JP2010019596A - 農産物の内部品質計測装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】計測箇所Pに位置する被計測物に光を投射する投光手段1及びその投光手段1から光が投射された被計測物からの光を受光する受光手段2を備えた投受光部Lと、受光手段2にて受光されて光案内手段3にて導かれる光を分光する分光手段30及びその分光手段30にて分光された光の強度を波長毎に検出する光強度検出手段4を備えた分光計測部Mとが設けられた農産物の内部品質計測装置であって、投受光部L及び分光計測部Mが、吊り下げ支持用の把手10を上部に備えたケーシング40内に、分光計測部Mを投受光部Lの下方に位置させた形態で設けられている。
【選択図】図3
Description
前記受光手段にて受光されて光案内手段にて導かれる光を分光する分光手段及びその分光手段にて分光された光の強度を波長毎に検出する光強度検出手段を備えた分光計測部とが設けられた農産物の内部品質計測装置に関する。
そして、内部品質計測装置を可搬型に構成した従来例として、投光手段の投光部と受光手段の受光部とを手指にて支承可能な形態で投受光部として一体化し、投光手段にて投射する光の光源及び分光計測部等を台車にて搬送可能な装置本体部として一体化することにより、投受光部と装置本体部とを別体に構成し、それら別体の投受光部と本体部とを光源から放射される光を投光部に導く照射用光ファイバ及び受光手段にて受光した光を分光計測部に導く受光用光ファイバ(光案内手段に相当する)にて接続したものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
そして、農産物の内部品質を計測するに当たり、必ずしも生っている状態で計測する必要があるのではなく、一旦収穫して計測しても良いものであり、このように一旦収穫した農産物の内部品質を計測するのに用いる型式のもので、持ち運びが行い易い内部品質計測装置が望まれるものであった。
前記受光手段にて受光されて光案内手段にて導かれる光を分光する分光手段及びその分光手段にて分光された光の強度を波長毎に検出する光強度検出手段を備えた分光計測部とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記投受光部及び前記分光計測部が、吊り下げ支持用の把手を上部に備えたケーシング内に、前記分光計測部を前記投受光部の下方に位置させた形態で設けられている点にある。
つまり、投受光部及び分光計測部をケーシング内に組み込むことにより内部品質計測装置が一体物として構成され、そして、そのケーシングを把手を把持して吊り下げ状に支持した状態で持ち運びすることができるので、持ち運びし易いものとなるのである。
又、ケーシング内には重量の重い分光計測部が重量の軽い投受光部の下方に設けられているので、ケーシングの重心を上下方向の中央部よりも下方側に位置させることが可能となって、吊り下げ状に支持した状態や地面等に置いた状態でのケーシングの姿勢が安定することとなり、この点からも持ち運びし易いものであり、しかも、地面等に安定的に置いて使用できるのである。
従って、持ち運びが容易で、しかも、地面等に安定的に置いて使用できる農産物の内部品質計測装置を提供することができるようになった。
前記ケーシングが、横側部及び背部の少なくとも一方を開口する開口部を備えたケーシング本体と、そのケーシング本体の前記開口部を開閉自在なカバー部とを備えて構成されている点にある。
つまり、投受光部や分光計測部のメンテナンスや修理を行うときには、カバー部を開いてケーシング本体の開口部を開くことにより、その開口部を通して行うことができる。
従って、第1特徴構成による作用効果に加えて、メンテナンスや修理を容易に行うことができる。
前記把手が、前記ケーシングの上部から上方に延びる腕部とその腕部の上端部に取り付けられた把持部とを備えて構成され、
前記腕部の長手方向の中間部のうちの少なくとも一部が前記ケーシングの背部から離れる方向に突出するように構成され、
前記ケーシングの背部における底部側の部分に、その背部から離れる方向に突出する状態で、脚用突起部が設けられ、
前記ケーシングが、前記把手の腕部及び前記脚用突起部を脚とする仰向け姿勢で設置可能なように構成されている点にある。
例えば、内部品質計測装置を栽培場所の地面等の低い位置に置いて使用する場合は、ケーシングを通常姿勢で置くようにすれば、被計測物を計測箇所に位置させたり、内部品質計測装置を操作する等の内部品質計測のための操作位置を高くすることが可能となり、内部品質計測のための作業を容易に行える。
又、内部品質計測装置をテーブル上等、地面よりも高い位置に置いて使用する場合は、ケーシングを仰向け姿勢で置くようにすれば、内部品質計測のための操作位置が高くなり過ぎるのを防止することが可能となり、内部品質計測のための作業を容易に行える。
従って、第1又は第2特徴構成による作用効果に加えて、内部品質計測装置の設置高さに高低に拘わらず、その内部品質計測装置を用いて被計測物の内部品質を計測するための作業を容易に行うことができるようになった。
前記光強度検出手段の検出情報に基づいて前記被計測物の内部品質情報を求める制御部が、前記ケーシング内に設けられ、
前記制御部にて求められた内部品質情報を読み取り可能な表示情報として表示する表示部が、前記ケーシングが前記把手を上方側に位置させた通常姿勢にて設置される状態において、表示画面が前記ケーシングの背部側ほど上方に位置する傾斜状になる状態で前記ケーシングの上面部に設けられ、
前記制御部が、前記表示情報を表示させるように前記表示部の表示作動を制御し、且つ、表示状態切換指令に基づいて、前記ケーシングが前記通常姿勢にて設置される状態に対応して上下方向を定めて前記表示情報を前記表示部にて表示する通常表示状態とその通常表示状態に対して上下を反転して前記表示情報を前記表示部にて表示する上下反転表示状態とに切り換えるように構成されている点にある。
又、制御部は、表示切換指令に基づいて、ケーシングが通常姿勢にて設置される状態に対応して上下方向を定めて表示情報を表示部にて表示する通常表示状態と、その通常表示状態に対して上下を反転して表示情報を表示部にて表示する上下反転表示状態とに切り換える。
又、内部品質計測装置をテーブル上等、地面よりも高い位置に置いて使用するときは、ケーシングを仰向け姿勢で置いて、作業者が仰向け姿勢のケーシングにおける把手の手前に位置して表示部を見るようにすると、表示部の表示画面が作業者に対面する状態となり、そして、表示情報が上下反転表示状態にて表示部に表示される状態とすると、仰向け姿勢のケーシングにおける把手の手前に位置して表示部を見るのに適切な上下方向の向きで表示情報が表示部に表示されることになり、その結果、作業者は表示部に表示された表示情報を容易に認識することができる。
従って、第3特徴構成による作用効果に加えて、内部品質計測装置を通常姿勢及び仰向け姿勢のいずれの姿勢で置いても、使用者が容易に認識できるように表示情報を表示部に表示することができるようになった。
前記被計測物を収納した被計測物収納容器が、前記ケーシングの前面に設けられた容器挿入用開口部を通して前記計測箇所に挿入自在で且つ前記計測箇所から取り出し自在なように構成されている点にある。
つまり、穀物等、被計測物が粉粒状であっても、そのような粉粒状の被計測物を被計測物収納容器に収納して、その被計測物収納容器を容器挿入用開口部を通して計測箇所に挿入することにより、粉粒状の被計測物の内部品質を容易に計測することができる。
従って、第1〜第4特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、粉粒状の被計測物の内部品質も容易に計測することができるようになった。
装置駆動用の電池が、前記ケーシング内における前記投受光部の下方に設けられている点にある。
しかも、装置駆動用の電池は重量が重いが、その電池がケーシング内における投受光部の下方に設けられていて、ケーシングの重心をより一層低くすることが可能となるので、把手を把持してケーシングを吊り下げ状に支持した状態で持ち運びするときに、ケーシングの姿勢がより一層安定することとなり、ケーシングをより一層容易に持ち運びすることができる。
従って、第1〜第5特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、装置駆動用の電池を搭載することにより、近くに電源がない場所でも内部品質計測装置を作動させることができながら、内部品質計測装置の持ち運びがより一層容易になるようにすることができた。
図1及び図2に示すように、農産物の内部品質計測装置(以下、単に内部品質計測装置と記載する場合がある)は、計測箇所Pに位置する被計測物に光を投射する投光手段1及びその投光手段1から光が投射された前記被計測物からの光を受光する受光手段2を備えた投受光部Lと、前記受光手段2にて受光されて光案内手段3にて導かれる光を分光する分光手段30及びその分光手段30にて分光された光の強度を波長毎に検出する光強度検出手段としての受光センサ4を備えた分光計測部Mと、受光センサ4の検出情報に基づいて前記被計測物の内部品質情報を求める制御部5と、その制御部5に各種制御情報を指令する操作部6と、その制御部5にて求められた内部品質情報を読み取り可能な表示情報として表示する表示部7と、装置冷却用の空気を送風する冷却用送風機8と、装置駆動用の電池9等を備えて構成されている。
説明を加えると、前記ケーシング40は吊り下げ支持用の把手10を上部に備えて構成され、投受光部L及び分光計測部Mが、そのケーシング40内に、分光計測部Mを投受光部Lの下方に位置させた形態で設けられ、制御部5及び電池9が、ケーシング40内における投受光部Lの下方に設けられている。
図2に示すように、ケーシング40が、左右の両横側部及び背部にわたって開口する開口部41aを備えたケーシング本体41と、そのケーシング本体41の開口部41aを開閉自在なカバー部42とを備えて構成されている。
更に、図6にも示すように、ケーシング40の背部における底部側の部分に、その背部から離れる方向に突出する状態で、脚用突起部43が設けられている。
具体的には、図2及び図4に示すように、各腕部10aは、ケーシング40の側面視において、ケーシング40の背部から離れる方向に突出し且つ上端部がケーシング40の上方におけるケーシング前後方向の中央よりもやや後方側に相当する箇所に位置する形態の概ね円弧状に、ケーシング40の上面部における後端から上面部の上方に延びるように設けられている。
又、ケーシング本体41のケーシング底板部分41bの後端側に、その端縁に沿って、両端部夫々にネジ孔が形成された長尺状の蓋体当て付け部44が設けられ、ケーシング本体41のケーシング上板部分41dの上部側にその縁部に沿って、両端部夫々にネジ孔が形成された長尺状の蓋体当て付け部45が設けられている。
このサンプル収納容器50には、生籾、玄米等の粉粒状の被計測物が収納されて、この内部品質計測装置にて粉粒状の被計測物の内部品質が計測されることになる。
前記容器保持フレーム11の背部には、押し操作を繰り返すことにより磁石が出退するように構成されて、容器保持フレーム11内に挿入されたサンプル収納容器50を保持するためのマグネットラッチ12が取り付けられている。
そのようにサンプル収納容器50が計測箇所Pに保持された状態で、サンプル収納容器50を押し操作すると、マグネットラッチ12の磁石が引退してサンプル収納容器50が磁石から離間することになって、サンプル収納容器50を容器挿入用開口部41eを通して容器保持フレーム11から取り出すことが可能となる。
つまり、被計測物を収納したサンプル収納容器50が、前記ケーシング40の前面に設けられた容器挿入用開口部41eを通して前記計測箇所Pに挿入自在で且つ前記計測箇所Pから取り出し自在なように構成されていることになる。
又、図1、図2及び図4に示すように、容器保持フレーム11内の上部の奥部には、サンプル収納容器50が容器保持フレーム11に挿入されるに伴って押圧されるように、計測指令用スイッチ17が設けられていて、この計測指令用スイッチ17がサンプル収納容器50により押圧されることにより、前記制御部5に計測開始指令が指令されるように構成されている。
又、そのカバー部42のケーシング左側板部分42cにおける上方側には、前記端子取付板16を露出するための切り欠きが形成され、カバー部42のケーシング右側板部分42bの内面側には、前記冷却用送風機8が、カバー部42がケーシング本体41に装着された状態で前記投光手段1に対向する状態となるように取り付けられている。
又、カバー部42のケーシング背板部分42aには、前記冷却用送風機8の通風作用によりケーシング40内に冷却用空気を吸い込むための吸気口42dが形成され、その吸気口には除塵用フィルタ19が介装されている。
そして、前記ケーシング40が、図5に示すように前記把手10を上方側に位置させた通常姿勢と、図6に示すように、把手10の腕部10a及び前記脚用突起部43を脚とする仰向け姿勢とに設置可能なように構成されている。
ちなみに、図6の(a)は、前記ケーシング40が仰向け姿勢で置かれた状態での側面視での図を示し、(b)は、前記ケーシング40が仰向け姿勢で置かれた状態での正面視での図を示す。
つまり、表示部7が、前記ケーシング40が前記把手10を上方側に位置させた通常姿勢にて置かれる状態において、表示画面が前記ケーシング40の背部側ほど上方に位置する傾斜状になる状態で前記ケーシング10の上面部に設けられていることになる。
表示部7は、内部品質の計測結果等を表示する画面の他に、制御情報を入力するためのボタンの種類が異なる複数種の操作ボタン画面に切り換え自在なように構成されている。
例えば、図5に示すように、計測対象の農産物を選択する計測農産物選択用の操作ボタン画面が表示される。
この計測農産物選択用の操作ボタン画面には、生籾、生玄米、乾玄米、精米のうちのいずれかを計測対象として選択する計測対象選択ボタン6aが生籾、生玄米、乾玄米、精米の夫々に対応して表示される。
又、表示部7には、どのような画面を表示しているかに拘わらず、常時、画面反転ボタン6bが表示される。
つまり、制御部5が、表示情報を表示させるように表示部7の表示作動を制御し、且つ、画面反転ボタン6bによる表示状態切換指令に基づいて、前記ケーシング40が前記通常姿勢にて置かれる状態に対応して上下方向を定めて前記表示情報を前記表示部7にて表示する通常表示状態(図5参照)とその通常表示状態に対して上下を反転して前記表示情報を前記表示部7にて表示する上下反転表示状態(図6参照)とに切り換えるように構成されている。
更に、前記投光手段1と前記容器保持フレーム11との間には、投光手段1から投射される光のうちの遠赤外線波長範囲の光をカットする熱カットフィルタ22も設けられている。
図1〜図3に示すように、前記光案内手段3は、被計測物を透過した光を導く計測光用光ファイバ3aと、参照光を導く参照光用光ファイバ3bとを備えて構成されている。
計測光用光ファイバ3a及び参照光用光ファイバ3b夫々は多数の素線から構成され、図1及び図7に示すように、計測光用光ファイバ3aは、その入射側の端部が環状になり、その他の部分は円柱状になるように多数の素線を束ねて構成され、参照光用光ファイバ3bは全長にわたって円柱状になるように多数の素線を束ねて構成されている
そして、前記受光手段2は、計測光用光ファイバ3aにおける環状の入射側端部及び参照光用光ファイバ3bにおける円状の入射側端部を、計測光用光ファイバ3aにおける環状の入射側端部の内部に参照光用光ファイバ3bにおける円状の入射側端部が位置する形態でファイバ保持体2aに保持して構成されている。
図1に示すように、分光計測部Mの前記分光手段30は、前記計測光用光ファイバ3a又は参照光用光ファイバ3bにより導かれる光を入射させる入射スリット31sを備えた分光部用暗箱31内に、前記入射スリット31sから入射した光を複数の波長の光に分光する凹面回折格子32が収納されて構成されている。
そして、前記受光センサ4が、前記凹面回折格子32にて分光反射された光を同時に波長毎に受光するように、前記暗箱31内に設けられている。この受光センサ4は、1024画素の電荷蓄積型のCCDラインセンサにて構成されている。
この入射光切換部60について説明を加える。
前記分光部用暗箱31における入射スリット31sが形成された側壁に、入射光切換部用暗箱61が連設され、その入射光切換部用暗箱61における分光部用暗箱31の入射スリット31sに対向する側壁部に、前記計測光用光ファイバ3a及び参照光用光ファイバ3bが貫通状態に支持されている。
ちなみに、64は、ファイバ支持体62を前記通常計測位置と前記基準データ計測位置とに移動駆動されるように前記入射光切換用モータ63に伝動連結するギア機構である。
そして、図示を省略するが、フィルタ装備用円板25には、前記入射光路と交差する円周に沿って並ぶ状態で、所定の透過率を有するリファレンスフィルタ、成分分析用の波長範囲において少なくとも2つのピーク部を備えた校正用光が得られる波長校正用フィルタ(V10フィルタ等)、及び、光を通過させる光通過用開口が備えられている。
以下、図8に基づいて、上述のように3電源での駆動を可能にする電源回路70について説明を加える。
AC100VをDC12Vに変換する変換器23cを備えて、AC100Vのコンセントに接続するAC電源用ケーブル23、及び、自動車やコンバイン等のDC12Vが出力されるソケット(シガレットライタ用のソケット等)に接続するDC電源用ケーブル24が備えられている。
これらAC電源用ケーブル23やDC電源用ケーブル24は、前記電源用ケーブル接続部14に接続されて、駆動用電力が給電されることになる。
このサンプル収納容器50は、上方が開口されかつ底壁53b及び側周壁53cを備える収納部53を有する容器本体51と、前記収納部53における前記開口53aを開閉自在でかつ閉じ姿勢にて前記容器本体51に固定装着自在な蓋体52とが設けられ、容器本体51が、前記収納部53に測定対象としての粉粒状被計測物を収納しかつ前記蓋体52を閉じ姿勢にて固定装着した状態において、品質計測装置における計測箇所Pに着脱されるように構成されている。
そして、前記収納部53の前記側周壁53cにおける周方向の少なくとも一部が、後退弾性変位自在な後退変位壁部54に構成されている。
更に、前記後退変位壁部54が、一対の前記板バネ55を、その長手方向の一端側部分が重複する状態で前記側周壁53cの周方向に並べ、且つ、前記重複される一端側部分とは反対側の他端側部分を固定状態に支持して構成されている。
前記収納部53の側周壁53cが、上面視で矩形状に構成され、前記容器本体51は、前記収納部53の矩形状の側周壁53cを備えるように、上面が全面にわたって開口され且つ且つ低壁51bを備えて、外周部が上面視で矩形状となる有底状に構成されている。
前記蓋体52が、前記収納部53の前記側周壁53cにおける4辺に対応する4つの壁部分における対向する一対の壁部分の長手方向に沿い、且つ、上面視にて前記収納部53の内部空間よりも外方に位置する揺動軸心周りで開閉自在に蝶番56にて前記容器本体51に支持されるように構成されている。
尚、以下の説明では、前記容器本体51の側周壁における4辺に対応する4つの側周壁部分のうち、蓋体52が揺動自在に支持される側の側周壁を前方側周壁部分51mと称し、その前方側周壁部分51mの左側端部に連なる側周壁部分を左側周壁部分51xと称し、前方側周壁部分51mの右側端部に連なる側周壁部分を右側周壁部分51yと称し、前方側周壁部分51mに対向する側周壁部分を後方側周壁部分51nと称する場合がある。
そして、前記容器本体51の前方側周壁部分51m、左側周壁部分51x及び右側周壁部分51y、並びに、前記一対の板バネ55にて、前記収納部53の前記側周壁53cが構成され、前記容器本体51の底壁51bにて、前記収納部53の前記底壁53bが構成されている。ちなみに、各板バネ55が、容器本体51の後方側周壁部分51n側に膨出するように屈曲形成され、それら一対の板バネ55にて形成される収納部53の側周壁53cにおける壁部分が容器本体51の後方側周壁部分51n側に膨出する形状に形成されているが、このような壁部分を含む形状も、矩形状に含まれるものとする。
つまり、前記収納部53の前記側周壁53cの4つの壁部分における長手方向が前記蓋体52の揺動軸心と平行な一対の壁部分のうちで、前記蓋体52の揺動軸心とは離れる側の壁部分が、前記後退変位壁部54に構成されていることになる。
又、容器本体51の後方側周壁部分51nには、蓋体52が閉じ姿勢に操作された状態で、係止用切片52aの係止用突起部52bが嵌まり込んで蓋体52を閉じ状態に保持する係止用凹部51eが形成されている。
そして、蓋体52が閉じ姿勢で固定装着された状態の容器本体51が、その後方側周壁部分51nを前方に向けた姿勢で、容器挿入用開口部41eを通して容器保持フレーム11に挿入されて、計測箇所Pに保持されるように構成され、そのように容器本体51が計測箇所Pに保持された状態で、容器本体51の前方側周壁部分51mが容器挿入用開口部41eを閉じる蓋部として機能するように構成されている。
以下、制御部5による演算処理について説明する。
制御部5は、被計測物を透過した光のスペクトルデータ(以下、計測用スペクトルデータと記載する場合がある)を計測する通常計測モード、前記リファレンスフィルタを透過した光のスペクトルデータ(以下、基準スペクトルデータと記載する場合がある)を計測する基準データ計測モード、光が遮断された状態での受光センサ4の出力値(以下、暗電流データと記載する場合がある)を得る暗電流データ計測モード、前記波長校正用フィルタを通過した光のスペクトルデータ(以下、波長校正スペクトルデータと記載する場合がある)を計測する波長校正データ計測モードを択一的に実行可能なように校正されている。
この計測用スペクトルデータでは、サンプル収納容器50に充填されている被計測物を透過した光が計測光用光ファイバ3aの環状の入射端面にて受光され、その受光された光が計測光用光ファイバ3a及びファイバ支持体62の計測光用中継ファイバ62aにて導かれて、入射スリット31sから分光部用暗箱31に入射して凹面回折格子32により分光され、その分光された光が受光センサ4にて受光されてその受光センサ4から波長毎のデータが出力されることになる。
そして、サンプル収納容器50に充填されている被計測物を透過した光を計測光用光ファイバ3aの環状の入射端面で受光するので、広範囲の被計測物のデータを得ることができるものとなり、内部品質情報の計測精度を向上することができる。
この基準データ計測モードでは、空のサンプル収納容器50を透過した光が参照光用光ファイバ3bの入射端面にて受光され、その受光された光が参照光用光ファイバ3b及びファイバ支持体62の参照光用中継ファイバ62bにて導かれて、入射スリット31sから分光部用暗箱31に入射して凹面回折格子32により分光され、その分光された光が受光センサ4にて受光されてその受光センサ4から波長毎のデータが出力されることになる。
又、制御部5は、波長校正データ計測モードでは、被計測物が充填されていない空のサンプル収納容器50が容器保持フレーム11に装填されている状態で、前記シャッタ20を開くように前記シャッタ用ソレノイド21を制御し、前記ファイバ支持体62を基準データ計測位置に位置させるように前記入射光切換用モータ63を制御し、前記フィルタ装備用円板25の波長校正用フィルタを前記入射光路を横断する位置に位置させるように前記フィルタ切換用モータ26を制御して、受光センサ4の出力値を波長校正用スペクトルデータとして得るように構成されている。
ちなみに、制御部5は、この波長校正用スペクトルデータ用いて、受光センサ4の複数の受光素子と受光波長との対応関係を求めて、各受光素子の受光波長の校正を行うように構成されている。
つまり、前記通常計測モードにて得た計測用スペクトルデータを、前記基準データ計測モードにて得た基準スペクトルデータ及び前記暗電流データ計測モードにて得た暗電流データを用いて正規化して、分光された光の各波長毎の吸光度スペクトルデータを得るとともに、その吸光度スペクトルデータの二次微分値を求める。そして、その二次微分値及び予め設定されている検量式により、被計測物に含まれる水分、たんぱく質、アミロース等の含有率や食味を内部品質情報として得るように構成されている。
d=log[(Rd−Da)/(Sd−Da)]
Y=K0+K1・A(λ1)+K2・A(λ2)……
Y ;内部品質情報
K0,K1,K2……;係数
A(λ1 ),A(λ2 )……;特定波長λにおける吸光度スペクトルの二次微分値
つまり、被計測物夫々について、計測する内部品質情報の項目毎に、特定波長λ1、λ2……、係数K0,K1,K2……が設定されて、検量式が設定されている。
尚、予め、受光センサ4の出力値(電圧値)について、容器保持フレーム11に装填されているサンプル収納容器50が被計測物が充填されていない空の状態か否かを判別するための空容器判別用設定値、及び、内部品質情報を適切に計測するための計測用設定値が予め設定されて、制御部5に記憶されている。
そして、制御部5は、予備計測データが空容器判別用設定値以上の場合は、容器保持フレーム11に空のサンプル収納容器50が装填されていると判別して、前記基準データ計測モード、暗電流データ計測モード及び波長校正データ計測モードを実行して、基準スペクトルデータ、暗電流データ及び波長校正用スペクトルデータを計測する。
尚、通常計測モードを設定回数(例えば3回)実行して、各モードで計測したデータの平均値を計測用スペクトルデータとするように構成されている。
次に別実施形態を説明する。
(イ) カバー部42にて開閉するケーシング本体41の開口部41aは、上記の実施形態においては、ケーシング本体41における左右の両横側部及び背部の三方を開口するように構成する場合について例示したが、ケーシング本体41における左右の両横側部及び背部のうちのいずれか二方又はいずれか一方を開口するように構成しても良い。
例えば、上記の実施形態では、ケーシング40の上部から上方に延びる一対の腕部10aの上端部に把持部10bが取り付けられる形態としたが、ケーシング40の上部から上方に延びる1本の腕部の上端部に把持部が取り付けられる形態としてもよい。
2 受光手段
3 光案内手段
4 光強度検出手段
5 制御部
7 表示部
9 電池
10 把手
10a 腕部
10b 把持部
30 分光手段
40 ケーシング
41 ケーシング本体
41a 開口部
41e 容器挿入用開口
42 カバー部
43 脚用突起部
50 被計測物収納容器
L 投受光部
M 分光計測部
P 計測箇所
Claims (6)
- 計測箇所に位置する被計測物に光を投射する投光手段及びその投光手段から光が投射された前記被計測物からの光を受光する受光手段を備えた投受光部と、
前記受光手段にて受光されて光案内手段にて導かれる光を分光する分光手段及びその分光手段にて分光された光の強度を波長毎に検出する光強度検出手段を備えた分光計測部とが設けられた農産物の内部品質計測装置であって、
前記投受光部及び前記分光計測部が、吊り下げ支持用の把手を上部に備えたケーシング内に、前記分光計測部を前記投受光部の下方に位置させた形態で設けられている農産物の内部品質計測装置。 - 前記ケーシングが、横側部及び背部の少なくとも一方を開口する開口部を備えたケーシング本体と、そのケーシング本体の前記開口部を開閉自在なカバー部とを備えて構成されている請求項1記載の農産物の内部品質計測装置。
- 前記把手が、前記ケーシングの上部から上方に延びる腕部とその腕部の上端部に取り付けられた把持部とを備えて構成され、
前記腕部の長手方向の中間部のうちの少なくとも一部が前記ケーシングの背部から離れる方向に突出するように構成され、
前記ケーシングの背部における底部側の部分に、その背部から離れる方向に突出する状態で、脚用突起部が設けられ、
前記ケーシングが、前記把手の腕部及び前記脚用突起部を脚とする仰向け姿勢で設置可能なように構成されている請求項1又は2記載の農産物の内部品質計測装置。 - 前記光強度検出手段の検出情報に基づいて前記被計測物の内部品質情報を求める制御部が、前記ケーシング内に設けられ、
前記制御部にて求められた内部品質情報を読み取り可能な表示情報として表示する表示部が、前記ケーシングが前記把手を上方側に位置させた通常姿勢にて設置される状態において、表示画面が前記ケーシングの背部側ほど上方に位置する傾斜状になる状態で前記ケーシングの上面部に設けられ、
前記制御部が、前記表示情報を表示させるように前記表示部の表示作動を制御し、且つ、表示状態切換指令に基づいて、前記ケーシングが前記通常姿勢にて設置される状態に対応して上下方向を定めて前記表示情報を前記表示部にて表示する通常表示状態とその通常表示状態に対して上下を反転して前記表示情報を前記表示部にて表示する上下反転表示状態とに切り換えるように構成されている請求項3記載の農産物の内部品質計測装置。 - 前記被計測物を収納した被計測物収納容器が、前記ケーシングの前面に設けられた容器挿入用開口部を通して前記計測箇所に挿入自在で且つ前記計測箇所から取り出し自在なように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の農産物の内部品質計測装置。
- 装置駆動用の電池が、前記ケーシング内における前記投受光部の下方に設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の農産物の内部品質計測装置。
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