JP6756170B2 - 放射線画像変換パネル - Google Patents

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本発明は、鮮鋭性が高く、層間の密着性に優れ、層間剥離が抑止された放射線画像変換パネルに関する。
近年、コンピューテッド・ラジオグラフィー(CR:computed radiography)やフラットパネルディテクター(FPD:flat panel detector)等に代表されるデジタル方式の放射線画像検出器は、デジタルの放射線画像が直接得られ、陰極管や液晶パネル等の画像表示装置に画像を直接表示することが可能であることから、病院及び診療所等での画像診断に広く用いられている。最近はヨウ化セシウム(CsI)を含むシンチレータ層を使用し、薄膜トランジスタ(TFT)を組み合わせたフラットパネルが、高感度のX線画像可視化システムとして着目されている。
シンチレータ層として、例えば、蒸着によって形成される柱状結晶構造を有するCsIを主成分とする材料が知られている。
この柱状結晶の密着性を高めるために、特許文献1(特開2013−15346号公報)では、柱状結晶群の間に充填材が充填されて平坦化することが開示され、また特許文献2(特開2013−15347号公報)では、支持基板とセンサー基板との間に内部空間を形成し、シンチレータを収容する内部空間と外部空間との気圧差に応じて、開閉するベント部を設けて、シンチレータと接着層接合界面での剥離を抑制することが開示されている。さらに、特許文献3(特開2013−50364号公報)には、シンチレータと画像アレイとを収容した空間を減圧することによって、非接着で密接させることが開示されている。特許文献3には、さらに特許文献4(特開2012−230063号公報)には、保護材を柱状結晶の先端部間に入り込ませ、先端部間の隙間を埋めることで、柱状結晶先端部の変形を抑制し、かつ保護材と柱状結晶先端部側面との間に空隙を設けて、画像鮮鋭性の低下を抑制することが開示されている。また、特許文献3および4にも、CsI柱状結晶先端部の充填材を充填することが開示され、充填材としては、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹脂が例示されている。
さらに、基板と、該基板上に形成された放射線を光に変換する蛍光体層と、該蛍光体層上に積層された複数の蛍光体保護層を含む蛍光体保護部材と、を有する放射線検出装置において、
前記複数の蛍光体保護層はそれぞれホットメルト樹脂からなり、該複数の蛍光体保護層の一層が前記蛍光体層を被覆し前記基板と密着している放射線検出装置が特許文献5(特許4612815号公報)に開示されている。
特開2013−015346号公報 特開2013−015347号公報 特開2013−050364号公報 特開2012−230063号公報 特許第4612815号公報
柱状結晶の先端を保護するために充填層を設けることは開示されているものの蛍光体層上に配置される層間の密着性を向上し、層間剥離を抑止することは考慮されていなかった。
このような状況の下、特に金属から構成される防湿層とその上に形成されるPET樹脂などからなる保護層との層間が剥離しやすいことを見出した。
そして、金属層と該保護層の中間に熱硬化性樹脂からなる層を配し、かつ該熱硬化性樹脂からの揮発性有機物質(VOC)の発生量が所定量以下に少なくすれば、上記課題をいずれも解消しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]放射線画像変換パネルであって、
複数の光電変換素子を2次元配列させた基台と、
前記基台の光電変換素子の側に配置される蛍光体層と、
前記蛍光体層の光電変換素子と反対の側に配置され、光散乱粒子がバインダー樹脂中に分散してなる樹脂層と、
前記樹脂層の光電変換素子と反対の側に配置される防湿層と、
前記防湿層の光電変換素子と反対の側に配置される保護層からなり、
前記防湿層と該保護層の中間に熱硬化性樹脂層を配し、かつ該熱硬化性樹脂層の揮発性有機物質(VOC)の発生量が0.5g/m2以下であることを特徴とする、放射線画像変換パネル。
[2]前記[1]に記載の放射線変換パネルにおいて、前記光散乱粒子としては、白色顔料、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化鉄、カーボンブラック、多環顔料、アゾ顔料、レーキ顔料から選択される少なくとも1種を含み、
バインダー樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする[1]に記載の放射線画像変換パネル。
[3]前記防湿層は金属薄膜から構成されることを特徴とする[1]または[2]に記載の放射線画像変換パネル。
[4]前記保護層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂より構成されることを特徴とする[1]〜[3]のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
[5]熱硬化性樹脂層は、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
[6]熱硬化性樹脂層の線膨張係数が20ppm以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
[7]複数の光電変換素子を2次元配列させた基台に、蛍光体層を形成するシンチレータassy作成工程と、
前記シンチレータassyの蛍光体層上に、光散乱粒子がバインダー樹脂中に分散してなる混合物を塗工する樹脂層形成工程と、
保護層の少なくとも1面に、熱硬化性樹脂層および防湿層をこの順序で形成する防湿層assy形成工程と、
前記シンチレータassyの樹脂層側と、前記防湿層assyの防湿層側とを対向して貼りあわせる貼合工程、
を含むことを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。
本発明によれば、特定の熱硬化性樹脂層を中間層に配置することで、放射線画像変換パネルの温度変動による層間の密着性が高くなり、層間での剥離を抑制できる。
本発明に係るシンチレータパネルを示す模式断面図である。
本発明の放射線画像変換パネルは、
複数の光電変換素子を2次元配列させた基台と、
前記基台の光電変換素子の側に配置される蛍光体層と、
前記蛍光体層の光電変換素子と反対の側に配置され、光散乱粒子がバインダー樹脂中に分散してなる樹脂層と、
前記樹脂層の光電変換素子と反対の側に配置される防湿層と、
前記防湿層の光電変換素子と反対の側に配置される保護層からなり、
前記防湿層と該保護層の中間に熱硬化性樹脂層を配し、かつ該熱硬化性樹脂層の揮発性有機物質(VOC)の発生量が0.5g/m2以下であることを特徴とする。
る。
このような本発明にかかる放射線画像変換パネルの基本構成を図1に示す。
図1に示すように、本発明にかかる放射線画像変換パネル10は、基台1と、蛍光体層2と、樹脂層3と、防湿層4と、熱硬化性樹脂層5、保護層6とを所定の配置で備える。
以下、各構成部材について順に説明する。
基台
基台1は、基板および光電変換素子7から構成され、必要に応じて、配線及び薄膜トランジスタ(TFT)によって受光部が構成されている。光電変換素子7側には、センサー保護層ないし蛍光体下地層のいずれか両方が設けられていてもよい。
基板として、特に制限されず、ガラスやマグネシウムであってもプラスチック樹脂板等の剛性を有する基板と、フィルム基板のような可撓性を有する基板に大別できるが特に制限されない。フィルム基板としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタラート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂フィルム、ポリエチレン(PE)樹脂フィルム、ポリプロピレン(PP)樹脂フィルム、ポリスチレン樹脂フィルム、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂フィルム、ポリビニルブチラール(PVB)等のポリビニルアセタール樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂フィルム、ポリサルホン(PSF)樹脂フィルム、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂フィルム、ポリカーボネート(PC)樹脂フィルム、ポリアミド樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム、アクリル樹脂フィルム、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂フィルム等を挙げることができる。これらの樹脂フィルムの他に無機ガラスフィルムを基板として用いてもよい。
光電変換素子7は蛍光体層2によって放射線から変換された光を電荷に変換するものであり、このような機能を有する限り、どのような具体的な構造を有していてもよい。例えば、光電変換素子7としては、MIS型センサー、PIN型センサー、TFT型センサー等を適宜用いることができる。また光電変換素子はCCD(Charge Coupled Devices)、CMOS(Complementary metal-oxide-semiconductor)センサーなどの2次元的なフォトセンサーからなるものであっても良い。光電変換素子は、2次元配列して、基台に設けられる。
基台1には、素子保護層や下地層が設けられていてもよい。素子保護層は、光電変化素子の受光部を被覆して保護するためのものであり、SiN,SiO2などの無機膜が好ましい。下地層は必要に応じて、素子保護層上に設けられ、材料としては、ポリイミド、ポリパラキシリレン等の有機物質からなる耐熱性の樹脂が好ましい。
蛍光体層2
蛍光体層2は、蛍光体から構成され、外部から入射された放射線であるX線のエネルギーを、可視光に変換する役割を有する。
本発明において蛍光体とはα線、γ線、X線等の電離放射線が照射されたときに原子が励起されることにより発光する蛍光体をいう。すなわち、放射線を紫外・可視光に変換して放出する蛍光体を指す。蛍光体は外部から入射されたX線などの放射線エネルギーを効率よく光に変換可能な材料である限り特に制限されない。また、放射線の光への変換は必ずしも瞬時に行われる必要は無く、蛍光体層に一旦潜像として蓄積され、後から読み出す方式を用いても良い。
本発明に係る蛍光体としては、X線などの放射線を可視光などの異なる波長に変換することが可能な物質を適宜使用することが出来る。具体的には、「蛍光体ハンドブック」(蛍光体同学会編・オーム社・1987年)の284頁から299頁に至る箇所に記載されたシンチレータ及び蛍光体や、米国Lawrence Berkeley National LaboratoryのWebホームページ「Scintillation Properties(http://scintillator.lbl.gov/)」に記載の物質などが考えられるが、ここに指摘されていない物質でも、「X線などの放射線を可視光などの異なる波長に変換することが可能な物質」であれば、用いることが出来る。
具体的な蛍光体の組成としては、以下の例が挙げられる。まず、
基本組成式(I):MIX・aMIIX'2・bMIIIX''3:zA
で表わされる金属ハロゲン化物系蛍光体が挙げられる。
上記基本組成式(I)において、MIは1価の陽イオンになり得る元素、すなわち、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、セシウム(Cs)、タリウム(Tl)および銀(Ag)などからなる群より選択される少なくとも1種を表す。
IIは2価の陽イオンになり得る元素、すなわち、ベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)およびカドミウム(Cd)などからなる群より選択される少なくとも1種を表す。
IIIは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)およびランタノイドに属する元素からなる群より選択される少なくとも1種を表す。
X、X'およびX''は、それぞれハロゲン元素を表わすが、それぞれが異なる元素であっても、同じ元素であっても良い。
Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を表す。
a、bおよびzはそれぞれ独立に、0≦a<0.5、0≦b<0.5、0<z<1.0の範囲内の数値を表わす。
また、
基本組成式(II):MIIFX:zLnで表わされる希土類付活金属フッ化ハロゲン化物系蛍光体も挙げられる。
上記基本組成式(II)において、MIIは少なくとも1種のアルカリ土類金属元素を、Lnはランタノイドに属する少なくとも1種の元素を、Xは、少なくとも1種のハロゲン元素を、それぞれ表す。またzは、0<z≦0.2である。
また、
基本組成式(III):Ln22S:zA
で表される希土類酸硫化物系蛍光体も挙げられる。
上記基本組成式(III)において、Lnはランタノイドに属する少なくとも1種の元素を、Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、それぞれ表す。またzは、0<z<1である。
特にLnとしてガドリニウム(Gd)を用いたGd22Sは、Aの元素種にテルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)等を用いることによって、センサパネルが最も受光しやすい波長領域で、高い発光特性を示すことが知られているため、好ましい。
また、
基本組成式(IV):MIIS:zA
で表される金属硫化物系蛍光体も挙げられる。
上記基本組成式(IV)において、MIIは2価の陽イオンになり得る元素、すなわちアルカリ土類金属、Zn(亜鉛)、Sr(ストロンチウム)、Ga(ガリウム)等からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、それぞれ表す。またzは、0<z<1である。
また、
基本組成式(V):MIIa(AG)b:zA
で表される金属オキソ酸塩系蛍光体も挙げられる。
上記基本組成式(V)において、MIIは陽イオンになり得る金属元素を、(AG)はリン酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩、硫酸塩、タングステン酸塩、アルミン酸塩からなる群より選択される少なくとも1種のオキソ酸基を、Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、それぞれ表す。
またaおよびbは、金属及びオキソ酸基の価数に応じて取り得る値全てを表す。zは、0<z<1である。
また、
基本組成式(VI):Mab:zA
で表わされる金属酸化物系蛍光体が挙げられる。
上記基本組成式(VI)において、Mは陽イオンになり得る金属元素より選択される少なくとも1種の元素を表す。
Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、それぞれ表す。
またaおよびbは、金属及びオキソ酸基の価数に応じて取り得る値全てを表す。zは、0<z<1である。
また他に、
基本組成式(VII):LnOX:zA
で表わされる金属酸ハロゲン化物系蛍光体が挙げられる。
上記基本組成式(VII)において、Lnはランタノイドに属する少なくとも1種の元素を、Xは、少なくとも1種のハロゲン元素を、Aは、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Na、Mg、Cu、Ag(銀)、TlおよびBi(ビスマス)からなる群より選択される少なくとも1種の元素を、それぞれ表す。またzは、0<z<1である。
蛍光体を構成する材料としては、外部から入射してきたX線のエネルギーを効率よく光に変換できるものであれば特に限定はない。したがって、上記条件を満たす限り、従来公知の種々の蛍光体をシンチレータとして用いることができ、その中でも、ヨウ化セシウム(CsI)、硫酸化ガドリニウム(GOS)、タングステン酸カドミウム(CWO)、ケイ酸ガドリニウム(GSO)、ゲルマニウム酸ビスマス(BGO)、ケイ酸ルテチウム(LGO)、タングステン酸鉛(PWO)などを好適に用いることができる。なお、本発明において用いるシンチレータは、CsIなどの瞬間発光の蛍光体に限られず、用途によっては、臭化セシウム(CsBr)などの輝尽性蛍光体であってもよい。
本発明においては、これらの材料の中でも、CsIが、X線などの放射線のエネルギーを可視光に変換する効率が比較的高い蛍光体を構成できるために好ましい。本発明では、CsIを蛍光体母材として、これとともに賦活剤を含むことが好ましい。賦活剤の濃度は、モル%で示される。
賦活剤としては、タリウム(Tl)、ユーロピウム(Eu)、インジウム(In)、リチウム(Li)、カリウム(K)、ルビジウム(Rb)、ナトリウム(Na)などを含むものが好ましい。これらの賦活剤は、元素の状態でシンチレータ中に存在する。なお、賦活剤は、例えば、沃化タリウム(TlI)、臭化タリウム(TlBr)、塩化タリウム(TlCl)、フッ化タリウム(TlF、TlF3)等が使用される。
賦活剤は、少なくともタリウムを含むことが好ましい。タリウムを含むと、X線を照射したときの蛍光の波長がずれることがなく、光電変換素子による蛍光の検出精度が高い上に、上記520nmでの放射線照射後の光反射率の低下を少なくすることができ、本発明で定義する所定の光反射率を満足するシンチレータを得ることができる。
本発明において、蛍光体層は、1層からなっていてもよいし、2層以上からなっていてもよい。また蛍光体層のみからなるものであってもよく、あるいは、下地層と蛍光体層とからなり、基台上に、蛍光体下地層と蛍光体層とがこの順で積層されている構造を有するものであってもよい。蛍光体下地層を含む場合、これらの層は、蛍光体母材化合物が同じである限り、同じ材質からなるものであってもよく、あるいは異なる材質からなるものであってもよい。なお蛍光体下地層は基台1に含まれることもある。
すなわち、蛍光体層は、全体が蛍光体母材のみからなる1層であってもよく、全体が蛍光体母材化合物と賦活剤とを含む1層であってもよく、蛍光体母材化合物のみからなる蛍光体下地層と、蛍光体母材化合物と賦活剤とを含む蛍光体層とからなるものであってもよく、蛍光体母材化合物と第1の賦活剤とを含む会後退下地層と、蛍光体母材化合物と第2の賦活剤とを含む蛍光体層とからなるものであってもよい。
本発明に係る蛍光体層において、賦活剤の相対含有量は目的性能等に応じて、最適量にすることが望ましいが、蛍光体の含有量に対して、0.001モル%〜50モル%、更に0.1〜10.0モル%であることが好ましい。蛍光体に対して、賦活剤の濃度が0.001モル%以上であると、蛍光体を単独で使用した場合よりも発光輝度の向上がみられ、目的とする発光輝度を得る点で好ましい。また、50モル%以下であると蛍光体の性質・機能を保持することができて好ましい。
蛍光体下地層における賦活剤の相対含有量は0.01〜1モル%が好ましく、0.1〜0.7モル%が更に好ましい。特に、蛍光体下地層の賦活剤の相対含有量が0.01モル%以上であることが、発光輝度向上及び保存性の点で非常に好ましい。また、蛍光体下地層における賦活剤の相対含有量が蛍光体層全体における相対含有量よりも低いことが非常に好ましく、蛍光体層における賦活剤の相対含有量に対する蛍光体下地層における賦活剤の相対含有量のモル比((蛍光体下地層における賦活剤の相対含有量)/(蛍光体層における相対含有量))は、0.1〜0.7であることが好ましい。
蛍光体層は、光電変換素子上に直接形成されている。
蛍光体層を直接形成する方法としては、蛍光体粉体をバインダー樹脂などと混合して出来る液体を塗布して塗布膜を形成する方法や、その液体や塗布膜を加工することで規則的な配列構造を有する膜を形成する方法、各種蒸着法を用いて結晶膜を形成する方法、別途作製したシンチレータ層を転写するなどを用いることが可能である。
蒸着法には、物理蒸着(PVD)法や化学蒸着(CVD)法が挙げられる。PVD法には、加熱蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなどの方法が含まれる。また、CVD法では、原料ガスを反応させて薄膜が形成される。CVD法のうちの1つであるプラズマCVDでは、電磁波エネルギーでガスをプラズマ化し、柱状結晶から構成される蛍光体層が作成される。またシート上に形成された結晶を貼付しても蛍光体層を形成すること可能である。
なお、蛍光体層の厚さは、100〜800μmであることが好ましく、120〜700μmであることが、輝度と鮮鋭性の特性をバランスよく得られる点からより好ましい。蛍光体下地層の層厚は、高輝度・鮮鋭性維持の面から、0.1μm〜50μmであることが好ましく、5μm〜40μmであることがより好ましい。
樹脂層3
前記蛍光体層の光電変換素子と反対の側に樹脂層が配置される。樹脂層は、蛍光体層を保護するとともに、反射層として機能し、蛍光体層で発光した光を直に反射できるので、鮮鋭性が向上する。
樹脂層は、バインダー樹脂中に光散乱粒子が分散して構成される。
バインダー樹脂としては、易接着性のポリマー、例えば、ウレタン、塩化ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール、ポリエステル、セルロース誘導体(ニトロセルロース等)、スチレン−ブタジエン共重合体、各種の合成ゴム系樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、フェノキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、尿素ホルムアミド樹脂等が挙げられる。
なかでもアクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。また、これらのバインダーは2種以上を混合して使用することもできる。
光散乱粒子としては、白色顔料、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化鉄、カーボンブラック、多環顔料、アゾ顔料、レーキ顔料から選択される少なくとも1からなるものが使用される。
白色顔料としては、例えば、TiO2(アナターゼ型、ルチル型)、MgO、PbCO3・Pb(OH)2、BaSO4、Al23、M(II)FX(但し、M(II)はBa、Sr及びCaの各原子から選ばれる少なくとも一種の原子であり、XはCl原子又はBr原子である。)、CaCO3、ZnO、Sb23、SiO2、ZrO2、リトポン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性珪硫酸塩、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウム等を使用することができる。これらの白色顔料は単独で用いてもよいし、あるいは組み合わせて用いてもよい。
光散乱粒子の一次粒径は0.1〜0.5μmの範囲内が好ましく、さらに0.2〜0.3μmの範囲内がさらに好ましい。また、光散乱粒子は、ポリマーとの親和性、分散性を向上させるためやポリマーの劣化を抑えるためのAl、Si、Zr、Znなどの酸化物で表面処理されたものが特に好ましい。
樹脂層は、前記光散乱粒子とバインダー樹脂を含有する混合物を加熱溶融してコートすることで形成可能である。このときバインダー樹脂としてホットメルト樹脂を使用することが好ましい。ホットメルト樹脂には、例えば、ポリオレフィン系、ポリアミド系、ポリエステル系、ポリウレタン系若しくはアクリル系の樹脂を主成分としたものを用いることができる。これらのうち、光透過性、防湿性及び接着性の観点から、ポリオレフィン系の樹脂を主成分としたものが好ましい。ポリオレフィン系の樹脂としては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体(EMA)、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体(EMMA)、アイオノマー樹脂等を用いることができる。なお、これらの樹脂は、二種以上組み合わせた、いわゆるポリマーブレンドとして用いてもよい。
樹脂層を形成するための組成物のコート手段としては、特に制約はないが、通常のコート手段、例えば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコーター、押し出しコーター、ダイコーター、グラビアコーター、リップコーター、キャピラリー式コーター、バーコーターなどを用いることができる。
樹脂層の厚みは、10〜500μmであることが輝度と表面の平滑性の点で好ましいが、この限りではない。
防湿層4
防湿層は、防湿機能を有するものであれば、無機材料、有機材料の特に制限なく使用できる。このうち、好ましくは金属薄膜により構成される。かかる金属薄膜を構成しうる金属材料として、具体的には、アルミニウム、チタン、コバルト、ニッケル、マグネシウム、ステンレス、銀、金、白金、パラジウム等が挙げられる。このなかでもアルミニウムを主成分としていることが特に好ましい。ここで、金属薄膜層を構成する金属材料は、本発明の典型的な態様において、金属単体あるいはその合金の形態を有している。
金属薄膜から構成される防湿層は防湿性能が高い。また後記する保護層と同様の材料で防湿層を構成してもよい。
防湿層を支持体表面に設ける方法としては、蒸着、スパッタなど既知のプロセスを用いる方法や、アルミニウムなどの金属を薄膜化しておき、後で貼付することが可能である。また金属箔は接着剤を介して圧着させることも可能であるが、接着剤が介在すると、光吸収が生じて、光量が少なくなることがある。このような観点から、スパッタが好ましい。
防湿層の厚みは特に制限されず、形成される防湿層の構成に応じて適宜選択される。たとえば0.005〜0.3μm、より好ましくは0.01〜0.2μmであるがこの限りではない。
熱硬化性樹脂層5
熱硬化性樹脂層は、通常、完全な硬化状態にあるが、半硬化、未硬化であってもよい。ただし、硬化後の熱硬化性樹脂層の揮発性有機化合物(VOC)の発生量は、0.5g/m2以下である。このVOCは、未硬化モノマー、オリゴマーあるいは残留溶媒)などに由来するものであり、熱硬化性樹脂の種類によって、異なる数値となるが、本発明では、以下の所定条件下で測定したVOCがこの範囲にある熱硬化性樹脂層は、揮発成分が少ないため安定した密着を提供できる。
VOCの測定は、実際に作製する熱硬化性樹脂層と同じ厚さの硬化物を同じ硬化条件で作製し、所定の面積を採取して、150℃、60分間加熱したときに発生する揮発分量をJIS K 0151(赤外線ガス分析)に準じて測定してVOCとする。
熱硬化性樹脂層を構成する熱硬化性樹脂としては、熱硬化反応性基を有するものであり、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、珪素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
このような熱硬化性樹脂層を配すると防湿層と保護層の密着性を高めることができる。
熱硬化性樹脂層は、未硬化の熱硬化性樹脂組成物をナイフコート、ホットメルトコート、ディッピング、スピンコート、スプレーコートなどのコーティング法、スクリーン印刷などの印刷法で、形成することが可能であり、予め、金属層ないし保護層表面に未硬化ないし半硬化状態の熱硬化性樹脂層を形成しておき、目的との積層体となるように加熱加圧処理を行い、接着させればよい。なお熱硬化性樹脂層には必要に応じて、硬化促進用の触媒および溶媒が添加されていてもよく、触媒として公知のものを使用できる。溶媒としては、揮発性を有して、かつ未硬化の熱硬化性樹脂を溶解できるものであれば特に制限されない。また、使用される熱硬化性樹脂組成物は低粘度の液体状であってもよいし、高粘度のペースト状であってもよい。
熱硬化性樹脂層層の厚みは特に制限されず、構成に応じて適宜選択される。たとえば1〜500μm、より好ましくは2〜10μmであるがこの限りではない。
本発明では熱硬化性樹脂層の線膨張係数が20ppm以下、好ましく2〜15ppmの範囲にあることが好ましい。この範囲の線膨張係数を有する熱硬化性樹脂は、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等である。このような線膨張係数を有する熱硬化性樹脂は、保護層および金属層を接合する際に、変形が少ないので、密着性が高い上に、パネルの変形も少ない。特にジアリルフタレート樹脂は、VOCが少なく、しかも線膨張係数が所定の範囲を満足するので好ましい。
線膨張係数は、熱硬化性樹脂からなるシートを作製し、200℃、1時間で熱処理した後、幅4mm×長さ20mm×厚さ90μmに切り出して測定サンプルとした。この測定サンプルに対し、TMA(TAインスツルメンツ(株)製)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で線膨張係数の測定を行うことで評価できる。
保護層6
保護層は、反射層の衝撃による破壊、及び水分による腐食を防止する機能を有し、樹脂フィルムを用いることが好ましい。保護層の材料としては、エンプラとして一般的に使用できるものが採用でき、たとえばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルイミド、、ポリカーボネートなどが挙げられる。保護層の厚さは10〜100μmであればよいが特に制限されない。
放射線画像変換パネルの製造方法
本発明にかかる放射線画像変換パネルの製造方法は、
複数の光電変換素子を2次元配列させた基台1に、蛍光体層2を形成するシンチレータassy作成工程と、
前記シンチレータassyの蛍光体層2上に、光散乱粒子がバインダー樹脂中に分散してなる混合物を塗工する樹脂層3の形成工程と、
保護層6の少なくとも1面に、熱硬化性樹脂層5および防湿層4をこの順序で形成する防湿層assy形成工程と、
前記シンチレータassyの樹脂層3側と、前記防湿層assyの防湿層4側とを対向して貼りあわせる貼合工程を含む。
なお、「assy」とはアッセンブリーの略である。
(i)シンチレータassy作成工程
前記した複数の光電変換素子を2次元配列させた基台1に、蛍光体層2を形成する。
光電変換素子を保護するために、必要に応じて素子保護層や下地層が基台に設けられていてもよい。
蛍光体層の形成方法としては、前記したように蒸着法が好適には採用されるが、直接基台上に蛍光体層を形成しても、高分子フィルム上の蒸着させた蛍光体層を基台上に転写してもよい。
このようにしてシンチレータassyが形成される。
(ii)樹脂層の形成工程
蛍光体層上に、光散乱粒子がバインダー樹脂中に分散した混合物を塗工して樹脂層を形成する。塗工方法は前記したコート方法が採用される。また、組成物中に含まれる溶媒を除去する目的や、樹脂層の表面を平坦化する目的で、樹脂層形成時ないし形成後加熱処理を行ってもよい。加熱温度は溶媒が揮発する温度や、バインダー樹脂が溶融する温度であれば特に制限されない。
(iii)防湿層assy形成工程
上記シンチレータassyとは別個に、保護層を構成するフィルム基材に未硬化の熱硬化性樹脂組成物をコートし、形成した熱硬化性樹脂層上に防湿層を形成する。防湿層が金属層の場合、蒸着法などを採用して防湿層を形成する。このようにして、防湿層assyが形成される。
この防湿層assy形成工程では、熱硬化性樹脂を加熱硬化させてもよく、また、次工程の貼合工程で硬化させてもよい。
(iv)貼合工程
前記シンチレータassyの樹脂層側と、前記防湿層assyの防湿層側とを対向して貼りあわせる。
貼合時に、脱泡貼り合わせを行い、気泡が層間に入らないようすることが好ましい。脱泡貼りあわせは、オートクレーブなどによる加圧下で貼り合わせることで行われる。
密着後に、必要に応じて加圧しながら、加熱する。樹脂層にホットメルト樹脂が含まれていれば、この加熱によって樹脂層と防湿層との接着がおこなわれる。また、熱硬化性樹脂の硬化も促進され、保護層と金属層との密着性も向上する。
かかる貼合工程を経て、放射線画像変換パネルが形成される。
以上の放射線画像変換パネルは、種々の態様のX線画像撮影システムに応用することができる。
[実施例]
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。
[実施例1]
光電変換2次元アレイを備えた基台(ガラス基板、厚さ500μm)に、SiNからなる素子保護層を形成したのち、真空蒸着法を用いてCsI:Tlからなるシンチレータ蛍光体の柱状結晶層(厚さ300μm)を形成し、シンチレータassyを作成した。
これとは別個に、保護層となるPET樹脂フィルム:厚さ500μmに熱硬化性樹脂層としてジアリルフタレート(DAP)樹脂組成物(ダイソーダップ)を厚さ4μmとなるようにコートしたのち、前記DAP樹脂層上に、防湿層として厚さ30μmのアルミニウム層を蒸着により形成して防湿フィルムassyを作成した。
前記シンチレータassy上に、ホットメルト樹脂(モレスコ製)を主成分とし、光散乱粒子としてTiO2を60質量%となるように分散させた組成物をナイフコーターにより塗工して、30μmの厚さの樹脂層を形成した。
樹脂層を塗布したシンチレータassy上に、前記防湿フィルムassyを、金属層が樹脂層側と対向するように脱泡貼り合わせを行い、密着した後にクリーンオーブン内で100℃に加熱を行いホットメルト層による接着及び熱硬化性樹脂の硬化を行い、放射線画像変換パネルを作成した。
[比較例1]
実施例1と同種のPET樹脂フィルムに防湿層として直接アルミニウム層を蒸着した防湿層assyを作成し、実施例1と同様のシンチレータassyを、光散乱性粒子を分散したホットメルト樹脂からなる樹脂層を介して接着して放射線画像変換パネルを作成した。
[比較例2]
実施例1と同種のPET樹脂にポリエステル樹脂(東洋紡「バイロン」)を塗布及び乾燥を行ったのち、ポリエステル樹脂層上にアルミニウム層を蒸着した防湿フィルムassyを作成した。実施例1と同様のシンチレータassyを、光散乱性粒子を分散したホットメルト層を介して接着して放射線画像変換パネルを作成した。
[VOC測定]
実施例1および比較例2で熱硬化性樹脂層として作製したDAP層およびポリエステル層のVOC発生量を、JIS K0151に従い測定した。また、線膨張係数を合わせて表に示す。
Figure 0006756170
[温度履歴試験]
実施例1、比較例1、比較例2に記載の放射線画像変換パネルをそれぞれ同一の環境試験装置に投入し、25℃→70℃→25℃→-10℃→25℃の順序で各1時間温度保持を繰り返すパターンで100回の繰り返しを実施した。環境試験装置から取り出した後、光学顕微鏡を用いてアルミニウム層とPET樹脂層との間の剥離発生状況を調査した。
結果を合わせて表2に示す。
Figure 0006756170

Claims (7)

  1. 放射線画像変換パネルであって、
    複数の光電変換素子を2次元配列させた基台と、
    前記基台の光電変換素子の側に配置される蛍光体層と、
    前記蛍光体層の光電変換素子と反対の側に配置され、光散乱粒子がバインダー樹脂中に分散してなる樹脂層と、
    前記樹脂層の光電変換素子と反対の側に配置される防湿層と、
    前記防湿層の光電変換素子と反対の側に配置される保護層からなり、
    前記防湿層と該保護層の中間に熱硬化性樹脂層を配し、かつ該熱硬化性樹脂層の揮発性有機物質(VOC)の発生量が0.5g/m2以下であることを特徴とする、放射線画像変換パネル。
  2. 前記記載の放射線画像変換パネルにおいて、前記光散乱粒子としては、白色顔料、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化鉄、カーボンブラック、多環顔料、アゾ顔料、レーキ顔料から選択される少なくとも1種を含み、
    バインダー樹脂としては、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂から選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換パネル。
  3. 前記防湿層が、金属薄膜から構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の放射線画像変換パネル。
  4. 前記保護層は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂から選ばれる少なくとも1種以上の樹脂より構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  5. 熱硬化性樹脂層は、ジアリルフタレート樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂から選択される少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  6. 熱硬化性樹脂層の線膨張係数が20ppm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の放射線画像変換パネル。
  7. 複数の光電変換素子を2次元配列させた基台に、蛍光体層を形成するシンチレータ作成工程と、
    前記シンチレータの蛍光体層上に、光散乱粒子がバインダー樹脂中に分散してなる混合物を塗工する樹脂層形成工程と、
    保護層の少なくとも1面に、熱硬化性樹脂層および防湿層をこの順序で形成する防湿層形成工程と、
    前記シンチレータの樹脂層側と、前記防湿層の防湿層側とを対向して貼りあわせる貼合工程、
    を含むことを特徴とする放射線画像変換パネルの製造方法。
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