JP2002079299A - 含アンモニア廃棄物の処理方法 - Google Patents

含アンモニア廃棄物の処理方法

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JP2002079299A
JP2002079299A JP2000320010A JP2000320010A JP2002079299A JP 2002079299 A JP2002079299 A JP 2002079299A JP 2000320010 A JP2000320010 A JP 2000320010A JP 2000320010 A JP2000320010 A JP 2000320010A JP 2002079299 A JP2002079299 A JP 2002079299A
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ammonia
waste
biological treatment
liquid
ammonium sulfate
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Toru Eito
徹 栄藤
Masatoshi Tamai
正俊 玉井
Naoyuki Uejima
直幸 上島
Naoki Ogawa
尚樹 小川
Takeshi Matsuo
健 松尾
Toshio Hirata
俊雄 平田
Itsuki Nakayasu
厳 中安
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、畜産廃棄物のアンモニアを効率的
に捕集し、有効に再利用を図ることの出来る畜産廃棄物
処理方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 前記課題を解決するために、含アンモニ
ア廃棄物中の炭素化合物をメタンガスに還元して炭素化
合物の含有率が低下した廃棄物を得るメタン発酵工程
と;前記炭素化合物の含有率が低下した廃棄物から固形
分を分離して液状廃棄物を得る固液分離工程と;生物を
利用して前記液状廃棄物を分解処理して被生物処理液を
得る生物処理工程と;を備えた含アンモニア廃棄物の処
理方法において、前記生物処理工程の前段に、前記液状
廃棄物からアンモニアを除去するためのアンモニア除去
工程をさらに備えたことを特徴とする処理方法を提供す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、含アンモニア廃棄
物、とりわけ家畜糞および家畜尿等の畜産廃棄物の処理
方法に係り、特にメタン発酵工程でメタン発酵させた後
の畜産廃棄物の固液分離工程より排出される排水の処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の畜産廃棄物処理方法における固液
分離工程より排出される排水中には、(1)アンモニ
ア、硝酸および有機物等の窒素含有成分および(2)リ
ンが含有されており、これらの窒素、リン成分は、富栄
養化等の防止の為に排水中の排出濃度を規制されてい
る。
【0003】このため、従来技術では排水中の窒素成分
を除去する目的で、生物を用いた生物反応を利用して、
硝酸態窒素、アンモニア態窒素および有機体窒素をガス
状態の窒素まで分解して大気中へ放散させている。
【0004】かかる従来の畜産廃棄物処理方法の概要を
図9に基づいて説明するに、畜産農家等より収集された
家畜糞1および家畜尿2は混合された後、メタン発酵工
程3へと導入され、メタン発酵によりメタンガス6が発
生する。そして該メタン発酵工程3から発生したメタン
ガス6は、硫化水素を含有するため、脱硫工程7にてア
ルカリ8により洗浄され、精製メタンガス9を得る。
【0005】一方、前記メタン発酵工程3でメタン発酵
後の液状化された廃棄物は固液分離工程4に導入され
て、固形分と液分を分離する。
【0006】固形分は次の堆肥化(コンポスト化)工程
5へと送られ、堆肥(コンポスト)10となり有効利用
される。
【0007】又、固液分離工程4で分離された排水は、
生物処理工程13へと送られ、排水中に含まれるBOD
成分、COD成分、及びアンモニア等の窒素成分をバク
テリア等の生物を利用して分解処理し、大きなプール状
の水槽に排水を送り空気曝気しながら排水中の窒素等の
規制物質を排水規制値になるまで除去する。
【0008】なお、生物処理工程13では生物の活動に
必要な酸、アルカリ、メタノール等を添加され、又該生
物処理工程13からの排水は、リン除去工程15へと導
かれ、リンを除去後、処理排水16として放流される。
【0009】従って前記生物処理工程13は、生物を利
用した窒素除去装置(以後生物窒素除去装置と略す)で
あり、かかる処理工程は図10に示すように、一次脱窒
工程13A、一次酸化工程13B、及びそのフィードバ
ック経路13F、二次脱窒工程13C、二次酸化工程1
3Dからなるが、生物による以下に示す[脱窒反応]と
[酸化反応]による各反応が比較的緩慢なため、大きな
設置スペースを必要としていた。
【0010】[脱窒反応] NO +0.33CHOH→NO +0.67H
O NO +0.5CHOH→0.5N+0.5CO
+0.5HO+OH [酸化反応] NH +1.5O→2H+HO+NO NO +0.5O→NO 上記の脱窒反応において硝酸(NO )を還元するた
めに、生物への水素供与体としてメタノール(CH
H)を通常添加しているが、畜産排水中には多量のBO
D成分を含有することから、このBOD成分を水素供与
体として有効利用できる。このため図10に示すよう
に、脱窒工程13A後に酸化反応工程を実施する。ま
た、酸化反応工程処理液中には硝酸(NO )を含有
するため、再度二次脱窒13C、二次酸化工程13Dを
経て、一連の生物窒素除去工程を行う。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】従って、前記従来技術
においては窒素成分は最終的には窒素(N2)ガスとし
て大気へ放出されるために、前記生物処理工程中に得ら
れる比較的高価なアンモニアを有効利用することができ
なかったが、近年、資源の有効利用が求めらてきてお
り、このアンモニアを有効に再利用することが切望され
ていた。
【0012】一方、リン除去に関しては100mg/L
以下の比較的低濃度においては、ポリ塩化アルミニウム
(PAC)等の凝集剤を用いて、凝集沈殿法により除去
が行われているが、リン濃度が高くなるにしたがって添
加する凝集剤量が増大し、且つそれに伴う凝集汚泥量も
増大するといった課題を有している。
【0013】本発明はかかる技術的課題に鑑み、前記ア
ンモニアを効率的に補集し、有効に再利用を図るととも
に、その運転コストの低減、更には前記畜産廃棄物処理
方法より硫安や堆肥等の副製品を効果的に且つ高品質に
得ることの出来る畜産廃棄物処理方法を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる課題を解
決するために、含アンモニア廃棄物中の炭素化合物をメ
タンガスに還元して炭素化合物の含有率が低下した廃棄
物を得るメタン発酵工程と;前記炭素化合物の含有率が
低下した廃棄物から固形分を分離して液状廃棄物を得る
固液分離工程と;生物を利用して前記液状廃棄物を分解
処理して被生物処理液を得る生物処理工程と;を備えた
含アンモニア廃棄物の処理方法において、前記生物処理
工程の前段に、前記液状廃棄物からアンモニアを除去す
るためのアンモニア除去工程をさらに備えたことを特徴
とする処理方法を提供する。
【0015】本発明によれば、「含アンモニア廃棄物」
から窒素成分を除去することができる。本発明を適用し
得る「含アンモニア廃棄物」は、典型的には、畜産廃棄
物であり得るが、これに限定されない。
【0016】そして請求項2記載の発明において、該ア
ンモニア除去工程が、液状廃棄物をアルカリでpH調整
した後昇温させ、その揮発分を冷却凝縮させるアンモニ
ア蒸留工程であると特定しているが、本発明は物理的手
段及び/又は化学的手段により前記アンモニアを分離除
去する工程であれば、これのみに限定されない。従っ
て、特に限定しない限り、「アンモニア除去工程」に
は、アンモニア蒸留工程のみならず、エアストリッピン
グ工程や減圧脱気工程も含まれる。
【0017】かかる発明によれば、畜産廃棄物をメタン
発酵工程でメタン発酵後の固液分離工程から発生する排
水を処理する生物処理工程の前段に、アンモニア蒸留工
程を介装したために、高濃度のアンモニアを含有する畜
産廃棄物からの排水の処理において、生物処理工程の前
段階でアンモニア蒸留塔にて大部分のアンモニアを分
離、除去することができ、これにより、次工程の生物処
理工程の負荷を軽減し、生物処理装置容量および運転費
を低減することが可能となる。
【0018】請求項3記載の発明は、前記メタン発酵工
程で得られたメタンガスに、アルカリを添加して硫化水
素等の吸収を行う脱硫工程を設けるとともに、該脱硫工
程で使用された使用済みアルカリ(廃アルカリ)を前記
アンモニア蒸留工程のpH調整用アルカリとして用いた
事を特徴とする。
【0019】かかる発明によれば、アンモニア蒸留塔の
pH調整として用いるアルカリとして、メタンガス精製
のための脱硫工程の廃アルカリを供給することにより、
系外より持ち込むアルカリの量が低減し、さらなる運転
費低減が可能となる。
【0020】請求項4記載の発明は、脱硫工程で使用さ
れた使用済みアルカリを前記アンモニア蒸留工程のpH
調整用アルカリとして用いたことを特徴とする。
【0021】かかる発明によれば、脱硫工程で使用され
た使用済みアルカリをアンモニア蒸留工程のpH調整用
アルカリとして再利用できるので使用するアルカリを節
約できる。
【0022】請求項5記載の発明は、前記メタン発酵工
程で得られたメタンガスを燃焼させて熱エネルギを得、
該熱エネルギを、前記アンモニア蒸留工程における液状
廃棄物の昇温用エネルギに直接若しくは間接的に利用し
た事を特徴とする。
【0023】尚、前記利用手段は水や蒸気、ブライン等
を用いて間接的に利用するのが一般的である。かかる発
明によれば、系外より独立した熱エネルギを持ち込むこ
となくアンモニア蒸留が可能となるために、さらなる運
転費低減が可能となる。
【0024】請求項6記載の発明は、前記アンモニア蒸
留工程で分離したアンモニア水に硫酸を添加して硫安液
を生成する硫安生成工程を設けたことを特徴とする。
【0025】かかる発明によれば、前記アンモニア蒸留
工程で分離したアンモニア水を廃棄することなく、硫酸
を添加して硫安を生成することにより、その硫安溶液を
肥料として利用できるため、経済性をさらに高めること
が可能である。
【0026】請求項7記載の発明は、前記アンモニア蒸
留工程で分離したアンモニア水に硫酸を添加して硫安液
を生成した後、高温ガスとの熱接触により乾燥し、粉末
硫安を生成する硫安製造工程を設けたことを特徴とす
る。
【0027】かかる発明によれば、前記硫安が粉末化さ
れているために、商業的価値が一層高まる。
【0028】請求項8記載の発明は、前記固液分離工程
で分離された固形分より堆肥(コンポスト)を精製する
工程と、前記アンモニア蒸留工程で分離したアンモニア
水に硫酸を添加して硫安を精製する硫安生成工程とを具
え、該硫安生成工程で生成した硫安溶液を前記堆肥(コ
ンポスト)に混合することを特徴とする。
【0029】かかる発明によれば、前記硫安溶液を堆肥
(コンポスト)に混合することにより、堆肥(コンポス
ト)中の窒素含有量を増大させ、付加価値を高めること
が可能となる。
【0030】請求項9記載の発明は、前記アンモニア蒸
留工程で分離したアンモニア水に硫酸を添加して硫安を
生成する硫安製造工程を具え、該硫安製造時に必要な硫
酸の少なくとも一部に、アンモニア蒸留塔等の析出成分
洗浄の為に用いる硫酸を回収して使用することを特徴と
する。
【0031】かかる発明によれば、アンモニア蒸留塔等
の析出成分洗浄の為に用いる硫酸が再度硫安製造のため
に用いることが出来るために、硫酸の効率的利用と運転
コストの低減につながる。
【0032】請求項10記載の発明は、前記生物処理工
程で使用すべき活性汚泥を回収するための活性汚泥回収
工程をさらに備えたことを特徴とする。
【0033】かかる発明によれば、活性汚泥の作用によ
り畜産廃棄物に含まれる有機物を効率的に分解すること
ができる。
【0034】請求項11記載の発明は、前記生物処理工
程の後段に、前記被生物処理液からアンモニアを除去す
るためのアンモニア除去工程をさらに備えたことを特徴
とする。
【0035】かかる方法によれば、生物処理工程におい
て硝酸態窒素が産生されないので、生物処理工程から脱
窒工程を省くことができる。
【0036】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の発明に活性汚泥回収工程を加えたことを特徴とする。
【0037】かかる発明によれば、脱窒工程を省くこと
ができ、且つ活性汚泥の作用により畜産廃棄物に含まれ
る有機物を効率的に分解することができる。
【0038】請求項13記載の発明は、生物処理工程
が、pH4以上6.3以下の酸性下で行われることを特
徴とする。
【0039】かかる発明によれば、硝酸菌の硝化作用を
抑制して硝酸態窒素の産生を抑えることにより、生物処
理工程から脱窒工程を省くことが可能となる。
【0040】請求項14記載の発明は、生物処理工程に
チオ尿素が添加されることを特徴とする。
【0041】かかる発明によれば、硝酸菌の硝化作用を
抑制して硝酸態窒素の産生を抑えることにより、生物処
理工程から脱窒工程を省くことが可能となる。
【0042】請求項15記載の発明は、前記液状廃棄物
からリン化合物を回収するためのリン回収工程をさらに
備えたことを特徴とする。
【0043】かかる発明によれば、畜産廃棄物中のリン
を有効に利用することが可能となるとともに、前記生物
処理工程への負荷が軽減されるために、生物処理装置の
容量および運転費を低減することができる。また、アン
モニア蒸留工程をリン回収工程の後段に設置すれば、ア
ンモニア蒸留工程で必要とされるpH調整用のアルカリ
を減らし、又は不要とすることができる。
【0044】請求項16記載の発明は、前記リン回収工
程によって回収されたリン化合物を前記堆肥に添加する
ことを特徴とする。
【0045】かかる発明によれば、畜産廃棄物中のリン
は堆肥の成分として有効に利用することが可能となると
ともに、前記生物処理工程への負荷が軽減されるため
に、生物処理装置の容量および運転費を低減することが
できる。また、アンモニア蒸留工程をリン回収工程の後
段に設置すれば、アンモニア蒸留工程で必要とされるp
H調整用のアルカリを減らし、又は不要とすることがで
きる。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示した実施例
を用いて詳細に説明する。但し、この実施例に記載され
る構成部品の寸法、形状、その相対配置などは特に特定
的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定
する趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
【0047】[実施例1]図1は本発明の第1実施例に
係る畜産廃棄物処理方法で、図9に示した従来の畜産廃
棄物処理方法との違いを中心に説明する。
【0048】本実施工程では、固液分離工程4で分離さ
れた排水を生物処理工程13へ直接送ることなく、その
排水経路4A中に固液分離工程4から発生する排水処理
のための方法として、アンモニア蒸留工程11を介装
し、該アンモニア蒸留工程11で大部分のアンモニアを
分離した後、その処理水を、前記従来方法と同様に生物
処理工程13、リン除去工程15へと導かれて排水処理
が行われるように構成している。なお、アンモニア蒸留
工程11では液状廃棄物のpH調整のためのアルカリ1
2を供給する。
【0049】図2は図1に示したアンモニア蒸留工程の
具体的なフロー図を示す。
【0050】図において、固液分離工程4から導入され
た原水21は、最初に原水槽22に供給、貯留され、こ
こでpH計24の指示値に従い所定のpHとなるように
アルカリ液槽23からアルカリを注入する。アルカリと
しては、カセイソーダあるいは水酸化マグネシウム、酸
化マグネシウム等のアルカリであれば種類を問わない。
【0051】pH調整された原水槽22の液は熱交換器
25にてアンモニア蒸留塔26からの処理水と熱交換さ
れることにより昇温され、熱回収される。その後原水槽
22の液はアンモニア蒸留塔26へと導かれ、アンモニ
ア等の揮発性成分はアンモニア蒸留塔26上部から蒸気
状態で流出し、冷却器29にて冷却、凝縮されアンモニ
ア水液槽30に濃縮アンモニア水として貯留される。な
お、冷却、凝縮されたアンモニアの一部はアンモニア濃
度制御のためにアンモニア蒸留塔26へ一部還流され
る。
【0052】アンモニア水液槽30に蓄えられた濃縮ア
ンモニア水は、回収アンモニア水31として有効利用先
へと搬出される。
【0053】一方、アンモニア蒸留塔26の塔下部には
蒸気加熱器27が設置され、蒸気28により加熱してア
ンモニア液を蒸発させる。又アンモニア蒸留塔26下部
から得られるアンモニア濃度の低くなった処理水(排
水)は、熱交換器25にて冷却され排水受槽32へと導
かれる。排水受槽32に貯留された排水は次工程の生物
処理工程(生物窒素除去装置13)へと送られる。
【0054】図11及び図12に示されているように、
生物処理工程13は、典型的には、脱窒工程61、硝化
酸化工程62、硝化酸化工程を好気条件に保つための曝
気工程63、生物処理工程による処理を繰り返し行うた
めの循環工程64、及び生物処理工程で使用される活性
汚泥を回収するための沈殿工程65又は濾過工程68を
備える。
【0055】脱窒工程61には、汚水中の硝酸態窒素を
分子状窒素に還元し得る脱窒菌が収容されている。脱窒
菌は、担体に固相するか、及び/又は活性汚泥中に分散
含有させればよい。担体に固定する場合には、固定床及
び/又は流動床式を使用し得る。流動床式を使用する場
合には、担体を攪拌するための攪拌手段を使用してもよ
い。
【0056】多数の細菌を固定するために、担体には、
孔径が約数十〜数百μmで、サイズ約数mm〜1cm程
度の多孔質担体を用いることが好ましいが、孔径及びサ
イズともに、これらに限定されない。
【0057】担体に細菌を固定する方法としては、担体
結合法、包括法を含む任意の技術を使用し得る。担体の
形状は、球状、板状、紐状、フィルム状等任意の形状で
あり得る。
【0058】本発明の方法に使用し得る脱窒菌には、P
aracoccus denitrificans,
Pseudo−monas denitrifican
s,Micrococcus denitrifica
ns等が含まれるが、これらに限定されない。
【0059】脱窒工程61で処理された排水中の硝酸態
窒素は分子状窒素に還元され、気相中に排出される。
【0060】脱窒工程で脱窒処理された排水は、硝化酸
化工程62に送液される。
【0061】アンモニア処理工程で処理されなかったア
ンモニアは、硝化酸化工程62において硝化菌により硝
酸態窒素に変換される。従って、下記の実施例4のごと
く、アンモニア蒸留工程11から生物処理工程13にア
ンモニアを一部リークせしめる場合には、硝化菌は必須
であるが、前記活性汚泥中には硝化菌が含まれているの
で、通常は硝化菌を添加する必要はない。
【0062】硝化酸化工程62で使用し得る硝化菌に
は、ニトロソモナス属(Nitrosomonas s
p.)を含む亜硝酸菌とニトロバクター属(Nitor
obacter sp.)が含まれるが、これらに限定
されない。
【0063】硝化酸化工程62においては、前記活性汚
泥は、散気式曝気手段や機械攪拌式曝気手段などで曝気
されるので、活性汚泥中の好気性細菌の作用により排水
中の有機物の酸化も同時に行われる。
【0064】硝化酸化工程62でのBOD負荷は、活性
汚泥1kg当り1日に0.1〜0.2kgに設定するこ
とが好ましく、総窒素負荷に対するBOD負荷の比は、
10以上に設定することが好ましい。
【0065】硝化酸化工程62を継続的に実施すると硝
化により排水のpHが低下するが、pHが7よりも小さ
くなると硝化反応が遅くなるので、硝化酸化工程62で
は、アルカリを添加することが必要である。
【0066】なお、図11及び図12では、脱窒工程6
1の後段で硝化酸化工程62が行われているが、脱窒工
程の前段で硝化酸化工程を行ってもよい。この場合に
は、脱窒工程に、還元剤としてメタノールを注入するこ
とが必要となる。
【0067】硝化酸化工程62によって、アンモニアと
有機物が酸化された後、処理水は、生物処理工程13で
再び処理を行うための循環工程64に供される。脱窒工
程61に戻された処理水の中には、硝化酸化工程62で
使用された硝化菌によって産生された硝酸態窒素及び脱
窒工程61における一度目の処理では処理されなかった
未処理の硝酸態窒素が残存しているので、脱窒工程61
によって、さらに脱窒処理され分子状窒素にまで還元さ
れる。
【0068】処理水の循環回数は、排水中の総窒素量、
脱窒工程61への返送比、流量等に応じて、5回以上、
より好ましくは10回以上、さらに好ましくは15回以
上であり得る。
【0069】生物処理工程13で処理された後、処理水
は、生物処理工程中で使用される活性汚泥を回収するた
めに、沈殿工程に送液することが好ましい。但し、活性
汚泥濃度を一定に保つために、活性汚泥の一部は、余剰
活性汚泥67として排出しなければならない。活性汚泥
の残部は、返送活性汚泥66として脱窒工程61に返送
して再利用する。
【0070】図12のように、沈澱工程65に代えて濾
過工程68を使用すれば、処理設備のサイズを小さくで
きるので、さらに好ましい。濾過工程68は、5μm以
下、好ましくは1μm以下の孔径を有する濾過膜を用い
て行われる。
【0071】従ってかかる実施例によれば、従来の畜産
廃棄物処理方法における固液分離工程から発生する排水
を処理するために、新たにアンモニア蒸留工程を増設す
ることにより、高濃度のアンモニアを含有する家畜廃棄
物をメタン発酵工程でメタン発酵させ、固液分離工程で
固形分を分離した後の前記畜産廃棄物排水の処理におい
て、アンモニア蒸留塔にて大部分のアンモニアを分離、
除去することにより、次工程の生物処理工程の負荷を軽
減し、生物処理装置容量および運転費を低減することが
出来る。
【0072】具体的には図9の従来技術と本実施例とを
比較すると、生物処理工程で必要な窒素負荷容量が10
0%であったのが25%程度に低減させることが出来、
運転費が従来技術に比較して90%程度に抑制できる。
【0073】[実施例2]実施例2は、図1に示すよう
に、従来の畜産廃棄物処理法における固液分離工程4か
ら発生する排水を処理するために、生物処理工程13の
前段に、新たにアンモニア蒸留工程11を増設した点
は、実施例1と同様であるが、本実施例は特にアンモニ
ア蒸留工程11で回収したアンモニア水と硫酸から硫安
水を生成するようにしたものである。
【0074】本実施例の構成を図3のアンモニア蒸留塔
の具体的構成図に基づいて説明する。
【0075】本実施例ではアンモニア水液槽30に蓄え
られた濃縮アンモニア水31を、硫安液槽42へ導き、
ここで硫酸を添加することにより下記の反応にて硫安を
生成する。
【0076】2NHOH+HSO→(NH
SO+2HOなお、硫安液槽42での硫酸41添加
量は、pH計43の指示に従い自動的に供給される。
【0077】そして硫安液槽42で回収した硫安液44
は利用先へと搬出される。
【0078】かかる実施例によれば、高濃度のアンモニ
アを含有する家畜廃棄物からの排水の処理において、ア
ンモニア蒸留塔工程にて大部分のアンモニアを分離する
ことにより、次工程の生物処理工程13の負荷を軽減
し、生物処理工程容量および運転費を低減することを可
能とするとともに、分離した回収アンモニア水31に硫
酸41を添加して硫安液44を生成することにより、そ
の硫安溶液を肥料として利用できるため、経済性をさら
に高めることが可能である。
【0079】具体的には図9の従来技術と本実施例とを
比較すると、生物処理工程13で必要な窒素負荷容量が
100%であったのが25%程度に低減させることが出
来る点は前記実施例と同様であるが、本実施例は運転費
が従来技術に比較して液体硫安の回収メリットを考慮す
ると、50%と半減し、液体硫安は肥料として利用可能
である。
【0080】尚、前記液体硫安は図4に示す粉末硫安製
造工程を用いて粉末状に固体化してもよい。
【0081】図4において、図3の硫安液槽42で回収
した硫安液44は硫安水1として、硫安液槽52に供給
される。硫安液槽52からの液はドライヤ56に供給さ
れ、ドライヤ56にて空気53および燃料55の燃料に
より熱風炉54で発生した高温ガスと接触し乾燥する。
乾燥した硫安粉末はバグフィルタ57等にて固体分を分
離され、分離された固体は硫安ホッパ59に貯留され
る。貯溜された粉末硫安60は利用先へと送られる。一
方、バグフィルタ57を出た排ガスは大気へ排出され
る。
【0082】かかる実施例において、アンモニア蒸留塔
にて、処理排水より分離したアンモニア水に硫酸を添加
して硫安溶液を生成し、それから粉末硫安を製造するこ
とにより、粉末肥料として利用できるため、経済性をさ
らに高めることが可能である。
【0083】具体的には本実施例は従来技術に比較して
固体硫安の回収メリットを考慮すると、運転費が略60
%と大幅に低減し、且つ固体硫安は液体硫安より更に肥
料としての有効利用が可能である。
【0084】尚、前記いずれの実施例も、図1の畜産廃
棄物処理方法のみならず、後述する図7、図8の実施例
にも適用可能である。
【0085】[実施例3]実施例3は、図1に示すよう
に、従来の畜産廃棄物処理方法における固液分離工程4
から発生する排水を処理するために、生物処理工程13
の前段に、新たにアンモニア蒸留工程11を増設した点
は、前記実施例と同様であるが、本実施例は特にアンモ
ニア蒸留塔26への供給アルカリ12として、メタンガ
ス6精製のための脱硫工程7で使用した廃アルカリ17
を再利用するものである。
【0086】図7は本発明の第3実施例に係る畜産廃棄
物処方法で、図1に示した第1実施例の畜産廃棄物処理
方法に付加した点を中心に説明する。
【0087】図7において、メタン発酵工程3から発生
したメタンガス6は、硫化水素を含有するため、脱硫工
程7にてアルカリ8により洗浄され、精製メタンガス9
を得る。
【0088】そして前記メタンガス6中の硫化水素除去
を目的とする脱硫工程7では硫化水素の吸収薬剤として
アルカリ8を添加する。アルカリとしては、カセイソー
ダあるいは水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム等の
アルカリであれば種類を問わない。この使用済アルカリ
(廃アルカリ)17はまだ十分にアルカリとして機能す
る。
【0089】このため、この使用済アルカリ17を有効
利用する為、図2に示したアンモニア蒸留塔26へのア
ルカリ17として、脱硫工程7からの廃アルカリ17を
回収して再利用する。
【0090】即ち図2、図3のアンモニア蒸留工程では
固液分離工程より排水された原水21は、原水槽22に
供給、貯留され、ここでpH計24の指示値に従い所定
のpHとなるようにアルカリ液槽23からアルカリを注
入する。一般的には、アンモニア蒸留塔操作pHとして
通常10以上を選定するが、pHの増加にしたがって必
要なアルカリ量の増大を招く為、pHを5〜10までの
領域に制御することにより、アルカリ必要量を減少させ
る。従ってpH5〜10までのアルカリ制御であれば前
記した使用済アルカリ(廃アルカリ)17で十分であ
る。
【0091】かかる実施例によれば、第1実施例の効果
に加えて、アンモニア蒸留塔のpH調整として用いるア
ルカリとして、メタンガス精製のための脱硫工程の廃ア
ルカリを使用することにより、さらなる運転費低減を可
能とする。
【0092】具体的には図9の従来技術と本実施例とを
比較すると、生物処理工程13で必要な窒素負荷容量が
100%であったのが25%程度に低減させることが出
来た点は前記実施例と同様であるが、本実施例はアンモ
ニア蒸留塔26のpH調整として用いるアルカリが実質
的に不要になるために、その運転コストが略80%と2
割程度低減している。
【0093】[実施例4]本実施例では、被処理水中の
アンモニアをアンモニア蒸留工程で完全に除去せず、生
物処理工程中の硝化反応に過度の負荷を与えない量のア
ンモニアを生物処理工程にリークせしめることにより、
使用するアルカリの量をさらに低減し得る方法につい
て、図1を参照しながら説明する。
【0094】本実施例の方法では、まず、実施例1〜3
の方法と同様に、家畜糞1および家畜尿2をメタン発酵
工程3、固液分離工程4による処理に供する。続いて、
固液分離工程4で得られた排水は、アンモニア蒸留工程
11に送液される。
【0095】実施例1及び実施例3で説明したように、
アンモニアの除去を促進するために、アンモニア蒸留工
程11には、アルカリが添加されるが、本実施例の方法
では、アンモニア蒸留工程11の後段にて実施される生
物処理工程13の処理能力を全く阻害しないアンモニア
濃度(50ppm以下)を達成するのに必要な量の2/
3〜1/3の量のアルカリを添加する。
【0096】従って、本実施例の方法においては、アン
モニア蒸留工程11からは100ppm以上500pp
m以下、より好ましくは200ppm以上400ppm
以下、さらに好ましくは250ppm以上300ppm
以下の濃度のアンモニアがリークする。
【0097】固液分離工程4からアンモニア蒸留工程1
1に送液される排水中のアンモニア濃度は、通常100
0ppm以上であり、1500ppmを超えることも少
なくないので、本実施例の方法では、前記排水中に含ま
れるアンモニアの約1/20〜1/2を生物処理工程1
3にリークさせることになる。
【0098】アンモニア濃度が1500ppm程度の排
水をアンモニア蒸留工程11で処理する場合、処理水の
アンモニア濃度を50ppmまで減少するためには、5
〜6kg/mのカセイソーダをアンモニア蒸留工程1
1に加えて、被処理水のpHを10以上にしなければな
らない。これに対して、処理水のアンモニア濃度を10
0ppmにする場合にはアンモニア蒸留工程11に3k
g/mのカセイソーダを加えれば足りる。さらに、3
00ppmにする場合には、2kg/mのカセイソー
ダで足り、被処理水のpHは8.5〜9.0に留まる。
【0099】アルカリ除去工程に添加するアルカリの量
を減らした時には、アンモニアの除去効率は、温度によ
って大きな影響を受け、アルカリ除去工程の温度が高い
ほどアンモニアの除去効率は上がる。それ故、アルカリ
除去工程に添加するアルカリの量を減らしつつ、生物処
理工程13に実質的な負荷を与えない濃度のアンモニア
をリークさせるためには、アルカリ除去工程としてアン
モニア蒸留工程を使用しなければならない。他のアルカ
リ除去工程、例えば、エアストリッピング工程、減圧脱
気工程は、本実施例の方法に適用できないことに注意し
なければならない。
【0100】アンモニア蒸留工程11に添加すべきアル
カリは、アンモニウムイオンより強塩基性のアルカリで
あることが好ましく、カセイソーダ、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウムであり得るが、これらに限定され
ない。
【0101】生物処理工程13への窒素負荷量0.3k
g/m・日に設定して、本実施例の方法を実施すれ
ば、最終的に全窒素濃度を60ppm以下にすることが
可能であり、大量のアルカリを要する図2の従来法と同
等の結果を得ることができる。
【0102】なお、本実施例では図1を参照して、本方
法を説明したが、該方法は、生物処理工程の前段にアン
モニア蒸留工程を備えた任意の方法に適用できる。
【0103】以上のように、本実施例の発明によれば、
生物処理工程の処理能力を保持しつつ、アルカリの使用
量を約1/3〜1/2に低減させることが可能となる。
【0104】[実施例5]実施例5は、図1に示すよう
に、従来の畜産廃棄物処理法における固液分離工程4か
ら発生する排水を処理するために、生物処理工程13の
前段に、新たにアンモニア蒸留工程11を増設した点
は、前記実施例と同様であるが、本実施例は特に、アン
モニア蒸留塔26へ供給する蒸気源としてメタン発酵工
程3から発生するメタンを燃焼させ生じる蒸気を有効活
用するものである。
【0105】図8は本発明の第4実施例に係る畜産廃棄
物処理方法で、図1に示した第1実施例の畜産廃棄物処
理方法に付加した点を中心に説明する。
【0106】図8において、メタン発酵工程3から発生
したメタンガス6は、硫化水素を含有するため、脱硫工
程7にてアルカリ8により洗浄され、精製メタンガス9
を得る点は前記従来技術と同様であるが、本実施例はア
ンモニア蒸留塔11に用いる蒸気源として脱硫工程7で
精製したメタンを燃焼させるボイラ19から発生する蒸
気28を用いてアンモニアの蒸留を行わせる。
【0107】即ち図2において、アンモニア蒸留塔26
の塔下部には蒸気加熱器27が設置され、蒸気28によ
り加熱してアンモニア液を蒸発させる。蒸気28は、先
に示した図8のメタンを燃料とするボイラ19から蒸気
28を利用する。
【0108】かかる実施例によれば、第1実施例の効果
に加えて、アンモニア蒸留塔への蒸気源としてメタン発
酵工程3から発生するメタンガス6を燃焼させることに
より生じる蒸気を有効利用することにより、さらなる運
転費低減を可能とする。
【0109】具体的には図9の従来技術と本実施例とを
比較すると、生物処理工程で必要な窒素負荷容量が10
0%であったのが25%程度に低減させることが出来た
点は前記実施例と同様であるが、本実施例はアンモニア
蒸留塔の蒸気加熱器27に供給する蒸気加熱燃料が実質
的に不要若しくは大幅に低減するために、その運転コス
トが略50%と半減している。
【0110】[実施例6]実施例6は、図3に示す第2
実施例と同様に、従来の畜産廃棄物処理法における固液
分離工程から発生する排水を処理するために、生物処理
工程の前段に、新たにアンモニア蒸留工程を増設し且つ
アンモニア蒸留工程で回収したアンモニア水と硫酸から
硫安水を生成させ有効利用する点は、前記第2実施例と
同様であるが、本実施例は特に上記の硫安製造時に用い
る硫酸の一部として、アンモニア蒸留工程において、析
出成分の洗浄のために用いる硫酸を回収して、有効利用
するものである。
【0111】本実施例の構成を図5のアンモニア蒸留塔
の具体的構成図に基づいて説明する。
【0112】本実施例ではアンモニア水液槽30に蓄え
られた濃縮アンモニア水31を、硫安液槽42へ導き、
ここで硫酸41を添加することにより硫安44を生成す
る点までは前記実施例と同様であるが、固液分離工程4
により分離された畜産排水の原水21中には便等に含ま
れるカルシウム等の析出成分を含む為、これらの析出成
分は熱交換器25やアンモニア蒸留塔26等にて一部析
出する。
【0113】このため、定期的に硫酸45を原水槽22
から熱交換器25上流の経路に供給することにより、各
機器の洗浄を行う。洗浄後の回収硫酸46は、アンモニ
ア蒸留塔26底部より熱交換器25を通って排水経路に
導かれるために、該排水経路より前述の硫安液槽42へ
導くことにより有効な利用が図れる。
【0114】かかる実施例によれば、アンモニア蒸留塔
にて分離したアンモニア水31に硫酸41を添加して硫
安を生成することにより、その硫安溶液44を肥料とし
て利用できるため、経済性をさらに高めることが可能で
あるとともに、該硫安製造時に必要な硫酸の一部とし
て、アンモニア蒸留塔等の析出成分洗浄の為に用いる硫
酸を回収し、有効利用することにより硫安生成の経済性
をさらに高めることができる。
【0115】[実施例7]実施例7は、図3に示す第2
実施例と同様に、従来の畜産廃棄物処理法における固液
分離工程から発生する排水を処理するために、生物処理
工程の前段に、新たにアンモニア蒸留工程を増設し且つ
アンモニア蒸留工程で回収したアンモニア水と硫酸から
硫安水を生成させ有効利用する点は、実施例2と同様で
あるが、本実施例は特に前記硫安水を堆肥(コンポス
ト)に混合することにより、堆肥(コンポスト)中の窒
素含有量を増大させ、堆肥(コンポスト)の付加価値を
高めるものである。
【0116】図6は本発明の実施例7に係る畜産廃棄物
処理方法で、図1に示した第1実施例の畜産廃棄物処理
方法に付加した点を中心に説明する。
【0117】図6において、メタン発酵工程3から発生
したメタンガス6は、硫化水素を含有するため、脱硫工
程7にてアルカリ8により洗浄され、精製メタンガス9
を得る。
【0118】そして前記メタンガス6中の硫化水素除去
を目的とする脱硫工程7では硫化水素の吸収薬剤として
アルカリ8を添加する。
【0119】また、図3に示すアンモニア蒸留塔工程1
1にて回収した硫安水17は、堆肥化(コンポスト化)
工程5にて生成した堆肥(コンポスト)10に混合する
ことにより、堆肥(コンポスト)中の窒素成分含有率を
増加させる事が出来る。
【0120】従ってかかる実施例によれば、アンモニア
蒸留塔にて分離したアンモニア水に硫酸を添加して硫安
を生成し、その硫安溶液を堆肥(コンポスト)に混合す
ることにより、堆肥(コンポスト)中の窒素含有量を増
大させ、付加価値を高めることを可能とすることができ
る。
【0121】本実施例は従来技術に比較してコンポスト
の付加価値を考慮すると、運転費が略50%と大幅に低
減し、且つ生成堆肥(コンポスト)の性状は従来瀕の窒
素含有量が低品位であったのに比較して窒素含有量生成
硫安の添加により窒素含有量が増加し高品位の堆肥にな
る。
【0122】[実施例8]本実施例では、硝化菌のアン
モニア酸化作用を阻害することによって、処理水中のア
ンモニアが生物処理工程中で酸化されるのを抑制し、生
物処理工程の後段で一括してアンモニアを除去する方法
について、図1及び図13を参照しながら説明する。
【0123】該方法によれば、生物処理工程において硝
酸態窒素が産生されないので、生物処理工程から脱窒工
程を省くことができる。
【0124】本実施例の方法においても、まず、上記各
実施例の方法と同様に、家畜糞1および家畜尿2をメタ
ン発酵工程3、固液分離工程4による処理に供する。
【0125】上記各実施例では、固液分離工程4で得ら
れた排水は、アンモニア蒸留工程11に送液されたが、
本方法では、アンモニア蒸留工程11ではなく、酸化工
程69に送液される。
【0126】酸化工程69では、前記排水中の有機物を
酸化分解し得る細菌を含有する活性汚泥を使用する。こ
れらの細菌は、高濃度のアンモニアにも耐性を有するの
で、アンモニアが除去されていない排水を直接導入して
も、有機物を酸化分解する能力及び有機態窒素をアンモ
ニアに代謝する能力を維持している。
【0127】一方、活性汚泥中には、アンモニア態窒素
を酸化して硝酸態窒素を産生する硝化菌も含まれている
ので、硝化菌の酸化作用を阻害しなければ、排水中に含
まれているアンモニア態窒素から硝化態窒素が多量に産
生され、脱窒工程が必要となる。それ故、脱窒工程を省
略するためには、活性汚泥中の硝酸菌の硝化作用を抑制
する必要がある。
【0128】硝酸菌は酸性下では硝化作用が抑制される
ので、酸化工程69ではpHが4〜6.3の酸性になる
ように、硝酸以外の酸を加えればよい。また、酸に代え
て、又は酸とともに、硝化菌の硝化反応の阻害剤である
チオ尿素を添加してもよい。チオ尿素は1〜5ppm添
加すれば、硝化反応がほぼ完全に阻害される。
【0129】それ故、酸化工程69からは、主としてア
ンモニア態窒素を含む水が得られる。このため、本実施
例の方法においては、硝酸態窒素を分子状窒素に還元す
るための脱窒工程が不要であり、脱窒反応の促進に必須
である還元剤(メタノール等)を添加する必要がない。
【0130】酸化工程69で処理された水は、沈澱工程
65に送られる。該工程では、処理水中に流出した活性
汚泥を固液分離する。該工程で分離された活性汚泥の一
部は排出され、残部は酸化工程69に返送される。
【0131】実施例1で記載したように、沈澱工程65
に代えて、濾過工程68を用いれば、該方法を実施する
ためのシステムのサイズを小さくすることができるので
有利である(図14参照)。
【0132】主としてアンモニアを含む処理水は、酸化
工程69又は沈澱工程65から、さらにpH調整工程2
2に送られる。該工程では、アルカリを添加することに
より、アンモニウムイオンの形態で存在しているアンモ
ニア態窒素をアンモニアの形態に転換する。
【0133】本実施例の方法では、脱窒反応を用いず
に、アンモニア蒸留工程11によって、排水中の窒素成
分を一括して除去する。このため、前記処理水が200
0ppm以上のアンモニア態窒素を含有する場合には、
最終的に得られる浄化水中に50ppm以下のアンモニ
アしか含まれないように、pH調整工程において、前記
処理水のpHを10以上の強いアルカリにすることが必
要である。
【0134】pH調整工程で塩基性にした後、アンモニ
アを含む前記処理水は、アンモニア蒸留工程11に送ら
れる。
【0135】アンモニア蒸留工程11に代えて、他の任
意の種類のアンモニア除去工程を使用することもでき
る。
【0136】本実施例の方法では、脱窒工程を省略し得
るので、該工程で必要とされる還元剤を用いる必要がな
い。本実施例も従来法と同等の結果を与える。
【0137】[実施例9]本実施例では、図9に示した
従来の方法における固液分離工程4から発生する排水処
理のための設備として、新たにリン回収工程70および
アンモニア蒸留工程11を増設した方法を説明する。
【0138】図15に示されているように、アンモニア
蒸留工程11で処理されたアンモニア蒸留工程処理水
は、従来の方法と同様に生物処理工程13、リン除去工
程15へと導かれ処理が行われる。このように生物処理
工程の前段に、リン除去工程及びアンモニア蒸留工程を
設置すれば、生物処理工程への負荷を軽減し、生物処理
装置容量を約75%,運転費を約20%低減することが
できる。また、アンモニア蒸留工程をリン回収工程の後
段に設置すれば、アンモニア蒸留工程で必要とされるp
H調整用のアルカリは微量となり、あるいは不要とな
る。
【0139】なお、リン回収工程70で回収した回収リ
ン化合物72及びアンモニア蒸留工程11で回収したア
ンモニア等は、堆肥化(コンポスト化)工程5で生成し
た堆肥(コンポスト)10に混合することにより、堆肥
(コンポスト)10中のリン、窒素成分含有率を増加さ
せる用途に使用しても資源回収の観点から有効である。
【0140】以下、図15に示されているリン回収工程
70、アンモニア蒸留工程11の具体的なフローを示し
た図16を参照しながら本実施例の方法について説明す
る。
【0141】上流からの原水21は、原水槽22に供
給、貯留され、ここでpH計24の指示値に従い所定の
pHとなるようにアルカリ液槽23からアルカリを注入
する。アルカリとしては、マグネシウム化合物(水酸化
マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム
等)の水溶液、ナトリウム化合物(苛性ソーダ、炭酸ソ
ーダ等)の水溶液、あるいはその両方が使用される。
【0142】pH調整された原水槽22の液は、リン回
収槽73に導かれリン、マグネシウム化合物を生成す
る。生成したリン、マグネシウム化合物は固体状である
ため、リン回収槽73内下部に沈降し、系外へと排出す
る。
【0143】一方、リン成分の減少した原水は、その
後、熱交換器25を出た液はアンモニア蒸留搭26上部
から蒸気状態で流出し、冷却器29にて冷却、凝縮され
アンモニア水液槽30に濃縮アンモニア水として貯留さ
れる。なお、冷却、凝縮されたアンモニアの一部はアン
モニア濃度制御のためにアンモニア蒸留搭26へ一部還
流される。
【0144】従来アンモニア蒸留においては、事前にp
H調整を行うが、本発明では上流のリン回収工程70で
所定のpHに調整するため、新たなアルカリ等のpH調
整剤の使用量を減らすことができ、ある場合には不要と
なる。
【0145】アンモニア水液槽30に蓄えられた濃縮ア
ンモニア水は、回収アンモニア水31として有効利用先
へと搬出される。
【0146】一方、アンモニア蒸留搭26の搭下部には
蒸気加熱器27が設置され、蒸気28により加熱して液
を蒸発させる。アンモニア蒸留搭26下部から得られる
アンモニア濃度の低くなった液は、前述の熱交換器25
にて冷却され排水受槽32へと導かれる。排水受槽32
に貯留された排水は次工程の生物処理工程13へと送ら
れる。
【0147】なお、本実施例では、回収リン化合物と回
収アンモニアを堆肥に混合する態様を説明したが、図1
7に示されているように、回収リン化合物と回収アンモ
ニアは堆肥に混合せずに他の用途に供してもよい。
【0148】[実施例10]図18に示されているよう
に、本実施例では、図9に示した従来の方法における固
液分離工程4から発生する排水処理のための設備とし
て、新たにリン回収工程70およびアンモニア蒸留工程
11が増設され、さらにアンモニア蒸留工程11で得ら
れたアンモニア蒸留工程処理水から硫安を生成するため
の硫安生成工程を備えた方法を説明する。
【0149】図18のように、生物処理工程の前段に、
リン除去工程及びアンモニア蒸留工程を設置すれば、生
物処理工程への負荷を軽減し、生物処理装置容量を約7
5%,運転費を約20%低減することができる。また、
アンモニア蒸留工程をリン回収工程の後段に設置すれ
ば、アンモニア蒸留工程で必要とされるpH調整用のア
ルカリは微量となり、あるいは不要となるリン回収工程
70で回収した回収リン化合物72およびアンモニア蒸
留工程11及び硫安生成工程で回収した硫安は、堆肥化
(コンポスト化)工程5で生成した堆肥(コンポスト
化)10に混合することにより、堆肥(コンポスト)1
0中のリン、窒素成分含有率を増加させる用途に使用し
ても資源回収の観点から有効である。
【0150】以下、図18に示されているリン回収工程
70とアンモニア蒸留工程11の具体的なフローを示し
た図19を参照しながら、本実施例の方法について説明
する。
【0151】上流からの原水21は、原水槽22に供
給、貯留され、ここでpH計24の指示値に従い所定の
pHとなるようにアルカリ液槽23からアルカリを注入
する。アルカリとしては、マグネシウム化合物(水酸化
マグネシウム、酸化マグネシウム、塩化マグネシウム
等)の水溶液、ナトリウム化合物(苛性ソーダ、炭酸ソ
ーダ等)の水溶液、あるいはその両方が使用される。
【0152】pH調整された原水槽22の液は、リン回
収槽73に導かれリン、マグネシウム化合物を生成す
る。生成したリン、マグネシウム化合物は固体状である
ため、リン回収槽73内下部に沈降し、系外へと排出す
る。
【0153】一方、リン成分の減少した原水は、その
後、熱交換器25を出た液はアンモニア蒸留搭26上部
から蒸気状態で流出し、冷却器29にて冷却、凝縮され
アンモニア水液槽30に濃縮アンモニア水として貯留さ
れる。なお、冷却、凝縮されたアンモニアの一部はアン
モニア濃度制御のためにアンモニア蒸留搭26へ一部還
流される。
【0154】従来アンモニア蒸留においては、事前にp
H調整を行うが、本発明では上流のリン回収工程70で
所定のpHに調整するため、新たなアルカリ等のpH調
整剤の使用量を減らすことができ、ある場合には不要と
なる。
【0155】アンモニア水液槽30に蓄えられた濃縮ア
ンモニア水は、硫安液槽42へと導かれ、ここで硫酸4
5を添加することにより下記の反応にて硫安を生成す
る。
【0156】2NHOH + HSO → (N
SO + 2HO なお、硫安液槽42での硫酸45の添加量は、硫安液槽
42内に設置したpH計43の指示に従い自動的に供給
される。回収した硫安液44は利用先へと搬出される。
【0157】一方、アンモニア蒸留搭26の搭下部には
蒸気加熱器27が設置され、蒸気28により加熱して液
を蒸発させる。アンモニア蒸留搭26下部から得られる
アンモニア濃度の低くなった液は、前述の熱交換器25
にて冷却され排水受槽32へと導かれる。排水受槽32
に貯留された排水は次工程の生物処理工程13へと送ら
れる。
【0158】なお、本実施例では、回収リン化合物と回
収硫安を堆肥に混合する態様を説明したが、図20に示
されているように、回収リン化合物と回収硫安は堆肥に
混合せずに他の用途に供してもよい。
【0159】
【発明の効果】以上記載のごとく請求項1及び2記載の
本発明によれば、生物処理工程の前段階でアンモニア蒸
留塔にて大部分のアンモニアを分離、除去することがで
き、これにより、次工程の生物処理工程の負荷を軽減
し、生物処理装置容量および運転費を低減することが可
能となる。
【0160】請求項3記載の発明によれば、アンモニア
蒸留塔のpH調整として用いるアルカリとして、メタン
ガス精製のための脱硫工程の廃アルカリを供給すること
により、系外より持ち込むアルカリの量が低減し、さら
なる運転費低減が可能となる。
【0161】請求項4記載の発明によれば、アンモニア
蒸留塔のpH調整として用いるアルカリとして、メタン
ガス精製のための脱硫工程の廃アルカリを供給すること
により、系外より持ち込むアルカリの量が低減し、さら
なる運転費低減が可能となる。
【0162】請求項5記載の発明によれば、系外より独
立した熱エネルギを持ち込むことなくアンモニア蒸留が
可能となるために、さらなる運転費低減が可能となる。
【0163】請求項6記載の発明によれば、前記アンモ
ニア蒸留工程で分離したアンモニア水を廃棄することな
く、硫酸を添加して硫安を生成することにより、その硫
安溶液を肥料として利用できるため、経済性をさらに高
めることが可能である。
【0164】請求項7記載の発明によれば、前記硫安が
粉末化されているために、商業的価値が一層高まる。
【0165】請求項8記載の発明によれば、前記硫安溶
液を堆肥(コンポスト)に混合することにより、堆肥
(コンポスト)中の窒素含有量を増大させ、付加価値を
高めることが可能となる。
【0166】請求項9記載の発明によれば、アンモニア
蒸留塔等の析出成分洗浄の為に用いる硫酸が再度硫安製
造のために用いることが出来るために、硫酸の効率的利
用と運転コストの低減につながる。
【0167】請求項10記載の発明によれば、活性汚泥
の作用により畜産廃棄物に含まれる有機物を効率的に分
解することができる。
【0168】請求項11記載の発明によれば、生物処理
工程において硝酸態窒素が産生されないので、生物処理
工程から脱窒工程を省くことができる。
【0169】請求項12記載の発明によれば、脱窒工程
を省くことができ、且つ活性汚泥の作用により畜産廃棄
物に含まれる有機物を効率的に分解することができる。
【0170】請求項13記載の発明によれば、硝酸菌の
硝化作用を抑制して硝酸態窒素の産生を抑えることによ
り、生物処理工程から脱窒工程を省くことができる。
【0171】請求項14記載の発明によれば、硝酸菌の
硝化作用を抑制して硝酸態窒素の産生を抑えることによ
り、生物処理工程から脱窒工程を省くことができる。
【0172】請求項15記載の発明によれば、畜産廃棄
物中のリンを有効に利用することが可能となるととも
に、前記生物処理工程への負荷が軽減されるために、生
物処理装置の容量および運転費を低減することができ
る。また、アンモニア蒸留工程をリン回収工程の後段に
設置すれば、アンモニア蒸留工程で必要とされるpH調
整用のアルカリを減らし、又は不要とすることができ
る。
【0173】請求項16記載の発明によれば、畜産廃棄
物中のリンは堆肥の成分として有効に利用することが可
能となるとともに、前記生物処理工程への負荷が軽減さ
れるために、生物処理装置の容量および運転費を低減す
ることができる。また、アンモニア蒸留工程をリン回収
工程の後段に設置すれば、アンモニア蒸留工程で必要と
されるpH調整用のアルカリを減らし、又は不要とする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る畜産廃棄物処理方法
の全体構成図。
【図2】図1に示したアンモニア蒸留工程の具体的な構
成を示すフロー図。
【図3】図2のアンモニア蒸留塔に硫安製造工程が付加
されてなる本発明の第2実施例に係るアンモニア蒸留塔
を示す図。
【図4】本発明の第2実施例の変形例に係り前記液体硫
安を粉末化する粉末硫安製造工程の具体的な構成を示す
フロー図。
【図5】図3のアンモニア蒸留塔の具体的構成における
硫安製造時に用いる硫酸の一部として、アンモニア蒸留
工程において、析出成分の洗浄のために用いる硫酸を回
収して、有効利用していることを特徴とする、本発明の
第5実施例に係る畜産廃棄物処理方法を示す図。
【図6】アンモニア蒸留塔工程にて回収した硫安水が、
堆肥化(コンポスト化)工程にて生成した堆肥(コンポ
スト)に混合されることを特徴とする本発明の第6実施
例に係る畜産廃棄物処理方法を示す図。
【図7】アンモニア蒸留工程に使用するアルカリに脱硫
工程で使用した廃アルカリを用いていることを特徴とす
る本発明の第3実施例に係る畜産廃棄物処理方法を示す
図。
【図8】図1に示した第1実施例の畜産廃棄物処理方法
に脱硫工程7で精製したメタンを燃焼させるボイラ19
が付加されてなる本発明の第4実施例に係る畜産廃棄物
処理方法を示す図。
【図9】従来技術に係る畜産廃棄物処理方法の全体構成
図。
【図10】畜産廃棄物処理方法に用いる生物処理工程の
基本概念図。
【図11】本発明の含アンモニア廃棄物の処理方法にお
けるアンモニア除去工程と生物処理工程の詳細図。
【図12】本発明の含アンモニア廃棄物の処理方法にお
けるアンモニア除去工程と生物処理工程の詳細図。
【図13】実施例8の方法の詳細図。
【図14】実施例8の方法の詳細図。
【図15】実施例9の方法の全体構成図。
【図16】実施例9の方法の詳細なフロー図。
【図17】実施例9の方法の他の態様を示した図。
【図18】実施例10の方法の全体構成図。
【図19】実施例10の方法の詳細なフロー図。
【図20】実施例10の方法の他の態様を示した図。
【符号の説明】
1 家畜糞 2 家畜尿 3 メタン発酵工程 4 固液分離工程 5 堆肥化(コンポスト化)工程 6 メタンガス 7 脱硫工程 8 アルカリ 9 精製メタンガス 10 堆肥(コンポスト) 11 アンモニア蒸留工程 12 アルカリ 13 生物処理工程 14 酸、アルカリ、メタノール等 15 リン除去工程 16 処理排水 17 廃アルカリ 19 ボイラ 21 原水 22 原水槽 23 アルカリ液槽 24 pH計 25 熱交換器 26 アンモニア蒸留塔 27 蒸気加熱器 28 蒸気 29 冷却器 30 アンモニア水液槽 31 回収アンモニア水 32 排水受槽 41 硫酸 42 硫安液槽 43 pH計 44 硫安液 45 硫酸 46 回収硫酸 47 回収硫安 51 硫安水 52 硫安液槽 53 空気 54 熱風炉 55 燃料 56 ドライヤ 57 バグフィルタ 58 廃棄 59 硫安ホッパ 60 粉末硫安 61 脱窒工程 62 硝化酸化工程 63 曝気工程 64 循環工程 65 沈澱工程 66 返送活性汚泥 67 余剰活性汚泥 68 濾過工程 69 酸化工程 70 リン回収工程 71 アルカリ 72 回収リン化合物 73 リン回収槽
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/58 C02F 1/58 R 3/34 101 3/34 101A 101D C05C 3/00 C05C 3/00 C05G 1/00 C05G 1/00 N D C10L 3/06 ZAB (C05G 1/00 N //(C05G 1/00 C05F 3:00) C05F 3:00) (C05G 1/00 D (C05G 1/00 C05F 3:00) C05F 3:00) C10L 3/00 ZABA (72)発明者 上島 直幸 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 小川 尚樹 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目1番1号 三菱重工業株式会社高砂研究所内 (72)発明者 松尾 健 兵庫県神戸市兵庫区和田崎町一丁目1番1 号 三菱重工業株式会社神戸造船所内 (72)発明者 平田 俊雄 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目8番19号 高菱エンジニアリング株式会社内 (72)発明者 中安 厳 兵庫県高砂市荒井町新浜2丁目8番19号 高菱エンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4D038 AA08 AA10 AB48 BB01 BB02 BB09 BB13 BB17 BB19 4D040 BB05 BB12 BB24 BB25 BB33 BB42 BB91 4D059 AA01 BA12 BA34 BE31 BE42 BE49 CA07 CA21 CA25 CA27 CA28 CC01 4D076 AA01 AA22 BA05 BA09 CC11 DA02 DA25 DA28 DA36 FA02 FA04 FA11 FA18 FA19 HA09 HA20 JA04 4H061 AA02 BB10 BB21 CC36 CC47 FF07 GG18 GG19 GG41 GG54 LL22

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含アンモニア廃棄物中の炭素化合物をメ
    タンガスに還元して炭素化合物の含有率が低下した廃棄
    物を得るメタン発酵工程と;前記炭素化合物の含有率が
    低下した廃棄物から固形分を分離して液状廃棄物を得る
    固液分離工程と;生物を利用して前記液状廃棄物を分解
    処理して被生物処理液を得る生物処理工程と;を備えた
    含アンモニア廃棄物の処理方法において、 前記生物処理工程の前段に、前記液状廃棄物からアンモ
    ニアを除去するためのアンモニア除去工程をさらに備え
    たことを特徴とする処理方法。
  2. 【請求項2】 前記アンモニア除去工程がアンモニア蒸
    留工程である請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記メタン発酵工程で得られたメタンガ
    スにアルカリを添加して硫化水素の吸収を行う脱硫工程
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載
    の方法。
  4. 【請求項4】 前記脱硫工程で使用された使用済みアル
    カリを前記アンモニア蒸留工程のpH調整用アルカリと
    して用いたことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記液状廃棄物の昇温用エネルギに、前
    記メタン発酵工程で得られたメタンガスの燃焼によって
    生じた熱エネルギを直接又は間接的に利用したことを特
    徴とする請求項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記アンモニア蒸留工程において前記液
    状廃棄物から分離されたアンモニア水に硫酸を添加して
    硫安液を生成せしめる硫安生成工程をさらに備えたこと
    を特徴とする請求項2に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記硫安液を高温ガスとの熱接触により
    乾燥させ、粉末硫安を生成せしめる硫安製造工程をさら
    に備えたことを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記固液分離工程において分離された固
    形分より堆肥を精製する堆肥精製工程をさらに備え、前
    記硫安液を前記堆肥に混合することを特徴とする請求項
    6又は7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記硫安製造工程において、アンモニア
    蒸留塔の析出成分洗浄の為に用いた硫酸を回収して再利
    用することを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 前記生物処理工程で使用すべき活性汚
    泥を回収するための活性汚泥回収工程をさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の方
    法。
  11. 【請求項11】 含アンモニア廃棄物中の炭素化合物を
    メタンガスに還元して炭素含有量が減少した廃棄物を得
    るメタン発酵工程と;前記炭素含有量が減少した廃棄物
    から固形分を分離することにより液状廃棄物を得る固液
    分離工程と;生物を利用して、前記液状廃棄物を分解処
    理することにより被生物処理液を得る生物処理工程と;
    を備えた含アンモニア廃棄物の処理方法において、 前記生物処理工程の後段に、前記被生物処理液からアン
    モニアを除去するためのアンモニア除去工程をさらに備
    えたことを特徴とする処理方法。
  12. 【請求項12】 前記生物処理工程で使用すべき活性汚
    泥を回収するための活性汚泥回収工程をさらに備えたこ
    とを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記生物処理工程が、pH4以上6.
    3以下の酸性下で行われることを特徴とする請求項11
    又は12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記生物処理工程においてチオ尿素が
    添加されることを特徴とする請求項11〜13の何れか
    1項に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記液状廃棄物からリン化合物を回収
    するためのリン回収工程をさらに備えたことを特徴とす
    る請求項1〜14の何れか1項に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記リン回収工程によって回収された
    リン化合物を前記堆肥に添加することを特徴とする請求
    項8、9、10、及び15の何れか1項に記載の方法。
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