[パチスロの機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施例1について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、実施例1における遊技機(以下、適宜パチスロという)1の機能フローについて説明する。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L、7C、7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L、49C、49R)は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ1では、基本的に、ストップボタン7L、7C、7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリール3L、3C、3Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ラインに沿って表示されることがないようにリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転がすべて停止されると、入賞判定手段(例えば、後述のメインCPU31)は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ1における1回の遊技として行われる。
また、パチスロ1では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置5により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカ9L、9Rにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー6が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(後述の副制御回路72)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段(後述のスピーカ9L、9R、液晶表示装置5)は、リール3L、3C、3Rの回転が開始されるとき、各リール3L、3C、3Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
[遊技状態の移行]
ここで、実施例1の遊技機1では、抽出された乱数値が同一であっても、遊技状態が異なる場合には、決定される内部当籤役が異なることがある。図2に示すように、遊技機1は、遊技状態として、MB(ミドルボーナス)に対応する図柄の組合せ(コンビネーション)である「赤7−青7−チェリー2」が有効ライン8a上に表示された場合に移行する「MB」遊技状態と、MBが内部当籤していない状態である「非フラグ間」遊技状態と、MBが内部当籤し、且つ、MBに対応する図柄の組合せが表示される前の状態である「MBフラグ間」遊技状態とが設けられている。
この「MBフラグ間」遊技状態には、「通常」遊技状態と、遊技者に有利な停止操作の情報が報知される「AT」遊技状態とが存在する。「通常」遊技状態中においては、毎ゲーム、AT抽籤テーブルを参照してAT抽籤を行い、ATに当籤した場合には、ATカウンタに100をセットし、「AT」遊技状態に移行する。なお、左リール以外を第一停止した場合には、ペナルティとしてAT抽籤を行わない。ここで、「通常」遊技状態中においては、このペナルティが存在するため、主に左リールを第一停止してゲームを消化することとなるが、後述するように、左リールを第一停止した場合には、ベル役(中左右ベル1〜右中左ベル6)が内部当籤しても、中段ベル(メダルの払い出し枚数「8」)が揃うことはなく、左特殊役1〜16(メダルの払い出し枚数「1」)が6分の1で揃うのみである。
「AT」遊技状態中においては、主に、中左右ベル1〜右中左ベル6が内部当籤した場合に、メダルの払い出し枚数が8枚の小役である「中段ベル」に対応する図柄の組み合わせが停止表示できるように、リールの停止操作の順番を報知する。そして、「AT」遊技状態において、ATカウンタにセットされた数値分のゲーム数を消化すると、ATを終了して、「通常」遊技状態に移行する。なお、本実施例の遊技機1では、主に「MBフラグ間」遊技状態に滞在している期間が長く、「MBフラグ間」遊技状態が遊技中においてメインの遊技状態となる。
また、「MBフラグ間」遊技状態では、有効ライン8a上および非有効ライン上にリプレイ図柄の組み合わせが表示されることにより入賞する通常リプレイとともに、非有効ライン上にベルの図柄の組み合わせが表示されることにより入賞するリプレイである「ベルリプ」が内部当籤役として設けられている。このベルリプの当籤確率(1/3.39)を、通常リプレイの当籤確率(1/7.3)よりも高くすることで、通常リプレイの表示の割合を減らすことができ、単調な遊技となることを回避して興趣を向上させることが可能である。さらに、「ベルリプ」が入賞した場合には、ロックを作動させ、遊技者がベットボタン11を操作することで遊技ロックの解除を行えるようにし、遊技者がベットボタン11の操作を行った感覚を得られるようにすることで、遊技者に対して実際に小役が表示されたかのように思わせることができる。
[パチスロの構造]
次に、図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ1の構造について説明する。図3は、本実施の形態におけるパチスロ1の外部構造を示す。
パチスロ1は、いわゆる「パチスロ機」である。このパチスロ1は、コイン、メダル、遊技球又はトークン等の他、遊技者に付与された、もしくは付与される遊技価値の情報を記憶したカード等の遊技媒体を用いて遊技する遊技機であるが、以下ではメダルを用いるものとして説明する。
パチスロ1は、リール3L、3C、3Rや回路基板等を収容する筐体となるキャビネット1aと、キャビネット1aの前面側に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2と、フロントドア2の前面側にパネル部となるフロントパネル4とを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L、3C、3Rが横並びに設けられる。各リール3L、3C、3Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄が回転方向に沿って連続的に配置された帯状のシートを貼り付けて構成される。また、フロントドア2の正面の略中央には、縦長矩形の図柄表示領域21L、21C、21Rが設けられる。
フロントドア2は、ドア本体の部分であり、フロントドア2の中央には、液晶表示装置5が設けられる。液晶表示装置5は、フロントドア2の前面側であって、フロントドア2とフロントパネル4との間に設けられる。液晶表示装置5は、取付枠により、フロントドア2の上側の部分に固定される。
また、液晶表示装置5は、図柄表示領域21L、21C、21Rを含む表示画面5aを備え、正面から見て3つのリール3L、3C、3Rに重畳する手前側に位置するように設けられる。図柄表示領域21L、21C、21Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応して設けられており、その背面側に設けられたリール3L、3C、3Rを透過することが可能な構成を備える。図柄表示領域21L、21C、21Rには、入賞判定ラインとして、有効ライン8aが設けられている。
つまり、図柄表示領域21L、21C、21Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール3L、3C、3Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域21L、21C、21Rを含めた表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域21L、21C、21Rは、その背後に設けられたリール3L、3C、3Rの回転が停止されたとき、リール3L、3C、3Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各図柄表示領域21L、21C、21Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン(有効ライン)として定義する。なお、本実施例では、有効ライン8aは、中段ラインの1ラインのみである。
フロントドア2には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられる。メダル投入口10は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口10に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入され、所定枚数を超えた分はパチスロ1内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン11は、パチスロ内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。なお、ベットボタン11として、最大掛け枚数のメダルの投入を決定するMAXベットボタンと1枚のメダルの投入を決定する1ベットボタンとが設けられている。精算ボタン12は、パチスロ内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー6は、全てのリール3L、3C、3Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン7L、7C、7Rは、3つのリール3L、3C、3Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリール3L、3C、3Rの回転を停止するために設けられる。
7セグ表示器13は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
ランプ(LED等)14は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ9L、9Rは、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口15は、排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口15から排出されたメダルは、メダル受皿16に貯められる。
図4は、パチスロの主制御回路の構成を示す図である。主制御回路71は、回路基板上に配置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、メインCPU31、メインROM32およびメインRAM33などを含む。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、各種のデータテーブル、副制御回路72に対して送信される各種制御指令(コマンドなど)のデータ等が記憶される。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36およびサンプリング回路37が接続される。クロックパルス発生回路34および分周器35は、クロックパルスを発生する。メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲(例えば、0〜65535)から1つの乱数を発生させる。
マイクロコンピュータ30の入力ポートには、スイッチ等が接続されている。メインCPU31は、各種のスイッチなどからの入力を受けて、ステッピングモータ49L、49C、49Rなどの周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ7Sは、3つのストップボタン7L、7C、7Rが遊技者により、リール3L、3C、3Rの回転を停止させるために押下されたことを検出する。また、スタートスイッチ6Sは、スタートレバー6が遊技者により、リール3L、3C、3Rの回転を開始させるために操作されたことを検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口10に受け入れられたメダルを検出する。MAXベットスイッチ11Sは、MAXベットボタンが遊技者により押下されたことを検出する。1ベットスイッチ12Sは、1ベットボタンが遊技者により押下されたことを検出する。精算スイッチ13Sは、精算ボタン12が遊技者により押下されたことを検出する。
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L、49C、49R、7セグ表示器13およびホッパー40がある。また、マイクロコンピュータ30の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路39は、リール3L、3C、3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御する。リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示すリールインデックスをリール3L、3C、3Rに応じて検出する。
ステッピングモータ49L、49C、49Rは、回転速度がパルスの出力数に比例し、指定された角度で回転軸を停止させることが可能な構成を含む。ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動力は、所定の減速比のギアを介してリール3L、3C、3Rに伝達される。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L、3C、3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してからステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール3L、3C、3Rの回転角度を管理する。メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転角度を管理することにより、リール3L、3C、3Rの表面に配置された複数の図柄の各位置を管理する。
表示部駆動回路48は、7セグ表示器13の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
副制御回路72は、主制御回路71と電気的に接続されており、主制御回路71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路72には、液晶表示装置5、スピーカ9L、9R、ランプ14が接続されており、主制御回路71から送信されたコマンドに応じてこれらを制御する。また、副制御回路72は、主制御回路71から送信されたコマンドに応じて、サブROM(図示せず)に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行うサブCPU(図示せず)を有する。
[図柄配置テーブル]
図5を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール3L、3C、3Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに図柄表示領域21L、21C、21R内の中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール3L、3C、3Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として図柄表示領域21L、21C、21Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
例えば、左リール3Lに対応する図柄カウンタの値が「6」であるとき、左リール3Lの上段、中段及び下段の領域には、それぞれ、図柄位置「7」の「ベル」、図柄位置「6」の「リプレイ」及び図柄位置「5」の「スイカ1」に対応する図柄が表示されている。
[図柄組合せテーブル]
図6−1、図6−2を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施例では、有効ラインに沿って各リール3L、3C、3Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。図6−1、図6−2は、3枚掛け時の図柄組合せテーブルを示す図である。
各図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、入賞作動フラグとを規定している。図柄組合せテーブルでは、入賞作動フラグとして、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別する1バイトのデータと、該データを格納する後述の内部当籤役格納領域をメインCPU31が識別するために設けられた格納領域識別データと、表示役の内容(名称)と、図柄の組合せが表示された場合に移行するRT遊技状態を示すRT移行と、配当枚数とを規定している。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施例では、表示役として、中段ベル、左特殊役1〜16、中特殊役1〜16、右特殊役1〜16、CDスイカ1〜3、上段スイカ1、2、CUスイカ、または、チェリー1〜16のいずれかが決定されたときメダルの払い出しが行われる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
また、表示役として、中段リプ、CUリプ1〜4、上段ベルリプ1〜4、CDベルリプ1、2のいずれかが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。また、表示役としてMBが決定されると、MB遊技状態へ移行する。
また、表示役として、「MB」が決定されたときには、ミドルボーナスゲームの作動が行われる。この「MB」は、いわゆる第2種特別役物に係る役物連続作動装置と呼ばれるものであり、第2種特別役物である「CB」を連続して作動させる。MBは、24枚を超える払い出しで終了となる。
[フラグ構成]
図7−1、図7−2を参照して、内部当籤役および表示される可能性のある図柄の組合せとの関係を説明する。内部当籤役と、該内部当籤役が当籤した場合に表示される可能性がある表示役とを示すフラグ構成について説明する。図7−1、図7−2は、フラグ構成を示す図である。図7に示すように、所定の内部当籤役に当籤した場合には、リールの停止順や、リールの停止位置に応じて、異なる図柄の組合せが表示される可能性がある。
例えば、図7−1に示すように、中左右ベル1が内部当籤役として決定された場合には、中段ベル、左特殊役1、左特殊役4、左特殊役13、左特殊役16、中特殊役1、中特殊役4、中特殊役5、中特殊役8、中特殊役10、中特殊役11、中特殊役14、中特殊役15のいずれかが停止表示される可能性がある。
また、例えば、図7−1に示すように、ベルリプが内部当籤役として決定された場合には、上段ベルリプ1〜4、CDベルリプ1、2のいずれかが停止表示される可能性がある。このベルリプが内部当籤役として決定された場合に、ベルリプに対応する図柄の組み合わせとして、表示役「上段ベルリプ1」の図柄の組み合わせ「リプレイ−赤7−リプレイ」、表示役「上段ベルリプ2」の図柄の組み合わせ「リプレイ−BAR−リプレイ」、表示役「上段ベルリプ3」の図柄の組み合わせ「リプレイ−羽−リプレイ」、または、表示役「上段ベルリプ4」の図柄の組み合わせ「リプレイ−チェリー2−リプレイ」が有効ライン8a上に表示されるとともに、有効ライン8a上ではないが、各図柄表示領域21L、21C、21Rの上段の横一直線にベル図柄が揃って表示される。また、ベルリプに対応する図柄の組み合わせとして、表示役「CDベルリプ1」の「リプレイ−ベル−スイカ1」、表示役「CDベルリプ2」の「リプレイ−ベル−スイカ2」が有効ライン8a上に表示されるとともに、有効ライン8a上ではないが、各図柄表示領域21L、21C、21Rの上段、中段、下段にベル図柄が斜めにベル図柄が揃って表示される。このように、ベルリプは、MBフラグ間中(RT1)に表示される見かけ上小役のリプレイである。つまり、MBフラグ間中においては、リプレイが高確率で内部当籤するため、有利な遊技状態であるにも拘らず、リプレイが多く表示される単調な遊技性になることがないように、通常のリプレイと、上記した見かけ上小役のリプレイとを設け、単調な遊技となることを回避する。
ここで、各内部当籤役について、停止操作の例を挙げて、どの表示役が停止表示されるかを説明する。まず、中左右ベル1〜右中左ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、左リール3Lを第一停止すると、左特殊役1〜左特殊役16のいずれかが6分の1が揃う。また、通常リプが内部当籤役として決定した場合に、左リール3Lを第一停止すると、左リール3Lの下段にスイカが停止する位置では中段にベルを引き込みCUリプ1〜4が揃う。その他の役(ベルリプ、スイカ、チェリー)は、成立役を引き込む。
次に、中左右ベル1〜中左右ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、中左右の順でリールを停止すると、中段ベルが揃う。また、中右左ベル1〜中右左ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、中左右の順でリールを停止すると、中特殊役1〜中特殊役16が2分の1で揃う。また、右左中ベル1〜右中左ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、中左右の順でリールを停止すると、左特殊役1〜左特殊役16、右特殊役1〜右特殊役16が2分の1で揃う。また、通常リプが内部当籤役として決定した場合に、中左右の順でリールを停止すると、CUリプ1〜4が揃う。その他の役(ベルリプ、スイカ、チェリー)は、成立役を引き込む。
ここで、例えば、上記において「中右左ベル1〜中右左ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、中左右の順でリールを停止すると、中特殊役1〜中特殊役16が2分の1で揃う」と記載したが、これは、中右左ベル1〜中右左ベル6のいずれかが内部当籤役として決定し、且つ、中左右の順でリールを停止した場合に、リールの停止位置を意識しないで遊技者がリールの停止操作を行うと、「2分の1」の確率で中特殊役1〜中特殊役16のいずれかが揃うことを意味している。言い換えると、中右左ベル1〜中右左ベル6のいずれかが内部当籤役として決定し、且つ、中左右の順でリールを停止した場合に、予め規定された図柄の組み合わせの全パターンに対して、中特殊役1〜中特殊役16に対応する図柄の組み合わせのパターンが表示される確率が2分の1である。
次に、中右左ベル1〜中左右ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、中右左の順でリールを停止すると、中特殊役1〜中特殊役16が2分の1で揃う。また、中右左ベル1〜中右左ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、中右左の順でリールを停止すると、中段ベルが揃う。また、右左中ベル1〜右中左ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、中右左の順でリールを停止すると、右特殊役1〜右特殊役16が2分の1で揃う。また、通常リプが内部当籤役として決定した場合に、中右左の順でリールを停止すると、CUリプ1〜4が揃う。その他の役(ベルリプ、スイカ、チェリー)は、成立役を引き込む。
次に、中右左ベル1〜中右左ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、右左中の順でリールを停止すると、左特殊役1〜左特殊役16、中特殊役1〜中特殊役16が2分の1で揃う。また、右左中ベル1〜右左中ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、右左中の順でリールを停止すると、中段ベルが揃う。また、右中左ベル1〜右中左ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、右左中の順でリールを停止すると、右特殊役1〜右特殊役16が2分の1で揃う。また、通常リプが内部当籤役として決定した場合に、右左中の順でリールを停止すると、CUリプ1〜4が揃う。その他の役(ベルリプ、スイカ、チェリー)は、成立役を引き込む。
次に、中右左ベル1〜中右左ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、右中左の順でリールを停止すると、中特殊役1〜中特殊役16が2分の1で揃う。また、右左中ベル1〜右左中ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、右中左の順でリールを停止すると、右特殊役1〜右特殊役16が2分の1で揃う。また、右中左ベル1〜右中左ベル6のいずれかが内部当籤役として決定した場合に、右中左の順でリールを停止すると、中段ベルが揃う。また、通常リプが内部当籤役として決定した場合に、右中左の順でリールを停止すると、CUリプ1〜4が揃う。その他の役(ベルリプ、スイカ、チェリー)は、成立役を引き込む。
ここでは、中左右ベル1が内部当籤役として決定した場合の例を用いて、停止操作に応じて、どの表示役が停止表示されるかを説明する。例えば、中左右ベル1が内部当籤役として決定した場合に、左リール3Lを第一停止すると、左特殊役1、左特殊役4、左特殊役13、左特殊役16が6分の1の確率で停止表示する。また、中左右ベル1が内部当籤役として決定した場合に、中左右の順でリールを停止すると、中段ベルが停止表示する。また、中左右ベル1が内部当籤役として決定した場合に、中右左の順でリールを停止すると、中特殊役1、中特殊役4、中特殊役5、中特殊役8、中特殊役10、中特殊役11、中特殊役14、中特殊役15のいずれかが2分の1の確率で停止表示する。
また、中左右ベル1が内部当籤役として決定した場合に、右左中の順でリールを停止すると、左特殊役1、左特殊役4、左特殊役13、左特殊役16、中特殊役1、中特殊役4、中特殊役5、中特殊役8、中特殊役10、中特殊役11、中特殊役14、中特殊役15のいずれかが2分の1の確率で停止表示する。また、中左右ベル1が内部当籤役として決定した場合に、右中左の順でリールを停止すると、中特殊役1、中特殊役4、中特殊役5、中特殊役8、中特殊役10、中特殊役11、中特殊役14、中特殊役15のいずれかが2分の1の確率で停止表示する。
[内部抽籤テーブル]
図8を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。図8は、内部抽籤テーブルを示す図である。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、抽籤値とデータポインタとを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタが設けられている。また、抽籤値として、RT未作動時(RT0)の係数及び確率と、RT作動時(RT1)の係数及び内部当籤の確率とが規定されている。ここで、RT未作動時(RT0)とは、「非フラグ間」遊技状態のことであり、RT作動時(RT1)とは、「MBフラグ間」遊技状態のことである。
本実施例では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。なお、図中特に表記しない場合は、抽籤範囲は「0〜65535」、すなわち、確率分母は「65536」である。
図8に示すように、RT未作動時(RT0)、RT作動時(RT1)ともに、ベル役(中左右ベル1〜右中左ベル6のいずれかのベル役)が当籤する確率が高く、ハズレが当籤する確率は極めて低い。また、RT作動時(RT1)の場合にのみ、ベルリプが内部当籤役として規定されており、RT未作動時(RT0)よりもリプレイに当籤する確率が高くなっている。このベルリプが内部当籤し、ベルリプに対応する図柄の組合せが表示された場合には、後述するロック処理(図18参照)を行う。
また、図8に示すように、RT作動時(RT1)には、ベルリプの当籤確率(1/3.39)が、通常リプレイの当籤確率(1/7.3)よりも高く規定されている。これにより、ベルリプの表示の割合を高くしつつ通常リプレイの表示の割合を減らすことができ、単調な遊技となることを回避して興趣を向上させることが可能である。
[内部抽籤テーブル決定テーブル]
図9を参照して、メインCPU31が内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定するときに用いる内部抽籤テーブル決定テーブルについて説明する。
内部抽籤テーブル決定テーブルは、遊技状態に対応して、内部抽籤テーブルを示す情報及び抽籤回数を示す情報を規定している。
遊技状態は、内部当籤役が決定される内部抽籤処理において決定される可能性のある内部当籤役の種類、内部抽籤処理において内部当籤役が決定される確率、最大の滑り駒数、及びボーナスゲーム(ART)の作動が行われているか否か等により区別される状態である。内部抽籤テーブルは、各遊技状態で使用される内部抽籤テーブルの種別である。抽籤回数は、サンプリング回路(図示せず)により抽出された一の乱数値(抽籤用乱数値)から後述の抽籤値をメインCPU31が減算する最大の回数である。
具体的には、図9に示すように、全ての遊技状態において、抽籤回数が「29」である。また、RT0遊技状態では、RT0遊技状態用内部抽籤テーブルを使用し、RT1遊技状態では、RT1遊技状態用内部抽籤テーブルを使用する。
[表示役格納領域]
図10は、内部当籤役(当たり要求フラグ)に対応する図柄の組合せが入賞判定ライン上に表示されたことを示すデータが格納される表示役格納領域1〜表示役格納領域12を示す。内部抽籤処理において決定された内部当籤役は対応する領域に格納される。まず、図10を参照して、表示役格納領域の構成について説明する。本実施例では、表示役格納領域は、それぞれ1バイトのデータにより表される表示役格納領域1〜12で構成される。
表示役格納領域1〜12のそれぞれにおいて、所定のビットに「1」が立っているとき(格納されているとき)、その所定のビットに対応する図柄の組合せが入賞判定ライン上に表示されたことを示す。一方、全ビットが「0」であるとき、入賞に係る図柄の組合せやボーナスゲームの作動に係る図柄の組合せなどが入賞判定ライン上に表示されなかったことを示す。
[持越役格納領域]
図11は、持越役に係るデータが格納される持越役格納領域を示す。例えば、内部抽籤処理において内部当籤役としてMBが決定された場合には、持越役格納領域のビット0に「1」が格納される。ここで、持越役は、後述の内部抽籤処理において決定されたデータポインタに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されることが一又は複数のゲームにわたり許容される場合に、当該データポインタをメインCPU31が識別するために設けられた情報である。
[遊技状態フラグ格納領域]
図12は、遊技状態フラグを示すデータが格納される遊技状態フラグ格納領域を示す。遊技状態フラグの値は、メインCPU31が現在の遊技状態を識別するために用いられる。例えば、MB遊技状態である場合には、ビット0に「1」が格納され、RT0遊技状態である場合には、ビット1に「1」が格納され、RT1遊技状態である場合には、ビット2に「1」が格納される。ここで、遊技状態フラグ格納領域に格納された遊技状態フラグを示すデータに応じて、前述した図8に示す内部抽籤テーブルがメインCPU31によりセットされる。例えば、ビット1に「1」が格納された場合には、RT0用の内部抽籤テーブルがメインCPU31によりセットされる。
[押下順序格納領域]
図13は、停止操作の順序を示すデータが格納される押下順序格納領域を示す。例えば、第1停止操作に左のストップボタン7Lが操作された場合には、ビット0及び1に「1」が格納される。その後、第2停止操作として中のストップボタン7Cが操作されると、「1」が格納されているビット0及び1のうち、ビット1を「0」に更新し、ビット0を「1」のまま維持する。
[パチスロにおいて実行されるプログラムフロー]
次に、図14〜図19を参照して、主制御回路71のメインCPU31により実行されるプログラムの内容について説明する。なお、本実施形態では、いわゆるビックボーナスやレギュラーボーナスを有しないが、MBに対応する図柄組合せ「赤7−青7−チェリー2」が表示されると、いわゆるビックボーナスやレギュラーボーナスと同様に、払い出されるメダルを増加させ、遊技者の興趣を高めるART(RT4遊技状態)へ移行する。
[主制御回路のメインCPUの制御によるメインフローチャート]
図14を参照して、メインCPU31が実行する主たる処理を示したメインフローチャートについて説明する。
初めに、メインCPU31は、電源投入時の初期化処理を行い(ステップS1)、ステップS2に移る。なお、この処理では、メインCPU31は、バックアップが正常であるか否か、設定変更が適切に行われたか否かを判定し、判定結果に応じた初期化処理を行う。
続いて、メインCPU31は、一遊技終了時の初期化処理を行う(ステップS2)。例えば、メインCPU31は、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等に格納されるデータをクリアする。そして、メインCPU31は、後で図15を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(ステップS3)。
次に、メインCPU31は、抽籤用乱数値を抽出し、乱数値格納領域に格納する(ステップS4)。このステップS4の処理で抽出された抽籤用乱数値は、内部抽籤処理(後述の図16)において使用される。続いて、メインCPU31は、後で図16を参照して説明する内部抽籤処理を行う(ステップS5)。なお、この処理では、メインCPU31は、内部当籤役を決定する。
次に、メインCPU31は、内部抽籤処理の結果に基づいて、リールの停止制御に関する各情報を格納するリール停止初期設定処理(後に図17を用いて詳述)を行う(ステップS6)。この処理では、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの停止に用いる各種データを設定する。
次に、メインCPU31は、スタートコマンド送信処理を行う(ステップS7)。この処理では、メインCPU31は、スタートコマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。スタートコマンドは、遊技状態、内部当籤役等の情報を含み、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、副制御回路72は、開始操作に応じて演出を行うことができる。
続いて、メインCPU31は、ウェイト処理を行う(ステップS8)。この処理では、メインCPU31は、前回の遊技開始から所定の時間(例えば、4.1秒)経過するまで待機する。続いて、メインCPU31は、全リールの回転開始を要求する(ステップS9)。この処理では、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転の開始を要求するとともに、リール回転開始コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。
そして、メインCPU31はリール回転開始コマンドデータを、通信データ格納領域に格納する(ステップS10)。この処理では、回転中のリールの各図柄について、内部当籤役等に基づいて引込優先順位を格納する。
そして、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を行う(ステップS11)。この処理では、内部抽籤処理の結果に基づいて、回転中の各リールの図柄位置毎に、停止許可の場合には、その引込優先順位データを格納し、また、停止不許可の場合(すなわち、当籤していない役が入賞してしまう場合等)には、停止禁止を格納する。
次に、メインCPU31は、リール停止制御処理を行う(ステップS12)。この処理では、左ストップボタン7L、中ストップボタン7C及び右ストップボタン7Rがそれぞれ押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転が停止される。
続いて、メインCPU31は、入賞検索処理を行う(ステップS13)。この処理では、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの停止後に有効ラインに沿って表示された図柄組合せと図柄組合せテーブルとを照合し、有効ライン8aに表示された図柄組合せを判定し、表示役を決定して表示役格納領域に格納するとともに、メダルの払出枚数の決定を行う。また、メインCPU31は、リプレイ役が入賞したと判別した場合には、自動投入枚数カウンタに投入枚数カウンタの値を複写する自動投入要求を行う。なお、自動投入枚数カウンタは、自動的に投入するメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタであり、投入枚数カウンタは、投入されたメダルの枚数をメインCPU31が計数するために設けられたカウンタである。自動投入枚数カウンタ及び投入枚数カウンタは、メインRAM33の所定の領域に格納される。
次に、メインCPU31は、ステップS13において決定されたメダルの払出枚数に基づいてメダルを払い出す(ステップS14)。続いて、メインCPU31は、当たり信号等を、外部集中端子板(図示せず)を介してホールコンピュータ等に送信する表示コマンド送信処理を行う(ステップS15)。
次に、メインCPU31は、後で図18を参照して説明するロック処理を行う(ステップS15)。そして、メインCPU31は、遊技状態移行制御処理を行う(ステップS17)。この処理では、遊技状態の開始条件又は終了条件が充足している場合には、遊技状態を移行させる。次にステップS2の処理を行う。
[メダル受付・スタートチェック処理]
図15を参照して、投入枚数に基づいて開始操作が可能であるか否かをメインCPU31が判別する処理の手順を示したメダル受付・スタートチェック処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、自動投入カウンタの値があるか否か、すなわち、「0」であるか否かを判別する(ステップS21)。このとき、自動投入カウンタの値がある場合、すなわち「0」以外である場合には、メインCPU31は、続いて、自動投入処理を行い(ステップS22)、ステップS29に移る。具体的には、メインCPU31は、自動投入カウンタの値がある場合、すなわち、一つ前のゲームでリプレイ役が入賞した場合には、自動投入カウンタの値を投入枚数カウンタに複写する。この「リプレイ役」には、有効ライン8a上および非有効ライン上にリプレイ図柄の組み合わせが表示されることにより入賞する通常リプレイだけでなく、非有効ライン上にベルの図柄の組み合わせが表示されることにより入賞するリプレイである「ベルリプ」も含まれる。
他方、自動投入枚数カウンタの値がない、すなわち「0」である場合には、メインCPU31は、メダル受付を許可し(ステップS23)、続いて、ステップS24の処理を行う。ステップS24では、メインCPU31は、遊技状態に応じて投入枚数の最大値を設定する。本実施例では、メインCPU31は、投入枚数の最大値を「3」とセットする。
続いて、メインCPU31は、メダル受付が許可されているか否かを判別する(ステップS25)。この判別がYESのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS26の処理を行い、NOのときは、メインCPU31は、続いて、ステップS29の処理を行う。
ステップS26では、メインCPU31は、メダル投入チェック処理を行う。この処理では、メインCPU31は、メダルセンサ42Sからの入力をチェックする。続いて、メインCPU31は、メダル投入コマンド送信処理を行う(ステップS27)。この処理では、メインCPU31は、メダル投入コマンドを生成し、メインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納されたメダル投入コマンドは、後述する割込処理のコマンドデータ送信処理において副制御回路72に送信される。
続いて、メインCPU31は、投入枚数が遊技開始可能枚数であるか否かを判別する(ステップS28)。例えば、メインCPU31は、投入枚数カウンタの値が投入枚数の最大値であるか否かを判別する。このとき、投入枚数カウンタの値が投入枚数の最大値である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS29の処理を行い、最大値でない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS25の処理を行う。
ステップS29では、メインCPU31は、スタートスイッチ6Sがオンであるか否かを判別する。具体的には、メインCPU31は、スタートレバー6の操作に基づくスタートスイッチ6Sからの入力があるか否かを判別する。このとき、スタートスイッチ6
Sからの入力がある場合には、メインCPU31は、メダル受付を禁止し(ステップS30)、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。他方、スタートスイッチ6Sからの入力がない場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS25の処理を行う。
[内部抽籤処理]
図16を参照して、乱数値及び遊技状態等に基づいてメインCPU31が内部当籤役を決定する処理の手順を示した内部抽籤処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、遊技状態に応じた内部抽籤テーブルをセットする(ステップS41)。続いて、メインCPU31は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得する(ステップS42)。
次に、メインCPU31は、内部抽籤テーブルを参照して当籤番号に対応する抽籤値を取得し、乱数値から抽籤値を減算する(ステップS43)。続いて、メインCPU31は、減算結果が0以上であるか否かを判別する(ステップS44)。このとき、減算結果が0未満(負の値)である場合には、メインCPU31は、当籤番号に対応する小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得し(ステップS48)、続いて、ステップS49の処理を行う。他方、減算結果が0以上である場合には、メインCPU31は、続いて、ステップS45の処理を行う。
ステップS45では、メインCPU31は、乱数値を更新するとともに当籤番号を更新する。具体的には、メインCPU31は、乱数値をステップS43で減算した後の値に更新するとともに、未だチェックしていない当籤番号に更新する。続いて、メインCPU31は、全ての当籤番号をチェックしたか否かを判別する(ステップS46)。このとき、全ての当籤番号をチェックした場合には、メインCPU31は、データポインタに「0」をセットし(ステップS47)、ステップS49に移る。他方、全ての当籤番号をチェックしていない場合には、メインCPU31は、ステップS43に移る。
ステップS49では、メインCPU31は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(ステップS49)。続いて、メインCPU31は、取得した内部当籤役に対応する内部当籤役格納領域に格納する(ステップS50)。
次いで、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されているデータが「0」であるか否かを判別する(ステップS51)。ステップS51において、メインCPU31が、持越役格納領域に格納されているデータが「0」でないと判別したとき、メインCPU31は、後述のステップS54の処理を行う。
一方、ステップS51において、メインCPU31が、持越役格納領域に格納されているデータは「0」であると判別したとき、メインCPU31は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(ステップS52)。
次いで、メインCPU31は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(ステップS53)。次いで、メインCPU31は、持越役格納領域に格納されている内部当籤役に基づいて、内部当籤役格納領域を更新する(ステップS54)。その後、メインCPU31は、内部抽籤処理を終了する。
[リール停止初期設定処理]
図17を参照して、メインCPU31が内部抽籤処理の結果に基づいて、リールの停止制御に関する各情報を格納する処理の手順を示したリール停止初期設定処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、回胴停止用番号選択テーブルを参照し、内部当籤役等に基づいて回胴停止用番号をセットする(ステップS61)。この処理では、回胴停止用番号選択テーブルを参照し、当籤番号(小役・リプレイの当籤役)や遊技状態に応じて回胴停止用番号を選択する。なお、回胴停止用番号選択テーブルとは、データポインタに対応する回胴停止用番号に対応付けて、停止制御に用いる各種情報が規定されているテーブルである。
続いて、メインCPU31は、リール停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(ステップS62)。例えば、メインCPU31は、引込優先順位テーブル番号等を取得する。例えば、第1〜第3停止時に使用する停止テーブルの番号や制御変更処理において制御変更を行うために必要な情報(すなわち、リールが特定の順番で停止される際に、特定の位置で停止(あるいは押下)された場合に再度停止テーブルを選択しなおすために用いられる情報)等を取得する。
そして、メインCPU31は、図柄コード格納領域に回転中の識別子を格納する(ステップS63)。すなわち、メインCPU31は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットをオンにする。その後、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(ステップS64)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン7L、7C、7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM33の所定の領域に格納される。
[ロック処理]
図18を参照して、所定の条件を満たすまで操作をロック(無効化)する処理を示すロック処理について説明する。図18に示すように、最初に、メインCPU31は、ベルリプに対応する図柄の組み合わせが表示されたか否かを判別する(ステップS81)。
この結果、メインCPU31は、ベルリプが表示されなかったと判別した場合には、ロック処理を終了する。また、メインCPU31は、ベルリプが表示されたと判別した場合には、ロックを作動させ、ロックタイマをセットする(ステップS82)。例えば、メインCPU31は、ロックタイマに2秒をセットする。続いて、メインCPU31は、ロックタイマを減算し(ステップS83)、ロックタイマは「0」になったか否かを判別する(ステップS84)。ここで、ベルリプが表示された場合に、ロックを行うとともに、メダルの払出し音を出音するようにしてもよい。メダルの払出し音を出音することで、遊技者に対して、実際に小役が表示されたかのように思わせることができる。
この結果、ロックタイマが「0」になっていないと判別した場合には、メインCPU31は、ステップS83の処理に戻り、ロックタイマが「0」になるまで、ステップS83およびステップS84の処理を繰り返す。
また、ロックタイマが「0」になったと判別した場合には、メインCPU31は、ロック解除フラグをオンにする(ステップS85)。ここで、ロック解除フラグをオンにすることで、ベットボタン11のみ操作を受け付けるようにする。つまり、ロック解除フラグがオンになっている状態とは、ベットボタン11の操作を受け付けるまでは、ロックが作動した状態であるが、ベットボタン11のみが操作されることでロックを解除することができる状態である。このように、スタートレバー6やストップボタン7L、7C、7Rなどの操作を受け付けず、ベットボタン11の操作のみを受け付けてロックを解除するので、遊技者がベットボタンの操作を行った感覚を得られるようにすることができ、遊技者に対して実際に小役が入賞したかのように思わせることが可能である。
続いて、メインCPU31は、ベットボタン11が操作されたか否かを判別する(ステップS86)。そして、メインCPU31は、ベットボタン11が操作されるまで待機し、ベットボタン11が操作されたと判別されると、ロックを解除し、ロック解除フラグをオフにして(ステップS87)、ロック処理を終了する。
つまり、遊技者がベットボタン11を操作することで、遊技ロックの解除を行えるようにし、遊技ロックの解除と同時にリプレイによる自動投入を行わせることで、遊技者がベットボタン11の操作を行った感覚を得られるようにした結果、遊技者に対して実際に小役が表示されたかのように思わせることができる。また、ロックの解除条件をベットボタン11の押下操作とし、ロックの解除と同時にリプレイによる自動投入を行わせることで、遊技者はより一層自分の意思でベットボタンの操作を行った感覚を得ることができる。なお、ここでは、ロック解除フラグをオンにした後に受け付ける操作をベットボタン11の操作のみに限定したが、これに限定されるものではなく、他の操作を受け付けるようにしてもよい。
[メインCPUの制御による割込処理(1.1172msec)]
図19を参照して、メインCPU31が所定の時間(例えば、1.1172ms)毎に実行する割込の処理の手順を示したメインCPU31の制御による割込処理について説明する。
初めに、メインCPU31は、レジスタの退避を行う(ステップS251)。続いて、メインCPU31は、入力ポートチェック処理を行う(ステップS252)。この処理では、メインCPU31は、マイクロコンピュータ30へ送信される信号の有無を確認する。例えば、メインCPU31は、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S等のオンエッジ、オフエッジを割込処理毎に格納する。また、メインCPU31は、各種スイッチのオンエッジ、オフエッジの情報を含む入力状態コマンドをメインRAM33の通信データ格納領域に格納する。格納された入力状態コマンドは、後述する割込処理の通信データ送信処理において副制御回路72に送信される。これにより、スタートレバー6やストップボタン7L、7C、7Rといった操作手段を用いて各種演出を実行することができる。
続いて、メインCPU31は、タイマ更新処理を行う(ステップS253)。次に、メインCPU31は、コマンドデータ送信処理を行う(ステップS254)。この処理では、通信データ格納領域に格納されたコマンドを副制御回路72へ送信する。本実施例では、メインCPU31は、ロック演出の開始時、及び、リールのアクションが開始されるごとに、副制御回路72に対して、リールが動作するタイミングとリールの動作内容に関する情報を含むコマンドを送信する。
続いて、メインCPU31は、リール制御処理を行う(ステップS255)。例えば、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を制御する。より詳細には、メインCPU31は、リール3L、3C、3Rの回転を開始する旨の要求、すなわち、開始操作に応じて、リール3L、3C、3Rの回転を開始するとともに、一定の速度でリール3L、3C、3Rが回転するように制御を行う。また、停止操作に応じて、停止操作に対応するリール3L、3C、3Rの回転が停止するように制御を行う。
続いて、メインCPU31は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(ステップS256)。例えば、メインCPU31は、クレジットされているメダルの数、払出枚数等を各種表示部に表示する。続いて、メインCPU31は、レジスタの復帰を行い(ステップS257)、定期的に発生する割込の処理を終了する。
[副制御回路のサブCPUによって実行されるプログラムフロー]
次に、図20〜図24を参照して、副制御回路72により実行されるプログラムの内容について説明する。
[主基板通信タスク]
まず、図20を参照して、サブCPUにより行われる主基板通信タスクについて説明する。
はじめに、サブCPUは、主制御回路71から送信されたコマンドの受信チェックを行う(ステップS261)。次いで、サブCPUは、コマンドを受信した場合、受信したコマンドの種別を抽出する(ステップS262)。
次いで、サブCPUは、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(ステップS263)。ステップS263において、サブCPUが、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したとき、サブCPUは、処理をステップS261に戻し、ステップS261以降の処理を繰り返す。
一方、ステップS263において、サブCPUが、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したとき、サブCPUは、受信したコマンドに基づいて、メッセージキューにメッセージを格納する(ステップS264)。なお、メッセージキューとは、プロセス間で情報を交換するための機構である。そして、ステップS264の処理後、サブCPUは、処理をステップS261に戻し、ステップS261以降の処理を繰り返す。
[主基板通信タスク]
次に、図21を参照して、サブCPUにより行われる演出登録タスクについて説明する。はじめに、サブCPUは、メッセージキューからメッセージを取り出す(ステップS271)。次いで、サブCPUは、メッセージキューにメッセージが有るか否かを判別する(ステップS272)。ステップS272において、サブCPUが、メッセージキューにメッセージが無いと判別したとき(ステップS272がNO判定のとき)、サブCPUは、後述のステップS275の処理を行う。
一方、ステップS272において、サブCPUが、メッセージキューにメッセージが有ると判別したとき(ステップS272がYES判定のとき)、サブCPUは、メッセージから遊技情報を複写する(ステップS273)。この処理では、例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、遊技状態フラグ等の各種データがサブRAMに設けられた格納領域(不図示)に複写される。
次いで、サブCPUは、演出内容決定処理を行う(ステップS274)。この処理では、サブCPUは、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等を行う。なお、演出内容決定処理の詳細については、後述の図22を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPUは、アニメーションデータの登録を行う(ステップS275)。次いで、サブCPUは、サウンドデータの登録を行う(ステップS276)。次いで、サブCPUは、ランプデータの登録を行う(ステップS277)。なお、これらの登録処理は、ステップS274の演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。そして、ステップS277の後、サブCPUは、処理をステップS271に戻し、ステップS271以降の処理を繰り返す。
[演出内容決定処理]
次に、図22を参照して、演出登録タスクのフローチャート(図21参照)中のステップS274で行う演出内容決定処理について説明する。なお、本実施形態では、以下に説明する演出内容決定処理は副制御回路72により実行される。すなわち、本実施形態では、副制御回路72は、演出内容決定処理を実行する手段(演出内容決定手段)も兼ねる。
はじめに、サブCPUは、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS281)。
ステップS281において、サブCPUが、スタートコマンド受信時であると判別したとき(ステップS281がYES判定の場合)、サブCPUは、スタートコマンド受信時処理を行う(ステップS282)。この処理では、サブCPUは、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定して登録する。ここで、演出番号は、今回実行する演出内容を指定するデータである。なお、スタートコマンド受信時処理の詳細については、後述の図23を参照しながら後で説明する。
次いで、サブCPUは、登録されている演出番号に応じて、スタート時の演出データを登録する(ステップS283)。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。それゆえ、演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。また、この処理において、遊技者にメダルの1枚掛けを示唆するために用いられる専用ランプ(例えばWINランプ等)の点灯用フラグ(不図示:以下、専用ランプ点灯フラグという)がオンの場合、サブCPUは、その専用ランプを点灯させる。なお、ここで行うメダルの1枚掛けの示唆は、遊技状態がMBフラグ間になるようにするための報知情報である。そして、ステップS283の処理後、サブCPUは、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図21参照)のステップS275に移す。
一方、ステップS281において、サブCPUが、スタートコマンド受信時でないと判別したとき(ステップS281がNO判定の場合)、サブCPUは、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS284)。
ステップS284において、サブCPUが、リール停止コマンド受信時であると判別したとき(ステップS284がYES判定の場合)、サブCPUは、リール停止コマンド受信時処理を行う(ステップS285)。なお、リール停止コマンド受信時処理の詳細については、後述の図24を参照しながら後で説明する。次いで、サブCPUは、登録されている各演出番号及び作動ストップボタンの種別に応じて、停止時の演出データを登録する(ステップS286)。その後、サブCPUは、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図21参照)のステップS275に移す。
一方、ステップS284において、サブCPUが、リール停止コマンド受信時でないと判別したとき(ステップS284がNO判定の場合)、サブCPUは、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS287)。
ステップS287において、サブCPUが、表示コマンド受信時であると判別したとき(ステップS287がYES判定の場合)、サブCPUは、登録されている各演出番号及び表示役に応じて、表示時の演出データを登録する(ステップS288)。その後、サブCPUは、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図21参照)のステップS275に移す。
一方、ステップS287において、サブCPUが、表示コマンド受信時でないと判別したとき(ステップS287がNO判定の場合)、サブCPUは、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS289)。
ステップS289において、サブCPUが、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したとき(ステップS289がYES判定の場合)、サブCPUは、ボーナス開始用の演出データを登録する(ステップS290)。その後、サブCPUは、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図21参照)のステップS275に移す。
一方、ステップS289において、サブCPUが、ボーナス開始コマンド受信時でないと判別したとき(ステップS289がNO判定の場合)、サブCPUは、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(ステップS291)。ステップS291において、サブCPUが、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したとき(ステップS291がNO判定の場合)、サブCPUは、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図21参照)のステップS275に移す。
一方、ステップS291において、サブCPUが、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したとき(ステップS291がYES判定の場合)、サブCPUは、ボーナス終了コマンドを受信した際に行う処理(例えば、ランプ14の点灯または消灯などの処理)であるボーナス終了コマンド受信時処理を行う(ステップS292)。
次いで、サブCPUは、ボーナス終了時用の演出データを登録する(ステップS293)。なお、この処理において、遊技者に1枚掛けを示唆するために用いられる専用ランプ(例えばWINランプ等)の専用ランプ点灯フラグがオンの場合、サブCPUは、その専用ランプを点灯させる。そして、ステップS293の処理後、サブCPUは、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図21参照)のステップS275に移す。
[スタートコマンド受信時処理]
次に、図23を参照して、演出内容決定処理のフローチャート(図22参照)中のステップS282で行うスタートコマンド受信時処理について説明する。
はじめに、サブCPUは、ATカウンタが「1」以上か否かを判別する(ステップS301)。ステップS301において、サブCPUが、ATカウンタは「1」以上でないと判別したとき(ステップS301がNO判定の場合)、サブCPUは、スタートコマンド受信時処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図22参照)のステップS283に移す。
一方、ステップS301において、サブCPUが、ATカウンタは「1」以上であると判別したとき(ステップS301がYES判定の場合)、サブCPUは、ナビテーブルを参照して、内部当籤役(小役・リプレイ用データポインタ)に対応するナビ用演出番号をセットする(ステップS302)。
次いで、サブCPUは、遊技状態がMBフラグ間であるか否かを判別する(ステップS303)。ステップS303において、サブCPUが、MBフラグ間でないと判別したとき(ステップS303がNO判定の場合)、サブCPUは、スタートコマンド受信時処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図22参照)のステップS283に移す。
一方、ステップS303において、サブCPUが、MBフラグ間であると判別したとき(ステップS303がYES判定の場合)、サブCPUは、ATカウンタの数値を1減算する(ステップS304)。ここでは、ベルリプに対応する図柄の組み合わせが表示された場合であっても、ATカウンタの数値を減算しないものとする。つまり、見かけ上小役のベルリプは、あくまでリプレイであり小役ではないため、見かけ上小役のベルリプが表示された場合であっても、ARTのゲーム数を減算しないようにすることで、ARTゲーム数を適切にカウントし、遊技者に不利益を与えないようにすることが可能である。その後、サブCPUは、スタートコマンド受信時処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図22参照)のステップS283に移す。
[リール停止コマンド受信時処理]
次に、図24を参照して、演出内容決定処理のフローチャート(図22参照)中のステップS285で行うリール停止コマンド受信時処理について説明する。
はじめに、サブCPUは、ATカウンタが「0」であり、MBフラグ間であり、第1停止が左リール3Lであり、かつ、第3停止がOFFエッジである(第3停止時のストップボタンが放された)か否かを判別する(ステップS311)。ステップS311において、サブCPUが、上記条件を満たしていないと判別したとき(ステップS311がNO判定の場合)、サブCPUは、リール停止コマンド受信時処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図22参照)のステップS286に移す。
一方、ステップS311において、サブCPUが、上記条件を満たしていると判別したとき(ステップS311がYES判定の場合)、サブCPUは、AT抽籤テーブル(図示せず)を参照して、AT抽籤処理を行う(ステップS312)。
次いで、サブCPUは、AT当籤か否かを判別する(ステップS313)。ステップS313において、サブCPUが、AT当籤でないと判別したとき(ステップS313がNO判定の場合)、サブCPUは、リール停止コマンド受信時処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図22参照)のステップS286に移す。
一方、ステップS313において、サブCPUが、AT当籤であると判別したとき(ステップS313がYES判定の場合)、サブCPUは、ATカウンタの数値を「100」にセットする(ステップS314)。なお、ATカウンタにセットする数値は、「100」に限定されるものではなく、「100」より大きい数値であってもよいし、「100」未満の数値であってもよい。また、ATカウンタにセットする数値を、抽籤で毎回決定するようにしてもよい。その後、サブCPUは、リール停止コマンド受信時処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図22参照)のステップS286に移す。
[ボーナス終了コマンド受信時処理]
次に、図25を参照して、演出内容決定処理のフローチャート(図22参照)中のステップS292で行うボーナス終了コマンド受信時処理について説明する。
はじめに、サブCPUは、ATカウンタが「1」以上であり、かつ、「MB」の終了時であるか否かを判別する(ステップS321)。ステップS321において、サブCPUが、この条件を満たしていないと判別したとき(ステップS321がNO判定の場合)、サブCPUは、ボーナス終了コマンド受信時処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図22参照)のステップS293に移す。
一方、ステップS321において、サブCPUが、上記条件を満たしていると判別したとき(ステップS321がYES判定の場合)、サブCPUは、遊技者にメダルの1枚掛けを示唆するために用いられる専用ランプ(例えばWINランプ等)の専用ランプ点灯フラグをオンする(ステップS322)。その後、サブCPUは、ボーナス終了コマンド受信時処理を終了し、処理を演出内容決定処理(図22参照)のステップS293に移す。
以上、説明したように、実施例1の遊技機1では、有効ライン上および非有効ライン上にリプレイ図柄の組み合わせが表示されることにより入賞する通常リプレイと、非有効ライン上に小役の図柄の組み合わせが表示されることにより入賞するベルリプとを設け、ART中に表示される見かけ上小役のリプレイを高くすることで、通常リプレイの表示の割合を減らすことができ、単調な遊技となることを回避して興趣を向上させることが可能である。さらに、遊技者がベットボタンを操作することで、遊技ロックの解除を行えるようにし、遊技者がベットボタンの操作を行った感覚を得られるようにした結果、遊技者に対して実際に小役が表示されたかのように思わせることが可能である。
また、実施例1の遊技機1では、ベルリプは、あくまで見かけ上小役のリプレイであり小役ではないため、ベルリプが表示された場合であっても、ATカウンタを減算しないようにすることで、ATのゲーム数を適切にカウントし、遊技者に不利益を与えないようにすることが可能である。
以上、実施例について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
例えば、本実施の形態では、リール3L、3C、3Rの3つのリールを用いたパチスロ1を例にとって説明したが、リールの数は3つに限られるものではない。例えば、2つ又は4つ以上のリールを用いることとしてもよい。また、リールの数の増減に伴い、択ベル等の択数を変化させることとしてもよい。なお、択数に関しては、リールの数の増減だけでなく、リールの数と図柄の組合せにより変化させることとしてもよい。
さらに、実施例のようなパチスロ1の他、他の遊技機にも本発明を適用できる。さらに、上述のパチスロ1での動作を家庭用ゲーム機用として疑似的に実行するようなゲームプログラムにおいても、本発明を適用してゲームを実行することができる。その場合、ゲームプログラムを記録する記録媒体は、CD−ROM、FD(フレキシブルディスク)、その他任意の記録媒体を利用できる。