JP2010029110A - 乳酸発酵竹粉及び乳酸発酵竹液 - Google Patents

乳酸発酵竹粉及び乳酸発酵竹液 Download PDF

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【課題】家畜、農作物その他の動植物の飼料用、肥料用として広く活用できる乳酸発酵竹粉及び乳酸発酵竹液を提供する。
【解決手段】乳酸発酵竹粉は、主原料である乳酸発酵原料竹粉14に植物酵素15と竹炭粉16とを配合する。植物酵素15にはパパインが適当であり、乳酸発酵原料竹粉14には孟宗竹を切削した竹粉11を乳酸発酵させたものが適当である。竹枝を含む竹葉を粉砕した竹葉粉20又は竹枝を含む竹葉を細断した竹葉細片を配合してもよい。
乳酸発酵竹液は、主原料である乳酸発酵原料竹粉14と植物酵素15と竹炭粉16とを配合し水27を加えて抽出するか、又は主原料である乳酸発酵原料竹粉14に植物酵素15と竹炭粉16とを配合し、これに竹枝を含む竹葉を粉砕した竹葉粉20又は竹枝を含む竹葉を細断した竹葉細片と水27とを加えて抽出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、動植物の飼料用、肥料用として使用する乳酸発酵竹粉及び乳酸発酵竹液に関するものである。
孟宗竹を微細に切削した竹粉を乳酸発酵させた乳酸発酵竹粉がある。この乳酸発酵竹粉は乳酸と酢酸とを含んでおり、乳牛等の家畜用の飼料として良質のサイレージであると共に、農作物等の植物の生育を助ける良質の肥料として普及しつつある。
従来、この乳酸発酵竹粉は、孟宗竹の比較的若い生竹を微細に切削して竹粉化し、その竹粉を遮光性、密封性を有する密封袋に収納して真空包装して、嫌気条件下で2〜3週間静置して乳酸発酵させて製造している(特許文献1)。
特開2006−180832号公報
この乳酸発酵竹粉は、孟宗竹でも2〜3年程度の比較的若い生竹の竹粉を使用するとは云え固い竹繊維を多量に含むため、乳牛等の家畜の飼料として使用する場合には、竹繊維が原因で消化不良を招く等の惧れがある。また乳酸発酵竹粉は特有の臭気がある上に強い酸性を示し、家畜によってはそれらが原因で食欲が低下する惧れもある。更に乳酸発酵竹粉は強い酸性であることから、酸性を嫌う農作物の肥料としては使用できない場合もある。
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、家畜、農作物その他の動植物の飼料用、肥料用として広く活用できる乳酸発酵竹粉及び乳酸発酵竹液を提供することを目的とする。
本発明の乳酸発酵竹粉は、主原料である乳酸発酵原料竹粉14に植物酵素15と竹炭粉16とを配合したものである。前記植物酵素15はパパインが適当である。前記乳酸発酵原料竹粉14は孟宗竹を切削した竹粉11を乳酸発酵させたものが適当である。竹枝を含む竹葉を粉砕した竹葉粉20又は竹枝を含む竹葉を細断した竹葉細片を配合してもよい。
本発明の乳酸発酵竹液は、主原料である乳酸発酵原料竹粉14と植物酵素15と竹炭粉16とを配合し、これに水27を加えて抽出したもの、又は主原料である乳酸発酵原料竹粉14に植物酵素15と竹炭粉16とを配合し、これに竹枝を含む竹葉を粉砕した竹葉粉20又は竹枝を含む竹葉を細断した竹葉細片と水27とを加えて抽出したものである。
本発明によれば、家畜、農作物その他の動植物の飼料用、肥料用として広く活用できる利点がある。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳述する。図1は飼料用の乳酸発酵竹粉1を製造する第1の実施例を示す。乳酸発酵竹粉1は図1の竹粉化工程2、金属除去工程3、乳酸発酵工程4、篩工程5、酵素・竹炭粉配合工程6、熟れ工程7、真空包装工程8を経て製造される。
竹粉化工程2では2〜3年物の孟宗竹の生竹9を使用し、この生竹9を切削して所定の大きさに竹粉化する。この竹粉化に際しては、例えば生竹9の端面に当接して回転する回転刃10を備えた竹粉化装置等を利用して、その回転刃10により生竹9を端面側から長手方向と略直角方向に切削して所定の大きさの竹粉11にする。なお、竹粉11は略500μm程度の厚さで生竹9を横方向に切削してハニカム状にしたものが適当であるが、約50〜600μm程度でもよい。また竹粉11は生竹9を粉砕したものでもよい。
次に金属除去工程3で竹粉11を金属除去装置にかけて、竹粉化工程2での回転刃10の刃零れ等により竹粉11中に混入した金属片を磁石により吸着して除去する。これは家畜類に給餌したときに、体内に金属片が入らないようにするためである。
その後、適度な水分を含有する竹粉11を発酵容器、例えば透明ゴム袋等の発酵袋12に所定量ずつ詰めて、発酵袋12の口側を押え付け又は絞る等して内部の空気を出した後、発酵袋12の口部側を紐で縛る等して封口した状態で発酵室に搬入して竹粉11を乳酸発酵させる(乳酸発酵工程4)。
この乳酸発酵工程4では発酵室の室温を25°C前後に制御し、筵等の遮光性シート13で発酵袋12を覆い、その状態で7〜10日程度静置する。するとその間に竹粉11が乳酸発酵して乳酸発酵原料竹粉14ができる。次に乳酸発酵原料竹粉14を篩工程5で篩にかけて、300μm程度以下に揃える。
酵素・竹炭粉配合工程6では篩にかけた後の乳酸発酵原料竹粉14を攪拌機に入れ、この乳酸発酵原料竹粉14に植物酵素15と竹炭粉16とを配合して攪拌し混合する。植物酵素15はその分解、合成、吸収作用により家畜に不可欠な新陳代謝を促進させて活性化を図るためであり、この植物酵素15としては例えばパパインが適当である。竹炭粉16は乳酸発酵竹粉1の臭気を脱臭し、そのpHの中性化を図るためである。
飼料用の乳酸発酵竹粉1の場合には対象とする家畜の種類によっても異なるが、例えば乳牛用であれば乳酸発酵原料竹粉14を10Kgに対して植物酵素15を60g、竹炭粉16を200g程度を配合するのが適当である。乳酸発酵後の乳酸発酵原料竹粉14は強い酸性を示し、また特有の強い臭気を有する。しかし、アルカリ性の竹炭粉16を配合することにより、その中和作用によりpHを3.7〜4.0前後と中性に近付けることができ、また特有の臭気を脱臭することができる。なお、竹炭粉16を多量に配合すると、乳酸発酵竹粉1の色合いが黒くなり、乳牛等の食欲を損なうことになる。
植物酵素15、竹炭粉16が配合された乳酸発酵原料竹粉14は、遮光性、気密性等を有する発酵袋12に再度入れて、発酵室内で乳酸発酵時と同様の条件で3日間程度静置して熟れさせる(熟れ工程7)。これにより乳酸発酵原料竹粉14と植物酵素15と竹炭粉16とが満遍なく熟れて、乳酸発酵原料竹粉14に特有の臭気も少なくなり、中性に近い弱酸性の飼料用の乳酸発酵竹粉1を製造することができる。真空包装工程8では熟れ後の乳酸発酵竹粉1を所定量ずつ計量して密封容器、例えば密封袋17により真空包装して最終の製品18とする。密封袋17には遮光性、密封性を有するアルミ蒸着フィルム製のものを使用する。
乳酸発酵竹粉1は本来家畜類の成長促進効果の大きい良質のサイレージの一種であるが、この乳酸発酵竹粉1の難点であった竹繊維の問題を植物酵素15を配合することによって解消することができる。即ち、乳酸発酵竹粉1に植物酵素15、取り分けパパインを配合しているため、家畜の体内でのパパインの働きにより乳酸発酵竹粉1の竹繊維を容易に分解でき、竹繊維が原因の消化不良等を防止できると共に、家畜類の新陳代謝を促進でき乳酸発酵竹粉1が本来的に有する成長促進効果を更に増大させることができる。
また乳酸発酵竹粉1には竹炭粉16が配合されているため、特有の臭気、酸性を嫌う家畜類の飼料又は飼料用の添加物としても最適であり、各種の家畜類に広く給餌することが可能である。
図2は肥料用の乳酸発酵竹粉1を製造する第2の実施例を示す。肥料用の乳酸発酵竹粉1は図2の竹粉化工程2、金属除去工程3、乳酸発酵工程4、篩工程5、酵素・竹炭粉配合工程6、熟れ工程7、竹葉粉配合工程19、真空包装工程8を経て製造される。竹粉化工程2、金属除去工程3、乳酸発酵工程4、篩工程5までは、飼料用の場合と略同じである。なお、金属除去工程3は省略してもよい。
酵素・竹炭粉配合工程6では、乳酸発酵原料竹粉14にパパイン等の植物酵素15と竹炭粉16とを配合するが、この場合には乳酸発酵原料竹粉14を10Kgに対して植物酵素15を20g、竹炭粉16を800g程度の割合で配合する。これは、パパイン等の植物酵素15が20g程度でも農作物の発根性が向上し、光合成が良好になる等、農作物の新陳代謝を促進して活性化を十分確保でき、また竹炭粉16を800g程度とすることにより、pHを6±0.5程度に中性化するためである。
熟れ工程7では、飼料用の場合と同様に静置して熟成させる。竹葉粉配合工程19では熟れ後の乳酸発酵原料竹粉14に、竹枝を含む竹葉を粉砕した竹葉粉20を配合し攪拌して混合する。これは竹葉粉20が有する強い殺菌性、抗菌性を利用して、土壌等の殺菌性、抗菌性を高めるためである。なお、乳酸発酵原料竹粉14を10Kgに対して竹葉粉20を10Kgと略同じ程度の割合で配合するのが適当である。竹葉粉20を配合した後は、飼料用と同様に真空包装して最終の製品18とする。
このように乳酸発酵原料竹粉14に植物酵素15を配合することによって、農作物の発根性が向上し、光合成が良好になる等、農作物の新陳代謝を促進して活性化を十分確保でき、また竹炭粉16を配合することにより全体のpHを中性化する等、土壌、農作物に応じてpHを容易に調整することができる。
また乳酸発酵原料竹粉14に竹葉粉20を配合しているので、この竹葉粉20により殺菌性、抗菌性が向上し、しかも乳酸発酵竹粉1の原料となる生竹9の幹の他に、その竹枝を含む竹葉までも使用でき資源の無駄を極力防止することができる。
図3は飼料用、肥料用に用いる乳酸発酵竹液22を製造する第3の実施例を示す。乳酸発酵竹液22は図3の竹粉化工程2、金属除去工程3、乳酸発酵工程4、篩工程5、酵素・竹炭粉配合工程6、熟れ工程7、竹液抽出工程23、発酵工程24、熟れ工程25、容器詰め工程26を経て製造される。竹粉化工程2、金属除去工程3、乳酸発酵工程4、篩工程5、酵素・竹炭粉配合工程6までは、図2の場合と略同じである。
竹液抽出工程23では、例えば乳酸発酵竹粉1と活性水等の水27とをタンク28に入れた後、不織布製のフィルター29を介して乳酸発酵竹粉1のエキスである乳酸発酵竹液22を抽出する。水27は乳酸発酵竹粉1を10Kgに対して80Kg程度である。なお、乳酸発酵竹粉1は不織布製の袋に収容してからタンク28内に入れることにより、乳酸発酵竹液22を抽出した後に乳酸発酵竹粉1の残り滓を容易に処理できる。
発酵工程24では、抽出後の乳酸発酵竹液22を発酵容器30に入れて、発酵室にて室温26°C程度で約10日間静置して発酵させる。この発酵は乳酸発酵竹液22中の酵母によって行われる。熟れ工程25では、発酵室から取り出した発酵後の乳酸発酵竹液22を約2週間程度静置して熟れさせる。この熟れ工程25での熟れにより、乳酸発酵竹液22が有する臭気を除去できる。その後、容器詰め工程26で乳酸発酵竹液22を適当な容器31に詰めて最終の製品32とする。
このようにして製造した乳酸発酵竹液22は水で適当に希釈化して、家畜の飼料、飼料用の添加剤、又は肥料用として使用すれば、乳酸発酵竹粉1と同様の効果を得ることができる。
図4は飼料用、肥料用に用いる乳酸発酵竹液22を製造する第4の実施例を示す。この場合の乳酸発酵竹液22は、図3の酵素・竹炭粉配合工程6、熟れ工程7を経て得た乳酸発酵竹粉1に竹葉粉20を混ぜて抽出したものである。
竹葉粉20を混ぜる際には、配合熟れ工程33で竹葉粉20を10Kgに対してパパイン等の植物酵素15を60g、竹炭粉16を200gの割合で配合し混合した後、密閉容器に入れて約3日間静置して熟れさせる。なお、竹葉粉20には溶媒として少量のアルコールを添加することが望ましい。
そして、次の混合工程34で乳酸発酵竹粉1に対して植物酵素15、竹炭粉16が配合された竹葉粉20を約2対3の割合で混合し攪拌した後、竹液抽出工程23で図3の場合と同様にして乳酸発酵竹液22を抽出する。またその後、図3と同様の処理を行う。
このようにすれば、竹葉粉20の殺菌性、抗菌性を備えた乳酸発酵竹液22を製造することができる。
以上、本発明の各実施例について詳述したが、本発明は各実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、各実施例では、乳酸発酵原料竹粉14、植物酵素15、竹炭粉16、竹葉粉20を配合する場合の具体的な割合を示しているが、これは一応の目安であって、飼料用、肥料用の何れの場合にも、その対象とする家畜の種類、土壌の性質、農作物の種類等に応じて種々の組み合わせがあり、例示の数値に限定されるものではない。
また原料の生竹9は孟宗竹が一般的であるが、孟宗竹以外のものでもよい。乳酸発酵竹粉1に竹葉粉20を配合するだけでなく、この竹葉粉20に代えて、竹枝を含む竹葉を細断した竹葉細片を配合してもよい。また乳酸発酵竹粉1に竹葉粉20、竹葉細片を配合する場合、実施例のように予め植物酵素15、竹炭粉16を配合しておき、それを乳酸発酵竹粉1に配合してもよいし、植物酵素15、竹炭粉16を配合しないままの竹葉粉、竹葉細片を使用してもよい。この場合にも竹葉粉、竹葉細片に予めアルコールを添加しておくことが望ましい。
乳酸発酵竹液22は、抽出したままの原液で出荷してもよいし、所定の濃度に希釈化して出荷してもよい。なお、竹葉粉20(又は竹葉細片)を10Kgに対して植物酵素15を60g、竹炭粉16を200gを配合して所定期間静置しておき、これに水を加えてエキスを抽出することも可能である。その場合には竹葉粉20、植物酵素15、竹炭粉16の有する性質を備えた抽出液を製造することができる。
本発明の第1の実施例を例示する乳酸発酵竹粉の製造方法の説明図である。 本発明の第2の実施例を例示する乳酸発酵竹粉の製造方法の説明図である。 本発明の第3の実施例を例示する乳酸発酵竹粉液の製造方法の説明図である。 本発明の第4の実施例を例示する乳酸発酵竹粉液の製造方法の説明図である。
符号の説明
1 乳酸発酵竹粉
11 竹粉
14 乳酸発酵原料竹粉
15 植物酵素
16 竹炭粉
20 竹葉粉
27 水

Claims (6)

  1. 主原料である乳酸発酵原料竹粉(14)に植物酵素(15)と竹炭粉(16)とを配合したことを特徴とする乳酸発酵竹粉。
  2. 前記植物酵素(15)はパパインであることを特徴とする請求項1に記載の乳酸発酵竹粉。
  3. 前記乳酸発酵原料竹粉(14)は孟宗竹を切削した竹粉(11)を乳酸発酵させたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の乳酸発酵竹粉。
  4. 竹枝を含む竹葉を粉砕した竹葉粉(20)又は竹枝を含む竹葉を細断した竹葉細片を配合したことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の乳酸発酵竹粉。
  5. 主原料である乳酸発酵原料竹粉(14)と植物酵素(15)と竹炭粉(16)とを配合し、これに水(27)を加えて抽出したことを特徴とする乳酸発酵竹液。
  6. 主原料である乳酸発酵原料竹粉(14)に植物酵素(15)と竹炭粉(16)とを配合し、これに竹枝を含む竹葉を粉砕した竹葉粉(20)又は竹枝を含む竹葉を細断した竹葉細片と水(27)とを加えて抽出したことを特徴とする乳酸発酵竹液。
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