JP2010029222A - 糖および糖含有製品を糖含有植物原料から生産する方法 - Google Patents

糖および糖含有製品を糖含有植物原料から生産する方法 Download PDF

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C13SUGAR INDUSTRY
    • C13BPRODUCTION OF SUCROSE; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • C13B10/00Production of sugar juices
    • C13B10/006Conservation of sugar juices

Abstract

【課題】主としてホップおよび樹脂製品に鈍感な微生物が発生するときでも、糖産業工程の範囲内での望ましくない微生物の増殖が天然の試剤によって抑えられるような、初めに記載したタイプの方法を提供すること。
【解決手段】本発明は、糖含有植物材料からの糖または糖含有製品を製造する方法に関する。前記方法は、該製造プロセスが、添加された脂肪酸、またはそれの石鹸、アルデヒドまたはアルコールの存在下で少なくとも一部が行われることに特徴づけられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、糖含有植物原料から糖または糖含有製品を生産する方法に関する。
糖(蔗糖)および糖製品は、主に植物原料(テンサイおよびサトウキビ)から、これらの植物を機械的に微粉砕し、その植物部分からの糖含有溶液をそれぞれ抽出するか、または搾り出すことによって回収される。
特定の温度範囲、pH値および濃度限度の中で、糖を含有する媒体、特に農業原料から直接回収されたそれらは、バクテリア、酵母および糸状菌による生物劣化を受けやすい。食品製造工学のプロセスにおいて、微生物による汚染(infestation)の危険は、常に、連続操作の中での、ならびに、原料および中間製品の保管の間においてもの、大きな危険要因である。微生物は、前記原料に含まれる糖を、酸およびガス状の、部分的に爆発性ですらある代謝産物に分解させることができ、最終産物中の細菌の過度の高い含有率を引き起こす。糖をテンサイおよびサトウキビから回収するプロセスの間には、二糖蔗糖の、単糖ブドウ糖およびフルクトースへの微生物開裂の更なる危険性があり、それはまた、蔗糖の直接の消失に加えて、これによって、たとえばもっと顕著なシロップ変色、アルカリ化剤の必要量の増加および糖蜜の生成量の増加が引き起こされるので、更なる欠点を含む。
50℃までの温度(それは、機械的細胞開放による絞汁回収の間に適用される)で、糖を含有する抽出溶液は、挙げられた微生物すべて、すなわち酵母、糸状菌および細菌によって劣化を受けやすい。しかしながら、50℃以上の温度で起こる熱的細胞開放による絞汁回収においては高温菌だけが増殖が可能である。そのような熱抽出法の一例は、現在糖を生産する目的で通常行われるテンサイの抽出である。
細菌抑制性または殺菌性助剤が絞汁または腐りやすい中間生成物の流れに非連続に、または連続的に添加される、抽出工場において高温細菌と闘うことが一般的である。たとえば、製糖業においては、ホルマリン、ジチオカルバメート、ペルオキシ酢酸、亜硫酸水素アンモニウム、四級アンモニウム塩などが、この目的に対して一般的である。
ごく最近では、若干の製糖所で、ホップ製品(特許文献1:欧州特許第0681029号明細書;非特許文献1:ポラッハ(Pollach)ら、ツッカーインドゥストリー(Zuckerindustrie)、124(8)巻(1999年)、622−637頁;非特許文献2:ポラッハら、ツッカーインドゥストリー、121(2)巻(1996年)、919−926頁;非特許文献3:ヘム(Hein)ら、ツッカーインドゥストリー、122(12)巻(1997年)、940−949頁)、および樹脂製品(特許文献2:国際特許公開第01/88205号パンフレット;非特許文献4:ポラッハら(ツッカーインドゥストリー、127巻(2002年)921−930頁))もまた、化学物質の添加が望ましくない場合または法的に禁止されている場合、微生物と闘うための自然の手段として使われてきた。しかし、これらの天然剤を使用するとき、残念なことに、抵抗する菌腫の淘汰またはバクテリアの適応が、たとえばホルマリンのような化合物を使う場合よりも頻度高く観察される。後者は非特異的にタンパク質を攻撃し(非特許文献5:ワインバーグ(Weinberg)E.D.ジャーナル・オブ・ザ・ソサイアティ・オブ・コスメティック・ケミスツ(J. Soc. Cosmet. Chem.)、13巻(1962年)89−96頁))、かつバクテリアのより少ない適応を示すが、タンパク質へのこの非特異的攻撃のせいで、それは論争の種になった。
抗生物質が効力を失った場合、他の試剤に変えることによって細菌抑制効果が再び達成される(しかしこれは保証されない)ことが医学の分野から知られている。特定の試剤に対し抵抗する、したがって特殊化されている菌種は、その試剤が使用されると増殖するであろう。しかし、その菌種が、全ての代替試剤に対して同じ様に抵抗することはないだろうということは大いにありうる。代わりの細菌抑制剤のより幅広い選択がいずれの場合にもまず間違いなく効果的であろう。
特許文献3:米国特許出願公開第5434182A号明細書において、バクテリアおよびウイルスと闘うために、ヒトを含む動物の有機体において、種々の脂肪酸(C〜C22)およびそれらのエステルを使用することが記載されている。しかし、この米国特許によれば、これらの脂肪酸の使用は、もっぱら医学−薬学分野に限られている。しかしながら、米国特許に記載されている、糖の生産における脂肪酸およびそのエステルの使用は、一般に知られているように、医学分野において抗菌性物質について立案された必要条件が食品産業、特に糖の生産のそれらと大きく異なっているので、当業者にとっては明白ではない。
それにもかかわらず、脂肪酸エステルは、食品産業における多数の製造方法において使用されている。その目的は、溶液の物性を変えること、または、微生物劣化を抑えることのいずれかである。
こうして、特許文献4:米国特許出願公開第4427454A号明細書において、糖の生産の間での、粘性および泡含有量を減らすための脂肪酸グリセロールエステルの添加が開示されている。他方、特許文献5:特開昭59−063199号公報は、C〜C22脂肪酸から成る脂肪酸グリセロールエステルによる、種々の糖液からの澱粉の除去に関するものである。これらの目的のための脂肪酸エステルの使用は、決して、当業者をして脂肪酸化合物がこの文脈において抗微生物性を持つと推測させることを可能にしない。
特許文献6:特開平10−070971号公報および特許文献7:特開昭62−163678号公報では、8−22個の炭素原子をもつ脂肪酸、または、脂肪酸ポリグリセリンエステルからなる脂肪酸蔗糖エステルの使用が記載されている。これらのエステルは、たとえば絞汁またはスープのような、透明な液状食品を保存するために使われている。糖生産の状況内で処理される溶液および懸濁液の組成は、第一に、高い糖濃度、高温ならびに濁り物質および固形物の存在を考えると、純粋で透明な液体におけるよりはるかに複雑である。この理由の故に、特許文献6によっても、または特許文献7によっても、糖含有植物原料から糖または糖含有溶液の生産において脂肪酸化合物を抗菌性物質として使用することは、当業者にとって明白であるとはされていない。
しかし、同時に、可能な細菌抑制活性が2、3の分野で記載または示唆された、多くの試剤が工業的糖生産工程の場面においてはこの活性を示さなかったこともまた示された。一方では、これは、糖生産の範囲内で処理されるべき材料およびそこで必要とされるプロセス条件によっているだろうが、他方では、たとえば、−時には非常に変化する−汚染微生物の構成が、糖生産の間での成功の欠如の理由であろう。
欧州特許第0681029号明細書 国際特許公開第01/88205号パンフレット 米国特許出願公開第5434182A号明細書 米国特許出願公開第4427454A号明細書 特開昭59−063199号公報 特開平10−070971号公報 特開昭62−163678号公報
ポラッハ(Pollach)ら、ツッカーインドゥストリー(Zuckerindustrie)、124(8)巻(1999年)、622−637頁 ポラッハら、ツッカーインドゥストリー、121(2)巻(1996年)、919−926頁 ヘム(Hein)ら、ツッカーインドゥストリー、122(12)巻(1997年)、940−949頁 ポラッハら(ツッカーインドゥストリー、127巻(2002年)921−930頁 ワインバーグ(Weinberg)E.D.ジャーナル・オブ・ザ・ソサイアティ・オブ・コスメティック・ケミスツ(J. Soc. Cosmet. Chem.)、13巻(1962年)89−96頁
したがって、本発明は、その目的として、主としてホップおよび樹脂製品に鈍感な微生物が発生するときでも、糖産業工程の範囲内での望ましくない微生物の増殖が天然の試剤によって抑えられるような、初めに記載したタイプの方法を提供することをもつ。
本発明によれば、この目的は、糖含有植物原料から糖または糖含有製品を生産する方法(それは、生産が、少なくとも一部は、本発明にしたがって、脂肪酸化合物−脂肪酸、またはそれらの金属石鹸、アルデヒドおよびアルコールを含む−の存在下で遂行されることを特徴とされる)によって達成される。
驚くべきことに、工業的糖生産工程のコースの中でそのような脂肪酸化合物を添加することによって、望ましくない微生物の成長が効果的に抑えられる、効率的かつ費用効果的オプションが提供される。闘うのが難しい糖製造工程の間に特別に厳しい問題を引き起こす、特別に高熱を好む微生物は、本発明による脂肪酸化合物の発明的添加によって不活化されうる。
これらの脂肪酸化合物が全工程の間存在することは、必ずしも必要ではない。本発明によれば、本発明による脂肪酸化合物の使用は、また、選ばれた一部のプロセスだけで行われることもある。本発明によれば、混合された脂肪酸化合物の部分的または一時的な存在が、好熱性微生物が特によく増殖する状況の下で特に成功を収めると判明した。
本発明によれば、もちろん、主としてテンサイおよびサトウキビが植物原料と考えられる。しかし、原則として、本発明的方法は、糖ヤシ、ナツメヤシ、糖ミレット、糖トウモロコシ、たとえばメープル絞汁のような木の絞汁などから出発する糖製造においてのような、可能なあらゆる植物出発物質に適用可能である。
望ましくは、脂肪石鹸(fatty soap)が本発明にしたがって使用されるが、それらは、溶融した形または固体形で、それらをバット抽出装置へ注入することによって、脂肪酸溶媒に溶解して、添加される。しかしながら、本発明による脂肪酸化合物は、脂肪酸アルコール、脂肪酸アルデヒドでもありうる。脂肪酸化合物は、また、たとえば、−OH、−SH、−NH、−F、−Cl、−Br、−Iなど(有毒であるかまたは食品工業において適用できない誘導体は除く)の官能基の導入によって、修飾されうる。また、脂肪族の側鎖および/または1個以上(特に2個か3個)の不飽和二重結合は、(脂肪族の)基本鎖の物理化学的性質、特に抗微生物濃度における溶解度、ならびにC原子における構造が保持される限り可能である。
脂肪酸化合物として脂肪族カルボン酸または石鹸を使うとき、炭素数6個以上、望ましくは8個以上、特に10個以上22未満、かつ望ましくは21個以下、特に20個以下の、(主)鎖長が、工業的糖生産に普及している条件と一致したテストの間に許容できる用量で効果的であるとわかり、そのため、下記の酸ならびにその石鹸が、特に好ましいと考えられる:ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ヘンイコサン酸(henicosanoic acid)、ならびに関連する石鹸、特にC10、C12、C14、C16およびC18脂肪酸化合物(カプリン、ラウリン、ミリスチン、パルミチンおよびステアリン化合物(主に酸、石鹸およびアルコール類))(これらは、低価格で工業的に使用可能な量で市販されており、または、(該アルコールのように)そこから簡単に回収されうる)。そのような脂肪酸製品は、実質的に1個の活性物質だけから成る明確な物質である。
特にミリスチン酸またはミリスチン石鹸は、主にその抗菌活性に関して、本発明によれば極めて上首尾であると判明した。いくつかの場合では、ミリスチン酸エステルもまた、抗菌効果を示すことができるが、しかし、そこでは、エチルおよびプロピルミリスチン酸エステルではなく、ミリスチン酸メチルだけが、約100mg/mlの抑制濃度において、本発明の化合物に同等であると考えられる。さらに、ミリスチン化合物はまた他の利点を持つ:ミリスチン酸は、相当する天然樹脂(たとえばコロホニウム)またはホップより低い温度で、すなわち54℃で溶融し、それは、安全技術に関して、それぞれ、その使用の間有利であり、加熱媒体としての蒸気の使用を不必要にする。樹脂およびホップと比較して、より低いミリスチン酸の融点は、火傷の危険が減少し、製糖業の廃熱(熱水)で間に合うので、応用技術に関しても有利である。しかし、他方、54℃という融点はそれほど低くないので、たとえば、易流動性の袋詰め材料の、通常の(または高めの)周辺温度でのわずかな溶融によって、接着(gluing)。したがって、ミリスチン酸(C14)は、応用技術に関しても理想的である。(注:たとえば、C11は30℃の融点を持ち、C10は31℃の融点を持つ。これらの物質は、液体でもなく易流動性でもなくて、応用技術に関してC14化合物ほど有利ではない。)一般に、概して、本発明による遊離脂肪酸およびその石鹸がアルデヒドおよびそのエステルより良好な抗菌性効果を示すことをテストが明らかにした。
さらに、ミリスチン酸は、(たとえば、ホップとは対照的に)固有の味(苦み)を持たない。最後に、ミリスチン酸はCaによって極めて沈殿しやすく、それにより絞汁精製において高い除去が保証される。また、ミリスチルアルコール(1−テトラデカノール)は、10ppmの、またはもっと低い濃度で有効である(仮に工業的プロセスにおけるとすれば、はるかに高い濃度を使用しなければならないステアリルアルコールと対照的である)。それ故、本発明にしたがって使われる脂肪酸化合物は、望ましくは、たとえば55または65℃で、100ppm、望ましくは50ppm、より望ましくは10ppm、特に1−10ppm、でもってすでに有効である。
ソルビン酸化合物または他のより短い鎖(C(カプロン酸)または、より短い)あるいはより長い鎖の(C22(ベヘン酸)またはそれより長鎖の)化合物が、製糖業にとって−少なくとも工業スケールでは−適切であることが判明した。有毒化合物も、または四級アンモニウム塩基、アルコキシル化樹脂なども、工業的使用は不可である。
多くの脂肪酸化合物は、生理学的に無害な天然物である。製糖工程においては、主にそのような無害な製品が使われるべきなので、特にラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸ならびにその石鹸がこの理由のためにも好ましい。もちろん、本発明による脂肪酸化合物のあらゆる組合せも使用可能である。
脂肪酸の細菌抑制効果の可能性がある分野に対して知られていた、または、以前に仮定された(ソルビン酸、6個のC原子をもつジ不飽和脂肪酸が、食品の保存のためにそのままおよびカリウム塩として使用され、無害であるとして分類される。さらに、ウンデシレン酸は、抗菌性活性物質として挙げられ(ワルハウザー(Wallhauser)著「プラクシス・デル・シュテリリザチオーン−デスインフェクチオーン−コンセルヴィールング(Praxis der Sterilisation‐Desinfektion‐Konservierung)」第5版、シュツットガルト ティーメ、1995年、520頁))、そして、より高級な遊離脂肪酸の中で、一つの効果が純粋な培養菌株上で発見された(たとえば、リー−リン(LIH‐LING)ら、アプライド・アンド・エンヴァイアランメンタル・ミクロバイオロジ(Applied and Environm. Microbiol)、58巻、1992年、624−629頁)が、実際には、これらの脂肪酸は混合培養に対する殺菌剤として成功であるとは証明されなかった。しばしば、1リットルにつき最高1gの脂肪酸の濃度でさえ有効であると言われる(カバラ(Kabara)ら、リピズ(Lipids)、12巻、753−759頁(1977年))が、それは、糖の生産にとって全く不十分である(大用量では、糖および塩でさえ細菌阻止性であるが、糖または塩は、それぞれ、製糖工程の範囲内で本発明的効果を得るには明らかに適当でない)
時の経つうちに、脂肪酸化合物の仮定された細菌抑制効果は立証されなかったことが判明し、現在は、それが事実であるとは、または工業的に利用できるとはもはや考えられない:「ウルマンズ・エンチクロペディー・デル・テヒニッシェン・ヘミー(Ullmann‘s Enzyklopaedie der technischen Chemie)」の第3版(1954年、第5巻、「デスインフェクチオーン・ウント・シュテリリザチオーン(Desinfektion und Sterilisation)」753ページ)がなお殺菌剤としての脂肪酸について報告している(40年代には、医薬品中の脂肪酸の殺菌効果に関してまだ比較的楽観的であった)が、第4版(1975年、10巻、47−48頁)では、この章は、「デスインフェクチオーンスミッテル(Desinfektionsmittel)」なる章の中で非常に短くなった(「脂肪酸の最大作用は、C11ないしC12にあると言われる・・・(Das Wirkungsmaximum von Fettsauren soll bei C11 bis C12 liegen・・・)」、そして「石鹸の殺菌作用に関しては、極めて矛盾した知見が存在する・・・(Ueber die Bakterizidie der Seifen liegen stark widersprechende Befunde vor.)」、そして第5版(1987年、A8巻)においては、「デスインフェクタンツ(Desinfectants)」なる章で、これについてもはや何も述べられていない。このことから、常温では、余りにも多くの脂肪酸に鈍感な微生物株が存在すると思われ、今日、脂肪酸はもはや殺菌剤の中に数えられないようである。
35−45℃、すなわち微生物学における通常の作業温度で、培地にテンサイ抽出分からの非滅菌性の生の絞汁が接種されるならば、ほとんどの場合、pHの低下によって確認される酸形成を脂肪酸の添加によって止めることは(特に、鈍感な微生物が増殖することができる混合培養においては)困難である。他方、55℃および65℃での酸形成は、脂肪酸によって、鎖長に依存して1−10時間の期間に亘って、4−40mg/lの濃度でブロックされる。常温で観測される効果に対してはC11〜C12の最大値が示されている(ウルマン、1975年)が、より高い温度での好熱性微生物に対しては、効果の最大値は、C14(ミリスチン酸)にある。ソルビン酸のような有機の保存剤性酸において、解離していない形が効果的であることが知られていた(ワルハウザー著「プラクシス・デル・シュテリリザチオーン−デスインフェクチオーン−コンセルヴィールング」第5版、シュトゥットガルト ティーメ、1995年、507頁)。同じことは、高鎖長の脂肪酸にも当てはまる(ウルマン、1954年)。しかし、酸性の水性媒質において、溶解度が微生物の最小阻止濃度以下にあるならば、高鎖長の脂肪酸は活性を示すことができない。それらを好熱性微生物に対して高温で使用することによって、溶解性を落とした、より長い鎖(C14)の脂肪酸が、酸性の媒質において非常に有効になりうる。
本発明によれば、脂肪酸化合物は、0.1−100mg/l、望ましくは5−40mg/l、特に10−25mg/lの量で使用されるべきであることが示された。本発明による脂肪酸化合物は、望ましくは、50mg/l以下、より望ましくは、40mg/l以下、特に望ましくは、30mg/l以下、特に20mg/l以下、の最小阻止濃度を持つ。それぞれ、少なくとも一部に、または、少なくとも一時的に、製糖工程の間、液相内にこの量で発明の脂肪酸化合物が存在することは、適当である、または、いずれにしても、望ましい細菌抑制効果にとって十分であることが判明した。しかし、(連続的な/不連続な)製糖工程の現実に依存して、脂肪酸化合物の濃度が、特にその物質が工程に断続的に、たとえば抽出物溶液に添加されるならば、変わりうることは、明らかである。製造プロセスの間に本発明にしたがって使用されるべき脂肪酸化合物の好ましい濃度レベルは5−40mg/l、特に10−25mg/lである。
望ましくは、請求項に係る脂肪酸は、脂肪石鹸として添加される。そうすることにおいて、アルカリまたはアルカリ土類(カルシウムを除いて)の、望ましくはカリウム塩の溶液が、特に0.5−30%の濃度で、上首尾であることが判明した。脂肪酸は、また、アルコール溶液または懸濁液として、特に1−100%、望ましくは1−95%、特に10−80%のエタノール溶液として添加されることができる。脂肪酸化合物の本発明的使用は、特に、生産工程の中での更なる抗菌剤との複合物に対して特に適しているということが示された。そのような組合せの範囲内で、望ましくは、更なる食品適合性抗菌剤が使用される。
ここでは、ホップ、ホップ誘導体および食品に適合した樹脂との本発明的複合物が特に好ましい。ホップまたはホップ誘導体が使用される製糖工程は、例えば欧州特許第0681029B1号明細書に記載されている。食品に適合した樹脂が、それのみでならびにホップおよびホップ誘導体と組み合わせて、使用される方法は、国際特許第01/88205A1号明細書に記載されている。本発明によれば、更なる抗菌剤の、本発明的脂肪酸化合物との組合せは、部分的および連続的の両様で行われうる。こうして、たとえば、製糖工程が、一時的に混合された脂肪酸化合物の存在下で、一時的に樹脂を使って、および、一時的にホップ製品(たとえばホップ−β−酸)の存在下で、遂行されうる。これは、継続的にならびに組合せにおいての両様で遂行される。
脂肪酸の本発明的添加は、糖生産のどの時点で行われてもよいが、しかし、望ましくは、本発明的脂肪酸化合物は、少なくとも糖含有植物部分、特にテンサイまたはサトウキビの熱的抽出物中に存在する。そこでは、たとえば、ミリスチン石鹸が、糖含有植物原料を機械的に微粉砕した後に、抽出植物部品に添加される。
脂肪酸化合物の本発明的応用に対する好ましい温度条件は、50−80℃、特に55−70℃である。
本発明による方法の好ましい実施態様によれば、請求項に係る脂肪酸化合物は、粗絞汁の回収の間に使用される。糖のための一般的製造工程の具体例は、「ウルマンズ・エンチクロペディー・デル・テヒニシェン・ヘミー」第4版、24巻、703−748頁に含まれており、そこでは、脂肪酸化合物の発明的添加が、そこで記載されている全ての(部分的な)ステップにおいて行われうる。
望ましくは、本発明によれば、請求項に係る脂肪酸化合物は、それによって糖が原料中の糖含有植物から抽出されるその抽出溶液に添加される。
特に好ましい実施態様によれば、製糖工程の間の膜処理法またはイオン交換法は、本発明的脂肪酸化合物の存在下で遂行される。
望ましくは、請求項に係る脂肪酸化合物は、0.1−80%の糖濃度で、特に50−80℃の温度のような、高温で使用される。
ホップ製品と共に存在した糖製品に苦い風味がもたらされる危険性は、脂肪酸化合物の場合存在しない。なぜなら、望ましく使用される脂肪酸化合物は苦味を持たないからである。したがって、ごくわずかの固有の風味のない、またはある、脂肪酸化合物が都合がよい。
微生物のホップまたは松脂製品への適応、またはホップ抵抗性または松脂抵抗性微生物の淘汰を食い止めるための、本発明的脂肪酸化合物による処理は、ホップまたは松脂をベースにした微生物抑制剤による処理で特に好都合に遂行される。
1つのプロセスにおいて淘汰と適応が確認されないならば、1個の複合試剤の特に高い効果を得るために、たとえば、本発明による脂肪酸化合物および/またはホップ製品の複合試剤が使用される。
糖含有基質、たとえば糖含有液体培養液−これが微生物学では普通である−が、滅菌しないままか、または、菌腫の接種の後培養されるならば、酸形成が起こり、それは、pHの低下によってきわめて容易に確認される。通常の糖含有植物絞汁、たとえばテンサイ絞汁を培養すると、同じ現象が起こる。工業的プロセスでは、たとえばテンサイからの糖汁の回収において、糖の分解によるpHの低下は、糖の減少およびアルカリ化剤の必要を意味する。さらに、基質中の細菌含量の増加によるpHの低下は、しばしば不快なガスおよび亜硝酸エステルの生成と関係している。この配合は、また製糖工程の範囲内で物質の細菌抑制活性を決定するための効率的なシステムを形成する。
高温での好熱性微生物に起因するそのような酸形成の間に、たとえば、本発明による脂肪酸化合物の溶液が添加されるならば、酸形成およびそれに関連するpHの低下は、10ppmという一定濃度から始まって、停止する。こうして、酸形成に関連した不都合は、たとえば糖含有基質へのミリスチン酸の添加によって避けることができる。したがって、脂肪酸化合物は、温いシステムにおけるより冷えた水性のシステムに易溶でないから、なるべく高く上げた温度が使用される。したがって、正にそれらのより良い溶解性のゆえに、それらは、好熱性微生物に対して高温で特に良好に使用されうる。その上、高温では、微生物叢は2、3種類のバクテリアに限定される。
驚くべきことに、本発明による脂肪酸化合物、たとえばミリスチン酸は、酵母に対しては、高温菌に対してよりも著しく低い有効性を示す。その上、それらは、酵母増殖のpHと温度の条件下で難溶性を示し、そのため主にバクテリアの抑制を引き起こすホップおよび松脂製品の既知の特性が脂肪酸化合物の中でも現われる。テンサイ抽出物の範囲内で、すなわち、該絞汁をライムおよび炭酸で精製する前に本発明による脂肪酸化合物を使用するとき、これらの脂肪酸化合物は高い度合いまで分離される。脂肪酸は、Caイオンにより不溶性石鹸を形成し、それは炭酸カルシウムと共に工程から放出される。これは、テンサイの抽出のための細菌抑制剤としての脂肪酸の長所を構成する。糖蜜中に残っているその量および最終処理をした糖に付着しているその痕跡が、Caによって沈殿する能力によって決定的に減少するだろうからである。絞汁精製の間にCa塩類として沈殿しないで、酵母によって使用される予定になっている糖蜜の中に入る脂肪酸の残りの量は、したがって、たとえば四級アンモニウム塩のような若干の化学的手段と比較して無害であると思われる。
更なる態様によれば、本発明はまた、糖含有植物原料の抽出のための、抽出液に関する。そして、それは、この抽出液の共通成分に加えて、添加された(すなわち(これだけの量は)自然には存在しない)脂肪酸化合物を含む。抽出された糖(蔗糖)の他に、そのような抽出液は、グルコースおよびフルクトースの痕跡量、ならびにそれぞれの植物原料、たとえば(テンサイ中の)ベタインまたは(サトウキビ中の)アコニット酸に特有の成分を含む。更なる成分は、アラニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、イソロイシン、ロイシン、スレオニンまたはバリンのような、アミノ酸(10−200mg/lの粗絞汁の範囲内で)、酒石酸塩、クエン酸塩、乳酸塩またはマレイン酸塩(10−5000mg/lの粗絞汁)、またはシキミ酸それぞれ、あるいは、カフェイン酸、3,4−ジヒドロキシ安息香酸、クロロゲン酸、アピゲニン、スウェルチシン(swertisin)、ルテオリンまたはトリシンのような、フラボノイドまたはフェノール性成分である。(シュナイダー(Schneider)著「テヒノロジ・デス・ツッカース(Technologie des Zuckers)」、シャーペル出版社、ハノーファー(1968年)、247−253頁);ファン・デル・ペール(Van der Poel)ら著「シュガー・テクノロジ(Sugar Technology)」、ドクター・バルテンス出版社、ベルリン(1998年)、152−157頁;ファン・デル・ペールら著「ツッカーテヒノロジ(Zuckertechnologie)」、ドクター・バルテンス出版社、ベルリン(2000年)、163−168頁)。
好ましい実施態様によれば、本発明による抽出液は、さらに、混合されたホップ、ホップ誘導体および/または食品に適合する樹脂を含む。
更なる態様によれば、本発明はまた、糖含有植物原料から、本発明による方法によって得られる、したがって混合された脂肪酸化合物の(残存)含有量を含む糖または糖含有製品に関する。この含量は、ガスクロマトグラフィーなどのような、それ自体既知の分析法によって容易に検出される。本発明による好ましい糖または糖含有製品は、検出限界から始まって1ppmまで、脂肪酸化合物の含量を示す。しかし、本発明によれば、好ましい製品はまた、糖ならびに、たとえばテンサイチップ動物飼料、炭酸入りライム、濃厚な絞汁および糖蜜のような、糖の工業的生産において発生する糖の副産物の全てである。たとえば、圧搾製品として提供されるテンサイチップ動物飼料は、望ましくない微生物の増殖にとって特別良好な環境である。そのような汚染は、もちろん、これらの製品の供給品質を決定的に悪化させうる。混合された脂肪酸化合物の存在は、そのような製品被害だけではなくて、望ましくない悪臭の発生をもまた減らす。
更なる様態によれば、本発明はまた、糖の生産においての本発明による脂肪酸化合物の使用に関する。ここでは、それらの使用は、好熱性微生物を抑止するために、特にバチルス属、サームス属およびクロストリジウム属を抑止するために、特に好ましい。
本発明は、今、以下の実施例によって更に詳細に説明されるが、それらに限定されることはない。
実施例1
微生物学で一般に使用されている、蒸留水1リットルにつき、バクトペプトン10g、肉エキス5g、酵母抽出物5g、グルコース1g、KHPO1g、MgSO・7HO0.1g、FeSO・7HO0.01gからなる、液体培地を、従来の方法で120℃で20分間殺菌し、大規模なテンサイ抽出液からの粗絞汁20mlを加えて、65℃の温度に保った容器中で培養する(その際、pHをレコーダに記録する)。高温細菌の増殖で、pHは次第に低下する。これは、微生物に起因する酸形成を示す。
本実施例では、そのような微生物が、およそ4時間のインキュベーションから始まって、ますます顕著なpH低下(ΔpH/h)を引き起こす。培養液1リットルにつき、ミリスチン酸の1%アルコール溶液1mlの添加によって、pH低下は、5時間後に、突然そして永続的に停止する。培養液1リットルにつきミリスチン酸10mgの濃度で少なくとも14時間の効果がもたらされる。該効果は、脂肪酸によっている。なぜなら、培養液1リットルにつき40−60mlのアルコール量だけでそのような培養が損なわれるからである。
Figure 2010029222
pH 6.47でのミリスチン酸10mg/lの添加
実施例2
実施例1による混合培養において、高温細菌の増殖は、連続増加性のpH低下(ΔpH/h)を示す。培養液1リットルにつきパルミチン酸の1%アルコール溶液1ml(10mg/lに相当する)を添加することによって、5時間後にpH低下が直ぐに完全にストップするが、実施例1とは対照的に、1.5−2時間後にすでに、培養における新たなpH低下が生起する。50mg/lの総濃度までのパルミチン酸の新たな添加は、もはやこのpH低下を止めることができず、単にそれを毎時0.13から0.07pH単位まで遅らせることができるだけである。本実施例は、パルミチン酸(C16)の基本的作用を示すが、それは、しかし、非常に短い期間だけ継続する。ステアリン酸(C18)およびオレイン酸(C18:2)の挙動は全く類似しているが、一方ベヘン酸(C22)は、そのような例ではなんら効果を示さない。
Figure 2010029222
pH 6.52でのパルミチン酸10mg/lおよびpH 6.49−6.36の間での4×10mg/lの添加。
実施例3
実施例1による混合培養において、pH低下は、高温細菌によって起こる。ラウリン酸(C12)の1%アルコール溶液1mlの2回の添加(20mg/lの濃度に相当する)は、なんら作用を持たない。溶液1mlの3回目の添加(30mg/lの総濃度に相当する)だけは、pH低下を止める。ウンデカン酸(C11)の場合、そのような実施例では、作用は40mg/lで達成される。驚くべきことに、よく知られた防腐剤であるソルビン酸(C6:2)は、150mg/lでさえ、何の作用にも至らない。これは、高温での脂肪酸の作用は、中温を好む微生物に関する文献の中のデータから導き出すことができないことを示す。
Figure 2010029222
pH 6.74−6.49の間でのラウリン酸3×10mg/lの添加。
実施例4
実施例1にけるような、液体培地に、ドイッチェ・ザムルング・ヒュア・ミクロオルガニスメン・ウント・ツェルクルトゥーレン社(Deutsche Sammlung fuer Mikroorganismen und Zellkulturen GmbH)の純粋培養菌株DSMZ 457を接種する。1時間後に始まるpH低下は、わずかに4mg/lの濃度に相当するミリスチン酸(C14)の1%アルコール溶液0.2mlの2回の添加によって止めることができる。4時間後に、新たなpH低下が始まるが、2mg/lのさらなる添加、すなわち総量6mg/lで、さらに7時間止めることができる。本実施例は、類似した効果を、非常に低い濃度の純粋培養でも達成させることができることを示す。
Figure 2010029222
pH 6.81−6.51の間で2×2mg/lの、およびpH 6.39で更なる2mg/lの添加。
実施例5
実施例1にいる混合培養を準備し、35℃で培養する。5時間後に始まるpH低下は、培養液1リットルにつきミリスチン酸の1%アルコール溶液1mlの11回連続添加(110mg/lに相当する)および4mlのさらなる添加、すなわち総量150mg/lで、止めることができる。この実施例は、中温菌と高温菌の混合培養の間の挙動における特徴的差異を示す。
Figure 2010029222
pH 6.55−6.30の間でのミリスチン酸11×10および1×40mg/lの添加。
実施例6
実施例1による混合培養を準備する。4時間後に始まるpH低下は、培養液体1リットルにつきミリスチン酸(カリウム塩として)の1%水溶液の1mlの添加によって、突然、そして、永続的に止めることができる。培養液体1リットルにつきミリスチン酸(カリウム塩として)10mgの濃度で、少なくとも12時間の効果がもたらされる。
Figure 2010029222
pH 6.46でミリスチン酸(カリウム塩とし)10mg/lの添加。
実施例7
抽出塔およびチップマッシュからなる、1日につき連続的に12,000tのテンサイを処理するためのテンサイ抽出工場は、ホルマリン、ジチオカルバメート、ホップおよび樹脂製品のような、細菌活性を減らす既知の試剤の添加なしで運転する。粗絞汁中で630−790mg/lの乳酸含量が出現する。9、13および17時間にそれぞれ200l量の20%ミリスチン酸入り石鹸液の3回の投与(10g/テンサイtの投与量に相当する)によって、乳酸含量を、1日のうちに450−550mg/lの間にまで低下させることができる。24時間にわたって等しく配分された適用量に関する自動計量が望ましい。
実施例8
MIC値を測定すること:脂肪酸エステルと比較した、脂肪酸およびそのアルコール、それぞれの効果
抗菌性物質の最小阻止濃度(MIC)として、この物質が効果を示す最少濃度が考えられる。すなわち、この値が小さくなればなるほど、微生物の増殖を止めるために添加される必要がある抗微生物物質は少なくなる。糖生産の範囲内での抗菌活性を例示するために、例証としてミリスチン化合物を用いて実施例を遂行する。
微生物学で一般に使用されており、蒸留水1リットルにつき、バクトペプトン10g、肉エキス5g、酵母抽出物5g、グルコース1g、KHPO1g、MgSO・7HO0.1gおよびFeSO・7HO10.01gからなる、液体培地を殺菌し、65℃の温度に保った容器の中に入れ、大規模なテンサイ抽出液からの粗絞汁20mlを接種する。その際、pHをレコーダに記録する。高温菌の増殖で、pHは次第に低下する。これは、微生物によって引き起こされた酸形成を示す。
MIC値の測定を、pHの安定化(それは微生物増殖の終わりを示唆する)または、150mg/lという最大濃度(それを越えると工業的適用は経済的理由で完全に不可能である)に、それぞれ、達するまで、脂肪酸化合物の、10mg/lステップでの段階的添加によって行った。結果を下の表に示す:
Figure 2010029222
該試験は、遊離脂肪酸(ここではミリスチン酸)およびそのアルコールはそれぞれ10mg/lのMICを持つこと、一方、対応するエステルは、試験した濃度範囲で効果がないことを示す。
実施例9
MIC値を測定すること:ミリスチン酸およびラウリン酸
実施例8に類似して、MIC値の測定を、pHの安定化(微生物増殖の終わりを示唆する)まで、脂肪酸化合物の、2mg/lステップでの段階的添加によって行った。本実施例で使用する脂肪酸化合物は、ミリスチン酸およびラウリン酸ならびにそれらのカリウム塩である。この場合、酸は両方とも個別に1:1の混合物で使用し、塩は専ら1:1の混合物で使用した。
結果を下の表に例示する:
Figure 2010029222
試験は、ミリスチン酸がラウリン酸(18mg/ml)より実質的に低い濃度(6mg/ml)で成功裏に使用できることを示す。驚くべきことに、両方の酸(8mg/ml)の1:1混合物のばあい、ミリスチン酸だけを添加するときと類似したMICを見つけることができた。2種のカリウム塩(8mg/ml)の1:1混合物は、同様に有効であった。

Claims (20)

  1. 糖含有植物原料から工業的糖生産の、糖またはテンサイチップ動物飼料、炭酸入りライム、濃厚な絞汁および糖蜜のような、糖含有副産物を生産する方法であって、該生産が、混合された、炭素数8以上21以下の脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールの存在下で少なくとも部分的に行われることを特徴とする方法。
  2. 脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールがそれぞれ炭素数10個以上、20個未満の鎖長を持つことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ヘンイコサン酸または関連する石鹸が脂肪酸化合物として使用されることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 10、C12、C14、C16およびC18脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールが使用されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールがそれぞれ、0.1−100mg/l、望ましくは5−40mg/l、特に10−25mg/lの量、使用されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 該脂肪酸化合物が、石鹸として、望ましくはアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩の溶液もしくは懸濁液として、特にカリウム塩溶液として、特に0.5−35%のカリウム塩溶液として、使用されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールがそれぞれ、アルコール溶液または懸濁液として、望ましくは1−95%、特に10−80%のエタノール溶液として使用されることを特徴とする、請求項1〜6に記載の方法。
  8. 脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールがそれぞれ、更なる食物適合性抗菌剤と配合して、特に天然の、食物適合性樹脂、ホップまたはホップ誘導体あるいはそれらの複合物と配合して使用されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールがそれぞれ、少なくとも糖含有植物部分、特にテンサイまたはサトウキビの熱抽出において使用されることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールがそれぞれ、糖含有植物原料から糖が抽出された抽出液に添加されることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールがそれぞれ、少なくとも膜処理の間および/またはイオン交換法の間に添加されることを特徴とする、請求項1〜10に記載の方法。
  12. 脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールがそれぞれ、0.1−80%、特に60−70%の糖濃度で、特に50−80℃の温度で、使用されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールがそれぞれ、濃厚な絞汁から糖を回収する間に使用されることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 糖含有植物原料が、テンサイまたはサトウキビであることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 糖含有植物原料を抽出するための抽出液であって、それが、付加的に混合された脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールをそれぞれ含むことを特徴とする抽出液。
  16. 請求項15に記載の抽出液であって、それが、付加的に混合された天然の食物適合性樹脂、特にコロホニーまたはコロホニー誘導体、ホップまたはホップ誘導体を含むということを特徴とする抽出液。
  17. 混合された脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールのある含量をそれぞれ持ち、植物原料から請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法によって得られる工業的糖生産の、糖または糖含有副産物。
  18. テンサイチップ動物飼料、炭酸入りライム、濃厚な絞汁および糖蜜から成る群から選ばれた、請求項17に記載の工業的糖生産の糖含有副産物。
  19. 糖の製造における、脂肪酸化合物の酸、石鹸またはアルコールそれぞれの使用。
  20. 好熱性微生物を抑制するための、特にバチルス属、サームス属および/またはクロストリジウム属の菌種を抑制するための、請求項19に記載の使用。
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