記録する方法である。本発明のインク組成物はこの記録方法に用いることが好ましい。
本発明の黒色水性インク組成物は、上述した4つの方法を含むインクジェット記録方式による画像記録方法を用いて記録媒体上に画像を記録する場合に用いるブラックインク組成物として特に好ましい。本発明のブラックインク組成物を用いて記録された記録物は優れた画質を有し、さらに耐光性及び耐オゾン性にも優れている。
以下に実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔ブラックインク組成物の調製〕
以下の表1A及び表1Bに示した組成に基づき、各成分を混合して均一な溶液とした後、得られた溶液を平均目開き0.8μmのメンブランフィルターを用いて加圧濾過して実施例1〜10及び比較例1〜9のブラックインク組成物を得た。
Figure 2010043266
Figure 2010043266
なお、表1A中のブラック染料1は、以下の式(7):
Figure 2010043266

で表される化合物のリチウム塩である。このブラック染料1は、上記式(1)及び式(2)で表される化合物のアルカリ金属塩の例である。
また、表1A中のマゼンタ染料1は、以下の式(18):
Figure 2010043266

で表され、式(18)中R1、R2、R3、及びR4は以下の表に示す基である。
Figure 2010043266
上記マゼンタ染料1は、上記式(5)及び上記式(6)で表される化合物のアルカリ金属塩の例である。
表1A中のC.I.Direct Red 227は、一級アミノ基を含まず、かつ、アンモニウム塩でもなく、有機カチオンとの塩でもない染料である。
本実施例及び比較例で用いたその他の染料は公知の染料であり、その化学構造式を以下に示す。
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
Figure 2010043266
〔試験用記録物の印刷〕
インクジェットプリンタ Stylus Color 880(商標)(商品名、セイコーエプソン株式会社製)を用いて印刷試験を行った。このプリンタ用のブラックインク専用カートリッジに実施例1〜10及び比較例1〜9のブラックインク組成物をそれぞれ充填し、PM写真用紙(商品名、セイコーエプソン株式会社製、型番:KA420PSK)にモノクロ画像の印刷を行って記録物を得た。印刷は、得られた画像のOD(Optical Density)が0.9〜1.1の範囲に入るようにDutyを調整して行った。得られた記録物を室温下で暗所に1日静置した後、記録された画像の耐光性及び耐オゾン性(耐ガス性)の各試験を以下のように行った。また、得られた記録物を用いて、画像の色相の測定も行った。
〔耐光性試験〕
耐光性試験は、蛍光灯耐光性試験機SFT−II(商品名、スガ試験機株式会社製)を使用し、温度が24℃、湿度が60RH%、照度70000luxの条件下で、上記記録物に21日間、光照射することによって行った。反射濃度計Spectrolino(商標)(商品名、GRETAG社製)を使用して、光照射前及び光照射後の記録物の画像のOD値を測定した。OD値の測定は、光源がD50、光源フィルタなし、絶対白を白色標準とし、視野角は2°で行った。下記計算式1:
ROD(%)=(Dn/Do)×100(式中、Dnは光照射試験終了後の画像のOD値、Doは光照射試験開始前の画像のOD値)(計算式1)
を用いて、得られた測定値(OD値)から、光照射後の各記録物の画像の光学濃度残存率(Relict Optical Density:ROD)を計算によって求めた。
得られたRODに基づき、以下の判定基準を用いて試験結果をA〜Dにランク付けすることによって記録物の耐光性を評価した。
A:RODが80%以上。
B:RODが60%以上80%未満
C:RODが40%以上60%未満
D:RODが40%未満
RODの値が高いほうが光照射による画像の劣化が少なく好ましい。得られた結果を表2に示す。
〔耐オゾン(耐ガス)試験〕
オゾンウェザーメーターOMS−H型(商品名、スガ試験機株式会社製)を使用し、温度が24℃、湿度が60%RH、及びオゾン濃度が10ppmの条件下で、上記記録物を24時間オゾンに曝露した。反射濃度計Spectrolino(商標)(商品名、GRETAG社製)を使用して、オゾン曝露前後の記録物のOD値(Optical Density)を測定した。その測定は、光源がD50、光源フィルタなしで、絶対白を白色標準とし、視野角は2°という条件で行った。上記耐光性試験における計算方法と同じ計算方法、及び上記耐光性試験における判定基準と同じ判定基準を用いて、得られた結果をA〜Dにランク付けすることにより記録物の耐オゾン性を評価した。得られた評価結果を上記耐光性試験結果とともに表2に示した。RODの値が高いほうがオゾン曝露による画像の劣化が少ない。表2に示した結果から、本発明のブラックインク組成物の耐光性及び耐ガス性(耐オゾン性)が優れていることがわかる。
Figure 2010043266
〔インクの保存性試験〕
上記実施例1〜4及び比較例4〜8の各ブラックインク組成物を70℃に6日間保持することにより保存性試験を行った。次に、試験を行う前のブラックインク組成物、及び前記試験を行った後のブラックインク組成物を、それぞれ超純水を用いて体積で2000倍に希釈し、分光光度計を使用して吸光度を測定した。保存試験前のインク組成物の最大吸収波長(λmax)における吸光度を保存試験前後で比較し、保存試験による前記吸光度の変化を「残存率」として以下の計算式:
残存率(%)=70℃で6日間保持した後のインクの吸光度/初期のインクの吸光度×100
を用いて計算した。保存性試験前後における「最大吸収波長の差(Δnm)」とともに、得られた「残存率」の結果を表3に示す。実施例1〜4における残存率のほうが比較例4〜8における残存率より優れていることがわかる。すなわち、黒色染料の色相を調整するために本発明の好ましいイエロー染料及びマゼンタ染料を用いたブラックインク組成物においては、保存試験前後におけるブラックインク組成物の最大吸収波長の変化が少なく、しかも保存試験後の「残存率」も良好であった。
Figure 2010043266
〔ブラックインク組成物の色相〕
反射濃度計Spectrolino(商標)(商品名、GRETAG社製)を使用して、上記の記録物の画像の色相を測定した。色相の測定結果は、a値、b値、及びc*値として表4に示した。なお、c*=(a2+b20.5の関係がある。あわせて、目視による画像の色相の評価を行い、最も無彩色に感じられるものを「最も好ましい色相」、ごくわずかにシアン味などの色味が感じられるものを「好ましい色相」とし、シアン、緑、紫の色が明らかに感じられるものをそれぞれ「シアン味」、「緑味」、「紫味」と表現した。得られた結果を表4に示す。イエロー染料及びマゼンタ染料が本発明の好ましい染料である場合(実施例1〜4)、これらの染料を含むブラックインク組成物を用いて得られる画像はc*値も小さく、かつ目視評価においても好ましい色相を有していた。実施例5〜10では、黒色染料に対するイエロー染料及びマゼンタ染料の添加量の割合が本明細書中で説明した特に好ましい範囲外ではあるが、イエロー染料及びマゼンタ染料を用いない場合(比較例9)と比較してc*値が小さく、より好ましい色相となっている。
Figure 2010043266

Claims (16)

  1. 下記式(1):
    Figure 2010043266
    (前記式(1)中、R1は置換基を有するフェニル基又は置換基を有するナフチル基を表し、R2は置換基を有するフェニレン基又は置換基を有するナフチレン基を表し、R3は少なくとも1つの二重結合及び置換基を有する5〜7員環の複素環基を表す。さらに前記R1〜R3における前記置換基は独立して、OH、SO3H、PO32、CO2H、NO2、C1〜4のアルキル基、置換基を有するアルキル基、C1〜4のアルコキシ基、置換基を有するアルコキシ基、置換基を有するアミノ基、及び置換基を有するフェニル基からなる群から選ばれる。)
    で表される化合物及びその塩からなる群から選ばれる少なくとも一種の黒色染料と、前記黒色染料以外の少なくとも一種の染料とを含み、前記黒色染料以外の染料が、−SO3H基、−COOH基、−SO3M基、及び−COOM基(前記各基中、Mはアルカリ金属原子を表す。)からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を有し、かつ、一級アミノ基を有さず、しかも、アンモニウム塩でなく、かつ有機カチオンとの塩でもない化合物で、前記黒色染料以外の染料を添加することによって色相が調整されていることを特徴とする黒色水性インク組成物。
  2. 前記式(1)で表される化合物が以下の式(2):
    Figure 2010043266
    (前記式(2)中、R1〜R9は独立して、H、OH、SO3H、PO32、CO2H、及びNO2からなる群から選ばれる基を表す。)
    で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載の黒色水性インク組成物。
  3. 前記黒色染料以外の少なくとも一種の染料が、イエロー染料及びマゼンタ染料からなる群から選ばれる染料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の黒色水性インク組成物。
  4. 前記黒色染料以外の染料として、イエロー染料及びマゼンタ染料を少なくとも含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の黒色水性インク組成物。
  5. 前記イエロー染料が以下の式(3):
    Figure 2010043266
    及び以下の式(4):
    Figure 2010043266
    (前記式(3)及び(4)中、R5、R5'、 R6、及びR6'は、独立してCH3、OCH3を表し、Z及びZ'は独立して、下記式:
    Figure 2010043266
    のいずれかの構造を有するものであり、互いに同一であっても異なっていても良い。ここで、Mは独立して、H、Li、Na、またはKを表し、nは1又は2の整数である。)
    で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種である請求項3又は4に記載の黒色水性インク組成物。
  6. 前記マゼンタ染料が以下の式(5):
    Figure 2010043266
    (前記式(5)中:Aは、5員複素環ジアゾ成分A−NH2の残基を表す。B1およびB2は、各々−CR1=、−CR2=を表すか、あるいはいずれか一方が窒素原子,他方が−CR1=または−CR2=を表す。R5,R6は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、またはスルファモイル基を表わす。各基は更に置換基を有していてもよい。G、R1、R2は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、シアノ基、カルボキシル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、アルキル基またはアリール基または複素環基で置換されたアミノ基、アシルアミノ基、ウレイド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルキルおよびアリールスルホニルアミノ基、ニトロ基、アルキルおよびアリールチオ基、アルキルおよびアリールスルホニル基、アルキルおよびアリールスルフィニル基、スルファモイル基、スルホ基、またはヘテロ環チオ基を表す。各基は更に置換されていてもよい。また、R1とR5、あるいはR5とR6が結合して5〜6員環を形成してもよい。)
    で表される化合物及びそのアルカリ金属塩、並びにC.I.DirectRed227からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項3又は4に記載の黒色水性インク組成物。
  7. 前記式(5)で表される化合物及びそのアルカリ金属塩が、以下の式(6):
    Figure 2010043266
    (前記式(6)中:Z1は、ハメットの置換基定数σp値が0.20以上の電子吸引性基を表す。Z2は、水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。R1、R2、R5、R6は、一般式(5)の場合と同義である。R3、R4は、各々独立に、水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基またはスルファモイル基を表す。Qは、水素原子、脂肪族基、芳香族基または複素環基を表す。上記Z1、Z2、R1〜R6、Qの各基は、更に置換基を有していてもよい。)
    で表される化合物及びそのアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項6に記載の黒色水性インク組成物。
  8. 前記イエロー染料が前記式(3)で表される化合物及び前記式(4)で表される化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、かつ、前記マゼンタ染料が前記式(5)で表される化合物及びそのアルカリ金属塩、前記式(6)で表される化合物及びそのアルカリ金属塩、並びにC.I.DirectRed227からなる群から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項4に記載の黒色水性インク組成物。
  9. 前記黒色染料が黒色水性インク組成物の総重量に対して0.5〜12.0重量%含まれていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  10. 前記黒色染料が黒色水性インク組成物の総重量に対して0.5〜12.0重量%含まれていることを特徴とする請求項3〜8のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  11. 前記イエロー染料が黒色水性インク組成物の総重量に対して0.03〜3.0重量%含まれていることを特徴とする請求項3〜8及び10のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  12. 前記マゼンタ染料が黒色水性インク組成物の総重量に対して0.02〜3.0重量%含まれていることを特徴とする請求項3〜8及び10のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  13. 前記黒色染料と前記イエロー染料とを15:1〜10:3の重量比で含むことを特徴とする請求項5又は8に記載の黒色水性インク組成物。
  14. 前記黒色染料と前記マゼンタ染料とを25:1〜10:3の重量比で含むことを特徴とする請求項6、7及び8のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の黒色水性インク組成物を細いノズルより液滴として吐出させ、前記液滴を記録媒体に付着させることを特徴とするインクジェット記録方法。
  16. 請求項15に記載のインクジェット記録方法によって印刷されたことを特徴とする記録物。
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