JP2005310589A - 燃料電池システムおよび機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】 省力化を促進できる燃料電池システムおよびこの燃料電池システムを備えた機器を提供すること。
【解決手段】 燃料電池システム100は、燃料電池1と、燃料電池1にメタノールおよび純水を混合して供給するメタノール供給手段および水供給手段と、メタノール供給手段および水供給手段の動作を制御する供給制御手段120と、燃料室31内のメタノール水溶液のメタノール濃度を検出するメタノールセンサ107とを備える。供給制御手段120は、所定時間毎にメタノールセンサ107によるメタノール濃度の検出を行うための濃度検出動作信号を出力する間欠制御手段121を備える。間欠制御手段121により、メタノール濃度検出が所定時間毎に間欠的に行われるため、従来メタノール濃度の検出を連続的に行っていた場合に比べて、燃料電池システム100の省力化を促進できる。
【選択図】 図1
【解決手段】 燃料電池システム100は、燃料電池1と、燃料電池1にメタノールおよび純水を混合して供給するメタノール供給手段および水供給手段と、メタノール供給手段および水供給手段の動作を制御する供給制御手段120と、燃料室31内のメタノール水溶液のメタノール濃度を検出するメタノールセンサ107とを備える。供給制御手段120は、所定時間毎にメタノールセンサ107によるメタノール濃度の検出を行うための濃度検出動作信号を出力する間欠制御手段121を備える。間欠制御手段121により、メタノール濃度検出が所定時間毎に間欠的に行われるため、従来メタノール濃度の検出を連続的に行っていた場合に比べて、燃料電池システム100の省力化を促進できる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、燃料電池システムおよびこの燃料電池システムを備えた機器に関する。
燃料電池は、外部から燃料と酸素とを連続的に供給し、電気化学的に反応させて電気エネルギを取り出すものである。燃料電池は、他の発電方式に比べて高効率で二酸化炭素の排出量が少ないため、環境問題が顕著になっている近年注目されている。
例えば高分子電解質形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell, PEFC)は、低い温度で動作が可能で起動時間が短く、小型化も可能である。この高分子電解質形燃料電池は、高分子固体電解質膜を空気側電極と燃料側電極とで挟んだ構造のMEA(Membrane Electrode Assembly)を備え、空気側電極に空気(酸素)を供給し、燃料側電極にメタノールや改質した水素などの燃料を供給することにより、電気化学的反応が起こり電力が発生する。
例えば高分子電解質形燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell, PEFC)は、低い温度で動作が可能で起動時間が短く、小型化も可能である。この高分子電解質形燃料電池は、高分子固体電解質膜を空気側電極と燃料側電極とで挟んだ構造のMEA(Membrane Electrode Assembly)を備え、空気側電極に空気(酸素)を供給し、燃料側電極にメタノールや改質した水素などの燃料を供給することにより、電気化学的反応が起こり電力が発生する。
この高分子電解質形燃料電池のうち、特に直接メタノール形燃料電池(Direct Methanol Fuel Cell, DMFC)は、燃料電池にメタノールを燃料として直接供給し電気エネルギを得るため、PEFCとは異なり水素を収納する容器や、燃料を改質して水素を取り出す改質器などが不要となる。このため、直接メタノール形燃料電池は、長時間連続的に使用する必要がある携帯電話やノートパソコン等の携帯機器用の携帯電源として従来型の一次電池や二次電池に取って代わるものとして注目されている(例えば特許文献1)。この燃料電池では、メタノール水溶液の濃度を一定に維持するためにメタノール濃度を検出するセンサが設けられており、メタノール濃度を監視して供給するメタノール濃度を調整する制御を行っている。
このような燃料電池では、通常、メタノール水溶液の濃度検出は、運転中常時、連続的に行う。また、メタノール水溶液の供給についても、連続的に供給してメタノール水溶液を循環させることがよく行われている。
しかしながら、メタノール濃度の検出を連続的に行うと、濃度検出のために燃料電池の電力を消費し、燃料電池全体の効率を向上させることができない。また、メタノール水溶液の供給を連続的に行うと、燃料電池の使用状況にかかわらず燃料電池が連続的に発電し続けるため、燃料電池の負荷が小さい場合には、燃料電池の動作が非効率となり、省力化を図ることができない。特に、燃料電池が携帯機器等に適用される場合には、燃料電池で発電された電力をこれらの制御のために消費するので、長寿命化を図ることが困難となる。
しかしながら、メタノール濃度の検出を連続的に行うと、濃度検出のために燃料電池の電力を消費し、燃料電池全体の効率を向上させることができない。また、メタノール水溶液の供給を連続的に行うと、燃料電池の使用状況にかかわらず燃料電池が連続的に発電し続けるため、燃料電池の負荷が小さい場合には、燃料電池の動作が非効率となり、省力化を図ることができない。特に、燃料電池が携帯機器等に適用される場合には、燃料電池で発電された電力をこれらの制御のために消費するので、長寿命化を図ることが困難となる。
本発明の目的は、省力化を促進できる燃料電池システムおよびこの燃料電池システムを備えた機器を提供することにある。
本発明の燃料電池システムは、電解質膜、アノード側反応室、およびカソード側反応室を有するとともに、アノード側反応室に供給される燃料とカソード側反応室に供給される酸素とを反応させて電気エネルギを得る燃料電池と、燃料電池に燃料を供給する燃料供給手段と、燃料供給手段の動作を制御する供給制御手段とを備え、供給制御手段は、所定時間毎に予め設定された制御を行うことで、燃料電池で消費される電力を節約する間欠制御手段を有することを特徴とする。
この発明によれば、供給制御手段に間欠制御手段が設けられているので、予め設定された制御を所定時間毎に間欠的に行うことにより、従来連続的に制御を行っていた場合に比べて燃料電池システムで消費される電力が節約され、燃料電池システムの省力化が促進される。また、間欠制御手段により、省力化を図るための制御が予め設定されているので、供給制御手段の構成が簡略化される。
この発明によれば、供給制御手段に間欠制御手段が設けられているので、予め設定された制御を所定時間毎に間欠的に行うことにより、従来連続的に制御を行っていた場合に比べて燃料電池システムで消費される電力が節約され、燃料電池システムの省力化が促進される。また、間欠制御手段により、省力化を図るための制御が予め設定されているので、供給制御手段の構成が簡略化される。
本発明では、間欠制御手段は、所定時間毎に、予め設定された所定量の燃料を燃料電池に供給する燃料供給動作信号を出力することが望ましい。
この発明によれば、間欠制御手段が、燃料供給動作信号を出力することにより、供給制御手段が、予め設定された所定量の燃料を所定時間毎に燃料電池に供給する。したがって、燃料電池内の燃料量や燃料濃度などを検出する必要がなく、燃料電池システムの構成が簡単となる。また、燃料供給量および燃料供給の時間間隔が予め設定されているので、供給制御手段での供給制御が簡単になり、燃料電池システムの省力化が促進される。これは、例えば燃料電池の負荷が比較的安定し、燃料電池で消費される燃料量が予め予想できる場合などに、特に有用である。
この発明によれば、間欠制御手段が、燃料供給動作信号を出力することにより、供給制御手段が、予め設定された所定量の燃料を所定時間毎に燃料電池に供給する。したがって、燃料電池内の燃料量や燃料濃度などを検出する必要がなく、燃料電池システムの構成が簡単となる。また、燃料供給量および燃料供給の時間間隔が予め設定されているので、供給制御手段での供給制御が簡単になり、燃料電池システムの省力化が促進される。これは、例えば燃料電池の負荷が比較的安定し、燃料電池で消費される燃料量が予め予想できる場合などに、特に有用である。
本発明では、燃料電池に供給される燃料濃度を検出する燃料濃度検出手段を備え、間欠制御手段は、所定時間毎に、燃料濃度検出手段による燃料濃度の検出を行うための濃度検出動作信号を出力し、供給制御手段は、濃度検出動作信号に基づいて燃料濃度検出手段により燃料濃度を検出し、検出された燃料濃度に基づいて、燃料供給手段での燃料供給量を制御することが望ましい。
この発明によれば、間欠制御手段が、所定時間毎に濃度検出動作信号を出力し、供給制御手段は、燃料濃度検出信号に基づいて燃料濃度検出手段を動作させて燃料濃度を検出し、この燃料濃度に基づいて燃料供給量の調整を行う。したがって、従来とは異なり、燃料濃度を連続的に検出する必要がなく、燃料電池システムの省力化が促進される。これは特に、燃料の消費量が安定し、燃料濃度の減少率の変動が少ない場合に有用である。
この発明によれば、間欠制御手段が、所定時間毎に濃度検出動作信号を出力し、供給制御手段は、燃料濃度検出信号に基づいて燃料濃度検出手段を動作させて燃料濃度を検出し、この燃料濃度に基づいて燃料供給量の調整を行う。したがって、従来とは異なり、燃料濃度を連続的に検出する必要がなく、燃料電池システムの省力化が促進される。これは特に、燃料の消費量が安定し、燃料濃度の減少率の変動が少ない場合に有用である。
本発明では、燃料電池の使用状態を検出する使用状態検出手段を備え、この使用状態検出手段は、燃料電池が不使用である場合に不使用検出信号を出力し、燃料電池が使用される場合に使用検出信号を出力し、供給制御手段は、使用状態検出手段からの使用検出信号および不使用検出信号に基づいて間欠制御手段を起動、停止することが望ましい。
この発明によれば、間欠制御手段が、使用状態検出手段からの使用検出信号および不使用検出信号に基づいて起動、停止されるので、例えば燃料電池の使用が連続的に行われている時には間欠制御手段の動作を停止して、供給制御手段が燃料の供給を連続的に行い、燃料電池の使用がない場合には、間欠制御手段を起動させて燃料電池システムの省力化を図る等の柔軟な制御が可能となる。これにより、供給制御手段の燃料供給制御がより効率的となる。
この発明によれば、間欠制御手段が、使用状態検出手段からの使用検出信号および不使用検出信号に基づいて起動、停止されるので、例えば燃料電池の使用が連続的に行われている時には間欠制御手段の動作を停止して、供給制御手段が燃料の供給を連続的に行い、燃料電池の使用がない場合には、間欠制御手段を起動させて燃料電池システムの省力化を図る等の柔軟な制御が可能となる。これにより、供給制御手段の燃料供給制御がより効率的となる。
本発明では、使用状態検出手段は、燃料電池の負荷を検出する負荷検出手段とされることが望ましい。
この発明によれば、使用状態検出手段が、燃料電池の負荷を検出する負荷検出手段とされるので、燃料電池に必要な燃料量が正確に把握される。したがって、供給制御手段での燃料供給の制御がより的確となり、燃料電池システムの省力化がより一層促進される。
この発明によれば、使用状態検出手段が、燃料電池の負荷を検出する負荷検出手段とされるので、燃料電池に必要な燃料量が正確に把握される。したがって、供給制御手段での燃料供給の制御がより的確となり、燃料電池システムの省力化がより一層促進される。
本発明の機器は、前述の燃料電池システムを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、機器が前述の燃料電池システムを備えているので、前述の燃料電池システムの効果と同様の効果が得られ、燃料電池システムの省力化が促進される。これに伴い、機器の省力化が促進され、機器の長寿命化が図られる。
この発明によれば、機器が前述の燃料電池システムを備えているので、前述の燃料電池システムの効果と同様の効果が得られ、燃料電池システムの省力化が促進される。これに伴い、機器の省力化が促進され、機器の長寿命化が図られる。
本発明の燃料電池システムおよび機器によれば、間欠制御手段が設けられているので、予め設定された制御を所定時間毎に行うことにより燃料電池システムおよび機器の省力化を促進できるという効果が得られる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、後述する第二実施形態以降で、以下に説明する第一実施形態での構成部品と同じ部品および同様な機能を有する部品には同一符号を付し、説明を簡単にあるいは省略する。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態について説明する。
図1には、本発明の第一実施形態にかかる燃料電池システム100の概略図が示されている。この図1において、燃料電池システム100は、燃料電池1と、この燃料電池1に供給されるメタノールを収納するメタノールタンク101と、メタノールを所定の濃度に希釈するための純水を収納する純水タンク102と、メタノールタンク101からメタノールを送液するメタノールポンプ103と、純水タンク102から純水を送液する純水ポンプ104と、メタノールおよび純水を混合し、所定濃度のメタノール水溶液を燃料電池1に供給するミキサ105と、メタノールおよび純水の供給動作を制御する供給制御手段120と、燃料電池1内のメタノール濃度を検出する燃料濃度検出手段としてのメタノールセンサ107と、燃料電池1で反応が終了した溶液を廃液として収納する廃液タンク108とを備えている。
本発明の第一実施形態について説明する。
図1には、本発明の第一実施形態にかかる燃料電池システム100の概略図が示されている。この図1において、燃料電池システム100は、燃料電池1と、この燃料電池1に供給されるメタノールを収納するメタノールタンク101と、メタノールを所定の濃度に希釈するための純水を収納する純水タンク102と、メタノールタンク101からメタノールを送液するメタノールポンプ103と、純水タンク102から純水を送液する純水ポンプ104と、メタノールおよび純水を混合し、所定濃度のメタノール水溶液を燃料電池1に供給するミキサ105と、メタノールおよび純水の供給動作を制御する供給制御手段120と、燃料電池1内のメタノール濃度を検出する燃料濃度検出手段としてのメタノールセンサ107と、燃料電池1で反応が終了した溶液を廃液として収納する廃液タンク108とを備えている。
図2には燃料電池1の側断面図が示されている。燃料電池1は、直接メタノール形燃料電池(DMFC)であり、図2に示されるように、燃料電池セル10がケース11に収納されて構成されている。なお、本実施形態では、説明を簡略化するため、図2に示すように単一の燃料電池セル10で構成した燃料電池1を図示するが、もちろん燃料電池1が、この燃料電池セル10を複数枚積層したスタック構造とされていてもよい。
燃料電池セル10は、電解質膜としての高分子固体電解質膜2と、この高分子固体電解質膜2の両面に一体的に形成されるアノード電極3およびカソード電極4と、アノード電極3側に配置される燃料拡散層5と、カソード電極4側に配置される空気拡散層6と、これら燃料拡散層5および空気拡散層6の外側にそれぞれ設けられるとともに、アノード電極3およびカソード電極4の間に発生した電気エネルギを取り出す集電体7,8とを備えている。この燃料電池セル10は、ケース11に収納され、ガスケット12によって高分子固体電解質膜2の両側から挟持されている。これにより、ケース11内部は、高分子固体電解質膜2を挟んでアノード電極3側とカソード電極4側とに封止されて分離されている。
すなわち、ケース11内壁とアノード電極3との間の領域は、液密に構成され、燃料が供給されるアノード側反応室としての燃料室31となっている。また、ケース11内壁とカソード電極4との間の領域は、空気が供給されるカソード側反応室としての空気室41となっている。なお、燃料としては、メタノール(CH3OH)水溶液が供給される。
すなわち、ケース11内壁とアノード電極3との間の領域は、液密に構成され、燃料が供給されるアノード側反応室としての燃料室31となっている。また、ケース11内壁とカソード電極4との間の領域は、空気が供給されるカソード側反応室としての空気室41となっている。なお、燃料としては、メタノール(CH3OH)水溶液が供給される。
ケース11のアノード電極3側には、燃料をケース11内部に供給するための燃料供給口111と、アノード電極3での反応が終了した燃料を外部に排出するための燃料排出口112とが形成されている。また、ケース11のカソード電極4側には、空気をケース11内部に供給するための複数の空気供給口113が形成されている。この空気供給口113は、大気に開放されることで、空気室41への空気の供給を自然吸気とする構造となっている。なお、空気室41への空気供給は、エアポンプなどによって空気室41に強制的に行う構造であってもよい。
高分子固体電解質膜2の両面には、外縁から所定幅寸法を隔てた所定範囲内に略矩形状のアノード電極3およびカソード電極4が一体的に形成されている。高分子固体電解質膜2は、プロトン伝導性高分子で構成される高分子固体電解質樹脂が、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(Poly Tetra Fluoro Ethylene, PTFE)フィルムの多孔空隙部に含浸されることにより構成されている。高分子固体電解質樹脂としては、例えばナフィオン膜(デュポン社商標)等のパーフルオロスルホン酸系ポリマー、フッ素系ポリマー、炭化水素系ポリマーなどが採用できる。また場合によってはこの高分子固体電解質樹脂に、電子導電性の生じない範囲で白金などの触媒やカーボン粉末、各種セラミックス粉末などを加えてもよい。
なお、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムは、PTFEの塊を延伸多孔化して得られる、多数の微小結節とそれらの微小結節から延出して微小結節相互を三次元的に連結する微細繊維とからなる構造を有する多孔質PTFEフィルムであり、このフィルムには、厚み方向に貫通する多数の孔が形成される。
なお、延伸多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムは、PTFEの塊を延伸多孔化して得られる、多数の微小結節とそれらの微小結節から延出して微小結節相互を三次元的に連結する微細繊維とからなる構造を有する多孔質PTFEフィルムであり、このフィルムには、厚み方向に貫通する多数の孔が形成される。
アノード電極3およびカソード電極4は、メタノールの分解のための触媒を担持したカーボン触媒電極膜から構成される。ここで、触媒としては、例えば白金等が採用できる。なお、アノード電極3側では、メタノールと触媒との反応により発生する中間生成物である一酸化炭素COの被毒を防止するため、少なくともアノード電極3側の触媒には、白金およびルテニウムの合金等を採用することがより好ましい。
ここで、高分子固体電解質膜2、アノード電極3、およびカソード電極4は、一体的に形成されて膜電極接合体20が構成されている。
燃料拡散層5および空気拡散層6は、メッシュの金属フォーム(例えばスチールウール等)からなる多孔性膜であり、供給される燃料および酸素をそれぞれ拡散してアノード電極3およびカソード電極4に導く。なお、これら燃料拡散層5および空気拡散層6は、それぞれ、アルミニウム、ステンレス鋼等であってもよく、またスポンジチタン等の多孔性金属材料、カーボンペーパ紙にカーボンを担持したものやカーボンクロス等であってもよい。
また、集電体7,8には、それぞれ図示しないリード線が接続されており、外部の負荷に接続されている。
ここで、高分子固体電解質膜2、アノード電極3、およびカソード電極4は、一体的に形成されて膜電極接合体20が構成されている。
燃料拡散層5および空気拡散層6は、メッシュの金属フォーム(例えばスチールウール等)からなる多孔性膜であり、供給される燃料および酸素をそれぞれ拡散してアノード電極3およびカソード電極4に導く。なお、これら燃料拡散層5および空気拡散層6は、それぞれ、アルミニウム、ステンレス鋼等であってもよく、またスポンジチタン等の多孔性金属材料、カーボンペーパ紙にカーボンを担持したものやカーボンクロス等であってもよい。
また、集電体7,8には、それぞれ図示しないリード線が接続されており、外部の負荷に接続されている。
メタノールタンク101および純水タンク102は、燃料室31への流路が開閉可能なバルブ101A,102Aを備えている。これらのバルブ101A,102Aは、供給制御手段120に電気的に接続されており、供給制御手段120からの指令によりそれぞれ個別に開閉可能となっており、その開度も調整可能となっている。なお、メタノールタンク101および純水タンク102は、一体のケースの内部が仕切られて形成されている構成であることが好ましく、例えばいわゆるカートリッジ方式で、メタノールタンク101および純水タンク102が同時に簡単に交換可能な構造であることが望ましい。
メタノールポンプ103および純水ポンプ104は、ミキサ105に接続されており、それぞれ所定量のメタノールおよび純水をメタノールタンク101および純水タンク102からミキサ105に送液する。これらのポンプ103,104は、供給制御手段120に電気的に接続されており、供給制御手段120からの送液指令信号によりポンプ103,104のON,OFFが制御される。
ミキサ105は、燃料供給口111に接続されており、供給制御手段120からの混合指令信号に基づいて、メタノールタンク101からのメタノールと、純水タンク102からの純水とを混合し、メタノールが純水中に均一に分散されたメタノール水溶液を作成する混合手段となっている。なお、メタノールのみ、または純水のみを燃料室31に供給する場合には、ミキサ105は一種類の液体を混合するのみで、実質的にはその機能を発揮することなく液体が通過するのみとなる。
ここで、本実施形態ではメタノールタンク101、バルブ101A、およびメタノールポンプ103を備えて燃料供給手段としてのメタノール供給手段が構成されており、また純水タンク102、バルブ102A、および純水ポンプ104を備えて水供給手段が構成されている。
ミキサ105は、燃料供給口111に接続されており、供給制御手段120からの混合指令信号に基づいて、メタノールタンク101からのメタノールと、純水タンク102からの純水とを混合し、メタノールが純水中に均一に分散されたメタノール水溶液を作成する混合手段となっている。なお、メタノールのみ、または純水のみを燃料室31に供給する場合には、ミキサ105は一種類の液体を混合するのみで、実質的にはその機能を発揮することなく液体が通過するのみとなる。
ここで、本実施形態ではメタノールタンク101、バルブ101A、およびメタノールポンプ103を備えて燃料供給手段としてのメタノール供給手段が構成されており、また純水タンク102、バルブ102A、および純水ポンプ104を備えて水供給手段が構成されている。
供給制御手段120は、燃料室31内のメタノール水溶液の濃度を予め設定された所定範囲内に維持するように、メタノールおよび水の供給量を制御する。具体的には、供給制御手段120は、所定時間毎に予め設定された制御を行うための間欠制御信号を出力する間欠制御手段121と、メタノールセンサ107で検出されたメタノール濃度に対して適切なメタノールの供給量が予め設定され記憶された記憶手段122と、間欠制御手段121からの間欠制御信号に基づいてバルブ101A,102Aの開度を制御する中央制御手段123とを備えている。なお、メタノール水溶液の濃度の所定範囲は、燃料室31内でのメタノールと触媒との反応効率が良好となり、かつ高分子固体電解質膜2のクロスオーバーが良好に防止される範囲で設定されることが好ましく、燃料電池1の容量、高分子固体電解質膜2の材質、性能などを勘案して適宜設定され、例えば3%〜5%または1mol/l〜8mol/lの範囲内で設定される。
間欠制御手段の間欠制御信号は、メタノールセンサ107によってメタノール濃度を検出するための濃度検出動作信号とされ、この濃度検出動作信号は、所定時間毎に中央制御手段123に出力される。
ここで、所定時間は、燃料電池システム100の使用目的や使用条件を勘案して適宜設定され、例えば1分から10分の間で設定されている。
記憶手段122には、メタノールセンサ107で検出される各メタノール濃度に対して、燃料室31内のメタノール水溶液のメタノール濃度を所定範囲内に保持するために適切なメタノール水溶液の濃度およびこのメタノール水溶液の濃度を実現するためのバルブ101A,102Aの開度が設定されている。なお、これらの設定は、例えばマップやテーブルとして記憶手段122に記憶されていてもよいし、あるいはメタノール濃度からバルブ101A,102Aの開度を算出する演算式として記憶手段122に記憶されていてもよい。
ここで、所定時間は、燃料電池システム100の使用目的や使用条件を勘案して適宜設定され、例えば1分から10分の間で設定されている。
記憶手段122には、メタノールセンサ107で検出される各メタノール濃度に対して、燃料室31内のメタノール水溶液のメタノール濃度を所定範囲内に保持するために適切なメタノール水溶液の濃度およびこのメタノール水溶液の濃度を実現するためのバルブ101A,102Aの開度が設定されている。なお、これらの設定は、例えばマップやテーブルとして記憶手段122に記憶されていてもよいし、あるいはメタノール濃度からバルブ101A,102Aの開度を算出する演算式として記憶手段122に記憶されていてもよい。
中央制御手段123は、間欠制御手段121を常時動作させ、所定時間毎に間欠制御手段121から濃度検出動作信号(間欠制御信号)を入力し、この濃度検出動作信号に基づいて、メタノールセンサ107を動作させてメタノール水溶液中のメタノール濃度を検出する。そして、メタノールセンサ107からのメタノール濃度検出信号に基づいて記憶手段122を参照してメタノールおよび純水の供給量を制御する。
メタノールセンサ107は、燃料室31から廃液タンク108への配管の途中または、燃料室31内に配置され、例えば赤外線透過吸収式の光式メタノール濃度センサ等、任意の方式のものが採用できる。
メタノールセンサ107は、燃料室31から廃液タンク108への配管の途中または、燃料室31内に配置され、例えば赤外線透過吸収式の光式メタノール濃度センサ等、任意の方式のものが採用できる。
廃液タンク108は、燃料排出口112に接続されており、燃料室31から排出された廃液を収納する。この廃液タンク108は、メタノールタンク101および純水タンク102とは別に設けられて個別に交換可能に設けられていてもよい。また、メタノールタンク101および純水タンク102に一体的に形成されていてもよい。この場合には、予めメタノールタンク101および純水タンク102内のメタノールまたは純水を使い切ってメタノールタンク101および純水タンク102を交換する際に、廃液タンク108も同時に交換可能となるので、交換操作が簡便となり取扱性が向上する。
次に、このような燃料電池システム100の動作について説明する。
まず、燃料電池システム100の起動時には、供給制御手段120から出力される初期メタノール水溶液供給指令信号により、燃料室31にメタノール水溶液を充満させる。この指令信号により、バルブ101A,102Aが開き、メタノールおよび純水がそれぞれ送液される。このとき、バルブ101A,102Aの開度は、メタノール水溶液の濃度が所定範囲内となるように、あらかじめ設定されている。メタノールおよび純水は、メタノールポンプ103および純水ポンプ104によって所定量ずつ連続的にミキサ105に送られ、ミキサ105で均一に混合された後、燃料室31に供給される。
まず、燃料電池システム100の起動時には、供給制御手段120から出力される初期メタノール水溶液供給指令信号により、燃料室31にメタノール水溶液を充満させる。この指令信号により、バルブ101A,102Aが開き、メタノールおよび純水がそれぞれ送液される。このとき、バルブ101A,102Aの開度は、メタノール水溶液の濃度が所定範囲内となるように、あらかじめ設定されている。メタノールおよび純水は、メタノールポンプ103および純水ポンプ104によって所定量ずつ連続的にミキサ105に送られ、ミキサ105で均一に混合された後、燃料室31に供給される。
燃料室31では、メタノール水溶液がアノード電極3の触媒によって下記の式(1)の酸化反応を生じ、この反応により二酸化炭素CO2とプロトンH+と電子e−とを生成する。
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e− …(1)
プロトンH+は、高分子固体電解質膜2を透過してカソード電極4側に移動することにより、集電体7,8の両端に電圧が生じる。プロトンH+がカソード電極4側に到達すると、外部負荷を通って仕事をした後にカソード電極4に到達した電子e−とがカソード電極4の触媒によって空気室41内の空気中の酸素O2と反応して式(2)の還元反応が生じる。
3/2O2+6H++6e−→3H2O …(2)
アノード電極3側で生成された二酸化炭素CO2や、メタノールと水との反応により生成される、例えば蟻酸、ホルムアルデヒド、一酸化炭素等の副生成物などは、反応の終了した液体とともに廃液として廃液タンク108に収納される。なお、メタノール水溶液の供給は連続的に行われているので、廃液タンク108には連続的に廃液が収納される。
CH3OH+H2O→CO2+6H++6e− …(1)
プロトンH+は、高分子固体電解質膜2を透過してカソード電極4側に移動することにより、集電体7,8の両端に電圧が生じる。プロトンH+がカソード電極4側に到達すると、外部負荷を通って仕事をした後にカソード電極4に到達した電子e−とがカソード電極4の触媒によって空気室41内の空気中の酸素O2と反応して式(2)の還元反応が生じる。
3/2O2+6H++6e−→3H2O …(2)
アノード電極3側で生成された二酸化炭素CO2や、メタノールと水との反応により生成される、例えば蟻酸、ホルムアルデヒド、一酸化炭素等の副生成物などは、反応の終了した液体とともに廃液として廃液タンク108に収納される。なお、メタノール水溶液の供給は連続的に行われているので、廃液タンク108には連続的に廃液が収納される。
供給制御手段120では、間欠制御手段121が、所定時間毎に中央制御手段123に濃度検出動作信号を出力する。中央制御手段123は、この濃度検出動作信号に基づいて、メタノールセンサ107で燃料室31内のメタノール水溶液のメタノール濃度を検出する。中央制御手段123では、このメタノール濃度検出信号に基づいて、記憶手段122に記憶されたデータを参照することによって検出されたメタノール濃度検出信号に対応するバルブ101A,102Aの開度を読み出す。そして、中央制御手段123は、バルブ101Aおよびバルブ102Aの開度を調節して、供給するメタノール水溶液の濃度を制御する。つまり、例えば燃料電池1の負荷が変動してメタノール水溶液の消費量が増加することにより、メタノールセンサ107で検出されたメタノール濃度が所定範囲の下限よりも低くなった場合には、供給制御手段120は、バルブ101Aの開度を増加させてメタノールの供給量を増やし、メタノール水溶液の濃度を上昇させることによって燃料室31内のメタノール水溶液の濃度を所定範囲内に維持する等の制御を行う。
メタノールタンク101内のメタノールがなくなった場合には、メタノールタンク101および純水タンク102にそれぞれメタノールおよび純水を追加するか、またはメタノールタンク101および純水タンク102ごと交換すればよい。同様に、廃液タンク108に所定量以上の廃液が収納された場合には、廃液タンク108内の廃液を廃棄するか、または廃液タンク108ごと交換すればよい。
このような第一実施形態によれば、次のような効果が得られる。
(1) 間欠制御手段121が、所定時間毎に濃度検出動作信号を中央制御手段123に出力し、中央制御手段123は、この濃度検出動作信号に基づいて所定時間毎にメタノール濃度検出を行うので、従来常時メタノール濃度を検出して制御する場合に比べて、燃料電池1の電力の消費量を削減でき、燃料電池システム100の省力化および長寿命化を促進できる。また、メタノール濃度を常時監視する必要がないので、供給制御手段120の構成を簡単にできる。
(1) 間欠制御手段121が、所定時間毎に濃度検出動作信号を中央制御手段123に出力し、中央制御手段123は、この濃度検出動作信号に基づいて所定時間毎にメタノール濃度検出を行うので、従来常時メタノール濃度を検出して制御する場合に比べて、燃料電池1の電力の消費量を削減でき、燃料電池システム100の省力化および長寿命化を促進できる。また、メタノール濃度を常時監視する必要がないので、供給制御手段120の構成を簡単にできる。
(2) 供給制御手段120が、間欠制御手段121を常時動作させているので、消費電力の削減量をより多くでき、燃料電池システム100の省力化および長寿命化をより一層促進できる。これは例えば燃料電池1でのメタノール消費量の変動が比較的少ない場合などでは、所定時間毎にメタノール濃度の検出を行っても、燃料室31内のメタノール濃度を所定範囲内に良好に維持できるので、燃料電池1の出力を確保しながら燃料電池システム100の省力化を促進でき、特に効果的である。
(3) 記憶手段122に、各メタノール濃度値に対応した適切なバルブ101A,102Aの開度が予め設定され記憶されているので、中央制御手段123は、メタノール水溶液を供給する際にメタノール濃度を監視していわゆるフィードバック制御を行う必要がなく、供給制御手段120の構成を簡単にできる。また、メタノール濃度を監視する必要がないため、燃料電池システム100の省力化をより一層促進できる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、第一実施形態の間欠制御手段に予め設定された制御が異なる。
図3には、第二実施形態にかかる燃料電池システム100の概略図が示されている。この図3において、燃料電池システム100は、第一実施形態のメタノールセンサ107を備えておらず、また、記憶手段122も備えていない。
供給制御手段120は、間欠制御手段121と、中央制御手段123とを備えている。間欠制御手段121は、予め設定された制御として、所定時間毎に所定量、所定濃度のメタノール水溶液を燃料室31に供給する燃料供給動作信号を中央制御手段123に出力する。
このような燃料電池システム100では、中央制御手段123は、間欠制御手段121からの燃料供給動作信号を所定時間毎に入力し、この燃料供給動作信号に基づいて、バルブ101A,102Aを開く。この際、バルブ101A,102Aの開度およびその開度の保持時間は予め設定されており、したがって、所定量のメタノールおよび純水が供給されることにより、燃料室31には所定濃度のメタノール水溶液が所定量、間欠的に供給されることとなる。
次に、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態は、第一実施形態の間欠制御手段に予め設定された制御が異なる。
図3には、第二実施形態にかかる燃料電池システム100の概略図が示されている。この図3において、燃料電池システム100は、第一実施形態のメタノールセンサ107を備えておらず、また、記憶手段122も備えていない。
供給制御手段120は、間欠制御手段121と、中央制御手段123とを備えている。間欠制御手段121は、予め設定された制御として、所定時間毎に所定量、所定濃度のメタノール水溶液を燃料室31に供給する燃料供給動作信号を中央制御手段123に出力する。
このような燃料電池システム100では、中央制御手段123は、間欠制御手段121からの燃料供給動作信号を所定時間毎に入力し、この燃料供給動作信号に基づいて、バルブ101A,102Aを開く。この際、バルブ101A,102Aの開度およびその開度の保持時間は予め設定されており、したがって、所定量のメタノールおよび純水が供給されることにより、燃料室31には所定濃度のメタノール水溶液が所定量、間欠的に供給されることとなる。
このような第二実施形態によれば、第一実施形態の(2)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(4) 間欠制御手段121が、燃料電池1のメタノール水溶液の消費量に関わらず所定時間毎に所定濃度、所定量のメタノール水溶液を燃料室31に供給する制御を行うので、従来常時メタノール濃度を検出してメタノール水溶液の濃度を調整していた場合に比べて、燃料電池システム100の駆動に消費される電力を削減できる。したがって、燃料電池システム100の省力化を促進できる。
(4) 間欠制御手段121が、燃料電池1のメタノール水溶液の消費量に関わらず所定時間毎に所定濃度、所定量のメタノール水溶液を燃料室31に供給する制御を行うので、従来常時メタノール濃度を検出してメタノール水溶液の濃度を調整していた場合に比べて、燃料電池システム100の駆動に消費される電力を削減できる。したがって、燃料電池システム100の省力化を促進できる。
(5) 間欠制御手段121が、所定時間毎に所定量、所定濃度のメタノール水溶液を燃料室31に供給する制御を行うので、第一実施形態とは異なり、メタノールセンサ107や、記憶手段122などが不要となり、燃料電池システム100が消費する電力をさらに節約でき、省力化をより一層促進できる。また、メタノールセンサ107や記憶手段122が不要となるので、供給制御手段120の構成を簡単にでき、これによって燃料電池システム100の省力化を促進できる。これは、燃料電池1での負荷が比較的安定しており、燃料消費量に変動が少ない場合に、特に効果的である。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態は、第一実施形態の間欠制御手段121を燃料電池1の使用状態に応じて起動、停止する点が異なる。
図4には、第三実施形態にかかる燃料電池システム100の概略図が示されている。この図4において、燃料電池システム100は、燃料電池1の使用状態を監視する使用状態検出手段109を備えている。
使用状態検出手段109は、燃料電池1の負荷に接続され、燃料電池1に流れる電流値または電圧値を検出することによって燃料電池1の負荷を検出する負荷検出手段となっている。この使用状態検出手段109は、燃料電池1の負荷(電流値または電圧値)が予め設定された所定値以下となった場合に、中央制御手段123に不使用検出信号を出力する。また、使用状態検出手段109は、燃料電池1の負荷が前記所定値以上となった場合には、中央制御手段123に使用検出信号を出力する。
間欠制御手段121は、第一実施形態と同様に、メタノールセンサ107を動作させて燃料室31内のメタノール水溶液のメタノール濃度を検出する制御を行うように、所定時間毎に中央制御手段123に濃度検出動作信号を出力する。
記憶手段122には、第一実施形態と同様に、各メタノール濃度値に対するバルブ101A,102Aの開度が記憶されている。
次に、本発明の第三実施形態について説明する。第三実施形態は、第一実施形態の間欠制御手段121を燃料電池1の使用状態に応じて起動、停止する点が異なる。
図4には、第三実施形態にかかる燃料電池システム100の概略図が示されている。この図4において、燃料電池システム100は、燃料電池1の使用状態を監視する使用状態検出手段109を備えている。
使用状態検出手段109は、燃料電池1の負荷に接続され、燃料電池1に流れる電流値または電圧値を検出することによって燃料電池1の負荷を検出する負荷検出手段となっている。この使用状態検出手段109は、燃料電池1の負荷(電流値または電圧値)が予め設定された所定値以下となった場合に、中央制御手段123に不使用検出信号を出力する。また、使用状態検出手段109は、燃料電池1の負荷が前記所定値以上となった場合には、中央制御手段123に使用検出信号を出力する。
間欠制御手段121は、第一実施形態と同様に、メタノールセンサ107を動作させて燃料室31内のメタノール水溶液のメタノール濃度を検出する制御を行うように、所定時間毎に中央制御手段123に濃度検出動作信号を出力する。
記憶手段122には、第一実施形態と同様に、各メタノール濃度値に対するバルブ101A,102Aの開度が記憶されている。
中央制御手段123は、使用状態検出手段109から使用検出信号を入力すると、燃料電池1が使用されて燃料が通常通りに消費されると判断し、間欠制御手段121の動作を停止して、常時メタノールセンサ107を動作させる。メタノールセンサ107は、連続的にメタノール濃度を検出し、中央制御手段123は、このメタノール濃度検出信号に基づいて記憶手段122を参照してバルブ101A,102Aの開度を調整し、メタノール水溶液の濃度を制御する。
一方、中央制御手段123は、使用状態検出手段109から不使用検出信号が出力されると、燃料電池1が使用されていないか、負荷が十分に低いと判断し、間欠制御手段121を起動する。中央制御手段123は、間欠制御手段121から所定時間毎に濃度検出動作信号を入力して、メタノールセンサ107を動作させて燃料室31内のメタノール濃度を検出し、このメタノール濃度検出信号に基づいて、記憶手段122から適切なバルブ101A,102Aの開度を読み出し、バルブ101A,102Aの開度を調整する。なお、燃料電池1が使用されていない場合でも、間欠制御手段121を起動して所定時間毎に燃料供給を行うことによって、燃料室31内のメタノール水溶液の劣化を防止できる。
その後、中央制御手段123は、使用状態検出手段109から使用検出信号が検出されると、間欠制御手段121の動作を停止し連続的にメタノール濃度を検出してバルブ101A,102Aの開度を制御する。
一方、中央制御手段123は、使用状態検出手段109から不使用検出信号が出力されると、燃料電池1が使用されていないか、負荷が十分に低いと判断し、間欠制御手段121を起動する。中央制御手段123は、間欠制御手段121から所定時間毎に濃度検出動作信号を入力して、メタノールセンサ107を動作させて燃料室31内のメタノール濃度を検出し、このメタノール濃度検出信号に基づいて、記憶手段122から適切なバルブ101A,102Aの開度を読み出し、バルブ101A,102Aの開度を調整する。なお、燃料電池1が使用されていない場合でも、間欠制御手段121を起動して所定時間毎に燃料供給を行うことによって、燃料室31内のメタノール水溶液の劣化を防止できる。
その後、中央制御手段123は、使用状態検出手段109から使用検出信号が検出されると、間欠制御手段121の動作を停止し連続的にメタノール濃度を検出してバルブ101A,102Aの開度を制御する。
このような第三実施形態によれば、第一実施形態の(1)および(3)の効果と同様の効果が得られる他、次のような効果が得られる。
(6) 使用状態検出手段109が設けられているので、燃料電池1の負荷に応じて間欠制御手段121の起動、停止を制御できる。したがって、燃料電池1の負荷が高い場合には、メタノール水溶液の供給およびメタノール濃度の調整を連続的に行って燃料電池1の負荷に良好に対応できるとともに、燃料電池1の負荷が低い場合には、間欠制御手段121によってメタノール水溶液の供給およびメタノール濃度の調整を間欠的に(所定時間毎に)行うことによって、燃料電池システム100の省力化を促進できる。
また、使用状態検出手段109が、燃料電池1の負荷を検出する負荷検出手段となっているので、燃料電池1での燃料消費量を正確に把握でき、燃料供給をより的確に行える。
(6) 使用状態検出手段109が設けられているので、燃料電池1の負荷に応じて間欠制御手段121の起動、停止を制御できる。したがって、燃料電池1の負荷が高い場合には、メタノール水溶液の供給およびメタノール濃度の調整を連続的に行って燃料電池1の負荷に良好に対応できるとともに、燃料電池1の負荷が低い場合には、間欠制御手段121によってメタノール水溶液の供給およびメタノール濃度の調整を間欠的に(所定時間毎に)行うことによって、燃料電池システム100の省力化を促進できる。
また、使用状態検出手段109が、燃料電池1の負荷を検出する負荷検出手段となっているので、燃料電池1での燃料消費量を正確に把握でき、燃料供給をより的確に行える。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
使用状態検出手段は、燃料電池の負荷(電流値、電圧値)を監視することによって燃料電池の使用状態を検出するものに限らず、例えば燃料電池の負荷の変動を監視してもよい。この場合には、使用状態検出手段は、燃料電池の負荷の変動が所定値以下となった場合に不使用検出信号を出力し、また燃料電池の負荷の変動が所定値以上となった場合に、使用検出信号を出力するように構成すればよい。
本発明の燃料電池システムは、省力化を促進できるので、例えば携帯電話やノートパソコンなどの携帯機器、車、その他任意の機器に適用できる。
使用状態検出手段は、燃料電池の負荷(電流値、電圧値)を監視することによって燃料電池の使用状態を検出するものに限らず、例えば燃料電池の負荷の変動を監視してもよい。この場合には、使用状態検出手段は、燃料電池の負荷の変動が所定値以下となった場合に不使用検出信号を出力し、また燃料電池の負荷の変動が所定値以上となった場合に、使用検出信号を出力するように構成すればよい。
本発明の燃料電池システムは、省力化を促進できるので、例えば携帯電話やノートパソコンなどの携帯機器、車、その他任意の機器に適用できる。
本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
したがって、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
1…燃料電池、2…高分子固体電解質膜(電解質膜)、31…燃料室(アノード側反応室)、41…空気室(カソード側反応室)、100…燃料電池システム、107…メタノールセンサ(燃料濃度検出手段)、109…使用状態検出手段、120…供給制御手段、121…間欠制御手段。
Claims (6)
- 電解質膜、アノード側反応室、およびカソード側反応室を有するとともに、前記アノード側反応室に供給される燃料と前記カソード側反応室に供給される酸素とを反応させて電気エネルギを得る燃料電池と、
当該燃料電池に前記燃料を供給する燃料供給手段と、
前記燃料供給手段の動作を制御する供給制御手段とを備え、
前記供給制御手段は、所定時間毎に予め設定された制御を行うことで、当該燃料電池で消費される電力を節約する間欠制御手段を有する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記間欠制御手段は、所定時間毎に、予め設定された所定量の前記燃料を前記燃料電池に供給する燃料供給動作信号を出力する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1に記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池に供給される燃料濃度を検出する燃料濃度検出手段を備え、
前記間欠制御手段は、所定時間毎に、前記燃料濃度検出手段による燃料濃度の検出を行うための濃度検出動作信号を出力し、
前記供給制御手段は、前記濃度検出動作信号に基づいて前記燃料濃度検出手段により燃料濃度を検出し、検出された燃料濃度に基づいて、前記燃料供給手段での燃料供給量を制御する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の燃料電池システムにおいて、
前記燃料電池の使用状態を検出する使用状態検出手段を備え、
この使用状態検出手段は、前記燃料電池が不使用である場合に不使用検出信号を出力し、前記燃料電池が使用される場合に使用検出信号を出力し、
前記供給制御手段は、前記使用状態検出手段からの前記使用検出信号および前記不使用検出信号に基づいて前記間欠制御手段を起動、停止する
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項4に記載の燃料電池システムにおいて、
前記使用状態検出手段は、前記燃料電池の負荷を検出する負荷検出手段とされる
ことを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の燃料電池システムを備えたことを特徴とする機器。
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---|---|---|---|---|
JP2009064771A (ja) * | 2007-09-07 | 2009-03-26 | Samsung Sdi Co Ltd | 燃料カートリッジ、これを備えた直接メタノール型燃料電池及び燃料カートリッジを用いる直接メタノール型燃料電池のパージ方法 |
JP2009070788A (ja) * | 2007-09-11 | 2009-04-02 | Inst Nuclear Energy Research Rocaec | 燃料供給制御方法及びその方法を利用した燃料電池装置 |
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-
2004
- 2004-04-22 JP JP2004126934A patent/JP2005310589A/ja not_active Withdrawn
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