JPH0125640B2 - - Google Patents

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JPH0125640B2
JPH0125640B2 JP3378082A JP3378082A JPH0125640B2 JP H0125640 B2 JPH0125640 B2 JP H0125640B2 JP 3378082 A JP3378082 A JP 3378082A JP 3378082 A JP3378082 A JP 3378082A JP H0125640 B2 JPH0125640 B2 JP H0125640B2
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JP
Japan
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methane fermentation
solid
liquid
treatment
heat
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JP3378082A
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Inventor
Koichi Kiryama
Yoshitaka Matsuo
Katsuyuki Kataoka
Takayuki Suzuki
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Ebara Corp
Original Assignee
Ebara Infilco Co Ltd
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Publication date
Application filed by Ebara Infilco Co Ltd filed Critical Ebara Infilco Co Ltd
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Publication of JPH0125640B2 publication Critical patent/JPH0125640B2/ja
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、下水、し尿、廃水等の処理汚泥又は
都市ごみ、その他産業廃棄物類の有機性廃棄物を
処理する方法に関するものである。 〔従来の技術〕 従来下水、し尿処理施設などの有機性汚泥を処
理する方法として、最も一般的に広く採用されて
いる代表的処理方法としては、有機性汚泥に有価
資源である高分子凝集剤と塩化第二鉄、石灰など
の脱水助剤とを多量に添加し、機械脱水機によつ
て脱水し、脱水ケーキとして乾燥、焼却するとい
うプロセスであるため、乾燥、焼却に重油などの
補助燃料を多量に消費し、しかも焼却排ガス又は
熱風によつて水分70〜80%程度の高水分脱水ケー
キを乾燥したのち焼却するため、堪え難い悪臭が
多量に発生し、これの悪臭防止対策として、発生
した悪臭ガスを直火燃焼脱臭、触媒燃焼脱臭、湿
式薬液洗浄、吸着などの各種の脱臭工程で脱臭す
るという手段によつているため、プロセスが複雑
となり、維持管理、維持経費上非常に問題があつ
た。 とくに、近年石油を取り巻く環境の悪化に伴つ
て省資源、省エネルギ、更には石油以外の形での
エネルギ生産が強く要求されるようになつてきて
おり、随所で種々様々な研究開発を経て、実施に
移されている。このエネルギ生産という形をとる
中では廃棄物や有用植物からエネルギ回収を行お
うとする姿勢が最も積極的であり、既に多数実施
されていて、なかでも代表的なものでは下・廃水
処理泥や都市ゴミをメタン発酵してメタンガスや
電気という形で回収する技術が提案されている。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかし、これらのメタン発酵技術にあつては、
また幾つかの問題点が存在し、これらを解決する
ことによつて更に技術的進歩が臨まれる。例え
ば、この従来技術では十分経済的に成り立つに足
るだけのメタンガス発生量が得られないか、ある
いはメタン発酵後の残留物の処理処分に却つて多
額の費用を要するという問題点があつた。即ち、
従来法では、メタン発酵にてエネルギを回収した
ものの、発酵残留物(以下、メタン発酵液と記
す)の処理処分がうまくいかず大きな問題点とな
つてきている。これを処理処分するには先ず固液
分離することが必要であるが、このメタン発酵液
は固液分離が大変困難で、この固液分離操作にメ
タン発酵処理工程で回収されるエネルギ以上のエ
ネルギを費やしているのが実状であり、何のため
のエネルギ回収かわからなくなつている欠点があ
つた。 本発明はこれら従来の有機性廃棄物の処理プロ
セスの不合理な数多くの問題点を解決し、生物分
解性を大幅に向上し悪臭ガス発生を防止しつつ、
メタンガス発生量をも増加し、メタン発酵液の固
液分離を極めて省エネルギ的に、効率よく処理す
ることが可能で安価なエネルギ生産と事後処理の
簡便化とができる有機物の処理方法を提供するこ
とを目的としたものである。 〔課題を解決するための手段〕 本発明は、下水汚泥などの有機性廃棄物をメタ
ン発酵処理した後、固液分離処理する方法にあた
り、有機性廃棄物を予め加熱温度175℃以上で加
熱処理してからメタン発酵処理し、そのメタン発
酵液を生物学的硝化あるいは生物学的硝化脱窒素
処理した後、無機凝集剤を添加して固液分離する
ことを特徴とするもので、メタンガス発生量を増
加し、あわせてメタンガス発酵液の固液分離をも
容易にすることができると共に、熱処理特有の問
題点とされる臭気や熱処理脱離液の処理、熱処理
工程で得られる廃熱の有効利用等の点で、従来よ
り存在する単に有機性廃棄物を熱処理した後メタ
ン発酵を行うという方法より優位な有効な方法で
ある。 〔作 用〕 即ち、下水汚泥など有機性廃棄物を熱処理を行
うと有機物が変性し、例えば加水分解を受けて低
分子化したり非溶解状の物質が溶解性に転じたり
して易分解性になるため、通常のメタン発酵では
分解されないような物質も生物分解が可能とな
る。そして熱処理による有機物変性については酸
性域、できることならばpH5以下で行われること
が望ましく、そのために、有機性廃棄物を予め酸
発酵して熱処理したり、酸性域あるいはpH5以下
になるように酸を添加するのが好ましい。この場
合、用いる酸としては有機酸或いは、鉱酸であれ
ば塩酸が望ましい。 例えば、熱処理に先だつて酸発酵を行つた場合
は酸発酵工程において容易に生物分解される有機
物は既に分解されており、酸発酵工程で分解され
ない有機物のみを熱処理工程で易生物分解性物質
に変性することに進中されるため、更にはpH値
が低いほど有機性廃棄物の流動化が良くなるため
熱処理工程の効率化が図られるのである。いずれ
にしろ熱処理を行うと生物分解可能な有機物が非
常に多く生成されるため後に続くメタン発酵処理
工程からのメタンガス発生量も通常のメタン発酵
処理工程からのメタンガス発生量も通常のメタン
発酵処理工程から発生する量より大変多くなり、
その分だけ回収できるエネルギ量を増すことがで
きるのである。そして酸性域あるいはpH5以下で
熱処理を行えば、一般にメタン発酵槽内のpHが
7.0〜8.0であるからこのpHの差がメタン発酵処理
反応を推進し得る。 このように有機性廃棄物の一種である下・廃水
処理汚泥を熱処理すると固液分離性が著しく改善
され、この熱処理による固液分離性の改善は、そ
の後メタン発酵処理しても損なわれない。 すなわち、メタン発酵槽から流出するメタン発
酵液を生物学的硝化あるいはそれに加えて脱窒素
した後、無機凝集剤を添加して固液分離するこ
と、例えばメタン発酵液に塩化第二鉄あるいは他
の酸性鉄塩無機凝集剤またはアルカリ性カルシウ
ム塩あるいはマグネシウム塩による無機凝集剤を
添加して加圧脱水することによつて極めて含水率
の低い脱水ケーキを得ることができる。一般にメ
タン発酵液のアルカリ度は3000〜5000mg/
asCaCO3と大変高いため塩化第二鉄、他の酸性
鉄塩、アルカリ性Ca塩、Mg塩などといつた無機
凝集剤を添加してもアルカリ度に消費され、肝腎
の固液分離時に効力を発する部分は極く僅か、と
いうことになる。言い換えれば固液分離時におけ
る最適の薬注率、これはとりも直さず最適のpH
領域に調整するに必要な薬注率であるが、これを
確保するには薬品の添加量をかなり多く要し、更
には凝集剤によつてアルカリ度分と反応して固液
分離に悪影響を与える物質を生成することすらあ
る。そこでメタン発酵液のアルカリ度を低くする
方法として生物学的硝化処理をすればアルカリ度
が大幅に減少し、無機凝集剤の添加量も著しく少
なくすることができた。硝化処理を試みる前に鉱
酸として安価な硫酸でアルカリ度除去を試みた
が、経費の上では硝化工程で用いる曝気の動力と
比較しても硫酸の方が経費がかかり、更に、無機
凝集剤として消石灰を用いると石膏が発生して固
液分離にとつてマイナスになることがわかつた。
これに対し、メタン発酵液を硝化処理した後消石
灰を添加して加圧脱水機で固液分離したところ、
硝化処理しないメタン発酵液に比べ消石灰の添加
量を大幅に減少することのできることが、また消
石灰を添加することによる汚泥からのアンモニア
の放散も減少することがわかつたのである。硝化
によりアルカリ度分が除去される反応を示すと次
のようになるが、 NH4HCO3+3/2O2→NO2 -+H++2H2O+CO2↑ これからも硝化によつてアルカリ度分である炭酸
が液中より放散する上、硝化によつてpH値が低
くなるので極めて容易に放散することがわかる。 なお本発明方法において前記熱処理における加
熱温度を175℃以上として処理するが、これは175
℃以下に比べて固液分離性が大幅に向上し、また
メタン発酵での有機物分解率が大幅に増大するか
らである。 このように本発明の最も好ましい実施態様は、
有機性廃棄物を、pHが5以下において175℃以上
で熱処理した後メタン発酵処理することで、175
℃以上とすることにより生物分解性が増加し、そ
れに伴つてメタンガス発生量が増大するのみなら
ず、メタン発酵液の固液分離性が改善され、そし
てpH5以下での熱処理とすることにより該廃棄物
の流動性が増し熱処理が効率よく行われ、熱処理
時間も短縮され、また熱処理装置本体、熱交換
器、およびこれらを介する配管内部へのスケール
の付着の問題が解決され、熱交換も効率よく行う
ことができるのである。 ところで、有機性廃棄物の熱処理を行うとかな
りの悪臭を発することが多く、特に下水処理汚泥
の熱処理において顕著なものであつたが、熱処理
後、メタン発酵処理を行うことにより悪臭成分が
かなり除去され二次公害の危険性も無くなるほ
か、熱処理脱離後の色度成分が非常に濃く、生物
処理のみの手段では色度成分の除去が大変困難で
あつたが固液分離に際し、少なくとも塩化第二鉄
などの無機凝集剤を用いる固液分離方法を採用す
れば色度成分をかなり除去することができた。 〔実施例〕 本発明を実施態様にしたがつて図面を参照して
説明すると、有機性廃棄物(好ましくはpH5以下
に調整されたもの)1は熱処理装置2に流入し、
175℃以上の温度で短時間の熱処理を受ける。そ
して所定時間の熱処理を受けた廃棄物を熱処理装
置2と熱交換9されたメタン発酵槽3に投入し、
十分にメタン発酵するに足る時間滞留させ、終始
または適宜撹拌を行つてメタン発酵処理する。こ
のメタン発酵槽3から流出する廃棄物を生物学的
硝化または生物学的硝化、脱窒素槽4(以下硝化
槽4)で処理した後、無機凝集剤5を添加し、固
液分離装置6で処理を行う。該固液分離工程で発
生する脱離液8は水処理系に返流し、必要に応じ
その一部を前記メタン発酵槽3に流入させて処理
してもよく、また分離した脱水ケーキ7は事後処
理例えば機械的脱水工程などを経て処分される。 前記硝化槽4において有機性廃棄物のメタン発
酵液は曝気されアンモニアは硝化菌によつて亜硝
酸あるいは硝酸に酸化されpHが低くなる。この
pHは硝化菌の阻害されるpH域である約5.5前後
まで低くなるが、このpHで曝気すると炭酸イオ
ン、重炭酸イオンはほとんど全て大気中に放散し
てアルカリ度が大幅に低下する。メタン発酵液は
濃度が高く、通常の活性汚泥処理法のような沈殿
池で硝化槽混合液を固液分離し、汚泥返送を行う
には極めて大きな沈殿池を必要とするので、硝化
は一過性の曝気をすることが望ましい。すなわ
ち、メタン発酵液を硝化槽4で硝化あるいは更に
脱窒素した後、その混合液を直接脱水処理するの
である。アルカリ度の除去が十分になされたメタ
ン発酵液は塩化第二鉄あるいは他の酸性鉄塩無機
凝集剤5を、メタン発酵液に対して固形物重量比
で2〜30%添加した後、アルカリ性Ca塩あるい
はMg塩を添加してpHを3.5〜5.0に調整する。但
し、塩化第二鉄あるいは他の酸性鉄塩無機凝集剤
5を添加した後pHが3.5〜5.0になればアルカリ性
Ca塩あるいはMg塩を添加する必要はない。また
アルカリ性Ca塩あるいはMg塩のみを添加する場
合はメタン発酵液に対して固形物重量比で5〜30
%添加するだけでその後のpH調整は必要としな
い。このように無機凝集剤5を添加されたメタン
発酵液は加圧脱水機で固液分離される。 硝化菌は一般のBOD酸化菌に比べて菌体の増
殖速度が小さいので硝化槽4の汚泥令が短いと硝
化槽4から硝化菌が洗出して硝化不能となるため
硝化槽4の容積は次式に示すように硝化菌の増殖
速度から求めるとよい。 △XS/Vo・XS≦μ △XS:余剰固形物発生量(Kg/日) Vo:硝化槽の容積(m3) XS:硝化槽固形物濃度(Kg/m3) μ:硝化菌の最大増殖速度(1/日) 通常の廃水であれば流入BODに対する固形物
発生量、流入SSに対する固形物発生量から余剰
固形物発生量を求めなければならないが、メタン
発酵液は生物分解性の有機物が既に分解除去され
ているのでメタン発酵液から発生する固形物は全
て余剰の固形物となり、硝化槽4の水温が25℃
(μ=0.31 1/日)とすれば、硝化槽4の容積は
次のように計算される。 Q・SO/XS・μ≦Vo Q:メタン発酵液流入量(m3/日) SO:メタン発酵液の固形物濃度(Kg/m3) SO=40Kg/m3とすると、XSはSOとほぼ同じと
みなさるから Vo≧Q/0.31=3.2Q(m3)となる。 すなわち1日に流入するメタン発酵液量の3.2
倍を硝化槽4の容積とすればよい。硝化菌の増殖
速度は40℃近くまでならば水温が高いほど大きく
なるので、硝化槽4に流入するメタン発酵液は硝
化槽4での曝気による放熱を考慮し、できるだけ
水温の高い状態で硝化槽4に流入することが望ま
しい。この意味からも、熱処理装置2とメタン発
酵槽3との間の熱交換9を効率よく利用してメタ
ン発酵温度を高温発酵域に設定するのが望まし
い。なお前記固液分離装置6は加圧脱水機が最も
好ましく加圧脱水機ならばどの機種でも効果的で
あるが、特に圧搾機構付が効果的で、過時間30
分、圧搾時間20分で含水率65%以下の脱水ケーキ
を得ることができる。とりわけ本発明では予め
175℃以上の加熱処理を行うことによつて固液分
離性が著しく改善され、かつこれがメタン発酵に
よつて失われることがないので、この固液分離性
の改善はメタン発酵液の固液分離においても効力
を有し、それだけ予め熱処理を行わない場合や
175℃よりも低い温度で熱処理を行う場合よりも
すぐれた固液分離結果を示す。 本発明は塩化第二鉄あるいは他の酸性鉄塩無機
凝集剤、またはアルカリ性Ca塩やMg塩による固
液分離の前処理に著しく効果的である。すなわち
メタン発酵液を硝化処理することにより、アルカ
リ度をほとんど除去できるので少量のこれら薬品
添加で容易にpHを上昇させたり下降させたりで
きる。また、メタン発酵液中の重炭酸、炭酸イオ
ンが消失するので、アルカリ性のCa塩やMg塩を
添加してもこれらの炭酸塩を生ずることがなく加
圧脱水機の布の目詰まりを防止することができ
る。更にメタン発酵処理によつてアンモニアが減
少しているため、pHの上昇に際してメタン発酵
液から放散するアンモニア量が少なくなり固液分
離部の環境も改善することができる。硝化槽4に
おけるアルカリ度はpH5.0になればほぼ消失する
がpH5.0においてアンモニアが全て硝化されてい
るわけではなく低pHのため硝化菌の硝化反応が
進まずアンモニアが残留している状態である。ア
ルカリ性Ca塩やMg塩を添加してpHが11近くま
で上昇した際にアンモニアの放散を完全に防止す
るためにはアンモニアを完全に硝化すればよい
が、このためには硝化槽4にアルカリ剤を添加し
てpHを中性付近に制御して残留アンモニアの硝
化を促進するとよい。あるいは硝化槽の前の部分
に脱窒素槽を設け、硝化された液を脱窒素槽に循
環して循環液中の硝酸、亜硝酸を還元して脱窒素
すれば硝化槽におけるpHの低下が緩和され、更
にはメタン発酵液中の窒素も除去できるのでなお
のこと好都合である。脱窒素反応は硝化反応とは
逆に嫌気的条件下で硝酸、亜硝酸を還元分解する
ものであるが、脱窒素の際には還元剤が必要とな
る。還元剤としてはメタン発酵液に残留している
BOD成分を利用できるが、還元剤の量として不
十分であればメタノールなどの炭素源を用いても
よい。 このように本発明は、有機性廃棄物のメタン発
酵処理に先だつて175℃以上の加熱処理を行つて
いるので生物分解可能な有機物が非常に多く生成
され、メタン発酵処理工程からのメタンガス発生
量も多くなる。そしてこれは熱処理に先だつて酸
発酵工程を経れば酸を添加せずとも、あるいはわ
ずかの添加でpH5以下で熱処理を行うことがで
き、有機性廃棄物の流動化が向上して熱処理が効
率よく行われるばかりか、メタン発酵処理を推進
し得る。また、175℃以上の加熱処理を行うこと
によつて改善されたメタン発酵液の固液分離性は
その後メタン発酵処理を行つても失われることが
なく、とりわけ加圧脱水機を用いることによつて
従来では考えられなかつたような低い含水率の脱
水ケーキを得ることができる。そして、この固液
分離工程においては、メタン発酵液を曝気して硝
化反応を起こすことによりアルカリ度を低下する
ことができるので無機凝集剤が回収分離に寄与で
きる最適のpH領域に調整するに必要な無機凝集
剤の添加量を大幅に減少することができ、かつ、
無機凝集剤としてアルカリ性Ca塩やMg塩を用い
てもそれらの炭酸塩を形成することもなく、した
がつて配管等へのスケールの付着や布の目詰ま
りを防止することができる。 更にはメタン発酵液を硝化することによりアン
モニアが減少するため固液分離時にアルカリ性
Ca塩やMg塩を用いてpHが上昇しても放散する
アンモニア量はわずかで、悪臭に悩まされること
もなく、固液分離の脱離液については硝化によつ
てアンモニアと同時にBODも減少し、また塩化
第二鉄やアルカリ性Ca塩やMg塩を用いることに
よつてリンが除去されるので水処理系に返流して
も大きな負荷となることはない。しかも本発明で
は熱処理の後、メタン発酵処理を行うことにより
悪臭成分がかなり除去され二次公害の危険性も無
くなる。また、色度成分についてはメタン発酵液
の固液分離に際し、塩化第二鉄あるいは他の酸性
鉄塩無機凝集剤またはアルカリ性Ca塩やMg塩と
いつた無機凝集剤を用いているが、少なくとも塩
化第二鉄あるいは酸性鉄塩無機凝集剤を用いるこ
とにより色度成分をかなり除去することができ
た。ここではこれらの凝集剤の添加量は添加後の
pHが3.5〜5.0になるような量でメタン発酵液の固
形物あたり2〜30%であつたが、これらを凝集助
剤として添加して固液分離すると、固液分離と同
時に熱処理過程で発生する着色成分をも除去でき
るのである。 本発明では有機性廃棄物の生物分解性が増大し
メタンガス発生量が増加するのみならず、メタン
発酵液の固液分解性が改善され、固液分離に必要
な凝集剤の添加量もかなり少なくすることがで
き、この際、無機凝集剤としてアルカリ性Ca塩
やMg塩を用いても、配管等へのスケールの付着
や固液分離装置の布の目詰まりを生じることが
ない。 また、固液分離の脱離液については、硝化によ
つてBODやアンモニアが減少しており、固液分
離に塩化第二鉄やアルカリ塩Ca塩やMg塩を用い
ることによつてリンが除去され、更には従来より
熱処理脱離液の最大の問題点であつた着色成分も
塩化第二鉄あるいは酸性鉄塩無機凝集剤を用いる
ことによつて除去できるため、脱離液は何ら案ず
ることなく水処理系に返流することができる。そ
の上熱処理操作にて発生する臭気は後に続くメタ
ン発酸処理工程で除去され、また175℃以上での
熱処理工程と効率よく熱交換することによりメタ
ン発酵を一般に言う高温発酵で行えばメタン発酵
槽内滞留時間の短縮化につながるばかりか、後に
続く硝化工程の短縮にもつながるのである。そし
て好ましくはpH5以下に調整して熱処理を行えば
熱処理装置内の有機性廃棄物の流動性が増し、熱
処理が効率よく行われるほか熱処理装置本体、熱
交換器、およびこれらを介する配管内部へのスケ
ール付着の問題も解決されるのである。 次に本発明に基づく実施例ならびに比較例を記
す。 実施例 1 全固形物濃度(以下TSと記す)3.5%、揮発性
固形物濃度(以下VSと記す)2.8%、強熱減量
(以下VS/TSと記す)78.4%、pH5.6の下水汚泥
を容量5のオートクレーブに入れ、175℃で30
分間熱処理するとpH5.9、Ts:3.5%、VS:2.5
%、VS/TS:78.2%の熱処理汚泥が得られ、こ
の臭気濃度は930000、脱離液の色度は520であつ
た。この熱処理汚泥を、52±1℃に維持し、連続
して撹拌されているメタン発酵槽に8日間滞留さ
せる(メタン発酵槽の容量は24)とVSの54%
が分解してガスが1日当たり57.1発生し、
pH7.6、TS:2.0%、VS:1.3%、VS/TS:62.3
%のメタン発酵液が得られた。これを容量10の
曝気槽で3日間十分に曝気(水温約30℃)した後
塩化第二鉄を固形物に対して4%添加し撹拌混合
してから過圧:4Kg/cm2、過時間:30分、圧
搾圧力:9Kg/cm2、圧搾時間:20分の条件で加圧
脱水を行つたところ含水率:64.3%の脱水ケーキ
が得られた。表−1にメタン発酵液、硝化処理液
および加圧脱水脱離後の性状を示す。
【表】 実施例 2 実施例1と同じ汚泥に塩酸を添加してpH4.9に
した後、容量5のオートクレーブに入れ、175
℃で15分間熱処理すると、pH5.0、TS:3.5%、
VS:2.8%、VS/TS:78.2%の熱処理汚泥が得
られ、この臭気濃度は1010000、脱離後の色度は
610であつた。この熱処理汚泥を、52±1℃に維
持し、連続して撹拌されているメタン発酵槽に8
日間滞留させる(メタン発酵槽の容量は24)
と、VSの62%が分解してガスが1日当たり56.9
発生し、pH7.7、TS:1.8%、VS:1.1%、
VS/TS:57.6%のメタン発酵液が得られた。こ
れを容量20の曝気槽で4日間、十分に曝気(水
温約30℃)した後、消石灰を固形物に対して10%
添加し、撹拌混合してから過圧:4Kg/cm2
過時間:30分、圧搾圧力:9Kg/cm2、圧搾時間:
20分の条件で加圧脱水を行つたところ、含水率:
62.7%の脱水ケーキが得られた。メタン発酵液、
硝化処理液および加圧脱水脱離液の性状を表−2
に示す。
【表】 比較例 実施例1、2と同じ下水汚泥を容量5のオー
トクレーブに入れ、75℃で30分間熱処理すると、
pH5.8、TS:3.5%、VS:2.8%、VS/TS:78.2
%の熱処理汚泥を得た。この熱処理汚泥の臭気濃
度は930000、脱離後の色度は520で、これを35±
1℃に維持し、連続して撹拌されているメタン発
酵槽に15日間滞留させる(メタン発酵槽の容量45
)とVSの51%が分解してガスが1日当たり
53.2発生し、pH7.6、TS:2.1%、VS:1.4%、
VS/TS:64.2%のメタン発酵液が得られた。こ
れを1日静置すると沈降濃縮して濃縮汚泥の占め
る容量は23%となり、TS:7.4%、VS:4.8%の
濃縮汚泥が得られた。このときの沈降分離水は色
度:550、臭気濃度760であつた。得られた濃縮汚
泥にTSあたり塩化第二鉄を20%、消石灰を50%
添加し、過圧:4Kg/cm2、過時間:30分、圧
搾圧力:9Kg/cm2、圧搾時間:20分という条件で
加圧脱水を行つたところ、含水率70.3%の脱水ケ
ーキが得られた。この脱水脱離液は色度:17、臭
気濃度:330であつた。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明方法の一実施態様のフローシート
である。 1……有機性廃棄物、2……熱処理装置、3…
…メタン発酵槽、4……硝化槽、5……無機凝集
剤、6……固液分離装置、7……脱水ケーキ、8
……脱離液、9……熱交換。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 有機性廃棄物を加熱温度175℃以上で加熱処
    理したのち、メタン発酵処理し、該メタン発酵液
    を生物学的硝化あるいは生物学的硝化脱窒素処理
    し、次いで無機凝集剤を添加して固液分離するこ
    とを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。 2 前記加熱処理工程が前記有機性廃棄物をpH5
    以下に調整したのち加熱処理するものである特許
    請求の範囲第1項記載の処理方法。 3 前記メタン発酵工程が、前記加熱処理工程と
    の間で熱交換して行われるものである特許請求の
    範囲第1項又は第2項記載の処理方法。 4 前記固液分離工程が、塩化第二鉄或いは酸性
    鉄塩、アルカリ性カルシウム塩又はアルカリ性マ
    グネシウム塩のいずれかの無機凝集剤を添加して
    処理されるものである特許請求の範囲第1項乃至
    第3項の少なくともいずれか一つの項記載の処理
    方法。 5 前記固液分離工程が、塩化第二鉄或いは酸性
    鉄塩の無機凝集剤と、その凝集助剤としてアルカ
    リ性カルシウム塩或いはマグネシウム塩とを併用
    添加して処理されるものである特許請求の範囲第
    1項乃至第3項の少なくともいずれか一つの項記
    載の処理方法。
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