JP2010031362A - 硫酸電解方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性ダイヤモンド陽極を用いて、濃硫酸を直接電解し、酸化性活物質を安定して生成させる硫酸電解方法を提供する。
【解決手段】陽極室4と陰極室12に供給する硫酸を含む前記電解液の温度を30℃以上とするとともに、陽極室4に供給する硫酸を含む電解液の流量F1(L/min)を下記(1)式から算出される陽極側で発生する発生ガスの流量Fa(L/min)の値の1.5倍以上(F1/Fa≧1.5)とし、かつ、陰極室12に供給する硫酸を含む電解液の流量F2(L/min)を下記(2)式から算出される陰極側で発生する発生ガスの流量Fc(L/min)の値の1.5倍以上(F2/Fc≧1.5)としたことを特徴とする硫酸電解方法。Fa=(I×S×R×T)/(4×ファラデイー定数)式(1)Fc=(I×S×R×T)/(2×ファラデイー定数)式(2)
【選択図】図1

Description

本発明は、導電性ダイヤモンド陽極を用いて、濃硫酸を直接電解し、酸化性活物質を安定して生成させる硫酸電解方法に関するものである。
半導体デバイス製造などシリコンウェハ加工物を被洗浄物としたいわゆるウェット洗浄技術においては、使用後のレジスト及び金属及び有機物汚染の除去するための薬剤として、過硫酸や過硫酸塩が用いられている。これら過硫酸や過硫酸塩は、硫酸の電解によって生成することが知られており、既に工業規模で電解製造されている(特許文献1)。
特許文献1では、硫酸アンモニウム水溶液からなる電解液を電解し、過硫酸アンモニウムを製造する方法が記載されているが、この方法においては、電解液として30〜44質量%の比較的薄い濃度の硫酸塩水溶液が用いられている。しかるに、特許文献1のように、比較的薄い濃度の硫酸塩水溶液の電解では、レジスト等の洗浄剥離効率が低いという欠点を有していた。
この欠点を解消するため、本発明者等は、洗浄効果の高い過硫酸を連続して効率よく定量的に供給し続ける技術として、導電性ダイヤモンド陽極を用いて、濃硫酸を電解し、過硫酸を製造する硫酸電解方法及び製造された過硫酸を用いてシリコンウェハ加工物を洗浄する洗浄方法を発明し、出願した(特許文献2)。この導電性ダイヤモンド電極は、従来、過硫酸塩を生成する電極として多用されてきた白金電極と比較して、酸素発生の過電圧が大きいため、硫酸を過硫酸に電解酸化する効率に優れ、また化学安定性に富み、電極寿命が長いという特長を有している。
特許文献2では、90質量パーセント以上の濃硫酸を用いて電解しているため、濃硫酸の電解反応によって生成される例えばペルオキソ一硫酸のような酸化性活物質は、水分が少なく、水分と反応して分解することがなく、ペルオキソ一硫酸のような酸化性活物質を安定して生成することができ、レジスト等の洗浄剥離効率を高めることができる。
しかるに、濃硫酸は、水や比較的薄い水溶液と比較して、粘性が高く流動性に乏しいため、電気分解の電解液として用いた場合、電解で発生したガスが電極表面から脱離しにくく、又電極表面から脱離したガスが電解液中に混合して形成された気泡も、液中での拡散が遅いため電解槽外に排出されにくい特徴を有している。このようにガスが電極表面を被覆したり、電解液中に多く含まれた場合、陽陰極間の抵抗が増加して、セル電圧が増大し、電源の最大供給出力を超え、最終的には通電できなくなる現象が発生し、過硫酸生産工程を妨げることとなる。また、ガス以外の電解生成物質も濃硫酸中では溶解度が小さいため析出しやすく、特に低温では析出しやすい。析出した場合はガスの場合と同様に通電を妨げる要因となる。
尚、特許文献3には、硫酸リサイクル型洗浄システムの一部として、導電性ダイヤモンド陽極を用いて、濃硫酸を電解し、過硫酸を製造する硫酸電解方法が開示されている。特許文献3には、電解反応される溶液の温度を10℃〜90℃とすることにより、過硫酸の生成効率を高めることおよび硫酸の濃度を8M以上とすることにより、レジストの過硫酸溶液の溶解速度を上げることが記載されているが、電解液の流量と電解温度との関係についての開示はなく、硫酸電解を安定して行うための手段については、全く開示も示唆もない。
更に、特許文献2及び特許文献3に記載の導電性ダイヤモンド陽極を用いて、濃硫酸を電解し、過硫酸を製造する硫酸電解方法において、電解セルを稼動させようと電流値をあげると、きわめて短時間でセル電圧が急上昇して接続している整流器のリミットを越えてしまい、更に設定電流値もどんどん下がって電解できなくなるトラブルが頻発するという問題が生じた。特に、前記電解における濃硫酸の濃度が70質量%以上になった場合及び前記電解における電解電流密度を20A/dm2以上となった場合、電解できないトラブルが発生した。
濃硫酸は、濃度によって凝固点が変動する特徴を有しており、例えば85.66質量%では、7.1℃であるが、94質量%では、−33.3℃、100質量%では、10.9℃、74.36質量%では、−33.6℃であり、細かい濃度変動に対して大幅に特性が変化し、凝固点付近では粘性が著しく変動すると推測され、上記トラブルが発生しやすいと推測される(非特許文献1、5〜7ページ)。
また、非特許文献1、5〜7ページによれば、濃硫酸の粘度は、例えば、濃度10質量%、30℃で0.99cPであり、水と同等であるが、高濃度では大きく、例えば、30℃における高濃度硫酸では、70質量%で7.9cP、80質量%で15.2cP、90質量%で15.6cPである。又、温度依存性も大きく、傾向としては低温になるほど粘度は大きくなり、90質量%を例に挙げると、15℃で31.7cP、20℃で23.1cP、30℃で15.6cP、40℃で11.8cP、50℃で8.5cPである。高硫酸濃度域で粘性を下げ、ガス脱離を行いやすくするためには温度を上げることが必要であるが、過硫酸の分解が進みやすくなり好ましくないことが知られている。
特開平11−293484号公報 特開2008‐19507号公報 特開2006‐278838号公報
硫酸ハンドブック(硫酸協会発行、昭和43年)
本発明は、非特許文献1に記載の上記濃硫酸の粘性及び凝固点の特徴に鑑み、特許文献1〜3に記載の従来技術の欠点を解消し、特に、前記電解における濃硫酸の濃度が70質量%以上になった場合及び前記電解における電解電流密度を20A/dm2以上となった場合、電解ができなくなるというトラブルを防止し、導電性ダイヤモンド陽極を用いて、濃硫酸を直接電解し、酸化性活物質を安定して生成させる硫酸電解方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、隔膜により陽極室と陰極室に区画し、前記陽極室内に導電性ダイヤモンド陽極を設け、前記陰極室内に陰極を設け、前記陽極室及び陰極室内に、それぞれ、外部より硫酸を含む電解液を供給して電解を行い、前記陽極室内の陽極電解液中に酸化性物質を生成させる硫酸電解方法において、
(1)前記陽極室と前記陰極室に供給する硫酸を含む前記電解液の温度を30℃以上とするとともに、
(2)前記陽極室に供給する硫酸を含む前記電解液の流量F1(L/min)を下記(1)式から算出される陽極側で発生する発生ガスの流量Fa(L/min)の値の1.5倍以上(F1/Fa≧1.5)とし、かつ、前記陰極室に供給する硫酸を含む前記電解液の流量F2(L/min)を下記(2)式から算出される陰極側で発生する発生ガスの流量Fc(L/min)の値の1.5倍以上(F2/Fc≧1.5)としことを特徴とする硫酸電解方法を提供することにある。
Fa=(I×S×R×T)/(4×ファラデイー定数) 式(1)
Fc=(I×S×R×T)/(2×ファラデイー定数) 式(2)
I:電流(A)
S:時間、60秒(固定)
R:気体定数(0.082 l・atm/K/mol)
K:絶対温度(273.15℃+T℃)
T:電解温度(℃)
ファラデイー定数:(C/mol)
また、第2の課題解決手段は、電解開始時の手順として、電解液の温度調整、電解液の電解槽への供給、電解槽への電流供給の順に行うことにある。
また、第3の課題解決手段は、前記電解における電流供給方法として、通電電流値を0アンペア(A)から徐々に目標電流値まで1A/sec以下で増加させて行うことにある。
また、第4の課題解決手段は、前記陽極室に供給する硫酸を含む前記電解液の硫酸濃度を70質量%以上としたことにある。
また、第5の課題解決手段は、前記電解における電解電流密度を20A/dm2以上としたことにある。
本発明によれば、電解液の温度を30℃以上とするとともに、電解液の流量を電流値から算出される発生ガスの流量の1.5倍以上とすることにより、電解により発生したガスや生成物が、絶縁物質として電極表面から脱離せずに留まることなく、速やかに電解槽外に流出するため、セル電圧の上昇を抑えることができる。
また、本発明によれば、電解開始時の手順として、電解液の温度調整、電解液の電解槽への供給、電解槽への電流供給の順に行うとともに、通電電流値を0Aから徐々に目標電流値まで1A/sec以下で増加させて行うことにより、急に大電流を流して電極表面での生成物質濃度が上がる操作を避けることができるので、セル電圧の上昇を一層、効果的に抑えることができる。
また、本発明によれば、前記陽極室に供給する硫酸を含む前記電解液の硫酸濃度を70質量%以上とするとともに、前記電解における電解電流密度を20A/dm2以上とすることにより、セル電圧の上昇を一層、顕著に抑えることができる。
本発明による硫酸電解槽を用いた硫酸リサイクル型洗浄システムの一例を示す全体図。
以下、本発明を詳述する。
本発明者は、導電性ダイヤモンド陽極を用いて、濃硫酸を直接電解し、ダイヤモンドの電解セルを稼動させようと電流値をあげると、極めて短時間でセル電圧が急上昇して接続している整流器のリミットを越えてしまい、更に設定電流値もどんどん下がって電解できなくなるトラブルが頻発したため、これに対する検討を行った。特に、前記電解における濃硫酸の濃度が70質量%以上になった場合及び前記電解における電解電流密度を20A/dm2以上となった場合、電解できないトラブルが発生した。
その結果、本発明者は、この現象は、電解槽のいずれかの部分の抵抗が電解を始めることで短時間に増加したためと考え、電解時の立上げ条件とセル電圧上昇の傾向を整理した結果、次の事実を見出したものである。
即ち、本発明においては、
(1)前記陽極室と前記陰極室に供給する硫酸を含む前記電解液の温度を30℃以上とするとともに、
(2)前記陽極室及び前記陰極室に供給する硫酸を含む前記電解液の流量(F1、F2)を、電流値から算出される陽極側及び陰極側で発生する発生ガスの流量F(Fa、Fc)の1.5倍以上としたことにある。
陽極室及び陰極室において電流値から算出される陽極側及び陰極側で発生する発生ガスの流量は、以下の(3)式から求められる。
F(Fa、Fc)=(I×S×R×T)/(n×ファラデイー定数) 式(3)
n=4のとき、F=Fa
n=2のとき、F=Fc
I:電流(A)
S:時間、60秒(固定)
R:気体定数(0.082 l・atm/K/mol)
K:絶対温度(273.15℃+T℃)
T:電解温度(℃)
ファラデイー定数:(C/mol)
上記式(3)にn=4及びn=2を代入すると、式(1)及び式(2)となる。
Fa=(I×S×R×T)/(4×ファラデイー定数) 式(1)
Fc=(I×S×R×T)/(2×ファラデイー定数) 式(2)
更に、前記陽極室及び前記陰極室に供給する硫酸を含む前記電解液の流量(F1、F2)と電流値から算出される陽極側及び陰極側で発生する発生ガスの流量F(Fa、Fc)との関係を表すと、以下の通りとなる。
F1/Fa≧1.5 式(4)
F2/Fc≧1.5 式(5)
硫酸の物性は、温度が低いことで変わるが、凝固点については濃硫酸独特の挙動があり、本発明は、濃硫酸においては、数質量%の濃度変化で凝固点が極端に変わること並びに凝固点が変わることで、粘性(元々硫酸の粘性は他の酸や水溶液に比べて極端に高い)も大きく変化することに着目してなされたものである。更に、濃硫酸は、いろいろな物質に対する溶解性は低く、低温ならば、更に低くなると考えられる。また、濃硫酸は、温度が低いと、粘性も大きくなる。従って、濃硫酸を含む電解液を用いた場合、電解液の温度が低いと、電極表面で生成した物質が電極表面に滞留し、電極表面より電解液中に速やかに運ばれなくなり、電解できなくなるトラブルが発生することが考えられる。このため、濃硫酸を含む電解液の温度は、30℃にする必要がある。
更に、本発明においては、急に、大電流を入れて電極表面での生成物質濃度が上がる操作は避けることを見出したものであり、このため、本発明においては、電解開始時の手順として、電解液の温度調整、電解液の電解槽への供給、電解槽への電流供給の順に行うとともに、前記電解における電流供給方法として、通電電流値を0Aから徐々に目標電流値まで1A/sec以下で増加させたことが好ましい。
以上のように、濃硫酸を使用する場合、粘性及び凝固点の特性は、濃硫酸電解方法を安定して行う上では、特に、注意すべき点である。高硫酸濃度域で粘性を下げ、ガス脱離を行いやすくするためには温度を上げることが必要であるが、温度を上げると、過硫酸の分解が進みやすくなり好ましくないため、温度上限としては、70℃以下が好ましい。また、硫酸濃度を下げて水の含有率を増やすことは、過硫酸の自己分解を促進するだけでなく、レジストの剥離性能が損なわれるため望ましくない。
電解電流密度は生産性を向上させるためには高電流密度が望ましいが、同時にジュール熱が発生し、電解生成した過硫酸の自己分解を促進するため、電解液温度としては30−70℃が望ましい。
電解液をタンク⇔電解槽間にて循環させる場合は、ジュール熱により経時的に電解液温度が上昇するため、循環ラインや電解槽、タンクなどの電解液循環経路に冷却機構を設置し、電解液温度を適切に保つ必要がある。
電解液温度が上がると粘性が下がり、電解生成する塩の溶解度も増加するが、自己分解抑制の観点から温度制御を行う必要がある。
陽極としては酸素発生過電圧が大きく、化学的安定性に富む導電性ダイヤモンド電極が過硫酸製造には有利である。電解液によるレジスト剥離のような半導体製造用途に供するのならば、電極からの金属不純物発生が少ない導電性ダイヤモンド電極が望ましい。陰極としては、導電性ダイヤモンド電極、白金板、炭素板など電気導電性が良好であり、硫酸耐食性を有する材料であれば使用できる。
電解槽への電解液供給流量又は電極室⇔タンク間の循環流量は、発生したガスや、析出した電解生成物を電極表面から取り除き、液抵抗を大幅に増加させることなく、速やかに電解槽外に流出させるために、電解液の流量は、電流値から算出される発生ガスの流量の1.5倍以上とする必要がある。
電解槽においては、陽極で硫酸の酸化による過硫酸の生成及び酸素ガス発生反応、陰極では水素ガス発生反応がそれぞれ起こる。陽極での過硫酸の電流効率は、硫酸の濃度や電解温度、電流密度に依存する。陽極での過硫酸の電流効率を向上するためには、電流密度を20A/dm2以上とすることが好ましく、電流密度を20A/dm2以上とすると、過硫酸生成に使われなかった電流は、酸素発生に使われる。陰極での水素ガス発生の電流効率は、ほぼ100%であり、陰極室での気泡率は電流値と電解液流量で制御することが出来る。
また、前記陽極室に供給する硫酸を含む前記電解液の硫酸濃度を70質量%以上とすることが好ましい。濃硫酸の電解反応によって生成される例えばペルオキソ一硫酸のような酸化性活物質は、水分が少なく、水分と反応して分解することがなく、ペルオキソ一硫酸のような酸化性活物質を安定して生成することができ、レジスト等の洗浄剥離効率を高めることができる。レジスト等の洗浄剥離効率を高めるためには、前記陽極室に供給する硫酸を含む前記電解液の硫酸濃度は、70質量%以上とすることが好ましい。
尚、前記陰極室に供給する硫酸を含む前記電解液濃度は陽極室に供給する硫酸を含む電解液と同濃度にすることが望ましい。同じ濃度でない場合、隔膜を通して拡散による物質移動が促進され陰極液と陽極液が混合しやすくなり陽極液中の酸化種濃度が低下すること、及び希釈熱が多量に発生して電解槽及び電解液の温度管理が困難になること、が発生し、経時的に安定して酸化種を生成することを困難にする。
以下に、本発明の実施の一例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明にかかる硫酸電解槽1及びこの電解槽1を用いた硫酸リサイクル型洗浄システムの1例を示したものである。この電解槽1は、隔膜2により導電性ダイヤモンド陽極3が収容されかつ濃硫酸が満たされた陽極室4と陰極11が収容されかつ陽極室と同濃度の硫酸が満たされた陰極室12に区画されている。陽極室4には陽極液供給ライン9が接続され、この陽極液供給ライン9及び10を通して陽極液である硫酸が陽極室4と陽極液タンク6間を陽極液循環ポンプ5により循環するように構成されている。又陰極室12には陰極液供給ライン18が接続され、この陰極液供給ライン18及び17を通して陰極液が陰極室12と陰極液タンク14間を陰極液循環ポンプ13により循環するように構成されている。
尚、7は、陽極ガス排気ライン、8は、陽極液流量計・圧力計、15は、陰極ガス排気ライン、16は、陰極液流量計・圧力計である。
本発明では、陽極として導電性ダイヤモンド陽極3を使用し、この導電性ダイヤモンド陽極3で濃硫酸を電解する。導電性ダイヤモンド陽極3は、白金電極や二酸化鉛電極と比較して高い酸素過電圧を有し(白金は数百mV、二酸化鉛は約0.5V、導電性ダイヤモンドは約1.4V)、水を酸化して、反応式(6)及び(7)に示すように、酸素やオゾンを発生させる。更に陽極液中に硫酸イオンや硫酸水素イオンが存在すると、反応式(8)及び(9)に示すように、これらを酸化して、過硫酸イオンを発生させる。
2H2O→O2+4H++4e- (1.23V) (6)
3H2O→O3+6H++6e- (1.51V) (7)
2SO4 2-→S28 2-+2e- (2.01V) (8)
2HSO4 -→S28 2-+2H++2e- (2.12V) (9)
前述の通り、これらの反応は、水電解による酸素発生反応と硫酸イオンの酸化による過硫酸イオン生成反応が競争反応となるが、導電性ダイヤモンド陽極3を使用すると、過硫酸イオン生成が優先する。
これは、導電性ダイヤモンド陽極3は極端に電位窓が広く、かつ酸素発生反応に対する過電圧が高くかつ目的の酸化反応が電位的に進行し得る範囲にあるため、硫酸イオンを含有する水溶液電解を行うと、高い電流効率で過硫酸生成が起こり、酸素発生は僅かに起こるに過ぎない。
導電性ダイヤモンド陽極3の酸素発生過電圧の高さは次のようにして説明できる。通常の電極表面ではまず水が酸化されて酸素化学種が形成された後、この酸素化学種から酸素やオゾンが生成すると考えられるが、ダイヤモンドは通常の電極物質より化学的安定性が高く、帯電していない水がその表面に吸着しにくく従って水の酸化が起きにくいと考えられる。これに対し硫酸イオンはアニオンであり、陽極として機能するダイヤモンド表面に低い電位でも吸着しやすく、酸素発生反応より起こりやすくなると推測できる。
本発明で使用する導電性ダイヤモンド陽極3は、導電性基体上に炭素源となる有機化合物の還元析出物である導電性ダイヤモンド皮膜を担持して製造される。
前記基体の材質及び形状は材質が導電性であれば特に限定されず、導電性シリコン、炭化珪素、チタン、ニオブ、モリブデン等から成る板状、メッシュ状あるいは例えばビビリ繊維焼結体である多孔性板等が使用でき、材質は熱膨張率が近い導電性シリコン、炭化珪素の使用が特に好ましい。又導電性ダイヤモンド皮膜と基体の密着性向上のため及び導電性ダイヤモンド皮膜の表面積を増加させ単位面積当たりの電流密度を下げるために、基体表面は、ある程度の粗さを有することが望ましい。
導電性ダイヤモンド皮膜を膜状にして使用する場合は、耐久性及びピンホール発生を少なくするために、膜厚を10μmから50μmとすることが望ましい。耐久性の面から100μm以上の自立膜も使用可能であるが、槽電圧が高くなり電解液温の制御が煩雑になるため好ましくない。
基体への導電性ダイヤモンド皮膜の担持法も特に限定されず従来法のうちの任意のものを使用できる。代表的な導電性ダイヤモンド皮膜3bの製造方法としては、熱フィラメントCVD(化学蒸着)法、マイクロ波プラズマCVD法、プラズマアークジェット法及び物理蒸着(PVD)法等があり、これらの中でも成膜速度が速いこと及び均一な膜を得やすいことからマイクロ波プラズマCVD法の使用が望ましい。
この他に超高圧で製造される合成ダイヤモンド粉末を樹脂等の結着剤を用いて基体に導電性ダイヤモンド皮膜担持した導電性ダイヤモンド陽極3も使用可能であり、特に電極表面にフッ素樹脂等の疎水性成分が存在すると処理対象の硫酸イオンを捕捉しやすくなり反応効率が向上する。
マイクロ波プラズマCVD法は、メタン等の炭素源とジボラン等のドーパント源を水素で希釈した混合ガスを、導波管でマイクロ波発信機と接続された導電性シリコンやアルミナ、炭化珪素等の導電性ダイヤモンド陽極3の成膜基板が設置された反応チャンバに導入し、反応チャンバ内にプラズマを発生させ、基板上に導電性ダイヤモンドを成長させる方法である。マイクロ波によるプラズマではイオンは殆ど振動せず、電子のみを振動させた状態で擬似高温を達成し、化学反応を促進させる効果を奏する。プラズマの出力は1〜5kWで、出力が大きいほど活性種を多く発生させることができ、ダイヤモンドの成長速度が増加する。プラズマを用いる利点は、大表面積の基体を用いて高速度でダイヤモンドを成膜できることである。
導電性ダイヤモンド陽極3に導電性を付与するために、原子価の異なる元素を微量添加する。硼素やリンの含有率は好ましくは1〜100000ppm、更に好ましくは100〜10000ppmである。この添加元素の原料は毒性の少ない酸化硼素や五酸化二リンなどが使用できる。このように製造された基体上に担持された導電性ダイヤモンド陽極3は、チタン、ニオブ、タンタル、シリコン、カーボン、ニッケル、タングステンカーバイドなどの導電性材料から成る、平板、打抜き板、金網、粉末焼結体、金属繊維体、金属繊維焼結体等の形態を有する給電体に接続できる。
硫酸電解槽1は、補強の施されたイオン交換膜や親水化処理された多孔質樹脂膜などの隔膜2で陽極室4及び陰極室12に区画された2室型電解槽とし、導電性ダイヤモンド陽極3で一旦生成した過硫酸イオンが陰極11に接触して硫酸イオンに還元されることを防止する。
硫酸電解槽1の電解室枠の材質は耐久性の面から、高温耐性及び化学的耐性の高いPTFEやNewPFAが望ましい。シール材としてはゴアテックスやポアフロンのような多孔質PTFEや、PTFEやNewPFAで包んだゴムシートやOリングが望ましい。又、シール性を向上させるため、電解室枠に例えばV状の溝加工や突起加工を施すことが望ましい。
本発明で使用する陰極11は、水素発生電極又は酸素ガス電極で濃硫酸に耐久性があれば良く、導電性シリコン、ガラス状カーボン、及び貴金属メッキしたこれらの材料を使用できる。酸素ガス電極の場合の酸素供給量は理論量の1.2〜10倍程度にする。
隔膜2としては、商品名POREFLON等の中性膜や商品名Nafion, Aciplex, Flemion等の陽イオン交換膜が使用できるが、両極室での生成物を分離して製造できる面から後者の陽イオン交換膜の使用が望ましく、更に陽イオン交換膜は超純水のような電解液の伝導度が低い電解液でも電解を速やかに進行させることができる。水の濃度勾配の影響を受け難くすること及び槽電圧を低くする目的から、低含水率でも寸法が安定しているパッキング(補強布)の入った陽イオン交換膜、厚さが50μm以下の陽イオン交換膜、複数のイオン交換膜を積層していない陽イオン交換膜が望ましい。96質量%硫酸等の平衡水蒸気圧が低い物質との共存下では環境ではイオン交換膜は低含水率となり比抵抗値が増大し電解槽電圧が増大する問題がある。陽極室4に過硫酸を高効率で得るため96質量%硫酸等の高濃度硫酸を供給する場合は、陰極室12にはイオン交換膜に水を供給するために70質量%以下の硫酸を供給することが好ましい。
本発明では隔膜2として、イオン交換膜以外に、IPA(イソプロピルアルコール)処理などの親水化を行った樹脂膜も使用できる。イオン交換膜以外の、ゴアテックスやポアフロン等の商品名の多孔質フッ素樹脂膜はIPA処理などの親水化処理を行わないと電解が進行しない。前記多孔質フッ素樹脂膜は、疎水性であり硫酸の通液ができず、電解も進行しない。この多孔質フッ素樹脂膜の親水化処理を行うと、該樹脂膜が水や濃硫酸を含むことができるようになり、硫酸による電気伝導も可能になるため、電解槽隔膜として機能するようになる。この処理を行わない多孔質フッ素樹脂膜は孔の中に空気を含んだままの状態となり電気伝導ができないため、電解が進行しない。親水化樹脂膜を隔膜に使用した際は、イオン交換膜を隔膜に使用した際と比較して、両極室生成物が隔膜を介してわずかに混合する問題があるが、隔膜自体には抵抗の発生はなく、低電解槽電圧にて稼働できる。
過硫酸塩製造において一般的に隔膜として使用されている多孔質アルミナ板も、本明細書中に記載のある電解槽にて使用であり十分な耐久性を有するが、多孔質アルミナ板から発生する不純物が電解液に混入するため、半導体洗浄液製造用途には使用できない。
この隔膜2は、2枚の保護板間に挟みこんでも良く、この保護板は、パンチング等により孔を形成した、又はエキスパンドメッシュとしたPTFEやNewPFA製の板とする。
導電性ダイヤモンド陽極3は、酸化力が大きく、陽分極している導電性ダイヤモンド表面に接触する有機物は分解され、多くは二酸化炭素に変換される。硫酸電解槽1中の隔膜2は、硫酸電解槽1への液供給に用いられる液供給ポンプの吐出圧の変動の影響を受けて、陽極及び陰極間で振動し、前記保護板がないと、導電性ダイヤモンド陽極3や陰極11に接触して消耗する可能性がある。又保護板がない状態で隔膜が振動すると、電極−隔膜間の距離が変動し、槽電圧も変動することもある。
次に、本発明を実施例及び比較例を挙げて、具体的に説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜6>
以下、本発明による硫酸電解槽の稼動方法の実施例を記載する。
導電性ダイヤモン皮膜を6インチφシリコン基板上に形成した2枚の電極をそれぞれ陽極3、陰極11として対向させ、これらの間に多孔質PTFEの隔膜を挟むように配置した。電極−隔膜間距離をそれぞれ6mmとし、電解有効面積が1dm2である図1に記載した電解セルを構成した。
陽極液タンク6および陰極液タンク14に原料硫酸を貯蔵し、陽極側、陰極側ラインに設置した循環ポンプ5、13により、所定流量の硫酸を電解槽1の陽極室4陰極室12それぞれ供給し、電極間に通電することにより電解を行った。電解電流は電源19より供給した。電源9の最大出力電圧は24Vである。陽極室、陰極室より排出される電解生成ガスと硫酸は、陽極液タンク6および陰極液タンク14に導出し、気液分離した。気液分離後の硫酸は一時的に各タンクに貯蔵され、循環ポンプ5、13により陽極室4、陰極室11に戻すことで陽極側ラインおよび陰極側ラインにおいてそれぞれ液循環を行った。各タンクにて分離されたガスは系外に排出した。電解槽1に供給する硫酸の流量は陽極液流量計8、陰極液流量計16により測定した。硫酸は98質量%のものを超純水で希釈することにより70〜95質量%の濃度とした。
試験条件および結果を表1に記載した。試験手順としては、タンク内に所定温度の濃硫酸を入れ、タンク⇔電極室間を所定流量で循環させて、セル温度を濃硫酸温度に慣らした後、所定電流を供給して最大15分間電解を行った。電解槽への電流供給方法として、0Aから徐々に1A/sec以下で電流を設定値まで増加させることを行った。
硫酸濃度、電流密度、供給硫酸流量、電解開始時供給硫酸液温を表1に記載した所定値に調節し、電解時のセル電圧の挙動を観察した。
Figure 2010031362
表1において、F1は、本実施例において実際に流した陽極液の液量、F2は、本実施例において実際に流した陰極液の液量、Faは、電流値から算出される陽極側で発生する発生ガスの流量、Fcは、電流値からされる陰極側で発生する発生ガスの流量である。表1より、硫酸濃度70−95質量%、F1/Fa比及びF2/Fc比が、いずれも1.5以上、電解液温度33℃(タンク内に電解液を供給したときの電解液の温度。試験中は、電解前の試験系内での循環により30℃程度まで低下し、電解開始後ジュール熱によって経時増加した。実施例1−6の試験においては、セル電圧は、24Vを超えることなく、経時的な変化もなく安定して電解が出来た。
尚、表1中、※『電解可能時間』は電解条件設定後に規定電流密度で電解できた時間。『15分以上』は更に電解続けられるが、15分で電解終了した意味である。
<比較例1〜9>
比較例1−6は、実施例1−6において、F2/Fc比のみの条件を変えて電解を行った結果であり、その結果は、表2に示す通り、比較例1〜6においては、F2/Fc比が、いずれも1以下となり、セル電圧は、ほぼ電解開始直後に上昇し、通電できない状況となった。
尚、表2中、※『電解可能時間』は電解条件設定後に規定電流密度で電解できた時間。『15分以上』は更に電解続けられるが、15分で電解終了した意味である。また、※『NG』は目的電流密度まで電流を増加させる途中でセル電圧が24V以上になった。尚、このときの通電電流は全て0.1A以下であった。
尚、比較例7−9は、実施例3、5、6に対応し、F1/Fa比及びF2/Fc比が、いずれも1.5以上であるが、電解液温度を22℃に下げた条件で行ったため、電解温度が30℃以下となり、セル電圧は電解開始後から徐々に上昇し、電解液の濃度が70質量%と比較的低く粘性が小さい比較例9においても電解開始後4分でセル電圧は24V超となった。
Figure 2010031362
本発明による硫酸電解方法は、導電性ダイヤモンド陽極を用いて、濃硫酸を直接電解し、酸化性活物質を安定して生成させる硫酸電解方法を用いた半導体装置の製造の分野において利用することができる。
1:硫酸電解槽
2:隔膜
3:導電性ダイヤモンド陽極
4:陽極室
5:陽極循環ポンプ
6:陽極液タンク
7:陽極ガス排気ライン
8:陽極液流量計・圧力計
9:陽極液供給ライン
10:陽極液循環ライン
11:陰極
12:陰極室
13:陰極循環ポンプ
14:陰極液タンク
15:陰極ガス排気ライン
16:陰極液流量計・圧力計
17:陰極液循環ライン
18:陰極液供給ライン
19:電源

Claims (5)

  1. 隔膜により陽極室と陰極室に区画し、前記陽極室内に導電性ダイヤモンド陽極を設け、前記陰極室内に陰極を設け、前記陽極室及び陰極室内に、それぞれ、外部より硫酸を含む電解液を供給して電解を行い、前記陽極室内の陽極電解液中に酸化性物質を生成させる硫酸電解方法において、
    前記陽極室と前記陰極室に供給する硫酸を含む前記電解液の温度を30℃以上とするとともに、
    前記陽極室に供給する硫酸を含む前記電解液の流量F1(L/min)を下記(1)式から算出される陽極側で発生する発生ガスの流量Fa(L/min)の値の1.5倍以上(F1/Fa≧1.5)とし、かつ、前記陰極室に供給する硫酸を含む前記電解液の流量F2(L/min)を下記(2)式から算出される陰極側で発生する発生ガスの流量Fc(L/min)の値の1.5倍以上(F2/Fc≧1.5)とすることを特徴とする硫酸電解方法。
    Fa=(I×S×R×T)/(4×ファラデイー定数) 式(1)
    Fc=(I×S×R×T)/(2×ファラデイー定数) 式(2)
    I:電流(A)
    S:時間、60秒(固定)
    R:気体定数(0.082 l・atm/K/mol)
    K:絶対温度(273.15℃+T℃)
    T:電解温度(℃)
    ファラデイー定数:(C/mol)
  2. 電解開始時の手順として、電解液の温度調整、電解液の電解槽への供給、電解槽への電流供給の順に行うことを特徴とする請求項1に記載の硫酸電解方法。
  3. 前記電解における電流供給方法として、通電電流値を0アンペア(A)から徐々に目標電流値まで1A/sec以下で増加させて行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の硫酸電解方法。
  4. 前記陽極室に供給する硫酸を含む前記電解液の硫酸濃度を70質量%以上としたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の硫酸電解方法。
  5. 前記電解における電解電流密度を20A/dm2以上としたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の硫酸電解方法。
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