JP5181099B2 - 木材の撥水処理方法及び撥水処理木材及び撥水処理木材使用製品 - Google Patents

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Description

本発明は、常温常圧下で作業が行え、さらに簡便な作業で木材に撥水機能を付与することができる木材の撥水処理方法、並びにその撥水処理方法を施した撥水処理木材、及びその撥水処理木材を使用した撥水処理木材使用製品に関する。
木材の耐水加工や撥水加工は、防汚性向上や耐久性向上の観点から重要な加工であり、現在は合成樹脂での加工が主である。
また近年は、自然回帰思考によって自然塗料が普及しており、木材の耐水加工剤や撥水加工剤として蜜ロウや亜麻仁油などが使われている。
しかし、これらの塗料は、木が持つ特有の感触などの素材感を損ねるものであり、さらに加工時に悪臭が発生したり、自燃性があったり、又、乾燥時間が長いなどの欠点があった。
一方、上記した欠点がなく、かつエコロジーな天然の脂肪酸から成る脂肪酸アルカリ金属塩である石鹸を木材に塗布した木材処理方法(ソープフィニッシュ)が知られているが、このソープフィニッシュでは十分な撥水効果が得られないという問題を残していた。
このような問題を解決するために、例えば、温水中に固形石鹸を高濃度に溶融させて木材に塗布する方法があるが、石鹸が析出しやすいため、温度管理や石鹸濃度の管理が必要となり、煩雑な作業となる。
また、固形の石鹸を直接木材に擦り込む方法もあるが、この石鹸が木材表面に不均一に積層するため、耐水性は乏しい。
いずれの場合も石鹸を過剰に木材表面に塗布する方法であって、高濃度の石鹸が木材表面に積層するため、木の素材感を損ねる嫌いがあった。
そこで、木材にて撥水性を持つ脂肪酸金属塩を生成する方法が公知になっている(特許文献 特開平7−52106号公報参照)。
この方法は、真空、加圧、加熱操作などを行って、水中で石鹸状に溶融した脂肪酸処理液および無機物処理液を、それぞれ木材へ含浸させるものである。
しかし、前記した特許文献に記載の技術においては、脂肪酸処理液が溶解していないことから、木材に浸透させるためには真空減圧できる減圧容器、加熱加圧できる加熱加圧容器が必要であり、このような装置を持っていない一般の日曜大工を行うユーザーや木工者は使えない。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、木が持つ特有の触感などの素材感を損ねることがないソープフィニッシュを用い、常温常圧下で作業が行え、さらに作業が簡便であり、かつ均一に木材表面から木材内部に撥水機能がある界面活性剤−金属塩層を生成させて、木材表面に撥水機能を付与できる木材の撥水処理方法、並びに撥水処理木材及び撥水処理木材使用製品を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明(請求項1)の木材の撥水処理方法は、親水基にカルボン酸又はスルホン酸又はリン酸を持つ誘導体又はそれぞれの誘導体が塩を持つ1又は複数の界面活性剤と、これらを溶解させるために低級アルコールであるエチルアルコール及び/又はイソプロピルアルコールを0.1〜50重量%を含んでいる撥水処理組成液で木材を処理する木材の撥水処理方法であって、
前記撥水処理組成液による処理後に、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、鉄、銅、錫、ニッケル、鉛、カドミウム(より好ましくは、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、鉄)から選ばれた1又は複数の金属を含む無機水溶液又は分散液又は懸濁液(以下、無機水溶液、分散液、懸濁液を総称して「無機液」と言う)で処理する構成とした。
ここで、界面活性剤の濃度は撥水機能を付与するのに十分な0.1〜50重量%(以下、単に「%」で表示する)、および低級アルコールであるエチルアルコール及び/又はイソプロピルアルコールの濃度は上記の界面活性剤が溶解する0.1〜50%とする。
これによって、界面活性剤が水−低級アルコール混合溶液に完全に溶解するため、常温常圧下であっても木材への浸透が容易になり、減圧容器などの特別な装置や操作が必要ない。
又、本発明(請求項1)の撥水処理方法で使用する撥水処理組成液において、前記カルボン酸を持つ界面活性剤としては、脂肪酸であるカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、リノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イコサン酸から選ばれた1又は複数を主体とすることができる。
なお、カルボン酸を持つ界面活性剤である脂肪酸塩は、脂肪酸とアルカリ金属を反応させる中和法、或いはグリセリンと脂肪酸が結合したグリセリントリエステルを主体とする油脂とアルカリ金属を反応させた鹸化法で得られる。
また、脂肪酸塩は脂肪酸ナトリウム塩が好ましいが、脂肪酸カリウム塩を含めて使っても良い。
また、前記撥水処理組成液において、スルホン酸を持つ界面活性剤には、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルベンゼン系、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩などのアルキルナフタレン系、アルキル硫酸エステルナトリウム塩、アルキルスルホン酸ナトリウム塩、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム塩などのアルコール系、アルファオレフィンスルホン酸ナトリウム塩などのオレフィン系がある。
リン酸を持つ界面活性剤には、モノアルキルリン酸エステルナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルナトリウム塩などがある。
この他、カルボン酸とスルホン酸、又はこれらの誘導体が複合した界面活性剤として、アルファスルホ脂肪酸エステルナトリウム塩、高級脂肪酸硫酸エステルナトリウム塩、ジアルキルスルホコハク酸エステルナトリウム塩、スルホコハク酸アルキル2ナトリウム塩などがある。
界面活性剤を溶解させるための低級アルコールとしてはエチルアルコール及び/又はイソプロピルアルコールに限定した。
又、前記木材の撥水処理組成液は、芳香性、抗菌性、防虫性、耐光性、着色性から選ばれた1又は複数の化合物を含むことができる。
前記撥水処理組成液は、撥水機能に加えて、低級アルコールであるエチルアルコール及び/又はイソプロピルアルコールを含むため、オイル状または粉体状の芳香性、抗菌性、防虫性、耐光性、着色性などの機能性物質を容易に溶解できるものである。
このため、木材表面から木材内部に均一に界面活性剤と機能性物質が浸透でき、本発明の撥水処理方法(請求項1)を適用することによって撥水機能に加えて、芳香性、抗菌性、防虫性、耐光性、着色性を併せ持つ木材を作製できる。
なお、芳香性物質には、適量のヒノキ油、リモネンなどのオイル状、プロテカテキュアルデヒド、バニリンなどの粉末状の物質があり、抗菌性を付与したい場合はカテキンなどを、防虫性にはショウ脳などを、耐光性にはサリチル酸系の紫外線吸収剤などを、着色性には染料や顔料の色素の他、没食子酸、プロテカテキュアルデヒドなどを上記撥水処理組成液に加える。
また、無機液の金属濃度は1〜20%とする。
このように撥水処理組成液と無機液をそれぞれ木材に浸透させることにより、常温常圧下でも木材表面から木材内部に十分浸透した界面活性剤−金属塩層が均一に生成し、木が持つ特有の触感などの素材感を損ねることなく、木材に撥水機能を付与できる。
また、前記撥水処理組成液と無機液をそれぞれ木材に浸透させた後、サンドペーパーなどで研磨することにより、木材の撥水性は更に向上できる。
なお、この無機液には品質の安定化のために、水溶性のメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノールなどのアルコールを加えても良い。
この場合は、前記したオイル状、粉体状の芳香性、抗菌性、防虫性、耐光性、着色性などの機能性物質も容易に溶解でき、無機液でも木材に芳香性、抗菌性、防虫性、耐光性、着色性などの機能性を付与できる。
本発明(請求項2)の撥水処理木材は、請求項1記載の木材の撥水処理方法で処理することにより得た構成とした。
本発明(請求項3)の撥水処理木材使用製品は、請求項2記載の撥水処理木材を全体或いは一部に使用して製造した構成とした。
本発明の撥水処理方法で使用する撥水処理組成液は、界面活性剤と低級アルコールであるエチルアルコール及び/又はイソプロピルアルコールを含んでおり、水−低級アルコール混合溶液が界面活性剤を溶解できるため、常温常圧下でも界面活性剤が木材へ浸透できる。
従って、1〜2時間程度で乾燥し、従来の塗料よりも乾燥時間が短い。
又、減圧容器、加圧加熱などの特別な装置や操作が必要ない。
又、温度の低下などによって界面活性剤が析出せず、悪臭や自燃性がなく、防腐性があるため、安全で、かつ品質が安定した木材の撥水処理組成液が得られる。
又、上記のように、悪臭や自燃性がないので、加工時に換気を必要とせず、室内でも簡便に加工でき、一般の日曜大工を行うユーザーや木工者が簡単に使え、界面活性剤処理液の保管にも煩雑な手間が必要ない。
また、前記撥水処理組成液は、撥水機能に加えて、芳香性、抗菌性、防虫性、耐光性、着色性を併せ持つ木材を作製できる。
この場合、低級アルコールによって、芳香性、抗菌性、防虫性、耐光性、着色性などの機能性物質を容易に溶解でき、機能性物質を木材へ十分浸透できる。
本発明の木材の撥水処理方法(請求項1)は、撥水処理組成液と無機液を組み合わせて木材を処理するため、木が持つ特有の触感などの素材感を損ねることがなく、木材表面から内部まで十分に浸透した界面活性剤−金属塩層が生成でき、木材表面に撥水機能を付与できるし、同時に防炎性も付与できる。
又、木材で界面活性剤と無機液が接触することにより、直ちに撥水機能を持つ界面活性剤−金属塩を生成するため、完全な乾燥を待つことなく、次の工程に移ることができる。
本発明の木材の撥水処理組成液は、低級アルコールであるエチルアルコール及び/又はイソプロピルアルコールの濃度が0.1〜50%(より好ましくは、1〜30%)含むように液を調整し、この溶液にカルボン酸、スルホン酸、リン酸及びこれらの誘導体または塩を持つ1又は複数の界面活性剤を0.1〜50%(より好ましくは、1〜15%)濃度になるように加えて作製する。
この撥水処理組成液を木材に刷毛で塗布したり、スプレーなどで吹き付け塗布したり、浸漬したりして、この撥水処理組成液を十分に木材表面から木材内部へ浸透させる。
その後、例えば塩化カルシウムを1〜20%含んだ無機液を、先に撥水処理組成液で浸透させた部分に刷毛で塗布したり、スプレーなどで吹き付け塗布したり、浸漬したりする。
これら2種の処理液をそれぞれ木材に浸透させて、木材内で接触させることにより、常温常圧下でも、木材表面から木材内部に十分浸透した界面活性剤−金属塩が均一に生成し、木が持つ特有の触感などの素材感を損ねることなく、木材表面に撥水機能を付与することができる。
この他、木材に特定の機能を付与させる場合は、その機能性物質を撥水処理組成液又は無機液に適量加えると良い。
例えば、木材に特定のヒノキの香りを施したい場合は、撥水処理組成液にヒノキ油を適当量加えると、この芳香性物質は容易に溶解することができ、均一な芳香性撥水処理組成液が調整できる。
このため、界面活性剤と同様に芳香性物質も浸透でき、その後、塩化カルシウムなどを含む無機液にて処理することで、撥水機能と芳香性を併せ持つ木材を作製できる。
実施例として、本発明の効果を確認するために実施した撥水処理組成液と無機液の作製方法、この処理液を使った木材の加工方法、および木材の処理前と処理後の色彩変化と撥水試験結果について説明する。なお、実施例に用いた木材はナラ材で、予め240番サンドペーパーで表面処理したものを用いた。
[実施例1]
20%イソプロピルアルコール(和光純薬工業(株)製)のイオン交換水に、3%濃度となるようにオレイン酸ナトリウム塩(まるは油脂化学(株)製)を加え、撥水処理組成液を作製した(以下、1−A液とする)。
無機水溶液は5%濃度となるように塩化カルシウム無水(和光純薬工業(株)製)をイオン交換水に加えて作製した(以下、B液とする)。
次に、以下のように木材のサンプルを作製した。
(サンプル1):木材表面に1−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥した後、1−A液を塗布した場所にB液を刷毛で塗布し、自然乾燥させた。
(サンプル2):木材表面に1−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥させた。
(サンプル3):木材表面にB液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥させた。
(サンプル4):木材表面に1−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥した後、1−A液を塗布した場所に、卵の殼の微粒子を5%分散させたB液を刷毛で塗布し、自然乾燥させた。
(比較サンプル1):未処理のナラの木材。
(比較サンプル2):木材表面にオイルワックス(リボス社製)を適量塗布し、自然乾燥させた。
[実施例2]
20%イソプロピルアルコール(和光純薬工業(株)製)のイオン交換水に、3%濃度となるようにラウリン酸ナトリウム塩(まるは油脂化学(株)製)を加え、撥水処理組成液(以下、2−A液とする)を作製した。
(サンプル5):木材表面に2−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥した後、2−A液を塗布した場所にB液を刷毛で塗布し、自然乾燥させた。
(サンプル6):木材表面に2−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥させた。
(サンプル7):木材表面に2−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥した後、2−A液を塗布した場所にB液を刷毛で塗布し、自然乾燥させた。
その後、2−A液とB液を塗布した場所を1000番のサンドペーパーで表面処理した。
(サンプル8):木材表面に2−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥した後、2−A液を塗布した場所に5%濃度となるように調整した塩化第一鉄(和光純薬工業(株)製)水溶液(以下、C液とする)を刷毛で塗布し、自然乾燥させた。
(サンプル9):木材表面に2−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥した後、2−A液を塗布した場所に5%濃度となるように調整した塩化第二鉄(和光純薬工業(株)製)水溶液を刷毛で塗布し、自然乾燥させた。
(サンプル10):木材表面に2−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥した後、2−A液を塗布した場所に5%濃度となるように調整した塩化銅(II)(和光純薬工業(株)製)水溶液を刷毛で塗布し、自然乾燥させた。
(サンプル11):0.1%濃度となるように没食子酸(和光純薬工業(株)製)を加えた2−A液を刷毛で木材表面に適量塗布し、自然乾燥した後、C液を刷毛で塗布し、自然乾燥させた。
[実施例3]
5%エチルアルコール(和光純薬工業(株)製)のイオン交換水に、9%濃度となるようにドデシル硫酸ナトリウム塩(和光純薬工業(株)製)を加え、撥水処理組成液を作製した(以下、3−A液とする)。
(サンプル12):木材表面に3−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥した後、3−A液を塗布した場所にB液を刷毛で塗布し、自然乾燥させた。
(サンプル13):木材表面に3−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥させた。
[実施例4]
20%イソプロピルアルコール(和光純薬工業(株)製)のイオン交換水に、1%濃度となるようにリン酸モノ−n−ドデシルナトリウム塩(東京化成工業(株)製)を加え、撥水処理組成液を作製した(以下、4−A液とする)。
(サンプル14):木材表面に4−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥した後、4−A液を塗布した場所にB液を刷毛で塗布し、自然乾燥させた。
(サンプル15):木材表面に4−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥させた。
[実施例5]
10%エチルアルコール(和光純薬工業(株)製)のイオン交換水に、3%濃度となるようにN−アシルグルタミン酸ナトリウム塩(味の素(株)製)を加え、撥水処理組成液を作製した(以下、5−A液とする)。
(サンプル16):木材表面に5−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥した後、5−A液を塗布した場所にB液を刷毛で塗布し、自然乾燥させた。
(サンプル17):木材表面に5−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥させた。
[実施例6]
10%エチルアルコール(和光純薬工業(株)製)のイオン交換水に、3%濃度となるようにやし油のアルギニン塩(味の素(株)製)を加え、撥水処理組成液を作製した(以下、6−A液とする)。
(サンプル18):木材表面に6−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥した後、6−A液を塗布した場所にB液を刷毛で塗布し、自然乾燥させた。
(サンプル19):木材表面に6−A液を刷毛で適量塗布し、自然乾燥させた。
撥水試験は、接触角計 CA−DT・A型(協和界面科学(株)製)を用いて、水と木材表面の接触角を測定することで評価した。接触角の測定は、直径1.52mmの純水をサンプル表面に滴下し、5分経過した後に液滴法にて測定した。
試験回数は木材表面をランダムに10回行い、平均値を求めた。
結果を表1に示すが、接触角が大きいほど木材表面が撥水していることを表す。
なお、表1中のNDとは、水が木材に浸透したために、水と木材表面に接触角がなく、測定ができなかったことを表す。
また、木材を処理することによる色彩変化はスペクトロカラーメーター(Spectro Color Meter SE2000:日本電子工業(株)製)で評価した。
得られたLab値と処理前との色差値ΔEを表1に示す。
これらの測定値は木材表面をランダムに10回測定し、その平均値で表した。
この色差値ΔEは、値が大きければ大きいほど処理前のサンプルの色との変化が明確に現れたことを意味する。
Figure 0005181099
表1の実施例1のサンプル1〜4、実施例2のサンプル5と6、実施例3のサンプル12と13、実施例4のサンプル14と15、実施例5のサンプル16と17、実施例6のサンプル18と19から本発明の親水基にカルボン酸、スルホン酸、リン酸、及びこれらの誘導体または塩を持つ撥水処理組成液は、無機液と併用することにより、木材に撥水性を付与できることが示された。
実施例1のサンプル1、4とサンプル2の比較から、従来のソープフィニッシュよりも撥水性が向上できたことが明らかである。
また、実施例2のサンプル5とサンプル7の比較からは、本発明の撥水処理組成液と無機液を処理した後、研磨工程を加えることで、その撥水性がさらに向上できることも示している。
また、無機液にカルシウムが含まれる場合、その色差値は少なく、従来の自然塗料(比較サンプル2)と比べても、元来の木材色彩が保持できる。
一方、木材製品では色の需要もあるが、サンプル8〜11に示したように、無機液にカルシウムの代りに鉄、銅などの着色性物質を使うことにより、木材に撥水性と同時に色を施すこともできる。
これは、着色物質である鉄や銅が界面活性剤と反応して水に不溶な界面活性剤−金属塩を形成するのと同時に、木材に存在するポリフェノール類化合物と発色反応するためであると考えられる。
さらに、着色濃度を向上させるためには、サンプル11のように撥水処理組成液にポリフェノールを含有させることにより、人為的により濃い色を発色できる。
次に、実施例1のサンプルを用いて防汚試験を行った。
防汚試験はJIS K5961の耐汚染性試験方法に従い、醤油、ソース、赤いクレヨンによりサンプル表面を汚し、1時間静置後、醤油とソースは大量の水で、クレヨンは石油ベンジンとエタノールで洗った。
その後、汚れは色彩変化としてスペクトロカラーメーター(Spectro Color Meter SE2000:日本電子工業(株)製)で評価した。
汚染前との色差値ΔEを表2に示す。
Figure 0005181099
表2から本発明の撥水処理組成液と無機液で処理したサンプル1は、サンプル2、比較サンプル1に比べて、色差値ΔEが小さく、防汚性が向上できたことが分かる。
以上の実施例から以下のことが分かる。
本発明の木材の撥水処理方法は簡便である。
親水基にカルボン酸、スルホン酸、リン酸を持つ本発明の撥水処理組成液と無機液とで木材を処理することにより、木材に撥水性が付与できる。
本発明の撥水処理組成液およびカルシウム液で木材を処理することにより、従来方法と比べて木材の色彩変化がない。
無機液に鉄、銅を使うことで、染料や顔料などの色素を使わずに木材を着色でき、本発明の撥水処理組成液にポリフェノールを添加すればその着色を濃くできる。
従来のソープフィニッシュ、未処理の無垢材に比べて、防汚性が向上できる。
本発明は、上記した実施の形態や実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を変更しない範囲での改良、変更などであっても本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、実施の形態では、ヒノキ油の芳香性物質について説明したが、他の芳香剤、機能性物質であっても本発明は適応できる。

Claims (3)

  1. 親水基にカルボン酸又はスルホン酸又はリン酸を持つ誘導体又はそれぞれの誘導体が塩を持つ1又は複数の界面活性剤と、これらを溶解させるために低級アルコールであるエチルアルコール及び/又はイソプロピルアルコールを0.1〜50重量%を含んでいる撥水処理組成液で木材を処理する木材の撥水処理方法であって、
    前記撥水処理組成液による処理後に、カルシウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、マグネシウム、鉄、銅、錫、ニッケル、鉛、カドミウムから選ばれた1又は複数の金属を含む無機水溶液又は分散液又は懸濁液で処理することを特徴とする木材の撥水処理方法。
  2. 請求項1記載の木材の処理方法で処理することにより得たことを特徴とする撥水処理木材。
  3. 請求項2記載の撥水処理木材を全体或いは一部に使用して製造したことを特徴とする撥水処理木材使用製品。
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