JP2010103033A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池に関し、簡便な構造で水素発生物質への水蒸気供給を制御することで水素発生の速度を制御し安定な出力を得る。
【解決手段】 水と反応して水素を発生する水素発生物質を燃料として内蔵する燃料電池を、少なくとも酸素を還元する空気極と、水素を酸化する燃料極と、正極及び負極の間に配置され且つ水或いは水蒸気を含浸してイオン伝導性を発現させる固体電解質からなる膜電極接合体と、前記膜電極接合体を前記正極及び前記負極の両側から挟持し水蒸気の通過を制限する開口を持つ一対のマスクと、前記膜電極接合体と筐体により密閉された燃料極側の空間に水素発生物質の収容部とで構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は燃料電池に関するものであり、特に、水と反応して水素を発生する水素発生物質を内蔵する燃料電池に対して簡便な構造で水素発生物質への水蒸気の供給量を制御し、水素発生の速度を制御して安定な出力を得るための構成に関するものである。
近年、携帯型電子機器の小型化、軽量化、高機能化に伴い、その駆動電源となる電池も小型化、軽量化、そして高容量化が進んできた。現在、携帯型電子機器において最も一般的に用いられている駆動電源はリチウムイオン電池である。
リチウムイオン電池は、高い駆動電圧と大きい電池容量をもち、携帯電子機器の進歩に合わせるように性能改善が図られてきた。しかし、リチウムイオン電池の性能改善にも限界があり、今後も高機能化が進む携帯型電子機器の駆動電源としての要求に応えることができなくなりつつある。
このような状況のもと、リチウムイオン電池に代わる新たな発電デバイスの開発が行わ
れ、リチウムイオン電池の数倍の高容量化が期待される燃料電池が提案されるに至った。
燃料電池は、触媒を含むアノード電極(負極)及びカソード電極(正極)と、これらの間においてイオンの移動を可能とする固体電解質とからなる膜電極接合体MEAを有する。
このような燃料電池においては、アノード電極に燃料を供給するとともにカソード電極に酸素を供給することにより、電極に含まれる触媒の作用により各電極にて電気化学的な反応を起こし電流を取り出している。このようなメカニズムで発電する燃料電池においては、燃料及び酸素を供給し続けることにより連続発電が可能である。したがって、燃料電池は燃料及び酸素を補給することにより充電操作により反復使用される二次電池と同様な使用が可能となる。
このような燃料電池の内、携帯機器用駆動電源として開発されている燃料電池の発電方式は、使用する燃料の種類によって主に以下の2方式に分類される。
第一の方式はメタノール水溶液を燃料として直接供給して発電を行うダイレクトメタノール型燃料電池(DMFC)である。この方式の長所は、液体燃料をそのまま利用することによりシステムを簡素化できること、燃料となる純メタノールの理論エネルギー密度は約4Wh/ccと非常に大きいことなどが挙げられる。
しかし、燃料電池の発電電圧が理論電圧1.21Vの1/3程度の0.4V前後であること、或いは、システムにおける燃料以外の発電要素が装置体積及び重量の殆どを占めること、などによりシステムとしてのエネルギー密度は他の商用電池に遠く及ばないという問題があり、商用化には至っていないのが現状である。
第二の方式は水素を燃料として発電を行う固体高分子型燃料電池(PEFC)である。この方式は発電電圧が理論電圧1.23Vに対して0.7V前後とDMFCに比べ高電圧であり、高出力・高効率化が可能であるという特長がある。
この方式における燃料は気体である水素であるため、水素の効率的な貯蔵技術の開発が行われていた。近年、この水素貯蔵技術として、各種の水素発生物質を用いる方法が提案されている。
例えば、水素発生物質としてAlを用いることが提案されている(例えば、特許文献1或いは特許文献2参照)。この場合には、水素発生物質としてのAlに液体の水を供給することでHを発生させている。因に、この場合の反応は、
(1)2Al+3HO→Al+3H
或いは、
(2)Al+3HO→Al(OH )+(3/2)H
のいずれか、或いは、これらが混在した反応となる。なお、(1)の反応において、Alの水和物を考慮するとその分だけ反応式におけるHOの量が増えることになる。
また、水素発生物質としてNaBHを用いることが提案されている(例えば、特許文献3参照)。この場合には、水素発生物質としてのNaBHに液体の水を供給することでH2 を発生させている。因に、この場合の反応は、
(3)NaBH+2HO→NaBO+4H
となる。
さらに、水素発生物質としてNaH等のアルカリ金属の水素化物や、CaH等のアルカリ土類金属の水素化物を用いることも提案されている(例えば、特許文献4参照)。この場合には、水素発生物質に液体の水を供給することでHを発生させている。因に、この場合の反応は、
(4)NaH+HO→NaOH+H
或いは、
(5)CaH+2HO→Ca(OH)+2H
となる。
これらの提案においては、水と反応して水素を発生する物質を使用しており、機械的な水供給システムや圧力バランスや毛管現象を用いた簡便なシステムによって水素発生物質への水の供給を制御することで水素の生成速度を制御して安定な発電を実現している。
特開2007−035485号公報 特開2007−317496号公報 特開2007−176713号公報 特開2003−297411号公報
しかし、水と水素発生物質との反応を用いた現在のPEFCでは小型機器に適用可能な高エネルギー密度化の実現は難しいという問題がある。例えば、このようなPEFCにおいても、水素発生物質だけでなく水もシステム内部に搭載するために装置体積・重量が大きくなり、システムとしてのエネルギー密度向上が難しいことが挙げられる。
また、液体である水の供給に対する水素の発生量が大きいため、ノートPCや携帯電話充電器など1W以上の電力が必要な機器に対してのみ適用可能であり、より小さな消費電力の機器への適用が不可能であるという問題がある。因に、水素発生物質としてAlを用いた場合には、水1ccに対する水素の発生量は1.35Lとなる。
なお、水素の発生量を抑えるためには、水の供給量を少なくすれば良いが、粘性のある液体である水を高精度で微小量供給することは非常に困難であり現実的ではないという問題がある。
そこで、本発明者が鋭意研究した結果、この問題を解決する手段として、水素発生物質を利用したPEFCにおいて液体の水ではなく気体の水蒸気を水素発生物質に供給すればよいということを思い至った。この方法によれば換算量として超微量な水の供給が可能なため、消費電力のより小さな機器にPEFCを適用することが可能となる。
そして、この水蒸気の供給源として大気中の水蒸気や発電時の生成水を用いることが可能であれば、システムに水を搭載する必要がなくなるため大幅なエネルギー密度の向上を図ることが可能となる。
しかし、大気中には水蒸気以外に酸素が存在しており、大気を直接水素発生物質に供給すると水蒸気によって生成した水素と大気から混入した酸素が燃料電池の燃料極側の触媒上で燃焼反応を起こし、燃料電池として発電させることが不可能となることがわかった。
図4を参照して、大気中の水蒸気を利用した燃料電池の問題点を説明する。図4は大気中の水蒸気を利用した燃料電池の模式的構成図であり、固体電解質膜52、空気極触媒層53、燃料極触媒層54からなり発電部を構成する膜電極接合体51、空気極触媒層53と接する空気極ガス拡散層55、空気極ガス拡散層55の他端に接するとともに開口57を有するメッシュ状の空気極集電体56、燃料極触媒層54に接する燃料極ガス拡散層58、燃料極ガス拡散層58の他端に接するとともに開口60を有するメッシュ状の燃料極集電体59、これらを格納するとともに、燃料極側に空気取入口62を設けた筐体61からなる。なお、燃料極集電体59と筐体61との間隙が、水素発生物質64を格納する水素発生物質格納部63となる。
ここで、空気取入口62から大気を取り入れると、大気中の水蒸気と水素発生物質64とが反応してHが発生する。発生したHは燃料極触媒層54で、
→2H+ +2e-
となり、プロトンH+ を発生する。発生したH+ は膜電極接合体51を通過して、空気極触媒層53で空気極集電体56に設けた開口57から取り込んだOと反応して、
2H+ +(1/2)O+2e- →H
となる。この時の電子e- の流れが発電電流となる。
しかし、空気取入口62から取り込んだ大気中に含まれるOが、水素発生物質64との反応で発生したHと燃料極触媒層54において、
2H+(1/2)O→H
という燃焼反応を起こし、発生したHが発電に使われなくなるという問題が発生する。
したがって、このような大気中の水蒸気を利用する燃料電池システムでは、大気から酸素を分離する手段を設けることが不可欠であった。しかし、このような酸素を分離する手段を設けると燃料電池の構成が複雑化・大型化することになるので、小型化、簡便化、低コスト化に逆行するものとなる。
したがって、本発明は、簡便な構造で水素発生物質への水蒸気供給を制御することで水素発生の速度を制御し安定な出力を得ることを目的とする。
本発明の一観点からは、水と反応して水素を発生する水素発生物質を燃料として内蔵する燃料電池において、少なくとも酸素を還元する空気極と、水素を酸化する燃料極と、正極及び負極の間に配置され且つ水或いは水蒸気を含浸してイオン伝導性を発現させる固体電解質からなる膜電極接合体と、前記膜電極接合体を前記正極及び前記負極の両側から挟持し水蒸気の通過を制限する開口を持つ一対のマスクと、前記膜電極接合体と筐体により密閉された燃料極側の空間に水素発生物質の収容部とを有する燃料電池が提供される。
開示の燃料電池によれば、簡便な構造で水素発生物質への水蒸気供給を制御することで水素発生の速度を制御し安定な出力を得ることができ、それによって、小型で簡便な構成の低出力の燃料電池を実現することが可能となる。
ここで、図1を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施の形態の燃料電池の模式的構成図であり、固体電解質膜12、空気極触媒層13、燃料極触媒層14からなり発電部を構成する膜電極接合体(MEA)11、空気極触媒層13と接する多孔質状の空気極ガス拡散層15、空気極ガス拡散層15の他端に接するとともに微小開口17を有する空気極集電体16、燃料極触媒層14に接する多孔質状の燃料極ガス拡散層18、燃料極ガス拡散層18の他端に接するとともに微小開口20を有する燃料極集電体19、これらを格納する筐体21からなる。なお、燃料極集電体19と筐体21との間隙が、水素発生物質23を格納する水素発生物質格納部22となる。
この水素発生物質23としては、HOと反応してHを発生する物質であれば何でも良いが、典型的には、Al、NaBH、NaH等のアルカリ金属の水素化物、CaH等のアルカリ土類金属の水素化物等を用いる。
この場合の空気極集電体16に設ける微小開口17の直径或いは占有面積を制御することによって大気から燃料電池内部への水蒸気の供給が制限される。因に、空気極集電体16に設ける微小開口17の空気極集電体16に占める占有面積は0.001〜1%である。また、燃料極集電体19に設ける微小開口20燃料極集電体19に占める占有面積は0.01〜50%である。
このマスクとなる空気極集電体16を通過した水蒸気は膜電極接合体11中の固体電解質膜12及びマスクとなる燃料極集電体19に設けた微小開口20を通過して水素発生物質23に供給され、微少量の水素の生成が可能となる。
このとき、空気極集電体を通過して燃料電池内部に侵入する酸素は水蒸気と同様にマスクとなる空気極集電体16によって制限されるとともに、固体電解質膜12において燃料極側への進入が抑制される。即ち、固体電解質膜12において水或いは水蒸気は膜に含浸するため容易に通過できるが酸素は含浸性がないために通過しにくく、固体電解質膜が水(水蒸気)−酸素分離膜として働き燃料極側への酸素の侵入を抑制することになる。したがって、燃料極側において、水素−酸素の燃料反応を起こすことなく燃料電池が発電可能となる。
更に、発電進行によって生じる水(水蒸気)はマスクとなる空気極集電体16によって筐体21の外への放出が制限されるため、固体電解質膜12の加湿に利用されると同時に水素発生物質23への供給水(水蒸気)として利用可能となる。したがって、燃料極集電体19によって水素発生物質23への水供給速度が安定的に制御されるために発電が進行しても安定的に発電することが可能となる。
また、空気極触媒層13での発電反応によって空気極集電体16から燃料電池内部に侵入した酸素が消費されるため、空気極集電体16に設けた微小開口17のマスク作用による酸素供給制限とあわせて空気極触媒層13近傍の酸素濃度を極めて低くすることができ燃料電池をより安定的に発電させることが可能となる。
以上を前提として、次に、図2及び図3を参照して、本発明の実施例1の燃料電池を説明する。図2は、本発明の実施例1の燃料電池の構成説明図であり、図2(a)は平面図であり、図2(b)は図2(a)におけるA−A′を結ぶ一点鎖線に沿った断面図である。
この燃料電池は空気極側より、ガス交換口32が形成された正極缶31、空気極ガス拡散層33、空気極触媒層34、固体電解質膜35、燃料極触媒層36、燃料極ガス拡散層37、開口39を設けた負極リード兼マスク38、負極缶40からなる。また、負極リード兼マスク38と負極缶40との間の空間にCaH(和光純薬工業製)からなる水素発生物質43が格納される。ここで、水蒸気の進入を抑制するマスク作用を有するのは正極缶31、負極リード兼マスク38である。また、膜電極接合体MEAは空気極触媒層34、固体電解質膜35、燃料極触媒層36からなっている。なお、ガス拡散層41は水素発生物質43の体積変動の緩和や負極リード兼マスク38の目詰まり防止の機能を有する。
この場合の正極缶31、負極リード兼マスク38及び負極缶40は、例えば、厚さが0.2〜0.3mm程度のステンレスで構成し、正極缶31と負極缶40との結合部は、例えば、ポリプロピレンからなるガスケット42によって封止される。なお、正極缶31の直径は、例えば、2.4cmであり、所謂コイン型電池の外観となっている。
また、正極缶31に設けたガス交換口32は、ここでは、直径0.1mmとして4個設けた。また、負極リード兼マスク38に設けた開口39は、ここでは、直径0.3mmとして4個設けた。
また、空気極ガス拡散層33及び燃料極ガス拡散層37は燃料となる水素及び空気中の酸素を触媒層に導入できるよう多孔質体の形状とし、各触媒層と各集電体の間に配置されたときには導電性を持つ必要がある。このような材料として、例えば、カーボンペーパ(東レ製)を用いる。
また、空気極触媒層34はプロトンH+ と酸素O2 から水を生成する電気化学反応を生じることが可能な触媒または触媒担持体とプロトン伝導性高分子固体電解質を混合し、ガス拡散層または固体電解質に塗布したものである。具体的には、空気極触媒としてPt担持触媒TEC10E50E(田中貴金属社製)を用い、触媒混合・担持固体電解質として、Nafion(登録商標)DE2020(デュポン社製商品名)を用いた。
また、固体電解質膜35は水を含浸してプロトン伝導性を持つ高分子材料であり、例えばパーフルオロスルホン酸系の樹脂膜、具体的にはNafion(登録商標)N112(デュポン社製商品名)を用いる。
また、燃料極触媒層36は、水蒸気とCaHとの反応により発生させた水素HからプロトンH+ を生成する電気化学反応を生じることが可能な触媒または触媒担持体とプロトン伝導性高分子固体電解質を混合し、ガス拡散層または固体電解質に塗布したものである。具体的には、燃料極触媒としてPt−Ru合金担持触媒TEC61E54(田中貴金属社製)を用い、触媒混合・担持固体電解質として、Nafion(登録商標)DE2020(デュポン社製商品名)を用いた。
この本発明の実施例1の燃料電池における水素発生物質43の最大搭載量は0.5g(=500mg)程度であるが、ここでは、例えば、50mg搭載して水素発生量及び発電電流量を確認した。
図3は、水素発生速度及び発電電流量の経時変化の説明図であり、ここでは、25℃環境において0.4V定電圧放電を行った結果を示しており、後述する実施例2及び実施例3の結果も比較のために併せて示している。図3に示すように、実施例1の燃料電池の水素発生速度は0.3〜0.45cc/時程度(プラトーにおいて約0.43cc/h)であり、発電電流量は0.7〜1.0mA程度であった。このように、燃料電池の発電電流にプラトーが確認され、安定的に燃料電池として発電を行うことが確認された。なお、発電時間は約90時間であり、これは搭載したCaHの量に比例する。
これを、液体水の供給によって水素を発生させたと仮定したときの水供給速度で換算すると、0.1μL/hとなり、本発明の実施例1の燃料電池は液体水による水素発生制御が極めて難しい低水素発生条件を実現可能なことが明らかであった。
このように、本発明の実施例1の燃料電池は水蒸気を空気極側から抑制して供給することによって、微小電流、したがって、微小電力を安定して供給することが可能になった。
また、図2に示すように、カセットタイプではなく所謂コイン型電池或いはボタン型電池形状であるので、小型携帯電子機器への搭載が容易になる。
次に、本発明の実施例2の燃料電池を説明するが、負極リード兼マスク38に設けた開口39が異なるだけ、他の構成は実施例1の燃料電池と全く同じであるので、測定結果のみを説明する。なお、開口39として、直径14mmの開口を1個設けた。また、実施例2におけるCaHの搭載量は200mgとした。
ここでも25℃環境において0.4V定電圧放電を行った結果、図3に示すように、実施例2の燃料電池の水素発生速度は1〜2.3cc/時程度(プラトーにおいて約2.3cc/h)であり、発電電流量は2.5〜5mA程度であった。このように、実施例2においても、燃料電池の発電電流にプラトーが確認され、安定的に燃料電池として発電を行うことが確認された。なお、発電時間は約90時間であり、これは搭載したCaHの量に比例する。
この実施例2においては、負極リード兼マスク38に設けた開口39の占有面積を大きくしているので、水素発生物質23への水蒸気の供給量が多くなるため、水素発生速度も大きくなり実施例1の燃料電池に比べて出力を大きくすることができる。
しかし、液体水の供給によって水素を発生させたと仮定したときの水供給速度で換算すると、0.53μL/hとなり、本発明の実施例2の燃料電池においても、液体水による水素発生制御が極めて難しい低水素発生条件を実現可能なことが明らかであった。
次に、本発明の実施例3の燃料電池を説明するが、正極缶31に設けたガス交換口32及び負極リード兼マスク38に設けた開口39が異なるだけ、他の構成は実施例1の燃料電池と全く同じであるので、測定結果のみを説明する。なお、ガス交換口32として直径1.0mmの開口を4個設けるとともに、開口39として、実施例2と同様に直径14mmの開口を1個設けた。また、実施例3におけるCaHの搭載量は500mgとした。
ここでも25℃環境において0.4V定電圧放電を行った結果、図3に示すように、実施例3の燃料電池の水素発生速度はプラトーにおいて約18cc/時程度であり、発電電流量はプラトーにおいて42mA程度であった。このように、実施例3においても、安定的に燃料電池として発電を行うことが確認された。なお、発電時間は約18時間であり、これは搭載したCaHの量に比例する。
この実施例3においては、正極缶31に設けたガス交換口32の専有面積及び負極リード兼マスク38に設けた開口39の占有面積の双方を大きくしているので、水素発生物質23への水蒸気の供給量が非常に多くなる。その結果、水素発生速度も大きくなるため実施例1或いは実施例2の燃料電池に比べて出力を大きくすることができる。
しかしそれでも、液体水の供給によって水素を発生させたと仮定したときの水供給速度で換算すると、4.2μL/hにすぎず、本発明の実施例3の燃料電池においても、液体水による水素発生制御が極めて難しい低水素発生条件を実現可能なことが明らかであった。
以上、本発明の各実施例を説明してきたが、本発明は、各実施例に示した条件・構成に限られるものではない。例えば、燃料電池の形状はコイン型或いはボタン型に限られるものではなく、いかなる形状にも適用されるものである。
また、上記の各実施例に示した空気極触媒層、固体電解質層、或いは、燃料極触媒層の材料は単なる一例であり、市販されている各種の材料を用いても良いことはいうまでもない。また、水素発生物質の搭載量は任意であり、負極リード兼マスクと負極缶との間の空間、したがって、燃料電池の厚さを制御することによって任意に変更することができる。
本発明の実施の形態の燃料電池の模式的構成図である。 本発明の実施例1の燃料電池の構成説明図である。 水素発生速度及び発電電流量の経時変化の説明図である。 大気中の水蒸気を利用した燃料電池の模式的構成図である。
符号の説明
11,51 膜電極接合体
12,52 固体電解質膜
13,53 空気極触媒層
14,54 燃料極触媒層
15,55 空気極ガス拡散層
16,56 空気極集電体
17,20 微小開口
18,58 燃料極ガス拡散層
19,59 燃料極集電体
21,61 筐体
22,63 水素発生物質格納部
23,64 水素発生物質
31 正極缶
32 ガス交換口
33 空気極ガス拡散層
34 空気極触媒層
35 固体電解質膜
36 燃料極触媒層
37 燃料極ガス拡散層
38 負極リード兼マスク
39 開口
40 負極缶
41 ガス拡散層
42 ガスケット
43 水素発生物質
57,60 開口
62 空気取入口

Claims (5)

  1. 水と反応して水素を発生する水素発生物質を燃料として内蔵する燃料電池において、
    少なくとも酸素を還元する空気極と、
    水素を酸化する燃料極と、
    正極及び負極の間に配置され且つ水或いは水蒸気を含浸してイオン伝導性を発現させる固体電解質からなる膜電極接合体と、
    前記膜電極接合体を前記正極及び前記負極の両側から挟持し水蒸気の通過を制御する開口を持つ一対のマスクと、
    前記膜電極接合体と筐体により密閉された燃料極側の空間に水素発生物質の収容部とを有する燃料電池。
  2. 前記正極側に配置するマスクに設けた開口の開口寸法が、前記負極側に配置するマスクに設けた開口の開口寸法より小さい請求項1記載の燃料電池。
  3. 前記正極側に配置するマスクに設けた開口が、酸素の取り入れ口を兼ねている請求項1または2に記載の燃料電池。
  4. 前記膜電極接合体と筐体により密閉された燃料極側の空間に、液体水を供給する機構を備えていない請求項1乃至3のいずれか1項に記載の燃料電池。
  5. 前記筐体が、コイン型或いはボタン型の電池構造を構成する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の燃料電池。
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