本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機(以下、パチスロ)の機能フローについて説明する。
遊技者により遊技媒体(以降、遊技媒体としてメダルを用いた実施例について説明する。)が投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部当籤役決定手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、BBの作動等といった特典が遊技者に与えられる入賞に係るものと、それ以外のいわゆるハズレに係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール(複数の図柄が各リール外周に付されており、それぞれのリール毎に図柄表示列を形成するもの。)が外周の回転が行われた後で、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(75又は190msec)内に、該当するリールの回転を停止させる制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄1個分(75msecの場合。)、又は図柄4個分(190msecの場合。)に定める。
例えば、パチスロにおける遊技状態が、一般遊技状態(通常遊技状態の一形態。)である場合には、通常遊技状態における最大滑り駒数である4駒の範囲内で導出可能な図柄位置を停止テーブルに基づいて選択して、当該選択した図柄を停止表示させる。
また、例えば、パチスロにおける遊技状態が、チャレンジタイム(第2種特別役物が作動している遊技状態。以下、CTと呼ぶ。)等の特別遊技状態である場合であって、停止操作が、特定のリール(特定の図柄表示列)に対応した停止操作である場合には、通常遊技状態における最大滑り駒数である4駒(第1最大滑り駒数)よりも少ない1駒(第2最大滑り駒数)の範囲内で導出可能な図柄位置を停止テーブルに基づいて選択して、当該選択した図柄を停止表示させる。
そして、CT等の特別遊技状態における停止操作が、特定の図柄表示列以外の図柄表示列に対応した停止操作である場合、及び一般遊技状態においてBBを持ち越している場合に、通常停止テーブルとは内容の異なる第2特別停止テーブルを参照して滑り駒数を選択して、当該選択した図柄を停止表示させる。こうすることによって、BBを持ち越しているときと同様の停止制御を、CT等の特別遊技状態において行うようにすれば、遊技者はBBの持越し状態かもしれないという期待を抱くので、遊技の興趣を高めることができる。
なお、リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときには、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリールの回転を停止する。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロにおける1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバーが操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
パチスロ1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。
図2に、本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す。
パチスロ1は、リール3(左リール3L、中リール3C、右リール3R)や回路基板等を収容するキャビネット2と、キャビネット2に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア9とを備える。キャビネット2の内部には、3つのリール3が横並びに設けられている。各リール3は、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
フロントドア9の中央には、液晶表示装置5が設けられている。液晶表示装置5は、図柄表示領域を含む表示画面を備え、正面から見て3つのリール3に重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域は、3つのリール3のそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール3を透過することが可能な構成を備えている。
つまり、図柄表示領域は、表示窓4(左表示窓4L,中表示窓4C,右表示窓4R)としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3の回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域を含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域(以下、表示窓4)は、その背後に設けられたリール3の回転が停止されたとき、リール3の表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓4が有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となる入賞判定ライン8として定義する。
本実施の形態では、各表示窓4の上段を組合せてなるトップライン、各表示窓4の中段を組合せてなるセンターライン、各表示窓4の下段を組合せてなるボトムライン、左表示窓4Lの上段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン、左表示窓4Lの下段、中表示窓4Cの中段及び右表示窓4Rの上段を組合せてなるクロスアップラインの5つを入賞判定ライン8として設けている。なお、本実施の形態では、入賞判定ライン8のうちのセンターラインを、常に無効ラインとして設定している。
フロントドア9には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口15は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口15に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン13は、パチスロ1内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン14は、パチスロ1内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー6は、全てのリール3の回転を開始するために設けられる。ストップボタン7(左ストップボタン7L、中ストップボタン7C、右ストップボタン7R)は、3つのリール3のそれぞれに対応づけられ、対応するリール3の回転を停止させ、変動表示している図柄を停止表示するために設けられる。
7セグ表示器12は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
ランプ24(LED等)は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ21は、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口16は、後述のメダル払出装置の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口16から排出されたメダルは、メダル受皿17に貯められる。
図3に、本実施の形態におけるパチスロ1の内部構造を示す。フロントドア9が開放され、フロントドア9の裏面側の構造及びキャビネット2内部の構造が現れた状態が示されている。
キャビネット2内部の上方には、主制御回路55を構成する基板(以下、主基板)が設けられている。主制御回路55は、内部当籤役の決定、リール3の回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ1における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路55の具体的な構成は後述する。
キャビネット2内部の中央には、3つのリール3が設けられている。各リール3のそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータが接続されている。
3つのリール3の左側には、副制御回路56を構成する基板(以下、副基板)が設けられている。副制御回路56は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路56の具体的な構成は後述する。
キャビネット2内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置43(遊技媒体付与手段)が設けられている。メダル払出装置43の左側には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置54が設けられている。
フロントドア9裏側の中央、表示窓4の下方には、セレクタ51が設けられている。セレクタ51は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口15に受け入れられた適正なメダルをメダル払出装置43へ案内する。尚、セレクタ51内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ15Sが設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
パチスロ1の構造についての説明は以上である。次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ1は、主制御回路55、副制御回路56及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
図4に、本実施の形態におけるパチスロ1の主制御回路55の構成を示す。
主制御回路55は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU31)、ROM(以下、メインROM32)及びRAM(以下、メインRAM33)により構成される。
メインROM32には、メインCPU31(内部当籤役決定手段、停止制御手段、特別遊技状態制御手段、第1特別遊技状態制御手段、第2特別遊技状態制御手段)により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路56に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が格納されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、スイッチ等の入力を受けて、ステッピングモータ40等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ7S(停止操作検出手段)は、3つのストップボタン7のそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ6S(開始操作検出手段)は、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ15Sは、メダル投入口15に受け入れられたメダルが前述のセレクタ51内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ13Sは、ベットボタン13が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ40、7セグ表示器12及びメダル払出装置43がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路39(図柄変動手段)は、各リール3に対応して設けられたステッピングモータ40の駆動を制御する。リール位置検出回路3Sは、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3が一回転したことを示すリールインデックスを各リール3に応じて検出する。
ステッピングモータ40は、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ40の駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3に伝達される。ステッピングモータ40に対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3は一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ40に対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3の回転角度(主に、リール3が図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール3の表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路41は、7セグ表示器12の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路42は、メダル払出装置43の動作を制御する。また、払出完了信号回路45は、メダル払出装置43に設けられたメダル検出部が行うメダルの検出を管理し、メダル払出装置43から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
図5に、本実施の形態におけるパチスロ1の副制御回路56の構成を示す。
副制御回路56は、主制御回路55と電気的に接続されており、主制御回路55から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路56は、基本的に、CPU(以下、サブCPU61)、ROM(以下、サブROM62)、RAM(以下、サブRAM63)、レンダリングプロセッサ69、描画用RAM70、ドライバ71、DSP72(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM73及びD/A変換器74及びアンプ75を含んで構成されている。
サブCPU61(演出実行手段)は、主制御回路55から送信されたコマンドに応じて、サブROM62に格納されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM63は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路55から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM62は、基本的に、プログラム格納領域とデータ格納領域によって構成される。
プログラム格納領域には、サブCPU61が実行する制御プログラムが格納されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路55との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置5による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ24による光の出力を制御するランプ24制御タスク、スピーカ21による音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ格納領域は、各種データテーブルを格納する格納領域、各演出内容を構成する演出データを格納する格納領域、映像の作成に関するアニメーションデータを格納する格納領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを格納する格納領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを格納する格納領域等が含まれている。
また、副制御回路56には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置5、スピーカ21及びランプ24が接続されている。
サブCPU61、レンダリングプロセッサ69、描画用RAM70(フレームバッファを含む)及びドライバ71は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置5により表示する。
また、サブCPU61、DSP72、オーディオRAM73、D/A変換器74及びアンプ75は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ21により出力する。また、サブCPU61は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ24の点灯及び消灯を行う。
パチスロ1が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図6〜図17を参照して、メインROM32に格納されている各種データテーブルの構成について説明する。
先ず、図6(A)を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3の回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。なお、図柄コードの格納例を図6(B)に示す。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3の回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓4の中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
図6(A)に示す図柄の配置例では、図柄「ベル」及び図柄「リプレイ」がそれぞれ5駒以内の間隔で配置されているので、停止制御時の最大滑り駒数が4駒に設定されている場合には、何れの図柄位置で遊技者がストップボタン7を押下操作した場合であっても、図柄「ベル」及び図柄「リプレイ」を、何れかの入賞判定ライン8上に停止表示させることができるように配置してある。なお、本発明の実施形態では、入賞判定ライン8のうちの中段のセンターラインを常に無効ラインとして設定してある。
図7を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞判定ライン8に沿って各リール3により表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、各リール3の図柄「ベル」が入賞判定ライン8に沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又はスイカが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。なお、一般遊技状態、RT遊技状態、及びCT作動中においては、投入枚数を3枚とし、RB作動中においては投入枚数を2枚としている。
また、表示役としてリプレイ(再遊技役)が決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、BB(第1特別遊技状態)の作動が行われる。尚、入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆるハズレとなる。
なお、本発明の実施形態では、一見ハズレと認められる図柄の停止態様、又は他のパチスロ機種においてBBが内部当籤している場合の図柄の停止態様(いわゆる出目)と錯覚するような図柄の組合せである「リプレイ」−「ベル」−「ベル」が入賞判定ライン8上に停止表示された場合には、MB1(第2特別遊技役の一形態であるミドルボーナス1)が表示役として決定されるように構成してある。
また、MB1に類似する組合せとして、「リプレイ」−「リプレイ」−「ベル」が停止表示されたときに決定されるMB2(第2特別遊技役の一形態。)、「ベル」−「リプレイ」−「リプレイ」が停止表示されたときに決定されるMB3(第2特別遊技役の一形態。)等が定められている。なお、MBに関する図柄の組合せは、図7に示す図柄の組合せに限定するものではなく、他の図柄の組合せを用いることもできる。
図8を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、BBの作動が行われるときに、メインRAM33に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)、RB(第1種特別役物)、MB1〜MB3(第2種特別役物に係る役物連続作動装置)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。また、CTの作動は、MB1〜MB3の作動が行われている間、連続的に行われる。
BBの作動は、規定枚数(第1所定数)に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。MBの作動は、規定枚数(第2所定数)に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、BB又はMBの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当BB又はMBの作動が終了する。したがって、図7及び図8に示す実施形態を用いる場合には、2回のCT遊技が実行されると20枚のメダルが払い出されるので、11枚のボーナス終了枚数カウンタの値を越えて、MBの作動が終了することになる。また、SB(いわゆるシングルボーナスと呼ばれる普通役物。)や単独で作動するRB等の条件装置が作動したことにより、MBの作動を終了させてもよい。
図9〜図11を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
図9に、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図10に、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す。図11に、図9に示した一般遊技状態に比してリプレイの内部当籤確率を増大させたRT遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、RBの作動が行われているか否か、又はRT(リプレイタイム)の作動が行われているか否かといった状況に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
なお、図9に示す実施形態では、当籤番号2、5、及び10においてBBが内部当籤役が内部当籤する確率と、MB1、MB2、及びMB3のそれぞれが内部当籤する確率とを同じに設定してある。これにより、MB1、MB2、又はMB3の表示役が決定された場合には、その表示役が決定される確率がBBが持ち越されることとなる確率と同じなので、遊技者はBBが持ち越されているかもしれないという期待感を抱くことになる。なお、図9に示すように本実施形態では、BBと同時に内部当籤する可能性のある小役は、チェリー又はスイカである。
図12及び図13を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
内部当籤役は、入賞判定ライン8に沿って表示を許可する各リール3の図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。尚、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容はハズレとなるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
図12に、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図13に、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
メインROM32に格納されているデータテーブルの内容についての説明は以上である。次に、図14〜図17を参照して、メインRAM33に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
図14を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。尚、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
尚、メインRAM33には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ライン8に沿って表示されたことになる。
図15を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
前述の抽籤の結果、BB、MB1、MB2又はMB3の作動に係る内部当籤役が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納された内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ライン8に表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
図16及び図17を参照して、作動中フラグ格納領域1及び作動中フラグ格納領域2の構成について説明する。
作動中フラグ格納領域1及び作動中フラグ格納領域2は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグには、各ビットに対して固有のボーナスや固有の遊技状態が割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナス又は遊技状態の作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
メインRAM33に設けられる各種格納領域の構成についての説明は以上である。次に、図18〜図26を参照して、主制御回路55のメインCPU31により実行されるプログラムの内容について説明する。
まず、図18を参照して、メインCPU31の制御によるメインフローチャートについて説明する。パチスロ1に電源が投入されると、はじめに、ステップS2「初期化処理」(以降、S2のように省略して記載する場合もある。)にてメインCPU31は、メインCPU31に接続されている周辺装置の初期化処理を行う。次のステップS4「指定格納領域のクリア」にてメインCPU31は、メインRAM33における指定格納領域のクリアを行う。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次のステップS6「メダル受付・スタートチェック処理」にてメインCPU31は、メダルセンサ15Sやベットスイッチ13S、スタートスイッチ6Sの入力のチェック等を行う。この処理においてメインCPU31は、先ず自動投入カウンタの値に応じて、遊技者が投入するメダルの通過を許可し、再遊技を行う際には自動投入カウンタのメダル枚数を投入枚数カウンタに複写する処理等を行う。
そして、遊技状態に応じて投入枚数カウンタの最大値を変更する処理を行い、遊技者が投入したメダルに基づいて投入枚数カウンタ、又はクレジットカウンタを加算する処理を行う。そして、ベットボタン13が遊技者によって押下操作された場合には、所定のメダル枚数をクレジットカウンタから投入枚数カウンタに移動し、更に、投入枚数カウンタが最大値に達していること、及び遊技者によりスタートレバー6の操作が行われたことを条件に、投入されたメダルの排出が促される。
次のステップS8「乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納」にてメインCPU31は、乱数値を抽出し、メインRAM33に設けられた乱数値格納領域に格納する。次のステップS10「内部抽籤処理」にてメインCPU31は、後で図19を参照して説明する内部抽籤処理を行う。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次のステップS12「スタートコマンドを送信」にてメインCPU31は、スタートコマンドを副制御回路56に対して送信する。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次のステップS14「全リールの回転開始を要求」にてメインCPU31は、全メインリール3の回転開始を要求する。尚、全メインリール3の回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図26)によってステッピングモータ40の駆動が制御され、各リール3の回転が開始される。
次のステップS16「リール停止制御処理」にてメインCPU31は、後で図20を参照して説明するリール停止制御処理を行う。この処理では、ストップスイッチ7Sの入力のチェックが行われ、ストップボタン7が押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リール3の回転が停止される。
次のステップS18「入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを検索し、検索の結果に基づいて、払出枚数等を決定」にてメインCPU31は、入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する。検索の結果、入賞判定ライン8に沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次のステップS20「表示コマンドを送信」にてメインCPU31は、表示コマンドを副制御回路56に対して送信する。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
次のステップS22「メダル払出処理」にてメインCPU31は、メダル払出処理を行う。決定された払出枚数に基づいて、メダル払出装置43の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次のステップS24「払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新」にてメインCPU31は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
次のステップS26「ボーナス作動中フラグがオンか?」にてメインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する。ステップS28「ボーナス終了チェック処理」にてメインCPU31は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図25を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
ステップS32「ボーナス作動チェック処理」にてメインCPU31は、ステップS28の後、又は、ステップS26においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図24を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う。ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、ステップS4に移る。
次に、図19を参照して、内部抽籤処理について説明する。はじめに、ステップS102「内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定」にてメインCPU31は、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する。ここでは、図16及び図17に示した作動中フラグ格納領域1及び作動中フラグ格納領域2が参照され、ボーナスの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。尚、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
次のステップS104「乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセット」にてメインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする。次のステップS106「当籤番号の初期値として1をセット」にてメインCPU31は、当籤番号の初期値として1をセットする処理を行う。
次のステップS108「内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得」にてメインCPU31は、遊技状態に応じて図9〜図11に示した内部抽籤テーブルを選択して参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する。次のステップS110「判定用乱数値から抽籤値を減算」にてメインCPU31は、判定用乱数値から抽籤値を減算する処理を行う。次のステップS112「桁かりが行われたか?」にてメインCPU31は、桁かりが行われたか否かを判別する。ステップS112にてメインCPU31は、桁かりが行われていないと判別したときには、ステップS114「抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算」に進み、抽籤回数を1減算して当籤番号を1加算する処理を行う。
次のステップS116「抽籤回数は0か?」にてメインCPU31は、抽籤回数は0であるか否かを判別する。ステップS116にてメインCPU31は、抽籤回数が0ではないと判別したときには、ステップS108に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、ステップS118「各データポインタとして0をセット」に進み小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする。
ステップS120「小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得」にてメインCPU31は、ステップS114において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する。ステップS118又はステップS120の後のステップS122「小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤録を取得」にてメインCPU31は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する。
次のステップS124「取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納」にてメインCPU31は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する処理を行う。次のステップS126「持越役格納領域は0且つボーナス作動中フラグはオフか?」にてメインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータが0であって、且つ図16に示した作動中フラグ格納領域1を参照して全てのボーナス作動中フラグがオフであるか否かを判別する。
このステップS126にてメインCPU31が、持越役格納領域に格納されているデータが0であるとともに、全てのボーナス作動中フラグがオフであると判別したときは、次のステップS128「ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得」に進む。そして、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する処理を行う。次のステップS130「取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納」にてメインCPU31は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納することで、BB、MB1、MB2、又はMB3のボーナスを持越状態に設定することができる。
新たにボーナスが持越状態となるのは、ステップS126の判断において、従前の遊技ではボーナスが持ち越しされておらず、MB1〜MB3のいずれも作動していない場合である。なお、RB作動中においては、図10のRB作動中用内部抽籤テーブルに示されるように、BB、MB1、MB2、又はMB3のボーナスが内部当籤することは無いので、BB作動中において新たにボーナスが持ち越される旨を考慮する必要は無い。他方、ステップS126にて、持越役格納領域に格納されているデータは0であるとともに全てのボーナス作動中フラグがオフではないと判別したときは、ステップS138「持越役格納領域と内部当籤役格納領域の論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納」に分岐する。
ステップS130における処理が終了すると、次のステップS132「BB持ち越し状態か?」の判断に進む。ステップS130において持越役格納領域に格納した内部当籤役が、BBの内部当籤役であった場合には、次のステップS134「遊技状態を一般遊技状態にセット」に進む。他方、MB1〜MB3の内部当籤役が持ち越されている場合、又はBBにもMBにも内部当籤しなかった場合には、ステップS138に分岐する。
ステップS134にてメインCPU31は、図17に示す作動中フラグ格納領域1のビット0に0を代入して、遊技状態を一般遊技状態にセットする処理を行う。遊技状態が、RT遊技状態(通常遊技状態の一形態。)であった場合には、BBが内部当籤して持ち越されたことにより、RT遊技状態を終了させて一般遊技状態に戻る。また、遊技状態が一般遊技状態であった場合には、改めて一般遊技状態がセットされることになる。
次のステップS136「RT遊技回数カウンタをクリア」に進み、遊技状態が一般遊技状態に戻されたことにより、RT遊技状態において使用していたRT遊技回数カウンタの値をクリアする処理を行う。
なお、ステップS132では、BBが持ち越されている状態であるか否かを判断しているので、MB1〜MB3の何れかを持ち越している場合、又はBBにもMBにも内部当籤しなかった場合には、ステップS138に分岐する。したがって、ステップS134の処理でRT遊技状態を終了させるのは、今回の内部抽籤処理においてBBに内部当籤した場合である。
ステップS136の後、又は、ステップS126において持越役格納領域に格納されているデータが0且つボーナス作動中フラグはオフではないと判別したときには、メインCPU31が実行する処理はステップS138に進む。ステップS138にてメインCPU31は、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する。つまり、ここでは、ボーナスの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。
次のステップS140「CT作動中フラグはオンか?」にてメインCPU31は、図16に示す作動中フラグ格納領域1を参照して、CT1作動中フラグ〜CT3作動中フラグがオンであるか否かの判断を行う。もし、CT1作動中フラグ〜CT3作動中フラグの何れかがオンであった場合には、次のステップS142「内部当籤役格納領域のビット0〜ビット2をオン」に進み、チェリー、ベル、スイカの全ての小役のデータをオンにセットする処理を行う。なお、上記の内部抽籤処理において、リプレイが内部当籤した場合には、チェリー、ベル、スイカの全ての小役に加え、リプレイが内部当籤している状態となる。
上記ステップS142における処理が終了した場合、又は、先のステップS140にて、CT1作動中フラグ〜CT3作動中フラグの全てがオフであると判別した場合には、内部抽籤処理を終了して、元の処理ルーチンに戻る。
次に、図20を参照して、リール停止制御処理について説明する。はじめに、ステップS222「有効なストップボタンが押されたか?」にてメインCPU31は、遊技者により有効なストップボタン7が押されたか否かを判別する。このステップS222にて有効なストップボタン7が押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
先のステップS222にて有効なストップボタン7が押されたと判別したときには、メインCPU31が実行する処理はステップS224「当該ストップボタンの操作を無効化」に進み、該当ストップボタン7の操作を無効化する処理を行う。各ストップボタン7の有効及び無効の状態は、メインRAM33に設けられた所定の格納領域において管理される。
次のステップS225「遊技状態、内部当籤役及び作動ストップボタンに基づいて停止テーブルを選択し、図柄カウンタに応じた滑り駒数決定データを格納」にてメインCPU31は、先ず図16及び図17に示される作動中フラグ格納領域1及び作動中フラグ格納領域2を参照して現在の遊技状態を取得し、図14に示される内部当籤役格納領域を参照して内部当籤役を取得し、更に今回押下操作されたストップボタン7が左ストップボタン7L、中ストップボタン7C、右ストップボタン7Rの何れであるか等を取得する。
例えば、現在の遊技状態が一般遊技状態であって、リプレイのみが内部当籤しており、ボーナスの持ち越しが無く、押下操作されたストップボタン7が左ストップボタン7Lであった場合には、図21に示すリプレイ用停止テーブル(通常停止テーブルの一形態。)を選択する。そして、図柄カウンタ(図21に示す図柄位置に該当する。)に応じた滑り駒数を取得して、滑り駒数決定データとしてメインRAM33の所定領域に格納する処理を行う。例えば左ストップボタン7Lが押下操作された際の図柄カウンタの値が1であった場合(図6(A)を参照すると、図柄位置1に対応する図柄は「チェリー」である。)には、滑り駒数決定データとして3が格納される。この場合には、図柄位置4の「スイカ」が左リール3Lの停止図柄として仮決定される。なお、「スイカ」の下の図柄は「ブランク」であり、上の図柄が「リプレイ」である。
他方、現在の遊技状態がMB2又はMB3であって、リプレイ及び小役が内部当籤しており、左ストップボタン7Lが押下操作された場合には、図22に示すリプレイ用停止テーブル(第2特別停止テーブルの一形態。)を選択する。そして、図柄カウンタ(図22に示す図柄位置に該当する。)に応じた滑り駒数を取得して、滑り駒数決定データとしてメインRAM33の所定領域に格納する処理を行う。例えば左ストップボタン7Lが押下操作された際の図柄カウンタの値が1であった場合(図6(A)を参照すると、図柄位置1に対応する図柄は「チェリー」である。)には、滑り駒数決定データとして0が格納される。この場合、「チェリー」の下の図柄が「リプレイ」であり、上の図柄は「ベル」である。したがって、図21に示したリプレイ用停止テーブル(通常停止テーブル)を用いた場合とは明らかに異なる停止態様にすることができる。また、遊技状態がMB1の場合にも、特定の図柄表示例以外の中リール3C、及び右リール3Rにおいて、同様な第2特別停止テーブルを用いて停止制御を行うことによって、一般遊技状態において通常停止テーブルを用いた場合とは明らかに異なる停止態様にすることができる。
また、本実施形態では、一般遊技状態におていBBが持ち越されている状態でリプレイが内部当籤し、左ストップボタン7Lが押下操作された場合にも、図22に示すリプレイ用停止テーブル(第2特別停止テーブルの一形態。)を選択する。こうすることで、MB2又はMB3の遊技状態に移行してリプレイが内部当籤した場合には、実際にはBBが持ち越されていないにも関わらずアツイ状態を作り出すことができる。
なお、現在の遊技状態がMB1であって、左ストップボタン7L(後段にて説明する、各MBに対応するストップボタン。)が押下操作された場合には、滑り駒数として0又は1が記録されている停止テーブル(第1特別停止テーブルの一形態)を選択することになる。この第1特別停止テーブルに記録されている最大滑り駒数(例えば、第2最大滑り駒数=1)は、通常停止テーブルに記録されている最大滑り駒数(図21に示す実施形態では第1最大滑り駒数=4)よりも短く設定されている。
次のステップS226「チェック回数として5をセット」にてメインCPU31は、仮のチェック回数として5をセットする。本実施の形態では、MB遊技状態において対応するストップボタンが押下操作された場合を除き、図柄の滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。なお、MB遊技状態において対応するストップボタンが押下操作された場合におけるチェック回数の変更処理については、後段にて説明する。
次のステップS227「CT作動中フラグはオンか?」にてメインCPU31は、図16に示す作動中フラグ格納領域1を参照して、CT1作動中フラグ〜CT3作動中フラグの何れかがオンにセットされているか否かの判断を行う。もし、何れかのCT作動中フラグがオンである場合には、ステップS228「対応するストップボタンが押下操作されたか?」の判断に進み、何れのCT作動中フラグもオンでない場合には、ステップS230「内部当籤役に基づいて、チェック回数の範囲内にある各図柄位置の中で、最も優先順位の高い図柄位置を検索」の処理に分岐する。
ステップS228にてメインCPU31は、CT1遊技状態〜CT3遊技状態の各遊技状態に応じて定められている対応するストップボタン7が押下操作されたか否かの判断を行う。例えば、図16に示す作動中フラグ格納領域1と、図23に示すボーナス対応表とを参照して、CT1作動中フラグがオンの状態で左ストップボタン7Lが押下操作されたか、CT2作動中フラグがオンの状態で中ストップボタン7Cが押下操作されたか、又はCT3作動中フラグがオンの状態で右ストップボタン7Rが押下操作されたか否かを判断する。
CT1遊技状態〜CT3遊技状態の各遊技状態に応じて定められている対応するストップボタン7が押下操作されたと判別した場合には、次のステップS229「チェック回数を2に変更」に進む。他方、CT1遊技状態〜CT3遊技状態の各遊技状態に応じて定められている対応するストップボタン7が押下操作されなかったと判別した場合には、ステップS230に分岐する。なお、図23に示すように、CT1遊技状態〜CT3遊技状態の各の各遊技状態に応じて対応するストップボタン7を変更しているのは、停止表示される表示役とCT遊技状態との関係を、遊技者が簡単に察知してしまうことを防止するためである。
次のステップS229にてメインCPU31は、ステップS226にてセットしたチェック回数を2回にセットし直す処理を行う。CT遊技状態において対応するストップボタン7が押下操作された際には、図柄の滑り駒数の最大数を「1」としていることから、ストップボタン7が押下操作されたときに表示窓4の中段にある図柄の位置を含め、そこから1個先の図柄の停止位置までがチェックの対象となるからである。つまり、「0」、又は「1」の2つの数値うちの何れかが滑り駒数として決定されることになる。
次のステップS230にてメインCPU31は、内部当籤役に基づいて、ストップボタン7が押されたときに該当表示窓4の中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の停止位置の中で、表示窓4内に表示され得る図柄を参照し、このうち最も優先順位の高い図柄の停止位置を検索する。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ライン8沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。なお、本実施の形態では、優先順位が高い方から順に、リプレイ、ボーナス、小役とする。また、リプレイ、小役、ボーナスの順に優先順位を定めてもよい。
次のステップS231「検索の結果と滑り駒数データとに基づいて滑り駒数を決定」にてメインCPU31は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次のステップS232「停止予定位置待ちへ移行」にてメインCPU31は、停止予定位置待ちへ移行する。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータ40の駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓4の中段に到達するのを待って該当リール3の回転が停止される。
次のステップS234「リール停止コマンド送信」にてメインCPU31は、リール停止コマンドを副制御回路56に対して送信する。リール停止コマンドは、停止したリール3の種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
次のステップS236「操作が有効なストップボタンはあるか?」にてメインCPU31は、操作が有効なストップボタン7があるか否かを判別する。つまり、まだ回転中のリール3があるか否かが判別される。ステップS236にてメインCPU31は、操作が有効なストップボタン7があると判別したときには、ステップS222に移る一方で、操作が有効なストップボタン7がないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
次に、図24を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。はじめに、ステップS302「表示役はBB又はMBか?」にてメインCPU31は、表示役がBB又はMBの何れかであるか否かを判別する。ステップS302にてメインCPU31は、表示役がBB又はMBの何れかであると判別したときには、ステップS304「ボーナスの種別に応じたボーナス作動時処理」に進み、図8に示したボーナス作動時テーブルを参照し、ボーナス作動時処理を行う。この処理では、BB作動中フラグ、MB1作動中フラグ、MB2作動中フラグ、又はMB3作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
次のステップS306「持越役格納領域をクリア」にてメインCPU31は、持越役格納領域をクリアする。次のステップS308「ボーナス開始コマンド送信」にてメインCPU31は、ボーナス開始コマンドを副制御回路56に対して送信する。この処理が終了すると、ステップS324「遊技状態はRT遊技状態か?」の判断に分岐する。
先のステップS302にてメインCPU31が、表示役はBB又はMBの何れでもないと判別したときには、ステップS310「MB作動中フラグはオンか?」の処理に進み、図16に示す作動中フラグ格納領域1を参照して、MB1作動中フラグ〜MB3作動中フラグがオンであるか否かの判断を行う。もし、MB1作動中フラグ〜MB3作動中フラグの何れかのフラグがオンである場合には、次のステップS312「対応するCT作動中フラグをオン」の処理に進む。他方、MB1作動中フラグ〜MB3作動中フラグの何れもオンでない場合には、ステップS314「表示役はリプレイか?」の処理に進む。
次のステップS312にてメインCPU31は、図23に示すボーナス対応表を参照して、MB1作動中フラグ〜MB3作動中フラグのそれぞれに対応するCT1作動中フラグ〜CT3作動中フラグをオンにして、図16に示す作動中フラグ格納領域1に格納する処理を行う。
先のステップS310にてメインCPU31が、MB作動中フラグがオンでないと判別したときには、ステップS314「表示役はリプレイか?」の処理に進み、表示役はリプレイであるか否かを判別する。ステップS314にてメインCPU31が、表示役はリプレイであると判別したときには、次のステップS316「投入枚数カウンタの値を自動投入枚数カウンタに複写」に進み、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する処理を行う。この処理が終了すると、ステップS324の判断に分岐する。
先のステップS314においてメインCPU31が、表示役はリプレイではないと判別したときには、ステップS318「BB作動中フラグはオンか?」の処理に進み、BB作動中フラグはオンであるか否かを判別する。ステップS318にてメインCPU31が、BB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ステップS324の判断に分岐する。他方、BB作動中フラグがオンであると判別したときには、ステップS320「RB作動中フラグはオンか?」の処理に進み、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する。
ステップS320にてメインCPU31が、RB作動中フラグがオンであると判別したときには、ステップS324の判断に分岐する。他方、RB作動中フラグがオンではないと判別したときには、ステップS322「RB作動時処理」にてボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う。この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。
次のステップS324「遊技状態はRT遊技状態か?」にてメインCPU31は、図17に示す作動中フラグ格納領域2を参照して、現在の遊技状態がRT遊技状態であるか否かの判断を行う。もし、現在の遊技状態がRT遊技状態である場合には、次のステップS326「RT遊技回数カウンタに1加算」の処理に進む。もし、現在の遊技状態がRT遊技状態でない場合には、ボーナス作動チェック処理を終了する。
ステップS326にてメインCPU31は、RT遊技回数カウンタに1を加算する処理を行って、次のステップS328「RT遊技回数カウンタの値は50か?」の判断に進む。ステップS328にてメインCPU31は、メインRAM33に格納されているRT遊技回数カウンタの値を読み出して、最大RT遊技回数の50に達したか否かの判断を行っている。もし、RT遊技回数カウンタの値が50であった場合には、次のステップS330「RT作動中フラグをクリア」に進む。また、もし、RT遊技回数カウンタの値が50に満たない場合には、RT遊技状態を継続してボーナス作動チェック処理を終了する。
ステップS330にてメインCPU31は、所定回数のRT遊技が終了したことを受けて、図17に示す作動中フラグ格納領域2のビット0に0を代入して、RT遊技状態を終了させる処理を行う。次のステップS332「RT遊技回数カウンタをクリア」にてメインCPU31は、RT遊技状態を終了させるにあたり、RT遊技状態において使用していたRT遊技回数カウンタの値をクリアする処理を行う。そして、ボーナス作動チェック処理を終了する。
次に、図25を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。はじめに、ステップS342「ボーナス終了枚数カウンタは0か?」にてメインCPU31は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する。ステップS342にてメインCPU31が、ボーナス終了枚数カウンタが0であると判別したときには、次のステップS344「ボーナスの種別に応じたボーナス終了時処理」に進み、BB又はMBの終了時処理を行う。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグ、MB1作動中フラグ〜MB3作動中フラグ及びCT1作動中フラグ〜CT3作動中フラグをオフにして、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタをクリアする。他方、ステップS342においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、ステップS352「CT作動中フラグはオンか?」の判断に分岐する。
次のステップS346「終了したボーナスはBBか?」にてメインCPU31は、終了したボーナスがBBであった場合には、次のステップS348「遊技状態をRT遊技状態にセット」に処理を進める。他方、終了したボーナスがBBでなかった場合には、ステップS350「ボーナス終了コマンド送信」の処理に分岐する。
ステップS348にてメインCPU31は、BBが終了したことを受けて、図17に示す作動中フラグ格納領域2にRT作動中フラグをセットする処理を行って、RT遊技状態を作動させる。そして、次のステップS350に進む。
ステップS350にてメインCPU31は、ボーナス終了コマンドを副制御回路56に対して送信する。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
先のステップS342においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、メインCPU31が実行する処理はステップS352の判断に分岐し、図16の作動中フラグ格納領域を参照して、CT1作動中フラグ〜CT3作動中フラグの何れかがオンであるか否かの判断を行う。もし、CT1作動中フラグ〜CT3作動中フラグの何れかがオンであると判別した場合には、次ステップS354「CT作動中フラグをオフ」の処理に進み、オンになっていたCT作動中フラグをオフにセットする。ステップS354における処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
先のステップS352において、CT作動中フラグがオンではないと判別したときには、メインCPU31が実行する処理はステップS356「入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新」に進み、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する処理を行う。ここでは、遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞が有った場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次のステップS358「入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0か?」にてメインCPU31は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する。
ステップS358にてメインCPU31が、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する。他方、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタが0であると判別したときには、ステップS360「RB終了時処理」に進み、RB終了時処理を行う。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
次に、図26を参照して、メインCPU31の制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、ステップS482「レジスタの退避」にてメインCPU31は、従前に使用していたレジスタの退避処理を行う。次のステップS484「入力ポートチェック処理」にてメインCPU31は、入力ポートのチェック処理を行う。この処理では、ストップスイッチ7S等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次のステップS486「リール制御処理」にてメインCPU31は、リールの回転制御及び停止制御を行う。この処理では、全リール3の回転開始が要求されたときに、各リール3の回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ40の駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リール3の回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータ40の駆動が制御される。
次のステップS488「ランプ・7セグ駆動処理」にてメインCPU31は、ランプ24及び7セグ表示器12の駆動処理を行う。次のステップS490「レジスタの復帰」にてメインCPU31は、退避させていおいたレジスタの復帰を行う。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
主制御回路55のメインCPU31により実行されるプログラムの内容についての説明は以上である。次に、図27〜図30及び図33を参照して、副制御回路56のサブCPU61により実行されるプログラムの内容について説明する。
図27を参照して、サブCPU61により行われる主基板通信タスクについて説明する。はじめに、ステップS522「コマンドの受信チェック」にてサブCPU61は、主制御回路55から送信されたコマンドの受信チェックを行う。次のステップS524「コマンドの種別を抽出」にてサブCPU61は、コマンドを受信した場合に、そのコマンドの種別を抽出する。
次のステップS526「前回とは異なるコマンドを受信したか?」にてサブCPU61は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かの判別を行う。ステップS526にてサブCPU61が、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、ステップS522に戻る。他方、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、ステップS528「メッセージキューに格納」の処理に進み、受信したコマンドをメッセージキューに格納して、ステップS522に戻る。
次に、図28を参照して、サブCPU61により行われる演出登録タスクについて説明する。はじめに、ステップS552「メッセージキューからメッセージを取り出す」にてサブCPU61は、先の処理でメッセージキューに格納したメッセージを取り出す処理を行う。次のステップS554「メッセージは有り?」にてサブCPU61は、メッセージは有るか否かを判別する。ステップS554にてメッセージが有ると判別したときには、ステップS556「メッセージから遊技情報を複写」に進み、パラメータによって特定される内部当籤役、回転が停止したリール3の種別、表示役、作動中フラグ等といった各種メッセージのデータが、サブRAM63に設けられた格納領域に複写される。
次のステップS558「演出内容決定処理」にてサブCPU61は、後で図29を参照して説明する演出内容決定処理を行う。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
ステップS558の後、又は、ステップS554においてメッセージは無かったと判別したときには、ステップS560「アニメーションデータの登録」の処理に進み、サブCPU61は演出に用いるアニメーションデータの登録を行う。次のステップS562「サウンドデータの登録」にてサブCPU61は、演出に用いるサウンドデータを登録する処理を行う。次のステップS564「ランプデータの登録」にてサブCPU61は、演出に用いるランプデータを登録する処理を行う。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、ステップS552に戻る。
次に、図29を参照して、サブCPU61により実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。はじめに、ステップS602「スタートコマンド受信時?」にてサブCPU61は、スタートコマンドを受信したか否かを判別する。ステップS602にてスタートコマンドを受信したと判別したときには、次のステップS604「特殊演出フラグ及び内部当籤役等に基づいて演出番号を決定し、登録」に進み、サブCPU61は演出用乱数値を抽出し、特殊演出フラグ及び内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定し、登録する。演出番号は、以降実行する演出内容を指定するデータであり、図31及び図32に示されるように、例えば1〜10の数値である。なお、図31は、特殊演出フラグがオフの場合に参照する演出番号決定テーブルであり、図32は、特殊演出フラグがオンの場合に参照する演出番号決定テーブルである。
次のステップS606「登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録」にてサブCPU61は、登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録する処理を行う。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
先のステップS602にてサブCPU61が、スタートコマンド受信時ではないと判別したときには、ステップS612「リール停止コマンド受信時?」の処理に進み、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する。ステップS612にてサブCPU61が、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、ステップS614「登録されている演出番号と作動ストップボタンの種別に応じて、停止時の演出データを登録」に進み、サブCPU61は、登録されている演出番号とストップボタン7の種別に基づいて、停止時の演出データを登録する処理を行う。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
先のステップS612にてサブCPU61が、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、ステップS622「表示コマンド受信時?」の処理に進み、表示コマンド受信時であるか否かを判別する処理を行う。ステップS622にてサブCPU61が、表示コマンド受信時であると判別したときには、ステップS624「登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録」に進み、登録されている演出番号に基づいて、各図柄の停止表示時の演出データを登録する処理を行う。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
先のステップS622にてサブCPU61が、表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ステップS632「ボーナス開始コマンド受信時?」の処理に進み、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する処理を行う。ステップS632にてサブCPU61が、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、ステップS634「ボーナス開始コマンド受信時処理」に進み、ボーナス開始用の演出データを登録する処理を行う。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。なお、ボーナス開始コマンド受信時処理の詳細については、後段にて図30を参照しながら説明する。
先のステップS632にてサブCPU61が、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ステップS642「ボーナス終了コマンド受信時?」の処理に進み、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する処理を行う。ステップS642にてサブCPU61が、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときには、演出内容決定処理を終了する。他方、ステップS642にてボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには、ステップS644「ボーナス終了コマンド受信時処理」に進み、ボーナス終了用の演出データを登録する処理を行う。なお、ボーナス終了コマンド受信時処理の詳細については、後段にて図33を参照しながら説明する。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、図30を参照して、サブCPU61により実行されるボーナス開始コマンド受信時処理のフローチャートについて説明する。はじめに、ステップ702「開始したボーナスの種別はBBか?」にてサブCPU61は、ボーナス開始コマンドの種別がBBであるか否かを判別する。ステップS702にてBBのボーナス開始コマンドを受信したと判別したときには、次のステップS704「ボーナス開始用の演出データを登録」の処理に進み、サブCPU61は、例えばボーナスが開始される旨を表す派手な演出を行うための演出データを登録する。演出データの登録処理が終了すると、ボーナス開始コマンド受信時処理を終了する。
他方、ステップS702にてBB以外のボーナス開始コマンドを受信したと判別したときには、ステップS706「特殊演出フラグをオン」の処理に分岐する。ステップS706にてサブCPU61は、サブRAM63の所定領域に特殊演出フラグをオンにして格納する。特殊演出フラグの格納が終了すると、ボーナス開始コマンド受信時処理を終了する。
特殊演出フラグとは、先に説明した図29のステップS602にて、スタートコマンド受信時における演出番号を決定する際に、図31に示す演出番号決定テーブル(特殊演出フラグがオフである場合に参照するテーブル。)を参照するか、又は図32に示す演出番号決定テーブル(特殊演出フラグがオンである場合に参照するテーブル。)を参照するかを決定するためのフラグである。
ここで、図31に示す演出番号決定テーブルの内容について概略説明する。図31に示す実施形態では、演出番号1〜10までの10種類の演出番号が設定されており、演出番号の数値が大きいほど凝った演出を行うようにしている。例えば、内部当籤役が「なし」の場合(ハズレの場合)には演出番号1に当籤する確率が最も高く、演出番号6以降の演出には当籤しないようになっている。また、リプレイが単独で内部当籤している場合にも、演出番号6以降の演出番号には当籤しないようになっている。なお、BB及び小役の双方が同時に内部当籤した場合や、BBを持ち越している場合には、図31に示すBB用の欄を参照して演出番号を決定するものとする。
また、BBと同時に内部当籤する可能性があるチェリー及びスイカが内部当籤した場合には、演出番号4〜9のいずれかが決定されるようになっている(図9及び図11に示す内部抽籤テーブル参照。)。また、BBが内部当籤した場合には演出番号6〜10のいずれかが決定されるようになっている。特に演出番号10は、BBが内部当籤している場合にしか決定されないBB固有の前兆演出であって、BBの持ち越し状態を示唆する演出である。
本発明の実施形態では、内部当籤役がMB1〜MB3の場合には、内部当籤役が「なし」の場合(ハズレの場合)と同じ確率で演出番号1〜5の何れかが決定されるようにしてあるので、MB1〜MB3に内部当籤しても、遊技者はハズレや小役の成立の場合と同様な感触しか得られないようになっている。したがって、遊技者は、MB1〜MB3に内部当籤していることを知らずに遊技を続ける可能性が高くなる。
次に、図32に示す演出番号決定テーブルの内容について概略説明する。図32も図31と同様に演出番号1〜10までの10種類の演出番号が設定されている。図30のステップS706にて説明したように、特殊演出フラグをオンに設定するのは、MB1〜MB3の何れかの表示役が決定された場合であるので、図29のステップS602にて図32に示す演出番号決定テーブルが参照されるのは、MB1遊技状態〜MB3遊技状態の何れかの遊技状態にある場合である。
現在の遊技状態が、MB1遊技状態〜MB3遊技状態である場合には、チェリー、ベル、スイカの小役が全て内部当籤した状態になる。そして、前段の図19を用いて説明したように、この状態で新たにBBが持ち越されたり、MB1〜MB3が持ち越されることは無いので、小役が成立している場合と、小役に加えてリプレイが内部当籤している場合の2通りしか存在しないことになる。
図32に示すように、小役のみが内部当籤している場合には、演出番号4〜9の何れかの演出番号が決定されるように構成してある。これに対し、小役に加えてリプレイが内部当籤している場合には、演出番号6〜10の何れかの当籤番号が決定されるように構成してあり、図31に示したBBが内部当籤している場合と同じ確率で演出番号が決定されるように構成してある。
図31及び図32に示すように演出番号決定テーブルを構成することにより、MB1遊技状態〜MB3遊技状態の何れかの遊技状態が作動している場合であって、小役のみが内部当籤している状態では、遊技者は、一般遊技状態において何れかの小役が内部当籤しているかのような感触を得る。
これに対し、MB1遊技状態〜MB3遊技状態の何れかの遊技状態が作動している場合であって、小役に加えてリプレイが内部当籤している場合には、遊技者は、BBが内部当籤しているか、又はBBが持ち越されているかのような期待感を得ることになる。
また、図20のリール停止制御処理にて説明したように、MB1遊技状態〜MB3遊技状態の何れかの遊技状態が作動することでCT1遊技状態〜CT3遊技状態の何れかの遊技状態が作動している場合であって、小役に加えてリプレイが内部当籤しており、押下操作したストップボタン7が予め定められた対応するストップボタン7でない場合には、BBが持ち越された状態でリプレイが内部当籤している場合と同一のリプレイ用停止テーブルを選択して、停止制御を行うようにしている。したがって、遊技者は、音、光、映像等による演出と、「リプレイ」の図柄の滑り駒数や、図柄の停止態様を見ることにより、BBが持ち越されているかのような期待感を得ることができる。これにより、遊技の興趣を高めることができる。
次に、図33を参照して、サブCPU61により実行されるボーナス終了コマンド受信時処理のフローチャートについて説明する。はじめに、ステップ712「終了したボーナスの種別はBBか?」にてサブCPU61は、ボーナス終了コマンドの種別がBBであるか否かを判別する。ステップS712にてBBのボーナス終了コマンドを受信したと判別したときには、次のステップS714「ボーナス終了用の演出データを登録」の処理に進み、サブCPU61は、例えばボーナスが終了した旨を表す演出を行うための演出データを登録する。演出データの登録処理が終了すると、ボーナス終了コマンド受信時処理を終了する。
他方、ステップS712にてBB以外のボーナス終了コマンドを受信したと判別したときには、ステップS716「特殊演出フラグをオフ」の処理に分岐する。ステップS716にてサブCPU61は、MB1遊技状態〜MB3遊技状態の何れかの遊技状態が終了したことを受けて、特殊演出フラグをオフにして格納する。特殊演出フラグの格納が終了すると、ボーナス終了コマンド受信時処理を終了する。なお、MB1遊技状態〜MB3遊技状態が終了した際に、実際にはBBが内部当籤していなかった旨や、BBを持ち越していなかった旨を遊技者に通知する演出(例えば、残念そうな演出。)を行うようにしてもよい。
以上のように構成することで、MB等の所定の条件下であることを気付かずに遊技を行っている遊技者に対して、BBが持ち越されているかもしれないという期待感を抱いてもらうことが可能となる。