JP4292610B2 - 有機性排水の処理装置 - Google Patents

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    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、し尿、産業排水、下水などの有機性排水の処理装置に係り、特に、副産物である余剰汚泥の発生を減少させた上でエネルギー効率良く有機性排水を生物処理するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機性排水の処理方法としては、好気性微生物を用いる活性汚泥法などの好気性生物処理法と、メタン生成菌などの嫌気性微生物による嫌気性生物処理法とがある。このうち、好気性生物処理では、有機物分解に伴って増殖する余剰菌体(汚泥)の処理・処分が大きな課題となっている。一方、メタン生成細菌などの嫌気性微生物による嫌気性生物処理であれば、有機物の菌体への転換効率が好気性生物処理と比較して小さいことから、余剰汚泥の発生量が少ないという利点があり、この方法は濃厚スラリー処理や食品排水、化学排水などの処理に利用されている。
【0003】
しかし、嫌気性生物処理の単独処理では、放流水の水質基準を達成できない場合が多く、通常は、好気性生物処理を後段に付加するかたちで処理が行われている。この方法であれば、好気性生物処理工程からの余剰汚泥の発生量は、好気性生物処理の単独処理の場合と比較すると1/3程度又はそれ以下に減少されるが、この場合においても依然として多量の余剰汚泥が排出され、このことが、排水処理コストの高騰の原因となっている。
【0004】
一方、活性汚泥法による処理に当り、曝気槽の流出汚泥液又はその濃縮液を熱処理してから活性汚泥処理工程に返送することにより、余剰汚泥の発生量を減少させ、場合によってはその発生量をゼロにすることができることが知られており、特開平9−276887号公報には、活性汚泥処理液を固液分離し、得られた分離汚泥の一部を濃縮した後加熱処理したものを、該分離汚泥の残部と共に活性汚泥処理工程に返送する方法が記載されている。しかし、加熱した汚泥を活性汚泥処理工程に戻すと、活性汚泥処理工程の曝気槽の温度が上昇し、このため酸素の溶解速度が低下して曝気のための空気量が増加したり、著しい場合には高温のために活性汚泥の構成微生物が死滅するなどの問題が生起する恐れがある。
【0005】
このような問題を解決し、有機性排水を嫌気性生物処理した後好気性生物処理する生物処理システムにおいて、余剰汚泥の発生量を更に低減すると共に、エネルギーの有効利用を図る有機性排水の処理方法として、本願出願人は先に、有機性排水を嫌気性生物処理した後好気性生物処理し、好気性生物処理液を処理水と汚泥とに固液分離する生物処理方法において、分離汚泥の少なくとも一部を加熱し、加熱された汚泥を固形分含量の多い汚泥分と固形分含量の少ない液分とに分離し、該分離液分を嫌気性生物処理工程に返送し、該分離汚泥分を好気性生物処理工程に返送する方法を提案した(特開平10−192889号公報)。
【0006】
この方法によれば、汚泥の加熱により汚泥を減容化すると共に、加熱された汚泥(以下「改質汚泥」と称す場合がある。)を固液分離して得られる温度の高い分離液分を嫌気性生物処理工程に戻すことで、嫌気槽を加温して熱の有効利用を図った上で、効率的な処理を行える。即ち、嫌気性生物処理工程では、多くの場合、被処理排水を加温してメタン生成菌の活性を維持する操作が行われている。例えば、この加温の程度は中温嫌気処理では25〜40℃、高温嫌気処理では50〜60℃である。特開平10−192889号公報記載の方法では、改質汚泥の分離液分の熱を嫌気処理のための加温エネルギーとして回収、有効利用する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平10−192889号公報に記載される方法では、次のような不具合があった。
【0008】
▲1▼ 改質汚泥の固液分離手段を必要とするため、そのための装置、運転コストが嵩む。即ち、改質汚泥の全量を嫌気槽に戻すと、改質汚泥中の固形分が嫌気槽内で蓄積されてしまうことから、改質汚泥を嫌気槽に戻す場合は、改質汚泥を固液分離して液分のみを戻す必要がある。このため固液分離が必須条件となる。
▲2▼ 改質汚泥の一部のみを嫌気性生物処理工程に返送するため、嫌気槽での熱回収効率が十分でない。
▲3▼ 生物処理工程で分離された汚泥を、加熱改質後、更に固液分離することにより、固形分濃度が高まり、配管移送が困難となる。また、このように2度の固液分離を経た高濃度の分離汚泥分を好気性生物処理工程に戻すと、この汚泥が好気槽内において十分均一に分散されず、未処理部分が発生する。
【0009】
本発明は上記従来の問題点を解決し、有機性排水を嫌気性生物処理した後好気性生物処理する生物処理装置において、加熱による汚泥の改質を行って余剰汚泥の発生量を低減すると共に、この加熱エネルギーを効率的に回収して有効利用することができ、しかも、装置構成の簡易な有機性排水の処理装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の有機性排水の処理装置は、有機性排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理手段と、該嫌気性生物処理手段からの流出水を好気的に生物処理する好気性生物処理手段と、該好気性生物処理手段からの流出液を、処理水と汚泥とに分離する固液分離手段と、該好気性生物処理手段からの流出汚泥及び/又は該固液分離手段の分離汚泥の少なくとも一部を加熱する加熱処理手段と、該加熱処理手段で加熱された汚泥を前記好気性生物処理手段に返送する返送手段とを備える有機性排水の処理装置であって、該好気性生物処理手段に返送される加熱された汚泥と前記嫌気性生物処理手段に導入される有機性排水との間で熱交換する熱交換器を設けたことを特徴とする。
【0011】
本発明は、有機性排水を嫌気性生物処理した後好気性生物処理する装置において、改質汚泥の全量と被処理有機性排水とを熱交換することにより、単純な装置構成で、改質汚泥の加熱処理に使用されたエネルギーを回収して、嫌気性生物処理のための加温エネルギーとして有効利用すると共に、好気性生物処理における温度上昇を防止するものである。
【0012】
本発明では、改質汚泥と原水とを熱交換して嫌気槽ではなく好気槽に戻すものであり、改質汚泥の全量を好気槽に戻すことができることから、改質汚泥の固液分離を行う必要がない。このため、改質汚泥の固液分離手段が不要となり、設備の簡素化、運転コストの低減が図れる。
【0013】
また、嫌気槽に導入される原水と改質汚泥とを熱交換することで原水の温度を上昇させることにより、嫌気槽で必要とされる加温エネルギーを削減することができる。この改質汚泥による原水の加温に当り、改質汚泥の全量と原水とを熱交換するため、熱回収効率が高く、嫌気槽を効果的に加温できる。同時に、改質汚泥による好気槽の温度上昇も防止される。
【0014】
また、固液分離を行うことなく改質汚泥を移送することから、高濃度汚泥による配管移送不良や濃縮汚泥の槽内分散不良の問題もなく、改質汚泥を円滑に移送することができると共に、好気槽に返送された改質汚泥は槽内で速やかに均一分散するようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
図1,2,3は本発明の有機性排水の処理装置の実施の形態を示す系統図である。
【0017】
図1に示す装置では、原水(有機性排水)はまず熱交換器1で後述の熱処理槽5からの改質汚泥と熱交換されて加温された後、嫌気槽2に供給される。
【0018】
原水はこの嫌気槽2で嫌気性生物処理され、含有される有機物の80〜90%がメタンに分解される。嫌気処理水は次いで好気槽(曝気槽)3で好気性生物処理され、残留有機物が分解される。好気処理水は固液分離手段(ここでは沈澱池)4で固液分離され、上澄水は処理水として系外へ排出され、放流されるか、或いは、必要に応じて窒素、リン、色度、COD等を除去するための高度処理が施される。
【0019】
固液分離手段4の分離汚泥のうちの一部は返送汚泥として好気槽3の入口側に返送され、残部は熱処理槽5に送給され、加熱処理される。なお、この熱処理槽5の熱源には、嫌気槽2で発生するメタンガスを燃料として用いても良い。
【0020】
熱処理槽5で加熱され、改質された改質汚泥は、熱交換器1で原水と熱交換されて降温された後、好気槽3に返送される。
【0021】
なお、固液分離手段4の分離汚泥のうちの一部は必要に応じて余剰汚泥として系外に排出される。
【0022】
図2に示す装置は、熱交換器として、固液分離手段4の分離汚泥と改質汚泥との熱交換を行う第1の熱交換器1Aと、この熱交換後の改質汚泥と原水との熱交換を行う第2の熱交換器1Bとを設けた点が図1に示す装置と異なる。
【0023】
この装置では、原水はまず第2の熱交換器1Bで、熱処理槽5で加熱された後第1の熱交換器1Aで熱交換された改質汚泥と熱交換されて加温される。加温された原水は、嫌気槽2に供給され、図1に示す装置と同様に嫌気槽2で嫌気性生物処理され、次いで、好気槽3で好気性生物処理され、更に固液分離手段(沈澱池)4で固液分離される。そして、分離汚泥の一部は好気槽3に返送され、残部は第1の熱交換器1Aで熱処理槽5からの改質汚泥と熱交換されて予備加温された後、熱処理槽5で加熱処理される。熱処理槽5で加熱され、改質された改質汚泥は、第1の熱交換器1A及び第2の熱交換器1Bでそれぞれ汚泥及び原水と熱交換されて降温された後好気槽3に返送される。
【0024】
図3の装置は、嫌気性生物処理手段として酸生成槽2AとUASB(Upflow Anaerobic Sludge Blanket;上向流嫌気性汚泥床)型メタン生成槽(以下「UASB槽」と称す。)2Bとからなる二相式のものを用い、原水の一部を第2の熱交換器1Bで改質汚泥と熱交換し、残部は直接嫌気性生物処理手段に導入させるようにした点が図2に示す装置と異なる。
【0025】
この装置では、原水の一部は第2の熱交換器1Bで、熱処理槽5で加熱された後第1の熱交換器1Aで熱交換された改質汚泥と熱交換されて加温された後、また、原水の残部はそのまま、ヒーターHを備える酸生成槽2Aに導入され、原水中の有機物が有機酸に変換される。酸生成槽2Aの処理水はUASB槽2Bに導入され、メタン生成菌により有機酸がメタンに分解される。このUASB槽2Bの処理水の一部は返送水として酸生成槽2Aに戻され、残部は好気槽3に導入され、以降は図2に示す装置と同様に処理が行われる。
【0026】
このような本発明の有機性排水の処理装置は、既存の装置の配管経路を変更し、熱交換器を設けるのみで容易に実施することができ、前述の如く、
(i) 改質汚泥の固液分離手段を不要とすることにより、装置の簡素化、運転コストの削減を図ることができる。
(ii) 改質汚泥の回収熱を嫌気性生物処理工程の熱エネルギーとして有効利用することができる。この熱回収に当り、改質汚泥の全量で原水を熱交換するため、熱回収効率が高い。
(iii) 改質汚泥と原水とを熱交換した後好気槽に返送するため好気槽の水温の異常上昇を防止することができる。
(iv) 好気槽に返送される改質汚泥は高濃度汚泥ではないため、円滑に配管移送することができる。しかも、好気槽中での均一分散性にも優れるため、未処理汚泥の発生が防止される。
といった優れた作用効果が奏される。
【0027】
本発明において、嫌気処理方式は図1,2に示す一相式であっても良く、図3に示すような酸生成とメタン生成の二相式であっても良い。また、汚泥の保持方式も、図3に示すUASB方式、浮遊方式等のいずれでも良い。
【0028】
好気槽3についても、浮遊方式、固定床式、流動床式、生物膜式のいずれでも良い。好気槽が生物膜式の場合、余剰汚泥は常時排出されないが、間欠的に行う濾材層の洗浄時に洗浄排水中に汚泥が排出されるため、この汚泥に対して、本発明の汚泥加熱及び熱交換を適用することもできる。
【0029】
固液分離手段4としては、沈澱槽又は膜分離装置などを用いることができる。
【0030】
熱処理槽5における加熱方式は、スチーム吹込み或いはスチーム又は温水との熱交換等を採用することができる。
【0031】
なお、この熱処理槽5の熱源の一部又は全部としては、嫌気槽2又はUASB槽2Bで発生したメタンガスを燃焼させてスチーム又は温水を製造するボイラ又はガスエンジン等を用いることができる。
【0032】
この熱処理槽5における汚泥の加熱温度は、汚泥の脱水性の向上及び汚泥の有機物の可溶化のためには高い方が好ましい。この加熱温度が50〜70℃程度であれば、汚泥の脱水性を向上させる(脱水後の汚泥の含水率を低減させる)ことができる。また、加熱温度が50℃以上であれば汚泥の有機物を可溶化することかでき、80〜100℃であれば、この可溶化を一層促進して、生物的に易分解性の汚泥に改質することができる。従って、この熱処理槽5での加熱温度は汚泥の処理目的及び加熱コスト等に応じて上記温度範囲で適宜決定する。
【0033】
前述の如く、加熱により可溶化された汚泥の有機物は好気性生物処理により分解されるが、熱処理槽5では、必ずしも汚泥の有機物をすべて可溶化する必要はなく、汚泥表面を可溶化する加熱工程と、可溶化した有機物を分解する好気性生物処理工程とを循環させることにより、汚泥の大部分或いはほぼ全量を分解することができる。特に、加熱温度を80〜100℃とした場合には、汚泥を循環処理することで汚泥を完全に分解し、余剰汚泥として固液分離後の汚泥分を全く排出しなくても良いようにすることもできる。
【0034】
なお、汚泥の有機物の可溶化の程度は熱処理槽5の滞留時間が長い程進行する。汚泥の循環による有機物の可溶化及び分解を効率的に行うためには、熱処理槽5の滞留時間は30分〜5時間程度とするのが好ましい。
【0035】
熱処理槽5で加熱された改質汚泥と原水等との熱交換を行う熱交換器1又は1A,1Bの形式に特に制限はないが、プレート熱交換器よりは、二重管方式又はスパイラル方式などの、流路閉塞を起こし難く、内部清掃の容易な形式のものを用いることが望ましい。
【0036】
前述の如く、嫌気性生物処理に好適な水温は中温嫌気で25〜40℃、高温嫌気で50〜60℃であるが、図2に示す如く、第1の熱交換器1Aで改質汚泥と加熱前の分離汚泥とを熱交換した後原水と熱交換させる構成としたり、図3に示す如く、原水の一部のみを改質汚泥と熱交換させる構成とすることにより、原水の温度は適宜調整することができる。
【0037】
図1〜3に示す装置は、本発明の有機性排水の処理装置の実施の形態の一例であって、本発明は図示の方法に限定されるものではない。
【0038】
例えば、原水はその全量を嫌気槽に送給せず、一部のみを嫌気槽に送給し、残部は直接好気槽に導入しても良い。
【0039】
また、好気槽の流出汚泥を熱処理槽に送給して加熱、改質処理し、その後原水と熱交換して好気槽に返送するようにしても良く、余剰汚泥の引き抜きも、好気槽から行っても良い。好気槽の流出汚泥を加熱し、原水と熱交換した後好気槽に戻す場合でも、前述の加熱による汚泥の可溶化及び可溶化された有機物の好気性生物処理が繰り返されることにより、汚泥の減容化が図れ、また、この加熱エネルギーを回収して嫌気性生物処理の熱エネルギーとして有効利用することができる。
【0040】
汚泥の加熱処理に当っては、酸、アルカリ、酸化剤などを加えて汚泥の分解効率を促進することもできる。
【0041】
また、原水中に有機性SSが比較的多量に含まれている場合には、原水をまず、沈澱槽、浮上分離槽又はデカンター等の固液分離手段で固液分離し、固液分離された液分について嫌気性生物処理及び好気性生物処理を行うようにすれば良い。
【0042】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0043】
実施例1
図3に示した処理装置により、CODcr濃度20,000mg/L、液温20℃の合成模擬排水の処理を行った。装置は酸生成槽(容量10L)2A、UASB槽(25L)2B、好気槽(曝気槽)(容量4L)3、固液分離手段(沈澱池)(容量4L)4、熱処理槽5、及び2つの熱交換器1A,1Bで構成され、熱処理槽5には95℃に保ったオイルバスに容量50mLのステンレス製カラムを浸漬させたものを用いた。熱交換器1A,1Bには、保温容器(ステンレス製)に低温側の液を定流量で滞留させた中に、ステンレス管コイルを浸漬させ、このコイルに高温側の液を通液させる方式のものを用いた。
【0044】
排水の処理流量は15L/日とし、UASB処理水及び沈澱池引抜き汚泥の返送率は、それぞれ、9及び1とし、沈澱池引抜き汚泥を40mL/hrの流量で熱処理槽5に送給し、熱処理にかけた。熱処理された改質汚泥は、第1の熱交換器1Aにおいて沈殿池引抜き汚泥と熱交換させた後、第2の熱交換器1Bにおいて嫌気処理原水の一部(1/8)と熱交換を行った。
【0045】
運転は60日間連続で行い、処理の安定した最後の14日間の水質の平均値を処理結果として表1に示した。熱処理槽5及び熱交換器1A,1Bは、閉塞を防止するため10日間に一回、次亜塩素酸溶液と界面活性剤の混合液による洗浄を行った。
【0046】
【表1】
Figure 0004292610
【0047】
表1から、本発明によって排水処理が十分行われることが確認できる。
【0048】
なお、曝気槽3のMLSS濃度は5,500mg/L、沈澱池引抜き汚泥MLSS濃度は9,000mg/Lで終始安定していた。60日間の汚泥引抜き量は、MLSS測定のためにわずかに引き抜いた他はゼロであり、ほぼ100%の余剰汚泥減容効果が得られた。
【0049】
なお、この処理における熱量の収支は表2に示す通りであり、表2から次のことが明らかである。即ち、熱処理した改質汚泥液を嫌気処理原水と熱交換させることにより、曝気槽温度は35℃に保たれた。また、酸生成槽の温度調節は、500Wのヒーターを酸生成槽温度に基いてON/OFF制御して行ったが、このON時間とOFF時間の比率から計算される酸生成槽ヒーター消費電力の削減率は20%であった。
【0050】
【表2】
Figure 0004292610
【0051】
以上の結果から、本発明の有機性排水の処理装置によれば、好気槽(曝気槽)温度の異常上昇を引き起こすことなく、望ましい汚泥減容効果を達成した上で、嫌気性生物処理にかかる加温エネルギーを効果的に削減することができることがわかる。
【0052】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の有機性排水の処理装置によれば、嫌気性生物処理と好気性生物処理とを併用する有機性排水の処理において、次のような効果が奏される。
【0053】
▲1▼ 汚泥を加熱して改質することにより、余剰汚泥の発生量及びその含水率を大幅に低減できる。
▲2▼ ▲1▼より汚泥処理コストが大幅に低減される。
▲3▼ 改質汚泥と原水とを熱交換して、効率的に熱回収することにより、嫌気槽の加温のためのエネルギーを大幅に削減すると共に、好気槽の温度上昇を防止することができる。
▲4▼ 改質汚泥の固液分離手段が不要であるため、設備の簡素化、運転コストの削減が可能となる。
▲5▼ 改質汚泥を円滑に好気槽に返送することができ、また、好気槽に返送された改質汚泥の均一分散性にも優れるため、安定かつ効率的な処理を行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機性排水の処理装置の実施の形態を示す系統図である。
【図2】本発明の有機性排水の処理装置の別の実施の形態を示す系統図である。
【図3】本発明の有機性排水の処理装置の他の実施の形態を示す系統図である。
【符号の説明】
1,1A,1B 熱交換器
2 嫌気槽
2A 酸生成槽
2B UASB槽
3 好気槽(曝気槽)
4 固液分離手段
5 熱処理槽

Claims (2)

  1. 有機性排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理手段と、
    該嫌気性生物処理手段からの流出水を好気的に生物処理する好気性生物処理手段と、
    該好気性生物処理手段からの流出液を、処理水と汚泥とに分離する固液分離手段と、
    該好気性生物処理手段からの流出汚泥及び/又は該固液分離手段の分離汚泥の少なくとも一部を加熱する加熱処理手段と、
    該加熱処理手段で加熱された汚泥を前記好気性生物処理手段に返送する返送手段とを備える有機性排水の処理装置であって、
    該好気性生物処理手段に返送される加熱された汚泥と前記嫌気性生物処理手段に導入される有機性排水との間で熱交換する熱交換器を設けたことを特徴とする有機性排水の処理装置。
  2. 請求項1において、前記加熱処理手段は前記分離汚泥の少なくとも一部を加熱する手段であり、該分離汚泥と前記好気性生物処理手段に返送される加熱された汚泥との熱交換を行う第1の熱交換器と、該第1の熱交換器での熱交換後の前記好気性生物処理手段に返送される加熱された汚泥と前記嫌気性生物処理手段に導入される有機性排水との熱交換を行う第2の熱交換器とを設けたことを特徴とする有機性排水の処理装置。
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