JP2010040202A - ダイレクトアルコール型燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】送液に用いられるポンプの数を低減し、燃料電池全体としての出力電力の低下を低減したダイレクトアルコール型燃料電池を提供すること。
【解決手段】水分濃度が上昇した未反応燃料を供給する循環路3と高濃度メタノールを供給する高濃度燃料供給路5とを選択的に切り替えるバルブ6を、発電量の大小もしくは所定の時間間隔に基づいて切り替えられるように構成した。その結果、発電量を所定の範囲内において一定に保つことができる。また、バルブ6によって流路が切り替えられるので、駆動に伴って電力を消費するポンプ12を一つにすることができ、燃料電池全体の出力電力の低下を低減させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】水分濃度が上昇した未反応燃料を供給する循環路3と高濃度メタノールを供給する高濃度燃料供給路5とを選択的に切り替えるバルブ6を、発電量の大小もしくは所定の時間間隔に基づいて切り替えられるように構成した。その結果、発電量を所定の範囲内において一定に保つことができる。また、バルブ6によって流路が切り替えられるので、駆動に伴って電力を消費するポンプ12を一つにすることができ、燃料電池全体の出力電力の低下を低減させることができる。
【選択図】図1
Description
この発明は、アルコールを燃料としたノートパソコン、携帯電話、小型ビデオカメラ用などのような小型から、自動車、家庭での発電用の燃料電池に関し、特にその燃料供給装置に関するものである。
ダイレクトアルコール型の燃料電池は、比較的低い温度での発電が可能なこと、可燃性ガスを使用する燃料電池と比較して液体燃料を用いるために、燃料のエネルギー密度が高いこと、またその結果として燃料容器が小型化できること、さらには、貯蔵の難しい水素ガスを燃料として用いないことから、燃料電池全体の構成を小型化することができるなどの特徴を有する。したがって今後、ノートパソコン、小型ビデオカメラ、携帯電話などの小型携帯型の機器用電源として有望視される燃料電池である。
従来のダイレクトアルコール型の燃料電池は、水素ガスを燃料とした燃料電池と比較して燃料あたりの発電量、即ち発電効率が小さいなどの問題があり、その向上が課題になっている。
ダイレクトメタノール型の燃料電池において、その燃料極側にメタノールをポンプなどにより供給を行う。その発電部の燃料極側に供給されたメタノールは、メッシュ状の金属で構成された電極を透過し、さらに多孔質で構成されたガス拡散層を透過して触媒層に到達する。白金/ルテニウムの混合物によって構成された触媒層にメタノールとそれと同等以上の水分が到達あるいは触媒層に存在すると、メタノールは二酸化炭素、プロトン、電子に分解される。
CH3OH + H2O → CO2 + 6H+ + 6e− (1)
この時発生した二酸化炭素は、燃料が透過してきたガス拡散層および電極を通って外部へ放出される。また発生したプロトンは電解質膜中を透過し、空気供給側に移動する。さらにまた発生した電子は、導電体である多孔質のガス拡散層を透過して電極で捕捉され、反対側(空気供給側)の電極との間に形成した回路中を移動して電気を発生する。
CH3OH + H2O → CO2 + 6H+ + 6e− (1)
この時発生した二酸化炭素は、燃料が透過してきたガス拡散層および電極を通って外部へ放出される。また発生したプロトンは電解質膜中を透過し、空気供給側に移動する。さらにまた発生した電子は、導電体である多孔質のガス拡散層を透過して電極で捕捉され、反対側(空気供給側)の電極との間に形成した回路中を移動して電気を発生する。
電極の構造は、液体と気体とを透過させやすく、さらに電気を捕捉しやすいようにメッシュ状が望ましい。その電極の材料には、導電性が高く、かつ電気的腐食を受けないように白金あるいは金などの貴金属によってメッキ処理が施されたチタンあるいは鉄あるいは銅などの金属が望ましい。あるいは、板状の材料に一筆書き状に細い燃料流路を設け、その板材は金属性あるいはカーボン製として、燃料の流路と電極の両方の機能を持たせてもよい。
ガス拡散層は、電極と同様に液体と気体とを透過させやすくさらに電気の良導体であるカーボン繊維やカーボン紙などが望ましい。さらに望ましくは、ガス拡散層を構成する素材は、液体を透過させやすいよう水和処理を施しておくとよい。水和処理は酸化錫などをカーボン繊維などを含浸させることが一般的である。
空気供給側では、標準気圧によって吸入した空気中に含まれる酸素が、空気供給側の電極およびガス拡散層を経て触媒層に到達し、燃料供給側から移動してきたプロトンと電解質膜において、電子とともに反応して水が生成する。
3/2O2 +6H+ + 6e− → 3H2O (2)
上述した一般的なメタノール燃料電池において、液体状態のメタノールを標準気圧下で供給することは、必要とする電力を安定的に取り出すためには不十分である。そのため従来では、小型ポンプを用いて、メタノールの流量を制御しながら強制的に燃料電極へ供給している。また、燃料電池全体の発生する電力量を増やすためには、空気ファンなどの手段により、強制的に空気を空気供給側に送り込んでもよく、その場合その送風量に応じて供給するアルコールの量を増やすことで、燃料電池全体の発電量が向上する。
3/2O2 +6H+ + 6e− → 3H2O (2)
上述した一般的なメタノール燃料電池において、液体状態のメタノールを標準気圧下で供給することは、必要とする電力を安定的に取り出すためには不十分である。そのため従来では、小型ポンプを用いて、メタノールの流量を制御しながら強制的に燃料電極へ供給している。また、燃料電池全体の発生する電力量を増やすためには、空気ファンなどの手段により、強制的に空気を空気供給側に送り込んでもよく、その場合その送風量に応じて供給するアルコールの量を増やすことで、燃料電池全体の発電量が向上する。
一方で、メタノール水溶液を燃料とするダイレクトメタノール型燃料電池は、そのメタノール濃度が高くなるに従い、発電部での発電力が高まるため、少量の燃料で高い発電力を得たい場合はその濃度を高くすると、燃料電池全体の小型化、発電力の向上という観点で優れた特性を発揮できる。しかしながら、ある所定濃度以上になると、燃料クロスオーバと言われ、電解質膜に供給したメタノールが発電のために分解されることなく、電解質膜を一部透過し、また空気極側に配置した白金等の触媒で分解されることにより、燃料電池全体として起電力が低下してしまう現象が発生する。そのため、従来は使用する電解質膜の特性に応じて、燃料クロスオーバが発生しない範囲の濃度のメタノールを燃料タンクに貯留して使用していた。この場合に、そのメタノールの濃度に応じて電池の起電力は変動する一方で、燃料極側ではその分解反応において、水が必要とされ、また空気極側では、水が発生し、その水の一部が電解質膜を透過して燃料極側に供給される。したがって、メタノールを所定の濃度に保っための構成が起電力の安定の上で必要とされている。また、携帯型の小型電子デバイス用の電源として適用したい場合、燃料タンクも小型化することは必然的である。このためにもメタノールの濃度を出来るだけ高くすることにより、小型化が可能なことは言うまでもない。
ところで、前述したように、小型化のためにメタノール濃度を高く設定すると、発電部において燃料クロスオーバ現象が生じやすい。そこで未反応燃料と空気極側で発生した水とを循環利用し、かつ高濃度メタノールを循環利用される未反応燃料と水との濃度調整に用いることによって小型化を図れるように構成した例が下記の特許文献1ないし4に記載されている。特許文献1に記載された発明は、発電部の発電反応の反応生成物である水および発電反応に使用されなかった未反応燃料を回収し、再度発電部に循環できるように構成されている。また発電部に循環させる燃料は、反応生成物である水を含むために不可避的に循環燃料中のメタノール濃度が低下する。そのため循環燃料に高濃度メタノールを適宜補充して、循環燃料中のメタノール濃度が一定になるように構成されている。
特許文献2に記載された発明は、反応生成物である水および未反応燃料を循環利用する構成に加えて、発電部へ供給する燃料のメタノール濃度を検出し、検出されたメタノール濃度に基づいて、燃料に補充する高濃度メタノール量を調整し、発電部に供給される燃料濃度を所定値に調整できるように構成されている。
特許文献3に記載された発明は、反応生成物である水および未反応燃料を循環利用する構成に加えて、発電効率と最大出力とを生じるメタノール水溶液の濃度が異なることから、要求される発電量に応じてメタノール水溶液の濃度を調整できるように構成されている。
特許文献4に記載された発明は、反応生成物である水および未反応燃料を循環利用する構成に加えて、燃料クロスオーバを生じる濃度付近が最大出力を得ることから、燃料の流れに対して発電部の上流側と下流側との出力電力の差を検出し、その差に応じて発電部に供給するメタノール水溶液の濃度を調整できるように構成されている。
特開2007−115685号公報
特開2007ー220429号公報
特開2005ー32610号公報
特開2004−327354号公報
上述した特許文献1ないし特許文献4に記載された構成では、発電部の反応生成物である水および未反応燃料を循環させるためのポンプと、循環させる未反応燃料に対してメタノール濃度調整するために高濃度メタノールを供給するためのポンプとが必要になり、これにより燃料電池全体のサイズの小型化を達成することが難しくなる。また、上記のような燃料循環システムにおいて、循環される燃料の濃度を検出して、その濃度を高濃度燃料の供給量によって調整する場合に用いられるポンプは、厳密に高濃度メタノールの送出量を制御する必要がある。これは、厳密な制御をしない場合には、循環される燃料に供給する高濃度メタノール濃度がばらつくことによって、発電部に到達するメタノール水溶液の濃度が不安定になり、最終的には発電状態も不安定になるためである。さらに、一般にこのような制御性の高いポンプは高価であり、小型化も難しい。またポンプはその駆動に電力を消費する。そのため燃料電池全体としての出力電力を考えた場合、燃料電池全体の発電量からポンプの消費電力を差し引くので、燃料電池全体としての出力電力が低下してしまう。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、ポンプによる消費電力を抑え、燃料濃度の制御性のよい循環型の燃料供給システムを提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、メタノール水溶液を燃料とし、かつ水分濃度が上昇した未反応燃料を再利用するために循環させる循環路に、該水分濃度が上昇しメタノール濃度が低下した燃料を所定濃度に保つために供給される高濃度メタノールを混合する混合用タンクが設けられたダイレクトアルコール型燃料電池において、前記混合用タンクに前記水分濃度が上昇した未反応燃料を供給する循環路と前記高濃度メタノールを供給する高濃度燃料供給路とを選択的に切り替えるバルブと、発電量の大小もしくは所定の時間間隔に基づいて前記循環路と前記高濃度燃料供給路とを切り替えるように構成された前記バルブを切り替える手段とを備えていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、水分濃度が上昇した未反応燃料を供給する循環路と高濃度メタノールを供給する高濃度燃料供給路とを選択的に切り替えるバルブは、発電量の大小もしくは所定の時間間隔に基づいて流路を切り替えることができるので、発電量を所定の範囲内において一定に保つことができる。また、バルブによって流路が選択的に切り替えられて、水分濃度が上昇した未反応燃料もしくは高濃度燃料が混合用タンクに供給されるので、一つのポンプによって燃料を循環させ、また高濃度燃料を導出させることができる。さらにまた、バルブは発電量の大小もしくは所定の時間間隔に基づいて流路を切り替えるので、バルブの切り替え判断となるパラメータを得る手段を簡素化できる。さらに、バルブによって流路が切り替えられるので、駆動に伴って電力を消費するポンプを一つにすることができ、燃料電池全体の出力電力の低下を低減させることができる。
つぎにこの発明をより具体的に説明する。図1は、この発明の一構成例を示す図であって、ここに示す構成例では、発電部1から回収した水および未反応燃料に高濃度燃料を混合する混合用タンク2と、この混合用タンク2に発電部1から回収した燃料を供給する循環路3と、燃料タンク4に貯留された高濃度燃料を供給する燃料供給路5とが設けられ、循環路3と燃料供給路5とが混合用タンク2に対して、この発明におけるバルブである三方向バルブ6によって選択的に流路を切り替えられるように配置されている。
混合用タンク2に流入し、発電部1から回収した水および未反応燃料と高濃度燃料と混合され、その濃度を調整された燃料は、混合用タンク2から導出され、循環路3を介し、燃料吸入口7から発電部1に供給される。発電部1に供給された燃料は前述した(1)式および/または(2)式に示す化学反応をおこなって発電し、また水および二酸化炭素を生じる。発電の際に生じた水および二酸化炭素は発電部1に設けられた排出口8から排出される。この場合に不可避的に生じる未反応燃料も同時に排出口8から排出される。
排出口8から排出されるこれらの反応残渣は、循環路3を介して気液分離装置9に導入され、気体である二酸化炭素と液体である水および未反応燃料とに分離される。分離された二酸化炭素は図示しない排気口から燃料電池10の外部に排気される。また分離された水および未反応燃料は、循環路3に配置された三方向バルブ6に向けて導出される。
この三方向バルブ6は、前述したように循環路3と燃料供給路5とを選択的に切り替えられるように構成されている。ここで、三方向バルブ6による燃料流路の切り替え操作は、予め定めた発電量に対する実際の発電量の過不足を検出し、その発電量の過不足が所定値の範囲内に収まるようにおこなわれる。または、予め実験的に求めた時間間隔に基づいて、三方向バルブ6による燃料流路の切り替えがおこなわれる。
この発電量の検出もしくは所定の時間間隔と燃料流路の切り替え制御とは、三方向バルブ6に電気的に接続されている制御回路11によっておこなわれる。また前述したような電気的に制御される三方向バルブ6を用いる場合は、その切り替え制御あるいは操作によって消費される電力量を抑えるために、また燃料電池全体の発電量の低下を抑制するために、燃料流路の切り替え制御あるいは操作時にのみ電力を消費する電磁式のものが望ましい。
燃料タンク4に貯留された高濃度燃料は三方向バルブ6に向けて導出され、燃料供給路5を流動するように構成されている。三方向バルブ6と混合用タンク2との間には送液ポンプ12が介在されている。この送液ポンプ12は、所定時間に所定流量を送液できるものであればよく、所定時間に送液する流量を適宜可変できるようなものでなくともよい。
この送液ポンプ12の生じる送液圧力は、燃料タンク4に貯留された高濃度燃料が高濃度燃料供給路5を流動し、三方向バルブ6を介して循環路3に導出され、また混合用タンク2に貯留された燃料が循環路3を流動して発電部1に供給され、ならびに発電部1から排出され、さらにまた気液分離装置9から水および未反応燃料が導出される圧力として作用するように構成されている。
つぎに前述した気液分離装置9および混合用タンク2について説明する。図2は気液分離装置9を模式的に示す図であって、ここに示す例では、発電部1の排出口8から排出された反応残渣は循環路3を流動して気液分離装置9の貯留槽13に導入される。貯留槽13に導入された二酸化炭素は、図示しない排気口から燃料電池10の外部に排気される。一方、液体である水および未反応燃料は送液ポンプ12の生じる送液圧力によって循環路3に導出されて、再び発電部1に向けて循環される。
なお図示しないが、混合用タンク2は、気液分離装置9と同様に循環路3を流動する反応残渣もしくは高濃度燃料が図示しない導入口からその内部に導入される。高濃度燃料が導入された場合は、混合用タンク2はいわゆるバッファー槽のように働き、高濃度燃料が濃度の低下したメタノール水溶液に混ざり、送液ポンプ12の生じる送液圧力によって図示しない導出口から循環路3に導出されるように構成されている。
つぎにこの発明に係るダイレクトアルコール型燃料電池の動作例について説明する。燃料タンク4には高濃度なメタノールを貯留し、混合用タンク2および気液分離装置9には燃料クロスオーバーが発生しない最適な濃度のメタノール水溶液を予め溜めておく。気液分離装置9に貯留されたメタノール水溶液が循環路3を流動し、ポンプ12に導入されるように三方向バルブ6を操作し、またポンプ12を駆動させる。
ポンプ12の送液圧力によって流動された低濃度なメタノール水溶液は、混合用タンク2を経て発電部1に供給され、(1)式および/または(2)式に示す化学反応をおこなって発電される。発電部1の排出口8からは、前述した反応生成物である二酸化炭素および水と不可避的に生じる未反応メタノールが排出される。排出口8から排出されたこれらの反応残渣は気液分離装置9によって気体である二酸化炭素と液体である水および未反応メタノールとに分離される。分離された二酸化炭素は図示しない排気口から燃料電池10の外部に排気される。また分離された水および未反応メタノールは、発電部1に向けて再び循環される。
前述した循環をおこなう場合に、循環される燃料は水分濃度が上昇し、またメタノール濃度が低下しているので、そのまま発電部1に循環させて発電に使用すると、発電量の低下が生じる。このような発電量の低下を抑制するために、制御回路11によって発電量もしくは所定の時間間隔に基づいて三方向バルブ6を操作し、燃料タンク4からポンプ12に至る流路を開く。三方向バルブ6が操作されると、燃料タンク4に貯留された高濃度メタノールがポンプ12の送液圧力により混合用タンク2に導入される。混合用タンク2に導入された高濃度メタノールは、濃度が低下したメタノール水溶液に混ざり、ポンプ12の送液圧力により導出口から発電部1に供給される。三方向バルブ6の切り替えによる燃料タンク4からの高濃度メタノールの供給および/または停止操作は、要求される発電量に対する発電量の大小を検出しておこなわれる。また、その操作は、予め実験的に求めた所定の時間間隔に応じておこなわれる。
以下に、前述したダイレクトアルコール型燃料電池の実施例を説明する。燃料タンク4に貯留する高濃度燃料には、99vol%以上のメタノール(以下、高濃度メタノールと記す)を使用した。また、混合用タンク2および気液分離装置9に貯留するメタノール水溶液には、水を用いて希釈した10vol%メタノール水溶液(以下、メタノール水溶液と記す)を使用した。また三方向バルブ6は、予め実験的に求めた時間間隔によって制御されるように、制御回路11を設定した。
先ず、三方向バルブ6を操作し、ポンプ12の送液圧力によって気液分離装置9に貯留されたメタノール水溶液が循環路3に導出され発電部1に向けて流動できるように循環路3を開く。また同時に、三方向バルブ6によって、高濃度燃料供給路5を閉じて、燃料タンク4からの高濃度メタノールの導出が停止される。ついでポンプ12を駆動させると、混合用タンク2に貯留されたメタノール水溶液は、ポンプ12の生じる送液圧力によって循環路3に導出されて、発電部1に向けて流動され、また気液分離装置9に貯留されたメタノール水溶液は三方向バルブ6に向けて流動される。
発電部1に供給されたメタノール水溶液は、(1)式および/または(2)式に示す化学反応をおこなって発電される。発電の結果として発生した二酸化炭素および水と、不可避的に生じる未反応メタノールを含む反応残渣は、排出口8から排出される。排出されたこれらの反応残渣は気液分離装置9に導入されて、気体である二酸化炭素が分離され、排気口から燃料電池10外部に排気される。液体である水および未反応メタノールの混合液は、ポンプ12の生じる送液圧力によって気液分離装置9から循環路3に吸い上げられ、三方向バルブ6を通って、再び混合用タンク2に供給されるという循環を繰り返す。
三方向バルブ6は、制御回路11によって所定の時間間隔に基づいて流路を切り替えるように制御されている。すなわち、所定時間循環を繰り返した後に、制御回路11によって三方向バルブ6の流路が切り替えられて、燃料タンク4からポンプ12至る高濃度燃料供給路5が開かれ、また同時に気液分離装置9からポンプ12に至る流路が閉じられる。このようにして三方向バルブ6によって燃料タンク4からポンプ12至る高濃度燃料供給路5が開かれると、高濃度メタノールがポンプ12の送液圧力によって、混合用タンク2に供給され、濃度が低下したメタノール水溶液と混合されて、その濃度が高められる。そしてまた所定時間が経過すると、制御回路11によって三方向バルブ6の流路が切り替えられ、すなわち燃料タンク4からポンプ12至る高濃度燃料供給路5が閉じられ、また同時に気液分離装置9からポンプ12に至る流路が開かれる。なお、上述した構成では、ポンプ12の送液能力は変動させずに常に一定の送液量で駆動させる。
図3には、本実施例の三方向バルブ6の流路切り替えパターンを示してある。上下には直流電圧の正陰を示し、横軸には本実施例の駆動時間を示してある。図3において、ポンプ12の送液流量を一定にし、電圧の正陰を切り替えることによって、三方向バルブ6による流路の切り替えを制御している。また、流路を切り替えた場合に、発電部1において生じた反応残渣を再び発電部1に循環させる時間T1は10秒とし、高濃度メタノールを燃料タンク4から導出させる時間T2は1秒とした。
図4には、本実施例の流路切り替えパターンをおこなった場合の発電特性を示してある。縦軸には発電力を示し、横軸には本実施例の駆動時間を示してある。なお、本実施例において、図1に示す構成を有するダイレクトアルコール型燃料電池の要求発電量は10Wに設定した。本実施例において、前述した所定時間T1である10秒が経過した後は、すなわち高濃度メタノールの供給直前は、破断線で示した9.7Wまで出力電力が低下する。しかしながら、同時に三方向バルブ6によって流路が切り替えられて、高濃度メタノールが燃料タンク4から1秒間(T2)導出されて、混合用タンク2に供給される。そしてまた同時に三方向バルブ6によって流路が切り替えられて、高濃度メタノールと濃度の低下したメタノール水溶液とが混合されて、その濃度が高められたメタノール水溶液が発電部1に循環される。その結果、循環されるメタノール水溶液の濃度の低下に伴って9.7Wまで低下した出力電力は、高濃度メタノールとの混合により要求発電量である10Wまで上昇される。また、所定時間T1が経過するまで、循環されるメタノール水溶液は(1)式および/または(2)式に示す化学反応に伴って消費される。さらにまた、出力電力は、循環されるメタノール水溶液の濃度の低下に伴って、前述と同様に低下し、所定時間T1が経過すると再び高濃度メタノールが供給されて、要求発電量まで上昇される。このように、所定時間T1とT2を定めてメタノール水溶液の循環と高濃度メタノールの供給とを繰り返すことによって、ダイレクトアルコール型燃料電池の発電量を所定の範囲内において一定に保つことができる。
発電量の低下の幅を小さく抑えるためには、高濃度メタノールの供給サイクルを短く設定し、メタノール水溶液の濃度の低下の幅を抑えればよい。すなわち、三方向バルブ6による流路の切り替えパターンを短くするように設定すればよい。また、燃料電池全体として大電力が必要な場合には、三方向バルブ6を制御し、高濃度メタノールの供給時間T2を長く設定し、循環されるメタノール水溶液の濃度を上昇させればよい。言い換えれば、必要とされる要求発電量に応じて、三方向バルブ6を操作して、高濃度メタノールの供給量を変量すればよい。また燃料タンク4に99vol%以上の高濃度メタノールを貯留することが安全上好ましくない場合には、毒劇物の法規に準じた60vol%以下のメタノール水溶液を燃料タンク4に貯留すればよい。このような場合は、燃料タンク4から混合用タンク2に供給するメタノール水溶液の供給時間T2を長く設定すればよい。
なお、前述した実施例では、三方向バルブ6による流路の切り替えパターンを予め定めた所定時間T1とT2とに基づいて設定したが、発電部1の発電量を制御回路11にて検出し、発電量が所定値以下になった場合に、三方向バルブ6による流路の切り替え操作をおこなってもよい。
また、循環させるメタノール水溶液の濃度は前述した実施例の10vol%に囚われる必要はない。これは、発電部1を構成する材料、スタック数、温度などの外部環境などに応じて最適な燃料濃度を調整するためである。さらにまた、燃料を送液するポンプ12は、発電量に過不足があった場合に、送液流量を自動的に変更できる制御性を有するものとしてもよい。
2…混合用タンク、 3…循環路、 5…燃料供給路、 6…三方向バルブ。
Claims (1)
- メタノール水溶液を燃料とし、かつ水分濃度が上昇した未反応燃料を再利用するために循環させる循環路に、該水分濃度が上昇しメタノール濃度が低下した燃料を所定濃度に保つために供給される高濃度メタノールを混合する混合用タンクが設けられたダイレクトアルコール型燃料電池において、
前記混合用タンクに前記水分濃度が上昇した未反応燃料を供給する循環路と前記高濃度メタノールを供給する高濃度燃料供給路とを選択的に切り替えるバルブと、
発電量の大小もしくは所定の時間間隔に基づいて前記循環路と前記高濃度燃料供給路とを切り替えるように構成された前記バルブを切り替える手段と
を備えていることを特徴とするダイレクトアルコール型燃料電池。
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