JP2009066558A - バイオガスシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】アンモニアストリッピングを行った後の消化液を、メタン生成菌に酸化ストレスを与えることなくメタン生成菌が活性状態にあるメタン発酵槽に返送し、利用することのできるバイオガスシステムを提供すること。
【解決手段】バイオマスを、メタン生成菌が活性状態にあるメタン発酵槽10に導入して50℃を超える高温でメタン発酵するメタン発酵工程1と、前記メタン発酵槽10から抜き出された消化液をアンモニアストリッピング装置30に導入しアンモニアを放散させるアンモニアストリッピング工程3と、前記アンモニアを放散させた消化液中に溶解した酸素を除去する脱酸素工程6とを有し、前記脱酸素工程6で脱酸素した消化液の少なくとも一部を前記メタン発酵槽10に返送することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明はバイオガスシステムに関し、詳しくはアンモニアストリッピングを行った後の消化液を、メタン生成菌に酸化ストレスを与えることなくメタン発酵槽に返送し、利用することができるバイオガスシステムに関する。
畜産し尿などの有機性廃棄物をメタン発酵処理し、メタンガスを得て電気や熱を回収するバイオガスシステムはバイオエネルギー技術として注目されている。
メタン発酵は、導入されるバイオマス中の有機物を、微生物が分解し(加水分解、酸発酵、メタン発酵)、最終的に主にメタンと二酸化炭素とからなるバイオガスを得るものである。
メタン発酵の方式としては、バイオマスの導入からメタン発酵までの全ての反応を1つのメタン発酵槽で行うシステムのほか、通性嫌気性の加水分解菌及び酸発酵菌による加水分解及び酸発酵を行う酸発酵槽と、絶対嫌気性のメタン生成菌によるメタン発酵を行うメタン発酵槽をそれぞれ設けて、2槽を組み合わせるシステムがある。
メタン発酵は、いずれの場合も微生物を利用しているため、発酵不良が起こらないように、有機物負荷や、各種ストレスに留意しなければならない。
一般に、メタン発酵槽から取り出される消化液には、メタン発酵に関わる微生物の菌体も含まれた状態で、約4.5wt%の未利用の強熱減量(有機物量)が残留している。
しかし、消化液中には発酵によって生じた窒素成分(アンモニア、亜硝酸態窒素など)が溶解しており、窒素成分の濃度が高くなると、特にメタン発酵温度が高温であるほど顕著に発酵阻害を起こしてしまうので、メタン発酵槽内からアンモニア成分を除去するために、未利用の有機物が残留していても消化液ごとメタン発酵槽外に排出しなければならなかった。
このアンモニア成分を除くことができれば、消化液中の未利用の有機物を利用できるのではないかと考え、特許文献1では、MF膜、特許文献2では、拡散透析または電気透析による膜分離を行ってアンモニア成分を分離し、アンモニア成分を除いた消化液をメタン発酵槽へ返送している。
特許文献1で使用している膜は、消化液中のアンモニアだけを選択的に除去できるものではない。特許文献2では、拡散透析または電気透析であるため、除去選択性が向上している。しかし、実施例によると、アンモニア性窒素の除去率は50%程度であり、アンモニア除去性能は十分とはいえない。
アンモニア除去効率の点でいえば、膜処理よりも、物理的にアンモニアを放散させて回収するアンモニアストリッピングのほうがより効率が良い。
特許文献3では、アンモニアストリッピングによってアンモニアを分離した消化液を、可溶化処理槽(酸発酵槽)やその前段にある混合槽に返送し、バイオマスの希釈水として利用し、酸発酵槽に導入している。
特開平1−218696号公報 特開2007−044579号公報 特開2006−218429号公報 特開2005−193146号公報 膜とアンモニアストリッピングを併用
しかし、消化液を可溶化処理槽に希釈水として返送すると、問題があることを見出した。
メタン発酵は、大きく3つの過程(加水分解、酸発酵、メタン発酵)に分類されている。
メタン発酵槽に導入されたバイオマスは、主に、高分子化合物、すなわち炭水化物(デンプン、セルロースなど)、脂肪、蛋白質で構成されている。これら高分子物質を、その構成化合物(単糖類や、アミノ酸、脂肪酸、グリセリンなどの低分子化合物)に加水分解するのが加水分解菌と呼ばれる微生物群による反応である。
次に、低分子化合物は、酸発酵菌と呼ばれる微生物群により、酢酸などの低級脂肪酸、アルコールなどに分解する。
そして、最後にメタン生成菌と呼ばれる微生物群によって、メタンが生成する。メタン生成は、酢酸、蟻酸、水素と二酸化炭素による反応が主に知られている。
メタン発酵槽から排出される消化液は、約4.5%の有機物量を含んでいるが、消化液中に残されている有機物は、各微生物群の分解速度の差から、ある程度分解された糖類などの低分子量の有機物と考えることができる。
低分子量の有機物は、加水分解菌などのように高分子の有機物を基質とし、低分子の有機物に分解することで活動エネルギーを得ている微生物にとっては、利用価値が少ない有機物であり、むしろメタン生成菌(や酸発酵菌)にとって利用価値の高いものといえる。
特許文献3は、この消化液を、可溶化処理槽に返送して、例えば、10〜15%の有機物濃度に調整している。しかし、この特許文献3は有機物の濃度の調整は可能であるが、同時に低分子有機物質と高分子有機物質を混合してしまい、その混合状態については全く認識していない。つまり、濃度と分子量の違いについて全く考慮されていない。本発明者の解析によると、有機物濃度の約3分の1が低分子有機物質が混合された状態になっている。この低分子有機物質は、加水分解菌には利用価値のない有機物である。
一方、消化液をメタン発酵菌が活動している場所に直接返送させようと考えると、別の問題がある。
アンモニアストリッピングは、アンモニアストリッピング装置内で消化液と空気とを接触させ、アンモニアを気体として取り出すものである。
当然アンモニアストリッピングを終えた消化液は、多くの空気と接触して、消化液内にほぼ可溶上限の酸素を溶解させた状態になる。
本発明者らは、メタン生成菌が活性状態にあるメタン発酵槽で行うバイオガスシステムでは、アンモニアストリッピングをしたままの消化液をメタン発酵槽に返送した場合、大きな問題があるということを見出した。
溶存酸素の高い消化液をメタン発酵槽に返送してしまうと、低分子量の有機物を返送するメリットよりも、消化液中の溶存酸素が酸化ストレスとなって、メタン生成菌にダメージを与え、反対にメタン発酵効率が低下してしまうというデメリットの方が大きく、そのまま返送することができないという問題があることを見出した。
本発明者らはこれらの問題を解決し、バイオガスシステムにおいて、消化液の低分子の有機物を有効に利用することができないかと鋭意研究に励んだ結果、本発明を完成させるに至った。
そこで、本発明の課題はアンモニアストリッピングを行った後の消化液を、メタン生成菌に酸化ストレスを与えることなくメタン生成菌が活性状態にあるメタン発酵槽に返送し、利用することのできるバイオガスシステムを提供することにある。
本発明の他の課題は以下の記載によって明らかとなる。
上記課題は以下の各発明によって解決される。
(請求項1)
バイオマスを、メタン生成菌が活性状態にあるメタン発酵槽に導入して50℃を超える高温でメタン発酵するメタン発酵工程と、
前記メタン発酵槽から抜き出された消化液をアンモニアストリッピング装置に導入しアンモニアを放散させるアンモニアストリッピング工程と、
前記アンモニアを放散させた消化液中に溶解した酸素を除去する脱酸素工程とを有し、
前記脱酸素工程で脱酸素した消化液の少なくとも一部を前記メタン発酵槽に返送することを特徴とするバイオガスシステム。
(請求項2)
前記脱酸素工程が、消化液を1時間以上24時間以内滞留させることを特徴とする請求項1記載のバイオガスシステム。
(請求項3)
前記メタン生成菌が活性状態にあるメタン発酵槽が、バイオマスを受け入れ、同一の槽内でバイオマスの加水分解、酸発酵、メタン発酵が進行している請求項1又は2記載のバイオガスシステム。
(請求項4)
前記メタン生成菌が活性状態にあるメタン発酵槽が、あらかじめバイオマスを加水分解および酸発酵して低分子化された原料を受け入れ、槽内で主にメタン発酵が進行している請求項1又は2記載のバイオガスシステム。
(請求項5)
前記メタン発酵槽から抜き出される消化液から二酸化炭素を除去する調整工程を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のバイオガスシステム。
(請求項6)
前記アンモニアストリッピング工程でストリッピングしたアンモニアを回収する回収工程と、
前記アンモニア回収工程で回収したアンモニアを導入して亜硝酸化及び脱窒を行う共脱窒工程を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のバイオガスシステム。
本発明によれば、アンモニアストリッピングを行った後の消化液を、メタン生成菌に酸化ストレスを与えることなくメタン発酵槽に返送し、利用することができるバイオガスシステムを提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のメタン発酵方法に用いられるバイオマス(有機性廃棄物)としては、例えば畜産廃棄物(例えば牛、豚、羊、山羊、ニワトリなどの家畜糞尿や飼料残渣、敷稈)、緑農廃棄物、生ごみ、農水産業廃棄物、食品加工廃棄物、廃水処理汚泥(例えば下水処理汚泥やし尿処理汚泥など)などを挙げることができ、これらバイオマスの2以上の種類を組み合わせてメタン発酵原料とする共発酵を行うこともできる。
本発明において、メタン発酵槽は、メタン生成菌が活性状態にあって活発に活動し、最終物質のメタンガスの生成が行われている槽を指す。
本発明において、メタン生成菌が活性状態にあるというのは、メタン発酵槽内で、メタン生成菌が低分子量の有機物を分解してメタンを生成している状態であることを意味する。
本発明では、(A)バイオマスをメタン発酵槽に受け入れ、同一の槽内でバイオマスの加水分解、酸発酵、メタン発酵を進行させる態様であってもよいし、(B)バイオマスをメタン発酵槽に受け入れる前に、加水分解および酸発酵して低分子化した後、その原料を、メタン発酵槽に受け入れ、メタン発酵させる態様のいずれでもよい。
ここで、再度、加水分解、酸発酵、メタン発酵の3つの過程に分類されるメタン生成までの分解反応について説明する。
メタン発酵槽に導入されたバイオマスは、主に、高分子化合物、すなわち炭水化物(デンプン、セルロースなど)、脂肪、蛋白質で構成されている。これら高分子物質を、その構成化合物(単糖類や、アミノ酸、脂肪酸、グリセリンなどの低分子化合物)に加水分解するのが加水分解菌と呼ばれる微生物群による反応である。
次に、低分子化合物は、酸発酵菌と呼ばれる微生物群により、酢酸などの低級脂肪酸、アルコールなどに分解する。
そして、最後にメタン生成菌と呼ばれる微生物群によって、メタンが生成する。メタン生成は、酢酸、蟻酸、水素と二酸化炭素による反応が主に知られている。
酢酸による生成反応:CHCOOH-+HO→CH+HCO
蟻酸による生成反応:4HCOOH-+2H+→CH+CO+2HCO
水素と二酸化炭素による生成反応:4H+CO→CH+2H2
なお、これら3つの過程のうち、加水分解菌、酸発酵菌は、通性嫌気性であり、菌体の増殖速度が早く、そのためのエネルギーを得るための反応(分解)速度も早い。一方、メタン生成菌は、絶対嫌気性であり、菌体の増殖速度が遅い。
加水分解菌、酸発酵菌は通性嫌気性菌なので、酸素の存在が与える影響は比較的少なく、酸素は積極的に排除すべき対象ではない。
絶対嫌気性菌のメタン生成菌は、分子状酸素の存在(酸化ストレス)によってその活動が著しく阻害される。菌種によって酸素の許容範囲に幅はあるが、酸素存在下ではメタン生成菌の多くは死滅、あるいは生存していても活動することのできない活動停止状態に陥る。そのため、最終物質のメタン生成が行われているメタン発酵槽は、酸素の存在しない嫌気状態に維持されている必要がある。
メタン発酵槽から排出される消化液は、約4.5%の有機物量を含んでいる。消化液中に残されている有機物は、各微生物群の分解速度の差から、ある程度分解された糖類などの低分子量の有機物と考えることができる。
低分子量の有機物は、加水分解菌などのように高分子の有機物を基質とし、低分子の有機物に分解することで活動エネルギーを得ている微生物にとっては、利用価値が少ない有機物であり、むしろメタン生成菌にとって利用価値の高いものといえる。
消化液中の酸素による酸化ストレスの問題を克服することができれば、消化液は、低分子の有機物/低級脂肪酸などを利用するメタン生成菌が活動し、メタン生成が活発な槽へ返送することが、有機物の有効利用の点で好ましい。
また本発明では、メタン発酵槽とは別に加水分解槽を有する態様の場合に、その加水分解槽にメタン発酵槽から排出される消化液を返送しないことが重要である。加水分解菌の活性を阻害する要因を排除するためである。
図1は本発明のバイオガスシステムを実施する好ましい態様を示すフロー図である。
図1において、1はメタン発酵工程であり、2は調整工程であり、3はアンモニアストリッピング工程であり、4はアンモニア回収工程、5は共脱窒工程、6は脱酸素工程である。
図1において、メタン発酵工程1は、バイオマスを受け入れる。バイオマスの受け入れ方としては、例えば1日3回投入する場合は、8時間毎にするように、時間的な間隔をおいて投入する。メタン発酵工程1は、同一の槽内でバイオマスの加水分解、酸発酵、メタン発酵を進行させるメタン発酵槽10からなり、50℃を超える高温、好ましくは60℃〜80℃で、メタン発酵が行われる。
メタン発酵によって得られたバイオガスは、バイオガス輸送管11により、次の精製工程に送られる。バイオガスの精製工程としては、例えば生物脱硫法が挙げられる。
消化液は、消化液排出管12を通して、調整工程2に送られる。
調整工程2では、貯留槽21内において、消化液中の二酸化炭素の除去と、消化液の滅菌が行われる。図2は、本発明における調整工程2を示す図である。
消化液には、大過剰の二酸化炭素が溶解しているので、メタン発酵槽内の分圧と、メタン発酵槽外の分圧の差から、大気に開放するだけでもある程度の二酸化炭素が放散される。
そのため、図2においては、タンク状の貯留槽21の上部に、二酸化炭素排出口22を設け、二酸化炭素排出口22から放散された二酸化炭素を外部に排出している。貯留槽21の構造は、放散された二酸化炭素を排出することができれば限定されない。また、貯留槽21に隣接して消化液から放出された二酸化炭素を回収する設備(図示せず)などを設ければ、二酸化炭素を回収し、利用することもできる。
この二酸化炭素の放散によって、消化液中の重炭酸イオンが減少し、消化液のpHを1程度上昇させることができ、アンモニアストリッピングに適した状態に調整することができる。
さらに、貯留槽21は、消化液の温度が70℃を超えていない場合に、70℃を超える環境下におくための加温装置23を備えていることが好ましい。加温装置23により、貯留槽21内の消化液は70℃を超えるように加温され、30分以上その状態を維持する。
加温装置23としては、コージェネレーションの熱水を利用する温水コイルなどが好ましく、熱源としては、本発明により得られるバイオガスを燃焼させて生成する熱エネルギーを用いることが低コスト化を図る上で好ましい。
調整槽21内で、70℃を超える環境下に30分以上という、高温の環境下に置かれることによってバイオマス中の病原菌などが殺菌され、脱窒後消化液の衛生上の問題(消化液に含まれる病原菌等の殺菌や雑草の種子の不活性化を行わなければならない)を解決することができる。30分以下では、上記の問題が解決しない。なお、この温度保持時間には効果の上で必要な上限はない。
また、加温されて消化液の温度が上がることにより、アンモニアが放散しやすい状態になる。
この調整工程2では、二酸化炭素の放散をすることで消化液のpHを上昇させることができ、殺菌のために加温することで、アンモニアが更に放散しやすい状態とすることができるので、消化液輸送管24を通して、次のアンモニアストリッピング工程で効率的にアンモニアストリッピングを行うことができる。
3はアンモニアストリッピング工程である。アンモニアストリッピング工程3はアンモニアストリッピング装置30を備える。アンモニアストリッピング装置30の構成例を図3に示す。
アンモニアストリッピング装置30は、アンモニア放散塔である。図3は、アンモニアストリッピング装置30の下に、脱酸素工程6の貯留タンク61を設置した態様を示している。
消化液は、消化液輸送管24、送液ポンプ304を通してアンモニアストリッピング装置30に導入される。
アンモニアストリッピング装置30の例としては、内部に多孔板306が設けられ、多孔板306上に樹脂、金属、セラミックで形成される各種の充填材307が充填される。充填材307の上方には消化液輸送管24と接続されたスプレーノズル308が設けられ、消化液を充填材307に散布可能に構成されている。
アンモニアストリッピング装置30の下部には空気導入口305があり、コンプレッサ又はブロワ309により空気を導入する。
コンプレッサ又はブロワ309から導入する空気もあらかじめ加温されていることが好ましい。
消化液輸送管24から送られてくる消化液は、二酸化炭素が除かれているため、アンモニアストリッピング装置30にて発生する気体はほとんどがアンモニアのみであり、アンモニアストリッピング装置30の容量を小さくすることができ、またコンプレッサ又はブロワ309により導入しなければならない空気量も少なくすることができる。更に70℃を超える高温に加温されているので効率よくアンモニア放散が行われる。
アンモニアストリッピング装置30において、放散されたアンモニアは、ガス状あるいはミスト状でアンモニアストリッピング装置30の上方に設けたアンモニア排出口312から排出され、アンモニア回収工程4に送られる。
アンモニア回収工程4は凝縮器41を備えている。凝縮器41は水を蓄えており、アンモニア排出口312から排出されたガス状あるいはミスト状となったアンモニアを凝集器41内部に蓄えた水に吸収させアンモニア水とする。
アンモニアは水に溶解しやすいので比較的容易にアンモニア水として回収できる。
回収したアンモニア水は、アンモニア性窒素を亜硝酸性窒素に酸化する独立栄養型のアンモニア酸化細菌と、前記亜硝酸性窒素とアンモニアの反応により窒素を生成するアナモックス菌を担持した繊維性処理材を用いて同時に脱窒を行う共脱窒工程5に送られる。
なお、脱窒処理されて窒素分を除いた水の一部は凝集器へ返送され、再びアンモニアを吸収する。
共脱窒工程5は、共脱窒リアクタからなる。
共脱窒リアクタは独立栄養性アンモニア酸化細菌と、アナモックス菌を担持した微生物担体を備えており、アンモニア水(以下、被処理液とする)を導入し、被処理液のpH、DO、酸化還元電位(ORP)の少なくともいずれか一つ以上を調整して、アンモニア性窒素から亜硝酸を生成し、該生成した亜硝酸とアンモニアの反応により窒素を生成して共脱窒を行うように反応速度論的な制御を行うもの、独立栄養性アンモニア酸化細菌と、アナモックス菌を担持した導電性微生物担持電極を備え、導電性微生物担持電極に対してカーボンプレートなどを用いた対極を設置し、微生物電極の電位を調節することによってアンモニア含有水の共脱窒を行うものなどの態様が挙げられ、どの態様を用いるかは限定されない。
アンモニアストリッピング装置でアンモニア成分を除いた消化液(脱窒消化液)は、アンモニアストリッピング装置30下部の接続管310を通して脱酸素工程6へ送られる。
脱酸素工程6は、貯留タンク61を備え、アンモニアストリッピングを終えた消化液は、貯留タンク61に導入され、貯留タンク61内で、消化液中のCOD或いはBODにより溶解した酸素が消費される(脱酸素)。消化液の好ましい滞留時間は1時間〜24時間、さらに好ましくは2時間〜5時間である。
滞留時間が1時間より短いと、消化液中の酸素の消費が十分でなく、24時間以内に消化液中の溶存酸素は全て消費されるので、24時間を越えてタンクに滞留させる必要がない。
脱酸素により、消化液は嫌気状態になる。すると、酸素の影響で活動停止状態になって存在していたメタン生成菌が、活動状態に再生することが期待できる。メタン発酵槽に活動状態にあるメタン生成菌を添加することができ、メタン発酵槽内のメタン生成菌の菌体濃度を高く維持できるという利点もある。
好ましい滞留時間経過後、返送管62から、消化液の少なくとも一部がメタン発酵槽に返送される。
返送管62はメタン発酵槽に直接接続されても良いし、メタン発酵槽10にバイオマスを供給するバイオマス供給管13へ接続してもよい。
貯留タンク61は、一態様として、貯留タンク61内部に図示しない機械式の攪拌機等を設ければ、脱酸素がより早く進行し、滞留させる時間を短くすることができる。
また、貯留タンク61内を攪拌しない他の態様では、時間の経過に従って、消化液中のSS成分が沈降する。貯留タンク61底部では、固形分濃度が多い状態となるので、貯留タンク61底近傍から消化液を引き抜くようにすれば、より有機物量の多い消化液をメタン発酵槽10へ返送することができる。また、上部の固形分濃度が薄い消化液は、メタン発酵槽10へ返送せずに排出管63から排出して水処理設備などへ移送し、廃棄することもできる。廃棄する場合も、アンモニア成分が除かれているため、比較的処理が容易になっている。
メタン発酵槽10へ返送される消化液は貯留タンク61において脱酸素しているため、メタン発酵槽へ返送してもメタン発酵槽内のメタン生成菌に酸化ストレスを与えることなく消化液中の有機物をメタン発酵に利用することができる。
図4は本発明のバイオガスシステムを実施する他の態様を示すフロー図である。
図4において、1はメタン発酵工程であり、メタン発酵工程1は、メタン発酵槽10A及び酸発酵槽10Bからなる。
メタン発酵工程1は、まず、酸発酵槽10Bにバイオマスを受け入れる。酸発酵槽10B内では、バイオマスの加水分解、酸発酵が行われ、高分子有機物は低分子化される。その後、低分子化されたバイオマスがメタン発酵槽10Aに導入され、メタン発酵が行われ、バイオガスが得られる。
図4の態様では、メタン発酵槽10Aが、バイオマスを加水分解および酸発酵して低分子化された原料を受け入れ、槽内で主にメタン発酵が進行している槽にあたる。
以下、調整工程2、アンモニアストリッピング工程3、アンモニア回収工程4、共脱窒工程5、および脱酸素工程6は図1と同様であるので詳細な説明は省略する。
脱酸素工程6より消化液を返送する返送管62は、酸発酵槽10Bではなく、メタン発酵槽10Aに接続することができる。
脱酸素工程6により、消化液中の溶存酸素が除かれているので、酸化ストレスを与えることなく、メタン生成菌にとって利用価値のある有機物を、メタン発酵槽10Aに直接返送することができる。
本発明のメタン発酵システムを実施する好ましい態様を示すフロー図 本発明に用いる調整手段の例を示す図 本発明に用いるアンモニアストリッピング工程及び脱酸素工程の装置例を示す図 本発明のメタン発酵システムを実施する他の好ましい態様を示すフロー図
符号の説明
1:メタン発酵工程
10:メタン発酵槽
10A:メタン発酵槽
10B:酸発酵槽
11:バイオガス輸送管
12:消化液排出管
13:バイオマス供給管
2:調整工程
21:貯留槽
22:二酸化炭素排出口
23:加温装置
24:消化液輸送管
3:アンモニアストリッピング工程
30:アンモニアストリッピング装置
304:送液ポンプ
305:空気導入口
306:多孔板
307:充填材
308:スプレーノズル
309:コンプレッサ又はブロワ
310:接続管
311:ドレンバルブ
312:アンモニア排出口
4:アンモニア回収工程
41:凝縮器
5:共脱窒工程
6:脱酸素工程
61:貯留タンク
62:返送管
63:排出管

Claims (6)

  1. バイオマスを、メタン生成菌が活性状態にあるメタン発酵槽に導入して50℃を超える高温でメタン発酵するメタン発酵工程と、
    前記メタン発酵槽から抜き出された消化液をアンモニアストリッピング装置に導入しアンモニアを放散させるアンモニアストリッピング工程と、
    前記アンモニアを放散させた消化液中に溶解した酸素を除去する脱酸素工程とを有し、
    前記脱酸素工程で脱酸素した消化液の少なくとも一部を前記メタン発酵槽に返送することを特徴とするバイオガスシステム。
  2. 前記脱酸素工程が、消化液を1時間以上24時間以内滞留させることを特徴とする請求項1記載のバイオガスシステム。
  3. 前記メタン生成菌が活性状態にあるメタン発酵槽が、バイオマスを受け入れ、同一の槽内でバイオマスの加水分解、酸発酵、メタン発酵が進行している請求項1又は2記載のバイオガスシステム。
  4. 前記メタン生成菌が活性状態にあるメタン発酵槽が、あらかじめバイオマスを加水分解および酸発酵して低分子化された原料を受け入れ、槽内で主にメタン発酵が進行している請求項1又は2記載のバイオガスシステム。
  5. 前記メタン発酵槽から抜き出される消化液から二酸化炭素を除去する調整工程を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のバイオガスシステム。
  6. 前記アンモニアストリッピング工程でストリッピングしたアンモニアを回収する回収工程と、
    前記アンモニア回収工程で回収したアンモニアを導入して亜硝酸化及び脱窒を行う共脱窒工程を有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のバイオガスシステム。
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