本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)の機能フローについて説明する。
遊技者により遊技媒体(以降、遊技媒体としてメダルを用いた実施例について説明する。)が投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部当籤役決定手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリールの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリールの回転を停止する。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロにおける1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバーが操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
パチスロの機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
図2は、本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す。
パチスロ1は、リール3(左リール3L、中リール3C、右リール3R)や回路基板等の機器を収容することが可能であって当該パチスロ1の筐体を形成する箱型のキャビネット2と、前面が開口しているキャビネット2の開口を塞ぐように開閉自在に構成されたフロントドア9とを備える。
フロントドア9の右側中央には、フロントドア9を閉じた状態に施錠する錠前11を配してある。図2に示す実施例では、遊技場の係員が、専用の鍵を錠前11に差し込んで回動させることにより、フロントドア9の施錠及び解錠を行うことが可能となっている。したがって、一般の遊技者は、フロントドア9を自由に開閉することはできないように構成してある。
キャビネット2の内部には、3つのリール3が横並びに設けられている。各リール3は、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
フロントドア9の中央には、液晶表示装置5(報知手段の一形態。)が設けられている。液晶表示装置5は、図柄表示領域を含む表示画面を備え、正面から見て3つのリール3に重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域は、3つのリール3のそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール3を透過することが可能な構成を備えている。
つまり、図柄表示領域は、表示窓4(左表示窓4L,中表示窓4C,右表示窓4R)としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3の回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域を含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域(以下、表示窓4)は、その背後に設けられたリール3の回転が停止されたとき、リール3の表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓4が有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となる入賞判定ライン8として定義する。
本実施の形態では、各表示窓4の上段を組合せてなるトップライン、各表示窓4の中段を組合せてなるセンターライン、各表示窓4の下段を組合せてなるボトムライン、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの上段を組合せてなるクロスアップラインの5つを入賞判定ライン8として設けている。
フロントドア9には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口15は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口15に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン13は、パチスロ1内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン14は、パチスロ1内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー6は、全てのリール3の回転を開始するために設けられる。ストップボタン7(左ストップボタン7L、中ストップボタン7C、右ストップボタン7R)は、3つのリール3のそれぞれに対応づけられ、対応するリール3の回転を停止するために設けられる。
7セグ表示器12は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
ランプ24(LED等により構成され、報知手段の機能を含む。)は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ21(報知手段の一形態。)は、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口16は、後述のメダル払出装置の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口16から排出されたメダルは、メダル受皿17に貯められる。
図3は、本実施の形態におけるパチスロ1の内部構造を示す。フロントドア9が開放され、フロントドア9の裏面側の構造及びキャビネット2内部の構造が現れた状態が示されている。
キャビネット2内部の上方には、主制御回路55を構成する基板(以下、主基板)が設けられている。主制御回路55は、内部当籤役の決定、リール3の回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路55の具体的な構成は後述する。
キャビネット2内部の中央には、3つのリール3が設けられている。各リール3のそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
3つのリール3の左側には、副制御回路56を構成する基板(以下、副基板)が設けられている。副制御回路56は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路56の具体的な構成は後述する。副制御回路56には、新たな遊技者が遊技を開始した際に、従前の遊技者による報知履歴を消去する報知履歴初期化スイッチ79が配置されている。
報知履歴初期化スイッチ79は、フロントドア9及びキャビネット2で囲まれる内部に配されている。前述の錠前11を用いてフロントドア9を施錠することにより、一般の遊技者がフロントドア9を勝手に開けて、当該報知履歴初期化スイッチ79を不正に操作することができないように構成してある。
キャビネット2内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置43(遊技媒体付与手段)が設けられている。メダル払出装置43の左側には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置54が設けられている。なお、電源装置54には、当該パチスロ1に対する電力の供給を開始したり、電力の供給を遮断したり、新たな遊技者が遊技を開始する際に、遊技場の係員が操作する電源スイッチ53が配置されている。
電源スイッチ53は、フロントドア9及びキャビネット2で囲まれる内部に配されている。前述の錠前11を用いてフロントドア9を施錠することにより、一般の遊技者がフロントドア9を勝手に開けて、当該電源スイッチ53を不正に操作することができないように構成してある。
フロントドア9裏側の中央、表示窓4の下方には、セレクタ51が設けられている。セレクタ51は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口15に受け入れられた適正なメダルをメダル払出装置43へ案内する。尚、セレクタ51内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ15Sが設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主制御回路55、副制御回路56及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
図4は、本実施の形態におけるパチスロ1の主制御回路55の構成を示す。
主制御回路55は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU31)、ROM(以下、メインROM32)及びRAM(以下、メインRAM33)により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路56に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が格納されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ40等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ7S(停止操作検出手段)は、3つのストップボタン7のそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6S(開始操作検出手段)は、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ15Sは、メダル投入口15に受け入れられたメダルが前述のセレクタ51内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ13Sは、ベットボタン13が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ40、7セグ表示器12及びメダル払出装置43がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路39(図柄変動手段)は、各リール3に対応して設けられたステッピングモータ40の駆動を制御する。リール位置検出回路3Sは、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3が一回転したことを示すリールインデックスを各リール3に応じて検出する。
ステッピングモータ40は、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ40の駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3に伝達される。ステッピングモータ40に対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3は一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ40に対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3の回転角度(主に、リール3が図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3の表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路41は、7セグ表示器12の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路42は、メダル払出装置43の動作を制御する。また、払出完了信号回路45は、メダル払出装置43に設けられたメダル検出部が行うメダルの検出を管理し、メダル払出装置43から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
図5は、本実施の形態におけるパチスロ1の副制御回路56の構成を示す。
副制御回路56は、主制御回路55と電気的に接続されており、主制御回路55から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路56は、基本的に、CPU(以下、サブCPU61)、ROM(以下、サブROM62)、RAM(以下、サブRAM63)、レンダリングプロセッサ69、描画用RAM70、ドライバ71、DSP72(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM73及びD/A変換器74及びアンプ75を含んで構成されている。
サブCPU61は、主制御回路55から送信されたコマンドに応じて、サブROM62に格納されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM63は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路55から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM62は、基本的に、プログラム格納領域とデータ格納領域によって構成される。
プログラム格納領域には、サブCPU61が実行する制御プログラムが格納されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路55との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ24による光の出力を制御するランプ24制御タスク、スピーカ21による音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ格納領域は、各種データテーブルを格納する格納領域、各演出内容を構成する演出データを格納する格納領域、映像の作成に関するアニメーションデータを格納する格納領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを格納する格納領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを格納する格納領域等が含まれている。
また、副制御回路56には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ21及びランプ24が接続されている。
サブCPU61、レンダリングプロセッサ69、描画用RAM70(フレームバッファを含む)及びドライバ71は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
また、サブCPU61、DSP72、オーディオRAM73、D/A変換器74及びアンプ75は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ21により出力する。また、サブCPU61は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ24の点灯及び消灯を行う。
また、サブCPU61には、各種入出力装置を接続することが可能なI/O78が接続されている。I/O78には、新たな遊技者が遊技を開始した際に、従前の遊技者が獲得した報知履歴を消去する報知履歴初期化スイッチ79(図3参照。)と、光の点消灯を行うことにより遊技者に高揚感を提供するランプ24とを接続してある。なお、報知履歴の内容については、後段にて説明することにする。
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図6〜図13を参照して、メインROM32に格納されている各種データテーブルの構成について説明する。
図6(A)を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3の回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。なお、図柄コードの格納例を図6(B)に示す。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3の回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓4の中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
図6(A)に示すように、左リールの図柄「赤チェリー」、「青チェリー」、及び「緑チェリー」の間には、それぞれ6個の図柄が配置されている。本実施例では、最大の滑り駒数を図柄4個分に定めているので、ボトムライン上に「赤チェリー」、「青チェリー」、又は「緑チェリー」の図柄が存在しているときに左ストップボタン7Lの押下操作を行っても、他のチェリーの図柄が停止表示されることがないように、図柄の配列を定めてある。
すなわち、何れのタイミングの停止操作を行っても、1のチェリーしか狙うことができないようになっており、内部当籤役が報知されなければ3分の1の確率でしか停止表示させることができないものとなっている。
図7を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞判定ライン8に沿って各リール3により表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、メダルの投入枚数に応じた払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。なお、本実施例では、一般遊技状態におけるメダルの投入枚数を3枚(3枚掛)とし、BB作動時におけるメダルの投入枚数を2枚(2枚掛)としている。
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、左リール3Lの図柄「赤チェリー」が入賞判定ライン8に沿って表示されたときには、表示役として「赤チェリー(00000001)」が決定される。この、「赤チェリー」、「青チェリー」及び「緑チェリー」のように、一つの図柄が入賞判定ライン8上に停止表示されたことに基づいて遊技者にメダルを付与する表示役を、単独図柄の入賞役と呼ぶことにする。
また、例えば、各リール3の図柄「ベル」が、入賞判定ライン8に沿って表示されたときには、表示役として「ベル(00001000)」が決定される。
払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役として「赤チェリー」、「青チェリー」、「緑チェリー」、「ベル」、「スイカ」又は「特殊役」が決定されたときにメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方が、より多くの払出枚数が決定される。
図7に示すように、決定された内部当籤役が「特殊役」の場合であって、「赤7−赤7−白7」の図柄が、いずれかの入賞判定ライン8に沿って停止表示された場合には、「特殊役」の小役の入賞が成立する。すると、所定枚数のメダルが払出されるとともに、後段にて図31を用いて説明するように、過去の特殊役成立の当否を用いた報知履歴に基づいて、1000回のAT期間(内部当籤役の報知が実行される単位遊技数)を加算するか否かの判別を行う。ここの処理で、AT期間に1000回の単位遊技数が加算されると、当該遊技者は以降の遊技で、より多くのメダルを獲得することが可能となる。
なお、単位遊技とは、遊技者によるスタートレバー6の操作を検出してから、入賞判定ライン8上に停止表示された図柄の組合せに応じた遊技媒体の付与までを呼ぶことにする。入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せが、何れの入賞に係るものではない「ハズレ」に係る場合や、実際にはメダルの払い出しが行われない再遊技の作動、又はボーナスの作動が決定したとき等においても、図柄の組合せに応じて0枚のメダルの払い出しが行われたとして、1回の単位遊技が終了するものとする。
例えば、過去の遊技において「特殊役」が成立しており、既に1000回の長期に渡るAT期間が加算されていた場合には、その旨が報知履歴としてサブRAM63(報知履歴格納手段)の所定領域に格納されている。この場合には、再度「特殊役」が成立しても、1000回の長期に渡るAT期間は加算されないようにする。このように構成することで、以降の遊技において、遊技者がAT遊技状態を用いて過度の利益を得ることが困難となる。したがって、遊技者が獲得する特典の均一化を図ることができる。
他方、過去の遊技では1回も「特殊役」が成立しておらず、未だ1000回の長期に渡るAT期間が加算されていない場合には、その旨が報知履歴としてサブRAM63の所定領域に格納されているので、新たに「特殊役」が成立した場合には、1000回の長期に渡るAT期間が加算されることとなる。すると、以降のAT遊技状態を用いた遊技により、遊技者が多くの利益を得ることが可能となる。
また、遊技中に表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ボーナスの作動が行われる。尚、入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
図8を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM33に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びRB(第1種特別役物)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。
BBの作動は、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
図9〜図11を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
図9は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図10は、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す。図11は、図9に示した一般遊技状態に比してリプレイの内部当籤確率を増大させたRT遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、ボーナスの作動が行われているか否か、又はRT(リプレイタイム)の作動が行われているか否かといった状況に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
図12及び図13を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
内部当籤役は、入賞判定ライン8に沿って表示を許可する各リール3の図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。尚、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
図12は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図13は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
メインROM32に格納されているデータテーブルの内容についての説明は以上である。次に、図14〜図16を参照して、メインRAM33に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
図14を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。尚、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
尚、メインRAM33には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ライン8に沿って表示されたことになる。
図15を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
前述の抽籤の結果、ボーナスの作動に係る内部当籤役が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納されたボーナスの作動に係る内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ライン8に表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
図16を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスが割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスの作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
メインRAM33に設けられる各種格納領域の構成についての説明は以上である。次に、図17〜図22を参照して、主制御回路55のメインCPU31により実行されるプログラムの内容について説明する。
まず、図17を参照して、メインCPU31の制御によるメインフローチャートについて説明する。パチスロ1に電源が投入されると、はじめに、ステップS2「初期化処理」(以降、S2のように省略して記載する場合もある。)にてメインCPU31は、メインCPU31に接続されている周辺装置の初期化処理を行う。次に、ステップS4「指定格納領域のクリア」にてメインCPU31は、メインRAM33における指定格納領域のクリアを行う。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、ステップS6「メダル受付・スタートチェック処理」にてメインCPU31は、メダルセンサ15Sやベットスイッチ13S、スタートスイッチ6Sの入力のチェック等を行う。この処理においてメインCPU31は、先ず自動投入カウンタの値に応じて、遊技者が投入するメダルの通過を許可し、再遊技を行う際には自動投入カウンタのメダル枚数を投入枚数カウンタに複写する処理等を行う。
そして、遊技状態に応じて投入枚数カウンタの最大値を変更する処理を行い、遊技者が投入したメダルに基づいて投入枚数カウンタ、又はクレジットカウンタを加算する処理を行う。そして、ベットボタン13が遊技者によって押下操作された場合には、所定のメダル枚数をクレジットカウンタから投入枚数カウンタに移動し、更に、投入枚数カウンタが最大値に達していること、及び遊技者によりスタートレバー6の操作が行われたことを条件に、投入されたメダルの排出が促される。
次に、ステップS8「乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納」にてメインCPU31は、乱数値を抽出し、メインRAM33に設けられた乱数値格納領域に格納する。次に、ステップS10「内部抽籤処理」にてメインCPU31(内部当籤役決定手段)は、後で図18を参照して説明する内部抽籤処理を行う。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次に、ステップS12「スタートコマンドを送信」にてメインCPU31は、スタートコマンドを副制御回路56に対して送信する。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、ステップS14「全リールの回転開始を要求」にてメインCPU31は、全メインリール3の回転開始を要求する。尚、全メインリール3の回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図22)によってステッピングモータ40の駆動が制御され、各リール3の回転が開始される。
次に、ステップS16「リール停止制御処理」にてメインCPU31(停止制御手段)は、後で図19を参照して説明するリール停止制御処理を行う。この処理では、ストップスイッチ7Sの入力のチェックが行われ、ストップボタン7が押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リール3の回転が停止される。
次に、ステップS18「入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを検索し、検索の結果に基づいて、払出枚数等を決定」にてメインCPU31は、入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する。検索の結果、入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、ステップS20「表示コマンドを送信」にてメインCPU31は、表示コマンドを副制御回路56に対して送信する。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、ステップS22「メダル払出処理」にてメインCPU31は、メダル払出処理を行う。決定された払出枚数に基づいて、メダル払出装置43の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、ステップS24「払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新」にてメインCPU31は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
次に、ステップS26「ボーナス作動中フラグがオンか?」にてメインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS28「ボーナス終了チェック処理」にてメインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図21を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
ステップS28の後、又は、ステップS26においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、メインCPU31が実行する処理はステップS30「RTゲーム数カウンタ更新処理」に進む。ステップS30にてメインCPU31が、先のステップS28にてBBの作動が終了したと判別した場合には、図16に示したRT作動中フラグをオンにセットしてRT遊技状態を作動させる処理を行う。更にステップS30にてメインCPU31は、RTゲーム数カウンタの更新処理を行い、RT遊技状態が所定の回数に達した場合には、RT遊技状態を終了させるために、図16に示したRT作動中フラグをオフにセットする処理を行う。
次のステップS32「ボーナス作動チェック処理」にてメインCPU31は、後で図20を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う。ここでは、ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、ステップS4に戻る。
次に、図18を参照して、内部抽籤処理について説明する。はじめに、ステップS102「内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定」にてメインCPU31は、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する。ここでは、図16に示した作動中フラグ格納領域が参照され、ボーナスの作動又はRTの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。尚、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
次に、ステップS104「乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセット」にてメインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする。次に、ステップS106「当籤番号の初期値として1をセット」にてメインCPU31は、当籤番号の初期値として1をセットする処理を行う。
次に、ステップS108「内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得」にてメインCPU31は、遊技状態に応じて図9〜図11に示した内部抽籤テーブルを選択して参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する。次に、ステップS110「判定用乱数値から抽籤値を減算」にてメインCPU31は、判定用乱数値から抽籤値を減算する処理を行う。次に、ステップS112「桁かりが行われたか?」にてメインCPU31は、桁かりが行われたか否かを判別する。ステップS112にてメインCPU31は、桁かりが行われていないと判別したときには、ステップS114「抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算」に進み、抽籤回数を1減算して当籤番号を1加算する処理を行う。
次に、ステップS116「抽籤回数は0か?」にてメインCPU31は、抽籤回数は0であるか否かを判別する。ステップS116にてメインCPU31は、抽籤回数が0ではないと判別したときには、ステップS108に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、ステップS118「データポインタとして0をセット」に進み、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする。
ステップS120「小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得」にてメインCPU31は、ステップS114において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する。ステップS118又はステップS120の後のステップS122「小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤録を取得」にてメインCPU31は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する。
次に、ステップS124「取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納」にてメインCPU31は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する処理を行う。次に、ステップS126「持越役格納領域は0か?」にてメインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する。このステップS126にてメインCPU31が、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、次のステップS128「ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得」に進む。ステップS128にてメインCPU31は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する処理を行う。次に、ステップS130「取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納」にてメインCPU31は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する処理を行う。
ステップS130の後、処理はステップS132「持越役格納領域は0か?」の判断に進む。ステップS132にてメインCPU31は、再度持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する。このステップS132の処理を行うことで、今回の単位遊技において内部抽籤処理を行った結果、BBに内部当籤したか否かの判断を行っている。ステップS132にてメインCPU31が、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、今回の単位遊技ではBBに内部当籤していないと判別して、ステップS136「持越役格納領域と内部当籤役格納領域の論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納」の処理に分岐する。
他方、ステップS132にてメインCPU31が、持越役格納領域に格納されているデータは0でないと判別したときは、今回の単位遊技でBBに内部当籤したものと判別して、次のステップS134「遊技状態を一般遊技状態にセット」の処理に進む。
ステップS134にてメインCPU31は、BBが内部当籤したことを受けて、例えば現在の遊技状態がRT遊技状態であった場合に、RT遊技状態を終了させて一般遊技状態に戻す処理を行う。具体的には、メインCPU31は、図16に示した作動中フラグ格納領域のデータを、全て0にセットする処理を行う。
ステップS134の後、又は、ステップS126において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、ステップS136「持越役格納領域と内部当籤役格納領域の論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納」の処理に進む。ステップS136にてメインCPU31は、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との値の論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する。つまり、ここでは、ボーナスの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
次に、図19を参照して、リール停止制御処理について説明する。はじめに、ステップS222「有効なストップボタンが押されたか?」にてメインCPU31は、遊技者により有効なストップボタン7が押されたか否かを判別する。このステップS222にて有効なストップボタン7が押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
先のステップS222にて有効なストップボタン7が押されたと判別したときには、メインCPU31が実行する処理はステップS224「当該ストップボタンの操作を無効化」に進み、該当ストップボタン7の操作を無効化する処理を行う。各ストップボタン7の有効及び無効の状態は、メインRAM33に設けられた所定の格納領域において管理される。
次に、ステップS226「チェック回数として5をセット」にてメインCPU31は、図柄の滑り駒数に関するチェック回数として5をセットする。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
次に、ステップS228「内部当籤役に基づいて、チェック回数の範囲内にある各図柄位置の中で、最も優先順位の高い図柄位置を検索」にてメインCPU31は、内部当籤役に基づいて、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4の中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ライン8沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
次に、ステップS230「検索の結果に基づいて滑り駒数を決定」にてメインCPU31は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次に、ステップS232「停止予定位置待ちへ移行」にてメインCPU31は、停止予定位置待ちへ移行する。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータ40の駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓4の中段に到達するのを待って該当リール3の回転が停止される。
次に、ステップS234「リール停止コマンド送信」にてメインCPU31は、リール停止コマンドを副制御回路56に対して送信する。リール停止コマンドは、停止したリール3の種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
次に、ステップS236「操作が有効なストップボタンはあるか?」にてメインCPU31は、操作が有効なストップボタン7があるか否かを判別する。つまり、まだ回転中のリール3があるか否かが判別される。ステップS236にてメインCPU31は、操作が有効なストップボタン7があると判別したときには、ステップS222に移る一方で、操作が有効なストップボタン7がないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
次に、図20を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。はじめに、ステップS302「表示役はBBか?」にてメインCPU31は、表示役がBBであるか否かを判別する。ステップS302にてメインCPU31は、表示役がBBであると判別したときには、ステップS304「BB作動時処理」に進み、図8に示したボーナス作動時テーブルを参照し、BB作動時処理を行う。この処理では、BB作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
次に、ステップS306「持越役格納領域をクリア」にてメインCPU31は、図15に示す持越役格納領域をクリアする。次に、ステップS308「ボーナス開始コマンド送信」にてメインCPU31は、ボーナス開始コマンドを副制御回路56に対して送信する。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
先のステップS302にてメインCPU31が、表示役はBBではないと判別したときには、ステップS310「表示役はリプレイか?」の処理に進み、表示役はリプレイであるか否かを判別する。ステップS310にてメインCPU31が、表示役はリプレイであると判別したときには、次のステップS312「投入枚数カウンタの値を自動投入枚数カウンタに複写」に進み、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する処理を行う。
先のステップS310においてメインCPU31が、表示役はリプレイではないと判別したときには、ステップS320「遊技状態は、RT遊技状態か?」の処理に進み、図16に示した作動中フラグ格納領域を参照して、RT作動中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS320にてメインCPU31が、RT作動中フラグがオンではないと判別したときには、ステップS330「BB作動中フラグはオンか?」の判断に分岐する。他方、RT作動中フラグがオンであると判別したときには、次のステップS322「表示役はチェリーか?」の処理に進み、図14に示した表示役格納領域を参照して、ビット0〜ビット2のデータの何れかが1であるか否かの判断を行う。これにより、RT遊技状態を終了させるための、所謂落ち役として定められている「赤チェリー」、「青チェリー」、又は「緑チェリー」の何れかが表示役として決定されたか否かの判断を行っている。
もし、表示役がチェリーでないと判別した場合には、ステップS330の判断に分岐する。また、もし、チェリーが表示役として決定されていると判定した場合には、RT遊技状態を終了させるために、遊技状態を一般遊技状態にセットする処理を行う。具体的には、図16に示した作動中フラグ格納領域のビット2のデータを0にセットする処理を行う。ステップS324の処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
先のステップS320においてメインCPU31が、遊技状態はRT遊技状態でないと判別した場合、又は、先のステップS322において、表示役がチェリーでないと判別した場合には、ステップS330の処理に進み、BB作動中フラグはオンであるか否かを判別する。ステップS330にてメインCPU31が、BB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する。他方、BB作動中フラグがオンであると判別したときには、ステップS332「RB作動中フラグはオンか?」の処理に進み、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する。
ステップS332にてメインCPU31が、RB作動中フラグがオンであると判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する。他方、RB作動中フラグがオンではないと判別したときには、ステップS334「RB作動時処理」の処理に進み、図8に示したボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う。
この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。また、先のステップS320にて現在の遊技状態がRT遊技状態であると判別され、更に次のステップS322にて表示役がチェリーでないと判別され、ステップS332にてRB作動中フラグがオンではないと判別された場合には、従前のRT遊技状態を終了して、RB遊技状態が作動することになる。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
次に、図21を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。はじめに、ステップS342「ボーナス終了枚数カウンタは0か?」にてメインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する。ステップS342にてメインCPU31が、ボーナス終了枚数カウンタが0であると判別したときには、次のステップS344「BB終了時処理」に進み、BB終了時処理を行う。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがオフされ、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。
次に、ステップS345「遊技状態をRT遊技状態にセット」にてメインCPU31は、図16に示す作動中フラグ格納領域のビット2のデータとして、1をセットすることで、RT作動中フラグをセットする処理を行う。これにより、BB終了時処理後に、RT遊技状態に遷移させることができる。
次に、ステップS346「ボーナス終了コマンド送信」にてメインCPU31は、ボーナス終了コマンドを副制御回路56に対して送信する。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
先のステップS342においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、メインCPU31が実行する処理はステップS348「入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新」に進み、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する処理を行う。ここでは、遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞が有った場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次に、ステップS350「入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0か?」にてメインCPU31は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する。
ステップS350にてメインCPU31が、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する。他方、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが0であると判別したときには、ステップS352「RB終了時処理」に進み、RB終了時処理を行う。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
次に、図22を参照して、メインCPU31の制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、ステップS482「レジスタの退避」にてメインCPU31は、従前に使用していたレジスタの退避処理を行う。次に、ステップS484「入力ポートチェック処理」にてメインCPU31は、入力ポートのチェック処理を行う。この処理では、ストップスイッチ7S等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次に、ステップS486「リール制御処理」にてメインCPU31は、リールの回転制御及び停止制御を行う。この処理では、全リール3の回転開始が要求されたときに、各リール3の回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ40の駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リール3の回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータ40の駆動が制御される。
次に、ステップS488「ランプ・7セグ駆動処理」にてメインCPU31は、ランプ24及び7セグ表示器12の駆動処理を行う。次に、ステップS490「レジスタの復帰」にてメインCPU31は、退避させていおいたレジスタの復帰を行う。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
主制御回路55のメインCPU31により実行されるプログラムの内容についての説明は以上である。次に、図23〜図31を参照して、副制御回路56のサブCPU61により実行されるプログラムの内容について説明する。
先ず、サブCPU61が実行する割込処理について、図23を用いて説明する。
パチスロ1の電源が投入され、サブCPU61のリセット端子に自動的に電源投入時リセット信号が入力されると、サブCPU61(履歴消去手段)が実行する処理はステップS502「初期化処理」に進む。そして、サブRAM63における所定領域の初期化処理や、報知履歴等の初期化処理、レンダリングプロセッサ69、DSP72、I/O78その他の周辺機器に対する初期化処理を行うとともに、サブCPU61に対する割込許可の設定等の処理を行う。なお、ここの処理において、後段の図31にて説明するレアAT発生フラグ(報知履歴の一形態であって、特殊役成立の当否に関する情報。)をオフの状態に初期化(消去)することもできる。
次のステップS504「入力監視処理」にてサブCPU61は、I/O78を介して入力された信号等の監視処理を行う。例えば、遊技場の係員が報知履歴初期化スイッチ79を操作した際(報知に関する初期化操作が実行された際。)には、その情報をI/O78を介してサブCPU61(履歴消去手段)が読み取って、サブRAM63の所定領域に格納されている各種の報知履歴を初期化する処理を行う。なお、ここの処理において、後段の図31にて説明するレアAT発生フラグをオフの状態に初期化(消去)することもできる。
次のステップS506「サブCPUにより行われる主基板通信タスク」にてサブCPU61は、通信ポートを介して主制御回路55から取得したコマンドの入力処理を行う。サブCPU61により行われる主基板通信タスク処理の詳細については、後段にて図24を用いて説明する。
次のステップS508「サブCPUにより行われる演出登録タスク」にてサブCPU61は、液晶表示装置5、ランプ24、又はスピーカ21を介して行う演出内容を決定する処理を行う。例えば、主制御回路55から受信したコマンドに応じて、液晶表示装置5にて表示するアニメーションデータの登録処理や、ランプ24が発光するランプデータ、又はスピーカ21から発するサウンドデータの登録処理を行う。
次のステップS510「コマンド出力処理」にてサブCPU61は、先のステップS508にて登録したアニメーションデータをレンダリングプロセッサ69に出力する。また、先のステップS508にて登録したランプ24を発光させるランプデータをI/O78に出力する。また、スピーカ21から発するサウンドデータを、DSP72に出力する処理を行う。
DSP72は、サブCPU61から取得したサウンドデータに基づき、スピーカ21から発する音をオーディオRAM73から取得して、逐次D/A変換器74に出力する。すると音声信号が生成されてアンプ75に伝達される。アンプ75では、音声信号を増幅してスピーカ21に出力する。すると、スピーカ21から演出音が発せられる。ステップS510におけるコマンド出力処理が終了すると、サブCPU61が実行する処理はステップS504に戻る。
図24を参照して、サブCPU61により行われる主基板通信タスクについて説明する。はじめに、ステップS522「コマンドの受信チェック」にてサブCPU61は、主制御回路55から送信されたコマンドの受信チェックを行う。次に、ステップS524「コマンドの種別を抽出」にてサブCPU61は、コマンドを受信した場合に、そのコマンドの種別を抽出する。
次に、ステップS526「前回とは異なるコマンドを受信したか?」にてサブCPU61は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かの判別を行う。ステップS526にてサブCPU61が、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、ステップS522に戻る。他方、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、ステップS528「メッセージキューに格納」の処理に進み、受信したコマンドをメッセージキューに格納して、ステップS522に戻る。
次に、図25を参照して、サブCPU61により行われる演出登録タスクについて説明する。はじめに、ステップS552「メッセージキューからメッセージを取り出す」にてサブCPU61は、先の処理でメッセージキューに格納したメッセージを取り出す処理を行う。次に、ステップS554「メッセージは有り?」にてサブCPU61は、メッセージは有るか否かを判別する。ステップS554にてメッセージが有ると判別したときには、ステップS556「メッセージから遊技情報を複写」に進み、パラメータによって特定される内部当籤役、回転が停止したリール3の種別、表示役、作動中フラグ等といった各種メッセージのデータが、サブRAM63に設けられた格納領域に複写される。
次に、ステップS558「演出内容決定処理」にてサブCPU61は、後で図26を参照して説明する演出内容決定処理を行う。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
ステップS558の後、又は、ステップS554においてメッセージは無かったと判別したときには、ステップS560「アニメーションデータの登録」の処理に進み、サブCPU61は演出に用いるアニメーションデータの登録を行う。次に、ステップS562「サウンドデータの登録」にてサブCPU61は、演出に用いるサウンドデータを登録する処理を行う。次に、ステップS564「ランプデータの登録」にてサブCPU61は、演出に用いるランプデータを登録する処理を行う。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、ステップS552に戻る。
次に、図26を参照して、サブCPU61により実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。はじめに、ステップS602「スタートコマンド受信時?」にてサブCPU61は、スタートコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS602にてスタートコマンドを受信したと判別したときには、次のステップS604「スタートコマンド受信時処理」に進む。
ステップS604にてサブCPU61は、AT期間カウンタの値や、抽籤に基づくAT期間(AT遊技状態が継続する単位遊技数)の決定及び加算処理、内部当籤役に対応する図柄の組合せに関する情報を報知するための演出番号を登録する処理、又は、内部当籤役に基づいた演出番号の決定処理等の各処理を実行する。ここで演出番号とは、映像、音、光等による演出内容を指定するためのデータである。なお、当該スタートコマンド受信時処理の詳細については、図27を参照して後段にて説明する。このスタートコマンド受信時処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
先のステップS602にてサブCPU61が、スタートコマンド受信時ではないと判別したときには、ステップS612「リール停止コマンド受信時?」の処理に進み、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する。ステップS612にてサブCPU61が、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、ステップS614「登録されている演出番号と作動ストップボタンの種別に応じて、停止時の演出データを登録」に進み、サブCPU61は、登録されている演出番号とストップボタン7の種別に基づいて、停止時の演出データを登録する処理を行う。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
先のステップS612にてサブCPU61が、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、ステップS622「表示コマンド受信時?」の処理に進み、表示コマンド受信時であるか否かを判別する処理を行う。ステップS622にてサブCPU61が、表示コマンド受信時であると判別したときには、ステップS624「表示コマンド受信時処理」に進み、今回決定した表示役が図7に示す「特殊役」である場合にはAT期間カウンタに所定の値を加算するとともに、レアAT発生フラグをオンにする処理を行う。そして、登録されている演出番号に基づいて、各図柄の停止表示時の演出データを登録する。なお、当該表示コマンド受信時処理の詳細については、図31を参照して後段にて説明する。この表示コマンド受信時処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
先のステップS622にてサブCPU61が、表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ステップS632「ボーナス開始コマンド受信時?」の処理に進み、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する処理を行う。ステップS632にてサブCPU61が、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、ステップS634「ボーナス開始用の演出データを登録」の処理に進み、ボーナス開始用の演出データを登録する処理を行う。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
先のステップS632にてサブCPU61が、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ステップS642「ボーナス終了コマンド受信時?」の処理に進み、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する処理を行う。ステップS642にてサブCPU61が、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときには、演出内容決定処理を終了する。他方、ステップS642にてボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには、ステップS644「ボーナス終了用の演出データを登録」の処理に進み、ボーナス終了用の演出データを登録する処理を行う。そして、この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、図27を参照して、サブCPU61により実行されるスタートコマンド受信時処理のフローチャートについて説明する。はじめに、ステップS702「RB遊技状態フラグはオンか?」にてサブCPU61は、主制御回路55にてRB作動中フラグがオンに設定され、そのRB作動中フラグがオンである旨の情報が副制御回路56に送信されたか否かの判定を行っている。
すなわち、主制御回路55においてRB作動中フラグがオンに設定されている場合には、副制御回路56ではRB遊技状態フラグがオンに設定されており、その場合にはサブCPU61が実行する処理は、ステップS722「内部当籤役等に基づいて演出番号を決定し、登録」の処理に分岐する。したがって、BB作動中の場合には、AT期間が減少しないように構成し、遊技者にとって有利となるようにしてある。
他方、ステップS702の判断において、RB遊技状態フラグがオンではないと判別した場合には、次のステップS704「AT期間カウンタの値は1以上か?」の判断に進む。
ステップS704にてサブCPU61は、サブRAM63の所定領域に格納したAT期間カウンタの値を読み出して、AT期間カウンタの値が1以上であるか否かの判別を行うことにより、現在の遊技状態がAT遊技状態であるか否かの判別を行っている。もし、AT期間カウンタの値が1以上でないと判別した場合には、現在はAT遊技状態ではないことを受けてアシスト用の演出を実行することなく、ステップS722の処理に分岐する。
他方、ステップS704にてサブCPU61が、AT期間カウンタの値が1以上であると判別した場合には、現在の遊技状態がAT遊技状態であることを受けて、次のステップS708「AT期間カウンタを1減算」の処理に進む。
ステップS708にてサブCPU61は、先のステップS704にてサブRAM63の所定領域読み出したAT期間カウンタの値から1を減算して、サブRAM63の所定領域に書き込む処理を行って、AT遊技状態において一単位遊技を消化したことを記録する。
次のステップS710「内部当籤役は赤チェリーか?」の判断にてサブCPU61は、主制御回路55から受信したスタートコマンドに、内部当籤役が「赤チェリー」である旨の情報が含まれているか否かの判別を行っている。もし、内部当籤役が「赤チェリー」であると判別した場合には、現在の遊技状態がAT遊技状態であることを受けて、次のステップS712「演出番号15を登録」に進み、映像、音声、又は光等を用いた演出の識別番号として15を登録する処理を行う。
例えば、この演出番号15に対応する演出として、遊技開始時に液晶表示装置5の一部に「赤チェリー」の画像を合成して表示することで、遊技者に対して左リール3Lの「赤チェリー」の図柄を入賞判定ライン8上に停止表示させるべきであることを報知することができる。演出番号の登録が終了すると、ステップS722の処理に進む。
他方、ステップS710にて、内部当籤役が「赤チェリー」でないと判別した場合には、ステップS714「内部当籤役は青チェリーか?」の判断に分岐する。ステップS714の判断にてサブCPU61は、主制御回路55から受信したスタートコマンドに、内部当籤役が「青チェリー」である旨の情報が含まれているか否かの判別を行っている。もし、内部当籤役が「青チェリー」であると判別した場合には、次のステップS716「演出番号16を登録」に進み、映像、音声、又は光等を用いた演出の識別番号として16を登録する処理を行う。
例えば、この演出番号16に対応する演出として、遊技開始時に液晶表示装置5の一部に「青チェリー」の画像を合成して表示することで、遊技者に対して左リール3Lの「青チェリー」の図柄を入賞判定ライン8上に停止表示させるべきであることを報知することができる。演出番号の登録が終了すると、ステップS722の処理に進む。
他方、ステップS714にて、内部当籤役が「青チェリー」でないと判別した場合には、ステップS718「内部当籤役は緑チェリーか?」の判断に分岐する。ステップS718の判断にてサブCPU61は、主制御回路55から受信したスタートコマンドに、内部当籤役が「緑チェリー」である旨の情報が含まれているか否かの判別を行っている。もし、内部当籤役が「青チェリー」であると判別した場合には、次のステップS720「演出番号17を登録」に進み、映像、音声、又は光等を用いた演出の識別番号として17を登録する処理を行う。他方、ステップS714の判断にて、内部当籤役が「青チェリー」でないと判別した場合には、ステップS722に分岐する。
例えば、この演出番号17に対応する演出として、遊技開始時に液晶表示装置5の一部に「緑チェリー」の画像を合成して表示することで、遊技者に対して左リール3Lの「緑チェリー」の図柄を入賞判定ライン8上に停止表示させるべきであることを報知することができる。演出番号の登録が終了すると、ステップS722の処理に進む。
次のステップS722にてサブCPU61は、現在の遊技状態が一般遊技状態であるか否か、BB作動中であるか否か、AT遊技状態であるか否か、又はRT遊技状態であるか否か等の情報に基づいて、映像、音声、又は光等を用いた演出の番号を登録する処理を行う。そして、次のステップS724「登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録」に進み、映像、音声、又は光等を用いたスタート時の演出を、サブRAM63の所定領域に登録する処理を行う。
次のステップS726「AT抽籤処理」にてサブCPU61は、後で図28を参照して説明するAT抽籤処理を行う。この処理では、スタートコマンドに含まれる内部当籤役に関する情報や、報知履歴等に応じてAT期間を決定して、サブRAM63の所定領域に格納されているAT期間カウンタの値に加算する処理を行う。ステップS726における処理が終了すると、スタートコマンド受信時処理を終了する。
次に、図28を参照して、サブCPU61により実行されるAT抽籤処理のフローチャートについて説明する。はじめに、ステップS742「RB遊技状態フラグはオンか?」にてサブCPU61は、主制御回路55にてRB作動中フラグがオンに設定され、そのRB作動中フラグがオンである旨の情報が副制御回路56に送信されたことにより、副制御回路56側においてRB遊技状態フラグがオンに設定されているか否かの判別を行っている。もし、RB遊技状態フラグがオンに設定されていない場合には、AT期間を決定する処理を実行することなくAT抽籤処理を終了する。すなわち、一般遊技状態やRT遊技状態等が作動している場合には、内部当籤役に基づいたAT期間(本実施例では、5〜200回程度の短期のAT期間を設定する。)の決定処理を実行しないように構成してある。
他方、ステップS742の判断において、RB遊技状態フラグがオンであると判別した場合には、次のステップS744「AT抽籤テーブルを参照し、内部当籤役に基づいてAT期間を決定し、AT期間カウンタに加算」の処理に進む。
ステップS744にてサブCPU61(報知決定手段)は、主制御回路55から受信したスタートコマンドに含まれる内部当籤役と乱数値(1〜65536の値)とを用い、AT抽籤テーブルを参照してAT期間を決定する処理を行う。AT期間が決定したら、その値をAT期間カウンタに加算し、当該ステップS744の処理が終了すると、AT抽籤処理を終了する。このステップS744で用いるAT抽籤テーブルの実施例を、図29に示す。
図29に示すAT抽籤テーブルは、主制御回路55から受信したスタートコマンドに含まれる内部当籤役が「ベル」であった場合に、5回〜200回までの短期のAT期間を決定するための実施例である。なお、この実施例の場合にも、61836/65536の高確率でAT期間が設定されない(すなわち、AT期間として0が決定される。)場合があり得ることになる。図10に示したように本実施例では、RB作動中においては「ベル」の小役のみが内部当籤するように構成されているために、図29に示すAT抽籤テーブルでは、各AT期間に対して1つの抽籤値が定められている。
なお、一般遊技状態やRT遊技状態のように内部当籤役が複数存在する場合には、図29に示したAT抽籤テーブルに代えて、図30に示すAT抽籤テーブルを用いることも可能である。図30に示すAT抽籤テーブルでは、主制御回路55から受信したスタートコマンドに含まれる内部当籤役が「ベル」、「リプレイ」、「赤チェリー」、「青チェリー」「緑チェリー」、又は何れの内部当籤役も決定されずに「ハズレ」となった場合には、50/65536の確率で5回〜50回の短期のAT期間が決定され、65312/65536の確率で、AT期間が設定されない(すなわち、AT期間として0が決定される。)実施例である。なお、内部当籤役が「スイカ」である場合には、128/65536の確率で5回〜50回のAT期間が決定され、64640/65536の確率で、AT期間が設定されないことになる。
次に、図31を参照して、サブCPU61により実行される表示コマンド受信時処理のフローチャートについて説明する。はじめに、ステップS762「表示役は特殊役か?」にてサブCPU61は、図17のステップS18にて決定した表示役が、図7に示す「特殊役」であって、その「特殊役」の情報を含む表示コマンドが主制御回路55から副制御回路56に送信されたか否かの判断を行っている。
もし、ステップS762にてサブCPU61が、主制御回路55から送信された表示役が「特殊役」であると判別した場合には、次のステップS764「レアAT発生フラグはオンか?」の判断に進み、表示役が「特殊役」でないと判別した場合には、ステップS770「登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録」の処理に分岐する。
ステップS764にてサブCPU61は、サブRAM63の所定領域に格納されている報知履歴を読み出して、既にレアAT発生フラグがオンにセットされているか否かの判断を行う。このレアAT発生フラグは、後段に説明するステップS768「レアAT発生フラグをオン」にてセットされるフラグである。
もし、レアAT発生フラグがオンにセットされている場合には、現在遊技中の遊技者は、過去の遊技において「特殊役」が決定されたことにより既にAT期間カウンタに1000回のAT期間が加算されていることを受けて、再度AT期間の加算を行うことなくステップS770に分岐する。他方、レアAT発生フラグがオンでない場合には、現在遊技中の遊技者は過去の遊技において、未だAT期間カウンタに1000回のAT期間が加算されていないことを受けて、次のステップS766「AT期間カウンタに1000を加算」に進む。
ステップS766にてサブCPU61は、サブRAM63の所定領域に格納されているAT期間カウンタの値を読み出して、「特殊役」の決定に対応した1000回のAT期間を加算する。そして、サブRAM63の所定領域に、加算後の新たなAT期間カウンタの値を格納する処理を行う。そして、次のステップS768に進み、サブRAM63の所定領域に、レアAT発生フラグがオンである旨を設定し、現在遊技中の遊技者は、既に1000回のAT期間が加算されるという特典を受けたことを表す報知履歴を格納する。
次のステップS770にてサブCPU61は、変動表示していた図柄が全て停止表示された際における、映像、音声、又は光等を用いた演出を、サブRAM63の所定領域に登録する処理を行う。ステップS770における処理が終了すると、表示コマンド受信時処理を終了する。
以上のように構成することにより、過去の特殊役成立の当否に応じて、新たにAT期間を加算する処理を行うことができる。なお、AT期間を加算する条件として、上記の実施例において説明した特殊役成立の当否を用いることができる他、過去の遊技におけるAT遊技状態の作動回数、所定の単位遊技数当たりのAT遊技状態の作動割合、加算したAT期間の単位遊技数、所定の単位遊技数当たりの加算したAT期間の割合、AT遊技状態中に払い出されたメダルの累計、又はAT遊技状態におけるメダルの純増数量(遊技者に対して払い出されたメダルの枚数から遊技者が投入したメダルの枚数を減じたメダルの枚数を示す。)を、AT遊技状態を加算する際の条件として用いることができる。
また、上記の実施例では、特殊役成立を条件として加算されるAT期間として、1000回のAT期間を定めているが、この他にも、過去の遊技におけるAT遊技状態の作動回数、所定の単位遊技数当たりのAT遊技状態の作動割合、加算したAT期間の単位遊技数、所定の単位遊技数当たりの加算したAT期間の割合に応じて、加算するAT期間を定めることができる。また、抽籤を用いて加算するAT期間を定めることもできる。
なお、上記の実施例では、図27のステップS710〜S720に示したように、「赤チェリー」、「青チェリー」及び「緑チェリー」といった単独図柄が所定の入賞判定ライン8に沿って停止表示されることで、入賞役が決定することとなる内部当籤役を、映像、音、光等を用いて報知する実施例を示したが、本発明はこの実施例に限定するものではない。この他にも、例えば、複数の図柄組合せが入賞判定ライン8に沿って停止表示されることにより、表示役が決定されることとなる内部当籤役を、映像、音、光等を用いて報知することもできる。また、変動表示されている複数の図柄の停止順序を、映像、音、光等を用いて報知することもできる。
また、重複して内部当籤した複数の内部当籤役のうち、遊技者にとって有利となる内部当籤役を停止表示させるための停止順序を、映像、音、光等を用いて報知することもできる。
また、図31のステップS766では、「特殊役」の成立とレアAT発生フラグとに基づいてAT期間を加算する処理を行なっているが、抽籤を行って、その抽籤結果に応じたAT期間を加算することもできる。
また、図28のステップS744では、RB作動中においてAT期間カウンタにAT期間を加算する実施例を示したが、この他にも、一般遊技状態中やRT遊技状態中において、AT期間カウンタにAT期間を加算することもできる。また、上記の実施例では、「特殊役」が内部当籤するのは、一般遊技状態又はRT遊技状態に限られているが、RB作動中等の場合に「特殊役」が内部当籤するようにしてもよい。また、AT期間を加算する際に、抽籤を行なわずに、所定のAT期間を加算することもできる。
また、図28のステップS744、及び図31のステップS766の処理において実行するAT期間の加算処理に代えて、新たなAT期間を設定する処理を行うこともできるし、AT期間を制限する処理や、AT期間を減少させる処理を行うこともできる。更に、予め所定のAT期間を定めておき、内部当籤役や抽籤結果に応じてAT期間を延長したり短縮することもできる。
なお、図2を用いた説明では、錠前11は遊技場の係員が鍵を挿入して操作することにより施錠と解錠とを行う実施例を示したが、本発明は鍵を用いた錠前に限定するものではなく、暗証番号による照合や指紋認証等を用いて解錠することが可能な錠前を用いることもできる。