JP2010025780A - 放射線変換シートおよび放射線画像検出装置 - Google Patents

放射線変換シートおよび放射線画像検出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放射線変換シートと光電変換センサの密着性を高くすることによって、高解像度の放射線画像検出装置を得る。
【解決手段】支持体1と、照射された放射線を可視光に変換するシンチレータ層2と、中間層3とがこの順に積層された放射線変換シート10であって、中間層3が放射線変換シート10と、シンチレータ層2により変換された可視光を検出して放射線画像を表す電気信号に変換する複数の半導体検出素子が配列された光電変換センサ30とを接合するための層であり、この中間層3のヘイズ度を3〜50%の範囲とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、X線などの放射線撮像装置に適用して好適な放射線画像検出装置に関し、詳しくは、間接変換型の放射線画像検出装置に用いられる放射線変換シートおよび放射線画像検出装置に関するものである。
今日、医療診断等を目的とするX線撮影等の放射線撮影において、放射線画像情報記録手段として放射線固体検出器(半導体を主要部とするもの)を用いて、この固体検出器により被写体を透過した放射線を検出して被写体に関する放射線画像を表す画像信号を得る放射線画像検出装置が各種提案、実用化されている。
この装置に使用される固体検出器としても、種々の方式が提案されている。例えば、放射線を電荷に変換する電荷生成プロセスの面からは、放射線が照射されることにより蛍光体から発せられた蛍光を光導電層で検出して得た信号電荷を蓄電部に一旦蓄積し、蓄積電荷を画像信号(電気信号)に変換して出力する間接変換方式の固体検出器、或いは、放射線が照射されることにより光導電層内で発生した信号電荷を電荷収集電極で集めて蓄電部に一旦蓄積し、蓄積電荷を電気信号に変換して出力する直接変換方式の固体検出器等がある。
一方、蓄積された電荷を外部に読み出す電荷読出プロセスの面からは、読取光(読取用の電磁波)を検出器に照射して読み出す光読出方式のものや、蓄電部と接続されたTFT(薄膜トランジスタ:thin film transistor)、CCD(電荷結合素子:charge coupled device)、あるいはCMOS(相補的金属酸化物半導体:comprementary metal oxide semiconductor)センサ等を走査駆動して読み出す電気読出方式のもの等がある。
上記のうち、間接変換方式と電気読出方式を組み合わせた放射線画像検出装置は、放射線を光に一旦変換するためのシンチレータ層を有する放射線変換シートと(例えば、特許文献1)、シンチレータにより変換された可視光を検出して放射線画像を表す電気信号に変換する光電変換センサとが接着剤層を介して接合された構成を有している(例えば、特許文献2)。
特許文献1に記載の放射線変換シートは、基材、シンチレータ層、アクリル系粘着剤と剥離フィルムを設けたものであり、接着剤層であるアクリル系粘着剤を介して光電変換センサと接合することにより放射線画像検出装置を作製することが記載されている。また、放射線画像検出装置の作製においては、解像度(鮮鋭度)を低下させないために、接着剤層の厚みを20μm以下にする必要があることも記載されているが、どこまで薄くし得るかについては記載されていない。
特開2004−61172号公報 特開2003−75543号公報
しかしながら、放射線変換シートと接合させて用いる光電変換センサは複数の半導体検出素子を配した基板表面を有し、その素子形状によって、2〜5μm程度の凹凸を表面上に持つことから、接着剤層を薄くすると、この凹凸を吸収することができず、密着性が悪くなって放射線変換シートと光電変換センサ表面との間に空隙が生じる。この空隙は、放射線が照射されることによりシンチレータから発せられた光が半導体検出素子に正しく入射することを妨げ、結果として放射線画像検出装置における画像ムラの発生をもたらすことになる。
また、上記特許文献2には、接着剤層に光学的に透明な熱硬化樹脂、ホットメルト接着剤または反応性ホットメルト接着剤が用いられ、蛍光体から発生した光が吸収されないように、波長400〜700nmの光を80%以上透過する接着剤を用いて、放射線変換シートの感度低下を抑制することが記載されているが、放射線変換シートと光電変換センサとの間の空隙の問題について何ら対策は講じられていない。
結局、接着剤層にある程度の厚みを持たせざるを得ないが、接着層を厚くすると、鮮鋭度が下がるという傾向は避けることができず、上記特許文献1および2に記載されている接着剤層を始めとした従来の接着剤層を用いている限り、それによって鮮鋭度の低下がもたらされるという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、従来の放射線変換シートと光電変換センサとの間の密着性を確保しつつ、より高性能の放射線画像検出装置を提供すること、およびこの放射線画像検出装置を作製するための放射線変換シートを提供することを目的とするものである。
本発明の放射線変換シートは、支持体と、照射された放射線を可視光に変換するシンチレータ層と、中間層とがこの順に積層された放射線変換シートであって、前記中間層が前記放射線変換シートと光電変換センサとを接合するための層であり、前記中間層のヘイズ度が3〜50%の範囲であることを特徴とするものである。
前記中間層はフィラーを含有する接着剤層であって、該フィラーの平均粒子径が0.1〜10μmの範囲であり、該フィラーの含有量が前記接着剤層の接着剤に対して5〜50質量%であることが好ましい。ここで、フィラーの平均粒子径は体積平均粒子径を意味する。なお、個々の粒子の粒子径は球相当半径であり、球状でない場合には同体積の球に換算した場合の粒子径である。
前記接着剤層の層厚は15〜50μmであることが好ましい。
前記接着剤はホットメルト型接着剤であることが好ましい。前記接着剤層は前記シンチレータ層の発光波長に吸収を持つ着色剤を含有することがより好ましい。
本発明の放射線画像検出装置は、上記放射線変換シートと、前記シンチレータ層により変換された可視光を検出して放射線画像を表す電気信号に変換する複数の半導体検出素子が配列された光電変換センサとが、前記中間層を介して接合されたものであることを特徴とするものである。
本発明の放射線変換シートは、支持体と、照射された放射線を可視光に変換するシンチレータ層と、中間層とがこの順に積層された放射線変換シートであって、中間層が放射線変換シートと光電変換センサとを接合するための層であり、中間層のヘイズ度が3〜50%の範囲であるので、この放射線変換シートを用いて作製した放射線画像検出装置においては、中間層における散乱長(光が散乱されずに進める距離)が短くなる。このため、シンチレータ発光光は、発光した地点から遠い地点の光電変換センサまで進む確率が低くなり、発光した地点から近い、近傍の光電変換センサに到達する確率が高くなる。つまり、散乱長を短くすることによって、画像のボケにつながる光の割合を少なくすることができる。
従って、従来と同様の厚みの中間層であれば、高い鮮鋭度を得ることが可能であるし、従来と同様の鮮鋭度でよければ、より厚い中間層にすることができる。すなわち、本発明の放射線変換シートにより、設計の自由度を広げることができる。
以下、図面を参照して本発明の放射線変換シートおよび放射線画像検出装置について説明する。図1は、本発明の一実施の形態である放射線変換シートの概略断面図である。
図1に示す放射線変換シート10は、支持体1と、照射された放射線を可視光に変換するシンチレータ層2と、中間層3とが順に積層され、中間層3のシンチレータ層2の反対側面に剥離シート4が設けられてなるものである。支持体1とシンチレータ層2との間には、静電気防止のための導電性層5と光を反射する光反射層6とが設けられている。
中間層3は、放射線変換シート10と後述する光電変換センサとを接合するための層であり、ヘイズ度が3〜50%の範囲である。中間層3はフィラーを含有する接着剤層であることが好ましく、接着剤としては、ホットメルト型接着剤、反応性ホットメルト型接着剤、または熱硬化樹脂等の接着剤を好ましく用いることができ、特に光電変換センサ表面の凹凸を吸収するという観点からはホットメルト型接着剤がより好ましい。
フィラー材料としては、アルミナ、シリカ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化イットリウム等の無機材料、高架橋アクリル樹脂、高架橋ポリスチレン樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂等の有機材料を好ましく挙げることができ、これらのるフィラー材料はこれらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは適宜組み合わせて用いてもよい。
中間層3が接着剤層である場合のフィラーは、接着剤層の厚みに応じて適宜決定すればよいが、平均粒子径が0.1〜10μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.3〜5μm、さらには0.5〜3μmであることが望ましい。平均粒子径が0.1μmよりも小さい場合には、光散乱が弱くなり、ヘイズ度が低くなってその調整が難しく、一方10μmよりも大きくなると接着剤層のムラが大きくなるため好ましくない。
フィラーの含有量は、接着剤層の接着剤に対して5〜50質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは5〜20質量%、さらには5〜10質量%であることが望ましい。平均粒子径が5質量%よりも少ない場合にはヘイズ度が十分にあがらず、一方50質量%よりも多くなるとヘイズ度が上がりすぎることと、フィラーが過剰になることにより接着材層の脆性が低下することとなって好ましくない。
中間層3がフィラーを含有する接着剤層である場合、フィラーの平均粒子径を0.1〜10μmの範囲で、フィラーの含有量を接着剤層の接着剤に対して5〜50質量%とすることにより、ヘイズ度が3〜50%の範囲の中間層3とすることができる。
中間層3の層厚は10〜50μmであることが好ましく、より好ましくは15〜35μmであり、さらには15〜25μmであることが好ましい。10μmよりも薄い場合には、後述する光電変換センサと接合した場合に、半導体検出素子形状の凹凸が大きい場合にはこれを十分に吸収することができず、放射線変換シートと光電変換センサの基板表面との間に空隙が生じる場合がある。一方、50μmよりも厚い場合には、画像の鮮鋭度に影響を及ぼすため好ましくない。
なお、中間層3は接着剤層に限定されるものではなく、ポリアクリル系粘着剤、シリコーンゴム系粘着剤、ポリビニルブチルエーテル系粘着剤、ポロイソブチレン系粘着剤、天然ゴム系粘着剤等の粘着層(接着後も接着面から剥がし取ることができる粘着剤で形成される層)であってもよい。
また、中間層3は着色剤を含有していてもよい。色素としては、シンチレータ層の発光波長に吸収を持つことが好ましく、例えば、シンチレータ層に含有される蛍光体が(Gd,Y)22S:Tbであれば、545nm付近の発光スペクトルの主ピークやその他の副ピークの波長に吸収を持つことが好ましい。中間層に色素を含有させることにより、シンチレータ層からの発光光は、発光した地点から遠い地点の光電変換センサまで進む確率が低くなり、発光した地点から近い、近傍の光電変換センサに到達する確率が高くなる。つまり、散乱長を短くすることによって、画像のボケにつながる光の割合を少なくすることができる。
着色剤は中間層材料に溶解または分散されればよく、有機色素系であれば、シアニン系、メロシアニン系、フタロシアニン系、アゾ系、クマリン系等の色素を用いることができる。また無機系顔料を分散してもよい。
支持体1は、例えばプラスチック基板、シリコン基板、カーボン基板などを用いることができる。プラスチック材料として、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレートなどの樹脂材料、または樹脂材料に酸化チタン、酸化アルミニウムなどの顔料を混入した白色樹脂材料、あるいは種々の金属粒子、金属箔を用いることができる。
シンチレータ層2は、放射線を可視光に変換する機能を有し、蛍光体材料とバインダ樹脂から成る蛍光体層が用いられる。シンチレータ層2に用いられる蛍光体としては、Gd22S:Tb、Y22S:Tb、(Gd,Y)22S:Tb、La22S:Tb、(Gd,Y)22S:Tb:Tm、GdTaO4:Tb、Gd23・Ta25・B23:Tb、CaWO4、BaSO4:Pb、LaOBr:Tm、LaOBr:Tb、HfO2:Ti、HfP27:Cu、CdWO4、YTaO4、YTaO4:Tm、YTaO4:Nb、ZnS:Ag、BaFCl:Eu、Lu22S:Tb、LuSiO4:Ceのような放射線励起により高効率な瞬時発光を呈する蛍光体であればいずれも使用することができる。
シンチレータ層2は蛍光体と結合剤とを所定量混合し、更にこれに有機溶剤を加えて適当な粘度の蛍光体塗布液を調製し、この塗布液をロールコーターや、ドクターブレードコート等によって支持体1上に塗布し、乾燥して得ることができる。なお、シンチレータ層2は、蛍光体材料として例えばCsI:Tlなどの柱状結晶の層を、支持体1上に蒸着法により形成することによっても得ることができる。
結合剤としては、硝化綿以外に酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、綿状ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコール、ゼラチン、放射線変換シートの結合剤として知られているものであれば、特に限定されるものではない。
導電性層5は、金属材料、金属酸化物材料や導電性有機物質が好ましい。金属材料としては、放射線吸収率が低いという観点から、マグネシウム、およびマグネシウム合金、アルミニウム、およびアルミ合金等が好ましい。金属酸化物材料としては、SnO2(Sbドープ)針状微粒子等が好ましく用いられる。導電性有機物質としては、導電性カーボンフィルム等が好ましく挙げられる。
光反射層6は光反射性物質を含む層であり、光反射性物質の例としては、Al23、ZrO2、MgO、BaSO4、SiO2、ZnS、ZnO、CaCO3、Sb23、Nb25、2PbCO3・Pb(OH)2、PbF2、BiF3、Y23、YOCl、MIIFX(MIIはBa、Sr及びCaのうちの少なくとも一種であり、XはCl及びBrのうちの少なくとも一種である)、リトポン(BaSO4+ZnS)、ケイ酸マグネシウム、塩基性ケイ硫酸鉛、塩基性リン酸鉛、ケイ酸アルミニウムなどの白色顔料;種々の金属粒子もしくは金属箔;および中空構造のポリマー粒子を挙げることができる。これらの物質は単独で用いてもよいし、あるいは適宜組み合わせて用いてもよい。これらのうちでも高い屈折率を有するという観点からは、Al23、ZrO2、PbF2、BiF3、Y23、YOClがより好ましい。
剥離シート4は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリプロピレン等の各種樹脂よりなるフィルムを基材とし、この基材の接着剤層3との接合面に、離型コート層(シリコーン層)が形成されたものを用いることができる。剥離シート4の接着剤層3への密着力は、接着剤層3のシンチレータ層2への密着力よりも十分に低いことが好ましい。
続いて、本発明の放射線画像検出装置について説明する。図2は本発明の一実施の形態である放射線画像検出装置の概略断面図である。図2に示す放射線画像検出装置20は、図1に示す放射線変換シート10と、シンチレータ層2により変換された可視光を検出して放射線画像を表す電気信号に変換する複数の半導体検出素子が配列された光電変換センサ30とが中間層3を介して接合されたものである(なお、図2において、図1中の構成要素と同等の構成要素には同番号を付し、それらについての説明は特に必要のない限り省略する。)
光電変換センサ30は、電荷収集電極によって収集された電荷を読み出すためのスイッチング素子(半導体検出素子)32を有する画素部が2次元状に多数配列された検出層であるアクティブマトリックス層上に、光電変換層、電圧印可電極が順次形成されてなるもので、光電変換層は、シンチレータ層2により変換された可視光を検出して、内部に電荷(電子−正孔)を発生するものである。
アクティブマトリックス層は、ガラス基板、ゲート電極、蓄積容量下部電極、ゲート絶縁膜、蓄積容量上部電極、半導体層、ソース電極、ドレイン電極、層間絶縁膜、電荷収集電極とを有しており、ゲート電極、ゲート絶縁膜、ソース電極、ドレイン電極、半導体層等でもって薄膜トランジスタ(TFTスイッチ)が構成されている。TFTスイッチが上記のスイッチング素子32であり、ソース電極、ドレイン電極は、格子状に配列された電極配線であるデータ配線と蓄積容量上部電極とに接続されている(なお図2におけるスイッチング素子の形状は単純模式化してあり、実際の形状を示したものではない)。
放射線画像検出装置全体としては、電荷収集電極は2次元に複数配列されると共に、電荷収集電極に個別に接続された電荷蓄積容量と、電荷蓄積容量に個別に接続されたTFTスイッチとを複数備えている。これにより、2次元の可視光情報を一旦電荷蓄積容量に蓄積し、TFTスイッチを順次走査していくことで、2次元の電荷情報を簡単に読み出すことができるものである。
図2に示すように光電変換センサ30の表面は複数のスイッチング素子32が配され、このスイッチング素子32は配線基板、信号処理素子が、所定の配列方向に沿って配置された構成となっているため、その素子形状に起因する凹凸が存在している。中間層3がフィラーを有する接着剤層であって、フィラーの平均粒子径が0.1〜10μmの範囲であり、フィラーの含有量が接着剤層の接着剤に対して5〜50質量%の場合には、光電変換センサ30の表面の凹凸を、含有するフィラーによって吸収することができるので、放射線変換シート10と光電変換センサ30との間の空隙を埋めることができ、シンチレータ層からから発せられた光が半導体検出素子に入射する入射率低下が抑制され、放射線画像検出装置の解像度を向上させることができる。
以下に本発明の放射線変換シート及び放射線画像検出装置の実施例を示す。
(実施例1)
(シンチレータシートの作製)
ポリビニルブチラール樹脂、ウレタン樹脂脂及び可塑剤の混合物20重量%を、トルエン、2-ブタノール及び、キシレンの混合溶剤80重量%に溶解し、十分に攪拌して結合剤を作製した。この結合剤と平均粒子径5μmのGd22S:Tb蛍光体を15:85の質量%比で混合しボールミルで分散処理して蛍光体塗布液を調製した。この塗布液をドクターブレードを用いて、シリコーン系離型剤が塗布されたポリエチレンテレフタレートシート(仮支持体、厚み:190μm)の表面に、300mmの巾で塗布し乾燥した後、仮支持体から剥離して、シンチレータシート(厚み:300μm)を得た。
(導電性層の形成)
下記組成の材料にMEK5gに加え、混合分散して塗布液を調製した。この塗布液をPET(支持体、厚み:188μm、ヘイズ度27%、ルミラーS-10、東レ(株)製)の表面にドクターブレードを用いて塗布し、乾燥させ、硬化させ、導電性層(膜厚:5μm)を形成した。
樹脂:飽和ポリエステル樹脂(バイロン300,東洋紡(株)製)のMEK溶液(固形分30重量%) 20g
硬化剤:ポリイソシアネート(オレスターNP38−70S(固形分70%)、三井東圧(株)製) 2g
導電剤:SnO2(Sbドープ)針状微粒子)のMEK分散体(固形分30重量%) 50g
(光反射層の形成)
続いて、下記組成の材料をMEK387gに加え、混合分散して塗布液を作製した。この塗布液を導電性層の表面にドクターブレードを用いて塗布し、乾燥して、光反射層(層厚、約100μm)を形成した。
光反射性物質:高純度アルミナ微粒子(平均粒子径:0.4μm) 444g
結合剤:軟質アクリル樹脂(クリスコートP−1018GS「20%トルエン溶液」、大日本インキ化学工業(株)製) 100g
(シンチレータシートと光反射層との接合)
光反射層面上に、シンチレータシートを塗布形成時の裏面(仮支持体側)が接するようにして重ね、これをカレンダー機を用いて総荷重2300kg、上側ロール45℃、下側ロール45℃、送り速度0.3m/分にて熱圧縮した。これにより、シンチレータシートは光反射層に完全に融着した。熱圧縮後の層厚は200μmであった。
(中間層の形成)
下記組成の材料をMEK5gに加え、混合分散して、塗布液を調製した。この塗布液をPET支持体に接合したシンチレータシートの表面に、ドクターブレードを用いて塗布し、乾燥、硬化させ、中間層(層厚:20μm)を形成した。有機フィラーの含有量は、5重量%であった。
樹脂:飽和ポリエステル樹脂(バイロン300,東洋紡(株)製)のMEK溶液(固形分30重量%) 20g
有機フィラー:メラミンーホルムアルデヒド(平均粒子径0.6μm) 0.35g
硬化剤:ポリイソシアネート(オレスターNP38−70S(固形分70%)、三井東圧(株)製) 2g
(剥離シートの形成)
上記中間層を設けたシンチレータシートの中間層に剥離フィルム(シリコーン系離型剤つきPETフィルム:膜厚50um)を積層して、放射線変換シートを作製した。
(実施例2〜8)
実施例1において、中間層の有機フィラーの含有量、平均粒子径および層厚を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして放射線変換シートを作製した。
(比較例1〜3)
実施例1において、中間層の有機フィラーの含有量、平均粒子径および層厚を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして放射線変換シートを作製した。
(評価)
上記実施例および比較例で作製した放射線変換シートを剥離フィルムを取り除いて、半導体検出素子基板に貼付け、熱ローラーラミネート機(圧力0.5N/m2、温度50℃、送り速度0.3m/min)を通して接着し放射線画像検出装置を作製し、以下の項目について測定、評価した。
(ヘイズ度の測定)
実施例および比較例で作製した放射線変換シートのそれぞれと同一の組成の中間層を、透明なPETシート(厚み:25μm)上に塗布乾燥して形成し、試料を作製した。この試料のヘイズ度をヘイズメータ(NDH−300A、日本電色(株)製)を用いて測定した。次いで、PETのみのヘイズ度を測定し、中間層単体のヘイズ度を算出した。
(MTF−鮮鋭度評価)
放射線画像検出装置の表面に、MTFチャートを介して、RQA5準拠のX線(5mR)を照射し、画像を取得して以下のように評価を行った。
なお、MTFの評価基準としては、1cycle/mmでの評価値が50%以上を◎、40%以上50%未満を○、30%以上40%未満を△、30%未満を×とした。
結果を表1に示す。
Figure 2010025780
表1から明らかなように、中間層がフィラーを含有する接着剤層である場合、このフィラーの平均粒子径が0.1〜10μmの範囲であり、フィラーの含有量が接着剤層の接着剤に対して5〜50質量%である場合には、ヘイズ度が3〜50%の範囲となる(実施例1〜8)。そして、ヘイズ度をこの3〜50%の範囲とすることによって、光電変換センサ表面の凹凸を吸収して画像ムラをなくすために、接着層の厚みを20μm以上と厚くしても、高い鮮鋭度を得ることができる。
比較例1〜3はヘイズ度が3〜50%の範囲に調整されていない従来の接着剤層を用いたものであるが、この場合には従来、鮮鋭度を低下させないために好ましいとされていた層厚20μmであっても鮮鋭度を確保することができず(比較例1、2)、さらに薄層厚10μm(比較例3)では、鮮鋭度は確保できたものの、光電変換センサ表面の凹凸を吸収することができず、画像ムラが生じ、実用には耐えないものであった。
(実施例9)
中間層にフィラーと共に、535nm付近に吸収の中心波長をもつクマリン系色素を含有した以外は実施例2と同様にして放射線変換シートを作製した。なお、別途同膜厚の中間層でフィラーを含有させず色素のみ含有した状態での吸光度を測定したところ0.02であった。
実施例2との比較を下記表2に示す。
Figure 2010025780
表2から明らかなように、中間層にフィラーに加えて色素を含有することで、中間層の面内方向への光の拡散をより抑制することができるので、鮮鋭度をさらに向上させることができた。
本発明の一実施の形態である放射線変換シートを示す概略断面図 本発明の一実施の形態である放射線画像検出器を示す概略平面図
符号の説明
1 支持体
2 シンチレータ層
3 中間層
4 剥離シート
5 導電性層
6 光反射層
10 放射線変換シート
20 放射線画像検出装置
30 光電変換センサ
32 スイッチング素子

Claims (6)

  1. 支持体と、照射された放射線を可視光に変換するシンチレータ層と、中間層とがこの順に積層された放射線変換シートであって、前記中間層が前記放射線変換シートと光電変換センサとを接合するための層であり、前記中間層のヘイズ度が3〜50%の範囲であることを特徴とする放射線変換シート。
  2. 前記中間層がフィラーを含有する接着剤層であって、該フィラーの平均粒子径が0.1〜10μmの範囲であり、該フィラーの含有量が前記接着剤層の接着剤に対して5〜50質量%であることを特徴とする請求項1記載の放射線変換シート。
  3. 前記接着剤層の層厚が15〜50μmであることを特徴とする請求項2記載の放射線変換シート。
  4. 前記接着剤がホットメルト型接着剤であることを特徴とする請求項2または3記載の放射線変換シート。
  5. 前記接着剤層が前記シンチレータ層の発光波長に吸収を持つ着色剤を含有することを特徴とする請求項2、3または4いずれか1項記載の放射線変換シート。
  6. 請求項1〜5記載の放射線変換シートと、前記シンチレータ層により変換された可視光を検出して放射線画像を表す電気信号に変換する複数の半導体検出素子が配列された光電変換センサとが、前記中間層を介して接合されたものであることを特徴とする放射線画像検出装置。
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