JP2001187401A - 防腐用木材保存剤 - Google Patents

防腐用木材保存剤

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JP2001187401A
JP2001187401A JP37577899A JP37577899A JP2001187401A JP 2001187401 A JP2001187401 A JP 2001187401A JP 37577899 A JP37577899 A JP 37577899A JP 37577899 A JP37577899 A JP 37577899A JP 2001187401 A JP2001187401 A JP 2001187401A
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wood
preservative
fatty acid
sodium
salt
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慎治 ▲吉▼田
Shinji Yoshida
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】 人畜に対する安全性が高く、環境に対して
悪影響を及ぼすことがなく、高い防腐作用を示し、しか
もその優れた防腐作用が長期間にわたり持続する防腐用
木材保存剤を提供する。 【解決手段】脂肪酸塩を含有する防腐用木材保存材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防腐用木材保存剤に
関し、より詳細には木材が使用された建築物や家具等を
侵食する例えばアスペルギルス属(Aspergillus)、ペ
ニシリウム属(Penicillium)等のカビ類やオオウズラ
タケなどの木材腐朽菌等による腐食に対して有効な防腐
木材保存剤、その製造方法および木材の保存方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、シロアリやヒラタキクイムシ等の
木材害虫による虫害、オオウズラタケやイドタケ等の木
材腐朽菌による腐朽、アスペルギルス属(Aspergillu
s)、ペニシリウム属(Penicillium)等のカビ類による
汚染を防止するため、種々の木材保存剤が利用されてい
る。そして、その有効成分としては、防虫作用、木材防
腐作用、殺菌作用、防カビ作用等を有する種々の化合物
が知られている。しかし、これら従来より知られている
木材保存剤は、人畜に対する安全性および環境に及ぼす
影響が高く、自然の生態系を破壊する虞がある。
【0003】一方、天然物由来の木材保存剤も知られて
いる。例えば、キハダ(Phellodendron amurense Rup
r.,P.molle Nakai)に含まれるオバクノン、オウレン(Co
ptisjaponica Makino)の根、キハダ(Phellodendron amu
rense Rupr.)の樹皮などに含まれるベルベリンは、シロ
アリに対する食毒がみとめられている。
【0004】また、高級アルコール及び高級脂肪酸エス
テルが人体に対する毒性が低く、環境にも優しい木材害
虫防除剤であることも知られている(特開平8−133
909)。
【0005】さらには、炭素数7〜12の脂肪酸が木材
害虫防除剤として用いられ得ることも知られている(特
開平10−67607)。
【0006】またさらには、全炭素数が10又は11の
脂肪酸鎖状エステルがイガ、コイガ、ヒメマルカツオブ
シムシなどの羊毛害虫の忌避剤として有効であることも
知られている(特開昭68−39603)。
【0007】しかし、これら天然物由来の木材保存剤に
おいて、カビ類による腐食、侵食に対する有効性につい
ての検討は全くなされていない。
【0008】本発明者らは、人畜に対する安全性が高
く、環境にやさしい防腐用木材保存剤を得ることを目的
として研究を行った結果、脂肪酸塩が人体に対する毒性
が低く、環境にもやさしく、しかも優れた木材防腐作用
を有すること、さらに思いがけなくも脂肪酸塩を含む製
剤で木材の断面を処理すると、脂肪酸塩が高濃度で木材
ないぶに含浸すること、そして木材内部に含浸した脂肪
酸塩は長期間安定に存在すること、従って効果の持続力
が高いことを見出し、さらに検討を重ねて本発明を完成
するに至った.
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、カビ
類に対して高い防カビ効果を示すとともに、木材に対し
て高い防腐性を有する防腐用木材保存剤を提供すること
にある。
【0010】本発明の他の目的は、人畜に対する安全性
が高く、環境に対して悪影響を及ぼすことのない防腐用
木材保存剤を提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、木材の腐敗を
招くカビ類を確実かつ効率良く防除できる防腐用木材保
存剤を提供することにある。
【0012】しかも本発明の木材保存用カビ剤は、有効
成分を高濃度に含浸させることにより、高い木材保存効
果をあげることも目的とする。さらに本発明の防腐用木
材保存剤の優れた防腐効果は長期間持続する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成すべく鋭利検討した結果、脂肪酸塩を含有させる
ことにより有効成分を高濃度含浸させることができ、ま
た、高い防カビ効果をあげることを見出した。さらに検
討を重ねて本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明は (1)脂肪酸塩を含有することを特徴とする防腐用木材
保存剤、(2)前記(1)記載の脂肪酸塩が脂肪酸金属
塩である防腐用木材保存剤、(3)脂肪酸塩における脂
肪酸が炭素数7〜12の脂肪酸である前記(2)記載の
防腐用木材保存剤、(4)金属塩がアルカリ金属塩であ
る前記(2)記載の防腐用木材保存剤、(5)脂肪酸金
属塩がデカン酸金属塩である前記(2)記載の防腐用木
材保存剤、(6)デカン酸金属塩がデカン酸ナトリウム
塩またはデカン酸カルシウム塩である前記(5)記載の
防腐用木材保存剤、及び(7)木材を前記(1)〜
(6)記載の防腐用木材保存剤で処理することを特徴と
する木材保存方法、に関する。
【0015】本発明に用いられる脂肪酸金属塩の脂肪酸
は、直鎖構造を有するものであっても枝分かれした構造
のものであってもかまわない。また、飽和脂肪酸でも不
飽和脂肪酸であってもよい。具体的には、好ましくは炭
素数8〜35のものが挙げられる。より好ましくは炭素
数7〜12のものが挙げられる。例えば、デカン酸、カ
プロン酸、ペプタン酸、カプリル酸、ノナン酸、カプリ
ン酸、ラウリン酸等の飽和脂肪酸、ソルビン酸等の不飽
和脂肪酸が挙げられる。
【0016】本発明で用いられる脂肪酸の金属塩として
は、アルカリ金属塩(カリウム塩、ナトリウム塩)、ア
ルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩)が
好ましい。より好ましくは、ナトリウム塩、カルシウム
塩が望ましい。前記脂肪酸金属塩は、炭素数が1〜18
の脂肪族力ルボン酸残基とアルカリ金属塩、アルカリ土
類金属塩からなるものが好ましく、その具体例として
は、例えばデカン酸ナトリウム、デカン酸カルシウム、
カプロン酸ナトリウム、カプロン酸カルシウム、力プリ
ル酸ナトリウム、カプリル酸カルシウム、ノナン酸ナト
リウム、ノナン酸カルシウム、力プリン酸ナトリウム、
カプリン酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ラウリ
ン酸カルシウム、ミリスチン酸ナトリウム、ミリスチン
酸カルシウム、パルミチン酸ナトリウム、パルミチン酸
カルシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カ
ルシウム、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カルシウ
ム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウムが挙げられる。
【0017】木材の種類としては、産業上利用可能な木
材であればいかようなものでもよいが、好ましくはヒノ
キ、ヒバ、スギ、ベイツガ、マツなどである。本発明に
よる防腐用木材保存剤により保護される木材は、例えば
構造用木材、木製角材、線路のまくら木、架橋部品、防
波堤、木製の車、パレット、容器、木製被覆材、木製の
窓およびドア、合板、削片板、建具屋の仕事または建設
業もしくはビル建築等、一般的に用いられている木材ベ
ースの材料である。
【0018】本発明の防腐用木材保存剤は、上記有効成
分原料を含んでいる限り、その製剤の形態は特に制限さ
れない。また、防腐用木材保存剤は、製剤化されていて
もよい。前記製剤形態として、例えば、溶液剤、水和
剤、懸濁剤、分散剤、乳剤、油剤、ローションなどの液
剤;粉剤、粒剤、マイクロカプセル剤、マイクロスフエ
ア、フロアブル剤、発泡剤などの固形剤;ペースト剤、
クリームなどの半固形剤;噴霧剤、エアゾール剤;塗料
などが挙げられ、これらは使用目的や適用部位に応じて
適宜選択できる。これらの製剤は、従来公知の慣用の簡
単な方法で製造できる。
【0019】前記液剤、半固形剤は、例えば、前記有効
成分を適当な液体希釈剤または担体を用いて希釈するこ
とにより製造できる。なお、水和剤の場合には、さらに
固体希釈剤または担体を用いてもよい。
【0020】前記液体希釈剤又は担体としては、例え
ば、水;エチレングリコール、プロピレングリコール、
グリセリンなどのアルコール類;可塑剤(例えば、ジ−2
−エチルヘキシルアジペートなどのエステル系可塑剤な
ど);ケロセンなどの石油系溶剤;エチルナフタレン、
フェニルキシリルエタンなどの芳香族炭化水素;2−エ
チルヘキシルフェニルホスフェートなどのリン酸エステ
ルなども使用できる。これらの液体希釈剤や担体は、一
種又はニ種以上混合して使用できる。前記固体希釈剤又
は担体としては、例えば、ケイソウ土、雲母、粘土、カ
オリン、タルク、石英粉末、ベントナイトなどが挙げら
れる。これらの固体希釈剤又は担体も、単独または二種
以上の混合物として用いることができる。
【0021】前記固形剤は、例えば、前記有効成分を適
当な固体希釈剤又は担体で希釈したり造粒することによ
り製造できる。固体希釈剤又は担体としては、前記例示
の固体希釈剤以外に、滑石粉、ロウ石粉などのタルク
粉、微粉末クレイなどのクレイ類や炭酸カルシウムなど
の鉱物性粉末;硫黄粉末;尿素粉末;木粉、澱粉などの
植物性粉末;農薬、園芸用製剤などに繁用される各種担
体が挙げられる。これらの固形希釈剤や担体は、増量剤
として使用される場合も多い。固形希釈剤や担体も、一
種または二種以上混合して使用できる。
【0022】前記エアゾール剤は、例えば、前記有効成
分を必要に応じて適当な溶剤で希釈し、噴射剤と共に容
器に充填することにより製造できる。溶剤としては、例
えば、前記例示の溶媒などが挙げられる。噴射剤として
は、フロン、液化天然ガスなどが挙げられる。
【0023】なお、本発明の防腐用木材保存剤は、製剤
の種類に応じて、必要により種々の添加剤、例えば、防
腐剤;酸化防止剤や紫外線吸収剤などの安定化剤;結合
剤;皮膜形成能を有する樹脂;乳化剤、分散剤、展着
剤、湿潤剤、浸透剤;増粘剤;流動助剤;固結防止剤;
凝集剤;紫外線散乱剤;水分除去剤;着色剤などを含ん
でいてもよい。
【0024】前記防腐剤としては、例えば、3−ブロモ
−2,3−ジヨード−2−プロペニルエチルカーボネー
ト、3−ヨード−2−プロピニルブチルカーバメート、
2,3,3−トリヨードアリルアルコール、パラクロロ
フェニル−3−ヨードプロパルギルホルマールなどの有
機ヨード系化合物;2−(4−チアゾリル)ベンズイミ
ダゾール、2−チオシアノメチルチオベンゾチアゾール
などのベンズイミダゾール、2−チオシアノメチルチオ
ベンゾチアゾールなどのベンズイミダゾールおよびベン
ゾチアゾール系化合物;1−(2−(2’,4’−ジク
ロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−2−イルメチ
ル)−1H−1,2,4−トリアゾール、1−(2−
(2’,4’−ジクロロフェニル)−プロピル−1,3
−ジオキソラン−2−イルメチル)−1H−1,2,4
−トリアゾール、α−(2−(4−クロロフェニル)エ
チル)−α−(1,1−ジメチルエチル)−1H−1,
2,4−トリアゾール−1−エタノールなどのトリアゾ
ール系化合物;ジンクービス−(2−ピリジン−チオー
ル−1−オキシド)、フタル酸亜鉛などの有機亜鉛系化
合物、4−イソプロピルトロポロン(ヒノキチオー
ル)、ホウ砂などの天然化合物などが挙げられる。
【0025】酸化防止剤としては、例えば、4,4’チ
オビス−6−t−ブチル−3−メチルフェノール、ブチ
ル化ヒドロキシアニソール(2−t−ブチル−4−メト
キシフェノールと3−t−ブチル−4−メトキシフェノ
ールの混合物)、p−オクチルフェンノール、モノ(ま
たはジまたはトリ)−(α−メチルベンジル)フェノー
ル、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BH
T)、ペンタエリスリチル テトラキス[3−(3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピ
オネートなどのフェノール系酸化防止剤;N,N’−ジ
−2−ナフチル−p−フェニレンジアミンなどのアミン
系酸化防止剤;2,5−ジ(t−アミル)ヒドロキノリ
ンなどのヒドロキノリン系酸化防止剤;ジラウリルチオ
ジウロピオネートなどの硫黄系酸化防止剤;トリフェニ
ルホスファイトなどのリン系酸化防止剤などが例示でき
る。
【0026】紫外線吸収剤としては、例えば、2−
(2’−ヒドロキシ−5’メチルフェニル)ベンゾトリ
アゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−n−オクト
キシフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリア
ゾール系化合物;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾ
フェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾ
フェノンなどのベンゾフェノン系化合物;サリチル酸フ
ェニル、p−t−ブチルフェニルサリシレートなどのサ
リチル酸系化合物;2−エチルヘキシル 2−シアノ−
3,3−ジフェニルアクリレート、2−エトキシ−2’
−エチルシュウ酸ビスアニリド、コハク酸ジメチル−1
−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシー2,
2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物などが挙
げられる。
【0027】皮膜形成能を有する樹脂としては、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、アクリル
樹脂、ポリ塩化ビニル、スチレン系樹脂、フッ素樹脂、
塩素化ポリオレフィン、アルキド樹脂、ポリアミド、ポ
リエステルなどの熱可塑性樹脂;フェノール樹脂、ユリ
ア樹脂、メラミン樹脂、フラン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などが例示で
きる。
【0028】乳化剤、分散剤、展着剤、湿潤剤、浸透剤
としては、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性
剤、カチオン系界面活性剤などの慣用の界面活性剤が使
用できる。アニオン系界面活性剤には、例えば、金属石
鹸類、硫酸アルキルナトリウムなどの硫酸エステル塩、
アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキル
ベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
ナトリウム[例えば、竹本油脂(株)製、商品名ニュー
カルゲンBX−C]などのアルキルナフタレンスルホン
酸、2−スルホコハク酸ジアルキルナトリウム[例え
ば、第一工業製薬(株)製、商品名ネオコールSW−
C]などの2−スルホコハク酸ジアルキル塩、ポリカル
ボン酸型界面活性剤[例えば、三洋化成(株)製、商品
名トキサノンGR−30]、α―オレフィンスルホン酸
塩、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル
サルフェートアンモニウム塩[例えば、第一工業製薬
(株)製、商品名ディクスゾール60A]、リグニンス
ルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カリウムなど
が例示できる。ノニオン系界面活性剤には、例えば、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルアリールエーテル[例えば、第一工業製薬
(株)製、商品名イノゲン・イーエー−142(EA−
142)]、ポリオキシエチレンアリールエーテル、脂
肪酸多可価アルコールエステル、脂肪酸多価アルコール
エステル、脂肪酸多価アルコーポリオキシエチレン、シ
ョ糖脂肪酸エステル、酸化エチレンと酸化プロピレンと
のブロック共重合体[例えば、三洋化成(株)製、商品
名ニューポールPE−64]などが例示できる。
【0029】増粘剤には、例えば、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリル酸とその塩、キサンタンガムなどが例
示でき、流動助剤として、PAP助剤(例えば、イソプ
ロピルリン酸)、ワックス、ポリエチレン、脂肪酸金属
塩、パラフィン、シリコーンオイルなどの有機滑剤、タ
ルクなどの無機滑剤が例示できる。固結防止剤として、
例えば、ホワイトカーボン、珪藻土、ステアリン酸マグ
ネシウム、酸化アルミニウム、二酸化チタンなどが挙げ
られる。凝集剤としては、例えば、流動パラフィン、エ
チレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、イソブチレン重合体[例えば、出光石油
化学(株)製、商品名IPソルベントー2835]など
が挙げられる。紫外線散乱剤としては、二酸化チタンな
どが例示できる。水分除去剤としては、無水石膏、シリ
カゲル粉末などの乾燥剤が挙げられる。着色剤には、例
えば、有機又は無機顔料や染料が含まれる。
【0030】本発明の防腐用木材保存剤は、他の防虫剤
や害虫忌避剤、効力増強剤を含んでいてもよい。前記他
の防虫剤としては、例えば、ホキシム、クロルピリホ
ス、フェニトロチオン、ピリダフェンチオン、イソフェ
ンホスなどの有機リン系化合物;バッサ、プロポキサー
などのカルバメート系化合物;サイフルスリン、パーメ
スリン、トラロメスリン、フェンパレレート、エトフェ
ンプロックス、Hoe−498などのピレスロイド系化
合物、イミダクロプリド、ニテンピラム、アセタミプリ
ドなどのネオニコチノイド系化合物、フィプロニールな
どのフェニルピラゾール系化合物、ベンスルタップなど
のネライストキシン系化合物、ヒバ油、ヒバ中性油、デ
カン酸、オクタン酸などの脂肪酸やホウ酸などの他、ニ
ーム(特開平3−41011号公報)、モリンガ属、マ
ラー属をはじめとした植物(特開平6−329514号
公報)などが挙げられる。また、昆虫成長制御剤(IG
R)として知られているルフェヌロン、ヘキサフルムロ
ン、ジフルベンズロン、フルフェノクスロンなどのキチ
ン合成阻害剤やメトプレン、ハイドロプレンなどの幼若
ホルモン様化合物を含んでいてもよい。
【0031】前記有効成分、すなわち、防カビ性を有す
る脂肪酸金属塩の群から選ばれた少なくとも1種以上の
有効成分の含有量は、例えば5〜60重量%、好ましく
は10〜50重量%程度である。前記木材粉砕物の含有
量は、例えば5〜60重量%、好ましくは10〜50重
量%程度である。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明に係る防腐用木材保存剤の
対象となるカビ類としては以下のようなものが挙げられ
る。子嚢菌(Ascomycetes)[セラトシスチス(Ceratocy
stis)例えばセラトシスチス・マイナー(Ceratocystis
minor)、ケトミウム属(Chaetomium)例えばケトミウ
ム・グロボスム(Chaetomium globosum)不完全菌類(D
euteromycetes)[アスペルギルス属(Aspergillus)例
えば黒色こうじ菌クロカビ(Aspergillus niger)、オ
ウレオバシジウム属(Aureobasidium)例えばオウレオ
バシジウム・プルランス(Aureobasidium pullulan
s)、ペニシリウム属(Penicillium)例えばペニシリウ
ム・フニクローザム(Penicillium Funiculosum)、ト
リコデルマ属(Trichoderma)例えばトリコデルマ・ビ
リデ(Trihoderma viride)]接合菌類(Zygomyetes)
[ケカビ属(Mucor)例えばムコル・スピノルス(Mucor
spinorus)]
【0033】さらに本発明の防腐用木材保存剤は、種々
の菌類、例えば、褐色腐朽菌(例えば、オオウズラタ
ケ、イドタケ、キカイガラタケ、キチリメンタケ、ナミ
ダタケ)や白色腐朽菌(例えばカワラタケ)を少量にて
高い効率で防除する。
【0034】本発明の防腐用木材保存剤を用いた保存方
法においては、カビ類、木材害虫、木材腐朽菌類の侵入
源や発生源、例えば、建築物においては、台所、浴室、
居間、床のコーナー部、床下、天井、土台、柱、壁、木
製の窓やドア、また、線路のまくら木、架橋部品、防波
堤、木製の車、箱、パレット、容器、木製被覆材などに
前記防腐用木材保存剤を適用すればよい。防腐用木材保
存剤の適用方法には、カビ類の侵入源や発生源に応じた
種々の態様、例えば、塗布、散布、浸漬、注入、混和、
噴霧などの方法が含まれる。防腐用木材保存剤は、合成
樹脂シート、紙、布などのシート状基材に、塗布、含
浸、混練などにより保持させてシート剤を調整し、これ
を前記害虫や菌類の侵入個所や発生個所などに載置した
り貼りつけたりすることによっても、木材に発生するカ
ビ類による腐食を防除できる。又さらに本発明の防腐用
木材保存剤を家屋の床下の地面に、木材柱が垂下する礎
石の中心として半径約10〜30cmの円を描くように
散布することによって、木材害虫又は/及び木材腐朽菌
又は/及びカビ類から木材を永年にわたり保護すること
ができる。
【0035】以下に実施例に基づいて本発明を詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0036】
【実施例1】デカン酸ナトリウムの2%水溶液を調整
し、その中に木材片(ブナ、断面20×3mm、長さ5
0mm、6枚)に3分間浸漬処理し、風乾した。この木
片を直径90mmシャーレ(高さ20mm)に2%寒天
培地を注加し固化した後、寒天と木片が直接接しないよ
うに網を敷いた上に設置した。その上からアスペルギル
ス・ニガー(Aspergillus niger)、ペニシリウム・フ
ニクローズム(Penicillium funiculosum)、オウレオ
バシディウム・プルランス(Aureobasidium pullulan
s)、グリオクラディウム・ビレンス(Gliocladium vir
ens)の胞子混合液を2ml散布して、その状態を観察
した。
【0037】
【実施例2】上記実施例1においてデカン酸ナトリウム
の2%水溶液の代わりに0.5%デカン酸カルシウムの
エタノール溶液を用いる以外は実施例1と同一の方法
で、その状態を観察した。
【0038】
【実施例3】上記実施例1においてデカン酸ナトリウム
の2%水溶液の代わりに下記の組成からなる組成物を調
整し、これを用いる以外は実施例1と同一の方法で、そ
の状態を観察した。 デカン酸ナトリウム 1 デカン酸カルシウム 1 エタノール 45 デカン酸 5水 48 計 100
【0039】
【実施例4】上記実施例1においてデカン酸ナトリウム
の2%水溶液の代わりに下記の組成からなる組成物を調
整し、これを用いる以外は実施例1と同一の方法で、そ
の状態を観察した。 デカン酸 10 デカン酸ナトリウム 1 植物油 20 プロピレングリコール 20水 49 計 100
【0040】
【実施例5】上記実施例1においてデカン酸ナトリウム
の2%水溶液の代わりに下記の組成からなる組成物を調
整し、これを用いる以外は実施例1と同一の方法で、そ
の状態を観察した。 デカン酸 10 デカン酸ナトリウム 1 植物油 20 プロピレングリコール 20水 49 計 100
【0041】上記のように調整した防腐用保存剤を用い
て状態を観察した結果は以下のとおりである。なお、評
価値は以下の通りである。
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【発明の効果】本発明の方法においては、木材を汚染さ
せるカビ類を効率よく防御でき、木材の腐食被害や腐朽
被害を顕著に低減でき、また有効成分が脂肪酸塩である
ため、人畜に対する安全性が高く、環境に対して悪影響
を及ぼすことが少ないため、産業上有利に利用できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂肪酸塩を含有することを特徴とする防
    腐用木材保存剤。
  2. 【請求項2】 脂肪酸塩が脂肪酸金属塩である請求項1
    記載の防腐用木材保存剤。
  3. 【請求項3】 脂肪酸塩における脂肪酸が炭素数7〜1
    2の脂肪酸である請求項2記載の防腐用木材保存剤。
  4. 【請求項4】 金属塩がアルカリ金属塩である請求項2
    記載の防腐用木材保存剤。
  5. 【請求項5】 脂肪酸金属塩がデカン酸金属塩である請
    求項2記載の防腐用木材保存剤。
  6. 【請求項6】 デカン酸金属塩がデカン酸ナトリウム塩
    またはデカン酸カルシウム塩である請求項5記載の防腐
    用木材保存剤。
  7. 【請求項7】 木材を請求項1〜6記載の防腐用木材保
    存剤で処理することを特徴とする木材保存方法。
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