JP6113611B2 - 有機性排水処理システム - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、有機性排水の排水処理システムに関する。
従来より、下水、農業集落排水、工場排水等の有機性排水を浄化処理する手段として、嫌気性微生物を利用する嫌気リアクタと好気微生物を利用する好気リアクタの組み合わせからなる排水処理装置が数多く提案されている。
嫌気性微生物を利用した処理方法としては嫌気性ろ床法、上向流式嫌気汚泥床法(Upflow Anaerobic Sludge Blanket,以下UASB法という)、膨張粒状汚泥床法(Expand Granular Sludge Blanket,以下EGSB法という)などがある。これらの嫌気処理法は次の利点を有する。
(1)有機汚濁物質を分解する際に酸素を必要としない嫌気性微生物により水処理を行うため、好気微生物を利用した処理方法よりも低コストで処理できる。
(2)好気微生物は有機物1g除去あたり約0.4〜0.6g増殖するのに対し、嫌気微生物は有機物1g除去あたり約0.1g程度の増殖であることから、有機物除去あたりの汚泥発生量を大幅に削減できる。
ただし、嫌気処理のみで生物化学的酸素要求量(Biochemistry Oxygen Demand、以下BODという)を10〜15(mg/l)以下の水準まで処理するのは困難であることから、河川や湖沼に直接放流するような水処理施設においては後段処理に好気リアクタを設置するのが一般的である。
好気性微生物を利用した処理方法としては、活性汚泥法、好気ろ床法、散水ろ床法などの方法がある。好気処理は、浸漬型と非浸漬型とに分類することができる。浸漬型の処理方法は、好気微生物が常に水に浸かっている状態のプロセスであり、活性汚泥法、好気ろ床法がこれにあたる。これらの水処理プロセスでは、好気微生物が利用する酸素を曝気する(ポンプ等の動力源を用いて水中に空気や純酸素などを吹き込む)ことにより供給する必要があるが、この曝気のための動力費が水処理プロセスに占めるコストの大半を占める。
一方で、非浸漬型の処理方法は、常時好気微生物が水に浸かっている方法ではなく、気液の接触面積を大きくとることによって、大気中の空気を液中に溶解させる方法であり、曝気が不必要のため動力費を低く抑えることができるという利点がある。例えば特許文献1において、水処理にかかる動力費を削減することを目的として、嫌気リアクタと非浸漬型の好気リアクタ(散水型の好気リアクタ)を組み合わせた水処理システムが提案されている。
しかしながら、従来の水処理システムにおいては、好気リアクタの流入有機物負荷量は嫌気リアクタの処理性能に依存し、嫌気リアクタの処理性能が悪化した場合に好気リアクタの流入有機物負荷量が高くなり、目標とする処理性能が確保できない場合があるというリスクがあった。特に嫌気リアクタの処理性能は水温と固形分の量に影響を受け、低水温においては特に固形分の低分子化(加水分解)速度が低下するため、除去率が低下し、後段の好気処理の負荷が高くなり、処理性能が維持できないという課題があった。
この解消のために嫌気リアクタで発生するメタンを含有するバイオガスを燃焼し、熱回収する方法がとられるが、たとえば、都市下水のような低濃度の有機物含有排水(BOD 100〜200(mg/l)、SS 100〜200(mg/l))では、処理過程で発生するバイオガス量が足りず、特に原水水温が15℃以下の低水温になった場合に、処理性能が悪化するという課題があった。
特開2012−250159号公報 特開2011−189286号公報
本発明の実施形態は、低水温時においても嫌気処理リアクタの処理性能を維持することが可能な排水処理システムを提供することを目的とする。
実施形態にかかる有機性排水処理システムは、有機性排水を固液分離するための初期沈殿池、
該初期沈殿池の液体分を嫌気性微生物により処理する嫌気リアクタ、
該嫌気リアクタの液体分を好気性微生物により処理し、処理水を得る好気リアクタ、
該好気リアクタの固形分を回収する汚泥回収
該汚泥回収の汚泥と、該初期沈殿池の固形分とを嫌気性微生物により処理する汚泥消化槽、
該嫌気リアクタと該汚泥消化槽で発生したバイオガスから硫化水素を除去する脱硫装置、
脱硫されたバイオガスを燃焼するボイラー、
該ボイラーからの熱エネルギーを該汚泥消化槽に送る第1の加温ライン、及び
該第1の加温ラインから分岐され、該熱エネルギーの一部分を該嫌気リアクタに供給する第2の加温ラインを具備し、
前記好気リアクタと接続され、該好気リアクタからの処理水を収容する処理水槽、
該処理水槽に接続され、該処理水槽の処理水の一部を導入し、圧縮して熱エネルギーを回収するヒートポンプ、及び
該ヒートポンプにて得られた熱エネルギーを、前記嫌気リアクタに送る第3の加熱ラインをさらに具備するか、あるいは、
前記嫌気リアクタと前記好気リアクタの間に設けられた硫黄脱窒リアクタをさらに具備し、該硫黄脱窒リアクタに、前記嫌気リアクタの液体分と前記好気リアクタの液体分とを導入して循環させると共に、前記嫌気リアクタ及び前記汚泥消化槽からのバイオガスを通気して、バイオガスの脱硫と液体中の窒素除去を行う。
第1の実施形態に係る有機性排水処理システムの構成を表す概略図である。 第2の実施形態に係る排水処理システムの構成を表す概略図である。 第3の実施形態にかかる排水処理システムを表す概略図である。 嫌気リアクタの温度制御を行うためのフローチャートである。 下水処理場の水温と処理水BOD濃度との関係を表すグラフ図である。
実施形態にかかる有機性排水処理システムは、有機性排水を固液分離するための初期沈殿池、初期沈殿池の液体分を嫌気性微生物により処理する嫌気リアクタ、嫌気リアクタの液体分を好気性微生物により処理し、処理水を得る好気リアクタ、好気リアクタの固形分を回収する汚泥回収、汚泥回収の汚泥と、初期沈殿池の固形分とを嫌気性微生物により処理する汚泥消化槽、嫌気リアクタと汚泥消化槽で発生したバイオガスから硫化水素を除去する脱硫装置、脱硫されたバイオガスを燃焼するボイラー、ボイラーからの熱エネルギーを汚泥消化槽に送る第1の加温ラインを有する。
第1の加温ラインは途中で第2の加温ラインに分岐され、第2の加温ラインは嫌気リアクタに接続される。これにより、ボイラーからの余剰の熱エネルギーを嫌気リアクタに供給することができる。
ここで、有機性排水とは、例えば、下水、農業集落排水、食品工場などから排出される工場排水等の有機物を含有する排水をいう。
実施形態にかかる有機性排水処理システムを用いると、汚泥消化槽の加温に用いられる熱エネルギーの余剰エネルギーで嫌気リアクタを加温することにより、嫌気リアクタ中の嫌気微生物が活性化するため、嫌気リアクタの有機物除去率が向上して、後段の好気リアクタにかかる有機物負荷を軽減できるため、放流水質の処理水質悪化リスクを低減し、安定した処理性能を維持できる。
また、実施形態にかかる有機性排水処理システムを用いると、初期沈殿池で固形分を分離し、嫌気微生物による分解性が特に低い固形分のみを汚泥消化槽にて加温し、分解することにより、トータルシステムでのバイオガスエネルギー回収量を多くできる。加温には、液量×比熱分の加温エネルギーがいるため、加温水量が少ない方がよく、固形分のみを濃縮して、加温し、エネルギー回収する方が効率良く、処理時間の短縮も可能となる。
なお、実施形態に係る有機性排水処理システムは、SS(Suspended Solid)/BOD(Biochemical Oxygen Demand)比が0.5以上好ましくは4以下である排水に適用することができる。
SS/BODが0.5未満であると、固形分が少ない場合は、固液分離をして、固体分のみメタン発酵するメリットが小さくなる。一方、SS/BODが4を越えると、固形分の比率が大きくなるため、嫌気リアクタでの生物処理が難しくなる傾向がある。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
第1の実施形態
(構成)
図1に、第1の実施形態に係る有機性排水処理システムの構成を表す概略図を示す。
この有機性排水処理システム101は、有機性排水中の固形分と液分を固液分離する初期沈殿池1と、初期沈殿池1の下流に設けられた、越流水(液分)を嫌気処理する嫌気リアクタ2と、嫌気リアクタ2の後段に設けられ、嫌気リアクタ2で嫌気処理された嫌気処理水を好気処理する好気リアクタ3と、好気リアクタ3から排出される固形分を回収する汚泥回収槽7と、液分を排出する処理水槽4とを有する。
また、この有機性排水処理システム101は、初期沈殿池1で分離された固形分(以下、初沈汚泥という)と汚泥回収槽7で回収された汚泥を処理する汚泥消化槽5と、汚泥消化槽5で発生した固形分を脱水する脱水設備13と、汚泥消化槽5で発生したバイオガスをライン14から導入し、及び嫌気リアクタ2で発生したバイオガスをライン15を介してライン14に導入して、バイオガス中の硫化水素を脱硫する脱硫装置8と、脱硫されたバイオガスを燃焼し、熱を回収するボイラー6とをさらに有する。
ボイラー6と汚泥消化槽5との間は、ボイラー6からの加温ガスを汚泥消化槽5に導入する第1の加温ライン10aにより接続されている。また、第1の加温ライン10aから分岐した第2の加温ライン10bは嫌気リアクタ2に接続され、加温ガスの一部分を余剰熱として嫌気リアクタ2に導入する。
処理水槽4にはヒートポンプ9に処理水の一部分を導入するライン11aが設けられ、ヒートポンプ9には、熱交換に供された処理水の一部分を処理水の大部分に戻すライン11bが設けられる。処理水槽4にはさらに、得た熱エネルギーを嫌気リアクタ2に導入する第3の加温ライン12aを有する。
(作用)
有機性排水(原水)は初期沈殿池1にて、固形分と液分に分離される。嫌気リアクタ2として例えば上向流式嫌気汚泥床(UASB)型のリアクタを使用することができる。液分は嫌気リアクタ2の下部に導入され、液中の有機物は、嫌気微生物が集積した嫌気汚泥床に存在する嫌気微生物の働きにより、低分子化され、メタンと二酸化炭素に分解される。嫌気リアクタ2において、未分解で残存した液中の有機物は後段の好気リアクタ3で好気微生物の働きにより、二酸化炭素まで酸化分解され、液中から除去される。
好気リアクタ3として散水型のリアクタを使用することができる。散水型のリアクタには、好気微生物が付着した担体が収納されており、散水時に空気中の酸素を取り込み、有機物を処理することができる。処理過程で好気微生物が増え、担体から脱落し、リアクタの下部に蓄積する。その固形分(以下、余剰汚泥という)は汚泥回収槽7にて回収され、汚泥消化槽5に導入される。好気リアクタ3から排出される上澄み液は、処理水槽4に導かれ、処理水22として、放流先に放流される。
一方で、初期沈殿池1で分離された初沈汚泥はライン17を通して、及び汚泥回収槽7で回収された余剰汚泥はライン18によりライン17に合流されて、汚泥消化槽5に導入され、汚泥消化槽5内の嫌気微生物の働きにより低分子化され、メタンと二酸化炭素まで分解される。未分解のまま残存した固形分は脱水設備13に導かれ、脱水した後、得られた脱水汚泥7は、産業廃棄物として処分されるか、あるいはコンポスト化され、肥料として利用され得る。脱水設備で発生した液分(以下、脱離液という)は、ライン16を通して初期沈殿池1の前段に返送される。
汚泥消化槽5と嫌気リアクタ2では60%以上のメタンを含有するバイオガスが発生する。このバイオガス中には通常、硫化水素を含むため、硫化水素を脱硫装置8で脱硫後、ボイラー6でバイオガスを燃焼することで熱エネルギーを回収する。この熱エネルギーは汚泥消化槽5の加温に利用され、余剰熱が嫌気リアクタ2の加温に使われる。
汚泥消化槽5は30℃〜35℃に加温することが望ましい。 脱硫装置8としては、酸化鉄系の脱硫剤を充填塔につめる乾式脱硫方式もしくは、硫黄酸化細菌の働きにより、酸化分解する生物脱硫方式もしくは、その両方を利用するどの方法を採用することができる。
処理水の熱エネルギーはライン12bによりヒートポンプ9に送られる。また、処理水の一部が、ライン11aにより処理水槽4からヒートポンプ9に導入され、ヒートポンプ9内で圧縮され熱を奪われた後、ライン11bを介して処理水の大部分と合流して放出される。続いて第3の加温ライン12aに示すように、ヒートポンプ9にて得られた熱エネルギーは嫌気リアクタ2の加温に利用される。嫌気リアクタ2は20℃以上、好ましくは20〜25℃に維持することができる。
(効果)
(1)初期沈殿池1で固形分を分離し、嫌気微生物による分解性が特に低い固形分のみを汚泥消化槽5に送り、汚泥消化槽5を30〜35℃に加温して分解することにより、トータルシステムでのバイオガスエネルギー回収量を多くできる。加温には、液量×比熱分の加温エネルギーがいるため、加温水量が少ない方がよく、固形分のみを濃縮して、加温し、エネルギー回収する方が効率がよい。
(2)固形分のみを分離して処理しているので、液分を処理する嫌気リアクタ2に関しては、固形分の加水分解にかかる時間を考慮しなくてよいため、水温が15℃以上であれば、滞留時間として4〜8時間くらいまで短縮できる。
(3)汚泥消化槽5の加温ガスの一部分である余剰熱、ならびに処理水から回収した熱エネルギーで嫌気リアクタ2を加温することにより、嫌気リアクタ2中の嫌気微生物が活性化するため、嫌気リアクタ2の有機物除去率が向上し、後段の好気リアクタ3にかかる有機物負荷を軽減できる。このため、放流水質の処理水質悪化リスクを低減し、安定した処理性能を維持できる。
(応用例)
実施形態にかかる排水処理システムに、初沈汚泥、余剰汚泥を濃縮する図示しない濃縮設備をさらに設けることができる。この濃縮設備は、例えば、ライン18の余剰汚泥がライン17の初沈汚泥に合流する位置と、汚泥消化槽5との間に設けることができる。濃縮設備にて濃縮した汚泥は汚泥消化槽5に導入し、上澄み液は例えばライン16の脱離液に合流させて初期沈殿池1に返送することができる。汚泥消化槽5の汚泥投入量を減らすことにより、汚泥消化槽5の加温に必要なエネルギーが小さくなるため、エネルギー回収効率が向上する。
嫌気リアクタ2としては、上向流式嫌気汚泥床(UASB)型のリアクタに限らず、例えば膨張粒状汚泥床(EGSB)、嫌気固定床法、及び流動床型嫌気リアクタなど、嫌気微生物を高濃度に集積し、排水中の有機物を分解する方式であればどのような方式でも使用することが可能である。
好気リアクタ3は、散水ろ床型のリアクタに限らず、例えば、活性汚泥法、好気ろ床法、回転円盤法など、好気微生物の働きにより有機物の酸化分解を行う方法であれば、どのような方式でも使用することができる。

(第2の実施形態)
(構成)
図2に、第2の実施形態に係る排水処理システムの構成を表す概略図を示す。
第2の実施形態に係る排水処理システム102は、汚泥消化槽5とボイラー6の間に設けた脱硫装置8の代わりに、汚泥消化槽5とボイラー6の間かつ嫌気リアクタ2と好気リアクタ3の間に、硫黄脱窒リアクタ20を配した構成となっている。
硫黄脱窒リアクタ20に、嫌気リアクタ2の液体分と好気リアクタ3の液体分とを導入して循環させると共に、嫌気リアクタ2及び汚泥消化槽5からのバイオガスを通気して、バイオガスの脱硫と液体中の窒素除去を行うこと以外は、第1の実施形態に係る排水処理システム101と同様の構成を有する。
硫黄脱窒リアクタ20には、ライン19により嫌気リアクタ2の液体分が導入され、ライン14により汚泥消化槽5のバイオガスが導入されるとともに、ライン15により嫌気リアクタ2のバイオガスがライン14に合流して導入される。
汚泥消化槽5ならびに嫌気リアクタ2からのバイオガスの脱硫は、硫黄脱窒リアクタ20で行われる。
硫黄脱窒リアクタ20の液体分は好気リアクタに送られる。
さらに、好気リアクタ2の処理水の循環液が硫黄脱窒リアクタ20下部より導入される。
(作用)
硫黄脱窒リアクタ20には、ライン19により嫌気リアクタ2の処理水が下部より導入されるとともに、好気リアクタの処理水の循環液が下部より導入される。好気リアクタでは有機性排水中の窒素成分が酸化され、硝化菌の働きにより、亜硝酸性窒素または硝酸性窒素に酸化される。この酸化された亜硝酸性窒素ならびに硝酸性窒素は、処理水槽4からライン23により硫黄脱窒リアクタ20下部に導入される。
また、硫黄脱窒リアクタ20には、汚泥消化槽及び嫌気リアクタから硫化水素を含むバイオガスが吹き込まれる。
バイオガス中の硫化水素は硫黄脱窒リアクタ20内の液中に溶解する。硫黄脱窒リアクタ20内では硫黄脱窒菌の働きにより、たとえば式(1)の反応が生じ、バイオガス中の硫化水素の酸化と同時に液中の窒素が除去される。

5HS+8NO +3H→5SO 2−+4N+4HO…(1)

上記式(1)に示すように、硫黄脱窒リアクタ20では、バイオガス中の硫化水素が溶解して生成する硫化水素イオン(HS)と好気リアクタで窒素分が酸化されて生成する硝酸性窒素(NO )を硫黄脱窒菌が使い、硫化水素を硫酸イオン(SO )に、硝酸性窒素を窒素ガスに転換することにより、バイオガス中の硫化水素の脱硫と液中の窒素の除去を同時に行うことができる。
硫酸イオン(SO )を含む液体分は、硫黄脱窒リアクタ20から好気リアクタ3に送られる。窒素ガスは大気中に放出される。
その他の作用に関しては第1の実施形態の作用と同様である。
(効果)
(1)有機物の除去に加え、窒素除去が可能となる。
(2)バイオガスの脱硫も同時に行えるため、脱硫設備が不要となる。
その他の効果については第1の実施形態の効果と同様である。
(応用例)
実施形態にかかる排水処理システム102において、硫黄脱窒リアクタ20として、液を下部から上にながす上向流式のみならず、例えば、液を上部から散水し、下部からバイオガスを通気する対向流型を使用することができる。
ボイラー6にバイオガスを導入する前に補助脱硫設備をさらに設けることができる。
硫化水素は硫黄脱窒リアクタ20で大部分除去されているため、非常にコンパクト化できる。また、補助脱硫設備を付加することにより、ボイラーの寿命を長くすることができる。
第3の実施形態
図3に、第3の実施形態にかかる排水処理システムを表す概略図を示す。
第3の実施形態にかかる排水処理システム103は、嫌気リアクタ2の水温をコントロールする嫌気リアクタ温度コントローラ30と、嫌気リアクタ温度コントローラ30に各々接続された、嫌気リアクタ2内部の水温を測定する水温計28と、第1の加温ラインから分岐され、熱エネルギーを外部利用に導くためのライン10cと、ライン10cに設けられたバルブ26と、嫌気リアクタ2に接続された第2の加温ライン10bに設けられたバルブ24とをさらに有する。嫌気リアクタ温度コントローラ30はまた、ヒートポンプ9にも接続されている。
(作用)
図4に、第3の実施形態にかかる排水処理システムにおける嫌気リアクタの温度制御を行うためのフローチャートを示す。
嫌気リアクタ温度コントローラ30には嫌気リアクタ内部水温が入力され、水温に応じて、以下のように運転され、水温が20℃以上に維持される。
水温計28からの温度検知情報を受けて、嫌気リアクタ内部の水温が20℃以上であるか、20℃未満であるか判断する(BL 1)。
嫌気リアクタ内部の水温が20℃以上である場合、嫌気リアクタ温度コントローラ30は、ヒートポンプ9に停止を指示し(BL 2)、ヒートポンプ9から嫌気リアクタ2への熱エネルギー導入を止める。さらに、バルブ24にバルブ閉を指示し、嫌気リアクタ2へのボイラー6の余剰熱導入を停止する(BL 3)とともに、嫌気リアクタ温度コントローラ30は、バルブ26にバルブ開を指示し、ボイラー6からの余剰熱を外部利用に提供する(BL 4)。
一方、水温計28からの温度検知情報を受けて、嫌気リアクタ内部の水温が20℃未満である場合、嫌気リアクタ温度コントローラ30は、ヒートポンプ9に運転を指示し、ヒートポンプ9から嫌気リアクタ2へ余剰熱を導入させる(BL 5)。また、嫌気リアクタ温度コントローラ30は、バルブ24にバルブ開を指示し、嫌気リアクタ2へボイラー6の余剰熱を導入させる(BL 6)。さらに、嫌気リアクタ温度コントローラ30は、バルブ26にバルブ閉を指示し、ボイラー6からの余剰熱の外部利用を中止する(BL 7)。
さらに、排水処理を継続するか判断し(BL 8)、排水処理を継続する場合には、再度、水温計28からの温度検知情報を受けて、嫌気リアクタ内部の水温が20℃以上であるか、20℃未満であるか判断する(BL 1)。
排水処理を継続しない場合には、排水処理を終了する。
(効果)
(1) 嫌気リアクタの水温が20℃以上に維持されることにより、有機物の処理性能が安定する。
(2) 嫌気リアクタの水温が20℃以上の場合は、余剰熱を建屋の冷暖房や給湯設備に利用することができる。
(3) ヒートポンプの運転を必要な場合のみとすることにより、所用動力を低減できる。
図5に、下水処理場の水温と処理水BOD濃度との関係を表すグラフ図を示す。
この下水処理場は、第1の実施形態にかかる排水処理システムと同様の構成を有し、ここで、嫌気リアクタで6時間、好気リアクタで6時間、水量 40(m/日)の条件で実証プラント運転を行い処理水を得た。
流入させた下水のBOD及びSSの平均値は、各々、以下の通りである。
BOD 154 mg/l
SS 184 mg/l
このグラフに示すように、嫌気リアクタの水温が20℃以上に維持されることにより、処理水のBODが5 mg/l以下となり、有機物の処理性能が安定することがわかる。

本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…初期沈殿池、2…嫌気リアクタ、3…好気リアクタ、4…処理水槽、5…汚泥消化槽、6…ボイラー、7…汚泥回収槽、8…脱硫装置、9…ヒートポンプ、10a…第1の加温ライン、10b…第2の加温ライン、13…脱水設備、20…硫黄脱膣槽、21…脱水汚泥、22…処理水

Claims (5)

  1. 有機性排水を固液分離するための初期沈殿池、
    該初期沈殿池の液体分を嫌気性微生物により処理する嫌気リアクタ、
    該嫌気リアクタの液体分を好気性微生物により処理し、処理水を得る好気リアクタ、
    該好気リアクタの固形分を回収する汚泥回収
    該汚泥回収の汚泥と、該初期沈殿池の固形分とを嫌気性微生物により処理する汚泥消化槽、
    該嫌気リアクタと該汚泥消化槽で発生したバイオガスから硫化水素を除去する脱硫装置、
    脱硫されたバイオガスを燃焼するボイラー、
    該ボイラーからの熱エネルギーを該汚泥消化槽に送る第1の加温ライン、
    該第1の加温ラインから分岐され、該熱エネルギーの一部分を該嫌気リアクタに供給する第2の加温ライン
    前記好気リアクタと接続され、該好気リアクタからの処理水を収容する処理水槽、
    該処理水槽に接続され、該処理水槽の処理水の一部を導入し、圧縮して熱エネルギーを回収するヒートポンプ、及び
    該ヒートポンプにて得られた熱エネルギーを、前記嫌気リアクタに送る第3の加温ラインを具備することを特徴とする有機性排水処理システム。
  2. 前記嫌気リアクタと前記好気リアクタの間に硫黄脱窒リアクタをさらに具備し、該硫黄脱窒リアクタに、前記嫌気リアクタの液体分と前記好気リアクタの液体分とを導入して循環させると共に、前記嫌気リアクタ及び前記汚泥消化槽からのバイオガスを通気して、バイオガスの脱硫と液体中の窒素除去を行うことを特徴とする請求項1に記載の有機性排水処理システム。
  3. 有機性排水を固液分離するための初期沈殿池、
    該初期沈殿池の液体分を嫌気性微生物により処理する嫌気リアクタ、
    該嫌気リアクタの液体分を好気性微生物により処理し、処理水を得る好気リアクタ、
    該好気リアクタの固形分を回収する汚泥回収槽、
    該汚泥回収槽の汚泥と、該初期沈殿池の固形分とを嫌気性微生物により処理する汚泥消化槽、
    該嫌気リアクタと該汚泥消化槽で発生したバイオガスから硫化水素を除去する脱硫装置、
    脱硫されたバイオガスを燃焼するボイラー、
    該ボイラーからの熱エネルギーを該汚泥消化槽に送る第1の加温ライン、
    該第1の加温ラインから分岐され、該熱エネルギーの一部分を該嫌気リアクタに供給する第2の加温ライン、及び
    前記嫌気リアクタと前記好気リアクタの間に設けられた硫黄脱窒リアクタを具備し、
    該硫黄脱窒リアクタに、前記嫌気リアクタの液体分と前記好気リアクタの液体分とを導入して循環させると共に、前記嫌気リアクタ及び前記汚泥消化槽からのバイオガスを通気して、バイオガスの脱硫と液体中の窒素除去を行うことを特徴とする有機性排水処理システム。
  4. 前記汚泥消化槽の温度は30〜35℃に調節されている請求項1ないし3のいずれか1項に記載の有機性排水処理システム。
  5. 嫌気リアクタの水温は20℃以上25℃以下に調節されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の有機性排水処理システム。
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