本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)の機能フローについて説明する。
遊技者により遊技媒体(以降、遊技媒体としてメダルを用いた実施例について説明する。)が投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部当籤役決定手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリールの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリールの回転を停止する。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って停止表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、図柄の組合せに応じてメダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロにおける1回の単位遊技として行われる。
なお、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、何れの入賞に係るものではない「ハズレ」に係る場合や、実際にはメダルの払い出しが行われない再遊技の作動、又はボーナスの作動が決定したとき等においても、図柄の組合せに応じて0枚のメダルの払い出しが行われたとして、1回の単位遊技が終了するものとする。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバーが操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
パチスロの機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
図2は、本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す。
パチスロ1は、リール3(左リール3L、中リール3C、右リール3R)や回路基板等を収容するキャビネット2と、キャビネット2に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア9とを備える。キャビネット2の内部には、3つのリール3が横並びに設けられている。各リール3は、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
フロントドア9の中央には、液晶表示装置5(報知手段の一形態。)が設けられている。液晶表示装置5は、図柄表示領域を含む表示画面を備え、正面から見て3つのリール3に重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域は、3つのリール3のそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール3を透過することが可能な構成を備えている。
つまり、図柄表示領域は、表示窓4(左表示窓4L,中表示窓4C,右表示窓4R)としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3の回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域を含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域(以下、表示窓4)は、その背後に設けられたリール3の回転が停止されたとき、リール3の表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓4が有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となる入賞判定ライン8として定義する。
本実施の形態では、各表示窓4の上段を組合せてなるトップライン、各表示窓4の中段を組合せてなるセンターライン、各表示窓4の下段を組合せてなるボトムライン、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの上段を組合せてなるクロスアップラインの5つを入賞判定ライン8として設けている。
フロントドア9には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口15は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口15に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン13は、パチスロ1内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン14は、パチスロ1内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー6は、全てのリール3の回転を開始するために設けられる。ストップボタン7(左ストップボタン7L、中ストップボタン7C、右ストップボタン7R)は、3つのリール3のそれぞれに対応づけられ、対応するリール3の回転を停止するために設けられる。
7セグ表示器12は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
ランプ24(LED等により構成され、報知手段の機能を含む。)は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ21(報知手段の一形態。)は、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口16は、後述のメダル払出装置の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口16から排出されたメダルは、メダル受皿17に貯められる。
図3は、本実施の形態におけるパチスロ1の内部構造を示す。フロントドア9が開放され、フロントドア9の裏面側の構造及びキャビネット2内部の構造が現れた状態が示されている。
キャビネット2内部の上方には、主制御回路55を構成する基板(以下、主基板)が設けられている。主制御回路55は、内部当籤役の決定、リール3の回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路55の具体的な構成は後述する。
キャビネット2内部の中央には、3つのリール3が設けられている。各リール3のそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
3つのリール3の左側には、副制御回路56を構成する基板(以下、副基板)が設けられている。副制御回路56は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路56の具体的な構成は後述する。
キャビネット2内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置43(遊技媒体付与手段)が設けられている。メダル払出装置43の左側には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置54が設けられている。
フロントドア9裏側の中央、表示窓4の下方には、セレクタ51が設けられている。セレクタ51は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口15に受け入れられた適正なメダルをメダル払出装置43へ案内する。尚、セレクタ51内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ15S(投入操作検出手段)が設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主制御回路55、副制御回路56及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
図4は、本実施の形態におけるパチスロ1の主制御回路55の構成を示す。
主制御回路55は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU31)、ROM(以下、メインROM32)及びRAM(以下、メインRAM33)により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路56に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が格納されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ40等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ7S(停止操作検出手段)は、3つのストップボタン7のそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6S(開始操作検出手段)は、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ15Sは、メダル投入口15に受け入れられたメダルが前述のセレクタ51内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ13S(投入操作検出手段)は、ベットボタン13が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ40、7セグ表示器12及びメダル払出装置43がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路39(図柄変動手段)は、各リール3に対応して設けられたステッピングモータ40の駆動を制御する。リール位置検出回路3Sは、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3が一回転したことを示すリールインデックスを各リール3に応じて検出する。
ステッピングモータ40は、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ40の駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3に伝達される。ステッピングモータ40に対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3は一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ40に対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3の回転角度(主に、リール3が図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3の表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路41は、7セグ表示器12の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路42は、メダル払出装置43の動作を制御する。また、払出完了信号回路45は、メダル払出装置43に設けられたメダル検出部が行うメダルの検出を管理し、メダル払出装置43から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
図5は、本実施の形態におけるパチスロ1の副制御回路56の構成を示す。
副制御回路56は、主制御回路55と電気的に接続されており、主制御回路55から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路56は、基本的に、CPU(以下、サブCPU61)、ROM(以下、サブROM62)、RAM(以下、サブRAM63)、レンダリングプロセッサ69、描画用RAM70、ドライバ71、DSP72(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM73及びD/A変換器74及びアンプ75を含んで構成されている。
サブCPU61は、主制御回路55から送信されたコマンドに応じて、サブROM62に格納されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM63は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路55から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM62は、基本的に、プログラム格納領域とデータ格納領域によって構成される。
プログラム格納領域には、サブCPU61が実行する制御プログラムが格納されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路55との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ24による光の出力を制御するランプ24制御タスク、スピーカ21による音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ格納領域は、各種データテーブルを格納する格納領域、各演出内容を構成する演出データを格納する格納領域、映像の作成に関するアニメーションデータを格納する格納領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを格納する格納領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを格納する格納領域等が含まれている。
また、副制御回路56には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ21及びランプ24が接続されている。
サブCPU61、レンダリングプロセッサ69、描画用RAM70(フレームバッファを含む)及びドライバ71は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
また、サブCPU61、DSP72、オーディオRAM73、D/A変換器74及びアンプ75は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ21により出力する。また、サブCPU61は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ24の点灯及び消灯を行う。
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図6〜図14を参照して、メインROM32に格納されている各種データテーブルの構成について説明する。
図6を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3の回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。なお、図柄コードの格納例を図7に示す。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3の回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓4の中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
図6に示すように、左リールの図柄「赤チェリー」、「青チェリー」、及び「緑チェリー」の間には、それぞれ6個の図柄が配置されている。本実施例では、最大の滑り駒数を図柄4個分に定めているので、ボトムライン上に「赤チェリー」、「青チェリー」、又は「緑チェリー」の図柄が存在しているときに左ストップボタン7Lの押下操作を行っても、他のチェリーの図柄が停止表示されることがないように、図柄の配列を定めてある。
すなわち、何れのタイミングの停止操作を行っても、1のチェリーしか狙うことができないようになっており、内部当籤役が報知されなければ3分の1の確率でしか停止表示させることができないものとなっている。
図8を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞判定ライン8に沿って各リール3により表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、メダルの投入枚数に応じた払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。なお、本実施例では、一般遊技状態におけるメダルの投入枚数を3枚(3枚掛)とし、BB作動時におけるメダルの投入枚数を2枚(2枚掛)としている。
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、左リール3Lの図柄「赤チェリー」が入賞判定ライン8に沿って表示されたときには、表示役として「赤チェリー(00000001)」が決定される。この、「赤チェリー」、「青チェリー」及び「緑チェリー」のように、一つの図柄が入賞判定ライン8上に停止表示されたことに基づいて遊技者にメダルを付与する表示役を、単独図柄の入賞役と呼ぶことにする。
また、例えば、各リール3の図柄「ベル」が、入賞判定ライン8に沿って表示されたときには、表示役として「ベル(00001000)」が決定される。
払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役として「赤チェリー」、「青チェリー」、「緑チェリー」、「ベル」又は「スイカ」が決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方が、より多くの払出枚数が決定される。
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ボーナスの作動が行われる。尚、入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
図9を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM33に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びRB(第1種特別役物)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。
BBの作動は、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
図10〜図12を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
図10は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図11は、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す。図12は、図10に示した一般遊技状態に比してリプレイの内部当籤確率を増大させたRT遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、ボーナスの作動が行われているか否か、又はRT(リプレイタイム)の作動が行われているか否かといった状況に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
図13及び図14を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
内部当籤役は、入賞判定ライン8に沿って表示を許可する各リール3の図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。尚、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
図13は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図14は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
メインROM32に格納されているデータテーブルの内容についての説明は以上である。次に、図15〜図17を参照して、メインRAM33に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
図15を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。尚、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
尚、メインRAM33には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ライン8に沿って表示されたことになる。
図16を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
前述の抽籤の結果、ボーナスの作動に係る内部当籤役が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納されたボーナスの作動に係る内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ライン8に表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
図17を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスが割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスの作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
メインRAM33に設けられる各種格納領域の構成についての説明は以上である。次に、図18〜図23を参照して、主制御回路55のメインCPU31により実行されるプログラムの内容について説明する。
まず、図18を参照して、メインCPU31の制御によるメインフローチャートについて説明する。パチスロ1に電源が投入されると、はじめに、ステップS2「初期化処理」(以降、S2のように省略して記載する場合もある。)にてメインCPU31は、メインCPU31に接続されている周辺装置の初期化処理を行う。次に、ステップS4「指定格納領域のクリア」にてメインCPU31は、メインRAM33における指定格納領域のクリアを行う。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、ステップS6「メダル受付・スタートチェック処理」にてメインCPU31は、メダルセンサ15Sやベットスイッチ13S、スタートスイッチ6Sの入力のチェック等を行う。この処理においてメインCPU31は、先ず自動投入カウンタの値に応じて、遊技者が投入するメダルの通過を許可し、再遊技を行う際には自動投入カウンタのメダル枚数を投入枚数カウンタに複写する処理等を行う。
そして、遊技状態に応じて投入枚数カウンタの最大値を変更する処理を行い、遊技者が投入したメダルに基づいて投入枚数カウンタ、又はクレジットカウンタを加算する処理を行う。そして、ベットボタン13が遊技者によって押下操作された場合には、所定のメダル枚数をクレジットカウンタから投入枚数カウンタに移動し、更に、投入枚数カウンタが最大値に達していること、及び遊技者によりスタートレバー6の操作が行われたことを条件に、投入されたメダルの排出が促される。
次に、ステップS8「乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納」にてメインCPU31は、乱数値を抽出し、メインRAM33に設けられた乱数値格納領域に格納する。次に、ステップS10「内部抽籤処理」にてメインCPU31(内部当籤役決定手段)は、後で図19を参照して説明する内部抽籤処理を行う。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次に、ステップS12「スタートコマンドを送信」にてメインCPU31は、スタートコマンドを副制御回路56に対して送信する。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、ステップS14「全リールの回転開始を要求」にてメインCPU31は、全メインリール3の回転開始を要求する。尚、全メインリール3の回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図23)によってステッピングモータ40の駆動が制御され、各リール3の回転が開始される。
次に、ステップS16「リール停止制御処理」にてメインCPU31(停止制御手段)は、後で図20を参照して説明するリール停止制御処理を行う。この処理では、ストップスイッチ7Sの入力のチェックが行われ、ストップボタン7が押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リール3の回転が停止される。
次に、ステップS18「入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを検索し、検索の結果に基づいて、払出枚数等を決定」にてメインCPU31は、入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する。検索の結果、入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、ステップS20「表示コマンドを送信」にてメインCPU31は、表示コマンドを副制御回路56に対して送信する。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、ステップS22「メダル払出処理」にてメインCPU31は、メダル払出処理を行う。決定された払出枚数に基づいて、メダル払出装置43の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、ステップS24「払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新」にてメインCPU31は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
次に、ステップS26「ボーナス作動中フラグがオンか?」にてメインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS28「ボーナス終了チェック処理」にてメインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図22を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
ステップS28の後、又は、ステップS26においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、メインCPU31が実行する処理はステップS30「RTゲーム数カウンタ更新処理」に進む。ステップS30にてメインCPU31は、先のステップS28にてBBの作動が終了したと判別した場合には、図17に示したRT作動中フラグをオンにセットしてRT遊技状態を作動させる処理を行う。更にステップS30にてメインCPU31は、RTゲーム数カウンタの更新処理を行い、RT遊技状態が所定の回数に達した場合には、RT遊技状態を終了させるために、図17に示したRT作動中フラグをオフにセットする処理を行う。
次のステップS32「ボーナス作動チェック処理」にてメインCPU31は、後で図21を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う。ここでは、ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、ステップS4に戻る。
次に、図19を参照して、内部抽籤処理について説明する。はじめに、ステップS102「内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定」にてメインCPU31は、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する。ここでは、図17に示した作動中フラグ格納領域が参照され、ボーナスの作動又はRTの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。尚、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
次に、ステップS104「乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセット」にてメインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする。次に、ステップS106「当籤番号の初期値として1をセット」にてメインCPU31は、当籤番号の初期値として1をセットする処理を行う。
次に、ステップS108「内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得」にてメインCPU31は、遊技状態に応じて図10〜図12に示した内部抽籤テーブルを選択して参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する。次に、ステップS110「判定用乱数値から抽籤値を減算」にてメインCPU31は、判定用乱数値から抽籤値を減算する処理を行う。次に、ステップS112「桁かりが行われたか?」にてメインCPU31は、桁かりが行われたか否かを判別する。ステップS112にてメインCPU31は、桁かりが行われていないと判別したときには、ステップS114「抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算」に進み、抽籤回数を1減算して当籤番号を1加算する処理を行う。
次に、ステップS116「抽籤回数は0か?」にてメインCPU31は、抽籤回数は0であるか否かを判別する。ステップS116にてメインCPU31は、抽籤回数が0ではないと判別したときには、ステップS108に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、ステップS118「データポインタとして0をセット」に進み、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする。
ステップS120「小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得」にてメインCPU31は、ステップS114において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する。ステップS118又はステップS120の後のステップS122「小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤録を取得」にてメインCPU31は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する。
次に、ステップS124「取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納」にてメインCPU31は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する処理を行う。次に、ステップS126「持越役格納領域は0か?」にてメインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する。このステップS126にてメインCPU31が、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、次のステップS128「ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得」に進む。ステップS128にてメインCPU31は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する処理を行う。次に、ステップS130「取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納」にてメインCPU31は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する処理を行う。
ステップS130の後、又は、ステップS126において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、ステップS132「持越役格納領域と内部当籤役格納領域の論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納」の処理に進む。ステップS132にてメインCPU31は、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との値の論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する。つまり、ここでは、ボーナスの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
次に、図20を参照して、リール停止制御処理について説明する。はじめに、ステップS222「有効なストップボタンが押されたか?」にてメインCPU31は、遊技者により有効なストップボタン7が押されたか否かを判別する。このステップS222にて有効なストップボタン7が押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
先のステップS222にて有効なストップボタン7が押されたと判別したときには、メインCPU31が実行する処理はステップS224「当該ストップボタンの操作を無効化」に進み、該当ストップボタン7の操作を無効化する処理を行う。各ストップボタン7の有効及び無効の状態は、メインRAM33に設けられた所定の格納領域において管理される。
次に、ステップS226「チェック回数として5をセット」にてメインCPU31は、図柄の滑り駒数に関するチェック回数として5をセットする。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
次に、ステップS228「内部当籤役に基づいて、チェック回数の範囲内にある各図柄位置の中で、最も優先順位の高い図柄位置を検索」にてメインCPU31は、内部当籤役に基づいて、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4の中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ライン8沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
次に、ステップS230「検索の結果に基づいて滑り駒数を決定」にてメインCPU31は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次に、ステップS232「停止予定位置待ちへ移行」にてメインCPU31は、停止予定位置待ちへ移行する。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータ40の駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓4の中段に到達するのを待って該当リール3の回転が停止される。
次に、ステップS234「リール停止コマンド送信」にてメインCPU31は、リール停止コマンドを副制御回路56に対して送信する。リール停止コマンドは、停止したリール3の種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
次に、ステップS236「操作が有効なストップボタンはあるか?」にてメインCPU31は、操作が有効なストップボタン7があるか否かを判別する。つまり、まだ回転中のリール3があるか否かが判別される。ステップS236にてメインCPU31は、操作が有効なストップボタン7があると判別したときには、ステップS222に移る一方で、操作が有効なストップボタン7がないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
次に、図21を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。はじめに、ステップS302「表示役はBBか?」にてメインCPU31は、表示役がBBであるか否かを判別する。ステップS302にてメインCPU31は、表示役がBBであると判別したときには、ステップS304「BB作動時処理」に進み、図9に示したボーナス作動時テーブルを参照し、BB作動時処理を行う。この処理では、BB作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
次に、ステップS306「持越役格納領域をクリア」にてメインCPU31は、図16に示す持越役格納領域をクリアする。次に、ステップS308「ボーナス開始コマンド送信」にてメインCPU31は、ボーナス開始コマンドを副制御回路56に対して送信する。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
先のステップS302にてメインCPU31が、表示役はBBではないと判別したときには、ステップS310「表示役はリプレイか?」の処理に進み、表示役はリプレイであるか否かを判別する。ステップS310にてメインCPU31が、表示役はリプレイであると判別したときには、次のステップS312「投入枚数カウンタの値を自動投入枚数カウンタに複写」に進み、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する処理を行う。
先のステップS310においてメインCPU31が、表示役はリプレイではないと判別したときには、ステップS314「BB作動中フラグはオンか?」の処理に進み、BB作動中フラグはオンであるか否かを判別する。ステップS314にてメインCPU31が、BB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する。他方、BB作動中フラグがオンであると判別したときには、ステップS316「RB作動中フラグはオンか?」の処理に進み、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する。
ステップS316にてメインCPU31が、RB作動中フラグがオンであると判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する。他方、RB作動中フラグがオンではないと判別したときには、ステップS318「RB作動時処理」にて図9に示したボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う。この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
次に、図22を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。はじめに、ステップS342「ボーナス終了枚数カウンタは0か?」にてメインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する。ステップS342にてメインCPU31が、ボーナス終了枚数カウンタが0であると判別したときには、次のステップS344「BB終了時処理」に進み、BB終了時処理を行う。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがオフされ、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。次に、ステップS346「ボーナス終了コマンド送信」にてメインCPU31は、ボーナス終了コマンドを副制御回路56に対して送信する。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
先のステップS342においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、メインCPU31が実行する処理はステップS348「入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新」に進み、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する処理を行う。ここでは、遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞が有った場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次に、ステップS350「入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0か?」にてメインCPU31は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する。
ステップS350にてメインCPU31が、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する。他方、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが0であると判別したときには、ステップS352「RB終了時処理」に進み、RB終了時処理を行う。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
次に、図23を参照して、メインCPU31の制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、ステップS482「レジスタの退避」にてメインCPU31は、従前に使用していたレジスタの退避処理を行う。次に、ステップS484「入力ポートチェック処理」にてメインCPU31は、入力ポートのチェック処理を行う。この処理では、ストップスイッチ7S等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次に、ステップS486「リール制御処理」にてメインCPU31は、リールの回転制御及び停止制御を行う。この処理では、全リール3の回転開始が要求されたときに、各リール3の回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ40の駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リール3の回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータ40の駆動が制御される。
次に、ステップS488「ランプ・7セグ駆動処理」にてメインCPU31は、ランプ24及び7セグ表示器12の駆動処理を行う。次に、ステップS490「レジスタの復帰」にてメインCPU31は、退避させていおいたレジスタの復帰を行う。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
主制御回路55のメインCPU31により実行されるプログラムの内容についての説明は以上である。次に、図24〜図32を参照して、副制御回路56のサブCPU61により実行されるプログラムの内容について説明する。
図24を参照して、サブCPU61により行われる主基板通信タスクについて説明する。はじめに、ステップS522「コマンドの受信チェック」にてサブCPU61は、主制御回路55から送信されたコマンドの受信チェックを行う。次に、ステップS524「コマンドの種別を抽出」にてサブCPU61は、コマンドを受信した場合に、そのコマンドの種別を抽出する。
次に、ステップS526「前回とは異なるコマンドを受信したか?」にてサブCPU61は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かの判別を行う。ステップS526にてサブCPU61が、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、ステップS522に戻る。他方、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、ステップS528「メッセージキューに格納」の処理に進み、受信したコマンドをメッセージキューに格納して、ステップS522に戻る。
次に、図25を参照して、サブCPU61により行われる演出登録タスクについて説明する。はじめに、ステップS552「メッセージキューからメッセージを取り出す」にてサブCPU61は、先の処理でメッセージキューに格納したメッセージを取り出す処理を行う。次に、ステップS554「メッセージは有り?」にてサブCPU61は、メッセージは有るか否かを判別する。ステップS554にてメッセージが有ると判別したときには、ステップS556「メッセージから遊技情報を複写」に進み、パラメータによって特定される内部当籤役、回転が停止したリール3の種別、表示役、作動中フラグ等といった各種メッセージのデータが、サブRAM63に設けられた格納領域に複写される。
次に、ステップS557「各種情報を更新(遊技履歴を更新)」にてサブCPU61は、ステップS556にて複写した各種メッセージのデータを用いて、各種遊技に関する履歴情報を加算して、サブRAM63(遊技履歴格納手段)の所定領域に格納する処理を行う。
例えば、各種遊技情報として、BBの作動回数(例えば、後段の図31を用いて説明するように、過去6000回の単位遊技における大当り回数等)、BB作動中に払い出されたメダルの累計、BB作動中におけるメダルの純増数量(遊技者に対して払い出されたメダルの枚数から遊技者が投入したメダルの枚数を減じたメダルの枚数を示す。以下同じ。)、RBの作動回数、RB作動中に払い出されたメダルの累計、RB作動中におけるメダルの純増数量、MBの作動回数(所謂ミドルボーナスと呼ばれる遊技状態であり、第2種特別役物を連続して作動させることができる装置であって、特定の図柄の組合せが表示された場合に作動し、予め定められた払出枚数の上限値到達を条件に作動を終了するものをいう。)、MB作動中に払い出されたメダルの累計、MB作動中におけるメダルの純増数量、ATの当籤回数、ATの遊技回数(AT期間の累計)、AT遊技状態中に払い出されたメダルの累計、AT遊技状態中におけるメダルの純増数量、累積遊技回数、RTの作動回数、RTの遊技回数、RT作動中に払い出されたメダルの累計、RT作動中におけるメダルの純増数量、又はこれらの組合せ、その他の遊技履歴を更新することができる。
次に、ステップS558「演出内容決定処理」にてサブCPU61は、後で図26を参照して説明する演出内容決定処理を行う。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
ステップS558の後、又は、ステップS554においてメッセージは無かったと判別したときには、ステップS560「アニメーションデータの登録」の処理に進み、サブCPU61は演出に用いるアニメーションデータの登録を行う。次に、ステップS562「サウンドデータの登録」にてサブCPU61は、演出に用いるサウンドデータを登録する処理を行う。次に、ステップS564「ランプデータの登録」にてサブCPU61は、演出に用いるランプデータを登録する処理を行う。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、ステップS552に戻る。
次に、図26を参照して、サブCPU61により実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。はじめに、ステップS602「スタートコマンド受信時?」にてサブCPU61は、スタートコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS602にてスタートコマンドを受信したと判別したときには、次のステップS604「スタートコマンド受信時処理」に進む。
ステップS604にてサブCPU61は、AT期間カウンタの値、AT前兆カウンタの値、若しくはBB後遊技回数カウンタの値の更新処理や、AT期間の決定処理(AT遊技状態が継続する単位遊技数)、AT前兆期間の決定処理、内部当籤役に対応する図柄の組合せに関する情報を報知するための演出番号を登録する処理、又は、内部当籤役に基づいた演出番号の決定処理等の各処理を実行する。ここで演出番号とは、映像、音、光等による演出内容を指定するためのデータである。なお、当該スタートコマンド受信時処理の詳細については、図26を参照して説後段にて明する。このスタートコマンド受信時処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
先のステップS602にてサブCPU61が、スタートコマンド受信時ではないと判別したときには、ステップS612「リール停止コマンド受信時?」の処理に進み、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する。ステップS612にてサブCPU61が、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、ステップS614「登録されている演出番号と作動ストップボタンの種別に応じて、停止時の演出データを登録」に進み、サブCPU61は、登録されている演出番号とストップボタン7の種別に基づいて、停止時の演出データを登録する処理を行う。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
先のステップS612にてサブCPU61が、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、ステップS622「表示コマンド受信時?」の処理に進み、表示コマンド受信時であるか否かを判別する処理を行う。ステップS622にてサブCPU61が、表示コマンド受信時であると判別したときには、ステップS624「登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録」に進み、登録されている演出番号に基づいて、各図柄の停止表示時の演出データを登録する処理を行う。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
先のステップS622にてサブCPU61が、表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ステップS632「ボーナス開始コマンド受信時?」の処理に進み、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する処理を行う。ステップS632にてサブCPU61が、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、ステップS634「ボーナス開始用の演出データを登録」の処理に進み、ボーナス開始用の演出データを登録する処理を行う。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
先のステップS632にてサブCPU61が、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ステップS642「ボーナス終了コマンド受信時?」の処理に進み、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する処理を行う。ステップS642にてサブCPU61が、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときには、演出内容決定処理を終了する。他方、ステップS642にてボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには、ステップS644「ボーナス終了用の演出データを登録」の処理に進み、ボーナス終了用の演出データを登録する処理を行う。
次のステップS646「BB後遊技回数カウンタの値を100にセット」にてサブCPU61は、BBの作動が終了したことを受けて、高確率のAT抽籤状態が維持される100回の遊技期間を設定するために、BB後遊技回数カウンタの値として100をセットする。
すなわち、BBの作動が終了する毎に、100回の高確率のAT抽籤状態がプリセットされ、この100回の遊技回数を消化した後は、低確率のAT抽籤状態に移行することになる。なお、高確率のAT抽籤状態とは、後段にて説明する図29に示す高確率状態用AT抽籤テーブルを用いてAT期間を決定するAT抽籤状態であり、低確率のAT抽籤状態とは、後段にて説明する図30に示す低確率状態用AT抽籤テーブルを用いてAT期間を決定するAT抽籤状態である。
なお、BB後遊技回数カウンタとは別に、BB作動終了後に開始されるRT遊技状態監視用のカウンタを設けることも可能であるし、RT遊技状態監視用のカウンタをBB後遊技回数カウンタで代用することも可能である。
次のステップS648「AT抽籤状態を高確率状態にセット」にてサブCPU61は、後段にて説明する図27のステップS726「AT抽籤処理」にて参照するAT抽籤テーブルとして、高確率状態用AT抽籤テーブル(後段にて説明する図29参照。)を選択するように、AT抽籤状態を高確率状態にセットする処理を行う。
なお、高確率状態用AT抽籤テーブルは、高確率でAT遊技状態が決定されることとなるテーブルとする他、より長いAT期間が決定されることによりAT遊技状態の出現率を増加させて遊技者にとって有利な遊技状態を提供するテーブル等を用いることができる。また、予め所定のAT遊技状態の当籤確率、又は所定のAT期間を定めておき、遊技者にとって有利な遊技状態が作動した回数、遊技者に付与した遊技媒体の数量、又は遊技媒体の純増数量の遊技履歴に応じて、AT遊技状態の当籤確率、又はAT期間を増減させるように構成することもできる。ステップS648における処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、図27を参照して、サブCPU61により実行されるスタートコマンド受信時処理のフローチャートについて説明する。はじめに、ステップS702「RB遊技状態フラグはオンか?」にてサブCPU61は、主制御回路55にてRB作動中フラグがオンに設定され、そのRB作動中フラグがオンである旨の情報が副制御回路56に送信されたか否かの判定を行っている。
すなわち、主制御回路55においてRB作動中フラグがオンに設定されている場合には、副制御回路56ではRB遊技状態フラグがオンに設定されており、その場合にはサブCPU61が実行する処理はステップS722「内部当籤役等に基づいて演出番号を決定し、登録」の処理に分岐する。
他方、ステップS702の判断において、RB遊技状態フラグがオンではないと判別した場合には、次のステップS704「AT期間カウンタの値は1以上か?」の判断に進む。
ステップS704にてサブCPU61は、サブRAM63の所定領域に格納したAT期間カウンタの値を読み出して、AT期間カウンタの値が1以上であるか否かの判別を行うことにより、現在の遊技状態がAT遊技状態であるか否かの判別を行っている。もし、AT期間カウンタの値が1以上でないと判別した場合には、現在はAT遊技状態ではないことを受けてアシスト用の演出を実行することなく、ステップS722の処理に分岐する。
他方、ステップS704にてサブCPU61が、AT期間カウンタの値が1以上であると判別した場合には、現在の遊技状態がAT遊技状態であることを受けて、次のステップS706「AT前兆カウンタの値は0か?」の判断に進む。
次のステップS706にてサブCPU61は、サブRAM63の所定領域に格納したAT前兆カウンタの値を読み出して、AT前兆カウンタの値が0であるか否かの判別を行うことにより、現在AT遊技状態に移行する前のAT前兆中であるか否かの判別を行っている。もし、AT前兆カウンタの値が0でない場合には、現在はAT遊技状態に移行する前のAT前兆中(AT持越状態)であると判別して、アシスト用の演出を実行することなく、ステップS722の処理に分岐する。
他方、ステップS706にてサブCPU61が、AT前兆カウンタの値が0であると判別した場合には、現在の遊技状態がAT前兆中からAT遊技状態に移行していることを受けて、次のステップS708「AT期間カウンタを1減算」の処理に進む。
ステップS708にてサブCPU61は、先のステップS704にてサブRAM63の所定領域読み出したAT期間カウンタの値から1を減算して、サブRAM63の所定領域に書き込む処理を行って、AT遊技状態において一単位遊技を消化したことを記録する。
次のステップS710「内部当籤役は赤チェリーか?」の判断にてサブCPU61は、主制御回路55から受信したスタートコマンドに、内部当籤役が「赤チェリー」である旨の情報が含まれているか否かの判別を行っている。もし、内部当籤役が「赤チェリー」であると判別した場合には、次のステップS712「演出番号15を登録」に進み、映像、音声、又は光等を用いた演出の識別番号として15を登録する処理を行う。
例えば、この演出番号15に対応する演出として、液晶表示装置5の一部に「赤チェリー」の画像を合成して表示することで、遊技者に対して左リール3Lの「赤チェリー」の図柄を入賞判定ライン8上に停止表示させるべきであることを報知することができる。演出番号の登録が終了すると、ステップS722の処理に進む。
他方、ステップS710にて、内部当籤役が「赤チェリー」でないと判別した場合には、ステップS714「内部当籤役は青チェリーか?」の判断に分岐する。ステップS714の判断にてサブCPU61は、主制御回路55から受信したスタートコマンドに、内部当籤役が「青チェリー」である旨の情報が含まれているか否かの判別を行っている。もし、内部当籤役が「青チェリー」であると判別した場合には、次のステップS716「演出番号16を登録」に進み、映像、音声、又は光等を用いた演出の識別番号として16を登録する処理を行う。
例えば、この演出番号16に対応する演出として、液晶表示装置5の一部に「青チェリー」の画像を合成して表示することで、遊技者に対して左リール3Lの「青チェリー」の図柄を入賞判定ライン8上に停止表示させるべきであることを報知することができる。演出番号の登録が終了すると、ステップS722の処理に進む。
他方、ステップS714にて、内部当籤役が「青チェリー」でないと判別した場合には、ステップS718「内部当籤役は緑チェリーか?」の判断に分岐する。ステップS718の判断にてサブCPU61は、主制御回路55から受信したスタートコマンドに、内部当籤役が「緑チェリー」である旨の情報が含まれているか否かの判別を行っている。もし、内部当籤役が「青チェリー」であると判別した場合には、次のステップS720「演出番号17を登録」に進み、映像、音声、又は光等を用いた演出の識別番号として17を登録する処理を行う。他方、ステップS714の判断にて、内部当籤役が「青チェリー」でないと判別した場合には、ステップS722に分岐する。
例えば、この演出番号17に対応する演出として、液晶表示装置5の一部に「緑チェリー」の画像を合成して表示することで、遊技者に対して左リール3Lの「緑チェリー」の図柄を入賞判定ライン8上に停止表示させるべきであることを報知することができる。演出番号の登録が終了すると、ステップS722の処理に進む。
次のステップS722にてサブCPU61は、現在の遊技状態が一般遊技状態であるか否か、AT遊技状態であるか否か、RT遊技状態であるか否か、又はAT前兆中であるか否か等の情報に基づいて、映像、音声、又は光等を用いた演出の番号を登録する処理を行う。そして、次のステップS724「登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録」に進み、映像、音声、又は光等を用いたスタート時の演出を、サブRAM63の所定領域に登録する処理を行う。
次のステップS726「AT抽籤処理」にてサブCPU61は、後で図28を参照して説明するAT抽籤処理を行う。この処理では、スタートコマンドに含まれる内部当籤役に関する情報や、AT抽籤状態(例えば、高確率でAT遊技状態が決定される状態であるか否か)、又は遊技履歴等に応じてAT期間カウンタ及びAT前兆カウンタの値を決定して、サブRAM63の所定領域にセットする処理を行う。
次のステップS728「BB後遊技回数更新処理」にてサブCPU61は、後で図32を参照して説明するBB後遊技回数更新処理を行う。この処理では、スタートコマンド受信後に、BB後遊技回数カウンタやAT前兆カウンタの値を更新したり、BB後遊技回数カウンタの値に応じてAT抽籤状態を低確率状態にセットする処理を行う。ステップS728における処理が終了すると、スタートコマンド受信時処理を終了する。
次に、図28を参照して、サブCPU61により実行されるAT抽籤処理のフローチャートについて説明する。はじめに、ステップS742「RB遊技状態フラグはオンか?」にてサブCPU61は、主制御回路55にてRB作動中フラグがオンに設定され、そのRB作動中フラグがオンである旨の情報が副制御回路56に送信されたことにより、副制御回路56側においてRB遊技状態フラグがオンに設定されているか否かの判別を行っている。もし、RB遊技状態フラグがオンに設定されている場合には、AT抽籤処理を実行することなくAT抽籤処理を終了する。すなわち、BB作動中の場合には、AT抽籤を実行しないように構成してある。
他方、ステップS742の判断において、RB遊技状態フラグがオンではないと判別した場合には、次のステップS744「AT期間カウンタの値は0か?」の判断に進む。
ステップS744にてサブCPU61は、サブRAM63の所定領域に格納したAT期間カウンタの値を読み出して、AT期間カウンタの値が0であるか否かの判別を行うことにより、現在AT遊技状態が設定されているか否かの判別を行っている。
もし、AT期間カウンタの値が0でないと判別した場合には、既にAT遊技状態(AT前兆中を含む。)が設定されていることを受けて、再度のAT抽籤を実行することなくAT抽籤処理を終了する。この実施例では、AT遊技状態が設定されている場合には、AT期間を更に加算しない実施例を示してあるが、過去の遊技履歴において遊技者に対するメダルの払い出し枚数が少ない場合や、BBの作動が少ない場合、AT遊技状態の設定回数が少ない場合等において、AT期間を更に加算するように構成することもできる。
他方、ステップS744にてサブCPU61が、AT期間カウンタの値が0であると判別した場合には、現在AT遊技状態が設定されていないことを受けて次のステップS746「AT抽籤状態に応じたAT抽籤テーブルを選択」に進み、AT抽籤処理を行う際に用いるAT抽籤テーブルを選択する処理を行う。
例えば、未だBB終了後に100回の単位遊技数を消化してない場合には、BB後遊技回数カウンタの値が1以上であるので、図26に示したステップS648にて設定された高確率状態が維持されている。この場合には、ステップS746にて高確率状態用AT抽籤テーブル(図29参照。)を選択することになる。
他方、BB終了後に100回の単位遊技数を消化した場合には、BB後遊技回数カウンタの値が0になっているので、後段の図32に示すステップS770「AT抽籤状態を低確率状態にセット」にて説明するように、AT抽籤状態として低確率状態が設定されている。この場合には、ステップS746にて低確率状態用AT抽籤テーブル(図30参照。)を選択することになる。
ここで、図29に示す高確率状態用AT抽籤テーブルについて説明する。図29に示すように、例えばAT抽籤状態が高確率状態に設定されている場合であって、主制御回路55から受信したスタートコマンドに含まれる内部当籤役が「赤チェリー」である場合には、2048/65536の高確率で50回のAT期間が決定され、32/65536の高確率で1000回のAT期間が決定される。なお、内部当籤役が「赤チェリー」であっても、49568/65536の確率でAT期間が設定されない(すなわち、AT期間として0が決定される。)場合があり得ることになる。
次に、図30に示す低確率状態用AT抽籤テーブルについて説明する。図30に示すように、例えばAT抽籤状態が低確率状態に設定されている場合であって、主制御回路55から受信したスタートコマンドに含まれる内部当籤役が「赤チェリー」である場合には、32/65536の低確率で50回のAT期間が決定されるが、100回以上のAT期間が抽籤により決定されることはない。なお、内部当籤役が「赤チェリー」であっても、65312/65536の高確率でAT期間が設定されない(すなわち、AT期間として0が決定される。)場合があり得ることになる。
なお、図29及び図30に示したAT抽籤テーブルの何れを選択するかは、BB作動終了後に100回の単位遊技を消化したか否かに応じて決定する実施例を示したが、この他にも、BBの作動回数(例えば、後段の図31を用いて説明するように、過去6000回の単位遊技における大当り回数等)、BB作動中に払い出されたメダルの累計、BB作動中におけるメダルの純増数量、RBの作動回数、RB作動中に払い出されたメダルの累計、RB作動中におけるメダルの純増数量、MBの作動回数、MB作動中に払い出されたメダルの累計、MB作動中におけるメダルの純増数量、ATの当籤回数、ATの遊技回数、AT遊技状態中に払い出されたメダルの累計、AT遊技状態中におけるメダルの純増数量、累積遊技回数、RTの作動回数、RTの遊技回数、RT作動中に払い出されたメダルの累計、RT作動中におけるメダルの純増数量、又はこれらの組合せ、その他の遊技履歴を更新することができる。
次のステップS748「選択されたAT抽籤テーブルを参照し、内部当籤役に基づいてAT期間を決定し、AT期間カウンタにセット」にてサブCPU61(報知調節手段)は、主制御回路55から受信したスタートコマンドに含まれる内部当籤役と乱数値(1〜65536の値)とを用い、AT抽籤テーブルを参照してAT期間を決定する処理を行う。AT期間が決定したら、その値をAT期間カウンタにセットする。
次のステップS750「AT期間カウンタの値は0か?」にてサブCPU61は、AT期間カウンタの値が0であるか否かの判別を再度行うことで、先のステップS748において新たにAT期間が決定された否かの判別を行っている。もし、AT期間が決定されなかった場合には、ATカウンタの値は0のままであるので、AT前兆期間を決定することなく、AT抽籤処理を終了する。
他方、ステップS748においてAT期間が決定された場合には、ATカウンタの値は1以上の値がセットされているので、AT前兆期間を決定するべく、次のステップS752「AT前兆決定テーブルを参照し、遊技履歴に基づいて、AT前兆期間を決定し、AT前兆カウンタにセット」に進む。
ステップS752にてサブCPU61(報知調節手段)は、過去の遊技履歴と、乱数値と、図31に示すAT前兆決定テーブルとを用いてAT前兆期間(報知の持越単位遊技数)を決定して、そのAT前兆期間の値をAT前兆カウンタにセットする処理を行う。なお、ステップS752における処理が終了すると、AT抽籤処理を終了する。
AT前兆期間とは、先のステップS748にてAT期間が設定された後に、実際にAT遊技状態に移行するまでの間に設けられたAT持越状態となる遊技期間である。例えば、AT前兆期間として100の値がAT前兆カウンタに設定されると、100回の単位遊技を消化した後にAT遊技状態に移行して、内部当籤役が遊技者に報知されることになる(先の図27に示したステップS706〜ステップS720の処理を参照。)。
図31は、過去6000回の単位遊技における大当り回数(BBが表示役として成立し、作動した回数)に応じて、AT前兆期間が決定されるAT前兆決定テーブルである。例えば、過去6000回の単位遊技中に作動したBBの回数が0〜5回であった場合(たいへん少ない場合に該当する。)には、遊技の公平性を確保するために、0回のAT前兆期間が100%の確率で決定される。すなわち、この場合には、AT持越状態にならずに、直ちにAT遊技状態に遷移するので、その後遊技者は、容易にメダルを比較的多く獲得する特典を享受することができる。
そして、過去6000回の単位遊技中に作動したBBの回数が多い場合には、その作動回数に応じてAT前兆期間が増える傾向となるように、AT前兆決定テーブルを定めてある。そして、例えば過去6000回の単位遊技中に作動したBBの回数が30回以上であった場合(非常に多い場合に該当する。)には、最低20回のAT持越状態が設定されるようにAT前兆決定テーブルを定めてある。なお、この場合において20回のAT前兆期間が決定される確率は、4069/65536と、比較的低確率であり、例えば1000回のAT前兆期間が決定される確率は、16384/65536と高確率に設定してある。このように、遊技履歴に応じてAT持越状態を調節することにより、射倖性を抑えるとともに公平性を確保した遊技機を提供することが可能となる。
なお、上記の実施例では、過去6000回の単位遊技における大当り回数に応じてAT遊技状態に移行する前のAT前兆期間を調節する実施例を示したが、本発明はこの実施例に限定するものではない。この他にも、過去の遊技履歴において、BB作動中に払い出されたメダルの枚数若しくは純増数量が少ない場合や、RBの作動回数が少ない場合、RBの作動中に払い出されたメダルの枚数が少ない場合若しくは純増数量が少ない場合、MBの作動回数が少ない場合、MB作動中に払い出されたメダルの枚数が少ない場合若しくは純増数量が少ない場合、ATの当籤回数が少ない場合、ATの遊技回数が少ない場合、AT遊技状態中に払い出されたメダルの枚数が少ない場合若しくは純増数量が少ない場合、RT遊技状態に移行した回数が少ない場合、累積遊技回数が少ない場合、RTの作動回数が少ない場合、RTの遊技回数が少ない場合、RT作動中に払い出されたメダルの枚数が少ない場合若しくは純増数量か少ない場合、又はこれらの組合せに応じて、AT前兆期間を短く設定することも可能である。
また、予めAT前兆期間を定めておき、遊技者にとって有利な遊技状態が作動した回数、遊技者に付与した遊技媒体の数量、又は遊技媒体の純増数量の遊技履歴に応じて、AT前兆期間を増減させるように構成することもできる。
次に、図32を参照して、サブCPU61により実行されるBB後遊技回数更新処理のフローチャートについて説明する。はじめに、ステップS762「RB遊技状態フラグはオンか?」にてサブCPU61は、主制御回路55にてRB作動中フラグがオンに設定され、そのRB作動中フラグがオンである旨の情報が副制御回路56に送信されたことにより、副制御回路56側においてRB遊技状態フラグがオンに設定されているか否かの判別を行っている。もし、RB遊技状態フラグがオンに設定されている場合には、遊技回数の更新を行うことなくBB後遊技回数更新処理のサブルーチンを終了する。すなわち、BB作動中の場合には、BB後遊技回数及びAT前兆期間の更新処理を実行しないように構成してある。
他方、ステップS762の判断において、RB遊技状態フラグがオンではないと判別した場合には、次のステップS764「BB後遊技回数カウンタの値は0か?」の判断に進む。
ステップS764にてサブCPU61は、サブRAM63の所定領域に格納したBB後遊技回数カウンタの値を読み出して、BB後遊技回数カウンタの値が0であるか否かの判別を行うことにより、AT抽籤状態が高確率で決定される状態にセットされているか否かの判別を行っている。もし、BB後遊技回数カウンタの値が0であると判別した場合には、既にAT抽籤状態が低確率で決定される状態にセットされていることを受けて、AT抽籤状態が高確率で決定される期間を計数するための処理を行うことなく、ステップS772「AT前兆カウンタの値は0か?」の判断に分岐する。
他方、ステップS764にてサブCPU61が、BB後遊技回数カウンタの値が0でないと判別した場合には、現在はAT抽籤状態が高確率で決定される状態にセットされており、遊技者がスタートレバー6が操作することにより一単位遊技が開始されたことを受けて、次のステップS766「BB後遊技回数カウンタの値を1減算」の処理に進み、BB後遊技回数カウンタの値を1減算して、サブRAM63の所定領域に格納する処理を行う。
次のステップS768「BB後遊技回数カウンタの値は0か?」にてサブCPU61は、先のステップS764にてBB後遊技回数カウンタの値を1減算した結果、BB後遊技回数カウンタの値が0となり、AT抽籤状態が高確率で決定される期間が終了したか否かの判別を行っている。もし、BB後遊技回数カウンタの値が0ではないと判別した場合には、AT抽籤状態が高確率で決定される期間を継続するために直接ステップS772の判断に分岐する。
他方、ステップS768の判断にて、BB後遊技回数カウンタの値が0であると判別した場合には、次のステップS770「AT抽籤状態を低確率状態にセット」に進み、高確率状態にセットされていたAT抽籤状態を低確率状態にセットする処理を行う。以降の遊技では、先の図28におけるステップS746の処理において、図30に示した低確率状態用AT抽籤テーブルを選択してAT期間を決定することになる。
次のステップS772にてサブCPU61は、サブRAM63の所定領域に格納されているAT前兆カウンタの値を読み出して、AT前兆カウンタの値が0であるか否かの判別を行うことにより、AT前兆期間中であるか否かの判別を行っている。もし、AT前兆カウンタの値が0であると判別した場合には、既にAT前兆期間が終了していることを受けて、AT前兆カウンタの値を更新することなく、BB後遊技回数更新処理のサブルーチンを終了する。
他方、ステップS772の判断にてAT前兆カウンタの値が0でないと判別した場合には、次のステップS774「AT前兆カウンタの値を1減算」に進み、AT前兆カウンタの値を1減算して、サブRAM63の所定領域に格納する処理を行う。ステップS772の処理が終了すると、BB後遊技回数更新処理のサブルーチンを終了する。
以上のように構成することにより、過去の遊技履歴に応じて、AT遊技状態が決定される確率や、AT遊技状態に移行するまでの間の単位遊技数を調節することができる。これにより、過去の遊技において遊技者が獲得した特典が多かった場合には、AT遊技状態が決定される確率を低下させたり、AT遊技状態の作動を遅らせたりして、短期間において遊技者が過度の特典を享受するといった偏りを抑制して、射幸性を抑えた遊技機を提供することが可能となる。
なお、上記の実施例では、図27のステップS710〜S720に示したように、「赤チェリー」、「青チェリー」及び「緑チェリー」といった単独図柄が所定の入賞判定ライン8に沿って停止表示されることで入賞役が決定することとなる内部当籤役を、映像、音、光等を用いて報知する実施例を示したが、本発明はこの実施例に限定するものではない。この他にも、例えば、複数の図柄組合せが入賞判定ライン8に沿って停止表示されることにより表示役が決定されることとなる内部当籤役を、映像、音、光等を用いて報知することもできるし、変動表示されている複数の図柄の停止順序を映像、音、光等を用いて報知することもできる。
また、重複して内部当籤した複数の内部当籤役のうち、遊技者にとって有利となる内部当籤役を停止表示させるための停止順序を、映像、音、光等を用いて報知することもできる。また、RT遊技状態を終了させる表示役(所謂、落ち役と呼ばれる表示役。)が内部当籤していることを、映像、音、光等を用いて報知することもできる。これらの報知の実行を、過去の遊技履歴に応じて調節したり、過去の遊技履歴に応じて報知を行うまでの持越期間を調節することにより、射幸性を抑えた遊技機を提供することが可能となる。
また、上記の実施例では、図28のステップS752にて説明したように、遊技履歴に応じてAT前兆期間を設定することで、短期間において遊技者が過度の特典を享受するといった偏りを抑制しているが、この他にも、同図のステップS746にて説明した方法と同様に、遊技者にとって有利な遊技状態が作動した回数、遊技者に付与した遊技媒体の数量、遊技者が獲得した遊技媒体の純増数量等の遊技履歴に応じてAT前兆決定テーブルを選択することで、遊技者にとって有利な遊技状態が作動した回数が所定回数よりも多い場合、遊技者に付与した遊技媒体の数量が所定数量よりも多い場合、又は、遊技者が獲得した遊技媒体の純増数量が多い場合には、少ない場合と比較してAT前兆期間を増大させる調節を行って、結果的にAT遊技状態の出現率を調節して、射幸性を抑えた遊技機を提供することもできる。
また、上記の実施例では、図28のステップS752にて説明したように、遊技履歴に応じてAT前兆期間を設定することで、短期間において遊技者が過度の特典を享受するといった偏りを抑制しているが、予め所定のAT前兆期間を定めておき、遊技者にとって有利な遊技状態が作動した回数、遊技者に付与した遊技媒体の数量、又は遊技者が獲得した遊技媒体の純増数量等の遊技履歴に応じてAT前兆期間の調節を行って、結果的にAT遊技状態の出現率を調節して、射幸性を抑えた遊技機を提供することもできる。