JP2010026231A - 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット - Google Patents

光学シート及びこれを用いたバックライトユニット Download PDF

Info

Publication number
JP2010026231A
JP2010026231A JP2008187127A JP2008187127A JP2010026231A JP 2010026231 A JP2010026231 A JP 2010026231A JP 2008187127 A JP2008187127 A JP 2008187127A JP 2008187127 A JP2008187127 A JP 2008187127A JP 2010026231 A JP2010026231 A JP 2010026231A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical sheet
filler
layer
optical
sticking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008187127A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Nagamura
惠弌 長村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JIROO CORPORATE PLAN KK
Original Assignee
JIROO CORPORATE PLAN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JIROO CORPORATE PLAN KK filed Critical JIROO CORPORATE PLAN KK
Priority to JP2008187127A priority Critical patent/JP2010026231A/ja
Priority to TW098121101A priority patent/TWI406050B/zh
Priority to KR1020090063054A priority patent/KR101056638B1/ko
Priority to CN2009101519804A priority patent/CN101630030B/zh
Publication of JP2010026231A publication Critical patent/JP2010026231A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/02Diffusing elements; Afocal elements
    • G02B5/0205Diffusing elements; Afocal elements characterised by the diffusing properties
    • G02B5/021Diffusing elements; Afocal elements characterised by the diffusing properties the diffusion taking place at the element's surface, e.g. by means of surface roughening or microprismatic structures
    • G02B5/0226Diffusing elements; Afocal elements characterised by the diffusing properties the diffusion taking place at the element's surface, e.g. by means of surface roughening or microprismatic structures having particles on the surface
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C48/00Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
    • B29C48/03Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor characterised by the shape of the extruded material at extrusion
    • B29C48/07Flat, e.g. panels
    • B29C48/08Flat, e.g. panels flexible, e.g. films
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B27/00Layered products comprising a layer of synthetic resin
    • B32B27/06Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material
    • B32B27/08Layered products comprising a layer of synthetic resin as the main or only constituent of a layer, which is next to another layer of the same or of a different material of synthetic resin
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/04Prisms
    • G02B5/045Prism arrays
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2305/00Condition, form or state of the layers or laminate
    • B32B2305/30Fillers, e.g. particles, powders, beads, flakes, spheres, chips
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B2307/00Properties of the layers or laminate
    • B32B2307/20Properties of the layers or laminate having particular electrical or magnetic properties, e.g. piezoelectric
    • B32B2307/21Anti-static

Abstract

【課題】スティッキング防止性に優れ、高い全光線透過率を有し、干渉現象や輝度ムラが効果的に抑制でき、さらに高い経済性及び薄膜性を有する光学シート及びこれを用いたバックライトユニットの提供を目的とする。
【解決手段】本発明の光学シートは、透明な基材フィルムと、基材フィルムの一方の面に積層される光学層と、基材フィルムの他方の面に積層されるスティッキング防止層とを備える光学シートであって、スティッキング防止層がフィラーとその樹脂製バインダーとを含み、スティッキング防止層の平坦部の平均厚さが50nm以上150nm以下で、フィラーの平均粒子径が70nm以上200nm以下であることを特徴とする。フィラーとして、主成分の小径フィラーと副成分の大径フィラーとを含有し、小径フィラーの平均粒子径を50nm以上150nm以下にするとよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学シート及びこれを用いたバックライトユニットに関し、詳細には透過光線に対して拡散、法線方向側への屈折、集光等の光学的機能を有し、特に液晶表示装置に好適に使用される光学シート及びバックライトユニットに関するものである。
液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にエッジライト型、直下型などのバックライトユニットが装備されている。かかるエッジライト型のバックライトユニット50は、基本的には図5(a)に示すように、光源としての線状のランプ51と、このランプ51に端部が沿うように配置される方形板状の導光板52と、この導光板52に積層される複数の光学シートとを備えている。この光学シートとしては、光線のピーク方向を法線方向側へ屈折させる機能、輝度分布を拡散させる機能等の所定の光学的機能を有するものであり、具体的には導光板52の表面側に配設される光拡散シート53やプリズムシート54などがある。なお、図示していないが、光学シートとしては、光拡散シート53やプリズムシート54以外にも、導光板52の裏面側に配設される反射シート、表面にマイクロレンズアレイを有するマイクロレンズシートなどがある。
このバックライトユニット50の機能を説明すると、まず、ランプ51より導光板52に入射した光線は、導光板52裏面の反射ドット、導光板52の裏面側に配設される反射シート(図示していない)、及び導光板52の各側面で反射され、導光板52表面から出射される。導光板52から出射した光線は光拡散シート53に入射し、拡散・法線方向側への屈折等の所定の光学的作用が奏され、光拡散シート53の表面より出射される。その後、光拡散シート53から出射された光線は、プリズムシート54に入射し、表面に形成されたプリズム部54aによって、略真上方向にピークを示す分布の光線として出射される。
このように、ランプ51から出射された光線は、導光板52により表面側に屈折され、また光拡散シート53によって拡散等され、さらにプリズムシート54によって略真上方向にピークを示すように屈折され、上方の図示していない液晶層全面を照明するものである。なお、図示していないが、プリズムシート54の表面側にさらに他のプリズムシートや光拡散シートが配設されたバックライトユニットもある。
従来の光拡散シート53としては、一般的には図5(b)に示すように、基材フィルム55と、基材フィルム55の表面に形成される光拡散層56と、基材フィルム55の裏面に積層されたスティッキング防止層57とを備えている(例えば特開2000−89007公報等参照)。この光拡散層56は、透過光線に対して光拡散機能を奏するよう構成されており、バインダー58中に光拡散剤59を有している。
上記従来の光拡散シート53において、スティッキング防止層57は、バインダーを構成するポリマー、樹脂ビーズ61、溶剤等を含有する樹脂組成物を基材フィルム55の裏面に塗工することで形成されており、バインダー60中に樹脂ビーズ61が分散し、この樹脂ビーズ61によって裏面に凸部を有している。このスティッキング防止層57の裏面に形成される凸部によって、光拡散シート53の裏面が導光板52等と密着して干渉縞が生じてしまう不都合を防止している。
上記スティッキング防止層57の樹脂ビーズ61としては、スティッキングを防止する観点から、平均粒子径が5μm〜20μmのアクリルビーズ等が使用されている。そのため、上記スティッキング防止層57は、樹脂ビーズ61の界面での反射、屈折により裏面から入射する光線をある程度散乱させてしまう不都合を有している。従って、上記従来の光拡散シート53は、スティッキング防止層57によって光線透過率等の光学的機能の低下を招来するおそれがある。
また、スティッキング防止層57の平均厚さは、上記平均粒子径の樹脂ビーズ61を固定するため、5μm以上15μm以下とされている。そのため、上記従来の光拡散シート53は、今日的な液晶表示装置の薄型化の要請に反し、かつスティッキング防止層57の両界面での屈折により透過光線に干渉現象が発生し、モアレ等を招来するおそれがある。
さらに、スティッキング防止層57は、樹脂ビーズ61を含有するため、特に裏面の凸部等が比較的軟質になり、液晶表示装置の組み立ての際や重ねて保存・搬送の際に傷付きが発生するおそれがある。かかるスティッキング防止層57の裏面への傷付きにより、光の散乱により液晶表示装置の画面の輝度の低下や輝度ムラ等の不都合が発生するおそれがある。
また、上述のようにスティッキング防止層57が塗工等により形成されているため、光拡散シート53の製造には、基材フィルム55をフィルム成形する工程と、この基材フィルム55の表面に光拡散層56を形成する工程と、基材フィルム55の裏面にスティッキング防止層57を積層する工程との3工程が最低限必要で、今日的な要請である製造コストの低減化を図るためには、かかる製造工程の簡略化が要請されている。
かかる光拡散シート53の不都合は、プリズムシート54や、その他のマイクロレンズシート、レンチキュラーレンズシート、フレネルレンズシート等の光学シートにも該当する。
特開2000−89007公報
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、スティッキング防止性に優れ、高い全光線透過率を有し、干渉現象や輝度ムラが効果的に抑制でき、さらに高い経済性及び薄膜性を有する光学シート及びこれを用いたバックライトユニットの提供を目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
透明な基材フィルムと、この基材フィルムの一方の面に積層される光学層と、基材フィルムの他方の面に積層されるスティッキング防止層とを備える光学シートであって、
このスティッキング防止層がフィラーとその樹脂製バインダーとを含み、
スティッキング防止層の平坦部の平均厚さが50nm以上150nm以下で、
フィラーの平均粒子径が70nm以上200nm以下であることを特徴とする光学シートである。
当該光学シートは、スティッキング防止層がフィラーと樹脂製バインダーとを含み、そのスティッキング防止層の平坦部の平均厚さが50nm以上150nm以下で、フィラーの平均粒子径が70nm以上200nm以下であることから、ナノサイズのフィラーによりスティッキング防止層外面に微細な凸部が比較的密にかつ一様に形成され、その結果、裏面側に重畳される導光板、プリズムシート等に対して比較的密にかつ一様な凸部で散点的に当接する。そのため、当該光学シートは、高いスティッキング防止性を有し、スティッキングによる干渉縞の発生を防止することができる。
また、当該光学シートは、スティッキング防止性を発揮するフィラーの平均粒子径が70nm以上200nm以下とされていることから、フィラーの平均粒子径が可視光の波長よりも小さく、フィラーを配合しても光線透過性を阻害することが飛躍的に低減され、高い全光線透過率を有している。
さらに、当該光学シートは、スティッキング防止層の平坦部の平均厚さが50nm以上150nm以下とされていることから、スティッキング防止層の平坦部の平均厚さが可視光の波長よりも小さく、スティッキング防止層の両界面での屈折による透過光線の干渉現象が低減され、モアレ等の発生を効果的に抑制することができる。
また、当該光学シートは、スティッキング防止層の平坦部の平均厚さが従来のものより格段に小さく、今日要請されている液晶表示装置の薄型化を促進することができる。さらに、当該光学シートは、外面の微細な凸部を形成するためにスティッキング防止層にフィラーを含有し、従来の光学シートのような樹脂ビーズを含有しないことから、押出成形法による基材フィルムの成形工程のインラインでスティッキング防止層が積層でき、その結果、従来の光学シートのような基材フィルム作成後の塗工等の別工程を省略することが可能であり、製造作業性及び製造コストの低減化が格段に促進される。
上記スティッキング防止層の平坦部の平均厚さよりフィラーの平均粒子径が大きくするとよい。このようにスティッキング防止層の平坦部の平均厚さよりフィラーの平均粒子径が大きくすることで、スティッキング防止層の外面に微細な凸部が顕著に形成され、スティッキング防止性をより向上することができる。
上記フィラーとして、主成分の小径フィラーと、この小径フィラーより平均粒子径が大きい副成分の大径フィラーとを含有し、この小径フィラーの平均粒子径を50nm以上150nm以下にするとよい。このようにフィラーとして主成分の小径フィラーと副成分の大径フィラーとを含有することで、スティッキング防止層の外面に主成分の小径フィラーによりほぼ一面に微細な凸部が形成され、副成分の大径フィラーにより比較的大きな凸部が散点的に形成される結果、スティッキング防止性が格段に向上する。
上記スティッキング防止層におけるフィラーの含有量としては20質量%以上50質量%以下が好ましい。このようにスティッキング防止層のフィラーの含有量を上記範囲とすることで、スティッキング防止層の外面に形成される微細な凸部の一様性及び密度がスティッキング防止に好適となり、スティッキング防止性がより向上する。
上記バインダーを構成するポリマーが三次元架橋構造を有するとよい。このようにバインダーポリマーが三次元架橋構造を有することで、スティッキング防止層内でのフィラーの固定性及び保護性が向上し、フィラーの均一分散性ひいてはスティッキング防止性の向上に寄与する。また、バインダーポリマーが三次元架橋構造を有することで、スティッキング防止層の滑り性や耐擦傷性が向上する。
上記バインダーは、アクリルポリオールと硬化剤とを含むポリマー組成物から形成するとよい。このようにバインダーの形成材料としてアクリルポリオールと硬化剤とを含むポリマー組成物を用いることで、基材フィルムへのスティッキング防止層の積層作業が容易かつ確実であり、かつバインダーの透明性が高く、さらに硬化剤の選定で上記三次元架橋構造が容易に形成される。
上記フィラーとしてはコロイダルシリカが好ましい。かかるコロイダルシリカは、スティッキング防止層中での光線透過性に優れ、バインダーポリマー中での良好な分散性を有し、ひいてはスティッキング防止層の耐熱性、剛性等の向上に寄与する。
上記小径フィラーの粒子径分布の変動係数としては20%以下が好ましい。このように小径フィラーの変動係数を20%以下とすることで、スティッキング防止層の外面に形成される微細な凸部の一様性及び突出高さがスティッキング防止に好適となり、スティッキング防止性がより向上する。
上記スティッキング防止層中に帯電防止剤を分散含有するとよい。このようにスティッキング防止層中に帯電防止剤を分散含有することで、当該光学シートに帯電防止性が付与され、当該光学シートとその裏面側に重畳される導光板、プリズムシート等に対するスティッキング防止性がより向上する。
上記光学層としては、光拡散剤とそのバインダーとを有することができる。当該光学シートは、いわゆる光拡散シートであり、光学層中の複数の光拡散剤により透過光線を拡散させる機能を有し、当該スティッキング防止層によって高いスティッキング防止性、全光線透過率、輝度等の均一性、経済性及び薄膜性を有している。
また、上記光学層としては、屈折性を有する微細な凹凸形状を有することもできる。当該光学シートは、いわゆるマイクロレンズシート、プリズムシート、レンチキュラーレンズシート、フレネルレンズシート等の付型光学シートであり、種々の光学層により透過光線に対して高い集光、法線方向側への屈折、拡散等の各種光学的機能を有し、当該スティッキング防止層によって高いスティッキング防止性、全光線透過率、輝度等の均一性、経済性及び薄膜性を有している。
従って、ランプから発せられる光線を分散させて表面側に導く液晶表示装置用のバックライトユニットにおいて、当該光学シートを備えると、上述のように当該光学シートが高いスティッキング防止性、全光線透過率、輝度等の均一性、経済性及び薄膜性を有するため、ランプから発せられる光線の利用効率を格段に高め、今日社会的に要請されている高輝度化、高品質化、省エネルギー化及び薄型軽量化を促進することができる。
ここで、「スティッキング防止層の平坦部」とは、スティッキング防止層のうちフィラーが存在しない領域を意味する。「平均粒子径」及び「粒子径分布の変動係数」は、体積基準の数値である。
以上説明したように、本発明の光学シートは、スティッキング防止性に優れ、高い全光線透過率を有し、干渉現象や輝度ムラが効果的に抑制でき、さらに高い経済性及び薄膜性を有している。そのため、本発明のバックライトユニットは、使用される液晶表示装置の高輝度化、輝度の均一性、低コスト化及び薄型化を促進することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。図1は本発明の一実施形態に係る光学シートを示す模式的断面図、図2は図1の光学シートの模式的底面図、図3は図1の光学シートとは異なる形態に係る光学シートを示す模式的断面図、図4は図1及び図3の光学シートとは異なる形態に係る光学シートを示す模式的断面図である。
図1の光学シート1は、いわゆる光拡散シートであり、基材フィルム2と、この基材フィルム2の裏面に積層されたスティッキング防止層3と、基材フィルム2の表面に積層される光学層4とを備えている。
基材フィルム2は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂から形成されている。この基材フィルム2に用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系ポリマー、ジアセチルセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース系ポリマー、ポリカーボネート系ポリマー、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系ポリマー、ポリスチレン、アクリロニトリル・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ないしノルボルネン構造を有するポリオレフィン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系ポリマー、塩化ビニル系ポリマー、ナイロンや芳香族ポリアミド等のアミド系ポリマー、イミド系ポリマー、スルホン系ポリマー、ポリエーテルスルホン系ポリマー、ポリエーテルエーテルケトン系ポリマー、ポリフェニレンスルフィド系ポリマー、ビニルアルコール系ポリマー、塩化ビニリデン系ポリマー、ビニルブチラール系ポリマー、アリレート系ポリマー、ポリオキシメチレン系ポリマー、エポキシ系ポリマー等が挙げられる。中でも、透明性に優れ、強度が高いポリエチレンテレフタレートが好ましく、撓み性能が改善されたポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
この基材フィルム2の形成材料としては、上記ポリマーを1種又は2種以上混合して使用することができる。また、基材フィルム2の形成材料には、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性等を改良、改質する目的で、種々の添加剤等を混合することができる。この添加剤としては、例えば滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、充填剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、フィラー、顔料、可塑剤、劣化防止剤、分散剤等が挙げられる。
基材フィルム2の厚み(平均厚み)は、特には限定されないが、好ましくは10μm以上250μm以下、特に好ましくは20μm以上188μm以下とされる。基材フィルム2の厚みが上記範囲未満であると、基材フィルム2の表面に光学層(光学シートとして機能させるための層)を形成するためのポリマー組成物を積層した際にカールが発生しやすくなってしまう、取扱いが困難になる等の不都合が発生する。逆に、基材フィルム2の厚みが上記範囲を超えると、当該光学シート1が装備される液晶表示装置の輝度が低下してしまうことがあり、またバックライトユニットの厚みが大きくなって液晶表示装置の薄型化の要求に反することにもなる。
スティッキング防止層3は、層状にかつ離間して配設される複数のフィラー5と、このフィラー5を基材フィルム2の裏面側に固定するバインダー6とを有している。このスティッキング防止層3は、バインダー6の裏面(外面)から突出するフィラー5により、裏面に複数の凸部7が散点的に形成されている。そのため、当該光学シート1を導光板等と積層すると、裏面の凸部7で導光板等の表面に当接し、光学シート1の裏面の全面が導光板等と当接することがない。これにより、光学シート1と導光板等とのスティッキングが防止され、液晶表示装置の画面の輝度ムラが抑えられる。
フィラー5の具体的な材料としては、無機フィラーと有機フィラーに大別される。この無機フィラーとしては、例えば元素周期律表第2族〜第6族から選ばれる元素(例えばケイ素、アルミニウム、亜鉛、チタン、ジルコニウム等)の酸化物、水酸化アルミニウム、硫化バリウム、マグネシウムシリケート又はこれらの混合物を用いることができる。中でも、ナノレベルの粒径のものが得やすく、光線の遮蔽性が小さいコロイダルシリカが好ましい。また、有機フィラーとしては、例えばアクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等を用いることができる。中でも、硬化した際の透明性が高いアクリル樹脂が好ましく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が特に好ましい。
フィラー5の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば、球状、紡錘形状、針状、棒状、立方状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、中でもスティッキング防止層3の裏面への凸部7の形成性に優れ、良好なスティッキング防止性を発現する球状が好ましい。
フィラー5の平均粒子径の下限としては、70nmとされており、100nmが特に好ましい。一方、フィラー5の平均粒子径の上限としては、200nmとされており、150nmが特に好ましい。フィラー5の平均粒子径が上記下限未満であると、表面エネルギーが高くなるためバインダー6への分散含有が困難になり、またフィラー5によってスティッキング防止層3の裏面に形成される凸部7が小さくなり、スティッキング防止機能を奏することができないおそれがある。逆に、フィラー5の平均粒子径が上記上限を越えると、短波長の影響で光線の透過を遮蔽する効果が大きくなり、当該光学シート1の全光線透過率の低下を招来するおそれがある。また、上記平均粒子径範囲のフィラー5を含むスティッキング防止層3は、基材フィルム2の裏面に対して易接着層を形成しなくても直接スティッキング防止層用組成物の積層が容易となり、製造コスト削減、軽量化及び薄膜化が可能となる。さらに、そのようなナノサイズのフィラー5を含むスティッキング防止層3は、上記光線透過性及びスティッキング防止性に加え、帯電防止効果及び傷付き防止効果も良好となる。
スティッキング防止層3におけるフィラー5の含有量(スティッキング防止層用組成物中の固形分換算の含有量)の下限としては、20質量%が好ましく、30質量%が特に好ましい。一方、フィラー5の含有量の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%が特に好ましい。フィラー5の含有量が上記下限より小さいと、スティッキング防止層3の裏面に形成される凸部7の均一分散性及び密度が低下し、スティッキング防止効果が十分得られないおそれがある。一方、フィラー5の含有量が上記上限を超えると、スティッキング防止効果のさらなる向上は得られず、光線透過性が低下するおそれがある。
フィラー5の粒子径分布の変動係数としては、20%以下が好ましく、10%以下が特に好ましい。フィラー5の変動係数を上記範囲とすることで、スティッキング防止層3の裏面に形成される微細な凸部7の突出高さの均一性が向上し、スティッキング防止性がより向上する。また、フィラー5の変動係数を上記範囲とすることで、スティッキングの防止に寄与しない小径のフィラー5の低減化及び単位面積当たりのフィラー5の低減化が促進され、上述のスティッキング防止層3での散乱等による光学的機能の低下防止効果を促進することができる。
バインダー6は、基材ポリマーを含むポリマー組成物を硬化させることで形成される。このバインダー6によって基材フィルム2の裏面にフィラー5が略等密度に配置固定される。
バインダー6に用いられる基材ポリマー自体は、光線の透過性を高める観点から透明が好ましく、無色透明が特に好ましい。この基材ポリマーとしては、特に限定されるものではなく、例えばポリメタクリル酸、ポリカルボキシフェニルメタクリルアミド等のポリメタクリル酸系樹脂、ポリ(ビフェニル)スチレン等のポリスチレン系樹脂等に代表されるポリオレフィン系樹脂、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキシド)に代表されるポリエーテル系樹脂、ポリ(オキシカルボニルオキシ−1,4−フェニレンイソプロピリデン−1,4−フェニレン)に代表されるポリカーボネート系樹脂、ポリ(オキシ−2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブチレンオキシテレフタロイル)に代表されるポリエステル系樹脂、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレン)、ポリ(オキシ−1,4−フェニレンイソプロピリデン−1,4−フェニレンオキシ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレン)等に代表されるポリスルホン系樹脂、ポリ(イミノイソフタロイルイミノ−4,4´−ビフェニレン)に代表されるポリアミド系樹脂、ポリ(チオ−1,4−フェニレンスルホニル−1,4−フェニレン)に代表されるポリスルフィド系樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、ジアリルフタレート系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリフォスファゼン系樹脂、オルガノアルコキシシラン化合物からなるシロキサン樹脂等が挙げられ、これらのポリマーを1種又は2種以上混合して使用することができる。
特に、上記基材ポリマーとしては、加工性が高く、塗工等の手段で容易にスティッキング防止層3を形成することができる点ではポリオールが好ましい。また、上記基材ポリマーとしては、後述する三次元架橋構造の形成性の点からは、ポリオレフィン系共重合体が好ましい。
バインダー6を構成するポリマー10は、図2に示すように、三次元架橋構造を有するとよい。このようにバインダー6を構成するポリマー10が三次元架橋構造を有することで、スティッキング防止層3内でのフィラー5の固定性及び保護性が向上し、フィラー5の均一分散性ひいてはスティッキング防止性の向上に寄与する。加えて、ポリマー10が三次元架橋構造を有することで、スティッキング防止層3の硬度、滑り性、耐擦傷性等が向上する。
この三次元架橋構造を構成する手段としては、特に限定されず、公知の手段が採用されるが、一般的には上記基材ポリマーの重合組成物に不飽和基を2個以上有する多官能単量体を含有することで形成される。この不飽和基を2個以上有する多官能単量体とは、モノマー又はプレポリマーと共重合可能な不飽和官能基を2個以上有するモノマーであり、共重合可能な官能基としては、ビニル基、メチルビニル基、アクリル基、メタクリル基などが挙げられる。また、一分子中に異なる共重合可能な官能基が2個以上含まれるモノマーも本発明で言うところの多官能単量体に含まれる。
この不飽和基を2個以上有する多官能単量体としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセロール(ジ/トリ)(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(ジ/トリ)(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(ジ/トリ/テトラ)(メタ)アクリレートなどの多価アルコールのジ−,トリ−,テトラ−(メタ)アクリレート類、p−ジビニルベンゼン、o−ジビニルベンゼンなどの芳香族多官能モノマー、(メタ)アクリル酸ビニルエステル、(メタ)アクリル酸アリルエステルなどのエステル類、ブタジエン、ヘキサジエン、ペンタジエンなどのジエン類、ジクロロホスファゼンを原料として重合多官能基を導入したホスファゼン骨格を有するモノマー、トリアリルジイソシアヌレートなどの異原子環状骨格を有する多官能モノマーなどが挙げられる。
この不飽和基を2個以上有する多官能単量体の配合量としては、三次元架橋重合体中に2質量%以上80質量%以下が好ましい。上記範囲未満の場合には三次元架橋が充分に進行せず、耐熱性、耐溶剤性などの低下が認められる傾向がある。一方、上記範囲を越えると、耐衝撃性などが低下し、プラスチックとしての特性低下が生じる場合がある。
上記ポリオールとしては、例えば水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリオールや、水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールなどが挙げられ、これらを単体で又は2種以上混合して使用することができる。
水酸基含有不飽和単量体としては、(a)例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール、ホモアリルアルコール、ケイヒアルコール、クロトニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量体、(b)例えばエチレングリコール、エチレンオキサイド、プロピレングリコール、プロピレンオキサイド、ブチレングリコール、ブチレンオキサイド、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルデカノエート、プラクセルFM−1(ダイセル化学工業株式会社製)等の2価アルコール又はエポキシ化合物と、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸との反応で得られる水酸基含有不飽和単量体などが挙げられる。これらの水酸基含有不飽和単量体から選択される1種又は2種以上を重合してポリオールを製造することができる。
また、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、スチレン、ビニルトルエン、1−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、酢酸アリル、アジピン酸ジアリル、イタコン酸ジアリル、マレイン酸ジエチル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エチレン、プロピレン、イソプレン等から選択される1種又は2種以上のエチレン性不飽和単量体と、上記(a)及び(b)から選択される水酸基含有不飽和単量体とを重合してポリオールを製造することもできる。
水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリオールの数平均分子量は1000以上500000以下であり、好ましくは5000以上100000以下である。また、その水酸基価は5以上300以下、好ましくは10以上200以下、さらに好ましくは20以上150以下である。
水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールは、(c)例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ハイドロキノンビス(ヒドロキシエチルエーテル)、トリス(ヒドロキシエチル)イソシヌレート、キシリレングリコール等の多価アルコールと、(d)例えばマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、トリメット酸、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の多塩基酸とを、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール中の水酸基数が前記多塩基酸のカルボキシル基数よりも多い条件で反応させて製造することができる。
かかる水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールの数平均分子量は500以上300000以下であり、好ましくは2000以上100000以下である。また、その水酸基価は5以上300以下、好ましくは10以上200以下、さらに好ましくは20以上150以下である。
当該ポリマー組成物の基材ポリマーとして用いられるポリオールとしては、上記ポリエステルポリオール、及び、上記水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られ、かつ、(メタ)アクリル単位等を有するアクリルポリオールが好ましい。かかるポリエステルポリオール又はアクリルポリオールを基材ポリマーとするバインダー6は耐候性が高く、スティッキング防止層3の黄変等を抑制することができる。なお、このポリエステルポリオールとアクリルポリオールのいずれか一方を使用してもよく、両方を使用してもよい。
なお、上記ポリエステルポリオール及びアクリルポリオール中の水酸基の個数は、1分子当たり2個以上であれば特に限定されないが、固形分中の水酸基価が10以下であると架橋点数が減少し、耐溶剤性、耐水性、耐熱性、表面硬度等の被膜物性が低下する傾向がある。
上記基材ポリマーとしてはシクロアルキル基を有するポリオールが好ましい。このように、バインダー6を構成する基材ポリマーとしてのポリオール中にシクロアルキル基を導入することで、バインダー6の撥水性、耐水性等の疎水性が高くなり、高温高湿条件下での当該光学シート1の耐撓み性、寸法安定性等が改善される。また、スティッキング防止層3の耐候性、硬度、肉持感、耐溶剤性等の塗膜基本性能が向上する。さらに、表面に有機ポリマーが固定されたフィラー5との親和性及びフィラー5の均一分散性がさらに良好になる。
上記シクロアルキル基としては特に限定されず、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロオクタデシル基等が挙げられる。
上記シクロアルキル基を有するポリオールは、シクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体を共重合することで得られる。このシクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体とは、シクロアルキル基を分子内に少なくとも1つ有する重合性不飽和単量体である。この重合性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上述のように基材ポリマーとしてポリオールを用いる場合、ポリマー組成物中に硬化剤としてポリイソシアネート化合物を含有するとよい。このポリイソシアネート化合物は、ジイソシアネートを重合してなる2量体、3量体、4量体等の誘導体である。ポリマー組成物中にポリイソシアネート硬化剤を含有することで、後述する三次元架橋構造が容易かつ確実に形成され、スティッキング防止層3の被膜物性がさらに向上する。また、ポリイソシアネート化合物の配合によってポリマー組成物の硬化反応速度が大きくなるため、微小無機充填剤の分散安定性に寄与するカチオン系帯電防止剤をポリマー組成物中に含有しても、カチオン系帯電防止剤による硬化反応速度の低下を十分補うことができ、さらに生産性を高めることができる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、キシレンジイソシアネート誘導体又はこのキシレンジイソシアネート誘導体と脂肪族ジイソシアネート誘導体との混合物が好ましい。このキシレンジイソシアネート誘導体は、ポリマー組成物の反応速度向上効果が大きく、また芳香族ジイソシアネート誘導体の中では熱や紫外線による黄変及び劣化が比較的小さいため、当該光学シート1の光線透過率の経時的低下を低減することができる。一方、脂肪族ジイソシアネート誘導体は、芳香族ジイソシアネート誘導体に比べて反応速度向上効果が小さいが、紫外線等による黄変、劣化等が格段に小さいため、キシレンジイソシアネート誘導体と混合することで、反応速度向上効果と黄変等の防止効果とをバランスよく達成することができる。
上記ポリイソシアネート化合物の配合量(ポリマー組成物中のポリマー分100部に対する固形分換算の配合量)の下限としては2部が好ましく、5部が特に好ましい。一方、硬化剤の上記配合量の上限としては20部が好ましく、15部が特に好ましい。このようにポリイソシアネート化合物の配合量を上記範囲とすることで、上述のポリマー組成物の硬化反応速度向上作用を効果的に奏することができる。
上記無機フィラー5としては、その表面に有機ポリマーが固定されたものを用いるとよい。このように有機ポリマーが固定された無機フィラー5を用いることで、バインダー6中での分散性やバインダー6との親和性の向上が図られる。この固定する有機ポリマーについては、その分子量、形状、組成、官能基の有無等に関して特に限定はなく、任意の有機ポリマーを使用することができる。また有機ポリマーの形状については、直鎖状、分枝状、架橋構造等の任意の形状のものを使用することができる。
上記有機ポリマーを構成する具体的な樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルおよびこれらの共重合体やアミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の官能基で一部変性した樹脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、(メタ)アクリル−ポリエステル系樹脂等の(メタ)アクリル単位を含む有機ポリマーを必須成分とするものが被膜形成能を有し好適である。他方、上記ポリマー組成物の基材ポリマーと相溶性を有する樹脂が好ましく、従ってポリマー組成物に含まれる基材ポリマーと同じ組成であるものが最も好ましい。
なお、無機フィラー5は、微粒子内に有機ポリマーを包含していてもよい。このことにより、フィラー5のコアである無機物に適度な軟度および靱性を付与することができる。
上記有機ポリマーにはアルコキシ基を含有するものを用いるとよく、その含有量としては有機ポリマーを固定したフィラー5の1g当たり0.01mmol以上50mmol以下が好ましい。かかるアルコキシ基により、バインダー6を構成するマトリックス樹脂との親和性や、バインダー6中での分散性を向上させることができる。
上記アルコキシ基は、微粒子骨格を形成する金属元素に結合したRO基を示す。このRは置換されていてもよいアルキル基であり、微粒子中のRO基は同一であっても異なっていてもよい。Rの具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル等が挙げられる。フィラー5を構成する金属と同一の金属アルコキシ基を用いるのが好ましく、フィラー5がコロイダルシリカである場合には、シリコンを金属とするアルコキシ基を用いるのが好ましい。
有機ポリマーを固定した無機フィラー5中の有機ポリマーの含有率については、特に制限されるものではないが、フィラー5を基準にして0.5質量%以上50質量%以下が好ましい。
フィラー5に固定する上記有機ポリマーとして水酸基を有するものを用い、バインダー6を構成するポリマー組成物中に水酸基と反応するような官能基を2個以上有する多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物およびアミノプラスト樹脂から選ばれる少なくとも1種のものを含有するとよい。これにより、フィラー5とバインダー6のマトリックス樹脂とが架橋構造で結合され、保存安定性、耐汚染性、可撓性、耐候性、保存安定性等が良好になり、さらに得られる被膜が光沢を有するものとなる。
また、ポリマー組成物中に帯電防止剤を微分散状態で混合するとよい。かかる帯電防止剤が混合されたポリマー組成物からバインダー6を形成することで、当該光学シート1に帯電防止効果が発現され、ゴミを吸い寄せたり、プリズムシート等との重ね合わせが困難になる等の静電気の帯電により発生する不都合を防止することができる。また、帯電防止剤を表面にコーティングすると表面のベタツキや汚濁が生じてしまうが、このようにポリマー組成物中に混練することでかかる弊害は低減される。この帯電防止剤としては、特に限定されるものではなく、例えばアルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン系帯電防止剤、第四アンモニウム塩、イミダゾリン化合物等のカチオン系帯電防止剤、ポリエチレングリコール系、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、エタノールアミド類等のノニオン系帯電防止剤、ポリアクリル酸等の高分子系帯電防止剤や、導電性を有する金属粉末、金属酸化物粉末、カーボンナノチューブ等が用いられる。中でも、帯電防止効果が比較的大きいカチオン系帯電防止剤が好ましく、少量の添加で帯電防止効果が奏される。
なお、このバインダー6を形成するためのポリマー組成物は、基材ポリマー、フィラー5、硬化剤、帯電防止剤の他に、例えば可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤等が適宜配合されてもよい。
スティッキング防止層3の平坦部の平均厚さT(フィラー5の存在しない領域での平均厚さ)の下限としては、50nmとされており、70nmが特に好ましい。一方、スティッキング防止層3の平坦部の平均厚さTの上限としては、150nmとされており、120nmが特に好ましい。スティッキング防止層3の平均厚さTが上記下限より小さいと、基材フィルム2の裏面にフィラー5を固定することが困難になるおそれがある。一方、スティッキング防止層3の平均厚さTが上記上限を超えると、フィラー5によりスティッキング防止層3裏面に形成される凸部7が小さくなり、その結果当該光学シート1のスティッキング防止機能が小さくなるおそれがある。また、スティッキング防止層3の平均厚さTが上記上限を超えると、スティッキング防止層3の両界面での屈折による透過光線の干渉現象が生じ、モアレ等が発生するおそれがある。
スティッキング防止層3の裏面の算術平均粗さ(Ra)としては、0.05μm以上0.15μm以下が好ましく、0.08μm以上0.12μm以下が特に好ましい。スティッキング防止層3の裏面の最大高さ(Ry)としては、0.4μm以上0.9μm以下が好ましく、0.6μm以上0.7μm以下が特に好ましい。スティッキング防止層3の裏面の十点平均粗さ(Rz)としては、0.3μm以上0.8μm以下が好ましく、0.5μm以上0.6μm以下が特に好ましい。スティッキング防止層3の裏面の算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)及び十点平均粗さ(Rz)が上記範囲より小さいと、スティッキング防止層3の裏面の微細凸部が小さくなり、スティッキング防止性が低下するおそれがある。逆に、スティッキング防止層3の裏面の算術平均粗さ(Ra)等が上記範囲を越えると、液晶表示装置の画面のギラツキが発生し、品位が低下するおそれがある。
光学層4は、基材フィルム2の表面に略均一に配設される複数の光拡散剤8と、その複数の光拡散剤8のバインダー9とを備えている。かかる複数の光拡散剤8は、バインダー9で被覆されている。このように光学層4に含有する複数の光拡散剤8によって光学層4を裏側から表側に透過する光線を均一に拡散させることができる。また、複数の光拡散剤8によって光学層4の表面に微細な凹凸が略均一に形成されている。このように光学シート1の表面に形成される微細な凹凸のレンズ的屈折作用により、光線をより良く拡散させることができる。なお、光学層4の平均厚みは、特には限定されないが、例えば1μm以上30μm以下程度とされている。
光拡散剤8は、光線を拡散させる性質を有する粒子であり、フィラーと有機フィラーに大別される。フィラーとしては、例えばシリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物を用いることができる。有機フィラーの材料としては、例えばアクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等を用いることができる。中でも、透明性が高いアクリル樹脂が好ましく、ポリメチルメタクリレート(PMMA)が特に好ましい。
光拡散剤8の形状としては、特に限定されるものではなく、例えば球状、紡錘形状、針状、棒状、立方状、板状、鱗片状、繊維状などが挙げられ、中でも光拡散性に優れる球状のビーズが好ましい。
光拡散剤8の平均粒子径の下限としては、1μm、特に2μm、さらに5μmが好ましい。一方、光拡散剤8の平均粒子径の上限としては、50μm、特に20μm、さらに15μmが好ましい。光拡散剤8の平均粒子径が上記範囲未満であると、光拡散剤8によって形成される光学層4表面の凹凸が小さくなり、光拡散シートとして必要な光拡散性を満たさないおそれがある。逆に、光拡散剤8の平均粒子径が上記範囲を越えると、光学シート1の厚さが増大し、かつ、均一な拡散が困難になる。
光拡散剤8の配合量(バインダー9の形成材料であるポリマー組成物中の基材ポリマー100部に対する固形分換算の配合量)の下限としては10部、特に20部、さらに50部が好ましく、この配合量の上限としては500部、特に300部、さらに200部が好ましい。これは、光拡散剤8の配合量が上記範囲未満であると、光拡散性が不十分となってしまい、一方、光拡散剤8の配合量が上記範囲を越えると光拡散剤8を固定する効果が低下することからである。なお、プリズムシートの表面側に配設される所謂上用光拡散シートの場合、高い光拡散性を必要とされないため、光拡散剤8の配合量としては10部以上40部以下、特に10部以上30部以下が好ましい。
バインダー9は、基材ポリマーを含むポリマー組成物を架橋硬化させることで形成される。このバインダー9によって基材フィルム2表面に光拡散剤8が略等密度に配置固定される。このバインダー9を形成するためのポリマー組成物としては、上記スティッキング防止層3のバインダー6を形成するためのポリマー組成物と同様のものが用いられる。
バインダー9を形成するポリマー組成物中に微小無機充填剤を含有するとよい。このバインダー9中に微小無機充填剤を含有することで、光学層4ひいては光学シート1の耐熱性が向上する。この微小無機充填剤を構成する無機物としては、特に限定されるものではなく、無機酸化物が好ましい。この無機酸化物は、金属元素が主に酸素原子との結合を介して3次元のネットワークを構成した種々の含酸素金属化合物と定義される。無機酸化物を構成する金属元素としては、例えば元素周期律表第2族〜第6族から選ばれる元素が好ましく、元素周期律表第3族〜第5族から選ばれる元素がさらに好ましい。特に、Si、Al、Ti及びZrから選択される元素が好ましく、金属元素がSiであるコロイダルシリカが耐熱性向上効果及び均一分散性の面で微小無機充填剤として最も好ましい。また微小無機充填剤の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されない。
微小無機充填剤の平均粒子径の下限としては、5nmが好ましく、10nmが特に好ましい。一方、微小無機充填剤の平均粒子径の上限としては50nmが好ましく、25nmが特に好ましい。これは、微小無機充填剤の平均粒子径が上記範囲未満では、微小無機充填剤の表面エネルギーが高くなり、凝集等が起こりやすくなるためであり、逆に、平均粒子径が上記範囲を超えると、短波長の影響で白濁し、光学シート1の透明性を完全に維持することができなくなることからである。
微小無機充填剤の基材ポリマー100部に対する配合量(無機物成分のみの配合量)の下限としては固形分換算で5部が好ましく、50部が特に好ましい。一方、微小無機充填剤の上記配合量の上限としては500部が好ましく、200部がより好ましく、100部が特に好ましい。これは、微小無機充填剤の配合量が上記範囲未満であると、光学シート1の耐熱性を十分に発現することができなくなってしまうおそれがあり、逆に、配合量が上記範囲を越えると、ポリマー組成物中への配合が困難になり、光学層4の光線透過率が低下するおそれがあることからである。
上記微小無機充填剤としては、上記フィラー5と同様に、その表面に有機ポリマーが固定されたものを用いるとよい。このように有機ポリマー固定微小無機充填剤を用いることで、バインダー9中での分散性やバインダー9との親和性の向上が図られる。
当該光学シート1の製造方法としては、上記構造のものが製造できれば特に限定されないが、(a)Tダイを用いた押出成形法により熱可塑性樹脂からなる基材フィルム押出体を形成する基材フィルム形成工程と、(b)基材フィルム押出体の一方の面に、スティッキング防止層用組成物を積層する積層工程と、(c)基材フィルム押出体及びスティッキング防止層用組成物層の積層体を延伸する延伸工程と、(d)バインダー9のポリマー組成物に光拡散剤8を混合した光学層用組成物を基材フィルム2の表面に積層し、硬化させることで光学層4を形成する工程とを有する製造方法が好適に用いられる。また、Tダイを用いた共押出成形法により上記基材フィルム形成工程と上記積層工程とを同時に行うことも可能である。このような押出成形法を用いた製造方法によれば、基材フィルム押出体及びスティッキング防止層用組成物層の積層体を延伸する延伸工程の前に、基材フィルム押出体の一方の面にスティッキング防止層用組成物を積層する積層工程を行うため、積層工程を基材フィルム形成工程及び延伸工程と同一の生産ラインで(すなわちインライン積層工程として)実施することができ、その結果、製造コストを抑制し、生産性や作業効率を改善した形で光学シートを製造することが可能になる。
当該光学シート1は、光学層4中に含有する光拡散剤8の界面での反射や屈折及び光学層4の表面に形成される微細凹凸での屈折により、高い光拡散機能(方向性拡散機能)を有している。加えて、当該光学シート1は、スティッキング防止層3がフィラー5とその樹脂製バインダー6とを含み、そのスティッキング防止層3の平坦部の平均厚さが50nm以上150nm以下で、フィラー5の平均粒子径が70nm以上200nm以下であることから、ナノサイズのフィラー5によりスティッキング防止層3の外面に微細な凸部7が比較的多くかつ一様に形成され、その結果、裏面側に重畳される導光板、プリズムシート等に対して比較的密に分散する凸部7で散点的に当接する。そのため、当該光学シート1は、高いスティッキング防止性を有し、スティッキングによる干渉縞の発生を防止することができる。
また、当該光学シート1は、スティッキング防止性を発揮するフィラー5の平均粒子径が70nm以上200nm以下とされていることから、フィラー5の平均粒子径が可視光の波長よりも小さく、フィラー5を配合しても光線透過性を阻害することが飛躍的に低減され、高い全光線透過率を有している。
さらに、当該光学シート1は、スティッキング防止層3の平坦部の平均厚さが50nm以上150nm以下とされていることから、スティッキング防止層3の平坦部の平均厚さが可視光の波長よりも小さく、スティッキング防止層3の両界面での屈折による透過光線の干渉現象が低減され、モアレ等の発生を効果的に抑制することができる。
また、当該光学シート1は、スティッキング防止層3の平坦部の平均厚さが従来のものより格段に小さく、今日要請されている液晶表示装置の薄型化を促進することができる。さらに、当該光学シート1は、外面の凸部7を形成するためにスティッキング防止層3にフィラー5を含有し、従来の光学シートのような樹脂ビーズを含有しないことから、押出成形法による基材フィルム2の成形工程のインラインでスティッキング防止層3が積層でき、その結果、従来の光学シートのような基材フィルム作成後の塗工等の別工程を省略することが可能になり、製造作業性及び製造コストの低減化が格段に促進される。
図3の光学シート11は、基材フィルム2と、この基材フィルム2の裏面に積層されるスティッキング防止層12と、基材フィルム2の表面に積層される光学層4とを備えている。この基材フィルム2、光学層4、フィラー5の種類・含有量・形状等、バインダー6及び製造方法などは、上記図1の光学シート1と同様であるため、同一番号を付して説明を省略する。
スティッキング防止層12は、図1の光学シート1と同様に、層状にかつ離間して配設される複数のフィラー5と、このフィラー5を基材フィルム2の裏面側に固定するバインダー6とを有している。このフィラー5として、主成分の小径フィラー5aと、この小径フィラー5aより平均粒子径が大きい副成分の大径フィラー5bとを含有している。
当該光学シート11は、フィラー5として主成分の小径フィラー5aと副成分の大径フィラー5bとを含有することで、スティッキング防止層12の裏面(外面)に主成分の小径フィラー5aにより比較的密に分散する微細な凸部7aが形成され、副成分の大径フィラー5bにより比較的大きな凸部7bが散点的に形成される結果、スティッキング防止性が格段に向上する。
小径フィラー5aの平均粒子径の下限としては、50nmが好ましく、80nmが特に好ましい。一方、小径フィラー5aの平均粒子径の上限としては、150nmが好ましく、120nmが特に好ましい。小径フィラー5aの平均粒子径が上記下限未満であると、表面エネルギーが高くなるためバインダー6への分散含有が困難になり、また小径フィラー5aによってスティッキング防止層3の裏面に形成される凸部7aが小さくなり、スティッキング防止機能を奏することができないおそれがある。逆に、小径フィラー5aの平均粒子径が上記上限を越えると、短波長の影響で光線の透過を遮蔽する効果が大きくなり、当該光学シート11の全光線透過率の低下を招来するおそれがある。
大径フィラー5bの平均粒子径の下限としては、200nmが好ましく、300nmが特に好ましい。一方、大径フィラー5bの平均粒子径の上限としては、1.2μmが好ましく、1μmが特に好ましい。大径フィラー5bの平均粒子径が上記下限より小さいと、スティッキング防止層12の裏面に散点的に形成される凸部7bが小さくなり、スティッキング防止性の向上効果が期待できなくなる。一方、大径フィラー5bの平均粒子径が上記上限を超えると、スティッキング防止層12における大径フィラー5bの固定性が低下し、さらにスティッキング防止層12の薄膜化の要請に反する結果となる。
全フィラー5に対する大径フィラー5bの配合比としては、5質量%以上30質量%以下が好ましく、10質量%以上20質量%以下が特に好ましい。大径フィラー5bの配合比が上記範囲より小さいと、上述のようにスティッキング防止層12の裏面に散点的に形成される比較的大きい凸部7bの密度が低下し、上述のスティッキング防止性の向上効果が期待できなくなる。一方、大径フィラー5bの配合比が上記範囲を超えると、スティッキング防止性の向上効果が期待できなくなり、逆に大径フィラー5bの配合により当該光学シート11の光線透過性が低下するおそれがある。
図4の光学シート20は、高い集光、法線方向側への屈折、拡散等の光学的機能を有するいわゆるマイクロレンズシートである。当該光学シート20は、基材フィルム2と、この基材フィルム2の表面に積層される光学層21と、基材フィルム2の裏面に積層されるスティッキング防止層3とを備えている。この基材フィルム2及びスティッキング防止層3は、上記図1の光学シート1と同様であるため、同一番号を付して説明を省略する。
光学層21は、基材フィルム2の表面に積層されるシート状部22と、このシート状部22の表面に形成されるマイクロレンズアレイ23とを備えている。なお、この光学層21は、シート状部22が存在せず、マイクロレンズアレイ23のみから構成することも可能である。つまり、基材フィルム2の表面に直接マイクロレンズアレイ23を形成することも可能である。また、光学層21と基材フィルム2とは一体成形されてもよい。
光学層21は、光線を透過させる必要があるので透明、特に無色透明の合成樹脂から形成されている。光学層21に用いられる合成樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリオレフィン、セルロースアセテート、耐候性塩化ビニル、活性エネルギー線硬化型樹脂等が挙げられる。中でも、マイクロレンズアレイ23の成形性に優れる紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂等の放射線硬化型樹脂や、透明性及び強度に優れるポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。なお、光学層21には、上記の合成樹脂の他、例えばフィラー、可塑剤、安定化剤、劣化防止剤、分散剤等が配合されてもよい。
マイクロレンズアレイ23は、多数のマイクロレンズ24から構成されている。このマイクロレンズ24は、半球状(半球に近似した形状を含む)に形成され、基材フィルム2の表面側に突設されている。なお、マイクロレンズ24は、上記半球状凸レンズに限定されず、半球状凹レンズのマイクロレンズも可能である。かかる半球状凹レンズのマイクロレンズも、上記マイクロレンズ24と同様に優れた光学的機能を有する。
マイクロレンズ24は、基材フィルム2の表面に比較的密にかつ幾何学的に配設されている。具体的にはマイクロレンズ24は、基材フィルム2の表面において正三角形格子パターンで配設されている。従って、マイクロレンズ24のピッチ(P)及びレンズ間距離(S)は全て一定である。この配設パターンは、マイクロレンズ24を最も密に配設することができる。なお、マイクロレンズ24の配設パターンとしては、稠密充填可能な上記正三角形格子パターンに限定されず、例えば正方形格子パターンやランダムパターンも可能である。このランダムパターンによれば、当該光学シート20を他の光学部材と重ね合わせた際にモアレの発生が低減される。
マイクロレンズ24の直径(D)の下限としては、10μm、特に100μm、さらに特に200μmが好ましい。一方、マイクロレンズ24の直径(D)の上限としては、1000μm、特に700μmが好ましい。マイクロレンズ24の直径(D)が10μmより小さいと、回析の影響が大きくなり、光学的性能の低下や色分解が起こり易く、品質の低下を招来する。一方、マイクロレンズ24の直径(D)が1000μmを超えると、厚さの増大や輝度ムラが生じやすく、品質の低下を招来する。また、マイクロレンズ24の直径(D)を100μm以上とすることで、単位面積当たりのマイクロレンズ24が少なくなる結果、マイクロレンズシートである当該光学シート20の大面積化が容易になり、製造時の技術的かつコスト的な負担が軽減される。
マイクロレンズ24の表面粗さ(Ra)の下限としては、0.01μmが好ましく、0.03μmが特に好ましい。一方、マイクロレンズ24の表面粗さ(Ra)の上限としては、0.1μmが好ましく、0.07μmが特に好ましい。このようにマイクロレンズ24の表面粗さ(Ra)を上記下限以上とすることで、当該光学シート20のマイクロレンズアレイ23の成形性が比較的容易になり、製造面での技術的及びコスト的負担が軽減される。一方、マイクロレンズ24の表面粗さ(Ra)を上記上限未満とすることで、マイクロレンズ24表面での光の散乱が低減される結果、マイクロレンズ24による集光機能や法線方向側への屈折機能が高められ、かかる良好な光学的機能に起因して正面方向の高輝度化が図られる。
マイクロレンズ24の高さ(H)の曲率半径(R)に対する高さ比(H/R)の下限としては、5/8が好ましく、3/4が特に好ましい。一方、この高さ比(H/R)の上限としては1が好ましい。このようにマイクロレンズ24の高さ比(H/R)を上記範囲とすることで、マイクロレンズ24におけるレンズ的屈折作用が効果的に奏され、当該光学シート20の集光等の光学的機能が格段に向上される。
マイクロレンズ24のレンズ間距離(S;P−D)の直径(D)に対する間隔比(S/D)の上限としては1/2が好ましく、1/5が特に好ましい。このようにマイクロレンズ24のレンズ間距離(S)を上記上限以下とすることで、光学的機能に寄与しない平坦部が低減され、当該光学シート20の集光等の光学的機能が格段に向上される。
マイクロレンズ24の充填率の下限としては、40%が好ましく、60%が特に好ましい。このようにマイクロレンズ24の充填率を上記下限以上とすることで、当該光学シート20表面におけるマイクロレンズ24の占有面積を高め、当該光学シート20の集光等の光学的機能が格段に向上される。
なお、上述した高さ比(H/R)、間隔比(S/D)及び充填率の数値範囲は、モンテカルロ法を用いたノンシーケンシャル光線追跡による輝度解析シミュレーションに基づいて導かれたものである。
光学層21を構成する素材の屈折率の下限としては1.3が好ましく、1.45が特に好ましい。一方、この素材の屈折率の上限としては1.8が好ましく、1.6が特に好ましい。この範囲の中でも、光学層21を構成する素材の屈折率としては1.5が最も好ましい。このように光学層21を構成する素材の屈折率を上記範囲とすることで、マイクロレンズ24におけるレンズ的屈折作用が効果的に奏され、当該光学シート20の集光等の光学的機能がさらに高められる。
当該光学シート20の製造方法としては、上記構造のものが製造できれば特に限定されないが、(a)Tダイを用いた押出成形法により熱可塑性樹脂からなる基材フィルム押出体を形成する基材フィルム形成工程と、(b)基材フィルム押出体の一方の面に、スティッキング防止層用組成物を積層する積層工程と、(c)基材フィルム押出体及びスティッキング防止層用組成物層の積層体を延伸する延伸工程と、(d)基材フィルム2の表面に光学層21を形成する工程とを有する製造方法が好適に用いられる。
上記光学層21を形成する手段としては、具体的には、
(a)マイクロレンズアレイ23表面の反転形状を有するシート型に合成樹脂及び基材フィルム2をこの順に積層し、シート型を剥がすこと当該光学層21を形成する方法、
(b)シート化された樹脂を再加熱して基材フィルム2と共にマイクロレンズアレイ23表面の反転形状を有する金型と金属板との間にはさんでプレスして形状を転写する方法、
(c)マイクロレンズアレイ23表面の反転形状を周面に有するロール型と他のロールとのニップに溶融状態の樹脂及び基材フィルム2を通し、上記形状を転写する押出しシート成形法、
(d)基材フィルム2に紫外線硬化型樹脂を塗布し、上記と同様の反転形状を有するシート型、金型又はロール型に押さえ付けて未硬化の紫外線硬化型樹脂に形状を転写し、紫外線をあてて紫外線硬化型樹脂を硬化させる方法、
(e)上記と同様の反転形状を有する金型又はロール型に未硬化の紫外線硬化性樹脂を充填塗布し、基材フィルム2で押さえ付けて均し、紫外線をあてて紫外線硬化型樹脂を硬化させる方法、
(f)未硬化(液状)の紫外線硬化型樹脂等を微細なノズルから基材フィルム2上にマイクロレンズ24を形成するよう射出又は吐出し、硬化させる方法、
(g)紫外線硬化型樹脂の代わりに電子線硬化型樹脂を使用する方法
などがある。
また、Tダイを用いた共押出成形法により上記基材フィルム形成工程と上記積層工程とを同時に行うことも可能である。さらに、Tダイを用いた共押出成形法により上記基材フィルム形成工程及び上記積層工程と同時に光学層21を形成する工程を行うことも可能である。具体的には、マイクロレンズアレイ23表面の反転形状を周面に有するロール型と他のロールとのニップにTダイからの溶融合成樹脂の押出し、硬化させることで、同時に当該光学シート20を形成することができる。このような押出成形法を用いた製造方法によれば、基材フィルム押出体及びスティッキング防止層用組成物層の積層体を延伸する延伸工程の前に、基材フィルム押出体の一方の面にスティッキング防止層用組成物を積層する積層工程及び光学層形成工程を行うため、積層工程及び光学層形成工程を基材フィルム形成工程及び延伸工程と同一の生産ラインで(すなわちインライン積層工程として)実施することができ、その結果、製造コストを抑制し、生産性や作業効率を改善した形で光学シートを製造することが可能になる。
なお、上記マイクロレンズアレイ23の反転形状を有する型(モールド)の製造方法としては、例えば基材上にフォトレジスト材料により斑点状の立体パターンを形成し、この立体パターンを加熱流動化により曲面化することでマイクロレンズアレイ模型を作製し、このマイクロレンズアレイ模型の表面に電鋳法により金属層を積層し、この金属層を剥離することで製造することができる。また、上記マイクロレンズアレイ模型の作製方法としては、上記(f)に記載の方法を採用することも可能である。
当該光学シート20は、マイクロレンズアレイ23によって高い集光、法線方向側への屈折、拡散等の光学的機能を有し、かつ、その光学的機能を容易かつ確実に制御することができる。そのため、当該光学シート20は、例えばバックライトユニットのプリズムシートへの入射光線のピーク方向を法線方向側への屈折に最適な傾斜角に制御することができる。加えて、当該光学シート20は、スティッキング防止層3によって高いスティッキング防止性、全光線透過率、輝度等の均一性、経済性及び薄膜性を有している。
なお、上記「マイクロレンズ」とは、界面が部分球面状の微小レンズを意味し、例えば半球状凸レンズ、半球状凹レンズ等が該当する。「直径(D)」とは、マイクロレンズの基底又は開口の直径を意味する。「高さ(H)」とは、マイクロレンズが凸レンズの場合にはマイクロレンズの基底面から最頂部までの垂直距離、マイクロレンズが凹レンズの場合にはマイクロレンズの開口面から最底部までの垂直距離を意味する。「レンズ間距離」とは、隣り合う一対のマイクロレンズ間の最短距離を意味する。「充填率」とは、表面投影形状における単位面積当たりのマイクロレンズの面積比を意味する。「正三角形格子パターン」とは、表面を同一形状の正三角形に区分し、その正三角形の各頂点にマイクロレンズを配設するパターンを意味する。
本発明の液晶表示装置用のバックライトユニットは、方形の導光板と、導光板の長辺側端縁に沿って配設されるランプと、導光板表面に積層される光拡散シート、プリズムシート等の方形の光学シートとを備え、この光拡散シート、プリズムシート等として当該光学シート1、11、20が用いられている。上述のように当該光学シートが高いスティッキング防止性、全光線透過率、輝度等の均一性、経済性及び薄膜性を有するため、当該バックライトユニットは、ランプから発せられる光線の利用効率を格段に高め、今日社会的に要請されている高輝度化、高品質化、省エネルギー化及び薄型軽量化を促進することができる。
なお、本発明の光学シート及びバックライトユニットは上記実施形態に限定されるものではない。例えば、当該光学シートは、上記光拡散シートやマイクロレンズシートに限定されず、その他のプリズムシート、レンチキュラーレンズシート、フレネルレンズシート等の光学シートにも適用することができる。かかるプリズムシート、レンチキュラーレンズシート、フレネルレンズシート等の光学シートの裏面に当該スティッキング防止層を積層することで、スティッキング防止性、全光線透過率、輝度等の均一性、経済性及び薄膜性を向上することができる。
また、当該光学シートは、基材フィルム、光学層及びスティッキング防止層に加えて、紫外線吸収剤層、帯電防止剤層、トップコート層、易接着層等の他の層が積層されてもよい。
さらに、上記ポリマー組成物中に紫外線吸収剤を含有することができる。このように紫外線吸収剤を含有するポリマー組成物からバインダー6を形成することで、当該光学シートに紫外線カット機能が付与され、バックライトユニットのランプから発せられる微量の紫外線をカットし、紫外線による液晶層の破壊を防止することができる。
かかる紫外線吸収剤としては、紫外線を吸収し、効率よく熱エネルギーに変換できるもので、かつ、光に対して安定な化合物であれば特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。中でも、紫外線吸収機能が高く、上記基材ポリマーとの相溶性が良好で、基材ポリマー中に安定して存在するサリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤が好ましく、これらの群より選択される1種又は2種以上のものを用いるとよい。また、紫外線吸収剤としては、分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマー(例えば、(株)日本触媒の「ユーダブルUV」シリーズなど)も好適に使用される。かかる分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーを用いることで、バインダー6の主ポリマーとの相溶性が高く、紫外線吸収剤のブリードアウト等による紫外線吸収機能の劣化を防止することができる。なお、分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーをバインダー6の基材ポリマーとすることも可能である。また、この紫外線吸収基が結合されたポリマーをバインダー6の基材ポリマーとし、さらにこの基材ポリマー中に紫外線吸収剤を含有することも可能であり、紫外線吸収機能をより向上させることができる。
バインダー6の基材ポリマーに対する上記紫外線吸収剤の含有量の下限としては0.1質量%、特に1質量%、さらに3質量%が好ましく、紫外線吸収剤の上記含有量の上限としては10質量%、特に8質量%、さらに5質量%が好ましい。これは、基材ポリマーに対して紫外線吸収剤の質量比が上記下限より小さいと、光学シートの紫外線吸収機能を効果的に奏することができないためであり、逆に、紫外線吸収剤の質量比が上記上限を超えると、基材ポリマーに悪影響を及ぼし、バインダー6の強度、耐久性等の低下をもたらすことからである。
上記紫外線吸収剤に代え又は紫外線吸収剤と共に、紫外線安定剤(分子鎖に紫外線安定基が結合した基材ポリマーを含む)を使用することも可能である。この紫外線安定剤により、紫外線で発生するラジカル、活性酸素等が不活性化され、紫外線安定性、耐候性等を向上させることができる。この紫外線安定剤としては、紫外線に対する安定性が高いヒンダードアミン系紫外線安定剤が好適に用いられる。なお、紫外線吸収剤と紫外線安定剤を併用することで、紫外線による劣化防止及び耐候性が格段に向上する。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と称する)をTダイに供給し、押出成形してPETフィルム押出体を形成し、そのPETフィルム押出体をフィルム長手方向に3倍延伸した。次に、固形分換算でポリエステルポリオール(東洋紡績社製の「バイロナール MD1250」)100部、ブロックイソシアネート(第一工業製薬社製の「エラストロンH−3」)120部及び平均粒子径が100nmのコロイダルシリカ50部を含むスティッキング防止層用組成物を調製し、このスティッキング防止層用組成物をロールコート法によりPETフィルム押出体にコーティングし、このスティッキング防止層用組成物層と上記PETフィルム押出体との積層体を形成した。次いで、この積層体をフィルム幅方向に3倍延伸することによって平均厚み188μmの光学シート用基材シート(スティッキング防止層の平均厚み100nm)を得た。これらの工程は全て同一の生産ライン上で連続して行った。
次に、固形分換算でアクリルポリオール(大日精化工業社製の「RUBメジウムSA」)100部及び硬化剤(日本ポリウレタン社製の「コロネートHX」)5部を含むポリマー組成物中に、平均粒子径15μmのアクリル系樹脂ビーズ(積水化成品工業社製の「MBX−15」)100部を混合して光学層用組成物を作製した。この光学層用組成物をロールコート法によって上記光学シート用基材シートの表面に15g/m(固形分換算)塗工し、硬化させることで光学層を形成し、最後に20cm平方に裁断することで、実施例1の光学シートを得た。
[実施例2]
実施例1で用いたものと同じスティッキング防止層用組成物とPETとをそれぞれ多層ダイに供給し、共押出成形することによって、スティッキング防止層用組成物層とPETフィルム押出体からなる共押出成形体を形成した。次いで、この共押出成形体をフィルム長手方向に3倍及びフィルム幅方向に3倍の延伸比で同時二軸延伸することによって平均厚み188μmの光学シート用基材シート(スティッキング防止層の平均厚み100nm)を得た。これらの工程は全て同一の生産ライン上で連続して行った。
次に、この光学シート用基材シートの表面に、実施例1と同様に、上記光学層用組成物を塗工して光学層を形成し、20cm平方に裁断することで、実施例2の光学シートを得た。
[比較例]
基材フィルムとして厚さ188μmの透明ポリエチレンテレフタレート製のフィルム、光学層用組成物として上記実施例1と同様の光学層用組成物、スティッキング防止層用組成物として固形分換算でアクリルポリオール(大日精化工業社製の「RUBメジウムSA」)100部及び硬化剤(日本ポリウレタン社製の「コロネートHX」)5部を含むポリマー組成物中に平均粒子径3μmのアクリル系樹脂ビーズ(積水化成品工業社製の「MBX−3」)1.5部を含む組成物を用いた。この光学層用組成物を基材フィルム表面に15g/m(固形分換算)積層し、スティッキング防止層用組成物を基材フィルム裏面に3g/m(固形分換算)積層することで比較例の光学シートを得た。
[特性の評価]
上記実施例1及び2の光学シートと比較例の光学シートとを用い、これらの光学シートのスティッキング防止性の評価と、全光線透過率、ヘイズ値及び正面輝度相対値の測定とを行った。その結果を下記表1に示す。
このスティッキング防止性は、光学シートの裏面を水が介在する状態でアクリル板と重ね合わせたものを環境試験条件下(70℃×RH95%)で24時間放置し、光学シートとアクリル板の剥離を試み、容易に剥離した場合を○、容易に剥離しない場合を×として評価した。また、全光線透過率、ヘイズ値及び正面輝度相対値は、JIS−K7105に準じ、スガ試験機株式会社製のヘイズメーターにより測定した。
Figure 2010026231
上記表1に示すように、実施例1及び2の光学シートは、比較例の光学シートと対比して、高いスティッキング防止性を有しており、加えて優れた全光線透過率、ヘイズ値及び正面輝度相対値を有している。
なお、実施例1の光学シートのスティッキング防止層裏面の算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)及び十点平均粗さ(Rz)を測定したところ、それぞれ0.09μm、0.63μm及び0.52μmであった。当該光学シートのスティッキング防止層の鉛筆硬度はH〜2Hであった。この表面性状の算術平均粗さ(Ra)、最大高さ(Ry)及び十点平均粗さ(Rz)は、JIS B0601−1994に準じ、カットオフλc2.5mm、評価長さ12.5mmとし、株式会社東京精密製の触針式表面粗さ測定機「サーフコム470A」を用いて測定した。
以上のように、本発明の光学シートは、液晶表示装置のバックライトユニットの構成要素として有用であり、特に透過型液晶表示装置に用いるのに適している。
本発明の一実施形態に係る光学シートを示す模式的断面図である。 図1の光学シートの模式的底面図である。 図1の光学シートとは異なる形態に係る光学シートを示す模式的断面図である。 図1及び図3の光学シートとは異なる形態に係る光学シートを示す模式的断面図である。 (a)は一般的なエッジライト型バックライトユニットを示す模式的斜視図で、(b)は一般的な光学シートを示す模式的断面図である。
符号の説明
1 光学シート
2 基材フィルム
3 スティッキング防止層
4 光学層
5 フィラー
5a 小径フィラー
5b 大径フィラー
6 バインダー
7 凸部
7a 凸部
7b 凸部
8 光拡散剤
9 バインダー
10 ポリマー
11 光学シート
12 スティッキング防止層
20 光学シート
21 光学層
22 シート状部
23 マイクロレンズアレイ
24 マイクロレンズ

Claims (12)

  1. 透明な基材フィルムと、この基材フィルムの一方の面に積層される光学層と、基材フィルムの他方の面に積層されるスティッキング防止層とを備える光学シートであって、
    このスティッキング防止層がフィラーとその樹脂製バインダーとを含み、
    スティッキング防止層の平坦部の平均厚さが50nm以上150nm以下で、
    フィラーの平均粒子径が70nm以上200nm以下であることを特徴とする光学シート。
  2. 上記スティッキング防止層の平坦部の平均厚さよりフィラーの平均粒子径が大きい請求項1に記載の光学シート。
  3. 上記フィラーとして、主成分の小径フィラーと、この小径フィラーより平均粒子径が大きい副成分の大径フィラーとを含有しており、
    この小径フィラーの平均粒子径が50nm以上150nm以下である請求項1又は請求項2に記載の光学シート。
  4. 上記スティッキング防止層におけるフィラーの含有量が20質量%以上50質量%以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載の光学シート。
  5. 上記バインダーを構成するポリマーが三次元架橋構造を有している請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の光学シート。
  6. 上記バインダーが、アクリルポリオールと硬化剤とを含むポリマー組成物から形成されている請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の光学シート。
  7. 上記フィラーとして、コロイダルシリカが用いられている請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の光学シート。
  8. 上記小径フィラーの粒子径分布の変動係数が20%以下である請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の光学シート。
  9. 上記スティッキング防止層中に帯電防止剤を分散含有する請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の光学シート。
  10. 上記光学層が、光拡散剤とそのバインダーとを有する請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光学シート。
  11. 上記光学層が、屈折性を有する微細な凹凸形状を有している請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の光学シート。
  12. ランプから発せられる光線を分散させて表面側に導く液晶表示装置用のバックライトユニットにおいて、
    請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の光学シートを備えていることを特徴とする液晶表示装置用のバックライトユニット。
JP2008187127A 2008-07-18 2008-07-18 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット Pending JP2010026231A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008187127A JP2010026231A (ja) 2008-07-18 2008-07-18 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット
TW098121101A TWI406050B (zh) 2008-07-18 2009-06-24 Optical sheet and the use of its backlight unit
KR1020090063054A KR101056638B1 (ko) 2008-07-18 2009-07-10 광학 시트 및 이것을 사용한 백라이트 유닛
CN2009101519804A CN101630030B (zh) 2008-07-18 2009-07-15 光学片及使用其的背光单元

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008187127A JP2010026231A (ja) 2008-07-18 2008-07-18 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010026231A true JP2010026231A (ja) 2010-02-04

Family

ID=41575200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008187127A Pending JP2010026231A (ja) 2008-07-18 2008-07-18 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット

Country Status (4)

Country Link
JP (1) JP2010026231A (ja)
KR (1) KR101056638B1 (ja)
CN (1) CN101630030B (ja)
TW (1) TWI406050B (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103105635A (zh) * 2013-02-07 2013-05-15 杭州麦乐克电子科技有限公司 滤光透镜
JP2016028275A (ja) * 2014-07-09 2016-02-25 恵和株式会社 光学シート、エッジライト型のバックライトユニット及び光学シートの製造方法
KR20170129061A (ko) 2016-05-16 2017-11-24 케이와 인코포레이티드 액정 표시 장치용 광학 시트, 액정 표시 장치용 백라이트 유닛 및 액정 표시 장치용 광학 시트의 제조 방법
WO2019130850A1 (ja) * 2017-12-28 2019-07-04 恵和株式会社 バックライトユニット及び液晶表示装置
US10386567B2 (en) 2016-05-16 2019-08-20 Keiwa Inc. Optical sheet for liquid crystal display device, backlight unit for liquid crystal display device and production method of optical sheet for liquid crystal display device
CN113825641A (zh) * 2019-05-13 2021-12-21 大日本印刷株式会社 阻隔膜、使用其的波长转换片以及使用其的显示装置

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101129595B1 (ko) * 2010-08-16 2012-03-27 도레이첨단소재 주식회사 광확산 필름 및 이를 구비한 백라이트 유닛
JP6014057B2 (ja) * 2011-03-14 2016-10-25 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー 多層のナノ構造化物品
KR101273099B1 (ko) 2011-05-24 2013-06-13 엘지이노텍 주식회사 광학 시트, 이를 포함하는 표시장치 및 이의 제조방법
KR101781206B1 (ko) * 2011-12-30 2017-09-25 에스케이씨하이테크앤마케팅(유) 마이크로 렌즈 광학시트, 및 이를 이용한 백라이트 유닛 및 액정 표시 장치
TWI507747B (zh) * 2014-05-16 2015-11-11 E Ink Holdings Inc 前導光模組以及具有前導光模組的電泳顯示裝置
CN105223729A (zh) * 2015-11-03 2016-01-06 昆山龙腾光电有限公司 一种液晶显示装置
EP3824218A1 (en) * 2018-07-24 2021-05-26 Nanosys, Inc. Methods of improving efficiency of displays using quantum dots with integrated optical elements

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000089007A (ja) * 1998-09-17 2000-03-31 Keiwa Inc 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2002099220A (ja) * 2000-09-26 2002-04-05 Keiwa Inc 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2002148416A (ja) * 2001-08-30 2002-05-22 Keiwa Inc 光拡散シート
JP2005077445A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Keiwa Inc 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2005266231A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP2008132769A (ja) * 2006-10-30 2008-06-12 Toyobo Co Ltd ハードコートフィルム、光学機能性フィルム、およびそれを得るための密着性改質基材フィルム

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5054872B2 (ja) * 2001-02-22 2012-10-24 恵和株式会社 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP4074847B2 (ja) * 2003-09-30 2008-04-16 恵和株式会社 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2005107553A (ja) * 2005-01-06 2005-04-21 Minoru Yoshida 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
KR100737979B1 (ko) * 2005-03-18 2007-07-13 도레이새한 주식회사 기공이 형성된 광확산 필름
CN100510790C (zh) * 2005-03-30 2009-07-08 大日本油墨化学工业株式会社 光扩散膜
JP2007065160A (ja) * 2005-08-30 2007-03-15 Keiwa Inc 光学シート用基材フィルム、光学シート及びバックライトユニット
KR100716143B1 (ko) * 2005-09-05 2007-05-10 도레이새한 주식회사 광확산 필름
JP5102951B2 (ja) * 2005-10-14 2012-12-19 株式会社ジロオコーポレートプラン 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
TW200734755A (en) * 2006-03-06 2007-09-16 Exploit Technology Co Ltd Light scattering film for direct-in and embedded backlight module, method of making the film, and backlight module and display device using the film
JP5554885B2 (ja) * 2006-04-18 2014-07-23 恵和株式会社 液晶表示モジュール
KR20090033251A (ko) * 2006-08-21 2009-04-01 니폰 쇼쿠바이 컴파니 리미티드 미립자, 미립자의 제조방법, 이 미립자를 포함하는 수지 조성물 및 광학 필름
CN101149515A (zh) * 2006-09-22 2008-03-26 宣茂科技股份有限公司 应用光学膜片组合的背光模块
CN101529281B (zh) * 2006-10-27 2011-09-07 东丽株式会社 光反射板用白色聚酯膜

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000089007A (ja) * 1998-09-17 2000-03-31 Keiwa Inc 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2002099220A (ja) * 2000-09-26 2002-04-05 Keiwa Inc 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2002148416A (ja) * 2001-08-30 2002-05-22 Keiwa Inc 光拡散シート
JP2005077445A (ja) * 2003-08-29 2005-03-24 Keiwa Inc 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2005266231A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Konica Minolta Opto Inc 光学フィルム、偏光板及び画像表示装置
JP2008132769A (ja) * 2006-10-30 2008-06-12 Toyobo Co Ltd ハードコートフィルム、光学機能性フィルム、およびそれを得るための密着性改質基材フィルム

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103105635A (zh) * 2013-02-07 2013-05-15 杭州麦乐克电子科技有限公司 滤光透镜
JP2016028275A (ja) * 2014-07-09 2016-02-25 恵和株式会社 光学シート、エッジライト型のバックライトユニット及び光学シートの製造方法
KR20170129061A (ko) 2016-05-16 2017-11-24 케이와 인코포레이티드 액정 표시 장치용 광학 시트, 액정 표시 장치용 백라이트 유닛 및 액정 표시 장치용 광학 시트의 제조 방법
US10386567B2 (en) 2016-05-16 2019-08-20 Keiwa Inc. Optical sheet for liquid crystal display device, backlight unit for liquid crystal display device and production method of optical sheet for liquid crystal display device
WO2019130850A1 (ja) * 2017-12-28 2019-07-04 恵和株式会社 バックライトユニット及び液晶表示装置
JP2019121489A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 恵和株式会社 バックライトユニット及び液晶表示装置
CN113825641A (zh) * 2019-05-13 2021-12-21 大日本印刷株式会社 阻隔膜、使用其的波长转换片以及使用其的显示装置
CN113825641B (zh) * 2019-05-13 2023-10-31 大日本印刷株式会社 阻隔膜、使用其的波长转换片以及使用其的显示装置

Also Published As

Publication number Publication date
TWI406050B (zh) 2013-08-21
KR101056638B1 (ko) 2011-08-12
TW201005374A (en) 2010-02-01
CN101630030B (zh) 2011-12-14
CN101630030A (zh) 2010-01-20
KR20100009485A (ko) 2010-01-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2010026231A (ja) 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP5437652B2 (ja) 導光シート及びこれを用いたバックライトユニット
TWI406051B (zh) Substrate sheet for optical sheet
JP5102951B2 (ja) 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP5102955B2 (ja) 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
TWI416172B (zh) An optical sheet and a backlight unit using the same
KR101167231B1 (ko) 직하형 액정표시장치용 광학 시트 및 백라이트 유닛
KR100909222B1 (ko) 광학 시트용 기재 필름, 광학 시트 및 액정 표시 모듈
JP2007065160A (ja) 光学シート用基材フィルム、光学シート及びバックライトユニット
JP2005107553A (ja) 光拡散シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2008003514A (ja) 光学ユニット及び液晶表示モジュール
JP4526237B2 (ja) 光学ユニット及びこれを用いたバックライトユニット
JP2011081036A (ja) 光学ユニット及びこれを用いたバックライトユニット
JP5700777B2 (ja) 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2006026973A (ja) 耐熱性基板及びこれを用いた光学シート
JP4800549B2 (ja) 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2004145330A (ja) 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2004145328A (ja) 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP2008145883A (ja) 液晶表示装置用光拡散シート
JP2004145329A (ja) 光学シート及びこれを用いたバックライトユニット
JP4374237B2 (ja) 光拡散シート
JP2004309802A (ja) 光学ユニット及びこれを用いたバックライトユニット
JP4316280B2 (ja) 光学ユニット及びこれを用いたバックライトユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110705

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130513

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130903