JP2007066814A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】出力を向上することができる燃料電池を提供すること。
【解決手段】燃料であるメタノール水溶液が供給される触媒が担持された燃料極11と、酸化ガスである空気が供給される触媒が担持された空気極12と、この燃料極11と空気極12との間に挟持される電解質膜13と、メタノール水溶液が燃料極11に供給される前に、このメタノール水溶液に酸化物である空気を混入する酸化物混入手段40と、を備える。燃料極11にメタノール水溶液とともに供給された空気の酸素は、燃料極11において生成された一酸化炭素と反応し、この一酸化炭素から二酸化炭素を生成する。これにより、一酸化炭素による触媒の被毒が抑制され、出力が向上する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料電池に関し、さらに詳しくは、電解質膜の水素イオン伝導性を利用した燃料電池に関するものである。
近年、特許文献1に示すように触媒が担持された燃料極および空気極と、この燃料極と空気極との間に水素イオンを透過することができる電解質膜を挟持した燃料電池が提案されている。この燃料電池では、この燃料極に燃料を供給し、空気極に酸化ガスを供給することで、燃料極と空気極との間で電力が発生するものである。
この燃料電池には、例えばメタノール水溶液などの液体を燃料として、燃料極に供給し、電力を発生させる直接型燃料電池がある。この直接型燃料電池では、燃料極に供給されたメタノールがこの燃料極の触媒により、下記の式(1)に示す電気化学反応を起こし、電子と水素イオンとが生成される。

CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(1)
電子は、燃料極と空気極とに接続された負荷部を通過し、空気極に移動する。なお、電子がこの負荷部を通過することで、負荷部に電力が供給される。また、水素イオンは、電解質膜を透過し、空気極に移動する。この空気極に移動した電子および水素イオンと、空気極に供給された酸化ガスの酸素とが、空気極の触媒により、下記の式(2)に示す電気化学反応を起こし、水となる。

6H++6e-+1.5O2 → 3H2O …(2)
特開平5−283093号公報
ところで、上記式(1)の電気化学反応により、メタノール水溶液から二酸化炭素が生成される過程において、一酸化炭素(CO)が生成される。この一酸化炭素は、触媒に吸着されるため、この触媒が被毒される。具体的には、この触媒が白金(Pt)を主成分とするものであり、この白金と一酸化炭素とが下記の式(3)に示す反応を起こし、触媒である白金が被毒されることとなる。

CO+Pt → Pt(CO)ad …(3)
触媒である白金が被毒されると、燃料極における電気化学反応が起こりにくくなり、燃料電池としての出力が低下するという問題があった。ここで、従来の燃料電池では、白金の被毒を抑制するために、この白金と他の貴金属、例えばルテニウムとの合金を触媒として燃料極に担持させたものがある。しかしながら、この従来の燃料電池でも、白金は被毒されるため、十分な出力を得ることができるものではなかった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、出力を向上することができる燃料電池を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明では、前記燃料が供給される触媒が担持された燃料極と、酸化ガスが供給される触媒が担持された空気極と、前記燃料極と前記空気極との間に挟持される電解質膜と、前記燃料が前記燃料極に供給される前に、当該燃料に酸化物を混入する酸化物混入手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、燃料極に供給される燃料には酸化物が混入されることとなる。従って、燃料極における電気化学反応により、燃料から二酸化炭素が生成される過程において生成される一酸化炭素は、この燃料極に燃料とともに供給された酸化物の酸素と、化学反応を起こし、二酸化炭素となる。つまり、生成された一酸化炭素が触媒を被毒することを抑制することができる。また、触媒に吸着され、この触媒を被毒した一酸化炭素も、同様にこの燃料極に燃料とともに供給された酸化物の酸素と、化学反応を起こし、二酸化炭素となる。つまり、触媒を被毒した一酸化炭素をこの触媒から離脱することができる。これらにより、触媒の被毒を十分に抑制することができる。
また、この発明では、上記燃料電池において、前記酸化物混入手段は、前記酸化物を気泡として前記燃料に混入することを特徴とする。
この発明によれば、酸化物が燃料に気泡として混入される。従って、燃料極に供給される燃料に、酸化物を均一に混入することができる。これにより、燃料極に供給される燃料には、酸化物が確実に混入されるので、触媒の被毒をさらに抑制することができる。
また、この発明では、上記燃料電池において、前記酸化物は、前記空気極に供給される酸化ガスの少なくとも一部であることを特徴とする。
この発明によれば、燃料に混入される酸化物は、空気極に供給される酸化ガスの少なくとも一部である。従って、1つのポンプにより、燃料に酸化物を混入することができ、空気極に酸化ガスを供給することができる。これにより、燃料に酸化物を混入するための新たなポンプを必要としないので、燃料電池を簡単な構成とすることができる。
また、この発明では、前記酸化物混入手段は、前記燃料に混入されなかった酸化物を前記空気極に供給することを特徴とする。
この発明によれば、燃料に混入されなかった酸化物は、空気極に供給されるので、空気極に担持された触媒による電気化学反応に利用することができる。
この発明にかかる燃料電池は、触媒の被毒を十分に抑制することができるので、出力を向上することができるという効果を奏する。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施例における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの或いは実質的に同一のものが含まれる。ここで、以下の説明では、燃料としてメタノール水溶液、酸化ガスとして空気、触媒として白金を用いる場合について説明するが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、燃料としては、メタノール水溶液の他に、メタノール、エタノール、エタノール水溶液、エチレングリコール、エチレングリコール水溶液などの、燃料極の触媒により電気化学反応を起こした際に、二酸化炭素が生成される燃料であればいずれであっても良い。また、酸化ガスとしては、空気の他に、酸素ガスなどであっても良い。
図1は、実施例1にかかる燃料電池の概略構成例を示す図である。図2−1および図2−2は、酸化物供給配管の先端形状を示す図である。図1に示すように、実施例1にかかる燃料電池1−1は、少なくとも1以上のセル10と、燃料供給手段20と、酸化ガス供給手段30と、酸化物供給手段40とにより構成されている。なお、50は、この燃料電池1−1に備えられるポンプの駆動制御を行う制御装置である。また、60は、この燃料電池1−1により電力が供給される負荷部である。この負荷部は、例えばパソコンや携帯電話などの電子機器である。
セル10は、燃料極11と、空気極12と、電解質膜13と、燃料極側セパレータ14と、空気極側セパレータ15とにより構成されている。このセル10では、燃料極11、空気極12および電解質膜13が燃料極側セパレータ14と空気極側セパレータ15と間に配置されている。
燃料極11は、多孔質カーボンに触媒である白金(Pt)とルテニウム(Ru)との合金を担持させたものである。この燃料極11は、燃料供給手段20によりメタノール水溶液が供給されるものである。
空気極12は、多孔質カーボンに触媒である白金(Pt)を担持させたものである。この空気極12は、酸化ガス供給手段30により酸化ガスである空気が供給されるものである。
電解質膜13は、水素イオン伝導性、すなわち水素イオンを透過することができるものであり、この実施例1では固体高分子から構成されている。この電解質膜13は、上記燃料極11と空気極12との間に配置され、この燃料極11と空気極12との間に挟持されている。従って、この電解質膜13は、燃料極11で生成された水素イオンを空気極12に移動することができる。
燃料極側セパレータ14は、燃料極11と対向する面に複数の溝14aが形成されている。各溝14aは、その一方の端部が燃料供給通路14bに連通しており、他方の端部が燃料排出通路14cに連通している。従って、燃料供給手段20からのメタノール水溶液は、燃料供給通路14bを介して各溝14aに導入される。そして、このメタノール水溶液は、この各溝14aを通過する際に、燃料極11に担持された触媒と接触することで、燃料極11に供給される。なお、各溝14aにおいて後述する電気化学反応に用いられなかったメタノール水溶液は、燃料排出通路14cを介してセル10から排出される。
空気極側セパレータ15は、空気極12と対向する面に複数の溝15aが形成されている。各溝15aは、その一方の端部が酸化ガス供給通路15bに連通しており、他方の端部が酸化ガス排出通路15cに連通している。従って、酸化ガス供給手段30からの空気は、酸化ガス供給通路15bを介して各溝15aに導入される。そして、この空気は、この各溝15aを通過する際に、空気極12に担持された触媒と接触することで、空気極12に供給される。なお、各溝15aにおいて後述する電気化学反応に用いられなかった空気およびこの電気化学反応によって生成された水は、酸化ガス排出通路15cを介してセル10から排出される。
燃料供給手段20は、燃料であるメタノール水溶液を燃料極11に供給するものであり、燃料タンク21と、燃料ポンプ22と、燃料供給配管23と、燃料排出配管24とにより構成されている。燃料タンク21は、燃料であるメタノール水溶液を貯留するものである。燃料ポンプ22は、燃料供給配管23の途中に設けられており、後述する制御装置50から出力される燃料ポンプ駆動信号により駆動制御が行われるものである。燃料供給配管23は、一方の端部が燃料タンク21に連通しており、他方の端部が燃料極側セパレータ14の燃料供給通路14bと連通している。燃料排出配管24は、一方の端部が燃料極側セパレータ14の燃料排出通路14cと連通しており、他方の端部が燃料タンク21に連通している。従って、燃料供給手段20は、制御装置50により燃料ポンプ22が駆動されることで、燃料供給配管23を介して燃料タンク21内のメタノール水溶液をセル10に圧送し、燃料極11に供給する。そして、燃料極11に供給されたメタノール水溶液の一部が燃料排出配管24を介して、燃料タンク21に再び戻される。なお、25は、燃料タンク21内の圧力を一定に維持するための燃料タンク通気配管である。
ここで、燃料排出配管24を介して、燃料タンク21に戻るメタノール水溶液は、メタノール水溶液が電気化学反応に用いられるため、その濃度が低下する。従って、燃料タンク21には、メタノール水溶液の濃度を調整する濃度調整手段が備えられている。この濃度調整手段は、図示しないメタノールタンクと、濃度調整ポンプ26と、濃度調整配管27と、濃度センサ28と、により構成されている。図示しないメタノールタンクは、原液のメタノールを貯留するものである。濃度調整ポンプ26は、濃度調整配管27の途中に設けられており、後述する制御装置50から出力される濃度調整ポンプ駆動信号により駆動制御が行われるものである。濃度調整配管27は、一方の端部が図示しないメタノールタンクに連通しており、他方の端部が燃料タンク21と連通している。濃度センサ28は、燃料タンク21内のメタノール水溶液の濃度を検出するものであり、メタノール水溶液の濃度は、制御装置50に出力される。
この濃度調整手段は、例えば濃度センサ28により検出された燃料タンク21内のメタノール水溶液の濃度が所定値以下の場合に、制御装置50から濃度調整ポンプ駆動信号が出力され、濃度調整ポンプ26が駆動する。濃度調整ポンプ26が駆動することで、濃度調整配管27を介して、図示しないメタノールタンク内の原液のメタノールが燃料タンク21に圧送し、供給することとなる。
酸化ガス供給手段30は、酸化ガスである空気を空気極12に供給するものであり、酸化ガスポンプ31と、酸化ガス供給配管32と、酸化ガス排出配管33とにより構成されている。酸化ガスポンプ31は、酸化ガス供給配管32の途中に設けられており、後述する制御装置50から出力される酸化ガスポンプ駆動信号により駆動制御が行われるものである。酸化ガス供給配管32は、一方の端部が燃料電池1−1の外部に解放されており、他方の端部が空気極側セパレータ15の酸化ガス供給通路15bと連通している。酸化ガス排出配管33は、一方の端部が空気極側セパレータ15の酸化ガス排出通路15cと連通しており、他方の端部が燃料電池1−1の外部に解放されている。従って、酸化ガス供給手段30は、制御装置50により酸化ガスポンプ31が駆動されることで、酸化ガス供給配管32を介して外部の空気をセル10に圧送し、空気極12に供給する。そして、酸化ガス排出配管33を介して、空気極12に供給された空気の一部が外部に排出される。
酸化物供給手段40は、酸化物、この実施例1では空気を燃料であるメタノール水溶液に混入するものであり、酸化物混入タンク41と、酸化物ポンプ42と、酸化物供給配管43と、により構成されている。酸化物混入タンク41は、酸化物である空気を燃料であるメタノール水溶液に混入させるためのものである。この酸化物混入タンク41は、燃料ポンプ22より下流側の燃料供給配管23に設けられている。酸化物ポンプ42は、酸化物供給配管43の途中に設けられており、後述する制御装置50から出力される酸化物ポンプ駆動信号により駆動制御が行われるものである。酸化物供給配管43は、一方の端部が燃料電池1−1の外部に解放されており、他方の端部が酸化物混入タンク41に挿入されている。酸化物混入タンク41内におけるこの酸化物供給配管43の他方の端部の位置は、この酸化物混入タンク41に流入したメタノール水溶液内となるように設定されている。この酸化物供給配管43の他方の端部は、例えば図2−1に示すような1つの開口部43a、あるいは図2−2に示すような複数の開口部43bが形成されている。従って、酸化物供給手段40は、制御装置50により酸化物ポンプ42が駆動されることで、外部の空気を酸化物供給配管43の開口部43a,43bから気泡Kとして、酸化物混入タンク41に放出する。なお、44は、酸化物混入タンク41内でメタノール水溶液に混入されなかった酸化物をこの酸化物混入タンク41外に排出する酸化物排出配管である。
制御装置50は、上記実施例1にかかる燃料電池1−1を制御するものである。具体的には、図示しない入出力ポート(I/O)、処理部、記憶部などにより構成され、この処理部から入出力ポートを介して、上述した各種ポンプに駆動信号を出力することで、各種ポンプの駆動制御を行うものである。
次に、実施例1にかかる燃料電池1−1の動作について説明する。まず、制御装置50は、燃料ポンプ22、酸化ガスポンプ31および酸化物ポンプ42に各種駆動信号を出力し、これら各種ポンプを駆動させる。燃料ポンプ22が駆動することで、燃料タンク21内のメタノール水溶液は、燃料供給配管23を介して、酸化物混入タンク41に供給される。また、酸化物ポンプ42が駆動することで、燃料電池1−1の外部の空気が酸化物混入タンク41内に供給される。このとき、燃料電池1−1の外部の空気は、酸化物供給配管43の先端部に形成された開口部43aあるいは開口部43bから気泡Kとして、酸化物混入タンク41内に供給されたメタノール水溶液に混入される。従って、燃料極11に供給される燃料であるメタノール水溶液に、酸化物である空気を均一に混入することができる。これにより、燃料極11に供給されるメタノール水溶液には、空気が確実に混入されるので、後述する触媒の被毒を抑制することができる。
次に、空気が混入された酸化物混入タンク41内のメタノール水溶液は、燃料供給配管23を介して、燃料極11に供給され、この燃料極11に担持された触媒により、下記式(4)の電気化学反応を起こし、水素イオンと電子とが生成される。この生成された水素イオンは、燃料極11と空気極12との間に挟持された電解質膜を透過して空気極12に移動する。一方、生成された電子は、この燃料極11と空気極12とに接続された負荷部60を通過し、この負荷部60に電力を供給して、空気極12に移動する。なお、燃料極11に供給され上記電気化学反応に用いられなかった燃料であるメタノール水溶液は、燃料排出配管24を介して、燃料タンク21内に戻される。

CH3OH+H2O → CO2+6H++6e- …(4)
また、酸化ガスポンプ31が駆動することで、燃料電池1−1の外部の空気は、酸化ガス供給配管32を介して、空気極12に供給される。この空気極12に供給された空気の酸素と、空気極12に移動した水素イオンおよび電子とは、この空気極12に担持された触媒により、下記式(5)の電気化学反応を起こし、水が生成される。生成された水は、空気極12に供給され上記電気化学反応に用いられなかった空気とともに、酸化ガス排出配管33を介して、燃料電池1−1の外部に排出される。

6H++6e-+1.5O2 → 3H2O …(5)
このとき、燃料極11においては、上記式(4)の電気化学反応により、メタノール水溶液から二酸化炭素が生成される。このメタノール水溶液から二酸化炭素が生成される過程において、一酸化炭素が生成されているが、この燃料極11には気泡となった空気がメタノール水溶液とともに供給される。従って、燃料極11の一酸化炭素は、この気泡である空気の酸素と、下記の式(6)の化学反応を起こし、二酸化炭素が生成される。つまり、一酸化炭素は、燃料極11に燃料であるメタノール水溶液とともに供給された酸化物の酸素により二酸化炭素となるので、生成された一酸化炭素が燃料極11に担持された触媒の白金を被毒することを抑制することができる。

CO+0.5O2 → CO2 …(6)
また、上記生成された一酸化炭素が、触媒の白金と、下記の式(7)の反応を起こしても、この触媒に吸着され、この触媒を被毒した一酸化炭素も、この気泡である空気の酸素と、下記の式(8)の化学反応を起こし、二酸化炭素が生成される。つまり、燃料極11の触媒を被毒した一酸化炭素は、この燃料極11に燃料であるメタノール水溶液とともに供給された酸化物の酸素によりこの触媒から離脱することができるので、生成された一酸化炭素が燃料極11に担持された触媒の白金を被毒することをさらに抑制することができる。

CO+Pt → Pt(CO)ad …(7)
Pt(CO)ad+O2 → Pt+CO2 …(8)
以上のように構成された燃料電池1−1では、触媒の被毒を十分に抑制することができる。ここで、図3−1および図3−2は、電圧と経過時間との関係を示す図である。なお、図3−1では、メタノール水溶液のメタノール濃度を5wt%、セル10の作動温度を80℃、電流を0.2A/cm2、燃料極11の触媒量を0.75mg/cm2としたものである。また、図3−2では、メタノール水溶液のメタノール濃度を5wt%、セル10の作動温度を80℃、電流を0.2A/cm2、燃料極11の触媒量を0.5mg/cm2としたものである。
燃料極11に触媒として白金とルテニウムの合金が担持され、燃料極11に酸化物を供給する場合(図3−1の矢印A)は、燃料極11に触媒として白金とルテニウムの合金が担持され、燃料極11に酸化物を供給しない場合(同図の矢印B)と比較して、時間とともに電圧が低下することを抑制することができる。これは、燃料極11に担持された触媒の被毒を抑制することができているためである。なお、燃料極11に触媒として白金とルテニウムの合金が担持され、燃料極11に酸化物を供給する場合(図3−1の矢印A)は、燃料極11に触媒として白金のみが担持され、燃料極11に酸化物を供給しない場合(同図の矢印c)と比較しても、時間とともに電圧が低下することを抑制することができる。
また、図3−2に示すように、燃料極11の触媒量が少なくても、燃料極11に酸化物を供給する場合(同図の矢印D)は、燃料極11に酸化物を供給しない場合(同図の矢印E)と比較して、時間とともに電圧が低下することを抑制することができる。以上のように、燃料極11の触媒の被毒を抑制することができるので、燃料電池1−1の出力を向上することができる。
次に、実施例2にかかる燃料電池1−2について説明する。図4は、実施例2にかかる燃料電池の概略構成例を示す図である。図4に示す実施例2にかかる燃料電池1−2が、図1に示す実施例1にかかる燃料電池1−1と異なる点は、酸化物供給手段と酸化ガス供給手段とを共用した点である。なお、図4に示す実施例2にかかる燃料電池1−2の基本的構成は、図1に示す実施例1にかかる燃料電池1−1の基本的構成と同様であるため、その説明は省略する。
実施例2にかかる酸化ガス供給手段30は、燃料であるメタノール水溶液に酸化物であり、酸化ガスでもある空気を混入させた後、この空気を空気極12に供給するものである。この実施例2にかかる酸化ガス供給手段30は、酸化ガスポンプ31と、酸化ガス排出配管33と、第1酸化ガス供給配管34と、酸化物混入タンク35と、第2酸化ガス供給配管36と、により構成されている。第1酸化ガス供給配管34は、一方の端部が燃料電池1−2の外部に解放されており、他方の端部が酸化物混入タンク35に挿入されている。酸化物混入タンク35内におけるこの第1酸化ガス供給配管34の他方の端部の位置は、この酸化物混入タンク35に流入したメタノール水溶液内となるように設定されている。この第1酸化物供給配管34の他方の端部は、実施例1と同様に、1つの開口部、あるいは複数の開口部が形成されている。酸化物混入タンク35は、燃料ポンプ22より下流側の燃料供給配管23に設けられている。
また、第2酸化ガス供給配管36は、一方の端部が酸化物混入タンク35と連通しており、他方の端部が空気極側セパレータ15の酸化ガス供給通路15bと連通している。酸化物混入タンク35におけるこの第2酸化ガス供給配管36の連通位置は、この酸化物混入タンク35に流入したメタノール水溶液外となるように、すなわちメタノール水溶液に混入されてなかった空気内となるように設定されている。従って、この実施例2にかかる酸化ガス供給手段30は、制御装置50により酸化ガスポンプ31が駆動されることで、第1酸化ガス供給配管34を介して外部の空気をまず酸化物混入タンク35に圧送する。そして、第2酸化ガス供給配管36を介して、この酸化物混入タンク35の余剰の空気を、セル10に圧送し、空気極12に供給する。そして、酸化ガス排出配管33を介して、空気極12に供給された空気の一部が外部に排出される。
つまり、この実施例2にかかる酸化ガス供給手段30は、空気極12に供給される酸化ガスである空気を酸化物として、燃料であるメタノール水溶液に混入し、この燃料であるメタノール水溶液に混入されなかった酸化物である空気を空気極12に供給するものである。
次に、実施例2にかかる燃料電池1−2の動作について説明する。なお、図4に示す実施例2にかかる燃料電池1−2の基本的動作は、図1に示す実施例1にかかる燃料電池1−1の基本的動作と同様であるため、簡略して説明する。まず、制御装置50により、燃料ポンプ22、酸化ガスポンプ31を駆動させる。燃料ポンプ22が駆動することで、燃料タンク21内のメタノール水溶液は、燃料供給配管23を介して、酸化物混入タンク35に供給される。また、酸化ガスポンプ31が駆動することで、燃料電池1−2の外部の空気は、第1酸化ガス供給配管を介して酸化物混入タンク35内に気泡として供給され、このメタノール水溶液に混入される。
次に、空気が混入された酸化物混入タンク35内のメタノール水溶液は、燃料供給配管23を介して、燃料極11に供給され、この燃料極11に担持された触媒により、上記式(4)の電気化学反応を起こし、水素イオンと電子とが生成され、負荷部60に電力が供給される。
また、酸化物混入タンク35内で燃料であるメタノール水溶液に混入されなかった空気は、第2酸化ガス供給配管36を介して、空気極12に供給され、この空気極12に担持された触媒により、上記式(5)の電気化学反応を起こし、水が生成される。
このとき、燃料極11においては、燃料であるメタノール水溶液から一酸化炭素が生成されているが、この燃料極11には空気(空気を構成する酸素)がメタノール水溶液とともに供給されるので、この生成された一酸化炭素が燃料極11に担持された触媒の白金を被毒することを抑制することができる。燃料極11の触媒の被毒を抑制することができるので、上記実施例1と同様に、燃料電池1−2の出力を向上することができる。また、燃料であるメタノール水溶液に混入される酸化物である空気は、空気極12に供給される酸化ガスである空気であるので、1つのポンプ、すなわち酸化物ポンプ31により、燃料であるメタノール水溶液に酸化物である空気を混入することができ、空気極12に酸化ガスである空気を供給することができる。これにより、実施例1と比較して、燃料であるメタノール水溶液に酸化物である空気を混入するための新たなポンプを必要としないので、燃料電池を簡単な構成とすることができる。また、燃料であるメタノール水溶液に混入されなかった酸化物である空気は、空気極12に供給されるので、空気極12に担持された触媒による電気化学反応に利用することができる。
なお、上記実施例2においては、燃料電池1−2の外部の空気の全部が酸化物混入タンク35を通過して、空気極12に供給されているが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、第1酸化ガス供給配管34を分岐し、分岐された一方より酸化物混入タンク35内に酸化物である空気を供給し、分岐された他方より空気極12に酸化ガスである空気を供給しても良い。
次に、実施例3にかかる燃料電池1−3について説明する。図5は、実施例3にかかる燃料電池の概略構成例を示す図である。図5に示す実施例3にかかる燃料電池1−3が、図1に示す実施例1にかかる燃料電池1−1と異なる点は、酸化物供給手段が酸化物として、過酸化水素を燃料に供給する点である。なお、図5に示す実施例3にかかる燃料電池1−3の基本的構成は、図1に示す実施例1にかかる燃料電池1−1の基本的構成と同様であるため、その説明は省略する。
酸化物供給手段70は、酸化物、この実施例3では過酸化水素を燃料であるメタノール水溶液に混入するものであり、酸化物タンク71と、酸化物ポンプ72と、酸化物供給配管73と、により構成されている。酸化物タンク71は、酸化物である過酸化水素の水溶液、すなわち過酸化水素水を貯留するものである。酸化物ポンプ72は、酸化物供給配管73の途中に設けられており、後述する制御装置50から出力される酸化物ポンプ駆動信号により駆動制御が行われるものである。酸化物供給配管73は、一方の端部が酸化物タンク71に連通しており、他方の端部が燃料タンク21に連通している。従って、酸化物供給手段70は、制御装置50により酸化物ポンプ72が駆動されることで、酸化物供給配管73を介して、酸化物タンク71内のメタノール水溶液を燃料タンク21に圧送し、燃料タンク21に供給する。
次に、実施例3にかかる燃料電池1−3の動作について説明する。なお、図5に示す実施例3にかかる燃料電池1−3の基本的動作は、図1に示す実施例1にかかる燃料電池1−1の基本的動作と同様であるため、簡略して説明する。まず、制御装置50により、燃料ポンプ22、酸化ガスポンプ31および酸化物ポンプ72を駆動させる。燃料ポンプ22が駆動することで、燃料タンク21内のメタノール水溶液は、燃料供給配管23を介して、燃料極11に供給される。また、酸化物ポンプ72が駆動することで、過酸化水素水は、酸化物供給配管73を介して燃料タンク21内に供給され、この燃料タンク21内のメタノール水溶液に過酸化水素が混入される。
次に、過酸化水素が混入された燃料タンク21内のメタノール水溶液は、燃料供給配管23を介して、燃料極11に供給され、この燃料極11に担持された触媒により、上記式(4)の電気化学反応を起こし、水素イオンと電子とが生成され、負荷部60に電力が供給される。
また、酸化ガスポンプ31が駆動することで、燃料電池1−3の外部の空気は、酸化ガス供給配管32を介して、空気極12に供給され、この空気極12に担持された触媒により、上記式(5)の電気化学反応を起こし、水が生成される。
このとき、燃料極11においては、燃料であるメタノール水溶液から一酸化炭素が生成されているが、この燃料極11には過酸化水素(過酸化水素を構成する酸素)がメタノール水溶液とともに供給されるので、この生成された一酸化炭素が燃料極11に担持された触媒の白金を被毒することを抑制することができる。以上のように、燃料極11の触媒の被毒を抑制することができるので、上記実施例1と同様に、燃料電池1−3の出力を向上することができる。
なお、上記実施例1,3においては、酸化物ポンプ41,72が燃料電池1−1,1−3の作動、すなわち燃料ポンプ22および酸化ガスポンプ31の駆動と同時に駆動するようにされているが、この発明はこれに限定されるものではない。例えば、駆動と停止とを繰り返しても良い。つまり、間欠で駆動しても良い。この場合、酸化物ポンプ41,72は、所定間隔ごとに所定時間駆動するようにしても良い。また、燃料であるメタノール水溶液に対する酸化物である空気あるいは過酸化水素の混入量あるいは混入率を検出する図示しない混入センサを備え、酸化物ポンプ41,72は、この検出された燃料に対する酸化物の混入量あるいは混入率が所定値以下の際に駆動するようにしても良い。
以上のように、この発明にかかる燃料電池は、電解質膜の水素イオン伝導性を利用した燃料電池に有用であり、特に、出力を向上するのに適している。
実施例1にかかる燃料電池の概略構成例を示す図である。 酸化物供給配管の先端形状を示す図である。 酸化物供給配管の先端形状を示す図である。 電圧と経過時間との関係を示す図である。 電圧と経過時間との関係を示す図である。 実施例2にかかる燃料電池の概略構成例を示す図である。 実施例3にかかる燃料電池の概略構成例を示す図である。
符号の説明
1−1〜1−3 燃料電池
10 セル
11 燃料極
12 空気極
13 電解質膜
14 燃料極側セパレータ
14a 溝
14b 燃料供給通路
14c 燃料排出通路
15 空気極側セパレータ
15a 溝
15b 酸化ガス供給通路
15c 酸化ガス排出通路
20 燃料供給手段
21 燃料タンク
22 燃料ポンプ
23 燃料供給配管
24 燃料排出配管
25 燃料タンク通気配管
26 濃度調整ポンプ
27 濃度調整配管
28 濃度センサ
30 酸化ガス供給手段
31 酸化ガスポンプ
32 酸化ガス供給配管
33 酸化ガス排出配管
34 第1酸化ガス供給配管
35 酸化物混入タンク
36 第2酸化ガス供給配管
40 酸化物供給手段
41 酸化物混入タンク
42 酸化物ポンプ
43 酸化物供給配管
44 酸化物排出配管
50 制御装置
60 負荷部
70 酸化物供給手段
71 酸化物タンク
72 酸化物ポンプ
73 酸化物供給配管
K 気泡

Claims (4)

  1. 前記燃料が供給される触媒が担持された燃料極と、
    酸化ガスが供給される触媒が担持された空気極と、
    前記燃料極と前記空気極との間に挟持される電解質膜と、
    前記燃料が前記燃料極に供給される前に、当該燃料に酸化物を混入する酸化物混入手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池。
  2. 前記酸化物混入手段は、前記酸化物を気泡として前記燃料に混入することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記酸化物は、前記空気極に供給される酸化ガスの少なくとも一部であることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 前記酸化物混入手段は、前記燃料に混入されなかった酸化物を前記空気極に供給することを特徴とする請求項3に記載の燃料電池。
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