JP2010031807A - ポンプ用羽根車及びそれを備えたポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】流体中での駆動回転時には、羽根の配置に起因して径方向の内方に向かう方向の流体力が所定の周方向位置において作用することにより、回転中心軸に対し非対称な力を受けるポンプ用の羽根車6として、空気中における機械的バランスと、流体中における水力的バランスとの双方を両立させる。
【解決手段】羽根車本体61に、流体中においては、その内部に当該流体が充填される充填空間611を形成する。羽根車本体61が流体中で駆動回転しているときには、充填空間611内に充填されている流体に作用する遠心力によって、羽根車本体611に作用する流体力が打ち消される。
【選択図】図5

Description

本発明は、ポンプ用羽根車及びそれを備えたポンプに関する。
従来より、汚水等の搬送に好適なポンプとして遠心ポンプが用いられており、この遠心ポンプが有する羽根車のうち、夾雑物等の固形物を含んだ汚水等に対しても詰まりが生じにくい羽根車として、その内部に、一端面に開口する入口と周面に開口する出口とを繋ぐ流路が、一枚羽根によって形成された羽根車が知られている(例えば、特許文献1参照)。
こうした一枚羽根の羽根車は、回転中心軸に対して非軸対称な形状になってしまう。そのため、この特許文献1に開示された羽根車では、静止時における静的バランスや、空気中(気中)回転時における動的バランス(以下、これらを総称して機械的バランスという)を得るために、窪みを形成している(徐肉している)。こうした空気中での機械的バランスは、ポンプ設置時の確認試験の際や、無負荷運転となってしまった際(例えば圧送流体がないにも拘わらず、誤ってポンプが起動してしまった際等)において、ポンプが損傷することを防止する上で必要である。
特開2007−255324号公報
一方で、こうした羽根車は、流体中での駆動回転時(つまり、ポンプの実際の駆動時)には、吸込負圧に起因して流体から径方向の内方に向かう力を受ける(以下、この力を流体力とも言う)ことになるが、前記特許文献1に開示されているような一枚羽根の羽根車では、その流体力が回転中心軸に対して非対称に作用することになるため、流体中での駆動回転時におけるバランス(水力的バランス)を確保する必要がある。そのために前記特許文献1に開示されている羽根車では、フランジ部に、水力的バランスを得るための質量部を設けるようにしている。
しかしながら、こうした質量部を設けた場合には、今度は、空気中における機械的バランスが崩れることにもなってしまうため、特許文献1に開示されている羽根車は、空気中における機械的バランスと流体中における水力的バランスとを両立させることが難しいという不都合がある。
特に、羽根車の効率を向上させることによって、その吸込負圧が大きくなった場合には、羽根車に作用する流体力も相対的に大きくなり、水力的バランスが大きく崩れることになる。この場合において、水力的バランスが得られるように羽根車に対して比較的大きい質量部を設けたのでは、今度は、機械的バランスが大きく崩れることになる。このため、羽根車の効率が高くなればなるほど、機械的バランスと流体中における水力的バランスとを両立させることが難しくなってしまうという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ポンプ用の羽根車として、空気中における機械的バランスと、流体中における水力的バランスとの双方を両立させることにある。
本発明の一側面によると、ポンプ用羽根車は、回転中心軸を中心として回転する羽根車本体と、前記羽根車本体に設けられた羽根と、を備え、前記羽根車本体は、流体中での駆動回転時には、前記羽根の配置に起因して径方向の内方に向かう方向の流体力が所定の周方向位置において作用することにより、前記回転中心軸に対し非軸対称な力を受け、前記羽根車本体には、流体中においては、その内部に当該流体が充填される充填空間が形成されていて、前記羽根車本体が前記流体中で駆動回転しているときには、前記充填空間内に充填されている流体に作用する遠心力によって、前記羽根車本体に作用する前記流体力が打ち消されるように構成されている。
この構成によると、羽根車本体には、羽根の配置に起因して回転中心軸に対し非軸対称に流体力が作用するが、この羽根車本体には充填空間が形成されており、羽根車本体を流体中で駆動回転させたときには、その充填空間内に充填されている流体に作用する遠心力によって、前記の流体力が打ち消されるようになる。こうして、羽根車を流体中で駆動回転させているときのバランス(水力的バランス)が得られるようになる。
一方、この羽根車本体を空気中に置いて回転させたときには、前記充填空間内の流体を無くしてその空間内を空にする。この空の状態において、羽根車本体の静的バランスや、動的バランスが得られるようにしておくことにより、空気中における機械的バランスも得ることができる。
従って、この羽根車では、空気中においては充填空間内を空にし、流体中においては充填空間内に流体を充填させることによって、空気中における機械的バランスと流体中における水力的バランスとの双方が両立する。
前記充填空間は、前記羽根車本体における前記回転中心軸を挟んだ一側及び他側の内、前記流体力が作用する側に設けられている、とすればよい。
こうすることによって、羽根車本体に対し径方向の内方に向かう方向に作用する流体力と、充填空間内の流体に対し径方向の外方に向かう方向に作用する遠心力とが互いに逆向きになり、2つの力が打ち消し合って、流体中における水力的バランスが達成される。
前記充填空間は、前記回転中心軸を囲むように周方向に延びて設けられており、前記羽根車本体には、前記充填空間の周方向の角度範囲が所定の範囲となるように区画する区画壁が形成されている、とすればよい。
こうすることで、羽根車本体に対して、周方向の必要な角度範囲に亘って、充填空間内の流体(つまり遠心力が作用する質量)を配置することが可能になり、流体中における水力的バランスを達成することが実現し得る。
前記充填空間の角度範囲は、180°よりも大に設定されている、としてもよい。
羽根車本体に対して作用する流体力の角度位置が、常に同じ位置で変化しないときには、羽根車本体における前記回転中心軸を挟んだ一側及び他側の内、前記流体力が作用する側において、その角度範囲が例えば180°となるように充填空間を形成すればよい。こうすることによって、充填空間内に充填されている流体に作用する遠心力の方向と、流体力の方向とが互いに逆向きになり、流体力を確実に打ち消すことが可能になる。
しかしながら、羽根車が取り付けられたポンプにおいて吐出流量が変化するに伴い、羽根車本体に作用する流体力の角度位置は変化する。このため、充填空間が形成される角度範囲を180°よりも大きくして、流体が充填される角度範囲を広げることにより、流体力の作用する角度位置が変化した場合でも、その流体力を打ち消し得る方向の遠心力が発生し得る。つまり、充填空間が形成される角度範囲を180°よりも大きくすることは、ポンプの広い流量範囲に亘って、羽根車本体の流体中の水力的バランスを達成する上で有利になる。
前記羽根車本体は、径方向の内方に向かう方向の流体力が、前記回転中心軸に対し非対称に作用するのであれば、その形態(例えば羽根の枚数や、ノンクロッグ型といった、羽根車の型式等)は、特に限定されるものではないが、前記羽根車本体は、前記回転中心軸方向に相対する一端面及び他端面、並びに当該一端面と他端面との間の周面を含んだ略円筒形状を有しており、前記羽根は、前記一端面に開口する入口と前記周面に開口する出口とを繋ぐ内部流路が形成されるように設けられた一枚羽根で構成されている、としてもよい。
こうした一枚羽根の羽根車は、空気中における機械的バランスが得られない上に、流体力が非軸対称に作用するため、そのままでは機械的バランス及び流体中の水力的バランスを両立させることができないものの、本構成の羽根車は、充填空間を設けることによって、空気中の機械的バランス及び流体中の水力的バランスを両立させることができるため、特に有効である。
前記充填空間は、前記羽根車本体に対し、前記他端面に開口すると共に、前記回転中心軸方向に凹陥して形成されており、前記羽根車本体の前記他端面に取り付けられることによって、前記充填空間の開口を閉塞する蓋体をさらに備え、前記蓋体には、前記充填空間に連通すると共に、流体中においては当該充填空間に流体を流入させる一方、空気中においては前記充填空間内の流体を排出させる貫通孔が形成されている、としてもよい。
充填空間の開口を羽根車本体の他端面にそのまま露出させていると、流体の乱れによる動力損失が増大してしまうことと、充填空間内に流体を留めて安定的に遠心力を発生させることが難しいこととから、蓋体を取り付けて羽根車本体の他端面を平坦にすることが望ましい。
一方で、充填空間の開口を蓋体によって閉塞させていても、蓋体に貫通孔を形成していることによって、流体中においては貫通孔を通じて充填空間内に流体を流入する一方、空気中においては貫通孔を通じて充填空間内の流体を排出することが可能になる。
本発明の他の側面によると、ポンプは、前記のポンプ用羽根車と、前記ポンプ用羽根車を収容するケーシングと、前記ポンプ用羽根車を回転駆動させる駆動源と、を備えている。この構成によると、羽根車の、空気中における機械的バランスと流体中における水力的バランスとを両立させることができる。
以上説明したように、本発明によると、羽根車本体に充填空間を形成して、流体中においてはその充填空間内に流体が充填されるようにすることで、充填空間内の流体に作用する遠心力によって、羽根車本体に対し非軸対称に作用する流体力を打ち消すことができる一方、空気中においては、その充填空間内を空にすることによって、機械的バランスを得ることができ、空気中の機械的バランスと流体中の水力的バランスとの双方を両立させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本発明の実施形態に係る羽根車を備えた水中ポンプ1を示している。この水中ポンプ1は、羽根車6を有するポンプ部21と、該羽根車6を駆動するモータ3を有するモータ部22と、を備えている。水中ポンプ1は、オイルケーシング23を挟んだ下側にポンプ部21を、その上側にモータ部22をそれぞれ配置することによって、ポンプ部21及びモータ部22が上下方向に並んで配置されて構成されている。尚、この水中ポンプ1は、後述するヘッドカバー34やポンプケーシング4が、所定の樹脂材料によって形成された軽量タイプとなっている。
モータ部22は、ステータ31及びロータ32からなる前記モータ3と、該モータ3のステータ31を覆うステータケーシング33と、ステータケーシング33の上端に取り付けられるヘッドカバー34と、を備えている。モータ3の回転軸35は、上下方向に延びて配設されている。
ステータケーシング33は、両端開口の略円筒型に形成されている。ステータケーシング33の上端開口は、モータカバー36によって閉塞されており、このモータカバー36の下面には、回転軸35の上端部を回転可能に支持する軸受35aが取り付けられている。
ヘッドカバー34は、ステータケーシング33の上端に対して取り付けられている。ヘッドカバー34は、上壁と、この上壁の周縁部から下方に延びてステータケーシング33の上端部に固定される周壁とを含み、横断面形状が逆U字状に形成されている。これによってヘッドカバー34は、その内部に、前記モータカバー36と共に各種の電気部品を収容するための収容空間34aを形成するようになっている。ヘッドカバー34の上壁には、モータ3に給電する給電ケーブルが挿通されるケーブルブーツが貫通して取り付けられていると共に、その上面の中央部には、ハンドル34bが形成されている。
このヘッドカバー34は、周方向に所定の間隔を開けて配置された複数のボルト37(図例では一つのみ示す)によって、オイルケーシング23に対し固定されている。つまり、ヘッドカバー34の周縁部に形成された貫通孔を通過した前記ボルト37は、前記モータカバー36を貫通すると共に、ステータケーシング33の内周面に沿って下向きに延びて、オイルケーシング23の周縁部に対して螺合している。こうして、この水中ポンプ1では、上下方向に延びる長尺のボルト37によって、ヘッドカバー34、ステータケーシング33、及びモータカバー36のそれぞれをオイルケーシング23に対して一度に固定するようにしており、これによって、この水中ポンプ1では、部品点数の低減化及び組み立て工数の低減化が図られている。
オイルケーシング23は、ステータケーシング33の下端に取り付けられており、このオイルケーシング23によってステータケーシング33の下端開口が閉塞されている。
オイルケーシング23は、その下側にポンプケーシング4が取り付けられることによって、このポンプケーシング4と共に、潤滑油が充填される油室53を区画形成するケーシングであって、モータ3の回転軸35が内挿される貫通孔が形成されていると共に、その上面には、回転軸35の中間部を回転可能に支持する軸受35bが取り付けられている。
オイルケーシング23及びポンプケーシング4によって区画形成される油室53内では、回転軸35がメカニカルシール51によって軸封されていると共に、メカニカルシール51の外周囲の略全周を囲む環状壁52が設けられている。
ポンプ部21は、モータ3の回転軸35の下端に取り付けられた羽根車6を備えると共に、ポンプケーシング4を備えている。
この水中ポンプ1は遠心ポンプであり、そのポンプケーシング4は、オイルケーシング23と共に油室53を区画形成する上側の第1ポンプケーシング41と下側の第2ポンプケーシング42とが、溶着により一体化されることで構成されている。このように第1ポンプケーシング41と第2ポンプケーシング42とを溶着により一体化することで、例えばボルト・ナットの締結手段により2つのポンプケーシングを一体化する場合に必要となるフランジが不要となり、水中ポンプ1の小型化が実現する。
ポンプケーシング4の上部には、回転軸35が内挿される貫通孔が形成されていると共に、その内部に羽根車6を収容する渦形室43が形成されている。
また、ポンプケーシング4の下部は、下方に向かって開口しており、この開口に対して、羽根車6の下端部であるウェアリング部692を支持するための開口44aを有するライナリング44が取り付けられている。
一方、ポンプケーシング4の側部には、側方に突出すると共に、上向きに湾曲する吐出部45が一体に形成されている。この吐出部45は、渦形室43に連通していると共に、上向きに開口する吐出口45aが形成されている。吐出口45aは、図示省略の排出管に連結されることになる。
そうして、ポンプケーシング4の下部には、下向きに延びる4つの脚部46(図1では3つのみ示す)が所定の配置で配設されており、この各脚部46の下端は、スタンド7に対して取付固定されている。
スタンド7は、合成樹脂製の本体部71と、この本体部71の下側を覆うゴム製のカバー72とを備えて構成されており、本体部71には、前記各脚部46の下端が内挿されてビス止めされる差込部73が上向きに突出して一体に形成されている。各脚部46の下面と差込部73との間には、制振ゴム又は制振鋼板74が介設されており、これにより、このスタンド7は、前記カバー72による水中ポンプ1の設置位置のずれを防止する機能と、前記制振ゴム又は制振鋼板74による水中ポンプ1駆動時の制振機能との双方の機能を果たすことになる。
羽根車6は、本実施形態では、図2〜6に示すように、略円筒形状を有するノンクロッグ型の羽根車であって、その筒軸と回転軸35とが同軸となるように、回転軸35の下端に対して固定されている(図1参照)。羽根車6は、羽根車本体61と、この羽根車本体61の上端面に取り付けられる蓋体62と備えて構成されている。また、羽根車6は、主に空気中での機械的バランスを得るために、上側バランスウエイト63と下側バランスウエイト64とを備えている。詳しくは後述するが、図5に示すように、上側バランスウエイト63は、羽根車本体61と蓋体62との間に配置固定され、下側バランスウエイト64は、羽根車本体61のウェアリング部692に埋設されている。さらに、羽根車6は、詳しくは後述するが、主に流体中での水力的バランスを得るために、その羽根車本体61に凹陥部611(充填空間)を形成している。
羽根車本体61は、略円筒状を有しており、その下端面には、下向きに開口する入口601が形成されている一方、その周面における所定の位置には、側方に向かって開口する出口602が形成されている。そうして、羽根車6の内部には筒軸方向に延びる内部流路603が形成されており、この内部流路603によって入口601と出口602とが互いに繋がっている。
羽根車本体61の外周面には、径方向の内方に窪んだ外部流路604が形成されている。この外部流路604は、筒軸方向に延びる流路ではなく、その流路中心は羽根車本体61の筒軸と直交する直交面上に位置している。外部流路604は、出口602において内部流路603の下流側と連続していて、羽根車6のおおよそ1周の長さにわたって周回している。
この外部流路604は羽根605によって区画されている。この羽根605は、いわゆる半径流形の一枚羽根(遠心羽根)であり、この遠心羽根605によって、外部流路604内の水が昇圧されて外周側(径方向外側)に吐出される。尚、羽根605は、その内周側において、内部流路603を区画することにもなる。
羽根車本体61において外部流路604よりも上側には、全周にわたって径方向の外方に突出した第1フランジ部681が形成されている。また、外部流路604よりも下側には、同じく全周にわたって径方向の外方に突出した第2フランジ部682が形成されている。第2フランジ部682は、羽根車6における、入口601が形成された下側部分と、出口602が形成された上側部分とを上下に仕切っている。すなわち、この羽根車6は、入口601と出口602との間が第2フランジ部682で仕切られたクローズドタイプの羽根車である。
そうして、第1フランジ部681よりも上側である羽根車本体61の上端面には、その中心位置に、モータ3の回転軸35が内挿されて固定される取付孔が形成された軸支持部691が、上方に突出して形成されている。この軸支持部691は、所定の金属材料によって構成されている。また、羽根車本体61において第2フランジ部682よりも下側には、前記ポンプケーシング4の開口44a内に内挿されるウェアリング部692が、下方に向かって突出するように形成されている。
ここで、この羽根車本体61は、水中ポンプ1の動力低減の観点から、その径が可及的に小さくなるように、第1及び第2フランジ部681,682の径が小さく設定されており、これによって、図3や図5,6に示すように、第2フランジ部682とウェアリング部692との間の段差はほとんど生じていないデザインとなっている。尚、例えばこの段差が無くなるように、第1及び第2フランジ部681,682の径をさらに縮小させてもよい。逆に、入口601の径が大きくなるようにウェアリング部692の径を拡大することによって、第2フランジ部682とウェアリング部692との間の段差を無くしてもよい。
このようにして内部流路603及び外部流路604が構成された本実施形態に係る羽根車6は、従来に比べて高効率化が図られている。
この羽根車本体61にはまた、図5〜7に示すように、羽根車本体61の上端面から筒軸方向に凹陥する凹陥部611が形成されている。この凹陥部611は、羽根車本体61の上端面において、筒軸を囲むように周方向の全周に亘って拡がっている。また、この凹陥部611は、図5,6に示すように、出口602の開口側(図5における右側)は相対的に深さが浅く、その出口602の開口側とは逆側(図5における左側)は相対的に深さが深くなるように構成されている。この凹陥部611は、羽根車6が水没した状態では、その内部に流体が充填される充填空間として機能する。
この羽根車本体61における上端部にはまた、径方向に拡がることで軸支持部691と羽根車本体61の周縁部とを互いに連結する補強リブ612が形成されている。この実施形態では、図7に示す羽根車本体61において、出口602の開口側に相当する上半分の領域には、互いに所定の角度を開けて第1〜第3の3つの補強リブ612a、612b、612cがそれぞれ形成されている一方、出口602の開口側とは逆側に相当する下半分の領域には、一つの補強リブ(第4補強リブ612d)が形成されている。そうして、この4つの補強リブ612の内、第1及び第3補強リブ612a、612cは、周方向に延びる前記充填空間が所定の角度範囲となるように区画する区画壁として機能する。つまり、各補強リブ612は、例えば図5に示すように、凹陥部611の開口から底部まで、筒軸方向に延びて配設されており、これによって、各補強リブ612は、凹陥部611を周方向に複数の領域に区画するようになっている。そうして、複数に区画された凹陥部611の内、出口602の開口側とは逆側であって、その深さが相対的に深い凹陥部611の部分(第1及び第3補強リブ612a、612c)によって区画される部分が、充填空間として機能することになる。尚、第4補強リブ612dは、羽根車本体61の補強リブとして機能するものであって、この第4補強リブ612dによって充填空間が区画されるのではない。
こうして凹陥部611によって構成される充填空間は、出口602の開口側とは逆側の位置において、概略240°の角度範囲に亘って拡がることになる。
出口602の開口側に配設された第1〜第3の3つの補強リブ612a、612b、612cはそれぞれ、図11等に示すように、上側バランスウエイト63が載置される載置部を兼用している。つまり、前記羽根車本体61における各補強リブ612の上端面は、上側バランスウエイト63が載置される載置面614として機能している。さらに、各補強リブ612における径方向の略中央位置には、上側バランスウエイト63を固定するためのボス部613が形成されている。
ボス部613は、図10,11に示すように、補強リブ612の幅よりも大きい直径を有する、平面視で円形状を有する部分であり、その中心位置には、上向きに開口すると共に筒軸方向に延びるピン穴615が形成されている。また、ボス部613の外周面には、径方向の外方に向かって突出する3つの突起616が、周方向に等間隔を空けて、ボス部613と一体に形成されている。
上側バランスウエイト63は、前述したように、機械的バランスを得るために羽根車本体61に取り付けられるウエイトであり、所定の金属材料からなる。この上側バランスウエイト63は、図12に示すように、所定板厚の円環板状の部材を、所定の角度範囲分だけ切り出したような略扇形形状を有しており、この上側バランスウエイト63は、径方向の幅が、筒軸方向(上下方向)の厚みに比べて大きい横型形状を有している。この上側バランスウエイト63は、図7に示すように、羽根車本体61における軸支持部691と周縁部との間に配設されるため、その内径は、軸支持部691の径よりも大に設定される一方、その外径は、羽根車本体61の周縁部の径よりも小に設定される。尚、上側バランスウエイト63の形状は、特に限定されるものではなく、羽根車本体61と蓋体62との間に配置されるという制約の下で、必要な重量が確保できるように適宜設定すればよい。
上側バランスウエイト63には、3つのボス部613にそれぞれに対応するように、3つの孔631が厚み方向に貫通して形成されている。この各孔は、前記ボス部613に外嵌される外嵌孔631であり、図10に示すように、その孔径は、前記ボス部613の径よりも大きくかつ、突起616の先端を結ぶ円の径よりも小さい径に設定されている。
そうしてこの上側バランスウエイト63は、図10,11に拡大して示すように、各外嵌孔631がボス部613に対して外嵌するようにして、補強リブ612の載置面614上に載置される。それによって、羽根車本体61の上端面における、出口602の開口側に、上側バランスウエイト63が位置付けられることになる。こうして機械的バランスに関係する上側バランスウエイト63を、充填空間として機能する部分(図7における下側の部分)に対して、回転中心軸を挟んだ逆側の位置(図7における上側の位置)に正確に位置付けることができる。また、上側バランスウエイト63によって、出口602の開口側における凹陥部611の上端開口が覆われるようになるため、この部分に流体が流入することが抑制されるようになる。
ここで、上側バランスウエイト63の外嵌孔631は、その径がボス部613の径よりも大きくかつ、突起616の先端を結ぶ円の径よりも小さい径に設定されているため、突起616の一部が潰れることで、外嵌孔がボス部613に対して外嵌されることになる。これによって、上側バランスウエイト63のガタを無くすことができる。
前記の蓋体62は、図8,9に示すように、円盤形状を有すると共に、その中央部には羽根車本体61の軸支持部691が内挿される挿通孔621が形成されている。蓋体62を羽根車本体61の上端面に対して取り付けることによって、凹陥部611の開口を閉塞して、羽根車本体61の上端面を平坦面にすることができる。このことは、流体の乱れによる動力損失の増大を防止する上で有効である。
この蓋体62は、例えば合成樹脂製であり、その表面側は平坦面に構成される一方で、その周縁部における、出口602の開口に対応する側と、筒軸を挟んでそれとは逆側とのそれぞれには、周方向に所定間隔を空けて、2つの弾性係合爪622が、蓋体62と一体に形成されている。各弾性係合爪622は、羽根車本体61の上端部における周縁部に対し形成された係合溝683に対して係合する爪であり、この弾性係合爪622と係合溝683とによって、蓋体62を羽根車本体61に対して取付固定する係合手段が構成されている。このように、弾性係合爪622を係合溝683に対して係合させることによって、蓋体62を羽根車本体61に取付固定するため、組み立て作業に際し工具等は不要であり、羽根車6の組み立てが簡略化されるという利点がある。
蓋体62の裏面には、羽根車本体61の各ボス部613に対応する位置に、3つの嵌合ピン623が、その裏面から突出するように形成されている。この各嵌合ピン623は、図11に示すように、蓋体62を羽根車本体61に対して取り付けたときに、各ボス部613に形成されたピン穴615に対して内嵌する。こうして、蓋体62は、前記弾性係合爪622と係合溝683との係合に加えて、各嵌合ピン623がピン穴615に内嵌することによって、羽根車本体61に対して、より一層安定的に取付固定されることになる。
前記蓋体62の裏面にはさらに、上側バランスウエイト63を押さえるための押さえ部624が、裏面から突出して形成されている。この押さえ部624は、各嵌合ピン623を取り囲むように環状に形成されており、これによって、図11に示すように、蓋体62を羽根車本体61に取付固定したときには、押さえ部624の下面が、ボス部613の周辺部において、上側バランスウエイト63の上面を下向きに押さえるようになる。そうして、上側バランスウエイト63が、蓋体62と羽根車本体61とによって挟持されることになる。こうして、後述するように、蓋体62を羽根車本体61の取り付けると同時に上側バランスウエイト63の固定が可能になるため、羽根車6の組み立て作業をより一層、容易化することができる。
この蓋体62にはまた、出口602の開口側とその逆側とのそれぞれに、2つの貫通孔625が形成されている。この貫通孔625は、蓋体62を羽根車本体61に取り付けたときに、凹陥部611と連通する孔であり、これによって、羽根車6を水没させたときには(水中ポンプ1を設置したり、又、設置した水中ポンプ1に対して水位が上昇したりすることに伴う)、この貫通孔625を通じて凹陥部611内に流体が流入して、凹陥部611(充填空間)が流体によって充填される。このときに、充填空間として機能しない凹陥部611の部分(図7における上側の部分)には、前述したように、上側バランスウエイト63が配設されていることによって、この部分に流体が流入することは抑制される。尚、凹陥部611内の流体に作用する遠心力の周方向に対する分布を所定の分布にする上で、本実施形態では充填空間として機能させない凹陥部611の部分にも流体を充填させる必要がある場合には、上側バランスウエイト63に、蓋体の貫通孔625に連通する貫通孔を形成してもよい。そうして、凹陥部611の全周に亘って流体を充填させるようにしてもよい。
一方、羽根車6を流体中から引き上げて空気中で駆動回転させたときには、この貫通孔625を通じて凹陥部611内の流体が外部に排出されるようになる。ここで、各貫通孔625は、蓋体62において可及的に径方向の外周側に、複数、配置することが好ましい。こうすることによって、凹陥部611内の流体を確実に外部に排出することが可能になると共に、凹陥部611(特に充填空間)内に流体を確実に流入させることが可能になる。尚、ここでは貫通孔625を、蓋体62の中心軸に対して軸対称に配置しているが、貫通孔625の配置は必ずしもこれに限定されず、適宜設定すればよい。但し、蓋体62における重量バランスを考慮して、貫通孔625を配置することがより好ましい。
下側バランスウエイト64は、図3,4に示すように、羽根車本体61の出口602の開口側における、ウェアリング部692に埋設されている。
所定の金属材料からなる下側バランスウエイト64は、図13等に示すように、円弧状に湾曲した板片であって、筒軸方向の高さがその径方向の厚みに比べて大きい縦型形状を有している。そうして、この下側バランスウエイト64は、図4に示すように、その下端面が羽根車本体61の下端面に対して露出するように、ウェアリング部692に対して埋め込まれている。
下側バランスウエイト64における所定位置には、2つの貫通孔641が形成されており、各貫通孔641は、成形金型の位置決めピン8が内挿される位置決め孔として機能する。また、この下側バランスウエイト64の下端における中央位置には、切り欠き642が形成されている。この切り欠き642によって、羽根車本体61をモールド成形したときには、この切り欠き642の部分に樹脂が充填されるようになり、そのことで、図4に示すように、下側バランスウエイト64に対し、厚み方向に横切るような抜け止め部694が構成されることになる。
このように下側バランスウエイト64は、上側バランスウエイト63とは異なり、縦型形状を有しているため、径方向に薄肉のウェアリング部692に埋設することが可能になる。そうして下側バランスウエイト64を羽根車本体61内に埋め込むことによって、第2フランジ部682にバランスウエイトを取り付ける必要がなくなり、羽根車6の入口601の径を可及的に大きくして、所定の異物通過特性を確保しつつ、第1及び第2フランジ部681,682の径を可及的に小さくして羽根車6の径を縮小することにより、水中ポンプ1の動力低減を図ることができる。
次に、羽根車本体61の製造手順について簡単に説明する。この羽根車本体61は、本実施形態では、合成樹脂製であるとする。先ず、金型(図示省略)内における所定位置に、軸支持部691と、下側バランスウエイト64と、をそれぞれ配置する。このとき、下側バランスウエイト64は、図13に示すように、2つの位置決めピン8によって、周方向の位置とその傾きとが規定される。また、位置決めピン8は先端側の小径部81と基端側の大径部82とを有していて、その径の異なる段差位置において、下側バランスウエイト64の径方向の位置も規定されることになる。こうして下側バランスウエイト64を金型内の所定位置に精度良く位置付けることができるため、羽根車本体61における薄肉のウェアリング部692に、下側バランスウエイト64を確実に埋め込むことが可能になる。
そうして周知の樹脂モールド成形によって羽根車本体61を成形する。その成形後の羽根車本体61のウェアリング部692には、図2,3に示すように、前記位置決めピン8による穴693が形成されることになる。
次いで、成形後の羽根車本体61の上端面に対し、別途用意した上側バランスウエイト63を取り付ける。この上側バランスウエイト63は、前述したように、ボス部613の突起616を潰すようにして、上側バランスウエイト63の各外嵌孔631をボス部613に対して外嵌させるようにする。
その後、別途成形した蓋体62を羽根車本体61に対して取り付ける。このときに、蓋体62の嵌合ピン623が羽根車本体61のピン穴615に内嵌すると共に、蓋体62の弾性係合爪622が弾性変形することによって、羽根車本体61の係合溝683に対して係合する。こうして、蓋体62が羽根車本体61に対して取付固定されると同時に、蓋体62の押さえ部624が、上側バランスウエイト63を押さえるようになり、それによって、上側バランスウエイト63の羽根車本体61に対する取付も完了することになる。
このように羽根車6は、上側バランスウエイト63及び下側バランスウエイト64によって、静的及び動的なバランスが達成されているため、空気中における機械的バランスが得られており、このことにより、この構成の羽根車6を備えた水中ポンプ1を、例えばポンプ設置時の確認試験の際や、無負荷運転となってしまった際(例えば圧送流体がないにも拘わらず、誤ってポンプが起動してしまった際等)等の、空気中で駆動させたときでも振動等が生じることなく、羽根車6がスムースに回転駆動し、ポンプ1が損傷することが防止される。
そうして、この水中ポンプ1を水中に設置する、又は設置した後に水位が上昇することによって、羽根車6が水没したときには、前述したように、蓋体62に形成された貫通孔625を通じて流体が凹陥部611内に流入し、このことによって、特に充填空間内が流体で充填されることになる。
この状態で、水中ポンプ1を駆動し、羽根車6を回転させたときには、この羽根車6に作用する流体力と、充填空間内の流体に作用する遠心力とが打ち消し合って、水力的バランスが達成されることになる。
すなわち、羽根車6の内部流路603に流体が吸い込まれることによる負圧に起因して、羽根車6(羽根車本体61)には、図5,7に矢印で示すように、出口602の開口側とは逆側の周方向位置において、径方向の内方に向かう方向に流体力が作用することになる。
一方で、この羽根車6の充填空間内には流体が充填されているため、羽根車6の回転駆動時には、その流体に対し、径方向の外方に向かう方向に遠心力が作用することになる。凹陥部611からなる充填空間が、前述したように、出口602の開口側とは逆側に形成されていることから、この遠心力は、出口602の開口側とは逆側の周方向位置において、径方向の外方に向かう方向に作用することになる(図5,7の矢印参照)。
従って、前記の流体力と遠心力とが互いに逆向きになって打ち消し合うことになり、羽根車6の流体中における水力的バランスが達成されることになる。
また、この水中ポンプ1を水中から引き上げて、空気中において駆動したときには、羽根車6の回転駆動に伴い、凹陥部611内の流体が、蓋体62の貫通孔625を通じて排出され、凹陥部611が空になる。そのため、前述したように、羽根車6は、上側バランスウエイト63及び下側バランスウエイト64によって機械的バランスが得られる状態になり、空気中においても安定して回転駆動されることになる。
このようにこの羽根車6は、空気中においては充填空間内が空になり、流体中においては充填空間内が流体で充填されるようになるから、空気中における機械的バランスと流体中における水力的バランスとの双方を両立させることが実現する。
また本実施形態では、その充填空間の角度範囲を概略240°として、角度範囲を180°以上に設定することにより、水中ポンプ1の広い流量範囲に亘って、水力的バランスが達成される。すなわち、水中ポンプ1の吐出流量が変化することに伴い、羽根車6に対して作用する流体力の角度位置が変化することになる(図7において羽根車本体61の最下端に相当する角度位置で鉛直真上の方向に作用する流体力が、その角度位置からずれた位置で、図7において傾いて作用するようになる)。これに対し、充填空間の角度範囲を予め180°以上に広げて設定することによって、角度位置が変化した後の流体力に対して逆向きの遠心力が得られるようになる。従って、流体力の角度位置が変化しても、その流体力を打ち消すことができるようになり、その結果、水中ポンプ1の広い流量範囲に亘って、水力的バランスを達成することができる。
このように、水中ポンプ1の吐出流量に応じて、羽根車6に作用する流体力の大きさや、その角度位置は変化するが、前記充填空間として機能させる凹陥部611の深さや、補強リブ612によって規定される周方向の角度範囲、つまり充填空間の容積は、水中ポンプ1の設計点において、羽根車6に作用する流体力の大きさ及びその角度位置に応じて、それと同等の大きさでかつ逆向きの遠心力が得られるように、設定すればよい。具体的には凹陥部611内に充填される流体の質量として必要な質量が、所望の角度位置において確保できるように設定すればよい。
ここで、前記の実施形態では、凹陥部611を羽根車本体61の全周に亘って形成する一方で、補強リブ612によって、充填空間として機能させる角度範囲を区画するようにしているが、充填空間として機能させる角度範囲についてのみ凹陥部611を形成し、充填空間として機能させない角度範囲については(図7においては第1及び第3補強リブ612a、612cによって区画される上側の部分)、凹陥部611を形成しないようにしてもよい。このように凹陥部611を形成しない方策としては、その部分の肉厚を分厚くすることによって予め凹陥部を形成しないようにしてもよいし、凹陥部611内を後から埋めることによって凹陥部を形成しないことと同等にしてもよい。例えば、凹陥部611内に、バランスウエイトを配置することによって、凹陥部を埋めるようにようにしてもよい。
また逆に、凹陥部611を周方向の全周に亘って形成しつつ、補強リブにより充填空間として機能させる角度範囲を区画しないようにしてもよい。つまり、凹陥部611における出口602の開口側の深さとその逆側の深さとを変えること等によって、凹陥部611内に充填されている流体の周方向の質量分布を適宜設定することによって、その流体に作用する遠心力の分布が、前記の流体力を打ち消すような分布となるようにしてもよい。つまり、充填空間の周方向の角度範囲を規定する区画壁等は必須ではない。
また、補強リブ612によって区画壁を構成することに限定されない。さらにまた、区画壁は、径方向に直線状に延びる形状に限らず、湾曲していてもよい。
尚、本発明に係る羽根車は、合成樹脂製の羽根車に限定されるものではない。
また、本発明に係る羽根車は、一枚羽根の羽根車に限定されるものではなく、2枚以上の羽根を有する羽根車においても適用可能である。つまり、2枚以上の羽根を有する羽根車であっても流体中での水力的バランスが得られないときには、本発明に係る充填空間を当該羽根車に設けるようにしてもよい。同様に、羽根車の型式も特定の型式に限定されるものではない。
以上説明したように、本発明は、ポンプ用の羽根車及びそれを備えたポンプとして有用である。
本発明の実施形態に係るポンプ用羽根車を備えた水中ポンプの断面図である。 羽根車の斜視図である。 羽根車の正面図である。 羽根車の底面図である。 図4のV−V断面図である。 図4のVI−VI断面図である。 蓋体を外した状態における羽根車本体の平面図である。 蓋体の裏面図である。 図8のIX−IX断面図である。 羽根車本体のボス部付近を拡大して示す平面図である。 羽根車本体のボス部付近を拡大して示す断面図である。 上側バランスウエイトの斜視図である。 下側バランスウエイトの斜視図である。
符号の説明
1 水中ポンプ
3 モータ(駆動源)
4 ケーシング
6 羽根車
601 入口
602 出口
603 内部流路
61 羽根車本体
611 凹陥部(充填空間)
612 補強リブ(区画壁)
62 蓋体
625 貫通孔

Claims (7)

  1. 回転中心軸を中心として回転する羽根車本体と、
    前記羽根車本体に設けられた羽根と、を備え、
    前記羽根車本体は、流体中での駆動回転時には、前記羽根の配置に起因して径方向の内方に向かう方向の流体力が所定の周方向位置において作用することにより、前記回転中心軸に対し非軸対称な力を受け、
    前記羽根車本体には、流体中においてはその内部に当該流体が充填される充填空間が形成されており、前記羽根車本体が前記流体中で駆動回転しているときには、前記充填空間内に充填されている流体に作用する遠心力によって、前記羽根車本体に作用する前記流体力が打ち消されるように構成されているポンプ用羽根車。
  2. 請求項1に記載のポンプ用羽根車において、
    前記充填空間は、前記羽根車本体における前記回転中心軸を挟んだ一側及び他側の内、前記流体力が作用する側に設けられているポンプ用羽根車。
  3. 請求項1又は2に記載のポンプ用羽根車において、
    前記充填空間は、前記回転中心軸を囲むように周方向に延びて設けられており、
    前記羽根車本体には、前記充填空間の周方向の角度範囲が所定の範囲となるように区画する区画壁が形成されているポンプ用羽根車。
  4. 請求項3に記載のポンプ用羽根車において、
    前記充填空間の角度範囲は、180°よりも大に設定されているポンプ用羽根車。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載のポンプ用羽根車において、
    前記羽根車本体は、前記回転中心軸方向に相対する一端面及び他端面、並びに当該一端面と他端面との間の周面を含んだ略円筒形状を有しており、
    前記羽根は、前記一端面に開口する入口と前記周面に開口する出口とを繋ぐ内部流路が形成されるように設けられた一枚羽根で構成されているポンプ用羽根車。
  6. 請求項5に記載のポンプ用羽根車において、
    前記充填空間は、前記羽根車本体に対し、前記他端面に開口すると共に、前記回転中心軸方向に凹陥して形成されており、
    前記羽根車本体の前記他端面に取り付けられることによって、前記充填空間の開口を閉塞する蓋体をさらに備え、
    前記蓋体には、前記充填空間に連通すると共に、流体中においては当該充填空間に流体を流入させる一方、空気中においては前記充填空間内の流体を排出させる貫通孔が形成されているポンプ用羽根車。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載のポンプ用羽根車と、
    前記ポンプ用羽根車を収容するケーシングと、
    前記ポンプ用羽根車を回転駆動させる駆動源と、を備えているポンプ。
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