JP2010051508A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ウエイト時間を単なる待機するための時間ではなく、遊技者に何らかの情報を報知するための対象として活用することができる遊技機を提供する
【解決手段】 内部抽籤処理の結果に基づいて、所定の通常時間を経過時間として定める一方、内部抽籤処理の結果に基づいて、通常時間よりも長い伸長時間を経過時間として定め、一の単位遊技が開始された一のタイミングから所定の経過時間だけ経過した後に、一の単位遊技が終了して引き続いて行われる他の単位遊技の開始を許可する。
【選択図】 図1

Description

単位遊技を繰り返し行うことができる遊技機に関する。
従来から、
(1) 複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールと、
(2) 遊技メダルやコイン等(以下、メダル等)が投入され、遊技者によりスタートレバーが操作されたことを検出し、複数のリールの回転の開始を要求するスタートスイッチと、
(3) 複数のリールのそれぞれに対応して設けられたストップボタンが遊技者により押されたことを検出し、該当するリールの回転の停止を要求する信号を出力するストップスイッチと、
(4) 複数のリールのそれぞれに対応して設けられ、それぞれの駆動力を各リールに伝達するステッピングモータと、スタートスイッチ及びストップスイッチにより出力された信号に基づいて、ステッピングモータの動作を制御し、各リールの回転及びその停止を行うリール制御部と、を備え、
(5) スタートレバーが操作されたことを検出すると、乱数値に基づいて抽籤を行い、この抽籤の結果(以下、「内部当籤役」という)とストップボタンが操作されたことを検出したタイミングとに基づいてリールの回転の停止を行う、パチスロと呼ばれる遊技機が知られている。
さらに、従来から、このような遊技機は、単位遊技を繰り返し行うことができるようにされている。この遊技機は、ある一の単位遊技を開始して、この一の単位遊技が終了した後であっても、一の単位遊技が開始されてから所定の時間(以下、この時間をウエイト時間と称する。)経過した後でなければ、次の単位遊技を行うことができないようにされたものであった。このようにしたことにより、連続的に単位遊技を行う場合であっても、ウエイト時間を経過しなれば、次の単位遊技を開始することができず、遊技者が遊技に対して極めて高い興味を持つようなことがあっても、遊技媒体を過剰に投資することを防止でき、遊技を適正に進めることができる。
しかしながら、遊技者側の観点からは、効率よく遊技を進めるために、次の単位遊技を直ちに開始したい場合であっても、このウエイト時間を経過するまでは、単位遊技を開始することができず、ウエイト時間は、単なる待機するための時間にせざるを得なかった。
また、従来の遊技機として、このようなウエイト時間に単位遊技を開始するための操作があったときには、それに応じて演出を異ならしめるようにしたものがあった(例えば、特許文献1参照。)。また、ウエイト時間を予め長めに設定しておき、遊技状態に応じて、ウエイト時間を短くするようにしたものもあった(例えば、特許文献2参照。)。さらに、遊技者が、単位遊技を開始するための操作をしてから、単位遊技を終了させるための操作までの時間に応じて、ウエイト時間を長くするようにしたものもあった(例えば、特許文献3参照。)。
特開2007−252558号公報 特開2006−191974号公報 特開2008−67824号公報
上述した遊技機は、いずれもウエイト時間を変更するものであったが、遊技の進行を制御するためにウエイト時間を用いるものであり、遊技者に何らかの情報を報知するための対象としてウエイト時間を用いたものではなかった。このため、上述した従来の遊技機は、いずれもが、ウエイト時間を単なる待機するための時間として取り扱っている点に関しては変わりがなかった。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ウエイト時間を、単なる待機するための時間とするのではなく、遊技者に何らかの情報を報知するための対象として活用することができる遊技機を提供することにある。
(1) 単位遊技が繰り返し実行される遊技機であって、
一の単位遊技が開始された一のタイミング(例えば、後述するステップS7の処理でリール120L,120C、120Rを回転させ始めたタイミングや、ステップS22の処理でタイマを起動したタイミング)から所定の経過時間だけ経過した後に(例えば、後述するステップS2640の判断処理で「YES」と判別したとき)、前記一の単位遊技が終了して引き続いて行われる他の単位遊技の開始を許可する(例えば、後述するステップS7の処理でリール120L,120C、120Rを回転させる)単位遊技制御手段(例えば、後述するC1−1やメインCPU154)と、
内部抽籤処理によって単位遊技ごとに内部当籤役を決定する(例えば、後述するステップS5の内部抽籤処理)内部当籤役決定手段(例えば、後述するC1−2や主制御回路150)と、を有し、
前記単位遊技制御手段は、
前記内部抽籤処理の結果に基づいて、所定の通常時間(例えば、後述する図27の「設定経過時間」の「4.1秒」)を前記経過時間として定める(例えば、ステップS2636の処理)通常時間決定手段(例えば、後述するC1−3やメインCPU154)と、
前記内部抽籤処理の結果に基づいて、前記通常時間よりも長い伸長時間(例えば、後述する図27の「設定経過時間」の「4.5秒」や「5.0秒」や「6.0秒」や「7.0秒」や「8.0秒」や「10.0秒」)を前記経過時間として定める(例えば、ステップS2636の処理)伸長時間決定手段(例えば、後述するC1−4やメインCPU154)と、を有することを特徴とする遊技機。
上述した(1)に記載の遊技機によれば、抽籤処理の結果に基づいて、通常時間とは異なる長い伸長時間だけ経過した後に単位遊技の開始を許可されるので、単位遊技が開始するタイミングを遊技者が認識することによって、何らかの役に当籤したのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
(2) 所定の識別情報(例えば、後述する図柄など)が変動表示される(例えば、後述するステップS7の処理でリール120L,120C、120Rを回転させる)ことによって前記単位遊技の進行を示す変動表示手段(例えば、後述するC2−1やリール120L,120C、120R)を含み、
前記単位遊技制御手段(例えば、後述するC1−1やメインCPU154)は、前記単位遊技の開始を許可したこと(例えば、後述するステップS2640の判断処理で「YES」と判別したときに)に基づいて、前記変動表示手段(例えば、後述するC2−1やリール120L,120C、120R)に変動開始信号(例えば、後述するメインCPU154からモータ駆動回路180に発する信号や、モータ駆動回路180からステッピングモータ130L,130C及び130Rに信号)を供給して、前記識別情報の変動表示を開始させる(例えば、後述するステップS7の処理でリール120L,120C、120Rを回転させる)ことを特徴とする(1)に記載の遊技機。
上述した(2)に記載の遊技機によれば、単位遊技の開始のタイミングを明確に遊技者に示すことができ、単位遊技が開始するタイミングを遊技者に確実に報知することができるので、そのタイミングによって、何らかの役に当籤したのではないかという期待感を遊技者に的確に与えることができる。
(3) 遊技者が操作することができ、かつ、単位遊技を開始させるための開始操作信号(例えば、後述するスタートスイッチ172からマイクロコンピュータ152の入力ポートに供給される信号)を遊技者の操作に基づいて発する操作手段(例えば、後述するC3−1やスタートレバー110)を有し、
前記伸長時間決定手段(例えば、後述するC1−4やメインCPU154)は、前記開始操作信号(例えば、後述するスタートスイッチ172からマイクロコンピュータ152の入力ポートに供給される信号)が発せられたときに前記伸長時間を経過する以前である場合には、前記伸長時間を経過するまで待機し(例えば、後述するステップS2640の判断処理で、「NO」と判別し、ステップS2640の判断処理を繰り返す。)、前記伸長時間を経過した後に(例えば、後述するステップS2640の判断処理で、「YES」と判別した後に)単位遊技を開始する(例えば、後述するステップS7の処理でリール120L,120C、120Rを回転させる)ことを特徴とする(1)又は(2)に記載の遊技機。
上述した(3)に記載の遊技機によれば、伸長時間を経過するよりも以前であっても、操作手段C3−1を遊技者が操作さえしておけば、そのことに基づいて、伸長時間を経過した後に単位遊技が開始されるので、伸長時間を経過するよりも以前に操作した場合であっても、操作する手間を省くことができ、簡便に単位遊技を始めることができる。
(4)単位遊技が繰り返し実行される遊技機であって、
内部抽籤処理によって単位遊技ごとに内部当籤役を決定する(例えば、後述するステップS5の内部抽籤処理)内部当籤役決定手段(例えば、後述するC1−2や主制御回路150)と、
一の単位遊技が開始された一のタイミング(例えば、後述するステップS7の処理でリール120L,120C、120Rを回転させ始めたタイミングや、ステップS22の処理でタイマを起動したタイミング)から所定の経過時間だけ経過した後に(例えば、後述するステップS2640の判断処理で「YES」と判別したとき)、前記一の単位遊技が終了して引き続いて行われる他の単位遊技の開始を許可する(例えば、後述するステップS7の処理でリール120L,120C、120Rを回転させる)単位遊技制御手段(例えば、後述するC1−1やメインCPU154であって、前記内部抽籤処理の結果に基づいて、所定の通常時間(例えば、後述する図27の「設定経過時間」の「4.1秒」)を前記経過時間として定める(例えば、ステップS2636の処理)通常時間決定手段(例えば、後述するC1−3やメインCPU154)と、前記内部抽籤処理の結果に基づいて、前記通常時間よりも長い伸長時間(例えば、後述する図27の「設定経過時間」の「4.5秒」や「5.0秒」や「6.0秒」や「7.0秒」や「8.0秒」や「10.0秒」)を前記経過時間として定める(例えば、ステップS2636の処理)伸長時間決定手段(例えば、後述するC1−4やメインCPU154)と、を備える単位遊技制御手段(例えば、後述するC1−1やメインCPU154と、
単位遊技の進行に関する情報を報知する演出が行われる(例えば、後述するステップS315、S316、S317)演出実行手段(例えば、後述するC4−1や液晶表示装置210やランプ212やスピーカ214)と、
前記伸長時間決定手段(例えば、後述するC1−4やメインCPU154)によって前記伸長時間(例えば、後述する図27の「設定経過時間」の「4.5秒」や「5.0秒」や「6.0秒」や「7.0秒」や「8.0秒」や「10.0秒」)が定められた(例えば、ステップS2636の処理)ときに、前記伸長時間を示す情報(例えば、後述する残り時間)を前記演出実行手段(例えば、後述するC4−1や液晶表示装置210やランプ212やスピーカ214)から報知する(例えば、後述するステップS2716の処理)演出制御手段(例えば、後述するC4−2や副制御回路250)と、を有することを特徴とする遊技機。
上述した(4)に記載の遊技機によれば、単位遊技が開始するタイミングによって報知するだけでなく、演出実行手段C4−1によっても伸長時間に関して報知されるので、遊技に不慣れな初心者のような遊技者であっても、確実に認識することができる。
ウエイト時間を、単なる待機するための時間ではなく、遊技者に何らかの情報を報知するための対象として活用することができる。
以下に、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
[パチスロ10の機能フロー]
本発明の遊技機に係る実施の形態について、以下図面を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、本実施の形態における遊技機10(以下、パチスロ10と称する。)の機能フローについて説明する。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー110(操作手段C3−1)が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段(内部当籤役決定手段C1−2)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示を行うことを許可する図柄(識別情報)の組合せが決定される。尚、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール120L,120C及び120R(変動表示手段C2−1)の回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン112L,112C及び112Rが押されると、単位遊技制御手段C1−1は、内部当籤役とストップボタン112L,112C及び112Rが押されたタイミングとに基づいて、リール停止制御手段に対して該当するリールの回転を停止するための制御を行い、単位遊技の進行を制御する。なお、単位遊技については、後述する。
ここで、パチスロ10では、基本的に、ストップボタン112L,112C及び112Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、単位遊技制御手段C1−1による制御に応じて、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞判定ライン126a〜126eに沿って極力表示されるようにリール120L,120C又は120Rの回転を停止する。その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示されることがないようにリール120L,120C又は120Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール120L,120C及び120Rの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ10における1回の遊技として行われる。
また、パチスロ10では、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置210(演出実行手段C4−1)により行う映像の表示、各種ランプ212(演出実行手段C4−1)により行う光の出力、スピーカ214(演出実行手段C4−1)により行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
遊技者によりスタートレバー110(操作手段C3−1)が操作されると、前述の内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段(演出制御手段C4−2)は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。
演出内容が決定されると、演出実行手段C4−1は、リール120L,120C及び120Rの回転が開始されるとき、各リール120L,120C及び120Rの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。このように、パチスロ10では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る或いは予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上が図られる。
(パチスロ10の概略)
このパチスロ10(遊技機)は、投入された遊技媒体がベットされたことに基づいて単位遊技を開始する。この単位遊技が行われた結果、所定の内部抽籤役に入賞したときには、その入賞の態様に基づいて遊技媒体(例えば、上述したメダル)が払い出される遊技機である。図1に示すように、パチスロ10は、単位遊技制御手段C1−1と、内部当籤役決定手段C1−2と、通常時間決定手段C1−3と、伸長時間決定手段C1−4とを有する。
遊技媒体は、例えば、上述したメダルに相当する。この遊技媒体は、単位遊技を開始したり実行したりするためにパチスロ10に投入すべき媒体である。例えば、略円板状のコインやメダルやチップのほか、略球状の遊技球等もある。遊技媒体は、単位遊技を開始したり実行したりするためのものであればよく、具体的な物体や物品に限られず、パチスロ10とアクセスできる磁気カードのような記憶媒体に記憶された記憶媒体情報や、携帯電話のような情報端末装置に記憶された記憶媒体情報が示す値や内容でもよい。なお、このような記憶媒体情報を用いるときには、記憶媒体情報を現実の物体や物品に換算したり変換したりできるように構成するのが好ましい。
また、遊技媒体は、単位遊技を開始したり実行したりするためのものであればよく、遊技媒体が単に投入されただけでは、単位遊技が始まるわけではなく、遊技媒体が投入され、さらに、投入された遊技媒体を少なくとも一部をベットの対象とする操作(ベット操作)を経て、単位遊技が開始される。なお、後述するように、再遊技役に入賞させることができたときには、遊技媒体をベットの対象とすることなく、単位遊技を開始することができる。本実施の形態では、この一の単位遊技におけるベット操作によって、ベットの対象とされた遊技媒体の数をベット数と称する。
上述した単位遊技は、単一の行程の遊技が繰り返され得る遊技であり、一般には、遊技者によってスタートレバー110が操作されたことに基づいて開始され、ストップボタン112L,112C及び112Rが操作されたことに基づいて終了する遊技である。さらに、単位遊技の開始を、後述するベットボタン132が遊技者によって操作(ベット操作)されたことに基づいて定めてもよい。
いずれにしても、単位遊技は、遊技者の操作に基づいて開始されるものであればよい。なお、これは、遊技者の操作があったときに、単位遊技を直ちに開始することを意味するものではない。すなわち、遊技者によってスタートレバー110の操作があったタイミングや、遊技者によってベットボタン132の操作があったタイミングから、所定の時間遅延した後に、単位遊技が始まるようにすることができる。この単位遊技が実際に始まるタイミングは、後述する変動表示手段において識別情報の変動が開始されたときのタイミングにするのが好ましい。
変動表示手段において識別情報の変動を開始するタイミングは、後述する単位遊技制御手段の演算処理によって定めることができるので、制御のための計時の基準とするのに好ましい。これに対して、上述した遊技者によってスタートレバー110の操作があったタイミングや、遊技者によってベットボタン132の操作があったタイミングなどは、遊技者の意思や願望によって定めることができるタイミングであるので、制御のための計時の基準とするのは、公平の観点や的確な制御などの観点から好ましくない場合が多い。
なお、上述した変動表示手段は、例えば、後述する3つのリール120L,120C、120Rなどがある。この場合には、単位遊技の開始のタイミングを、3つのリール120L,120C、120Rが回転し始めたときのタイミングや、3つのリール120L,120C、120Rを回転制御するための信号を、モータ駆動回路180やステッピングモータ130L,130C及び130Rに発したときのタイミングにすることができる。
上述したように、パチスロ10は、単位遊技制御手段C1−1を有する。上述したように、単位遊技は、単一の行程の遊技が繰り返され得る遊技であるが、一の単位遊技が終了した後、直ちに、引き続いて行われる他の単位遊技の開始するのが好ましくない場合もある。パチスロ10は、上述したように、遊技媒体を投入することで遊技を行うことができる遊技機であるが、この遊技媒体をあまりにも短時間に過剰な量を投入するような事態は、遊技を適正に進める観点から好ましいものではない。したがって、短時間に過剰な量を投入できないようにするために、一の単位遊技が終了した後には、直ちに、引き続いて他の単位遊技を行うことができないように制御する必要が生ずる。
このために、単位遊技制御手段C1−1は、一の単位遊技(1つ前の単位遊技)が行われた後、「所定の経過時間」だけ経過してから、他の単位遊技(今回の単位遊技)の開始を許可するようにする。この他の単位遊技の開始を許可するか否かは、一の単位遊技が開始されたときのタイミングを基準にして、その時点から「所定の経過時間」だけ経過したか否かによって判断する。すなわち、一の単位遊技が開始されたときのタイミングを基準にして、「所定の経過時間」だけ経過していないときには、他の単位遊技(今回の単位遊技)の開始を許可しない。一方、一の単位遊技が開始されたときのタイミングを基準にして、「所定の経過時間」だけ経過したときには、他の単位遊技(今回の単位遊技)の開始を許可する。このようにすることで、一の単位遊技が開始されたときのタイミングと、他の単位遊技を開始することができるタイミングと時間の差を、少なくとも「所定の経過時間」以上にすることができる。
なお、上述したように、単位遊技は、遊技者によってスタートレバー110が操作されたことに基づいて開始される。したがって、一の単位遊技が開始されたときのタイミングから「所定の経過時間」だけ経過した場合であっても、遊技者によってスタートレバー110が操作されていなければ、他の単位遊技は開始されない。このため、「所定の経過時間」だけ経過したときには、他の単位遊技を開始してもよい状態、すなわち「許可」された状態になる。
このため、「所定の経過時間」だけ経過していない場合には、単位遊技の開始が許可されていない状態(不許可状態)であるので、遊技者の操作があっても単位遊技が開始されることはない。一方、「所定の経過時間」だけ経過していない場合には、単位遊技の開始が許可された状態(許可状態)であるので、遊技者の操作があれば単位遊技を開始することができることになる。
さらに、パチスロ10は、内部抽籤手段C1−2(内部当籤役決定手段)を有する。内部抽籤手段C1−2は、乱数値を抽出し、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部抽籤手段C1−2は、内部抽籤役を内部抽籤処理によって、単位遊技ごとに決定する。
上述した単位遊技制御手段C1−1は、通常時間決定手段C1−3と伸長時間決定手段C1−4を有する。
通常時間決定手段C1−3は、内部抽籤処理の結果に基づいて、所定の通常時間を経過時間として定める。この所定の通常時間は、遊技を適正に進める観点から定められた最も短い時間(許容最短時間)、例えば、4.1秒にするのが好ましい。この通常時間決定手段C1−3によって、所定の通常時間を経過時間として定められた場合には、単位遊技制御手段C1−1は、一の単位遊技が開始されたときのタイミングを基準にして、「通常時間」(所定の経過時間)だけ経過していないときには、他の単位遊技(今回の単位遊技)の開始を許可せず、「通常時間」(所定の経過時間)を経過したときには、他の単位遊技(今回の単位遊技)の開始を許可する。
一方、伸長時間決定手段C1−4は、内部抽籤処理の結果に基づいて、通常時間よりも長い伸長時間を経過時間として定める。この伸長時間は、通常時間よりも長い時間であればよい。上述したように、通常時間を許容最短時間(例えば、4.1秒)にしたときには、伸長時間は、この許容最短時間(例えば、4.1秒)よりも長い時間であればよい。この伸長時間決定手段C1−4によって、所定の伸長時間を経過時間として定められた場合には、単位遊技制御手段C1−1は、一の単位遊技が開始されたときのタイミングを基準にして、「伸長時間」(所定の経過時間)だけ経過していないときには、他の単位遊技(今回の単位遊技)の開始を許可せず、「伸長時間」(所定の経過時間)を経過したときには、他の単位遊技(今回の単位遊技)の開始を許可する。
このように構成したことによって、抽籤処理の結果に基づいて、通常時間とは異なる長い伸長時間だけ経過した後に単位遊技の開始が許可されるので、単位遊技が開始されるタイミングを遊技者が認識することによって、何らかの役に当籤したのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
さらに、パチスロ10は、変動表示手段C2−1を有する。変動表示手段C2−1は、所定の識別情報が変動表示されるものであり、所定の識別情報を変動表示させることによって、単位遊技の進行を示すものである。例えば、変動表示手段C2−1は、3つのリール120L,120C、120Rにするのが好ましい。この3つのリール120L,120C、120Rの各々には、「所定の識別情報」として図柄が、複数個、付されている。
単位遊技制御手段C1−1は、単位遊技の開始を許可したことに基づいて、変動表示手段C2−1に変動開始信号を供給して、識別情報の変動表示を開始させる。上述したように、単位遊技の開始が許可されただけでは、単位遊技は開始されない。単位遊技を実際に開始するためには、単位遊技の開始が許可されたことと、遊技者による操作があったこととの双方の条件が必要である。「単位遊技の開始を許可したことに基づいて」とは、満たすべき2つの条件のうち、少なくとも一方の条件は満たすことになったことを意味する。
変動表示手段C2−1として、3つのリール120L,120C、120Rである場合には、単位遊技制御手段C1−1は、単位遊技の開始を許可したことに基づいて、3つのリール120L,120C、120Rの回転を始めるように制御する。このようにすることで、単位遊技を開始することができる。
このようにしたことにより、単位遊技の開始のタイミングを明確に遊技者に示すことができ、単位遊技が開始するタイミングを遊技者に確実に報知することができ、そのタイミングによって、何らかの役に当籤したのではないかという期待感を遊技者に的確に与えることができる。
さらにまた、パチスロ10は、操作手段C3−1を有する。操作手段C3−1は、遊技者が操作することができるものである。さらに、この操作手段C3−1は、単位遊技を開始させるための開始操作信号を遊技者の操作に基づいて発するものである。操作手段C3−1から発せられた開始操作信号は、単位遊技制御手段C1−1に供給される。
伸長時間決定手段C1−4は、操作手段C3−1から発せられた開始操作信号が、単位遊技制御手段C1−1に供給された時点が、伸長時間を経過するよりも以前である場合には、伸長時間を経過するまで待機する。その後、伸長時間を経過した後に単位遊技を開始する。
このようにしたことで、伸長時間を経過するよりも以前であっても、操作手段C3−1を遊技者が操作さえしておけば、そのことに基づいて、伸長時間を経過した後に単位遊技が開始されるので、伸長時間を経過するよりも以前に操作した場合であっても、操作する手間を省くことができ、簡便に単位遊技を始めることができる。
また、パチスロ10は、演出実行手段C4−1と演出制御手段C4−2と、を有する。演出実行手段C4−1は、単位遊技の進行に関する情報を報知する演出を行う。演出制御手段C4−2は、伸長時間が定められたときには、伸長時間を示す情報を演出実行手段C4−1から報知する。このようにすることで、単位遊技が開始するタイミングによって報知するだけでなく、演出実行手段C4−1によっても伸長時間に関して報知されるので、遊技に不慣れな初心者のような遊技者であっても、確実に認識することができる。
また、伸長時間は、通常時間(例えば、後述する図27の「4.1秒」)よりも長い少なくとも1つの短伸長時間(例えば、後述する図27の「4.5秒」や「5.0秒」や「6.0秒」)と、短伸長時間よりも長い少なくとも1つの長伸長時間(例えば、後述する図27の「7.0秒」や「8.0秒」や「10.0秒」)と、からなり、
内部当籤役は、遊技者に与える利益が異なる複数の当籤役からなり、
遊技者に与える利益が高い当籤役に当籤したときには、伸長時間決定手段が長伸長時間を選択し、
遊技者に与える利益が低い当籤役に当籤したときには、伸長時間決定手段が短伸長時間を選択し、
内部抽籤処理の結果がハズレのときには、通常時間決定手段が通常時間を選択するのが好ましい。
このようにすることで、遊技者に与える利益が高い当籤役に当籤したことを明確に遊技者に示すことができる。また、内部抽籤処理の結果がハズレのときには、最も短い通常時間が選択されるので、次の単位遊技を短時間で順次開始することができ、内部抽籤処理によって当籤する機会を早めることができる。このように、次の単位遊技を短時間で順次開始するようにすることで、パチスロ10で消費するメダルなどの遊技媒体の数を減らすことなく、維持することができるので、遊技店における遊技媒体への交換量を充分に確保できるパチスロ10を提供することができる。
さらに、遊技者に与える利益が高い当籤役であって当籤したことを持越すことができる当籤役に当籤したときであり、その当籤役に入賞させることができない単位遊技の回数が所定回数以上になったときには、伸長時間決定手段が長伸長時間を選択するようにするのが好ましい。
当籤したことを持越すことができる当籤役に当籤したときに、直ちに、長伸長時間を選択した場合には、熟練した遊技者は、その当籤役に早めに入賞させることができる。しかしながら、持越すことができる当籤役に当籤した場合であっても、初心者などの遊技に不慣れな遊技者のときには、持ち越していることすら識別できず、入賞させることがなかなかできない場合があるので、長伸長時間を選択して報知することで、持越すことができる当籤役に当籤したことを認識させやすくできる。このようにすることで、遊技に不慣れな遊技者であっても安心して楽しめる遊技機を提供することができる。
さらにまた、一の単位遊技を開始するためのベット数に基づいて、経過時間を変更するものが好ましい(例えば、後述するステップS2616の判断処理)。具体的には、一の単位遊技を開始するためのベット数が少ないときには、経過時間として、通常時間又は短伸長時間を選択し、一の単位遊技を開始するためのベット数が少ないときには、経過時間として、長伸長時間を選択する。
一の単位遊技を開始するためのベット数が少ないときには、遊技媒体の消費量が減るので、短時間で少しでも多くの単位遊技を行うことができるように、経過時間として通常時間又は短伸長時間を選択するのが好ましい。一方、一の単位遊技を開始するためのベット数が多いときには、遊技媒体の消費量をある程度維持できるので、経過時間として長伸長時間を選択することができる。
さらに、所定に時間内にベットされたベット数を累積した累積ベット数に基づいて、経過時間を変更するものが好ましい(例えば、後述するステップS2610の判断処理)。この場合にも、累積ベット数が所定数以下であるときには、経過時間として、通常時間又は短伸長時間を選択するのが好ましい。このように、ある程度長い時間に亘って、ベット数が少ないときには、遊技媒体の消費量が減ってしまうので、遊技店における遊技媒体への交換量を確保するために、短時間で少しでも多くの単位遊技を行うことができるように、経過時間として通常時間又は短伸長時間を選択するのが好ましい。
また、一の単位遊技が開始された一のタイミングから所定の経過時間だけ経過するまでの間に、遊技者の操作があったとき(例えば、後述するステップS2644の判断処理で「YES」と判別したとき)には、直ちに、引き続いて行われる他の単位遊技の開始する(例えば、後述する図26のサブルーチンを終了する)のが好ましい。このようにすることで、所定の経過時間だけ経過するまで待機する待機状態を中止したり解除したりすることで、直ちに次の単位遊技を開始することができる。このように、所定の経過時間だけ経過するまでの待機状態を中止したり解除したりできるようにすることで、次々と単位遊技を開始することができる。このため、所定の経過時間による報知に頼ることなく遊技を進めることができる熟練者などの遊技者は、遊技を円滑に進めて楽しむことができるので、熟練者などの遊技者にも対応したパチスロ10を提供することができる。また、所定の経過時間だけ経過するまでの待機状態を中止するので、遊技媒体の消費量を維持でき、遊技店における遊技媒体への交換量を確保することができるパチスロ10としても提供することができる。なお、所定の経過時間だけ経過するまでの待機状態を中止する場合であっても、上述した最も短い許容最短時間、例えば4.1秒を少なくとも経過した後に、待機状態を中止させるようにするのが好ましい。遊技を適正に進める観点から好ましいからである。
[パチスロ10の構造]
パチスロ10の機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ10の構造について説明する。
<パチスロ10の外部構造>
図2は、本実施の形態におけるパチスロ10の外部構造を示す。
(リール120L,120C及び120Rと表示窓122L、122C及び122R)
パチスロ10は、リール120L,120C及び120Rや主制御回路150や副制御回路250等を収容するキャビネット20と、キャビネット20に対して開閉可能に取り付けられるフロントドア30とを備える。キャビネット20の内部には、3つのリール120L,120C及び120Rが横並びに設けられている。各リール120L,120C及び120Rは、円筒状のフレームの周面に、複数の図柄(例えば21個)が回転方向に沿って連続的に配された帯状のシートを貼り付けて構成されている。
フロントドア30の中央には、液晶表示装置210が設けられている。液晶表示装置210は、図柄表示領域122L、122C及び122Rを含む表示画面124を備え、正面から見て3つのリール120L,120C及び120Rに重畳する手前側に位置するように設けられている。図柄表示領域122L、122C及び122Rは、3つのリール120L,120C及び120Rのそれぞれに対応して設けられており、その背後に設けられたリール120L,120C及び120Rを透過することが可能な構成を備えている。
つまり、図柄表示領域122L、122C及び122Rは、表示窓としての機能を果たすものであり、その背後に設けられたリール120L,120C及び120Rの回転及びその停止の動作が遊技者側から視認可能となる。また、本実施の形態では、図柄表示領域122L、122C及び122Rを含めた表示画面124の全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
図柄表示領域122L、122C及び122R(以下、表示窓122L、122C及び122Rと称する。)は、その背後に設けられたリール120L,120C及び120Rの回転が停止されたとき、リール120L,120C及び120Rの表面に配された複数種類の図柄のうち、その枠内における上段、中段及び下段の各領域にそれぞれ1個の図柄(合計で3個)を表示する。また、各表示窓122L、122C及び122Rが有する上段、中段及び下段からなる3つの領域のうち予め定められた何れかをそれぞれ組合せてなる擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行う対象となるライン126(入賞判定ライン126a〜126e)として定義する。
本実施の形態では、各表示窓122L、122C及び122Rの上段を組合せてなるトップライン126a、各表示窓122L、122C及び122Rの中段を組合せてなるセンターライン126b、各表示窓122L、122C及び122Rの下段を組合せてなるボトムライン126c、左表示窓122Lの上段、中表示窓122Cの中段及び右表示窓122Rの下段を組合せてなるクロスダウンライン126d、左表示窓122Lの下段、中表示窓122Cの中段及び右表示窓122Rの上段を組合せてなるクロスアップライン126eの5つを入賞判定ライン126として設けている。
(操作装置)
フロントドア30には、遊技者による操作の対象となる各種装置が設けられている。メダル投入口40は、遊技者によって外部から投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口40に受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入されることとなり、所定枚数を超えた分はパチスロ10の内部に預けることが可能となる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン132は、パチスロ10の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン134は、パチスロ10の内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー110は、全てのリール120L,120C及び120Rの回転を開始するために設けられる。ストップボタン112L,112C及び112Rは、3つのリール120L,120C及び120Rのそれぞれに対応づけられ、対応するリールの回転を停止するために設けられる。
(その他装置)
7セグ表示器114は、7セグメントLEDからなり、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロの10の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報を遊技者に対してデジタル表示する。
ランプ(LED等)212は、演出内容に応じた点消灯のパターンにて光を出力する。スピーカ214は、演出内容に応じた効果音や楽曲等の音を出力する。メダル払出口42は、後述のメダル払出装置46の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル払出口42から排出されたメダルは、メダル受皿44に貯められる。
<パチスロ10の内部構造>
図3は、本実施の形態におけるパチスロ10の内部構造を示す。フロントドア30が開放され、フロントドア30の裏面側の構造及びキャビネット20の内部の構造が現れた状態が示されている。
キャビネット20の内部の上方には、主制御回路150を構成する基板(以下、主基板150と称する。)が設けられている。主制御回路150は、内部当籤役の決定、リール120L,120C及び120Rの回転及び停止、入賞の有無の判定といった、パチスロ10における遊技の主な流れを制御する回路である。主制御回路150の具体的な構成は後述する。
キャビネット20の内部の中央には、3つのリール120L,120C及び120Rが設けられている。各リール120L,120C及び120Rのそれぞれには、所定の減速比をもったギアを介してステッピングモータ130L,130C及び130Rが接続されている。
3つのリール120L,120C及び120Rの左側には、副制御回路250を構成する基板(以下、副基板250と称する。)が設けられている。副制御回路250は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。副制御回路250の具体的な構成は後述する。
キャビネット20の内部の下方には、多量のメダルを収容可能で、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置46(以下、ホッパー46と称する。)が設けられている。ホッパー46の左側には、パチスロ10が有する各装置に対して必要な電力を供給するための電源装置50が設けられている。
フロントドア30の裏側の中央で、表示窓122L、122C及び122Rの下方には、セレクタ48が設けられている。セレクタ48は、材質や形状等が適正であるメダルか否かを選別する装置であり、メダル投入口40に受け入れられた適正なメダルをホッパー46へ案内する。尚、セレクタ48内においてメダルが通過する経路上には、後述のメダルセンサ174が設けられており、適正なメダルが通過したことを検出する。
[パチスロ10が備える回路の構成]
パチスロ10の構造についての説明は以上である。次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ10が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ10は、主制御回路150、副制御回路250及びこれらと電気的に接続する周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御回路150>
図4は、本実施の形態におけるパチスロ10の主制御回路150の構成を示す。
(マイクロコンピュータ152)
主制御回路150は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ152を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ152は、CPU154(以下、メインCPU154と称する。)、ROM156(以下、メインROM156と称する。)及びRAM158(以下、メインRAM158と称する。)により構成される。
メインROM156には、メインCPU154により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路250に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM158には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられる。
(乱数発生器等)
メインCPU154には、クロックパルス発生回路160、分周器162、乱数発生器164及びサンプリング回路166が接続されている。クロックパルス発生回路160及び分周器162は、クロックパルスを発生させる。メインCPU154は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器164は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路166は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
(スイッチ等)
マイクロコンピュータ152の入力ポート(図示せず)には、スタートスイッチ172やストップスイッチ170L、170C及び170R等が接続されている。メインCPU154は、スタートスイッチ172やストップスイッチ170L、170C及び170R等の入力を受けて、ステッピングモータ130L,130C及び130R等の周辺装置の動作を制御する。ストップスイッチ170L、170C及び170Rは、3つのストップボタン112L,112C及び112Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。また、スタートスイッチ172は、スタートレバー110が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。
メダルセンサ174は、メダル投入口40に受け入れられたメダルが前述のセレクタ48内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ176は、ベットボタン132が遊技者により押されたことを検出する。また、精算スイッチ178は、精算ボタン134が遊技者により押されたことを検出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ152により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ130L,130C及び130R、7セグ表示器114及びホッパー46がある。また、マイクロコンピュータ152の出力ポート(図示せず)には、各周辺装置の動作を制御するための回路が接続されている。
モータ駆動回路180は、各リール120L,120C及び120Rに対応して設けられたステッピングモータ130L,130C及び130Rの駆動を制御する。リール位置検出回路182は、発光部と受光部とを有する光センサ(図示せず)により、リール120L,120C及び120Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール120L,120C及び120Rに応じて検出する。
ステッピングモータ130L,130C及び130Rは、移動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ130L,130C及び130Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール120L,120C及び120Rに伝達される。ステッピングモータ130L,130C及び130Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール120L,120C及び120Rは一定の角度で回転する。
メインCPU154は、リールインデックス(図示せず)を検出してからステッピングモータ130L,130C及び130Rに対してパルスを出力した回数をカウントすることによって、リール120L,120C及び120Rの回転角度(主に、リール120L,120C及び120Rが図柄何個分だけ回転したか)を管理し、リール120L,120C及び120Rの表面に配された各図柄の位置を管理するようにしている。
表示部駆動回路184は、7セグ表示器114の動作を制御する。また、ホッパー駆動回路186は、ホッパー46の動作を制御する。また、払出完了信号回路188は、ホッパー46に設けられたメダル検出部190が行うメダルの検出を管理し、ホッパー46から外部に排出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
なお、本実施の形態では、遊技者がスタートレバー110を操作したときを単位遊技の開始の基準にしたが、その他に、ベットボタン132が遊技者によって操作されてベットスイッチ176から検出信号が発せられたときを単位遊技の開始の基準にしてもよい。このように、単位遊技の開始の基準は、遊技が進んでいるか否かを判断できるような信号の有無を検出することによって定めればよい。
<副制御回路250>
図5は、本実施の形態におけるパチスロ10の副制御回路250の構成を示す。
副制御回路250は、主制御回路150と電気的に接続されており、主制御回路150から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路250は、基本的に、CPU252(以下、サブCPU252と称する。)、ROM254(以下、サブROM254と称する。)、RAM256(以下、サブRAM256と称する。)、レンダリングプロセッサ258、描画用RAM260、ドライバ262、DSP264(デジタルシグナルプロセッサ)、オーディオRAM266及びA/D変換器268及びアンプ270を含んで構成されている。
サブCPU252は、主制御回路150から送信されたコマンドに応じて、サブROM254に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。サブRAM256は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路150から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM254は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU252が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御回路150との通信を制御するための主基板通信タスクや、演出用乱数値を抽出し、演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置210による映像の表示を制御する描画制御タスク、ランプ212による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ214による音の出力を制御する音声制御タスク等が含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等が含まれている。
また、副制御回路250には、その動作が制御される周辺装置として、液晶表示装置210、スピーカ214及びランプ212が接続されている。
サブCPU252、レンダリングプロセッサ258、描画用RAM260(フレームバッファを含む)及びドライバ262は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、作成した映像を液晶表示装置210により表示する。
また、サブCPU252、DSP264、オーディオRAM266、A/D変換器268及びアンプ270は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ214により出力する。また、サブCPU252は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ212の点灯及び消灯を行う。
[メインROM156に記憶されているデータテーブルの構成]
パチスロ10が備える回路の構成についての説明は以上である。次に、図6〜図12を参照して、メインROM156に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
[図柄配置テーブル]
図6を参照して、図柄配置テーブルについて説明する。図柄配置テーブルは、各リール120L,120C及び120Rの回転方向における各図柄の位置と、各位置に配された図柄の種類を特定するデータ(以下、図柄コード)とを規定している。
図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓122L、122C及び122Rの中段に存在する図柄の位置を「0」として、リール120L,120C及び120Rの回転方向に進む順に、各図柄の位置に対して「0」〜「20」をそれぞれ割り当てている。したがって、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたかを管理しつつ、図柄配置テーブルを参照することによって、主として表示窓122L、122C及び122Rの中段に存在する図柄の位置及びその図柄の種類を常に管理することが可能となっている。
[図柄組合せテーブル]
図7を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。本実施の形態では、入賞判定ラインに沿って各リール120L,120C及び120Rにより表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合に、入賞と判定され、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動といった特典が遊技者に対して与えられる。
図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せと、表示役と、払出枚数とを規定している。表示役は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するデータである。
表示役は、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。例えば、各リール120L,120C及び120Rの図柄「ベル」が入賞判定ラインに沿って表示されたとき、表示役として「ベル(00000010)」が決定される。
また、払出枚数として1以上の数値が決定された場合、メダルの払い出しが行われる。本実施の形態では、表示役としてチェリー、ベル又はスイカが決定されたときメダルの払い出しが行われる。また、払出枚数は、投入枚数に応じて規定されており、基本的に投入枚数が少ないときの方がより多くの払出枚数が決定される。
また、表示役としてリプレイが決定されたとき、再遊技の作動が行われる。表示役としてBBが決定されたとき、ボーナスの作動が行われる。尚、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの何れとも一致しない場合には、いわゆる「ハズレ」となる。
[ボーナス作動時テーブル]
図8を参照して、ボーナス作動時テーブルについて説明する。ボーナス作動時テーブルは、ボーナスの作動が行われるときに、メインRAM158に設けられた各種格納領域に格納するデータを規定している。
作動中フラグは、作動が行われるボーナスの種類を識別するためのデータである。本実施の形態では、ボーナスの種類としてBB(第1種特別役物に係る役物連続作動装置)及びRB(第1種特別役物)を設けている。RBの作動は、BBの作動が行われている間、連続的に行われる。
BBの作動は、規定枚数に達するメダルの払い出しが行われた場合に終了する。RBの作動は、規定回数に達する遊技が行われた場合、規定回数に達する入賞が有った場合、又は、BBの作動が終了した場合の何れかによって終了する。ボーナス終了枚数カウンタ、遊技可能回数カウンタ及び入賞可能回数カウンタは、ボーナスの終了契機となる上記規定枚数或いは上記規定回数に達したか否かを管理するためのデータである。
より具体的には、ボーナス作動時テーブルにより規定されている数値が上記各カウンタに格納され、ボーナスの作動を通じてその減算が行われていく。その結果、各カウンタの値が「0」に更新されたことを条件に該当ボーナスの作動が終了する。
[内部抽籤テーブル]・[内部当籤役決定テーブル]
[内部抽籤テーブル]
図9及び図10を参照して、内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、当籤番号に応じて、データポインタと抽籤値とを規定している。データポインタは、内部抽籤テーブルを参照して行う抽籤の結果として取得されるデータであり、後述の内部当籤役決定テーブルにより規定されている内部当籤役を指定するためのデータである。データポインタには、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタが設けられている。
本実施の形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられたデータ(つまり、データポインタ)が決定される確率が高い。尚、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
図9は、一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す。図10は、RB作動中用内部抽籤テーブルを示す。本実施の形態では、ボーナスの作動が行われているか否かといった状況に応じて、複数種類の内部抽籤テーブルを使い分けることにより、決定される内部当籤役の種類や当籤確率を変動させ、この結果、遊技者が抱く期待に起伏が生じるようにしている。
[内部当籤役決定テーブル]
図11及び図12を参照して、内部当籤役決定テーブルについて説明する。内部当籤役決定テーブルは、データポインタに応じて内部当籤役を規定している。データポインタが決定されると、内部当籤役が一義的に取得される構成となっている。
内部当籤役は、入賞判定ラインに沿って表示を許可する各リール120L,120C及び120Rの図柄の組合せを識別するデータである。内部当籤役は、表示役と同様に、各ビットに対して固有の図柄の組合せが割り当てられた1バイトのデータとして表される。尚、データポインタが「0」のとき、内部当籤役の内容は「ハズレ」となるが、これは前述の図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せの表示が何れも許可されないことを示す。
図11は、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す。小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルは、メダルの払い出しに係る内部当籤役又は再遊技の作動に係る内部当籤役を規定している。図12は、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す。ボーナス用内部当籤役決定テーブルは、ボーナスの作動に係る内部当籤役を規定している。
[メインRAM158に設けられる格納領域の構成]
メインROM156に記憶されているデータテーブルの内容についての説明は以上である。次に、図13〜図15を参照して、メインRAM158に設けられている各種格納領域の構成について説明する。
[内部当籤役格納領域]・[持越役格納領域]
[内部当籤役格納領域]
図13を参照して、内部当籤役格納領域の構成について説明する。内部当籤役格納領域は、前述の1バイトのデータにより表される内部当籤役を格納する。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せの表示が許可される。尚、全ビットが「0」であるとき、その内容はハズレとなる。
尚、メインRAM158には、前述の表示役が格納される表示役格納領域が設けられている。表示役格納領域の構成は、内部当籤役格納領域の構成と同様となっている。ビットに「1」が立っているとき、該当する図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されたことになる。
[持越役格納領域]
図14を参照して、持越役格納領域の構成について説明する。
前述の抽籤の結果、ボーナスの作動に係る内部当籤役が決定されたときは、これが持越役格納領域に格納される。持越役格納領域に格納されたボーナスの作動に係る内部当籤役(以下、持越役)は、対応する図柄の組合せが入賞判定ラインに表示されるまで、その内容がクリアされずに保持される構成となっている。そして、持越役格納領域に持越役が格納されている間は、前述の抽籤の結果にかかわらず、これが内部当籤役格納領域に格納される。
[作動中フラグ格納領域]
図15を参照して、作動中フラグ格納領域の構成について説明する。
作動中フラグ格納領域は、1バイトからなる作動中フラグを格納する。作動中フラグは、各ビットに対して固有のボーナスが割り当てられている。ビットに「1」が立っているとき、該当するボーナスの作動が行われている。尚、全ビットが「0」であるときの状態を一般遊技状態と定義する。
[パチスロ10において実行されるプログラムフロー]
メインRAM158に設けられる各種格納領域の構成についての説明は以上である。次に、図16〜図22を参照して、主制御回路150のメインCPU154により実行されるプログラムの内容について説明する。
[主制御回路150のメインCPU154の制御によるメインフローチャート]
まず、図16を参照して、メインCPU154の制御によるメインフローチャートについて説明する。パチスロ10に電源が投入されると、はじめに、メインCPU154は、初期化処理を行う(S1)。次に、メインCPU154は、メインRAM158における指定格納領域のクリアを行う(S2)。例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域等、1回の遊技ごとに消去が必要となる格納領域に格納されたデータがクリアされる。
次に、メインCPU154は、後で図17を参照して説明するメダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ174やスタートスイッチ172の入力のチェック等が行われる。
次に、メインCPU154は、乱数値を抽出し、メインRAM158に設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。次に、メインCPU154は、後で図18を参照して説明する内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。次に、メインCPU154は、スタートコマンドを副制御回路250に対して送信する(S6)。スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPU154は、後述する図26に示す経過時間メイン演出処理のサブルーチンを呼び出して実行する(S21)。このサブルーチンを実行することによって、経過時間、いわゆるウエイト時間によって遊技に関する情報を遊技者に報知する処理を行うことができる。
次に、メインCPU154は、全リール120L,120C及び120Rの回転開始を要求する(S7)。尚、全リール120L,120C及び120Rの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される割込処理(後述の図22)によってステッピングモータ130L,130C及び130Rの駆動が制御され、各リール120L,120C及び120Rの回転が開始される。
次に、メインCPU154は、後述する図26の処理で用いるタイマ値のためにタイマを起動する(S22)。このタイミングでタイマを起動することによって、3つのリール120L,120C及び120Rを回転させ始めたときを、経過時間の判断処理の基準にすることができる。このS22で起動したタイマが示すタイマ値が、3つのリール120L,120C及び120Rを回転させ始めたときを基準にして計時した現実の経過時間(後述するように、この時間を計時経過時間と称する。)を示す。
なお、上述したステップS22の処理で起動するタイマは、主制御回路150のメインRAM158の所定の領域に記憶されているカウンタの値を、主制御回路150のメインCPU154のタイマ割り込み処理の一定の周期で、順次減算していくことで構成されるソフトウエアによるものであるが、これに限られず、ハードウエアによって構成されるタイマを主制御回路150に電気的に接続して用いてもよい。
次に、メインCPU154は、後で図19を参照して説明するリール停止制御処理を行う(S8)。この処理では、ストップスイッチ170L、170C及び170Rの入力のチェックが行われ、ストップボタン112L,112C及び112Rが押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当リールの回転が停止される。
次に、メインCPU154は、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示された図柄の組合せを検索し、その結果に基づいて払出枚数等を決定する(S9)。検索の結果、入賞判定ライン126a〜126eに沿って表示された図柄の組合せが図柄組合せテーブルにより規定されている図柄の組合せと一致する場合、対応する表示役及び払出枚数が決定される。次に、メインCPU154は、表示コマンドを副制御回路250に対して送信する(S10)。表示コマンドは、表示役や払出枚数等を特定するパラメータを含んで構成される。
次に、メインCPU154は、メダル払出処理を行う(S11)。決定された払出枚数に基づいて、ホッパー46の駆動やクレジット枚数の更新が行われる。次に、メインCPU154は、払出枚数に基づいて、ボーナス終了枚数カウンタを更新する(S12)。払出枚数として決定された数値がボーナス終了枚数カウンタから減算される。
次に、メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S13)。メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、後で図21を参照して説明するボーナス終了チェック処理を行う(S14)。ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスの作動を終了するか否かがチェックされる。
メインCPU154は、S14の後、又は、S13においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、後で図20を参照して説明するボーナス作動チェック処理を行う(S15)。ボーナスの作動を開始するか否かがチェックされる。この処理が終了すると、S2に移る。
[メダル受付・スタートチェック処理]
次に、図17を参照して、メダル受付・スタートチェック処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、自動投入カウンタが0であるか否かを判別する(S31)。自動投入カウンタが0であると判別したときには、メダル通過許可を行う(S32)。セレクタ48のソレノイド(図示せず)の駆動が行われ、セレクタ48内のメダルの通過が促される。
メインCPU154は、自動投入カウンタは0ではないと判別したときには、自動投入カウンタを投入枚数カウンタに複写する(S33)。次に、メインCPU154は、自動投入カウンタをクリアする(S34)。S33及びS34は再遊技を行うための処理である。
メインCPU154は、S32又はS34の後で、投入枚数カウンタの最大値として3をセットする(S35)。次に、メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S36)。メインCPU154は、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したときには、投入枚数カウンタの最大値を変更する(S37)。例えば、最大値が2に変更される。
メインCPU154は、S37の後、又は、S36においてボーナス作動中フラグがオンではないと判別したときには、メダルの通過は検出されたか否かを判別する(S38)。メインCPU154は、メダルの通過は検出されたと判別したときには、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S39)。メインCPU154は、投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、投入枚数カウンタを1加算する(S40)。次に、メインCPU154は、有効ラインカウンタに5を格納する(S41)。次に、メインCPU154は、メダル投入コマンドを副制御回路250に対して送信する(S42)。メダル投入コマンドは、投入枚数等を特定するためのパラメータを含んで構成されている。
メインCPU154は、S39において投入枚数カウンタは最大値であると判別したときには、クレジットカウンタを1加算する(S43)。メインCPU154は、S43の後、S42の後、又は、S38においてメダルの通過が検出されていないと判別したときには、ベットスイッチ176のチェックを行う(S44)。ベットボタン132に対応する数値が投入枚数カウンタに加算される一方でクレジットカウンタから減算される。
次に、メインCPU154は、投入枚数カウンタは最大値に達したか否かを判別する(S45)。投入枚数カウンタは最大値に達していないと判別したときには、S38に移る一方で、投入枚数カウンタは最大値に達したと判別したときには、スタートスイッチ172はオンであるか否かを判別する(S46)。
メインCPU154は、スタートスイッチ172はオンではないと判別したときには、S38に移る一方で、スタートスイッチ172はオンであると判別したときには、メダル通過禁止を行う(S47)。セレクタ48のソレノイドの駆動が行われず、メダルの排出が促される。この処理が終了すると、メダル受付・スタートチェック処理を終了する。
[内部抽籤処理]
次に、図18を参照して、内部抽籤処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、内部抽籤テーブル及び抽籤回数を決定する(S61)。作動中フラグ格納領域が参照され、ボーナスの作動の有無等に応じて、内部抽籤テーブル及び抽籤回数が決定される。尚、抽籤回数は、内部抽籤テーブルにより規定された各当籤番号について、抽籤値の減算及び桁かりが生じたか否かの判定を行う回数を示す。
次に、メインCPU154は、乱数値格納領域に格納されている乱数値を取得し、判定用乱数値としてセットする(S62)。次に、メインCPU154は、当籤番号の初期値として1をセットする(S63)。
次に、メインCPU154は、内部抽籤テーブルを参照し、当籤番号に対応する抽籤値を取得する(S64)。次に、メインCPU154は、判定用乱数値から抽籤値を減算する(S65)。次に、メインCPU154は、桁かりが行われたか否かを判別する(S66)。メインCPU154は、桁かりが行われていないと判別したときには、抽籤回数を1減算し、当籤番号を1加算する(S67)。
次に、メインCPU154は、抽籤回数は0であるか否かを判別する(S68)。メインCPU154は、抽籤回数は0ではないと判別したときには、S64に移る一方で、抽籤回数は0であると判別したときには、小役・リプレイ用データポインタとして0をセットし、ボーナス用データポインタとして0をセットする(S69)。
メインCPU154は、S66において桁かりが行われたと判別したときには、現在の当籤番号に応じて、小役・リプレイ用データポインタ及びボーナス用データポインタを取得する(S70)。メインCPU154は、S70又はS69の後で、小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを参照し、小役・リプレイ用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S71)。
次に、メインCPU154は、取得した内部当籤役を内部当籤役格納領域に格納する(S72)。次に、メインCPU154は、持越役格納領域に格納されているデータは0であるか否かを判別する(S73)。メインCPU154は、持越役格納領域に格納されているデータは0であると判別したときは、ボーナス用内部当籤役決定テーブルを参照し、ボーナス用データポインタに基づいて内部当籤役を取得する(S74)。次に、メインCPU154は、取得した内部当籤役を持越役格納領域に格納する(S75)。
メインCPU154は、S75の後、又は、S73において持越役格納領域に格納されているデータは0ではないと判別したときには、持越役格納領域と内部当籤役格納領域との論理和をとり、その結果を内部当籤役格納領域に格納する(S76)。つまり、ボーナスの作動に係る内部当籤役の持ち越しが行われる。この処理が終了すると、内部抽籤処理を終了する。
[リール停止制御処理]
次に、図19を参照して、リール停止制御処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、3つのストップボタン112L,112C及び112Rのうち有効なストップボタンが押されたか否かを判別する(S101)。メインCPU154は、有効なストップボタンが押されていないと判別したときには、これが押されるまで待機する。
メインCPU154は、有効なストップボタンが押されたと判別したときには、該当ストップボタンの操作を無効化する(S102)。各ストップボタン112L,112C及び112Rの有効及び無効の状態は、メインRAM158に設けられた所定の格納領域において管理される。
次に、メインCPU154は、チェック回数として5をセットする(S103)。本実施の形態では、滑り駒数の最大数を「4」としていることから、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置を含め、そこから4個先の図柄の位置までがチェックの対象となる。つまり、「0」、「1」、「2」、「3」及び「4」の5つの数値の何れかが滑り駒数として決定される。
次に、メインCPU154は、内部当籤役に基づいて、ストップボタンが押されたときに該当表示窓の中段にある図柄の位置(以下、停止開始位置)を含めたチェック回数の範囲内にある各図柄の位置の中で、最も優先順位の高い図柄の位置を検索する(S104)。この処理では、内部当籤役によって表示が許可されている図柄の組合せを、入賞判定ライン沿って表示することが可能となる図柄の位置が、最も優先順位の高い図柄の位置として決定される。
次に、メインCPU154は、検索の結果に基づいて滑り駒数を決定する(S105)。停止開始位置から上記最も優先順位の高い図柄の位置までの図柄の個数が滑り駒数として決定される。次に、メインCPU154は、停止予定位置待ちへ移行する(S106)。停止予定位置待ちへ移行すると、後述の割込処理によってステッピングモータ130L,130C及び130Rの駆動が制御され、最も優先順位の高い図柄の位置が該当表示窓の中段に到達するのを待って該当リールの回転が停止される。
次に、メインCPU154は、リール停止コマンドを副制御回路250に対して送信する(S107)。リール停止コマンドは、停止したリールの種別等を特定するパラメータを含んで構成されている。
次に、メインCPU154は、3つのストップボタン112L,112C及び112Rのうち、操作が有効なストップボタンがあるか否かを判別する(S108)。つまり、まだ回転中のリールがあるか否かが判別される。メインCPU154は、操作が有効なストップボタンがあると判別したときには、S101に移る一方で、操作が有効なストップボタンがないと判別したときには、リール停止制御処理を終了する。
[ボーナス作動チェック処理]
次に、図20を参照して、ボーナス作動チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、表示役はBBであるか否かを判別する(S121)。メインCPU154は、表示役はBBであると判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、BB作動時処理を行う(S122)。この処理では、BB作動中フラグがオンにされ、ボーナス終了枚数カウンタに所定値がセットされる。
次に、メインCPU154は、持越役格納領域をクリアする(S123)。次に、メインCPU154は、ボーナス開始コマンドを副制御回路250に対して送信する(S124)。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
メインCPU154は、S121において表示役はBBではないと判別したときには、表示役はリプレイであるか否かを判別する(S125)。メインCPU154は、表示役はリプレイであると判別したときには、投入枚数カウンタの値を自動投入カウンタに複写する(S126)。
メインCPU154は、S125において表示役はリプレイではないと判別したときには、BB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S127)。メインCPU154は、BB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、BB作動中フラグはオンであると判別したときには、RB作動中フラグはオンであるか否かを判別する(S128)。
メインCPU154は、RB作動中フラグはオンであると判別したときには、ボーナス作動チェック処理を終了する一方で、RB作動中フラグはオンではないと判別したときには、ボーナス作動時テーブルを参照し、RB作動時処理を行う(S129)。この処理では、RB作動中フラグがオンにされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタに所定値がセットされる。この処理が終了すると、ボーナス作動チェック処理を終了する。
[ボーナス終了チェック処理]
次に、図21を参照して、ボーナス終了チェック処理について説明する。はじめに、メインCPU154は、ボーナス終了枚数カウンタは0であるか否かを判別する(S141)。メインCPU154は、ボーナス終了枚数カウンタは0であると判別したときには、BB終了時処理を行う(S142)。この処理では、BB作動中フラグ及びRB作動中フラグがオフされ、ボーナスの終了契機を管理するための各種カウンタがクリアされる。次に、メインCPU154は、ボーナス終了コマンドを副制御回路250に対して送信する(S143)。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
メインCPU154は、S141においてボーナス終了枚数カウンタは0ではないと判別したときには、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタを更新する(S144)。遊技可能回数カウンタが1減算され、また、入賞が有った場合に入賞可能回数カウンタが1減算される。次に、メインCPU154は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であるか否かを判別する(S145)。
メインCPU154は、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0ではないと判別したときには、ボーナス終了チェック処理を終了する一方で、入賞可能回数カウンタ又は遊技可能回数カウンタは0であると判別したときには、RB終了時処理を行う(S146)。この処理では、RB作動中フラグがオフされ、入賞可能回数カウンタ及び遊技可能回数カウンタがクリアされる。この処理が終了すると、ボーナス終了チェック処理を終了する。
[メインCPU154の制御による割込処理(1.1173msec)]
次に、図22を参照して、メインCPU154の制御による割込処理(1.1173msec)について説明する。はじめに、メインCPU154は、レジスタの退避を行う(S161)。次に、メインCPU154は、入力ポートチェック処理を行う(S162)。この処理では、ストップスイッチ170L、170C及び170R等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次に、メインCPU154は、リール制御処理を行う(S163)。この処理では、全リール120L,120C及び120Rの回転開始が要求されたときに、各リール120L,120C及び120Rの回転を開始し、その後一定速度での回転を行うよう、ステッピングモータ130L,130C及び130Rの駆動が制御される。また、滑り駒数が決定されたときは、該当リールの回転が滑り駒数分継続するのを待ってその回転の減速及び停止を行うよう、ステッピングモータ130L,130C及び130Rの駆動が制御される。
次に、メインCPU154は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S164)。メインCPU154は、レジスタの復帰を行う(S165)。この処理が終了すると、割込処理を終了する。
[副制御回路250のサブCPU252によって実行されるプログラムフロー]
主制御回路150のメインCPU154により実行されるプログラムの内容についての説明は以上である。次に、図23〜図25を参照して、副制御回路250のサブCPU252により実行されるプログラムの内容について説明する。
[主基板通信タスク]
図23を参照して、サブCPU252により行われる主基板通信タスクについて説明する。はじめに、サブCPU252は、主制御回路150から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S301)。次に、サブCPU252は、コマンドを受信した場合、そのコマンドの種別を抽出する(S302)。
次に、サブCPU252は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S303)。サブCPU252は、前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したときには、S301に移る一方で、前回とは異なるコマンドを受信したと判別したときには、メッセージキューに格納し(S304)、S301に移る。
[演出登録タスク]
次に、図24を参照して、サブCPU252により行われる演出登録タスクについて説明する。はじめに、サブCPU252は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S311)。次に、サブCPU252は、メッセージは有るか否かを判別する(S312)。サブCPU252は、メッセージは有ると判別したときには、メッセージから遊技情報を複写する(S313)。例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、作動中フラグ等といった各種データがサブRAM256に設けられた格納領域に複写される。
次に、サブCPU252は、後で図25を参照して説明する演出内容決定処理を行う(S314)。この処理では、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等が行われる。
サブCPU252は、S314の後、又は、S312においてメッセージは無かったと判別したときには、アニメーションデータの登録を行う(S315)。次に、サブCPU252は、サウンドデータの登録を行う(S316)。次に、サブCPU252は、ランプデータの登録を行う(S317)。アニメーションデータの登録、サウンドデータの登録及びランプデータの登録は、演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。この処理が終了すると、S311に移る。
[演出内容決定処理]
次に、図25を参照して、サブCPU252により実行される演出内容決定処理のフローチャートについて説明する。はじめに、サブCPU252は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S321)。サブCPU252は、スタートコマンド受信時であると判別したときには、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定し、登録する(S322)。演出番号は、今回において実行する演出内容を指定するデータである。
次に、サブCPU252は、登録されている演出番号に基づいて、スタート時の演出データを登録する(S323)。演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。
次に、後述する図28に示す経過時間サブ演出処理のサブルーチンを呼び出し実行する(S341)。この経過時間サブ演出処理のサブルーチンを実行することによって、液晶表示装置210に経過時間演出の画像が表示される。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPU252は、スタートコマンド受信時ではないと判別したときには、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S324)。サブCPU252は、リール停止コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号とストップボタンの種別に基づいて、停止時の演出データを登録する(S325)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPU252は、リール停止コマンド受信時ではないと判別したときには、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S326)。サブCPU252は、表示コマンド受信時であると判別したときには、登録されている演出番号に基づいて、表示時の演出データを登録する(S327)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPU252は、表示コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S328)。サブCPU252は、ボーナス開始コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス開始用の演出データを登録する(S329)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
次に、サブCPU252は、ボーナス開始コマンド受信時ではないと判別したときには、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(S330)。サブCPU252は、ボーナス終了コマンド受信時ではないと判別したときには、演出内容決定処理を終了する一方で、ボーナス終了コマンド受信時であると判別したときには、ボーナス終了用の演出データを登録する(S331)。この処理が終了すると、演出内容決定処理を終了する。
以下では、本発明による遊技機の実施の形態を示すパチスロ10のさらに具体的な特徴を説明する。
<<経過時間メイン演出処理>>
図26は、主制御回路150のメインCPU154により実行されるサブルーチンであり、上述した図16のステップS21で呼び出されて実行される経過時間メイン演出処理を実行するためのサブルーチンである。
最初に、フラグF_wait_voidの値が1であるか否かを判断する(ステップS2605)。フラグF_wait_voidは、本サブルーチンの経過時間メイン演出処理を実行するか否かを示すフラグであり、フラグF_wait_voidの値が1であるときには、本サブルーチンの経過時間メイン演出処理の残りの処理を実行せずに終了することを示し、フラグF_wait_voidの値が0であるときには、本サブルーチンの経過時間メイン演出処理の残りの処理を実行することを示す。このフラグF_wait_voidの値は、後述するステップS2648の処理によって、1に設定される。このステップS2648の処理は、遊技者によってベットボタン132が操作されたことにより実行される。
上述したステップS2605の判断処理で、フラグF_wait_voidの値が1であると判別したとき(YES)には、直ちに、本サブルーチンを終了する。一方、フラグF_wait_voidの値が1でないと判別したとき(NO)には、累積ベット枚数が100枚以下であるか否かを判断する(ステップS2610)。この累積ベット枚数は、単位時間当たりに、例えば、1時間当たりに、そのパチスロ10で単位遊技を開始するためにベットされたメダルの累積枚数である。この累積ベット枚数の算出は、遊技者によってベットボタン132が操作されたことに応じて、主制御回路150のメインCPU154の演算処理によって実行される。この累積ベット枚数が少ないことは、そのパチスロ10に遊技を行うために、単位時間当たりに実質的に投入されたメダルの枚数が少なかったことを示す。一方、累積ベット枚数が多いことは、そのパチスロ10に遊技を行うために、単位時間当たりに実質的に投入されたメダルが多かったことを示す。このため、累積ベット枚数の値によって、そのパチスロ10で消費されたメダルの枚数を示すことができ、パチスロ10の稼動状態の目安にすることができる。
上述したステップS2610の判断処理で、累積ベット枚数が100枚以下であると判別したとき(YES)には、設定経過時間を4.1秒に設定する(ステップS2612)。本実施の形態では、このステップS2612の処理などの処理によって、経過させるべき時間として設定された時間を設定経過時間と称する。この設定経過時間を設定する処理は、本実施の形態では、他に、後述するステップS2636の処理がある。
ステップS2612の処理で、設定経過時間として設定された4.1秒は、経過させるべき時間として最も短い時間であり、適正に遊技を進めさせる観点から、少なくとも経過させなければならない時間として定められたものである。本実施の形態では、実際に経過させるべき時間として計時した時間を計時経過時間と称する。この計時経過時間は、いわゆるウエイト時間と称されるものであり、上述したように、3つのリール120L,120C及び120Rの全てが回転し始めたとき、すなわち、主制御回路150が3つのリール120L,120C及び120Rの全てを回転させる制御を開始したときを基準にして計時した時間である。すなわち、計時経過時間は、上述した図16のS22の処理で起動されたタイマによって計時されたタイマ値が示す時間である。本サブルーチンである経過時間メイン演出処理は、これらの設定経過時間と計時経過時間とを用いて処理を進める。すなわち、後述するように、ステップS2612やS2636の処理で設定された設定経過時間と、タイマによって計時されたタイマ値が示す計時経過時間とを比較し、この比較結果に応じて処理を分岐させる。
上述したステップS2612の処理を実行することによって、累積ベット枚数が少ないときには、経過時間を最も短い4.1秒にして、単位遊技をなるべく連続的に実行できるように、すなわち、次の単位遊技をなるべく早くタイミングで開始できるようにすることで、そのパチスロ10におけるメダルの消費量を増やすようにすることができ、遊技店におけるメダルへの交換量を維持することができるパチスロ10を提供することができる。
上述したステップS2610の判断処理で、累積ベット枚数が100枚より多いと判別したとき(NO)には、累積ベット枚数が300枚以下であるか否かを判断する(ステップS2614)。
ステップS2614の判断処理で、累積ベット枚数が300枚以下であると判別したとき(YES)には、これから行われる単位遊技におけるベット枚数が1枚であるか否かを判断する(ステップS2616)。このステップS2616の判断処理で、そのときの単位遊技におけるベット枚数が1枚であると判別したとき(YES)にも、設定経過時間を4.1秒に設定する(ステップS2612)。
累積ベット枚数が、100枚より多いと判別されても300枚以下であるような場合は、単位時間当たりに実質的に投入されたメダルは若干多いものの、1回の単位遊技におけるベット枚数が1枚であるときには、その後、複数回、単位遊技が行われても、そのパチスロ10におけるメダルの消費量が十分に多くなる可能性が低い。このため、上述したような条件を満たした場合も、設定経過時間を最も短い4.1秒にする。このようにすることで、次の単位遊技をなるべく早くタイミングで開始できるようにして、そのパチスロ10におけるメダルの消費量を増やすようにすることができ、遊技店におけるメダルへの交換量を維持することができるパチスロ10を提供することができる。
なお、上述したステップS2610やS2614の判断処理では、上述したように、累積ベット枚数を用いて、パチスロ10の稼動状態を判断したが、単位時間当たりに、例えば、1時間当たりに行われた単位遊技の回数などを用いて、パチスロ10の稼動状態を判断するようにしてもよい。このように、ステップS2610やS2614の判断処理では、そのパチスロ10におけるメダルの消費量に対応したり相当したりするものであれば、如何なるパラメータを用いて判断してもよい。
また、上述したステップS2612の処理では、設定経過時間を最も短い4.1秒に設定するようにしたが、必ずしも最も短い時間にする必要はなく、比較的短い時間、例えば、図27に示した4.5秒や5.0秒などの時間(短伸長時間)に設定してもよい。ある程度の短時間ならば、メダルの消費量を確保できる可能性があるからである。
上述したステップS2614の判断処理で、累積ベット枚数が300枚より多いと判別したとき(NO)、又は、ステップS2616の判断処理で、そのときの単位遊技におけるベット枚数が1枚でないと判別したとき(NO)には、内部抽籤処理の結果が、ボーナスの作動に係る内部当籤役に当籤したものであるか否かを判断する(ステップS2618)。
ステップS2618の判断処理で、内部抽籤処理の結果が、ボーナスの作動に係る内部当籤役に当籤したものであると判別したとき(YES)には、ボーナスの作動に係る内部当籤役に当籤してから持ち越した回数が、20回より大きいか否かを判断する(ステップS2620)。ボーナスの作動に係る内部当籤役は、一般に、当籤した後、入賞させることができるまでは、当籤したことを複数回の単位遊技にわたって維持できる、すなわち、持ち越すことができる。熟練した遊技者であれば、少ない持ち越し回数で、ボーナスの作動に係る内部当籤役に入賞させることができるが、初心者などの遊技に不慣れな遊技者の場合には、数多くの持ち越し回数を経ても、目押し操作を十分にできず、ボーナスの作動に係る内部当籤役に入賞させることができない場合がある。
このような観点から、ボーナスの作動に係る内部当籤役に当籤してから、持ち越し回数が、ある程度の回数(例えば、20回)までに達したときには、そのパチスロ10で遊技を行っている遊技者は、遊技に不慣れなものであるとして、テーブル1を選択する(ステップS2622)。なお、テーブル1は、後述するように、現在当籤している内部当籤役が、ボーナスの作動に係る内部当籤役であることを遊技者が容易に認識しやすいように構成したテーブルである。一方、持ち越し回数が、ある程度の回数(例えば、20回)までに達していないときには、そのパチスロ10で遊技を行っている遊技者は、熟練者であるのか、遊技に不慣れな者であるのかを判断することができない状態であるとして、テーブル2を選択する(ステップS2624)。このテーブル2は、後述するように、現在当籤している内部当籤役が、ボーナスの作動に係る内部当籤役であることを遊技者が容易に認識しやすいように構成したテーブルではなく、すなわち、現在当籤している内部当籤役について、ある程度、判別し難く構成したテーブルであり、パチスロ10で遊技を行っている遊技者が、熟練者であっても、遊技に不慣れな者であっても対応することができるテーブルである。
上述したステップS2618の判断処理で、内部抽籤処理の結果が、ボーナスの作動に係る内部当籤役に当籤したものでないと判別したとき(NO)には、内部抽籤処理の結果が、小役に当籤したものであるか否かを判断する(ステップS2626)。
上述したステップS2626の判断処理で、内部抽籤処理の結果が、小役に当籤したものであると判別したとき(YES)には、テーブル3を選択する(ステップS2628)。このテーブル3は、内部抽籤処理の結果が、小役に当籤したものであることを、ある程度、遊技者が認識できる可能性があるように構成したテーブルである。
上述したステップS2626の判断処理で、内部抽籤処理の結果が、小役に当籤したものでないと判別したとき(NO)には、内部抽籤処理の結果が、リプレイ(RP役)に当籤したものであるか否かを判断する(ステップS2630)。
上述したステップS2630の判断処理で、内部抽籤処理の結果が、リプレイ(RP役)に当籤したものであると判別したとき(YES)には、テーブル4を選択し(ステップS2632)、内部抽籤処理の結果が、リプレイ(RP役)に当籤したものでないと判別したとき(NO)には、テーブル5を選択する(ステップS2634)。
テーブル4は、内部抽籤処理の結果が、リプレイ(RP役)に当籤したものであることを、ある程度、遊技者が認識できる可能性があるように構成したテーブルである。また、テーブル4は、内部抽籤処理の結果が、内部抽籤処理の結果が、ハズレになったことを、ある程度、遊技者が認識できる可能性があるように構成したテーブルである。
上述したステップS2622、S2624、S2628、S2632又はS2634の処理を実行したときには、これらの処理で選択したテーブルを用いて、設定経過時間を決定するための抽籤処理を実行する(ステップS2636)。このように、選択したテーブルを用いて抽籤処理を行うことで、内部当籤役等の内部抽籤処理の結果に基づいて設定経過時間を決定することができる。
上述したステップS2636、又はS2612の処理を実行したときには、これらの処理で決定した設定経過時間を副制御回路250に送信する(ステップS2638)。このステップS2638の処理で、決定した設定経過時間を副制御回路250に送信することによって、副制御回路250は、設定経過時間を用いた演出を実行することができる。
次いで、図16のステップS22の処理で起動されたタイマのタイマ値が、ステップS2636の処理で決定された設定経過時間よりも大きくなったか否か、すなわち、計時経過時間が設定経過時間よりも大きくなったか否かを判断する(ステップS2640)。ステップS2640の判断処理で、タイマのタイマ値が、設定経過時間よりも大きくなっていないと判別したとき(NO)、すなわち、計時経過時間が設定経過時間にまで達していないと判別したときには、遊技者によってベットボタン132が操作されたか否かを判断する(ステップS2644)。
ステップS2644の判断処理で、遊技者によってベットボタン132が操作されたと判別したとき(YES)には、タイマ値が、許容最短時間(例えば、4.1秒)より大きいか否かを判断する(ステップS2646)。許容最短時間は、遊技を適正に進める観点から、最も好ましい時間として定められた最も短い時間であり、具体的には、4.1秒などである。
ステップS2646の判断処理で、タイマ値が、許容最短時間(例えば、4.1秒)より大きいと判別したとき(YES)には、フラグF_wait_voidの値を1に設定し(ステップS2648)、後述するステップS2642に処理を移し、本サブルーチンを終了する。
一方、上述したステップS2644の判断処理で、遊技者によってベットボタン132が操作されていないと判別したとき(NO)、又は上述したステップS2646の判断処理で、タイマ値が、許容最短時間(例えば、4.1秒)以下であると判別したとき(NO)には、ステップS2640に処理を戻して、ステップS2640の判断処理を繰り返す。このように、ステップS2640に処理を戻して、ステップS2640の判断処理を繰り返すことによって、計時経過時間が設定経過時間に達するまでの待機状態、すなわち、「所定の経過時間」だけ経過するまでの待機状態を形成して維持することができる。この計時経過時間が設定経過時間に達するまでの時間や、待機状態が維持された時間が、いわゆるウエイト時間に対応する。
また、ステップS2644の判断処理によって、遊技者によってベットボタン132が操作されたときには、後述するステップS2642に処理を移して、本サブルーチンを終了することによって、計時経過時間が設定経過時間に達するまでの待機状態を中止したり解除したりすることができる。設定経過時間を用いた演出の実行を望まない遊技者は、ベットボタン132を操作することによって、待機状態から抜け出して次の単位遊技を開始することができる。このようにしたことで、メダル等の遊技媒体の消費量を維持できるので、遊技店における遊技媒体への交換量を確保することができるパチスロ10を提供することができる。
また、遊技者によってベットボタン132が操作された場合であっても、ステップS2646の判断処理によって、タイマ値が、許容最短時間(例えば、4.1秒)以下であるときには、待機状態が維持されるので、遊技を適正に進めることできる。
上述したステップS2640の判断処理で、タイマのタイマ値が、設定経過時間よりも大きくなったと判別したとき(YES)、すなわち、計時経過時間が設定経過時間に達したと判別したときには、図16のステップS22の処理で起動したタイマを停止し(ステップS2642)、本サブルーチンを終了する。
この図26に示したサブルーチンは、図16のステップS21で呼び出されて実行される。したがって、図26に示したサブルーチンを終了したときには、図16のステップS7の処理が実行されて、3つのリール120L,120C及び120Rの全てが回転し始める。したがって、上述したステップS2640の判断処理で、計時経過時間が設定経過時間にまで達していないと判別し、かつ、遊技者によってベットボタン132が操作されていないと判別したときには、計時経過時間が設定経過時間にまで達するまで、ステップS2640の処理を繰り返すので、図16のステップS7の処理が実行されることがなく、この計時経過時間が設定経過時間にまで達するまでの時間は、いわゆるウエイト時間として機能し、遊技者がスタートレバー110を操作したとしても、3つのリール120L,120C及び120Rが回転し始めることはない。
さらに、上述したステップS2612、S2622、S2624、S2628、S2632、S2634及びS2636の処理によって、パチスロ10の稼動状態や内部抽籤処理の結果に基づいて設定経過時間が決定される。したがって、いわゆるウエイト時間の長短を、パチスロ10の稼動状態や内部抽籤処理の結果に基づいて変更することができ、遊技者がスタートレバー110を操作してから、その後、ウエイト時間が経過するまでの時間、すなわち、3つのリール120L,120C及び120Rが回転し始めるまでの時間を、パチスロ10の稼動状態や内部抽籤処理の結果に基づいて変更することができる。このように構成することによって、ウエイト時間の長短による演出をすることができる。
すなわち、ウエイト時間の長短を変更することによって、パチスロ10で遊技を行っている遊技者は、遊技者がスタートレバー110を操作してから、3つのリール120L,120C及び120Rが回転し始めるまでの時間が異なることを気がついたり感じたりすることができる。そのウエイト時間の長短によって、内部抽籤処理の結果が異なったものになったのではないかと遊技者を期待させたり、内部抽籤処理の結果を推測することで、目押しによる停止操作の役に立たせたりすることができる。このように、ウエイト時間の長短による演出を実行することによって、パチスロ10の遊技の興趣を高めることができる。
なお、このウエイト時間による演出(設定経過時間を用いた演出)は、いわゆるフリーズ演出とは異なる。フリーズ演出は、遊技者による全ての操作を受け付けない状態にしたり、無効にする状態にしたりすることで、遊技者による操作に対応した動作や処理をさせない状態である。したがって、フリーズ演出の場合には、遊技者は、所望する動作をさせるためには、再度、その操作をする必要がある。これに対して、ウエイト時間による演出は、スタートレバー110が遊技者によって操作されたことを受け付けているので、その後、遊技者が改めて同じ操作をすることなく、遊技者の操作に対応した動作や処理を実行する。このように、ウエイト時間による演出は、遊技者による操作に対応した動作や処理を実行するタイミングを遅延させることによって、遊技者に認識させる演出である。
また、上述したように、ステップS2640の判断処理で、タイマのタイマ値が、設定経過時間よりも大きくなったと判別したとき(YES)、すなわち、計時経過時間が設定経過時間に達したと判別したときには、図16のステップS22の処理で起動したタイマを停止した後(ステップS2642)、本サブルーチンを終了する。このように本サブルーチンを終了することによって、図16のステップS7の処理が実行されて、3つのリール120L,120C及び120Rが回転し始め、単位遊技を開始することができる。このように、計時経過時間が設定経過時間にまで達したときには、ステップS2640の処理を繰り返し実行する処理から抜け出すことによって、単位遊技の開始を「許可」することになる。
上述した設定経過時間が、「経過時間」に対応し、この「経過時間」は、前回の単位遊技が終了した後、引き続いてわれる次の単位遊技を開始するために、前回の単位遊技が開始されたときを基準にして、演出として経過させるべき時間を意味する。
上述したように、ステップS2640の判断処理で、計時経過時間が設定経過時間にまで達していないと判別したときには、ステップS2644の判断処理により、遊技者によってベットボタン132が操作されたか否かを判断する。遊技者によってベットボタン132が操作されたと判別したとき(YES)には、ステップS2648の処理によって、フラグF_wait_voidの値が1に設定され、本サブルーチンを終了する。計時経過時間が設定経過時間に達するまでの時間に、ベットボタン132が遊技者によって操作されたときには、本サブルーチンによる経過時間メイン演出処理を実行する意思が、遊技にないと判別して、直ちに本サブルーチンを終了する。本サブルーチンを終了することによって、3つのリール120L,120C及び120Rを直ちに回転させて、単位遊技を開始することができる。
このように構成したことで、本サブルーチンによる経過時間メイン演出処理を実行する意思がない遊技者は、計時経過時間が設定経過時間に達するまでの時間に、ベットボタン132を操作することで、直ちに、単位遊技を開始することができる。例えば、遊技者が熟練者のような場合には、経過時間メイン演出を認識することなく、内部抽籤役などの単位遊技の情報を得ることができる可能性がある。このような熟練者のような遊技者は、設定経過時間が経過するまで待機しているよりも、単位遊技を次々と実行する方を望む場合もある。このように、計時経過時間が設定経過時間に達するまでの時間に、ベットボタン132を操作できるように構成することで、単位遊技を次々と実行できることを望む遊技者の意思を反映させることができる。
また、計時経過時間が設定経過時間に達するまでの時間で、遊技者によってベットボタン132が操作されたときには、ステップS2648の処理により、フラグF_wait_voidの値が1に設定される。このフラグF_wait_voidの値は、本サブルーチンのステップS2605のステップで判断され、フラグF_wait_voidの値が1であるときには、直ちに本サブルーチンを終了する。このように、計時経過時間が設定経過時間に達するまでの時間に、遊技者によってベットボタン132が操作されたときには、その後、引き続いて行われる単位遊技においても、遊技者の意思を反映させて、本サブルーチンによる経過時間メイン演出処理を実行しないようにして、単位遊技を次々と実行できるようにすることができる。さらに、このように、単位遊技を次々と実行することができるので、パチスロ10におけるメダルの消費量も維持することができ、少しでも多くのメダルに交換されることを望む遊技店に対しても好ましいパチスロ10を提供することができる。
<<設定経過時間テーブル>>
図27に示した5つの経過時間テーブルは、抽籤処理によって、設定経過時間を決定するためのものである。なお、図27に示した設定経過時間テーブルの各欄には、図26のステップS2636の抽籤処理によって決定される設定経過時間に対応した抽籤値を設定経過時間毎に示した。
図27に示したように、設定経過時間は、「4.1秒」、「4.5秒」、「5.0秒」、「6.0秒」、「7.0秒」、「8.0秒」及び「10.0秒」の7つの候補があり、図26のステップS2636の抽籤処理によって、これらの7つのうちから1つの設定経過時間が決定される。また、図27に示したように、これらの7つの設定経過時間には、テーブル1〜テーブル5の各々について、抽籤値が定められている。この抽籤値が、抽籤処理による選ばれやすさを決める。抽籤値が小さい場合には、その設定経過時間は、抽籤処理によって選ばれにくく、抽籤値が大きい場合には、その設定経過時間は、抽籤処理によって選ばれやすい。
上述した図26のステップS2622、S2624、S2628、S2632又はS2634の処理によって1つのテーブルが選択されると、図27に示した経過時間テーブルのうち、選択されたテーブル番号に対応した縦方向の1列の7個の抽籤値からなるデータが選択される。例えば、テーブル1が選択されたときには、「0」、「0」、「0」、「0」、「0」、「6554」、「58981」の1列の7個の抽籤値が選択される。また、例えば、テーブル4が選択されたときには、「6554」、「13107」、「13107」、「9830」、「9830」、「9830」、「3277」の1列の7個のデータが選択される。上述した図26のステップS2636では、この選択した1列の7個の抽籤値を用いて抽籤処理される。
このように、図26のステップS2636の抽籤処理は、図27に示した設定経過時間テーブルを用いて行われる。この抽籤処理は、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される乱数値を、7つの設定経過時間の各々に対応させた各当籤番号に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。このように、順次減算して桁かりが生じたときの当籤番号が、そのときの抽籤処理によって当籤した番号として決定される。
上述したように、抽籤値として定められている数値が大きいほど、抽籤処理によって決定される確率が高くなる。このように抽籤値を定めたことによって、各当籤番号の当籤確率は、「各当籤番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。例えば、テーブル1の場合には、設定経過時間4.1秒、4.5秒、5.0秒、又は6.0秒が抽籤処理で決定される確率は0%である。これに対して、設定経過時間8.0秒が抽籤処理で決定される確率は、6554/65535=0.1(=10%)である。また、設定経過時間10.0秒が抽籤処理で決定される確率は、58981/65535=0.9(=90%)である。
上述したように、テーブル1は、ボーナスの作動に係る内部当籤役に当籤し、かつ、持ち越し回数が20回以上になったときに選択されるテーブルである。すなわち、テーブル1は、パチスロ10で遊技を行っている遊技者が、遊技に不慣れな者であると判別されたときに、選択されるテーブルである。上述したように、テーブル1は、設定経過時間10.0秒が抽籤処理によって決定される確率がきわめて高い。したがって、遊技者がスタートレバー110を操作してから、3つのリール120L,120C及び120Rが回転し始めるまでの時間が10秒になるように定められる確率が高いので、遊技者は、これによって、ボーナスの作動に係る内部当籤役に当籤していることを認識することができる。
また、テーブル2は、設定経過時間6.0秒が抽籤処理によって決定される確率が若干高くなるように定められている。したがって、遊技者がスタートレバー110を操作してから、3つのリール120L,120C及び120Rが回転し始めるまでの時間が、ある程度長いときには、ボーナスの作動に係る内部当籤役に当籤しているのではないかと、遊技者に推測させて、期待させることができる。
さらに、テーブル3は、設定経過時間6.0秒と7.0秒が抽籤処理によって決定される確率がある程度高くなるように定められている。これによって、遊技者がスタートレバー110を操作してから、3つのリール120L,120C及び120Rが回転し始めるまでの時間が、比較的長いときには、小役に当籤しているのではないかと、遊技者に推測させて、期待させることができる。
さらにまた、テーブル4は、設定経過時間4.5秒と5.0秒が抽籤処理によって決定される確率がある程度高くなるように定められている。これによって、遊技者がスタートレバー110を操作してから、3つのリール120L,120C及び120Rが回転し始めるまでの時間が、比較的短いときには、リプレイ(RP)に当籤しているのではないかと、遊技者に推測させて、期待させることができる。
また、テーブル4は、設定経過時間4.1秒が抽籤処理によって決定される確率がある程度高くなるように定められている。これによって、遊技者がスタートレバー110を操作してから、3つのリール120L,120C及び120Rが回転し始めるまでの時間が、短いときには、ハズレになったのではないかと、遊技者に推測させ、直ちに次の単位遊技を開始させることができる。
<<経過時間サブ演出処理>>
図28は、副制御回路250のサブCPU252により実行されるサブルーチンであり、上述した図25のステップS341で呼び出されて実行される経過時間サブ演出処理を実行するためのサブルーチンである。
最初に、主制御回路150から送信された設定経過時間を受信する(ステップS2710)。この処理は、上述した図26のステップS2638の処理に対応するものであり、図26のS2638の処理によって主制御回路150から副制御回路250に設定経過時間が送信される。
次に、液晶表示装置210に経過時間演出の画像を表示し(ステップS2712)、タイマ値が、ステップS2710の処理で受信した設定経過時間よりも大きいか否かを判断する(ステップS2714)。このタイマ値は、後述するステップS2722の処理で起動されるタイマによって計時された計時経過時間である。
ステップS2714の判断処理で、タイマ値が、ステップS2710の処理で受信した設定経過時間以下であると判別したとき(NO)には、現在の経過時間に応じた画像を表示し(ステップS2716)、ステップS2714に処理を戻す。このステップS2716の処理によって、表示される画像の例を図D(a)及び(b)に示す。
図D(a)は、現時点から、3つのリール120L,120C及び120Rの全てが回転し始めるまでの残り時間を数値によって示すものである。図D(a)に示した例では、残り時間を図D(a)の右下に表示するようにした。この現時点から、3つのリール120L,120C及び120Rの全てが回転し始めるまでの残り時間とは、ステップS2710の処理で受信した設定経過時間から、現在のタイマ値を減算して得られた時間である。したがって、3つのリール120L,120C及び120Rの全てが回転し始めるまでの時間に近づくにしたがって、残り時間は、徐々に小さくなっていき、残り時間が0になったときに、タイマ値が設定経過時間と等しくなり、主制御回路150によって3つのリール120L,120C及び120Rの回転が始まる。
また、図D(b)は、残り時間を帯状の画像によって右下に示すものである。この帯状の画像の全体の領域が設定経過時間であり、特に、帯状の画像の水平方向の長さが、設定経過時間を示す。帯状の画像のうちの斜線を付した領域が、残り時間を示す領域である。上述したように、残り時間は、ステップS2710の処理で受信した設定経過時間から、現在のタイマ値を減算して得られた時間であり、その値は、徐々に小さくなっていく。したがって、残り時間を示す斜線を付した領域も、時間とともに徐々に小さくなっていく。斜線を付した領域が存在しなくなったときに、残り時間が0となり、主制御回路150によって3つのリール120L,120C及び120Rの回転が始まる。
ステップS2714の判断処理で、タイマ値が経過時間より大きくなったと判別したとき(YES)には、前回、本サブルーチンが呼び出されて実行したときに、後述するステップS2722の処理によって起動されたタイマを停止する(ステップS2718)。
次に、液晶表示装置210に表示していた経過時間演出の画像を消去して(ステップS2720)、タイマを起動して(ステップS2722)、本サブルーチンを終了する。
したがって、主制御回路150で3つのリール120L,120C及び120Rの回転を始めるタイミングに合せて、副制御回路250では、残り時間が0になる画像による演出を実行することができる。
なお、上述したステップS2722の処理で起動するタイマは、副制御回路250のサブRAM256の所定の領域に記憶されているカウンタの値を、副制御回路250のサブCPU252のタイマ割り込み処理の一定の周期で、順次減算していくことで構成されるソフトウエアによるものであるが、これに限られず、ハードウエアによって構成されるタイマを副制御回路250に電気的に接続して用いてもよい。
また、ステップS2722の処理によって起動されるタイマは、上述した図16のステップS22の処理で実行されるタイマと同様に、ステップS2722の処理によって起動されるタイマにより計時されるタイマ値も計時経過時間を示す。本サブルーチンである経過時間サブ演出処理では、ステップS2710の処理で主制御回路150から受信した設定経過時間と、ステップS2722の処理で起動したタイマによって計時されたタイマ値が示す計時経過時間とを用いて処理を進める。これらの設定経過時間と計時経過時間とを比較し、この比較結果に応じて処理を分岐させる。
さらに、タイマは、主制御回路150のものと副制御回路250のものと別個に構成されたものである。主制御回路150におけるタイマは、図26のステップS2640の判断処理で「YES」と判別した後、さらに、図16のステップS7の処理で、3つのリール120L,120C及び120Rの全てを回転させた後に起動される。一方、副制御回路250におけるタイマは、図28のステップS2714の判断処理で「YES」と判別した後、一旦タイマを停止し、経過時間演出の画像を消去した後に起動される。このように、主制御回路150と副制御回路250とでは、それぞれのタイマを起動するタイミングによって、タイマ値に若干の相違が生じ得るが、図26のステップS2640の判断処理や図28のステップS2714の判断処理の同様の判断処理の直後に、タイマを起動する点で共通しているので、主制御回路150のタイマによって計時されたタイマ値(計時経過時間)と、副制御回路250のタイマによって計時されたタイマ値(計時経過時間)とは、同じものであるとして扱うことができる。
したがって、副制御回路250のタイマで計時される計時経過時間も、いわゆるウエイト時間と称することができ、上述したように、3つのリール120L,120C及び120Rの全てが回転し始めたとき、すなわち、主制御回路150が3つのリール120L,120C及び120Rの全てを回転させる制御を開始したときを基準にして計時した時間である。
また、3つのリール120L,120C及び120Rの全てを回転させたことを示す信号を主制御回路150から受信したときに、副制御回路250におけるタイマを起動するようにしてもよい。このようにすることで、主制御回路150のタイマによって計時されたタイマ値(計時経過時間)と、副制御回路250のタイマによって計時されたタイマ値(計時経過時間)とをより近づけることができ、副制御回路250は、主制御回路150の処理に合せた演出を実行することができる。
本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の機能フローの概略を示すブロック図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の外観を示す斜視図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の内部の概略を示す正面図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の主制御回路150の構成を示すブロック図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の副制御回路250の構成を示すブロック図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の図柄配置テーブルを示す図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の図柄組合せテーブルを示す図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のボーナス作動時テーブルを示す図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の一般遊技状態用内部抽籤テーブルを示す図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のRB作動中用内部抽籤テーブルを示す図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の小役・リプレイ用内部当籤役決定テーブルを示す図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のボーナス用内部当籤役決定テーブルを示す図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の内部当籤役(表示役)格納領域を示す図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の持越役格納領域を示す図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の作動中フラグ格納領域を示す図である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154の制御によるメインフローチャートである。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行されるメダル受付・スタートチェック処理を示すフローチャートである。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行される内部抽籤処理を示すフローチャートである。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行されるリール停止制御処理を示すフローチャートである。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行されるボーナス作動チェック処理を示すフローチャートである。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行されるボーナス終了チェック処理を示すフローチャートである。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154の制御による割込処理を示すフローチャートである。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のサブCPU252により行われる主基板通信タスクを示すフローチャートである。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のサブCPU252により行われる演出登録タスクを示すフローチャートである。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のサブCPU252により実行される演出内容決定処理を示すフローチャートである。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のメインCPU154により実行される経過時間メイン演出処理を示すフローチャートである。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10で用いられる設定経過時間テーブルを示す表である。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10のサブCPU252により実行される経過時間サブ演出処理を示すフローチャートである。 本発明による遊技機の一実施の形態を示すパチスロ10の液晶表示装置210に表示される画像の例を示す図である。
符号の説明
10 パチスロ(遊技機)
110 スタートレバー(操作手段)
112L,112C、112R ストップボタン(操作手段)
120L,120C、120R リール
150 主制御回路(内部当籤役決定手段)
154 メインCPU(単位遊技制御手段、通常時間決定手段、伸長時間決定手段)
156 メインROM
158 メインRAM
210 液晶表示装置(演出実行手段)
214 スピーカ(演出実行手段)
212 ランプ(演出実行手段)
250 副制御回路(演出制御手段)
252 サブCPU
254 サブROM
256 サブRAM

Claims (4)

  1. 単位遊技が繰り返し実行される遊技機であって、
    一の単位遊技が開始された一のタイミングから所定の経過時間だけ経過した後に、前記一の単位遊技が終了して引き続いて行われる他の単位遊技の開始を許可する単位遊技制御手段と、
    内部抽籤処理によって単位遊技ごとに内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、を有し、
    前記単位遊技制御手段は、
    前記内部抽籤処理の結果に基づいて、所定の通常時間を前記経過時間として定める通常時間決定手段と、
    前記内部抽籤処理の結果に基づいて、前記通常時間よりも長い伸長時間を前記経過時間として定める伸長時間決定手段と、を有することを特徴とする遊技機。
  2. 所定の識別情報が変動表示されることによって前記単位遊技の進行を示す変動表示手段を含み、
    前記単位遊技制御手段は、前記単位遊技の開始を許可したことに基づいて、前記変動表示手段に変動開始信号を供給して、前記識別情報の変動表示を開始させることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 遊技者が操作することができ、かつ、単位遊技を開始させるための開始操作信号を遊技者の操作に基づいて発する操作手段を有し、
    前記伸長時間決定手段は、前記開始操作信号が発せられたときに前記伸長時間を経過する以前である場合には、前記伸長時間を経過するまで待機し、前記伸長時間を経過した後に単位遊技を開始することを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 単位遊技が繰り返し実行される遊技機であって、
    内部抽籤処理によって単位遊技ごとに内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段と、
    一の単位遊技が開始された一のタイミングから所定の経過時間だけ経過した後に、前記一の単位遊技が終了して引き続いて行われる他の単位遊技の開始を許可する単位遊技制御手段であって、前記内部抽籤処理の結果に基づいて、所定の通常時間を前記経過時間として定める通常時間決定手段と、前記内部抽籤処理の結果に基づいて、前記通常時間よりも長い伸長時間を前記経過時間として定める伸長時間決定手段と、を備える単位遊技制御手段と、
    単位遊技の進行に関する情報を報知する演出が行われる演出実行手段と、
    前記伸長時間決定手段によって前記伸長時間が定められたときに、前記伸長時間を示す情報を前記報知手段から報知する演出制御手段と、を有することを特徴とする遊技機。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011172702A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Daito Giken:Kk 遊技台
JP2013244302A (ja) * 2012-05-28 2013-12-09 Sankyo Co Ltd スロットマシン

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