JP2010031524A - サッシ用結露防止具 - Google Patents

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【課題】サッシの室内側表面とパネルとの間に形成される密閉された空気層を断熱層として機能させることにより、冬期等におけるサッシの室内側表面の結露防止を、より安価なコストで、より効率的に行うことができるサッシ用結露防止具を提供する。
【解決手段】本発明は、サッシ2に取付けられてサッシ2の室内側表面の結露を防止するサッシ用結露防止具であって、サッシ2の室内側表面に沿った空間12を形成して配置されるパネル11を備え、上記空間12の周縁部を囲繞して密閉された空気層を形成する。
【選択図】図2

Description

この発明は、サッシ用結露防止具に関する。
サッシの室内側表面に密着して固着されるシート状の断熱部材と、断熱材を覆う保護カバーとを備え、サッシの室内側表面の結露を防止する特許文献1に示すサッシ用結露防止具が公知になっている。
特開2008−95325号公報
しかし、上記文献のサッシ用結露防止具は、サッシ室内側表面の結露を防止したい箇所全体を覆うようにシート状の断熱材を設ける必要があり、断熱材の必要量が多くなるため、結露防止コストが高くなるという課題ある。
本発明は、上記課題を解決し、サッシに取付けられてサッシの室内側表面の結露を防止するサッシ用結露防止具において、コストを低く抑えることが可能なサッシ用結露防止具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明のサッシ用結露防止具は、第1に、サッシ2に取付けられてサッシ2の室内側表面の結露を防止するサッシ用結露防止具であって、サッシ2の室内側表面に沿った空間12を形成して配置されるパネル11を備え、上記空間12の周縁部を囲繞して密閉された空気層を形成することを特徴としている。
第2に、上記空間12の周縁部を囲繞して前記空気層を形成するようにサッシ2の室内側表面にスペーサ13を固着することを特徴としている。
第3に、パネル11を弾性的に変形可能な部材により構成し、サッシ2の断面の表面側コーナ角の形状に対応するように上記パネル11を屈曲形成させてなることを特徴としている。
第4に、スペーサ13を介してパネル11をサッシ2に取付けたことを特徴としている。
第5に、スペーサ13がパネル11に接着されてなることを特徴としている。
第6に、スペーサ13が弾性的に変形可能な帯状体をパネル11周縁部を囲むようにループ状に形成してなることを特徴としている。
第7に、方形状断面の筒状部26の一面がパネル11より構成され、該筒状部26のパネル11との対向側をサッシ2の室内側表面と固着し、筒状部26内に密閉された空気層を形成することを特徴としている。
第8に、筒状部26内の開放された両端を充填剤29aにより閉塞することを特徴としている。
第9に、筒状部26内に乾燥剤32が収容されることを特徴としている。
第10に、筒状部26が合成樹脂により一体成形されてなることを特徴としている。
第11に、パネル11が透明な合成樹脂により構成されたことを特徴としている。
以上のように構成される本発明のサッシ用結露防止具によれば、サッシの室内側表面とパネルとの間に形成される密閉された空気層が断熱層として機能し、サッシの室内側表面の結露を防止したい箇所全体に断熱材等で覆おう要がないため、冬期等におけるサッシの室内側表面の結露防止を、より安価なコストで、より効率的に、行うことができるという効果がある。
また、上記空間の周縁部を囲繞して前記空気層を形成するようにサッシの室内側表面にスペーサを固着すれば、サッシの室内側表面にシート状の断熱部材を接着する場合のようにサッシの室内側表面と断熱部材との間に形成される隙間から結露するようなことが防止されるという効果がある。
また、パネルを弾性的に変形可能な部材により構成し、サッシの断面の表面側コーナ角の形状に対応するように上記パネルを屈曲形成することにより、色々な形状をなすサッシの様々な箇所の結露を防止できるという効果がある。
さらに、スペーサを介してパネルをサッシに取付けることにより、取付部材を別途設ける必要なくなるため、構造がより簡略化されるという効果がある。
また、スペーサがパネルに接着されることにより、より密閉率の高い空気層を容易に形成できるという効果がある。
一方、方形状断面の筒状部の一面がパネルより構成され、該筒状部のパネルとの対向側をサッシの室内側表面との固着し、筒状部内に密閉された空気層を形成することにより、構成が簡略化され、サッシへの取付作業負担も軽減されるという効果がある。
また、筒状部内の開放された両端を充填剤により閉塞することにより、空気層の密閉率がより高まるという効果がある。
また、筒状部内の乾燥剤が収容されることにより、断熱効果がより高まるという効果がある。
さらに、筒状部が合成樹脂により一体成形されてなることにより、筒状部の製造がより容易になるという効果がある。
なお、パネルが透明な合成樹脂により構成されることにより、サッシの結露を防止したい箇所を目視できるという効果がある。
以下図示する本発明の実施形態について説明する。図1は本発明に係る各種のサッシ用結露防止具1を備えたサッシ2の斜視図であり、図2は図1のA−A線断面の構造を示し、図3は図1のB−B線の断面図である。図4は本発明の第1実施形態に係るサッシ用結露防止具1の正面図であり、図5は図4のA−A線の拡大断面図である。図6は本発明の第2実施形態に係るサッシ用結露防止具1の要部を展開して示す正面図であり、図7は図6の平面図であり、図8は図6のサッシ用結露防止具1を図2で示すようなサッシ2の縦枠3に屈曲させて設けた使用例の平面図である。図9は本発明の第3実施形態に係るサッシ用結露防止具1を示し、図10は図9のサッシ用結露防止具1を窓枠サッシに設けた使用例を示す。
上記サッシ2は図1,図2に示すように、左右一対の上下方向の縦枠3とその上下端と中間位置とをそれぞれ連結する左右方向の横枠4と中枠6とからなり、各枠3,4,6で形成される枠区画内に板ガラス7を取付けている。尚、板ガラス7は在来の取付手段によって、各枠3,4,6の内周面に形成した取付溝8に、パッキン9を介し内嵌固定される。
実施形態のサッシ2は建物の窓や出入り口等の開口部に設置される一般的なものを示しており、サッシ用結露防止具1はサッシ2に取付けられて、サッシ2の室内側表面の結露を防止する。そして、第1実施形態に係るサッシ用結露防止具1は上下の横枠4と中枠6に装着し、第2実施形態に係るサッシ用結露防止具1は縦枠3に装着している。
先ず図1〜図5を参照し、中枠6に装着される第1実施形態に係るサッシ用結露防止具1について説明する。このサッシ用結露防止具1はパネル11を弾性的に変形可能で透明な合成樹脂製の部材により平坦板状に構成し、中枠6を覆う形状と大きさにしている。図2,図4に示すように、サッシ2の室内側表面に沿った空間12を形成して配置されるパネル11と、上記空間12の周縁部を囲繞して密閉された空気層を形成するように、サッシ2の室内側表面に固着されるスペーサ13とからなる。
図示例のスペーサ13は弾性的に変形可能な帯状部材とし、パネル11の周縁部を囲むようにループ状に形成される。図示例のスペーサ13は図5で示すように、幅が6ミリ程度厚さ3ミリ程度の方形状断面のゴム板材部材としており、一側面をパネル11側の接着面として予めパネル11に接着し、他側面をサッシ2側の接着面となして接着部14を設けている。
接着部14は両面接着テープによる接着手段や、接着剤を塗布した面に剥離用の剥離紙16を設けた接着手段にすることができる。またスペーサ13は予め外周面に断熱用の保護テープ17を貼着したものであることが望ましい。図示例の保護テープ17はスペーサ13が黒いゴム色であることから銀色をなす薄いテープとし、スペーサ13の外周側に断面視コの字状に貼着している。
以上のように構成されるサッシ用結露防止具1は、例えば中枠6のように1枚状の平坦面に取付ける場合には、剥離紙16を一側から剥ぎながらスペーサ13を中枠6に順次貼着する。これによりサッシ用結露防止具1はスペーサ13の接着部14の全面を中枠6の表面に接着して取付けることができる。
またサッシ用結露防止具1は、サッシ2の室内側表面とパネル11との間に密閉された空間12を形成して空気層を断熱層として機能させる断熱部材にすることができるので、サッシ2の室内側表面にシート状の断熱部材を接着する場合のように、サッシ2の室内側表面と断熱部材との間に形成される隙間から結露するようなことが防止される。
またサッシ2の室内側表面の結露を防止したい箇所全体に断熱部材を接着して覆う場合のように、コストが高くなることも抑制することができる。そして、冬期等にサッシ2の室内側表面が結露することが、より安価なコストでより効率的に防止することができる。
次に図1,図2,図6〜図8を参照し、第2実施形態に係るサッシ用結露防止具1について説明する。尚、前記第1実施形態のものと同様な構成及び作用については説明を省略する。このサッシ用結露防止具1は図6〜図8で示すように、サッシ2の縦枠3の室内側表面に沿った空間12を形成するように配置されるパネル11と、縦枠3の正面と左右側面とを囲繞するように屈曲して空気層を形成するように、サッシ2の室内側表面に固着されるスペーサ13とからなる。
即ち、サッシ用結露防止具1のパネル11は、縦枠3のコーナ部(コーナ角)に沿う屈曲部(折込部)21,22を縦方向に形成しており、その上下両端に沿ってスペーサ13を接着し取付けている。尚、この実施形態における上下方向の長さは、図1で示すように前記第1実施形態のサッシ用結露防止具1が設置される部分を除いた長さにしている。
これによりサッシ用結露防止具1はパネル11を屈曲部21,22を介して平面視コ字状に屈曲させた状態で、剥離紙16を剥いだ上下のスペーサ13をそれぞれ縦枠3の上下端側に接着すると、図2及び図8で示すように、縦枠3とパネル11との間に空間12を簡単に形成することができる。
尚、縦枠3とパネル11の中途に、補助スペーサ13aを設けると、上下のスペーサ13の間でパネル11の撓み変形を規制して一定の断熱層を維持した空間12を形成することができる。
この際にパネル11の左右両側の縦辺23と縦枠3との間に設けるスペーサ13bは、前記第1実施形態のものと同様に予めパネル11に設けて使用することができる。この他にパネル11の装着に先立って、縦枠3の左側面と右側面との所定位置にスペーサ13b,13bを貼着した状態で、パネル11を上下のスペーサ13を縦枠3に接着すると共に、スペーサ13b,13bに接着する取付け手段にすることができる。なお、この4つのスペーサ13,13,13b,13bを一体のループ状のスペーサ13として成形してもよい。
この結露防止具1によれば、パネル11を弾性的に変形可能な部材により構成し、サッシ2の断面の表面側コーナ角の形状に対応するように、上記パネル11を屈曲形成しスペーサ13並びにスペーサ13bによって接着することができる。従って、サッシ用結露防止具1は色々な形状をなすサッシ2の様々な箇所に、パネル11とスペーサ13(13b)により密閉率の高い空気層を容易に形成すると共に、空間12の気密断熱性を高めて結露を防止するため汎用性を向上させることができる。
以上のように各実施形態に係るサッシ用結露防止具1を複数設けたサッシ2は、室内側の全面にパネル11と各スペーサ13による空間12が形成されるので、密閉された空間12内の空気層により室内の熱がサッシ2の室内側表面に伝熱し難くし、且つ外気温によって冷却されたサッシ温度を室内に直接的に伝熱しないようにすることができ、またサッシ2の室内側表面の結露を簡単に防止することができる。
またサッシ用結露防止具1を備えるサッシ2は、板ガラス7の結露を防止する上で、断熱二重ガラス構造や断熱塗料の塗布又は断熱フィルムの貼付等のガラス断熱手段が施工されることが望ましい。この場合にガラス断熱手段が施工されていない板ガラス7に対し、サッシ用結露防止具1はパネル11を板ガラス7の全面を覆う大きさにすることにより、パネル11及びスペーサ13によりガラス面全体に空気層を形成し結露を防止すると共に、全体の断熱性を簡単に向上させることができる。
またサッシ用結露防止具1の取付作業は、スペーサ13を介しパネル11をサッシ2に取付けるので、取付部材を別途設ける必要なく構造がより簡略化され、且つサッシ2を窓枠や建物から取り外すことなく設置したまま行うことができ、既設のサッシ2に対しサッシ用結露防止具1を後付け作業によっても簡単に装着することができる。
この際に、スペーサ13がパネル11に接着されることにより、密閉率の高い空気層を容易に形成することができるが、取付作業を既設のサッシ2に対し現物合わせにより行なう際には、加工誤差等によって生じた隙間にはコーキング部材を塗布又は充填すると、空気層の気密性を確保しながら作業をより簡単に行うことができる。
またパネル11を透明な合成樹脂により構成したサッシ用結露防止具1は、サッシ2の色調を損なうことなく、またサッシ2の結露を防止したい箇所を目視できるという利点がある。
次に図9,図10を参照し本発明の第3実施形態に係るサッシ用結露防止具1について説明する。このサッシ用結露防止具1は断面を方形状となした筒状部26を、サッシ2又は窓枠サッシ2aの設置箇所(室内側表面)毎の長さに形成し、各設置箇所に接着して簡単に設けることができるようにしている。
即ち、上記筒状部26は一面をパネル11とし筒状部26のパネル11との対向側をサッシの室内側表面と固着させる固着面27とし、且つパネル11と固着面27の左右前後をスペーサ面28,29で接続し、筒状部26内に密閉された空間12を設けて空気層を形成する。これによりサッシ用結露防止具1の構造を簡略化することができ、また各種のサッシ及び窓枠サッシ2a並びに該窓枠サッシ2aを取付ける木枠部材31への取付けを簡単にし、取付作業負担を軽減することができる。
上記筒状部26はパネル11と固着面27と左右のスペーサ面28とを、例えば押し出し成形加工により合成樹脂で一体成形し、長い筒状部26を各設置箇所毎の長さに切断して形成することができる。そして、所定長に切断された筒状部26の空間12に乾燥剤(シリカゲル)32を所定量収容したのち、筒状部26内の開放された前後両端を充填剤29aによって閉塞することによりを前記スペーサ面29を形成している。
これによりサッシ用結露防止具1は、前記実施形態のようにサッシ2に接着することができる他、図10で示すように窓枠サッシ2aに対しても簡単に取付けることができる。尚、図示例では各サッシ用結露防止具1は、固着面27を接着剤によって窓枠サッシ2aの各辺に沿って接着し、この際に筒状部26の一部を木枠部材31に沿って一部ラップさせている。
以上のように構成し取付けられるサッシ用結露防止具1は、筒状部26内の開放された両端を充填剤29aにより閉塞するので、空気層の密閉率をより高めることができると共に、乾燥剤32が収容されることにより、空気層の密閉率がより高まり結露を防止することができる。さらに、筒状部26を合成樹脂により一体成形していることにより、筒状部26の製造を容易にすることができる等の利点がある。
なお、第1〜3実施形態のサッシ用結露防止具1は、板ガラス7の室内側表面に設置してもよい。この際の取付手段は前述した通りである。くわえてパネル11面、サッシ2の室内側表面又は板ガラス7の室内側表面に塗布可能な断面剤を塗り込んで、断熱効果が高めてもよい。
本発明のサッシ用結露防止具を備えたサッシの全体斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 図1のB−B線断面図である 本発明の第1実施形態に係るサッシ用結露防止具の正面図である。 図4のA−A線の拡大断面図である。 本発明の第2実施形態に係るサッシ用結露防止具を一部破断をして示す正面図である。 図6の平面図である。 図6のサッシ用結露防止具をサッシの縦枠に装着した状態を示す平面図である。 本発明の第3実施形態に係るサッシ用結露防止具を一部破断をして示す斜視図である。 図9のサッシ用結露防止具の使用例を示す正面図である。
符号の説明
1 サッシ用結露防止具
2 サッシ
2a 窓枠サッシ
3 縦枠
4 横枠
6 中枠
11 パネル
12 空間
13 スペーサ
26 筒状部
29a 充填剤
32 乾燥剤

Claims (11)

  1. サッシ(2)に取付けられてサッシ(2)の室内側表面の結露を防止するサッシ用結露防止具であって、サッシ(2)の室内側表面に沿った空間(12)を形成して配置されるパネル(11)を備え、上記空間(12)の周縁部を囲繞して密閉された空気層を形成するサッシ用結露防止具。
  2. 上記空間(12)の周縁部を囲繞して前記空気層を形成するようにサッシ(2)の室内側表面にスペーサ(13)を固着する請求項1の用結露防止具。
  3. パネル(11)を弾性的に変形可能な部材により構成し、サッシ(2)の断面の表面側コーナ角の形状に対応するように上記パネル(11)を屈曲形成させてなる請求項2のサッシ用結露防止具。
  4. スペーサ(13)を介してパネル(11)をサッシ(2)に取付けた請求項2又は3のサッシ用結露防止具。
  5. スペーサ(13)がパネル(11)に接着されてなる請求項2,3又は4のサッシ用結露防止具。
  6. スペーサ(13)が弾性的に変形可能な帯状体をパネル(11)周縁部を囲むようにループ状に形成してなる請求項2,3,4又は5のサッシ用結露防止具。
  7. 方形状断面の筒状部(26)の一面がパネル(11)より構成され、該筒状部(26)のパネル(11)との対向側をサッシ(2)の室内側表面と固着し、筒状部(26)内に密閉された空気層を形成する請求項1のサッシ用結露防止具。
  8. 筒状部(26)内の開放された両端を充填剤(29a)により閉塞する請求項7のサッシ用結露防止具。
  9. 筒状部(26)内に乾燥剤(32)が収容される請求項7又は8のサッシ用結露防止具。
  10. 筒状部(26)が合成樹脂により一体成形されてなる請求項7,8又は9のサッシ用結露防止具。
  11. パネル(11)が透明な合成樹脂により構成された請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9又は10のサッシ用結露防止具。
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