JP2010024294A - 生物脱硫装置および生物脱硫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】バイオガス中に含有される硫化水素を除去する生物脱硫装置の循環水のpHを調整するために消費する薬剤量を低減する方法の提供。さらに詳しくは、前記薬剤がアルカリである場合の前記方法の提供。
【解決手段】本発明の生物脱硫装置は、硫化水素を含有するバイオガスをpH調整された循環水に接触させ、バイオガス中の硫化水素を該循環水に吸収させて、該循環水を吸収液とする吸収塔と、該吸収液中の硫化水素を微生物により好気的に酸化分解させて、該吸収液を処理液とする生物反応部と、該処理液を、前記吸収塔へ循環水として供給する循環流路とを備える生物脱硫装置であって、前記循環流路に、前記処理液を加温する温度制御部と、加温された処理液をpH調整するpH調整槽とを備えることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、硫化水素を含有するバイオガスの生物脱硫方法および該装置に関する。
エネルギー資源の有効利用および地球温暖化を防止するための二酸化炭素排出量の削減等の観点から、バイオマスの有効利用が期待されている。例えば、食品系廃棄物、食品製造工程等で発生する有機物を含んだ廃水、下水、し尿、およびそれらに由来する汚泥等がバイオマス資源として注目されている。
これらの水分が比較的多い有機性廃棄物の処理にはメタン発酵処理が適していると考えられている。メタン発酵処理は有機性廃棄物を含むスラリーを反応容器に供給し、発酵温度および発酵時間を適切に調節することで、有機性廃棄物からガス(バイオガス)を発生させて回収するものである。発生したバイオガスには、メタン、二酸化炭素、硫化水素等が含まれる。回収されたバイオガスは発電用のガスタービン、ガスエンジン、燃料電池、温水や蒸気を製造するボイラー等の燃料ガスとして有効利用される。
しかしながら、バイオガス中に硫化水素が混入していると、バイオガスを燃料とするボイラー等が腐食する問題があり、また、燃焼排ガス中の硫黄酸化物濃度が高くなる問題が起きる。これらの問題を防ぐために、バイオガスを燃料として使用する際の前処理として、硫化水素を除去する脱硫の工程が必要である。
バイオガスに含有される硫化水素の除去には従来、酸化鉄等の吸着剤を用いて吸着除去する乾式脱硫装置や、アルカリ水溶液等を酸化剤として用いるスクラバー処理による湿式脱硫装置が利用されてきたが、これらの装置は吸着剤や酸化剤の使用量が嵩み、ランニングコストを増大させるので、経済的に好ましいものではない。また、乾式脱硫装置で使用した吸着剤は廃棄されることが多いため、環境負荷が大きくなり、好ましいものではない。
この乾式/湿式脱硫装置に代わるものとして、硫黄酸化細菌等の微生物によって生物学的に硫化水素を除去する生物脱硫装置が、近年使用されるようになってきた。
生物脱硫装置は、バイオガスから硫化水素を循環水に吸収させる吸収塔、硫化水素を好気的に酸化分解する微生物と該微生物を保持する担体とを入れた生物反応部、前記吸収塔と前記生物反応部とを循環する水の流路と、および該循環水を循環させる手段とを、主な構成として備えてなる装置である。その例として、特許文献1が挙げられる。
当該生物脱硫装置の吸収塔においては、バイオガス中に通常10〜50体積%程度の割合で含まれている二酸化炭素も、硫化水素と同様に、吸収液に溶解される。該吸収液が生物反応部で好気的に酸化されると、硫化水素は硫酸にまで酸化分解されるので、生物反応部の硫化水素が除去された処理液のpHは、前記吸収液のpHよりも低くなる。一方で、吸収塔における吸収液への硫化水素の吸収効率および生物反応部における微生物による酸化反応効率の観点からは、吸収液のpHは7〜9に調整されていることが好ましい。このため、処理液を吸収液として再使用する場合には、水酸化ナトリウムなどのアルカリによって当該処理液のpHを調整することが一般に行われている。
しかしながら、当該処理液中には、前述のように、二酸化炭素が溶解しているので、硫酸を中和してpH調整する際に、二酸化炭素(重炭酸イオン)の緩衝作用を受ける。したがって、硫酸を中和するために添加するアルカリが、当該緩衝作用の分だけ余分に消費されることになり、当該pH調整のためのコストが高くなるという問題点がある。
この問題を解決するために、特許文献2に、当該生物反応部の下流に設けた脱炭酸槽における散気により、当該処理液に溶解している二酸化炭素をストリッピングすることで、処理液のpHを7〜9に調整する方法が開示されている。また、特許文献3に、処理液中に溶解した二酸化炭素を固形化して除去するために水酸化カルシウムを処理液へ添加する方法が開示されている。
しかしながら、前者に記載の方法では、吸収塔へ循環される循環水中の溶存酸素量が、ストリッピング工程によって増加するので、バイオガスに該酸素が混入して発火する恐れがある。また、後者に記載の方法では、固形化した炭酸カルシウムを分離除去する必要があり、脱硫の方法および装置が複雑化する問題がある。
特開2000−225313号公報 特開2002−79294号公報 特開2005−211878号公報
本発明は、当該処理液のpH調整に要するアルカリの消費量を低減することができる生物脱硫方法および該装置を提供することを目的とする。
本発明の生物脱硫装置は、硫化水素を含有するバイオガスをpH調整された循環水に接触させ、バイオガス中の硫化水素を該循環水に吸収させて、該循環水を吸収液とする吸収塔と、該吸収液中の硫化水素を微生物により好気的に酸化分解させて、該吸収液を処理液とする生物反応部と、該処理液を、前記吸収塔へ循環水として供給する循環流路とを備える生物脱硫装置であって、前記循環流路に、前記処理液を加温する温度制御部と、加温された処理液をpH調整するpH調整槽とを備えることを特徴とする。
本発明の生物脱硫装置は、前記生物反応部に、前記吸収液を曝気する手段を備える構成を採用することができる。
本発明の生物脱硫方法は、硫化水素を含有するバイオガスをpH調整された循環水に接触させ、バイオガス中の硫化水素を該循環水に吸収させて、該循環水を吸収液とする工程と、該吸収液中の硫化水素を微生物により好気的に酸化分解させて、該吸収液を処理液とする工程と、該処理液を加温した後、pH調整して、該処理液を前記循環水とする工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の生物脱硫方法は、該吸収液中の硫化水素を酸化分解させると同時に、該吸収液を曝気する構成を採用することができる。
本発明の生物脱硫方法および装置によれば、生物脱硫の効率を高く維持したまま、当該生物脱硫装置の循環流路中の循環水に溶解する二酸化炭素量を減少させて、当該循環水のpH調整に要するアルカリの消費量を減らすことができる。例えば、有機廃棄物のスラリー等を利用したメタン発酵槽で生成したバイオガスに含まれる硫化水素を除くための生物脱硫装置において、本発明を使用することで、当該装置におけるアルカリ消費量を低減し、高効率かつ低コストで操業することができる。
本発明の実施の形態につき、図を用いて詳しく説明する。図1は本発明のバイオガス中の硫化水素を除去する方法で用いることのできる装置の1例を示した概略図である。
図1に例示するように、本発明の方法で用いる装置は、主として吸収塔1と生物反応部2と温度制御部3と、それらをつなぐ流路とから構成されている。
本例は、吸収塔1と生物反応部2とが分離しているので、いわゆる「2塔式生物脱硫装置」である。この装置は、バイオガス中の硫化水素を吸収液に吸収させる工程と硫化水素の酸化分解工程を個別に制御できるため、脱硫効率に優れている。さらに、生物反応部2を曝気する空気に含まれる酸素が吸収塔1のバイオガスへ混入する恐れが少ないという利点をもつ。
以下に、当該装置の各構成を示す。硫化水素を含むバイオガスは配管4より吸収塔1に送入され、吸収液と接触される。当該気液接触により、バイオガス中の硫化水素および二酸化炭素が吸収液中に吸収される。配管6からは、硫化水素が除去された浄化ガスが排気される。前記吸収液は、導入流路7より生物反応部2へ供給されて、該吸収液中の硫化水素が微生物によって好気的に酸化分解されて硫化水素が除去された処理液となる。該処理液は生物反応部2から排出されて、流路9を通って、温度制御部3に供給される。温度制御部3において、加熱操作によって前記処理液の温度を高め、該加温された処理液中の二酸化炭素量の低減を図る。温度制御部3を通過し加温された処理液の全部又は一部が、ポンプ10を備えた循環流路11を通って、吸収塔1へ供給されて、吸収液として再使用される。また、温度制御部3を通過し加温された処理液の一部は、流路13を通って、生物反応部2へ再供給されうる。
以下で、さらに各構成を詳述する。
吸収塔1は、内部に気液接触用充填材5の充填層が形成された充填塔であってもよい。気液接触用充填材5によって、気液接触効率をさらに高めて、より一層効率的な脱硫を行うことができる。当該充填材としては、特に制限はなく、流水および通気が確保される程度に目の細かい多孔性プラスチックおよび焼結物が例として挙げられる。さらに、バイオガスを吸収塔1の底部から導入して、塔頂部から散水される吸収液と向流接触させることによって、気液接触効率を高めることもできる。また、脱硫効率をさらに高めるために、吸収塔1の内部に後述する微生物および微生物保持担体を備えても良い。
配管4から送入されたバイオガスは、吸収塔1において硫化水素が除去された浄化ガスとなり、配管6より排気される。該浄化ガスに含まれるメタン等は、ガスエンジン、ガスタービン、ボイラー等の使用場所へ供給されうる。
バイオガスに含まれる硫化水素が、吸収塔1で吸収液に吸収される反応は、下記(1)式に従うと考えられる。
[化1]
S + OH → HS + HO …(1)
吸収塔1で散水される吸収液のpHが高いほど、気液接触時の硫化水素吸収効率が良いので、多くの場合、当該吸収液はpH7〜9の中性付近に調整される。pH9よりも高く調整すると、生物反応部2における微生物による硫化水素の酸化分解活性の至適pHからずれることが多いので好ましくない。
本例では、吸収液として、温度制御部3を通過し加温された処理液の全部又は一部が循環流路11より吸収塔1へ供給される。該加温された処理液は、後述するように、温度制御部3において温度を高めることにより二酸化炭素が除去されて、通常pH7〜9とすることができる。
一般に、二酸化炭素の水への溶解度は水温依存的であり、該溶解度は水温20℃において0.88、水温40℃において0.53、水温60℃において0.36である(単位はml/ml)。すなわち、水温が上昇するごとに水に溶ける二酸化炭素量は減少する。本発明では、この原理を利用して、温度制御部3における温度制御を行い、前記処理液中の二酸化炭素量を低減する。すなわち、温度制御部3において前記処理液を加熱することによって、該処理液の温度を生物反応部2の吸収液の温度よりも高く制御し、処理液に溶解していた二酸化炭素を脱気除去することで、当該循環水のpHを高める。
上記処理液から脱気された二酸化炭素を装置外へ排出する方法としては、特に制限はないが、例えば、温度制御部3に排気弁17を設けて二酸化炭素を排気する方法や、吸収塔1の直前で循環流路11から分岐する排気弁16から排気する方法が挙げられる。後者の方法の場合、温度制御部3を通過し加温された処理液が循環水として循環流路11を流れる間に、該温度が低下するに伴って、前記脱気された二酸化炭素が当該循環水へ再溶解してしまうことを防ぐために、循環流路11全体を温めても良い。該方法としては、特に制限はないが、例えば、循環流路11を電熱器等で加熱および保温する方法や、循環流路11を断熱材で包んで保温する方法が挙げられる。
温度制御部3において処理液を加熱して、該温度を高めて制御する場合、該温度は特に制限されないが、該加温された処理液は循環水として循環流路11を通って吸収塔1および生物反応部2へ供給および再使用されることを踏まえると、当該吸収工程および当該酸化分解工程を阻害しない範囲で温度制御を行うことが望ましい。例えば、前記微生物の活性を保持する観点から、前記吸収液の温度が15〜60℃の範囲に保つように制御することが好ましく、当該温度を25〜50℃の範囲に保つように制御することがさらに好ましく、当該温度を30〜45℃に保つように制御することが最も好ましい。
温度制御部3において処理液を加熱する方法としては、特に制限はないが、例えば、温度制御部3に備えた熱供給ユニットによって処理液を加熱する方法が挙げられる。該熱供給ユニットとしては、特に制限されず、例えば、電熱器を利用するものであっても良いし、ボイラーから供給される熱水および蒸気を利用するものであっても良いし、ガスタービンから供給される熱風を利用するものであっても良い。
前記処理液の温度を前述のように制御するために、本例のように、循環流路11と温度制御部3とを区別して備えることが好ましいが、この構成に代えて、循環流路11全体を温度制御部3とすることによって、当該循環水の温度を制御しても良い。循環流路11全体を温度制御する方法としては、特に制限されないが、例えば、循環流路11全体に電熱器等の加熱装置を張りめぐらせる方法や、ボイラー等から供給される熱水を流通する配管と前記循環流路11とを接して並走させる方法が挙げられる。
従来の生物脱硫装置では、循環水の温度を制御すること、特に処理液を加温すること、は全く行われてこなかった。すなわち、従来の生物脱硫装置では、吸収塔1における吸収工程および生物反応部2における微生物による硫化水素の酸化分解工程は、特に温度制御されることがなく、10〜30℃の外気温付近で行われることが多かった。その理由として、バイオガスの製造プラント等で操業されることの多い、前記従来の生物脱硫装置の吸収塔1及び生物反応部2は巨大であり、これらの装置構成部の全体を加熱するための費用が嵩むので、費用対効果が上がらないと思われていたこと、さらに、生物反応部2を加熱することは、前記微生物による酸化工程の効率を落とす恐れがあると考えられていたこと、が挙げられる。
しかしながら、本発明者らの鋭意検討によって、当該温度制御を行うことで当該処理液に溶解していた二酸化炭素を除去し、該処理液のpH調整に要するアルカリの消費量を低減することが可能であることがわかった。
本例で示した生物脱硫装置では、温度制御部3を通過して二酸化炭素が除去された循環水は通常、中性付近のpH7〜9であり、該循環水は、pH調整用薬剤を添加することなく、そのまま吸収液として再使用できる。
また、さらに厳密なpH調整を行う場合には、薬剤を温度調整部3に添加しても良いし、配管18から循環流路11に添加しても良いし、および/または、生物反応部2以降のいずれかの流路にpH調整槽をさらに設けて添加しても良い。当該薬剤としては、循環水のpHを上げる場合には水酸化ナトリウムがアルカリの一例として挙げられ、循環水のpHを下げる場合には硫酸や塩酸が酸の一例として挙げられる。
前記pH調整槽を設置する箇所は、循環水の流路のどこであっても良いが、当該pH調整用薬剤であるアルカリの消費量を低減する観点から、温度制御部3の下流の循環流路11に当該pH調整槽を設けることが好ましい。該pH調整槽19をさらに備えた生物脱硫装置の例を図2に示す。
温度制御部3、または温度制御部3およびpH調整槽19を通過した当該加温された処理液の全部又は一部を、循環流路11を通って吸収塔1へ供給させて、吸収液として再使用することができる。また、生物反応部2内の吸収液のpHを調整する目的、および/または生物反応部2において用いられた曝気エアーを洗浄する目的で、前記加温された処理液の一部を、ポンプ12を備えた流路13を通過させて、生物反応部2へ供給することができる。
吸収液として再使用される循環水のpHを中性付近に調整する必要がある理由として、前述の吸収工程の効率を上げることの他に、生物反応部2における微生物による硫化水素の酸化分解工程の効率を上げることが挙げられる。
生物反応部2で用いられる微生物としては、硫化水素を酸化分解できるものであれば、特に制限はなく、例えば、下記(2)および(3)式に従って、硫化水素を硫酸にまで酸化分解する硫黄酸化細菌が挙げられる。生物反応部2に投入する当該微生物は、一種類であっても複数種類であっても良い。
[化2]
HS + 1/2O → S + OH …(2)
+ 3/2O + HO → SO 2− + 2H …(3)
生物反応部2に投入される微生物保持担体8としては、特に制限はなく、多孔性焼結物、プラスチック、布、スポンジ、土壌、あるいはこれらを組み合わせたもので、微生物が保持されやすく、表面積が大きく、通水性の良いものが適当である。
生物反応部2における当該微生物による硫化水素の好気的酸化分解を活性化するために、エアー流入用の配管14からエアーを供給して生物反応部2の処理液を曝気しても良い。当該エアーの排出はエアー排気用の配管15から行う。当該エアーとしては、当該好気的酸化分解に必要な酸素を含むものであれば特に制限されず、例えば、酸素ガス、空気、あるいはこれらを組み合わせたものが挙げられる。当該曝気の方法としては、特に制限はなく、例えば、生物反応部2の底部からエアーを供給しながら生物反応部2内の吸収液を攪拌する方法が挙げられる。
前記曝気工程の際、生物反応部2へ供給したエアーが導入流路7を逆流して吸収塔1に流入することを防ぐことが好ましい。該方法としては、特に制限はなく、例えば、生物反応部2において、導入流路7の流入口の位置を配管14の流入口の位置よりも下方に設置する方法や、導入流路7を流通する吸収液に対してポンプで圧力をかけることで当該エアーの逆流を防ぐ方法が挙げられる。
本例では、当該曝気によって処理液に溶解した酸素が循環水の流路を通って、吸収塔へ供給されることを防ぐことができる。すなわち、生物反応部2の吸収液の曝気によって溶存酸素濃度が高められた処理液は、流路9へ排出された後、温度制御部3に流入される。該温度制御部3では、前述のように、加熱操作によって二酸化炭素を脱気すると同時に当該酸素も脱気して、排気弁16及び/または排気弁17から排気するので、吸収塔1におけるバイオガスへの酸素の混入を、より効果的に防止することができる。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制約されるものではない。
[実施例1]
図2に示す生物脱硫装置を用いて、下記濃度のガス成分を含んだ流入ガスを模擬バイオガスとして、下記の循環水温度に制御して、生物脱硫試験を行った。なお、循環水の温度の測定は、温度制御部3において行った。
流入ガス濃度としては、硫化水素濃度が300〜600ppmであり、二酸化炭素濃度が13.0%であるものを使用した。温度制御部を通過した循環水の温度は40〜45℃とした。
温度制御部3で用いた熱供給ユニットとしては、投げ込みヒーターを用いて、上記の循環水温度を維持するために1kWで、試験中継続して運転した。
生物反応部2で用いた微生物および微生物担体としては、横浜市磯子区新中原町1番地で採取した硫黄酸化細菌を含む土壌50g〜100gを使用した。
他の試験条件は、次の通りとした。模擬バイオガスのガス流入量は10〜60L/hrであり、硫化水素の容積負荷は0.09KgS/m/dayであり、pH調整槽を通過した循環水のpHは7〜8とした。循環水のpH測定においては、pH調整槽19内の循環水を用いた。pH調整槽で使用するアルカリとして、水酸化ナトリウムを用いた。
また、生物反応部2における前記吸収液の滞留時間は8分とした。
上記容積負荷とは、単位容積あたり単位時間あたりに負荷した硫化水素量のことである。
上記滞留時間は、{生物反応部内の充填部空塔容積(L)/ 生物反応部内へ吸収液の流入量(L/min)}で求まる値とした。
当該生物脱硫装置の各部の仕様は次の通りである。
吸収塔1の容積は17.4Lであり、気液接触用の充填材5はポリプロピレン製の円筒状の充填剤(ID20/OD30×L30mm)を8.7L分使用し、生物反応部2の容積は17.4Lであり、温度制御部3とpH調整槽の合計容積は40Lであるものを使用した。連続試験時間は4時間とした。
配管6から排出される浄化ガスに含まれる、残留硫化水素濃度はガスクロマトグラフィーによって測定した。
上記条件にて脱硫試験を行った結果、配管6から排出される浄化ガスにおける硫化水素除去率は98.5%であり、水酸化ナトリウムを全く消費しなかったにも関わらず、循環水のpHは7〜8で維持された。
[比較例1]
循環水の温度制御を行わなかった以外は、実施例1と同様の条件で生物脱硫試験を行った。模擬バイオガスの二酸化炭素濃度は実施例1と同程度の12.1%であり、温度制御部を通過した直後の循環水の温度は、外気温に近い、15〜17℃であった。
該結果、配管6から排出される浄化ガスにおける硫化水素除去率は98.0%であり、pH調整槽19において当該循環水のpHを7〜8に維持するために消費した水酸化ナトリウムの量は0.02kg/mであった。
以上の試験結果から、処理液を加熱することによって生物脱硫装置のアルカリ消費量を低減できること、および高い脱硫効率を維持できること、が確認された。
本発明である生物脱硫装置の1例を示した概略図である。 本発明の実施例および比較例で用いた装置の概略図である。
符号の説明
1 …吸収塔 2 …生物反応部
3 …温度制御部 4 …バイオガス流入用配管
5 …気液接触用充填材 6 …浄化ガス排気用配管
7 …導入流路 8 …微生物保持担体
9 …流路 10 …ポンプ
11 …循環流路 12 …ポンプ
13 …流路 14 …エアー流入用配管
15 …エアー排出用配管 16 …排気弁
17 …排気弁 18 …pH調整用配管
19 …pH調整槽

Claims (4)

  1. 硫化水素を含有するバイオガスをpH調整された循環水に接触させ、バイオガス中の硫化水素を該循環水に吸収させて、該循環水を吸収液とする吸収塔と、
    該吸収液中の硫化水素を微生物により好気的に酸化分解させて、該吸収液を処理液とする生物反応部と、
    該処理液を、前記吸収塔へ循環水として供給する循環流路とを備える生物脱硫装置であって、
    前記循環流路に、前記処理液を加温する温度制御部と、加温された処理液をpH調整するpH調整槽とを備えることを特徴とする生物脱硫装置。
  2. 前記生物反応部に、前記吸収液を曝気する手段を備えることを特徴とする請求項1記載の生物脱硫装置。
  3. 硫化水素を含有するバイオガスをpH調整された循環水に接触させ、バイオガス中の硫化水素を該循環水に吸収させて、該循環水を吸収液とする工程と、
    該吸収液中の硫化水素を微生物により好気的に酸化分解させて、該吸収液を処理液とする工程と、
    該処理液を加温した後、pH調整して、該処理液を前記循環水とする工程と、を備えることを特徴とする生物脱硫方法。
  4. 該吸収液中の硫化水素を酸化分解させると同時に、該吸収液を曝気することを特徴とする請求項3記載の生物脱硫方法。
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