JP2010042513A - プリンタとその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】2個の印字ヘッドを備えたプリンタで、一方の印字ヘッドに異常が生じても、他方の正常な印字ヘッドによって、異常が生じた印字ヘッドのプリント用データを含めて印刷を継続することのできるプリンタとその制御方法を提供すること。
【解決手段】第1および第2印字ヘッド4H、5Hに対して、異常検知センサ4S、5Sにより各印字ヘッド4H、5Hの異常状態を検知し、いずれか一方の印字ヘッド4Hまたは5Hの異常が検知された際に、異常が検知された印字ヘッド4Hまたは5Hのプリント用データを、他方の正常な印字ヘッド4Hまたは5Hによって印字するように制御する。
【選択図】図1
【解決手段】第1および第2印字ヘッド4H、5Hに対して、異常検知センサ4S、5Sにより各印字ヘッド4H、5Hの異常状態を検知し、いずれか一方の印字ヘッド4Hまたは5Hの異常が検知された際に、異常が検知された印字ヘッド4Hまたは5Hのプリント用データを、他方の正常な印字ヘッド4Hまたは5Hによって印字するように制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、2個の印字ヘッドを備えたプリンタ及びその制御方法に関する。
従来から飲食店や商店等のレジスタ等でレシートに印刷を行うのにサーマルプリンタが使用されていることがある。通常のレシートは片面印刷がおこなわれている。そのため、レシートに印刷する情報量が多い場合は、レシート用紙を大量に使用することになりコスト高になり不経済である。
そこで、レシート用紙に対して効率よく多くの情報を印刷できるように、感熱紙の表裏両面にプリント用データを分割して印刷し、両面の印刷によってプリント用データが一体化される印刷を行うことが可能な、サーマルプリンタが用いられることがある。このようなサーマルプリンタの構造は、例えば、2つのプラテンローラと2つのサーマルヘッドを備えたサーマルプリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この種の従来のサーマルプリンタは、第1プラテンローラと第2プラテンローラを互いに同期させて、同一の送り速度で回転させている。両面感熱紙は第1プラテンローラと第1サーマルヘッドとの間を通ることにより、感熱紙の一方の面に第1サーマルヘッドによって印刷が行なわれる。さらにこの感熱紙が第2プラテンローラと第2サーマルヘッドとの間を通ることにより、感熱紙の他方の面に第2サーマルヘッドによって印刷が行なわれる。
特開平11−286147号公報
しかしながら、上述のようなサーマルプリンタは、第1サーマルヘッドと第2サーマルヘッドとの2つのサーマルヘッドを備えているため、どちらか一方のサーマルヘッドに異常が生じ場合、印字ヘッドエラーが検知されてプリンタ自体が停止していた。そのため、プリンタは、印字ヘッドエラーを解消しない限り、以後の印字処理を行うことができなかった。
したがって、プリンタのユーザは、印字ヘッドエラーの都度にサービスマンに連絡し、印字ヘッドエラーを解消してもらう必要があった。ユーザは、サービスマンによって印字ヘッドエラーが解消するまでの間は、プリンタを使用することができなかった。
本発明はこれらの事情にもとづいてなされたもので、2個の印字ヘッドを備えたプリンタで、たとえ一方の印字ヘッドに異常が生じても、他方の正常な印字ヘッドによって、異常が生じた印字ヘッドのプリント用データを含めて印刷を継続することのできるプリンタとその制御方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様によれば、連続紙から成り両面に印字可能な印字媒体を搬送する印字媒体搬送手段と、前記印字媒体の一面側に印字する第1印字ヘッドと、前記印字媒体の他面側に印字する第2印字ヘッドと、前記第1および第2印字ヘッドについて前記各印字ヘッドの異常状態を検知する異常検知センサと、前記異常検知センサによって、いずれか一方の前記印字ヘッドの異常が検知された場合、異常が検知された印字ヘッドで印字すべき印字データを、他方の正常な印字ヘッドによって印字するように制御する制御部とを有することを特徴とするプリンタが提供される。
本発明のプリンタにおいては、前記第1および第2印字ヘッドに対して割り当てられた印字データを前記印字ヘッド毎に区別して記憶するメモリを有することを特徴とする。
また、本発明のプリンタにおいては、前記第1印字ヘッドおよび前記第2印字ヘッドは、共にサーマルヘッドであり、かつ、前記印字媒体は感熱紙であることを特徴とする。
また、本発明のプリンタにおいては、正常な印字ヘッドで、1つの印刷ジョブを前記印字媒体の一面側にすべて印字することを特徴とする。
また、本発明のプリンタにおいては、前記制御部は、1つの印刷ジョブの開始前に、前記異常検知センサからの検知情報を受け取ることを特徴とする。
また、本発明のプリンタにおいては、前記制御部は、1つの印刷ジョブの途中であっても、前記異常検知センサからの検知情報を受け取ることを特徴とする。
また、本発明のプリンタにおいては、前記異常検知センサによる検知は、前記印字ヘッドが所定温度を超えた場合には、異常と判定することを特徴とする。
本発明の別の一態様によれば、連続紙から成り両面に印字可能な印字媒体を搬送し、この印字媒体の一面側に第1印字ヘッドで印字するとともに、前記印字媒体の他面側に第2印字ヘッドで印字するプリンタの制御方法であって、前記第1および第2印字ヘッドに対して異常検知センサにより前記各印字ヘッドの異常状態を検知し、前記異常検知センサによっていずれか一方の前記印字ヘッドの異常が検知された場合に、異常が検知された印字ヘッドのプリント用データを、他方の正常な印字ヘッドによって印字することを特徴とするプリンタの制御方法が提供される。
また、本発明の別の一態様によれば、連続紙から成り両面に印字可能な印字媒体を搬送し、この印字媒体の一面側に第1印字ヘッドで印字するとともに、前記印字媒体の他面側に第2印字ヘッドで印字するプリンタの制御方法であって、前記第1および第2印字ヘッドに対して割り当てられた印字データをヘッド毎に区別してメモリに記憶し、前記第1および第2印字ヘッドに対して異常検知センサにより前記各印字ヘッドの異常状態を検知し、前記異常検知センサによっていずれか一方の前記印字ヘッドの異常が検知された場合に、異常が検知された印字ヘッドのプリント用データを、他方の正常な印字ヘッドによって前記印字媒体の同一面側に続けて印字することを特徴とするプリンタの制御方法が提供される。
本発明のプリンタの制御方法においては、異常が検知された印字ヘッドのプリント用データを、他方の正常な印字ヘッドによって前記印字媒体の同一面側に、同一向きで続けて印字することを特徴とする。
また、本発明のプリンタの制御方法においては、前記第1印字ヘッドおよび前記第2印字ヘッドは、共にサーマルヘッドであり、かつ、前記印字媒体は感熱紙であることを特徴とする。
本発明によれば、2個の印字ヘッドを備えたプリンタで、一方の印字ヘッドに異常が生じても、他方の正常な印字ヘッドによって、異常が生じた印字ヘッドのプリント用データを含めて印刷を継続することができる。
以下、本発明の実施形態に係るプリンタについて、サーマルプリンタを例示して、図面を参照して説明する。
図1は、サーマルプリンタの要部の構成を示した構成説明図である。サーマルプリンタ10は、筐体10aの内部に各部が収納されて配置されている。筐体10aの一端側には、サーマルプリンタ10で用いるロール状の感熱紙P(印字媒体)を保持して給紙する感熱紙供給部1が配置されている。この感熱紙供給部1は、感熱紙ロールRを保持する保持部1aと、この保持部1aから印刷部へ感熱紙Pを用紙搬送路に沿って搬送するフィード機構3(印字媒体搬送手段)とを備えている。フィード機構3には、感熱紙供給部1から筐体10aの他端側に延在している用紙搬送路2を挟んでローラ3a、3bと、このローラと対向する位置に、感熱紙Pに対して、一定の押圧力を付与する押圧部材であるダンパ3cとが設けられている。
用紙搬送路2に沿って、感熱紙供給部1の感熱紙Pの進行方向の前方には、順次、第1印刷部4、第2印刷部5、カッタ6、そして、排出口7が配置されている。
また、筐体10aの内部には、各部を駆動する駆動部8が設けられている。駆動部8は、駆動モータ8aと、この駆動モータ8aの発生する動力を各部に伝達するギア機構等による伝動機構(図示しない)とを備えている。
第1印刷部4には、感熱紙Pの表面Paに接して、その表面Paに対する印刷を行う第1サーマルヘッド4Hを備えている。また、第2印刷部5には、裏面Pbに接して、その裏面Pbに対する印刷を行う第2サーマルヘッド5Hを備えている。これら第1および第2サーマルヘッド4H、5Hは、感熱紙Pの給紙方向と直交する方向に配列された多数の発熱素子(図1では不図示)を有するとともに、感熱紙Pの給紙方向に沿って互いに離間した位置に配設されている。
各サーマルヘッド4H、5Hの一例としては、セラミック基板の上に多数の発熱素子が設けられているタイプで、その発熱素子は、例えば600dpi(dot per inch)の密度で主走査方向に直線状に配列されている。また、発熱素子の各々がTaSiOやTiSiO、TiCSiO等の電気抵抗材料から成っている。それにより、電源から電力が供給されるとジュール発熱を起こし、感熱紙P等の記録媒体に印字が可能になるために必要な所定の温度まで上昇する。
また、第1サーマルヘッド4Hには、第1温度センサ4S(異常検知センサ)が、第2サーマルヘッド5Hには、第2温度センサ5S(異常検知センサ)がそれぞれ装着されている。これらの第1および第2温度センサ4S、5Sにより、第1および第2サーマルヘッド4H、5Hの温度が検知される。なお、2つの温度センサ4S、5Sは共にサーミスタが用いられている。
2つの温度センサ4S、5Sに用いられているサーミスタは、温度変化に対する抵抗値の変化が極めて大きい電気抵抗材料、例えばMn,Ni,Co,Fe,Cr等の遷移金属の酸化物を含む感温半導体により形成されている。そして、サーミスタの表面に設けられる一対の電極端子間に所定の電圧を印加し、その通電量を測定することによって温度検知を行なえるように形成されている。
このサーミスタで検知した温度情報に基づいて、印字品質の向上や安全性の確保を目的とした後述する各種の制御がおこなわれる。
また、感熱紙Pを挟んで第1サーマルヘッド4Hと対向する位置に第1プラテンローラ9aが配設され、感熱紙Pを挟んで第2サーマルヘッド5Hと対向する位置に第2プラテンローラ9bが配設されている。この2つのプラテンローラ9a、9bにより感熱紙Pは、それぞれ対向するサーマルヘッド4H、5Hに密接させられ、解像度の高い良好な印字がおこなわれるようにしている。さらに、第1サーマルヘッド4Hよりも感熱紙Pの搬送方向の下流側に、感熱紙Pに対して、その印刷領域よりも後側でカットするカッタ6が配置されている。
なお、サーマルプリンタ10で用いられる感熱紙Pは、一方の面(表面という)Paおよび他方の面(裏面という)Pbにそれぞれ感熱層が形成され、表面Paが外側になる状態にロール状に巻かれている。感熱層は、所定の温度以上に加熱された際に、例えば、黒色あるいは赤色に発色する材料によって形成されている。
次に、上述のサーマルプリンタ10の制御方法について説明する。
図2は、上述のサーマルプリンタ10の制御ブロック図である。
すなわち、主制御部であるCPU11のバスラインに、メモリとして制御プログラム記憶用のROM12、および、データ記憶用のRAM13、さらに、ホスト装置30とのデータ送受信を行う通信インタフェース14、動作条件設定用の操作表示部15、感熱紙Pの給紙機構16を駆動する給紙駆動回路21、カッタ6を駆動するカッタ駆動回路22、後述の第1プリント用データD1に応じて第1サーマルヘッド4Hを駆動する第1ヘッド駆動回路23、後述の第2プリント用データD2に応じて第2サーマルヘッド5Hを駆動する第2ヘッド駆動回路24、および、温度センサ4S、5S等がそれぞれ接続されている。
この場合、CPU11は、主要な制御機能として、以下に示す(1)〜(6)の制御をおこなう。
(1)外部のホスト装置30から入力されるプリント用データD0を、感熱紙Pの表面Paに対する第1プリント用データD1と、裏面Pbに対する第2プリント用データD2とに分ける制御。
(2)第1プリント用データD1に応じた第1サーマルヘッド4Hの発熱素子に対する通電オン,オフの駆動を制御し、第2プリント用データD2に応じて第2サーマルヘッド5Hの発熱素子に対する通電オン、オフの駆動を制御する制御。
(3)第1サーマルヘッド4Hの各発熱素子に対する通電オン時間を温度センサ4Sの検知温度T1が予め定められた設定値T1sとなるように制御し、第2サーマルヘッド5Hの各発熱素子に対する通電オン時間を温度センサ5Sの検知温度T2が予め定められた設定値T2sとなるように制御する制御。
(4)感熱紙Pを給紙しながら、第2プリント用データD2に応じた第2サーマルヘッド5Hの駆動を先ず開始し、その駆動に基づくプリント開始位置が第1サーマルヘッド4Hに対応したところで第1プリント用データD1に応じた第1サーマルヘッド4Hの駆動を開始する制御。
(5)第1温度センサ4Sの検知温度T1が異常上昇して上限値T1maxに達したとき、あるいは第2温度センサ5Sの検知温度T2が異常上昇して上限値T2maxに達したとき、安全のために、第1および第2サーマルヘッド4H、5Hの駆動を停止し、その停止の旨を操作表示部15の表示により報知する制御。
(6)いずれかのサーマルヘッド4Hまたは5Hの温度センサ4Sまたは5Sの検知温度T1が異常上昇、あるいは、所定温度に達していない場合、さらには、ドット抜けやケーブル断線等が発生した際に、当該サーマルヘッド4Hまたは5Hの駆動を停止し、残りの正常なサーマルヘッド4Hまたは5Hのみで、異常が生じたヘッドのプリント用データを含めて印刷をおこなう制御。
なお、(6)の制御の態様については、後に別途詳述する。
また、第1サーマルヘッド4Hおよび第2サーマルヘッド5Hの構成は、図3に構成図を示した。すなわち、各サーマルヘッド4H、5Hは、ラッチ回路41、通電制御回路42、およびエッジヘッド43により構成されている。
エッジヘッド43は、ライン状に配列された熱転写用の多数の発熱素子43a,43b,…43nを有している。ラッチ回路41は、ヘッド駆動回路23から供給される第1プリント用データD1を、同ヘッド駆動回路23からストローブ信号STBに応じて1ライン毎にラッチする。通電制御回路42は、エッジヘッド43の発熱素子43a,43b,…43nに対する通電を、ラッチ回路41内のデータに応じて、かつヘッド駆動回路23から供給されるイネーブル信号ENB(特定の回路を使用可能にする信号)がアクティブとなるタイミングで、オン,オフ制御する。
イネーブル信号ENBが、アクティブとなる時間の長さを変えることにより、各発熱素子に対する通電オン時間が変化する。通電オン時間が変化すると、各発熱素子の発熱温度が変化する。
次に、動作について説明する。
外部のホスト装置30から当該サーマルプリンタに1つの印刷ジョブ、すなわち、1個の印刷データの固まりとしてのプリント用データD0が入力されると、そのプリント用データD0がRAM13に記憶される。この記憶に伴い、プリント用データD0が、第1プリント用データD1と第2プリント用データD2とに振り分けられる。振り分けの分量あるいは条件は、操作表示部15の操作あるいはホスト装置30からの指令によって設定される。振り分けの分量として例えば“50%対50%”があり、振り分けの条件として例えばデータ種別がある。データの種類として、例えば店舗の販売用レシートの場合、金銭文字、顧客へのお知らせ文、宣伝文、イラストなどがある。なお、上記に限らず、プリント用データD0は、外部のホスト装置30と当該サーマルプリンタ10とがいわゆるハンドシェイクしながら、プリント用データD0の受け渡しが行うことができることは言うまでもない。
プリント用データD0が第1プリント用データD1と第2プリント用データD2とに振り分けられた例を図4に説明図で示している。
すなわち、第1行目から第100行目の印字データからなるプリント用データD0が、中央の境界位置Cを境に、第1行目から第50行目の印字データからなる第1プリント用データD1と、第51行目から第100行目の印字データからなる第2プリント用データD2とに、振り分けられている。振り分けられた第1プリント用データD1および第2プリント用データD2は、RAM13に記憶される。境界位置C上にデータが存在する場合は、そのデータが予め定められている条件に従って第1プリント用データD1および第2プリント用データD2のいずれか一方に振り分けられる。
この振り分け後、感熱紙Pの給紙が開始されて、第2プリント用データD2に応じた第2サーマルヘッド5Hの駆動が先ず開始され、感熱紙Pの裏面Pbに第51行目から第100行目までの印字データがプリントされる。感熱紙Pの給紙が進んで、第2サーマルヘッド5Hの駆動に基づく裏面Pb側のプリント開始位置が第1サーマルヘッド4Hに対応する状態になったとき、第1プリント用データD1に応じた第1サーマルヘッド4Hの駆動が開始され、感熱紙Pの表面Paに第1行目から第50行目までの印字データがプリントされる。
こうして、図5(a)に説明図を示すように、第1プリント用データD1である第1行目から第50行目までの印字データが、所定の紙幅PWの感熱紙Pの表面Paにプリントされる。また、図5(b)に説明図を示すように、第2プリント用データD2である第51行目から第100行目までの印字データが感熱紙Pの裏面Pbにプリントされる。この場合、感熱紙Pの表面Paにおいて、プリントされる各文字行の開始位置と幅方向一端Q1との間に、幅SP1の空白領域が確保されている。感熱紙Pの裏面Pbでは、プリントされる各文字行の開始位置と幅方向他端Q2との間に、幅SP2の空白領域が確保されている。
プリントが終了した感熱紙Pは、カッタ6でカットされて、排出口7から排出されて、例えば、販売レシートとして顧客に提供される。
次に、上述の、CPU11の主要な機能と制御の説明の際に触れた、(6)いずれかのサーマルヘッド4H、5Hの温度センサ4S、5Sの検知温度T1が異常上昇、あるいは、所定温度に達していない場合、さらには、ドット抜けやケーブル断線等が発生した際に、当該サーマルヘッドの駆動を停止し、残りの正常なサーマルヘッド4H、5Hのみで印刷をおこなう際の制御について説明する。
最初に、サーマルヘッド4H、5Hの異常検知の手順について説明する。図6は、サーマルヘッド4H、5Hの異常検知の手順を示すフローチャートである。
まず、第1温度センサ4Sにより第1サーマルヘッド4Hに対して異常チェックを行う(ステップS1)。
異常チェックの結果について、第1サーマルヘッド4Hが正常か否かの判断を行う(ステップS2)。
判断結果で、第1サーマルヘッド4Hが正常であると判断された場合は、第2温度センサ5Sにより第2サーマルヘッド5Hに対して異常チェックを行う(ステップS3)。
異常チェックの結果について、第2サーマルヘッド5Hが正常か否かの判断を行う(ステップS4)。
判断結果で、第2サーマルヘッド5Hが正常であると判断された場合は、第1サーマルヘッド4Hおよび第2サーマルヘッド5Hの両方の運用を設定する(ステップS5)。
なお、ステップS4での判断結果として、第2サーマルヘッド5Hが異常であると判断された場合は、第1サーマルヘッド4Hのみが正常であるので、第1サーマルヘッド4Hのみの運用を設定する(ステップS6)。
一方、ステップS2での判断結果で、第1サーマルヘッド4Hが異常であると判断された場合は、第2温度センサ5Sにより第2サーマルヘッド5Hに対して異常チェックを行う(ステップS7)。
異常チェックの結果について、第2サーマルヘッド5Hが正常か否かの判断を行う(ステップS8)。
判断結果で、第2サーマルヘッド5Hが正常であると判断された場合は、第2サーマルヘッド5Hのみの運用を設定する(ステップS9)。
なお、ステップS8での判断結果で、第2サーマルヘッド5Hが異常であると判断された場合は、第1および第2のサーマルヘッド4H、5Hが共に異常であるので、印刷の続行は不可能になる。したがってエラー処理として終了する(ステップS10)。
次に、上述の異常検知の手順の結果による印刷処理手続きについて説明する。
図7は、印刷処理手続きの手順を示すフローチャートである。
まず、印刷設定状態について、以下の3つのケースのいずれかに該当するかを判断する。すなわち、(a)第1および第2の両サーマルヘッド4H、5Hが共に正常である場合の設定、(b)第1サーマルヘッド4Hのみ正常である場合の設定、(c)第2サーマルヘッド5Hのみ正常である場合の設定(ステップS21)。
判断の結果が、(a)第1および第2の両サーマルヘッド4H、5Hが正常である場合の設定は、2つのサーマルヘッド4H、5Hによる通常印字をおこなうように設定する(ステップS22)。
判断の結果が、(b)第1サーマルヘッド4Hのみ正常である場合の設定は、第1のサーマルヘッドのみでの印字をおこなうようにする(ステップS23)。
また、同時に、第2サーマルヘッド5Hのプリント用データを第1サーマルヘッド4Hで印字するように設定する(ステップS24)。
判断の結果が、(c)第2サーマルヘッド5Hのみ正常である場合の設定は、第2のサーマルヘッドのみでの印字をおこなうように設定する(ステップS25)。
また、同時に、第1サーマルヘッド4Hのプリント用データを第2サーマルヘッド5Hで印字するように設定する(ステップS26)。
以上の処理によって、一方のサーマルヘッド4Hまたは5Hが異常になった場合、残ったもう一方の正常なサーマルヘッド4Hまたは5Hだけによって印字処理を継続して行うことができる。
なお、2個のサーマルヘッド4H、5Hで、感熱紙Pの表裏両面Pa、Pbに印字していたプリント用データを、1つのサーマルヘッド4Hまたは5Hによって、一方の面PaまたはPbのみに印字する場合は、プリント用データの振り分けの解消をおこなえばよい。
すなわち、前述のように、2個のサーマルヘッド4H、5Hで印字処理をおこなう場合は、振り分けをおこなう場合は、図4に示したように、プリント用データD0に対して、ラインCを境界として設定し、第1プリント用データD1と第2プリント用データD2とに振り分けていた。
これに対して、一方の正常なサーマルヘッド4Hまたは5Hだけによって印字処理を継続する場合は、ラインCの境界の設定を解消すれば、プリント用データD0は、一体化して1つになる。したがって、1つのサーマルヘッド4Hまたは5Hで一方の面のみにプリントできる。
つまり、プリント用データの振り分けを解消すると、図4における第1行目から第100行目の印字データからなるプリント用データD0が、一方の面にプリントされる。
また、上述の実施の形態では、印刷装置としてサーマルプリンタについて説明したが、本発明による印字ヘッドの切替は、サーマルプリンタに限らず種々の印刷装置に適用できる。したがって、印刷装置自体は特に限定されない。例えば、インクジェットプリンタ等の他のプリンタの場合についても上述の実施形態と同様に適用することができる。
なお、本発明は上記の実施形態のそのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
1…感熱紙供給部、2…用紙搬送路、3…フィード機構、4…第1印刷部、4H…第1サーマルヘッド、4S…第1温度センサ、5…第2印刷部、5H…第2サーマルヘッド、5S…第2温度センサ、6…カッタ、7…排出口、8…駆動部、9a、9b…プラテンローラ、10…サーマルプリンタ、11…CPU、13…RAM、15…操作表示部、16…給紙機構、23…第1ヘッド駆動回路、24…第2ヘッド駆動回路、41…ラッチ回路、42…通電制御回路、43…エッジヘッド、43a、43b、…43n……発熱素子。
Claims (11)
- 連続紙から成り両面に印字可能な印字媒体を搬送する印字媒体搬送手段と、
前記印字媒体の一面側に印字する第1印字ヘッドと、
前記印字媒体の他面側に印字する第2印字ヘッドと、
前記第1および第2印字ヘッドについて前記各印字ヘッドの異常状態を検知する異常検知センサと、
前記異常検知センサによって、いずれか一方の前記印字ヘッドの異常が検知された場合、異常が検知された印字ヘッドで印字すべき印字データを、他方の正常な印字ヘッドによって印字するように制御する制御部と
を有することを特徴とするプリンタ。 - 前記第1および第2印字ヘッドに対して割り当てられた印字データを前記印字ヘッド毎に区別して記憶するメモリを有することを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
- 前記第1印字ヘッドおよび前記第2印字ヘッドは、共にサーマルヘッドであり、かつ、前記印字媒体は感熱紙であることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
- 正常な印字ヘッドで、1つの印刷ジョブを前記印字媒体の一面側にすべて印字することを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
- 前記制御部は、1つの印刷ジョブの開始前に、前記異常検知センサからの検知情報を受け取ることを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
- 前記制御部は、1つの印刷ジョブの途中であっても、前記異常検知センサからの検知情報を受け取ることを特徴とする請求項5記載のプリンタ。
- 前記異常検知センサによる検知は、前記印字ヘッドが所定温度を超えた場合には、異常と判定することを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
- 連続紙から成り両面に印字可能な印字媒体を搬送し、この印字媒体の一面側に第1印字ヘッドで印字するとともに、前記印字媒体の他面側に第2印字ヘッドで印字するプリンタの制御方法であって、
前記第1および第2印字ヘッドに対して異常検知センサにより前記各印字ヘッドの異常状態を検知し、
前記異常検知センサによっていずれか一方の前記印字ヘッドの異常が検知された場合に、異常が検知された印字ヘッドのプリント用データを、他方の正常な印字ヘッドによって印字することを特徴とするプリンタの制御方法。 - 連続紙から成り両面に印字可能な印字媒体を搬送し、この印字媒体の一面側に第1印字ヘッドで印字するとともに、前記印字媒体の他面側に第2印字ヘッドで印字するプリンタの制御方法であって、
前記第1および第2印字ヘッドに対して割り当てられた印字データをヘッド毎に区別してメモリに記憶し、
前記第1および第2印字ヘッドに対して異常検知センサにより前記各印字ヘッドの異常状態を検知し、
前記異常検知センサによっていずれか一方の前記印字ヘッドの異常が検知された場合に、異常が検知された印字ヘッドのプリント用データを、他方の正常な印字ヘッドによって前記印字媒体の同一面側に続けて印字することを特徴とするプリンタの制御方法。 - 異常が検知された印字ヘッドのプリント用データを、他方の正常な印字ヘッドによって前記印字媒体の同一面側に、同一向きで続けて印字することを特徴とする請求項9記載のプリンタの制御方法。
- 前記第1印字ヘッドおよび前記第2印字ヘッドは、共にサーマルヘッドであり、かつ、前記印字媒体は感熱紙であることを特徴とする請求項8乃至10のいずれか1項に記載のプリンタの制御方法。
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