JP2005261299A - 水分吸着剤を利用したサイレージの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
近年、作業の効率化の観点から予乾を省略して、高い水分含量の牧草を用いたサイレージの製造が行われるようになっている。しかしながら、この高い水分含量が原因となって多量の排汁が発生し、サイレージの質が落ちるとともに、排汁が土壌へ垂れ流しになるために土壌汚染にもつながりかねない。本発明は、かかる課題を解決するために、水分含量の高い牧草に対して、ゲル化剤を用いることによって過剰水分を吸収するとともに、栄養分が溶け出しこれが保水されている栄養価の高いゲル自身を飼料として利用できる技術、を提供しようとするものである。
【解決手段】
本発明は、牧草にゲル化剤を添加してサイレージを製造するサイレージの製造方法であって、前記ゲル化剤は、こんにゃくとび粉、カルボキシメチルセルロースナトリウム、または、アルギン酸ナトリウムである。
【選択図】図15
近年、作業の効率化の観点から予乾を省略して、高い水分含量の牧草を用いたサイレージの製造が行われるようになっている。しかしながら、この高い水分含量が原因となって多量の排汁が発生し、サイレージの質が落ちるとともに、排汁が土壌へ垂れ流しになるために土壌汚染にもつながりかねない。本発明は、かかる課題を解決するために、水分含量の高い牧草に対して、ゲル化剤を用いることによって過剰水分を吸収するとともに、栄養分が溶け出しこれが保水されている栄養価の高いゲル自身を飼料として利用できる技術、を提供しようとするものである。
【解決手段】
本発明は、牧草にゲル化剤を添加してサイレージを製造するサイレージの製造方法であって、前記ゲル化剤は、こんにゃくとび粉、カルボキシメチルセルロースナトリウム、または、アルギン酸ナトリウムである。
【選択図】図15
Description
本発明は、水分含量の高い牧草からサイレージを製造する技術のうち、特に水分吸着剤を用いたサイレージ製造方法に関する。
冬期間の家畜の飼料として、牧草を夏場に収穫しサイロに埋蔵して保存するサイレージが利用されている。このサイレージは通常、牧草を圃場で水分含量65%から75%程度まで天日干し(予乾)し、サイロに詰め込まれる。近年では、大規模水平型サイロの普及や農作業委託業者によるサイロ詰め作業の迅速化の影響があり、予乾せずに詰め込む方式が採用されることが多くなってきていた。このため、高水分の牧草(水分含量約85%)を詰め込むことになり、サイロ貯蔵中の牧草から発生する排汁による環境汚染が問題になり始めている。BODは、12,000から90,000mg/リットルと家庭排水の約200倍の濃度に達する。
特許公開2004−41064
しかしながら、前述の如く、排汁による環境汚染が問題になるものの、有効な対策がなく、排汁抑制や高水分牧草の水分調整用添加物としてビートパルプやワラ、乾草などが広く使われてきたが、これらは保水力が小さいため添加量が15%以上と多くなるため、添加混合作業にかかる作業は大変なものであった。
本発明は、斯かる実情に鑑み、水分含量の多い牧草に水分吸収率の高いゲル化剤を混ぜることにより、ゲル化剤の少量の添加によっても十分に排汁を吸収するだけでなく、ゲル化剤による水分の吸収によってむしろ栄養分を保持した優れたサイレージを製造できる技術、を提供しようとするものである。
本発明は、牧草にゲル化剤を添加してサイレージを製造するサイレージの製造方法であって、前記ゲル化剤は、こんにゃくとび粉、カルボキシメチルセルロースナトリウム、または、アルギン酸ナトリウムである。また、前記ゲル化剤の重量は、牧草重量の3%から7%の範囲もしくは4%から6%の範囲の重量である。前記サイレージを製造するサイロは、水平型サイロである。
サイレージの製造方法は、牧草を刈り取る刈り取りステップと、前記刈り取りステップにて刈り取られた牧草を乾燥する乾燥ステップと、前記乾燥ステップで乾燥させた牧草にゲル化剤を添加する添加ステップと、を有し、前記乾燥ステップは、24時間以内の時間である。さらに、サイレージ製造方法は、牧草を圧縮する圧縮ステップを有し、また、ゲル化剤の添加された牧草を密閉する密閉ステップを有する。
本発明の請求項1から28の何れか一または二以上に記載のサイレージの製造方法によれば、以下の優れた効果を奏し得る。
(1)サイレージの製造において、高水分の牧草を用いても予乾することなく排汁の発生を最小限に抑制することができる。
(2)ゲル化剤が牧草から吸収した水分によるゲルは廃棄する必要はなく、逆に栄養価の高い飼料として利用することができる。
(3)ゲル化剤は牧草に振りかけ、そのあとローダーなどによって踏み均すだけでよいので作業が簡便となる。
(4)とび粉などの安価な材料をゲル化剤として用いることができるために、サイレージが安価に製造できる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図を用いて説明する。なお、本発明は、これら実施形態に何ら限定されるべきものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得る。
実施形態1は主に請求項1および2に関する。
実施形態2は主に請求項3および請求項4および請求項5に関する。
実施形態3は主に請求項6および請求項7に関する。
実施形態4は主に請求項8および請求項9および請求項10および請求項11に関する。
実施形態5は主に請求項12に関する。
実施形態6は主に請求項13に関する。
実施形態7は主に請求項14に関する。
実施形態8は主に請求項15に関する。
実施形態9は主に請求項16に関する。
実施形態10は主に請求項17に関する。
実施形態11は主に請求項18に関する。
実施形態12は主に請求項19に関する。
実施形態13は主に請求項20に関する。
実施形態14は主に請求項21に関する。
実施形態15は主に請求項22に関する。
実施形態16は主に請求項23に関する。
実施形態17は主に請求項24に関する。
実施形態18は主に請求項25に関する。
実施形態19は主に請求項26に関する。
実施形態20は主に請求項27に関する。
実施形態21は主に請求項28に関する。
≪実施形態1≫
<概念>
図1から図5は、実施形態1を説明する概念図である。
図1から図5は、実施形態1を説明する概念図である。
実施形態1は、排汁産生性の植物性資料原材料にゲル化剤を添加してサイレージを製造するサイレージの製造方法に関するものである。また、排汁産生性の植物性資料原材料とは牧草、野菜、穀物などであってもよい。本実施形態においては、排汁産生性の植物性資料原材料のうち、特に牧草を中心に説明を行う。
高水分サイレージは予乾を省略できるためにサイレージ製造の工期短縮が図られ大量の牧草処理が可能となる。しかし、図1に示すような縦型サイロ0101の場合には、高含水量の牧草0102では排汁0103が発生しこれがサイロ底部に蓄積する。この排汁はPHが低く飼料には適さない。さらに、この排汁は環境にも悪影響を及ぼす。一方、詰め込み労力の軽減を狙った図2のような水平型サイロ0201が、考案されたが、縦型サイロと同じく排汁0202が大量に発生する。このため、水平サイロの床面に火山灰0203を敷くなどして排汁を火山灰に浸透吸収させていた。しかし、火山灰は排汁の発生を抑制する機能は持たないために、排汁流出によるサイレージの養分の流出、周辺環境への負荷が危惧されていた。
ちなみに産生される排汁重量は、以下のドイツのZIMMER氏が1967年に調査して開発した式に基づいて予測することができる。
W=832.6−54.18×D+0.833×D×D
ここで、W:産生された排汁重量(材料草1tonあたりの排汁kg)、D:材料草の乾物含量。
ここで、W:産生された排汁重量(材料草1tonあたりの排汁kg)、D:材料草の乾物含量。
この排汁の発生を抑制するために考え出されたのが本件発明であり、本件発明はサイレージの製造においてゲル化剤を用いるというものである。このゲル化剤は、図3に示すように溶媒分子0301との相互作用で三次元的に架橋点0302を介して高分子網0303を作り、この高分子網に溶媒分子が保持されてゼリー状になる物質である。高水分の牧草から出てくる汁は、このゲル化剤を牧草に均一に振りかけることによって、ゲル化剤に吸収される。このゲル化剤は排汁の発生を未然に防ぎ、さらにこの栄養に富んだゲル化した汁もまた飼料になるという二重の効果を奏し得るものである。
図4は、水平型サイロ0401にトラック0403にて牧草0402を搬入し、ローダー0404にて均す作業を開始したところを示す図である。ゲル化剤が振りかけられるタイミングは、例えば、このトラックから搬入されるタイミングであってよい。こうすることによって、ゲル化剤は、牧草と攪拌することなくほぼ均一に行き渡る。
また、図5は、牧草の搬入とゲル化剤の振りかけ作業を数度に渡り繰り返した後に出来上がった牧草の山0501である。このような工程を経て、排汁の発生を最小限にとどめられた高水分のサイレージが製造される。
<実施形態1の構成>
実施形態1は、排汁産生性の植物性飼料原材料にゲル化剤を添加してサイレージを製造するサイレージの製造方法に関する。
<実施形態1の構成の説明>
「排汁産生性の植物飼料原材料」とは、水分含有率が高く排汁を産生しやすい植物のことを言う。たとえば、牧草、野菜、穀物などである。ここで、牧草とは、サイレージと呼ばれる家畜などの飼料にするための草のことを言う。図6示すようにイネ科とマメ科に分類できる。イネ科牧草は、チモシー、オーチャードグラス、ライグラス、フェスク、バミューダグラス、ブロムグラス、スーダングラス、リードカナリーグラス、などである。また、マメ科牧草は、アルファルファ、クローバなどである。さらに、それ以外に牧草は、トウモロコシ、ソルガム、エンバクなどがある。特に本実施形態の以下の説明では、牧草を中心に説明する。
「ゲル化剤」は、溶媒との相互作用により高分子網が形成され、この高分子網の中に溶媒分子が保持されてゼリー状となる物質である。例えば、多糖類などがあげられる。この多糖類に属するゲル化剤としては、でんぷん、グリコーゲン、セルロース、イヌリン、マンナン、寒天、グルコマンナンなどがあげられる。
「排汁産生性の植物性飼料原材料にゲル化剤が添加される」とは、前記排汁産生性の植物性飼料原材料から発生する水分を前記ゲル化剤が吸収しやすいように前記排汁産生性の植物性飼料原材料の全体に対して均一に振りまかれることである。このゲル化剤の添加の方法は、攪拌などの方法によってもよい。また、添加される方法は、前記ゲル化剤が振りかけられた前記排汁産生性の植物性飼料原材料を踏み均すなどの方法であってもよい。ゲル化剤を振り掛ける方法は、前記ゲル化剤が入っている袋から取り出して手で振りまいてもよいし、また前記ゲル化剤を振りまくための風圧を利用した機械などを用いてもよい。
ゲル化剤により発生したゲル化した汁は、サイレージに含まれていてよい。
<実施形態1の処理の流れ>
図7は、実施形態1の処理の流れを示すフローチャートである。
図7は、実施形態1の処理の流れを示すフローチャートである。
まず、排汁産生性の植物性飼料原材料を置く床面にゲル化剤を撒くステップ0701がある。このステップは、排汁防止のために最初の牧草の搬入前に床面にゲル化材を適宜振り撒いておくことが望ましい。なお、このステップでは、ゲル化剤を撒くタイミングは、ダンプトラックや作業者、ローダーなどが滑らないように、床面全面ではなく、牧草が搬入される範囲に限定して撒かれていることが望ましい。
次に、排汁産生性の植物性飼料原材料、例えば、牧草を搬入したのち、ゲル化剤を振りかけるステップ0702がある。このステップでは、牧草にゲル化剤を振りかける。ゲル化剤は、全体に満遍なく牧草の上面から振りかけてよい。
さらに、前記ステップ0702は、数回繰り返されてよい。
<実施形態1の効果>
実施形態1は、ゲル化剤を排汁産生性の植物性飼料原材料、例えば、牧草に均一に振りかけることによって、高水分の排汁産生性の植物性飼料原材料から出てくる汁が、ゲル化剤に吸収される。このゲル化剤は排汁の発生を未然に防ぎ、さらにこの栄養に富んだゲル化した汁もまた飼料になるという二重の効果を奏し得るものである。
≪実施形態2≫
<実施形態2の構成>
実施形態2は、実施形態1を基本として、ゲル化剤を添加してサイレージを製造するサイレージ製造方法であって、特徴点は、前記ゲル化剤は、こんにゃくとび粉、もしくはカルボキシメチルセルロースナトリウム、もしくはアルギン酸ナトリウム、である点である。
<実施形態2の構成の説明>
ゲル化剤を添加してサイレージを製造するサイレージ製造方法に関しては、実施形態1とその方法は同様であるために、詳細な説明は省略する。
実施形態2の「ゲル化剤」は、こんにゃくとび粉、もしくはカルボキシメチルセルロースナトリウム、もしくはアルギン酸ナトリウム、である。
「こんにゃくとび粉」は、多糖類のマンナンを言う。図8は、こんにゃくとび粉の製造方法を示している。こんにゃくいもの皮を剥くステップ0701の後、こんにゃくいもを薄切りし乾燥させるステップ0702と、乾燥した荒粉を機械でひいて微細な粉にするステップ0703とを経て、不純物を風力で飛ばし分離するステップ0704にて、こんにゃくとび粉が製造できる。この製造方法は、人力であってもよく、また、機械を用いてもよい。また、図9は、こんにゃくとび粉が高分子網0903を作り、牧草から出る水分子0901を捕らえる一例を示す概念図である。
「カルボキシメチルセルロースナトリウム」は、セルロースに親水性のソディウムカルボキシル基を入れて水溶性にしたものを言う。前記カルボキシメチルセルロースナトリウムは水に溶かすと、水分子との相互作用で三次元的編み目構造をつくり、ゲル化する。カルボキシメチルセルロースナトリウムに水酸化カルシウムなどの金属塩を入れるとゼリーのような固まりになる、という特徴を有する。図10は、カルボキシメチルセルロースナトリウムが高分子網1003を作り、牧草から出る水分子1001を捕らえる一例を示す概念図である。
「アルギン酸ナトリウム」は、海草から抽出される粘性多糖類を言う。アルギン酸ナトリウムは、Na−Algである。カルシウムなどの多価金属イオンと容易にゲル形成を行うという特徴を有する。図11は、アルギン酸ナトリウムが高分子網1103を作り、牧草から出る水分子1101を捕らえる一例を示す概念図である。
前記のゲル化剤によって、排汁の発生を抑制することができる。ゲル化剤によってゲル化した汁の成分は、サイレージ原料草の種類によって異なるが、平均するとpHは4〜5程度、乾物含量(=水以外の物質の総重量/全体の総重量×100(%))が1〜11%、蛋白質が1〜3%程度あり、ミネラルやアミノ酸も豊富に含む。また、発酵の進展にともない、乳酸や酢酸も含まれる。ゲル化した汁は、サイレージの中に含まれていてよい。排汁になった場合には、排汁中にこれらの栄養分が溶け出すという問題があった。
<実施形態2の効果>
実施形態2のゲル化剤は、排汁産生性の植物性飼料原材料、例えば、高水分の牧草を用いたサイレージの過剰な水分を吸収するだけでなく、これをゲル化するプロセスにおいて栄養分も保持するために、栄養価の高いサイレージを得ることができる、と言う効果を奏しえる。
≪実施形態3≫
<実施形態3の構成>
実施形態3は、実施形態1から4の何れか一を基本として、ゲル化剤を添加してサイレージを製造するサイレージの製造方法であって、特徴点は、前記ゲル化剤の重量は、牧草重量の3%から7%の範囲の重量である、又は、牧草重量の4%から6%の範囲の重量である、点である。
<実施形態3の構成の説明>
ゲル化剤を添加してサイレージを製造するサイレージの製造方法については、実施形態1から4の何れか一と同様であるために、詳細な説明は省略する。
本実施形態の「ゲル化剤の重量」は、牧草重量の3%から7%の範囲の重量である、又は、牧草重量の4%から6%の範囲の重量である。
図12は、実施形態2におけるゲル化剤のうち、こんにゃくとび粉とカルボキシメチルセルロースナトリウムの添加量が排汁発生重量に及ぼす影響を調査したものである。試験数は、5ケースである。No.1は、ゲル化剤が無添加の場合である。また、No.2とNo.3は、ゲル化剤がカルボキシメチルセルロースナトリウムの場合である。No.2は、カルボキシメチルセルロースナトリウムの添加量が1%で、NO.3は、カルボキシメチルセルロースナトリウムの添加量が5%の場合である。また、No.4とNo.5は、ゲル化剤がアルギン酸ナトリウムの場合である。No.4は、アルギン酸ナトリウムの添加量が1%であり、No.5はアルギン酸ナトリウムの添加量が5%の場合である。
以上のような条件のもとで試験をした結果、それぞれの排汁重量は、No.1が17%、No.2が5%、No.3が0%、No.4が9%、No.5が3%という結果が得られた。
この結果は、(1)ゲル化剤の添加によって排汁重量比(=排汁重量/E)が減少する、(2)ゲル化剤をより多く入れた方が排汁重量の減少率は大きい、ことを示している。しかし、実機のサイロにおいては、均一な添加を期待することは難しいために、こうした実験結果ほどの数値を達成することは困難であるが、十分な参考値になると考えられる。
この結果は、(1)ゲル化剤の添加によって排汁重量比(=排汁重量/E)が減少する、(2)ゲル化剤をより多く入れた方が排汁重量の減少率は大きい、ことを示している。しかし、実機のサイロにおいては、均一な添加を期待することは難しいために、こうした実験結果ほどの数値を達成することは困難であるが、十分な参考値になると考えられる。
前記実験を通じて、ゲル化剤の添加量が5%の場合の排汁重量は、こんにゃくとび粉の場合も、またカルボキシメチルセルロースナトリウムの場合もほぼ誤差の範囲である3%以内に収まっている。
以上のことから、ゲル化剤の牧草に対する重量比5%を中心値として、3%から7%の範囲に収めることによって、排汁重量を牧草重量の数%未満に抑えることができる。しかし、実機のサイロにおいては、試験のようなゲル化剤の均一な分布を期待することはできない。このために、下限値を4%未満にしないことは、排汁の発生抑止には重要である。また、ゲル化剤の添加量が多すぎる場合は、発酵に必要な湿気まで吸収してしまうために、上限値が設けられる必要がある。さらに、不均一性を減少させるためにも、ゲル化剤の添加量は、上限値を6%以下と抑制することによって、極端な不均一な添加を防止することができる。
<実施形態3の効果>
実施形態3によって、排汁がほとんど発生しないゲル化剤の重量比を決定することができる、という効果を奏する。
実施形態3によって、排汁がほとんど発生しないゲル化剤の重量比を決定することができる、という効果を奏する。
≪実施形態4≫
<実施形態4の構成>
実施形態4は、実施形態1から6の何れか一を基本として、牧草にゲル化剤を添加してサイレージを製造するサイレージの製造方法であって、特徴点は、前記サイレージを製造するサイロは、水平型サイロ、又は、垂直型サイロ、又は、仮設型サイロ、又は可搬型サイロの何れか一である点である。
<実施形態4の構成の説明>
牧草にゲル化剤を添加してサイレージを製造するサイレージの製造方法については、実施形態1から6の何れか一と同様であるので詳細な説明は省略する。また、以下では本件発明のサイレージの製造に使用するさまざまな型のサイロについて説明する。
(水平型サイロ)
図13は、水平型サイロの概念図である。
図13は、水平型サイロの概念図である。
実施形態4の特徴点のひとつである水平型サイロについて説明する。「水平型サイロ」とは、水平なサイロを言う。水平型サイロには、例えば、バンカーサイロやトレンチサイロなどがある。水平型サイロの床面はトラックの出入りが可能なように土間コンクリート1302が望ましい。また、積み上げた牧草が土間コンクリートをはみ出ないように壁1301が設けられていることが望ましい。また、土間は雨水、排汁、排水、洗浄時の排水などを配慮して、勾配をつけることが望ましい。また、トラックやローダーなどの機械を使って、牧草の搬入や、ゲル化剤の添加と、牧草の踏み込み、など作業を行ってもよい。図13は、水平型サイロの一例を示す概念図であり、全体形状および各構造部位の寸法例が記載されている。サイロの容積は、家畜の飼養頭数により変動するが、図12の場合は、一例として、間口6m、奥行き20mの大きさがある。また、三辺に位置する壁は、高さが1700mm、厚みが150mm程度の鉄筋コンクリート構造である。床は土間コンクリートであり、床の厚みは100〜150mmであって取り出し口(壁のない側の間口)に向けて奥から1から2%の勾配がつけられている。
(垂直型サイロ)
図30は、垂直型サイロの概念図である。
図30は、垂直型サイロの概念図である。
実施形態4の特徴点のひとつである垂直型サイロについて説明する。「垂直型サイロ」とは、サイロが垂直になってタイプのものを言う。垂直型サイロには、例えば、タワーサイロ、コンクリート製角型サイロがある。垂直型サイロは、サイロ屋上部から牧草をブロワで吹き込み、牧草が数メートル貯まった時点で人間が踏み込んだのち、ゲル化剤を表面に散布する、という一連の工程を繰り返し行うことが望ましい。
(仮設型サイロ)
図31は、仮設型サイロの概念図である。
図31は、仮設型サイロの概念図である。
実施形態4の特徴点のひとつである仮設型サイロについて説明する。「仮設型サイロ」とは、バンカーサイロにおいて壁のないものである。仮設型サイロは、土間コンクリートを有していてもよい。また、簡単にビニールシートを地面に敷いたものであってもよい。あるいは地面に直接であってもよい。また、床面となる土間コンクリートまたは地面は、勾配を有することが望ましい。仮設型サイロには、例えば、スタックサイロなどがある。また、トラックやローダーなどの機械を使って、牧草の搬入や、ゲル化剤の添加と、牧草の踏み込み、など作業を行ってもよい。また、仮設型サイロの場合は水平型サイロと違って壁がないために、ショベルカーなどを使って、牧草の山の形状を整えてもよい。なお、その際、ショベルカー本体は、牧草の上に位置し、牧草の山の形状を整えるとともに踏み込みも同時に行ってもよい。
(可搬型サイロ)
図32は、可搬型サイロの概念図である。
図32は、可搬型サイロの概念図である。
実施形態4の特徴的のひとつである可搬型サイロについて説明する。「可搬型サイロ」とは、容器に牧草を詰め込むサイロである。前記容器とは、コンテナ、ドラム缶、バッグなどがある。なお、前記容器に応じて、それぞれのサイロは、コンテナサイロ、ドラム缶サイロ、バックサイロなどと呼ばれる。コンテナサイロは、75リットル程度のプラスチック製角型コンテナに牧草を詰めてサイロとして利用するものである。ドラム缶サイロは、牧草を普通のドラム缶に詰めてサイロとして利用するものである。バッグサイロは、1トン程度の牧草を詰め込める袋をサイロとして利用するものである。ゲル化剤を添加し、牧草を詰め込み、人力による踏み込みを行うなどの一連の作業を数回繰り返すことによってサイロが完成する。
<実施形態4の効果>
実施形態4のような、ゲル化剤を用いたサイレージ製造方法を通じて排汁の少ないサイレージを製造するにあたって、水平型サイロ、垂直型サイロ、仮設型サイロ、可搬型サイロ、などさまざまなサイロを使い分けることができる、という効果を奏する。
≪実施形態5≫
<実施形態5の処理の流れ>
図14は、実施形態5の処理の流れを表す図である。
図14は、実施形態5の処理の流れを表す図である。
実施形態5は、刈り取りステップ1401と、乾燥ステップ1402と、添加ステップ1403と、を有するサイレージの製造方法である。
<実施形態5の処理の流れの説明>
図15と図16を用いて実施形態5の処理の流れを説明する。
図15と図16を用いて実施形態5の処理の流れを説明する。
「刈り取りステップ」は、牧草を刈り取るステップである。刈り取られた牧草は、刈り取った場所に積み上げられる。この積み上げられた牧草は、人力あるいは機械によってトラックに積み替えられる。この後、例えば図15(a)に示すように、前記トラック1501は、前記刈り取られた牧草1502を水平サイロ1503上に搬入する。
「乾燥ステップ」は、前記刈り取りステップにて刈り取られた牧草を乾燥するステップである。この乾燥ステップは、時間を短縮する、あるいは省略することができる。ゲル化剤を添加するまでの間、例えば、図15(b)のように放置される。なお、牧草1504の乾燥ステップは通常は1から2日である。この乾燥ステップにより、牧草の含水量を刈り取り直後の牧草の85%から70%にまで乾燥させる。
「添加ステップ」は、前記乾燥ステップで乾燥させた牧草にゲル化剤1505を添加するステップである。図15(C)のように牧草の上から、ゲル化剤が振りかけられる。牧草はローダー1506などによって、踏み均される。なお、トラックによって牧草を搬入して、ゲル化剤を振りかけるステップが繰り返し行われる。すなわち、図16(d)に示されるように、トラック1601にて牧草1602を搬入し、(e)のように牧草が積み上げられ、さらに(f)のようにゲル化剤1603が振りかけられ、ローダー1604によって、踏み均される。この(d)から(f)の一連のステップが数回繰り返される。この数回の繰り返しの結果として、図5に示した牧草の山ができあがるのである。
なお、こののち牧草を発酵させる工程があり、牧草は1.5ヶ月から2ヶ月程度かけて発酵させる。この発酵期間は、環境温度によって変わり、気温が高いと発酵期間は短くなる。図17に、牧草刈り取りから牧草発酵までの工程の一例を示す。
<実施形態5の効果>
実施形態5の方法に従ったサイレージの製造によって、排汁の少ないサイレージを製造することができる。また、ゲル化剤を添加するために乾燥ステップを短縮もしくは省略することができる、という効果を奏する。
≪実施形態6≫
<実施形態6の処理の流れ>
図18を用いて実施形態9の処理の流れを説明する。
図18を用いて実施形態9の処理の流れを説明する。
実施形態6は、実施形態5を基本として、刈り取りステップ1801と、乾燥ステップ1802と、添加ステップ1803と、を有するサイレージの製造方法であって、特徴点は、前記乾燥ステップは、24時間以内の時間である点である。
<実施形態6の処理の流れの説明>
刈り取りステップと、乾燥ステップと、添加ステップについては実施形態5と基本的にその処理内容は共通であるために詳細な説明は省略する。
実施形態6の特徴点は、前記乾燥ステップは、24時間以内の時間である点である。ゲル化剤を添加する場合は、前記乾燥ステップを省略することができる。すなわち、乾燥ステップを0時間にしてもよい。乾燥ステップの時間をどの程度にとるかは、サイレージを製造する環境に依存するところが大きい。湿度が低く、また晴天が続く場合は、ゲル化剤を入れることによって、乾燥が進みすぎるという問題が生じる。乾燥が進みすぎると、牧草の発酵が逆に進みにくくなるというマイナス効果が発生する。乾燥ステップの時間と、ゲル化剤の添加量は反比例の関係にある。ゲル化剤を多く添加した場合は、それだけ乾燥する時間を短くする必要がある。
図19と図20は、乾燥ステップが0時間の場合のサイレージ製造のステップを表した図である。
図19と図20は、乾燥ステップが0時間の場合のサイレージ製造のステップを表した図である。
図19(a)に示すように、トラック1901にて、刈り取られた牧草1902が水平サイロ1903上に搬入される。次に、図19(b)に示すように、ゲル化剤1904が牧草上に振りまかれる。さらに、図19(c)のように牧草1905はローダー1906などによって、踏み均される。なお、トラックによって牧草を搬入して、ゲル化剤を振りかけるステップは、繰り返し行われる。すなわち、図20(d)に示されるように、トラック2001にて牧草2002を搬入し、さらに(e)のようにゲル化剤2003が振りかけられ、(f)に示されるように牧草2004がローダー2005によって、踏み均される。この(d)から(f)の一連のステップが数回繰り返される。
なお、こののち牧草を発酵させる工程があり、牧草は1.5ヶ月から2ヶ月程度かけて発酵させる。この発酵期間は、環境温度によって変わり、気温が高いと発酵期間は短くなる。図21に、牧草刈り取りから牧草発酵までの工程の一例を示す。
<実施形態6の効果>
実施形態6によって、ゲル化剤を用いることによって、乾燥ステップを短縮あるいは省略することができる。乾燥ステップの省略によって作業期間の短縮を図ることができる、という効果を奏する。
≪実施形態7≫
<実施形態7の処理の流れ>
図22を用いて実施形態7を説明する。
図22を用いて実施形態7を説明する。
実施形態7は、実施形態5又は実施形態6を基本として、刈り取りステップ2201と、添加ステップ2202と、を有するサイレージの製造方法であって、特徴点は、さらに牧草を圧縮する圧縮ステップ2203を有する点である。
<実施形態7の処理の流れの説明>
刈り取りステップと、添加ステップと、に関しては実施形態5又は実施形態6と基本的処理の流れの内容は共通であるので、詳細な説明は省略する。
実施形態7の特徴点は、さらに、牧草を圧縮する圧縮ステップを有する点である。牧草を圧縮するとは、牧草をローダーなどで踏み均す方法や、牧草の上に重量物を載せるなどの方法を言う。この踏み均しによって、牧草に均一にゲル化剤を行き渡らせることができる。また、踏み均すときに、牧草から水分が滲み出るがこの水分がゲル化剤によって吸収されるという効果がある。ゲル化剤による初期の水分吸収は、高水分牧草の水分含有率を低下させる効果がある。適切な踏み均しが行われれば、乾燥と同様な牧草の含水率の低下を期待できる。
また、圧縮によって、牧草が密着することによって、気密性が高まり、発酵のための菌が増加しやすい環境を作ることができる。湿潤かつ高温の条件になるために牧草の発酵が進みやすくなる
図23と図24に実施形態7の処理の流れの概念図を示す。
図23と図24に実施形態7の処理の流れの概念図を示す。
図23(a)に示すように、トラック2301にて、刈り取られた牧草2302が水平サイロ2303上に搬入される。次に、図23(b)に示すように、ゲル化剤2304が牧草上に振りまかれる。さらに、図23(c)のように牧草2305はローダー2306などによって、踏み均される。なお、トラック2401によって牧草2402を搬入して、ゲル化剤2403を振りかけるステップは、繰り返し行われる。すなわち、図24(d)に示されるように、トラック2401にて牧草2402を搬入し、さらに(e)のようにゲル化剤2403が振りかけられ、(f)に示されるようにローダーによって踏み均されたあとに重し2404が、積み重ねられた牧草の上に載せられる。
<実施形態7の効果>
実施形態7によって、ローダーの踏み均しの圧縮力によって、牧草に均一にゲル化剤を行き渡らせることができる。また、踏み均すときに、牧草から水分が滲み出るがこの水分がゲル化剤によって吸収されるという効果がある。ゲル化剤による初期の水分吸収は、高水分牧草の水分含有率を低下させる効果がある。適切な踏み均しが行われれば、乾燥と同じ効果が期待できる。すなわち、踏み均しによって、牧草の含水率の低下をさせることができる。
また、圧縮によって、牧草が密着することによって気密性が高まり、発酵のための菌が増加しやすい環境を作ることができる。湿潤かつ高温の条件になるために牧草の発酵が進みやすくなるという効果がある。
≪実施形態8≫
<実施形態8の処理の流れ>
図25に、実施形態8の処理の流れを示す。
図25に、実施形態8の処理の流れを示す。
実施形態8は、実施形態5から7の何れか一を基本として、刈り取りステップ2501と、添加ステップ2502と、圧縮ステップ2503を有するサイレージの製造方法であって、特徴点は、さらにゲル化剤の添加された牧草を密閉する密閉ステップを有する点である。
<実施形態8の処理の流れの説明>
刈り取りステップと、添加ステップと、圧縮ステップについては、実施形態5から7の何れか一と基本的内容は共通であるので、詳細な説明は省略する。
実施形態8の特徴点は、さらに、ゲル化剤の添加された牧草を密閉する密閉ステップを有する点である。密閉の方法は、積み上げられた牧草の上からシートカバーをかける方法でもよい。また別の方法として、牧草を小分けにし、それぞれを袋詰めにするという方法であってもよい。また、密閉のためのカバーは、気密性の高い材料がよく例えばビニールシートなどが望ましい。十分に発酵できる環境ができるカバーであればなんであってもよい。
このカバーを用いた密閉によって、ゲル化剤の添加された牧草は密閉され、気密性が高くかつ発酵に都合のよい高温高湿の環境が得られる。また、この密閉により、雨が原因となる水分含有量の増加を防止することができる。
図26から図28に実施形態8の処理の流れの概念図を示す。
図26から図28に実施形態8の処理の流れの概念図を示す。
図26(a)に示すように、トラック2601にて、刈り取られた牧草2602が水平サイロ2603上に搬入される。次に、図26(b)に示すように、ゲル化剤2604が牧草上に振りまかれる。さらに、図26(c)のように牧草2605はローダー2606などによって、踏み均される。なお、トラックによって牧草を搬入して、ゲル化剤を振りかけるステップは、繰り返し行われる。すなわち、図27(d)に示されるように、トラック2701にて牧草2702を搬入し、さらに(e)のようにゲル化剤2703が振りかけられ、(f)に示されるように牧草2704はローダー2705によって踏み均されたあとに最後に密閉のためのビニールシート2801と重し2802が、積み重ねられた牧草の上に載せられる。前記重しは、牧草を圧縮するという意味と、シートが風に吹き飛ばされないようにするという二重の意味がある。
図29には、牧草の山にシートカバーがかけられて、この上に重しとしてのタイヤが載せられている概念図である。
<実施形態8の効果>
実施形態8によって、ゲル化剤の添加された牧草は密閉され、気密性が高くかつ発酵に都合のよい高温高湿の環境が得られる。また、この密閉により、雨が原因となる水分含有量の増加を防止することができる、という効果を奏する。
≪実施形態9≫
<実施形態9の処理の流れ>
図33は、実施形態9の処理の流れを表す図である。
実施形態9は、実施形態5から8を基本として、刈り取りステップ3301と、乾燥ステップ3303と、添加ステップ3302と、を有するサイレージの製造方法であって、特徴点は、前記添加ステップ3302は、前記刈り取りステップと乾燥ステップとの間にある点である。
<実施形態9の処理の流れの説明>
刈り取りステップ、乾燥ステップと、に関しては基本的処理の流れは実施形態5から8の何れか一と共通であるので、詳細な説明は省略する。
実施形態9の特徴点は、「添加ステップ」は、前記刈り取りステップと乾燥ステップとの間にある点である。刈り取りステップの後のタイミングというのは、まず、牧草が刈り取られた直後にトラック積みされた状態でゲル化剤を添加するというものである。また、トラックで運搬する最中にゲル化剤を添加してもよい。運搬しつつゲル化剤と刈り取られた牧草を攪拌するというものである。また、サイレージを設ける前、すなわち、刈り取られた牧草を設置する前にゲル化剤を地面に撒くあるいは牧草が接する部分に撒く、すなわち、添加する、ということでもよい。また、刈り取られた牧草を本格的に乾燥する乾燥ステップに入る前に、ゲル化剤を添加するということでもよい。また、刈り取られた牧草を積み重ねていくごとにゲル化剤を添加するということでもよい。
<実施形態9の効果>
実施形態9によれば、乾燥前にゲル化剤を添加することができるので、牧草とゲル化剤を十分攪拌できること、また、牧草の設置にあわせてゲル化剤を添加することができるので、サイレージ全体に対して効率的にかつ全体に満遍なくゲル化剤を添加することができる、という効果を奏する。
≪実施形態10≫
<実施形態10の処理の流れ>
図34は、実施形態10の処理の流れを表す図である。
実施形態10は、実施形態5から実施形態8の何れか一を基本として、刈り取りステップ3401と、乾燥ステップ3402と、添加ステップ3403と、を有するサイレージの製造方法であって、特徴点は、前記添加ステップは、乾燥ステップの後にある点である。
<実施形態10の処理の流れの説明>
刈り取りステップ、乾燥ステップと、に関しては基本的処理の流れは実施形態5から8の何れか一と共通であるので、詳細な説明は省略する。
実施形態10の特徴点は、「添加ステップ」は、乾燥ステップの後にある点である。実施形態5においては、添加ステップは、刈り取りステップの後にあり、乾燥するプロセスの中で出てくる排汁をゲル化剤にて吸収させることによって乾燥の効率を向上させるというものであった。これに対して、本実施形態は、乾燥するステップにおいて出てくる排汁を回収する際にゲル化剤を用いるというものである。このゲル化剤の添加の方法については、サイレージの形状にもよるが、例えば、排汁がサイレージ底部に蓄積されるような場合については、底部にゲル化剤を添加すればよい。また、ゲル化剤の添加のタイミングであるが、本実施形態でいうところの「乾燥ステップの後に添加ステップがある」、というのは、「乾燥ステップの最中に添加ステップがある」、ということであってもよい。本実施形態は、厳密な意味で乾燥ステップが完全に完了してからゲル化剤を添加するというものではなく、乾燥ステップに着手してその後にゲル化剤を添加するという意味である。本実施形態の意義としては、サイレージを適度な湿度の環境下において発酵を促進させるためには、ゲル化剤のタイミングをすこし遅らせるということが効果がある場合があるためである。
<実施形態10の効果>
本実施形態によって、ゲル化剤の添加タイミングを変えることによって、サイレージの乾燥ステップへの着手が早くできる、という効果を奏する。
≪実施形態11≫
<実施形態11の処理の流れ>
図35は、実施形態11の処理の流れを表す図である。
実施形態11は、実施形態7を基本として、刈り取りステップ3501と、乾燥ステップ3502と、添加ステップ3503と、圧縮ステップ3504を有するサイレージの製造方法であって、特徴点は、前記添加ステップは、前記圧縮ステップの前にある点である。
<実施形態11の処理の流れの説明>
刈り取りステップ、乾燥ステップと、圧縮ステップに関しては基本的処理の流れは実施形態7と共通であるので、詳細な説明は省略する。
実施形態11の特徴点は、「添加ステップ」は、前記圧縮ステップの前にある点である。圧縮ステップにおいては、刈り取られ積み重ねられた牧草はローダーなどによって圧縮されるが、本実施形態は、積み重ねられた牧草を圧縮する前にゲル化剤を添加するというものである。ローダーなどで圧縮する前においては、まだ牧草は荒く積み上げられただけである。したがって、この段階でゲル化剤を添加しても牧草と十分に攪拌できる。牧草を積み重ねる早い段階からゲル化剤を添加すると、積み重ねた牧草の隙間からゲル化剤が漏れ出し、ほとんどのゲル化剤が最下層の部分に蓄積する可能性がある。圧縮ステップの前にゲル化剤を添加した場合には、何層にも積重ねた牧草の中にゲル化剤が混入するために、前述した最下層の部分にゲル化剤が蓄積するなどのロスが生じ難くなる。したがって、この圧縮ステップの前にゲル化剤を入れるという意義が生じるのである。
<実施形態11の効果>
実施形態11によって、ゲル化剤が牧草を積重ねた最下層部に蓄積されてしまうという現象を防止することができる、という効果を奏する。
≪実施形態12≫
図36は、実施形態12の処理の流れを表す図である。
実施形態12は、実施形態7を基本として、刈り取りステップ3601と、乾燥ステップ3602と、添加ステップ3604と、圧縮ステップ3603を有するサイレージの製造方法であって、特徴点は、前記添加ステップは、前記圧縮ステップの後にある点である。
<実施形態12の処理の流れの説明>
刈り取りステップ、乾燥ステップと、圧縮ステップに関しては基本的処理の流れは実施形態7と共通であるので、詳細な説明は省略する。
実施形態12の特徴点は、「添加ステップ」は、前記圧縮ステップの後にある点である。ゲル化剤を圧縮ステップの後に添加することによって、実施形態11とは逆の効果が得られる。すなわち、本実施形態の場合は、牧草とゲル化剤が十分に混入しない、ということである。この場合は、ゲル化剤は湿度調整剤的な役割を果たすことになる。サイレージが発酵し湿度が高くなったときに、いち早くゲル化剤がこれを吸収し、発酵の調整機能として作用する。牧草に十分に攪拌され混入されている場合には、乾燥しすぎるという場合もある。したがって、本実施形態は、こうした過剰な乾燥状態を防止する必要がある場合に効果的であるということができる。
<実施形態12の効果>
実施形態12によれば、圧縮ステップの後に添加ステップを持ってくることにより、過剰な乾燥状態を防止しつつ、サイレージの発酵を促すことができる、という効果を奏する。
≪実施形態13≫
<実施形態13の処理の流れ>
図37は、実施形態13の処理の流れを表す図である。
実施形態13は、実施形態8を基本として、刈り取りステップ3701と、乾燥ステップ3702と、添加ステップ3704と、圧縮ステップ3703と、密閉ステップ3705と、を有するサイレージの製造方法であって、特徴点は、前記添加ステップは、前記密閉ステップの直前にある点である。
<実施形態13の処理の流れの説明>
刈り取りステップ、乾燥ステップと、圧縮ステップと、密閉ステップと、に関しては基本的処理の流れは実施形態8と共通であるので、詳細な説明は省略する。
実施形態13の特徴点は、「添加ステップ」は、前記密閉ステップの直前にある点である。本実施形態は、密閉ステップのある場合である。とくに、密閉の場合には、閉空間の中でサイレージを発酵させるために、湿度が非常に高くなる。しかし、密閉した空間であるために、この閉空間内において、湿度はほぼ一様である。このために、ゲル化剤は閉空間内のどこにあっても湿気を吸収するという効果を発揮する。ゲル化剤が湿気を吸収したのちも、この閉空間内では湿度はほぼ一様であるために、結局、湿度調整作用があるということができる。さらに、密閉された状態であるために、湿度は下がっても温度は下がらず、発酵に好適な環境を実現することができる。また、閉空間内で湿度がほぼ一様であるということは、発酵条件がほぼ一様であることを意味し、安定したサイレージを得ることができるという効果も奏する。
<実施形態13の効果>
実施形態13によって、サイレージの発酵にとって好適な湿度維持が可能になる、という効果を奏する。
≪実施形態14≫
<実施形態14の構成>
図38は、実施形態14の構成を説明する図である。
実施形態14は、実施形態1から13の何れか一の製造方法により製造されるサイレージであって、植物性飼料原材料3801と、ゲル化された排汁3802、とからなるサイレージである。
<実施形態14の構成の説明>
「植物性飼料原材料」とは、実施形態1から13の何れか一の製造方法によって製造される植物性飼料のことを言い、ゲル化された排汁は含まない。実施形態14の植物性飼料原材料というのは、例えば牧草、野菜、穀物、その他植物性飼料原材料であればなんであってもよい。
「ゲル化された排汁」とは、実施形態1から13の何れか一の製造方法によって製造されるゲル化された排汁のことを言う。なお、ゲル化された排汁には、一部排汁や湿気を吸収しないで残ったゲル化剤を含んでもよい。
実施形態14は、このように前記植物性飼料原材料と、ゲル化された排汁と、からなるサイレージであって、ゲル化された排汁には栄養分が十分に含まれていて、両者が混合された状態であるために、優れた飼料となるものである。また、排汁はゲル化されて前記植物性飼料原材料と混合された状態で存在するので、サイレージを製造するプロセスにて排汁が外部へ流出することなく、環境を汚すこともない。
<実施形態14の効果>
実施形態14は、ゲル化された排汁と植物性飼料原材料からなるサイレージであって、ゲル化された排汁には栄養分が含まれ、栄養素をゲル化という形で逃がさず栄養価の高いサイレージを得ることができる。
≪実施形態15≫
<実施形態15の処理の流れ>
図39は、実施形態15の処理の流れを表す図である。
実施形態15は、排汁産生性の植物性飼料原材料から得た排汁にゲル化剤を添加して3901、ゲル化した排汁飼料を製造する3902、ゲル化排汁飼料の製造方法である。
<実施形態15の処理の流れの説明>
実施形態15の第一ステップは、排汁産生性の植物性飼料原材料から排汁を得るステップである。排汁産生性の植物性飼料原材料とは、水分の含有率の高い植物性飼料のことである。排汁産生性の植物性飼料原材料とは、例えば、予備の乾燥を行わない牧草などがあげられる。
図40は、排汁を取得する方法の一例であり、ドラム缶を用いたサイロから出てきた排汁を桶4001に集める状況を表す一例である。
また、図41は、水平型サイロによって、例えばコンクリートにて作られたサイロに若干勾配を持たせ、排汁を蓄積するピット4202に排汁を集める場合を例示している。
実施形態15の第二ステップは、前記排汁にゲル化剤を添加してゲル化した排汁飼料を製造するステップである。これまでの実施形態との差異は、排汁を回収してこれにゲル化剤を添加して排汁飼料を製造する点である。図40の場合では、桶にたまった排汁にゲル化剤を添加する。また、図41の場合では、ピットにたまった排汁にゲル化剤を添加する。
これまでの実施形態では、牧草とゲル化剤を混合することによって、排汁をゲル化していたが、本実施形態は、牧草からしみ出る排汁のみにゲル化剤を添加して排汁飼料を製造している点が両者の差異である。これによって、栄養価の高い排汁のみからなる飼料が得られる。
<実施形態15の効果>
実施形態15は、栄養価の高い排汁をゲル化剤を用いて得るための方法を提供するものであり、本実施形態によって新しいタイプの飼料が得られる、という効果を奏する。
≪実施形態16≫
<実施形態16の構成>
実施形態16は、実施形態15を基本として、排汁産生性の植物性飼料原材料から得た排汁にゲル化剤を添加してゲル化した排汁飼料を製造するゲル化排汁飼料の製造方法であって、特徴点は、前記排汁産生性の植物性飼料原材料は、牧草であるゲル化排汁飼料の製造方法である。
<実施形態16の構成の説明>
実施形態16の特徴点は、前記排汁産生性の植物性原材料は、牧草である点である。牧草には、さまざまな種類があり、イネ科牧草は、チモシー、オーチャードグラス、ライグラス、フェスク、バミューダグラス、ブロムグラス、スーダングラス、リードカナリーグラス、などである。また、マメ科牧草は、アルファルファ、クローバなどである。さらに、それ以外に牧草は、トウモロコシ、ソルガム、エンバクなどがある。
<実施形態16の効果>
実施形態16によれば、水分含有率の高い牧草からゲル化した排汁飼料の製造が可能となり、環境汚染源となる排汁を逆に飼料として用いることができる、という効果を奏する。
≪実施形態17≫
<実施形態17の構成>
実施形態17は、実施形態15を基本として、排汁産生性の植物性飼料原材料から得た排汁にゲル化剤を添加してゲル化した排汁飼料を製造するゲル化排汁飼料の製造方法であって、特徴点は、前記排汁産生性の植物性飼料原材料は、野菜であるゲル化排汁飼料の製造方法である。
<実施形態17の構成>
ゲル化排汁飼料の製造方法に関しては、実施形態15と基本的方法は共通であるので、詳細な説明は省略する。
実施形態17の特徴点は、前記排汁産生性の植物性原材料は、野菜である点である。野菜とは、果菜類、葉菜類、根菜類などである。果菜類としては、例えば、トマト、ナス、キュウリ、スイカ、カボチャ、イチゴ、オクラ、スナックエンドウ、インゲン、トウモロコシ、などがあげられる。葉菜類としては、例えば、キャベツ、ブロッコリー、ハクサイ、ホウレンソウ、コマツナ、シュンギク、ネギ、タマネギ、ラッキョウ、ニラ、レタス、ミツバ、シソ、フキ、アサツキ、ミョウガ、などがあげられる。また、根菜類には、例えば、ダイコン、ラディッシュ、ニンジン、ゴボウ、ジャガイモ、サトイモ、ショウガ、などがあげられる。また、上記以外に、果物が含まれていてよい。
<実施形態17の効果>
実施形態17によれば、野菜からゲル化排汁飼料を製造することができる、という効果を奏する。
≪実施形態18≫
<実施形態18の構成>
実施形態18は、実施形態15を基本として、排汁産生性の植物性飼料原材料から得た排汁にゲル化剤を添加してゲル化した排汁飼料を製造するゲル化排汁飼料の製造方法であって、特徴点は、前記排汁産生性の植物性飼料原材料は、穀物であるゲル化排汁飼料の製造方法である。
<実施形態18の構成>
ゲル化排汁飼料の製造方法に関しては、実施形態15と基本的方法は共通であるので、詳細な説明は省略する。
実施形態18の特徴点は、前記排汁産生性の植物性原材料は、穀物である点である。穀物とは、イネ科と、マメ科とがある。イネ科の代表的な穀物には、小麦、米、トウモロコシ、などである。なお、この穀物には、葉を含んでもよい。
<実施形態18の効果>
実施形態18によれば、穀物からゲル化排汁飼料を製造することができる、という効果を奏する。
≪実施形態19≫
<実施形態19の処理の流れ>
図42は、実施形態19の処理の流れを表す図である。
実施形態19は、排汁飼料取得ステップ4201と、密閉ステップ4202と、保管ステップ4203と、からなるゲル化排汁飼料の保管方法である。
<実施形態19の処理の流れの説明>
「排汁飼料取得ステップ」は、排汁産生性の植物性飼料原材料から得た排汁にゲル化剤を添加してゲル化排汁飼料を取得する。植物性飼料原材料とは、実施形態16から18の何れか一に記載される牧草、野菜、穀物などである。排汁にゲル化剤を添加するとは、排汁を一度一箇所に集め、それにゲル化剤を添加することを言う。また、排汁が集中的に一箇所で集められない場合は、排汁に対してゲル化剤を散布し、ゲル化した排汁を回収してもよい。
「密閉ステップ」は、前記ゲル化排汁飼料を空気から遮断して密閉する。空気から遮断することによって、酸化による腐りを防止する。
「保管ステップ」は、前記密閉ステップにて密閉されたゲル化排汁飼料を摂氏20度以下で30日以上保管する。この期間保管することによって、発酵が十分に進みゲル化排汁飼料が保存食となる。
<実施形態19の効果>
実施形態19によれば、発酵が十分な保存食としてのゲル化排汁飼料が得られる、という効果を奏する。
≪実施形態20≫
<実施形態20の構成>
図43は、実施形態20の構成を表す図である。
実施形態20は、実施形態15から18の何れか一を基本として、ゲル化排汁飼料4302と、ゲル化剤を含まないサイレージ4301とを混合してなる混合飼料である。
<実施形態20の構成の説明>
本実施形態のゲル化排汁飼料については、実施形態15から18の何れか一に記載のゲル化排汁飼料の製造方法により製造したゲル化排汁飼料と基本的内容は共通であるので、詳細な説明は省略する。
本実施形態は、混合飼料に関する発明であって、ゲル化排汁飼料と、ゲル化剤を含まないサイレージとを混合してなる混合飼料である。ゲル化排汁飼料は非常に栄養価の高い飼料である。これと、通常のサイレージを混合することによって、サイレージの栄養価を高めることができる。また、前記混合飼料のゲル化排汁飼料と、サイレージの混合比率を変えることにより、栄養価を意図的に変動させることができる。
<実施形態20の効果>
実施形態20の混合飼料によって、サイレージの栄養価を高めたり、サイレージの栄養価を意図的に変動させることができる、という効果を奏する。
≪実施形態21≫
<実施形態21の構成>
実施形態21は、実施形態15から18の何れか一を基本として、ゲル化排汁飼料4402と、ゲル化剤を含まない生牧草4401とを混合してなる混合飼料である。
<実施形態21の構成の説明>
図44は、実施形態21の構成を表す図である。
本実施形態のゲル化排汁飼料については、実施形態15から18の何れか一に記載のゲル化排汁飼料の製造方法により製造したゲル化排汁飼料と基本的内容は共通であるので、詳細な説明は省略する。
本実施形態は、混合飼料に関する発明であって、ゲル化排汁飼料と、ゲル化剤を含まない生牧草とを混合してなる混合飼料である。ゲル化排汁飼料は非常に栄養価の高い飼料である。これと、通常の生牧草を混合することによって、生牧草の栄養価を高めることができる。また、前記混合飼料のゲル化排汁飼料と、生牧草の混合比率を変えることにより、栄養価を意図的に変動させることができる。保存食としての扱いでない生牧草においてもゲル化排汁飼料を含ませることにより、新しい栄養価の高い飼料とすることができる。
<実施形態21の効果>
実施形態21の混合飼料によって、生牧草の栄養価を高めたり、生牧草の栄養価を意図的に変動させることができる、という効果を奏する。
尚、本発明の「水分吸着剤を利用したサイレージの製造方法」は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の家畜の飼料のみならず、草から作る堆肥の製造方法としても利用することができる。
0101 サイロ
0102 サイレージ
0103 排汁回収口
0201 水平型サイロ
0202 排汁回収ピット
0203 火山灰
0301 溶媒分子
0302 架橋点
0303 高分子網
0401 水平型サイロ
0402 牧草
0403 トラック
0404 ローダー
1301 水平型サイロのコンクリート壁
1302 水平型サイロの勾配のついた土間コンクリート
1501 トラック
1502 牧草
1505 ゲル化剤
1506 ローダー
1602 牧草
1603 ゲル化剤
2801 密閉のためのビニールシート
2802 古タイヤなどの重し
4001 排汁回収用の桶
4101 排汁回収用のピット
0102 サイレージ
0103 排汁回収口
0201 水平型サイロ
0202 排汁回収ピット
0203 火山灰
0301 溶媒分子
0302 架橋点
0303 高分子網
0401 水平型サイロ
0402 牧草
0403 トラック
0404 ローダー
1301 水平型サイロのコンクリート壁
1302 水平型サイロの勾配のついた土間コンクリート
1501 トラック
1502 牧草
1505 ゲル化剤
1506 ローダー
1602 牧草
1603 ゲル化剤
2801 密閉のためのビニールシート
2802 古タイヤなどの重し
4001 排汁回収用の桶
4101 排汁回収用のピット
Claims (28)
- 排汁産生性の植物性飼料原材料にゲル化剤を添加してサイレージを製造するサイレージの製造方法。
- 前記植物性飼料原材料は、牧草である請求項1に記載のサイレージの製造方法。
- 前記ゲル化剤は、こんにゃくとび粉である請求項1または2に記載のサイレージの製造方法。
- 前記ゲル化剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウムである請求項1または2に記載のサイレージの製造方法。
- 前記ゲル化剤は、アルギン酸ナトリウムである請求項1または2に記載のサイレージの製造方法。
- 前記ゲル化剤の重量は、牧草重量の3%から7%の範囲の重量である請求項2から5のいずれか一に記載のサイレージの製造方法。
- 前記ゲル化剤の重量は、牧草重量の4%から6%の範囲の重量である請求項2から5のいずれか一に記載のサイレージの製造方法。
- 前記サイレージを製造するサイロは、水平型サイロである請求項1から7のいずれか一に記載のサイレージの製造方法。
- 前記サイレージを製造するサイロは、垂直型サイロである請求項1から7のいずれか一に記載のサイレージの製造方法。
- 前記サイレージを製造するサイロは、仮設型サイロである請求項1から7のいずれか一に記載のサイレージの製造方法。
- 前記サイレージを製造するサイロは、可搬型サイロである請求項1から7のいずれか一に記載のサイレージの製造方法。
- 牧草を刈り取る刈り取りステップと、
前記刈り取りステップにて刈り取られた牧草を乾燥する乾燥ステップと、
前記乾燥ステップで乾燥させた牧草にゲル化剤を添加する添加ステップと、
を有するサイレージの製造方法。 - 前記乾燥ステップは、24時間以内の時間である請求項12に記載のサイレージの製造方法。
- さらに、牧草を圧縮する圧縮ステップを有する請求項12又は13に記載のサイレージの製造方法。
- さらに、ゲル化剤の添加された牧草を密閉する密閉ステップを有する請求項12から14のいずれか一に記載のサイレージの製造方法。
- 前記添加ステップは、前記刈り取りステップと、乾燥ステップとの間にある請求項12から15に記載のサイレージの製造方法。
- 前記添加ステップは、乾燥ステップの後にある請求項12から15に記載のサイレージの製造方法。
- 前記添加ステップは、前記圧縮ステップの前にある請求項14に記載のサイレージの製造方法。
- 前記添加ステップは、前記圧縮ステップの後にある請求項14に記載のサイレージの製造方法。
- 前記添加ステップは、前記密閉ステップの直前にある請求項15に記載のサイレージの製造方法。
- 請求項1から20のいずれか一に記載のサイレージの製造方法により製造される植物性飼料原材料と、ゲル化された排汁と、により構成されるサイレージ。
- 排汁産生性の植物性飼料原材料から得た排汁にゲル化剤を添加してゲル化した排汁飼料を製造するゲル化排汁飼料の製造方法。
- 前記排汁産生性の植物性飼料原材料は、牧草である請求項22に記載のゲル化排汁飼料の製造方法。
- 前記排汁産生性の植物性飼料原材料は、野菜である請求項22に記載のゲル化排汁飼料の製造方法。
- 前記排汁産生性の植物性飼料原材料は、穀物である請求項22に記載のゲル化排汁飼料の製造方法。
- 排汁産生性の植物性飼料原材料から得た排汁にゲル化剤を添加してゲル化排汁飼料を取得する排汁飼料取得ステップと、
前記ゲル化排汁飼料を空気から遮断して密閉する密閉ステップと、
前記密閉ステップにて密閉されたゲル化排汁飼料を摂氏20度以下で30日以上保管する保管ステップと、
を有するゲル化排汁飼料の保管方法。 - 請求項22から請求項25のいずれか一に記載のゲル化排汁飼料の製造方法により製造したゲル化排汁飼料と、ゲル化剤を含まないサイレージとを混合してなる混合飼料。
- 請求項22から請求項25のいずれか一に記載のゲル化排汁飼料の製造方法により製造したゲル化排汁飼料と、ゲル化剤を含まない生牧草とを混合してなる混合飼料。
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