JP2010019596A - 農産物の内部品質計測装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】持ち運びが容易な農産物の内部品質計測装置を提供する。
【解決手段】計測箇所Pに位置する被計測物に光を投射する投光手段1及びその投光手段1から光が投射された被計測物からの光を受光する受光手段2を備えた投受光部Lと、受光手段2にて受光されて光案内手段3にて導かれる光を分光する分光手段30及びその分光手段30にて分光された光の強度を波長毎に検出する光強度検出手段4を備えた分光計測部Mとが設けられた農産物の内部品質計測装置であって、投受光部L及び分光計測部Mが、吊り下げ支持用の把手10を上部に備えたケーシング40内に、分光計測部Mを投受光部Lの下方に位置させた形態で設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、計測箇所に位置する被計測物に光を投射する投光手段及びその投光手段から光が投射された前記被計測物からの光を受光する受光手段を備えた投受光部と、
前記受光手段にて受光されて光案内手段にて導かれる光を分光する分光手段及びその分光手段にて分光された光の強度を波長毎に検出する光強度検出手段を備えた分光計測部とが設けられた農産物の内部品質計測装置に関する。
かかる農産物の内部品質計測装置(以下、単に内部品質計測装置と称する場合がある)は、穀物、青果物等の農産物の内部品質を計測するものであり、例えば、水分、タンパク、アミロース等、農産物に含まれる成分の含有率や農産物の食味等が内部品質として計測される。
ところで、栽培されている農産物が収穫に適した時期か否か等を判別するために、農産物の内部品質を農産物の栽培場所にて計測することが望まれる場合があり、内部品質計測装置が持ち運び可能な可搬型に構成されることが望まれる。
そして、内部品質計測装置を可搬型に構成した従来例として、投光手段の投光部と受光手段の受光部とを手指にて支承可能な形態で投受光部として一体化し、投光手段にて投射する光の光源及び分光計測部等を台車にて搬送可能な装置本体部として一体化することにより、投受光部と装置本体部とを別体に構成し、それら別体の投受光部と本体部とを光源から放射される光を投光部に導く照射用光ファイバ及び受光手段にて受光した光を分光計測部に導く受光用光ファイバ(光案内手段に相当する)にて接続したものがあった(例えば、特許文献1参照。)。
特開平9−67号公報
ところで、従来の内部品質計測装置は、投受光部を樹木に生っている果実に対して投受光させるように位置させて、樹木に生っている果実の内部品質を計測できるものであるが、互いに別体でしかも光ファイバにて接続された投受光部及び装置本体部を持ち運びするものであるので、持ち運びし難いものであった。
そして、農産物の内部品質を計測するに当たり、必ずしも生っている状態で計測する必要があるのではなく、一旦収穫して計測しても良いものであり、このように一旦収穫した農産物の内部品質を計測するのに用いる型式のもので、持ち運びが行い易い内部品質計測装置が望まれるものであった。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、持ち運びが容易な農産物の内部品質計測装置を提供することにある。
本発明の農産物の内部品質計測装置は、計測箇所に位置する被計測物に光を投射する投光手段及びその投光手段から光が投射された前記被計測物からの光を受光する受光手段を備えた投受光部と、
前記受光手段にて受光されて光案内手段にて導かれる光を分光する分光手段及びその分光手段にて分光された光の強度を波長毎に検出する光強度検出手段を備えた分光計測部とが設けられたものであって、
第1特徴構成は、前記投受光部及び前記分光計測部が、吊り下げ支持用の把手を上部に備えたケーシング内に、前記分光計測部を前記投受光部の下方に位置させた形態で設けられている点にある。
即ち、投受光部及び分光計測部が、吊り下げ支持用の把手を上部に備えたケーシング内に、分光計測部を投受光部の下方に位置させた形態で設けられているので、把手を把持してケーシングを吊り下げ状に支持した状態で持ち運びすることができる。
つまり、投受光部及び分光計測部をケーシング内に組み込むことにより内部品質計測装置が一体物として構成され、そして、そのケーシングを把手を把持して吊り下げ状に支持した状態で持ち運びすることができるので、持ち運びし易いものとなるのである。
又、ケーシング内には重量の重い分光計測部が重量の軽い投受光部の下方に設けられているので、ケーシングの重心を上下方向の中央部よりも下方側に位置させることが可能となって、吊り下げ状に支持した状態や地面等に置いた状態でのケーシングの姿勢が安定することとなり、この点からも持ち運びし易いものであり、しかも、地面等に安定的に置いて使用できるのである。
従って、持ち運びが容易で、しかも、地面等に安定的に置いて使用できる農産物の内部品質計測装置を提供することができるようになった。
第2特徴構成は、上記第1特徴構成に加えて、
前記ケーシングが、横側部及び背部の少なくとも一方を開口する開口部を備えたケーシング本体と、そのケーシング本体の前記開口部を開閉自在なカバー部とを備えて構成されている点にある。
即ち、カバー部を開いてケーシング本体の開口部を開くことにより、ケーシング本体における横側部及び背部の少なくとも一方が開口されることになる。
つまり、投受光部や分光計測部のメンテナンスや修理を行うときには、カバー部を開いてケーシング本体の開口部を開くことにより、その開口部を通して行うことができる。
従って、第1特徴構成による作用効果に加えて、メンテナンスや修理を容易に行うことができる。
第3特徴構成は、上記第1又は第2特徴構成に加えて、
前記把手が、前記ケーシングの上部から上方に延びる腕部とその腕部の上端部に取り付けられた把持部とを備えて構成され、
前記腕部の長手方向の中間部のうちの少なくとも一部が前記ケーシングの背部から離れる方向に突出するように構成され、
前記ケーシングの背部における底部側の部分に、その背部から離れる方向に突出する状態で、脚用突起部が設けられ、
前記ケーシングが、前記把手の腕部及び前記脚用突起部を脚とする仰向け姿勢で設置可能なように構成されている点にある。
即ち、把手が、ケーシングの上部から上方に延びる腕部とその腕部の上端部に取り付けられた把持部とを備えて構成され、腕部の長手方向の中間部のうちの少なくとも一部がケーシングの背部から離れる方向に突出するように構成され、ケーシングの背部における底部側の部分に、その背部から離れる方向に突出する状態で、脚用突起部が設けられているので、ケーシングを、把手を上方側に位置させた通常姿勢に加えて、把手の腕部及び脚用突起部を脚とする仰向け姿勢でも置くことができる。
例えば、内部品質計測装置を栽培場所の地面等の低い位置に置いて使用する場合は、ケーシングを通常姿勢で置くようにすれば、被計測物を計測箇所に位置させたり、内部品質計測装置を操作する等の内部品質計測のための操作位置を高くすることが可能となり、内部品質計測のための作業を容易に行える。
又、内部品質計測装置をテーブル上等、地面よりも高い位置に置いて使用する場合は、ケーシングを仰向け姿勢で置くようにすれば、内部品質計測のための操作位置が高くなり過ぎるのを防止することが可能となり、内部品質計測のための作業を容易に行える。
従って、第1又は第2特徴構成による作用効果に加えて、内部品質計測装置の設置高さに高低に拘わらず、その内部品質計測装置を用いて被計測物の内部品質を計測するための作業を容易に行うことができるようになった。
第4特徴構成は、上記第3特徴構成に加えて、
前記光強度検出手段の検出情報に基づいて前記被計測物の内部品質情報を求める制御部が、前記ケーシング内に設けられ、
前記制御部にて求められた内部品質情報を読み取り可能な表示情報として表示する表示部が、前記ケーシングが前記把手を上方側に位置させた通常姿勢にて設置される状態において、表示画面が前記ケーシングの背部側ほど上方に位置する傾斜状になる状態で前記ケーシングの上面部に設けられ、
前記制御部が、前記表示情報を表示させるように前記表示部の表示作動を制御し、且つ、表示状態切換指令に基づいて、前記ケーシングが前記通常姿勢にて設置される状態に対応して上下方向を定めて前記表示情報を前記表示部にて表示する通常表示状態とその通常表示状態に対して上下を反転して前記表示情報を前記表示部にて表示する上下反転表示状態とに切り換えるように構成されている点にある。
即ち、制御部は、光強度検出手段の検出情報に基づいて被計測物の内部品質情報を求めて、求めた内部品質情報を読み取り可能な表示情報として表示部に表示する。
又、制御部は、表示切換指令に基づいて、ケーシングが通常姿勢にて設置される状態に対応して上下方向を定めて表示情報を表示部にて表示する通常表示状態と、その通常表示状態に対して上下を反転して表示情報を表示部にて表示する上下反転表示状態とに切り換える。
そして、表示部が、ケーシングが把手を上方側に位置させた通常姿勢にて設置される状態において、表示画面がケーシングの背部側ほど上方に位置する傾斜状になる状態でケーシングの上面部に設けられているので、ケーシングを通常姿勢で置いて、作業者がケーシングの正面に位置して斜め下向きに見下ろす状態で表示部を見るときには、表示画面が作業者に対面する状態となり、又、そのようなときには、表示情報が通常表示状態にて表示部に表示される状態とすると、ケーシングの正面に位置して斜め下向きに見るのに適切な上下方向の向きで表示情報が表示部に表示されることになり、その結果、作業者は表示部に表示された表示情報を容易に認識することができる。
又、内部品質計測装置をテーブル上等、地面よりも高い位置に置いて使用するときは、ケーシングを仰向け姿勢で置いて、作業者が仰向け姿勢のケーシングにおける把手の手前に位置して表示部を見るようにすると、表示部の表示画面が作業者に対面する状態となり、そして、表示情報が上下反転表示状態にて表示部に表示される状態とすると、仰向け姿勢のケーシングにおける把手の手前に位置して表示部を見るのに適切な上下方向の向きで表示情報が表示部に表示されることになり、その結果、作業者は表示部に表示された表示情報を容易に認識することができる。
従って、第3特徴構成による作用効果に加えて、内部品質計測装置を通常姿勢及び仰向け姿勢のいずれの姿勢で置いても、使用者が容易に認識できるように表示情報を表示部に表示することができるようになった。
第5特徴構成は、上記第1〜第4特徴構成のいずれか1つに加えて、
前記被計測物を収納した被計測物収納容器が、前記ケーシングの前面に設けられた容器挿入用開口部を通して前記計測箇所に挿入自在で且つ前記計測箇所から取り出し自在なように構成されている点にある。
即ち、被計測物を被計測物収納容器に収納して、その被計測物収納容器をケーシングの前面に設けられた容器挿入用開口部を通して計測箇所に挿入することにより、被計測物収納容器に収納した状態で被計測物の内部品質を計測することができ、そして、内部品質の計測が終了すると、被計測物収納容器を計測箇所から取り出すことになる。
つまり、穀物等、被計測物が粉粒状であっても、そのような粉粒状の被計測物を被計測物収納容器に収納して、その被計測物収納容器を容器挿入用開口部を通して計測箇所に挿入することにより、粉粒状の被計測物の内部品質を容易に計測することができる。
従って、第1〜第4特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、粉粒状の被計測物の内部品質も容易に計測することができるようになった。
第6特徴構成は、上記第1〜第5特徴構成のいずれか1つに加えて、
装置駆動用の電池が、前記ケーシング内における前記投受光部の下方に設けられている点にある。
即ち、装置駆動用の電池がケーシング内に設けられているので、近くに電源がない場所においても、装置駆動用の電池により、内部品質計測装置を作動させることができる。
しかも、装置駆動用の電池は重量が重いが、その電池がケーシング内における投受光部の下方に設けられていて、ケーシングの重心をより一層低くすることが可能となるので、把手を把持してケーシングを吊り下げ状に支持した状態で持ち運びするときに、ケーシングの姿勢がより一層安定することとなり、ケーシングをより一層容易に持ち運びすることができる。
従って、第1〜第5特徴構成のいずれかによる作用効果に加えて、装置駆動用の電池を搭載することにより、近くに電源がない場所でも内部品質計測装置を作動させることができながら、内部品質計測装置の持ち運びがより一層容易になるようにすることができた。
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2に示すように、農産物の内部品質計測装置(以下、単に内部品質計測装置と記載する場合がある)は、計測箇所Pに位置する被計測物に光を投射する投光手段1及びその投光手段1から光が投射された前記被計測物からの光を受光する受光手段2を備えた投受光部Lと、前記受光手段2にて受光されて光案内手段3にて導かれる光を分光する分光手段30及びその分光手段30にて分光された光の強度を波長毎に検出する光強度検出手段としての受光センサ4を備えた分光計測部Mと、受光センサ4の検出情報に基づいて前記被計測物の内部品質情報を求める制御部5と、その制御部5に各種制御情報を指令する操作部6と、その制御部5にて求められた内部品質情報を読み取り可能な表示情報として表示する表示部7と、装置冷却用の空気を送風する冷却用送風機8と、装置駆動用の電池9等を備えて構成されている。
そして、図2〜図4に示すように、内部品質計測装置は、前記投受光部L、前記分光計測部M、前記制御部5、前記操作部6、前記表示部7、前記冷却用送風機8及び前記電池9等、内部品質計測装置を構成する全部材をケーシング40を用いて一体的に組みつけて構成してある。
説明を加えると、前記ケーシング40は吊り下げ支持用の把手10を上部に備えて構成され、投受光部L及び分光計測部Mが、そのケーシング40内に、分光計測部Mを投受光部Lの下方に位置させた形態で設けられ、制御部5及び電池9が、ケーシング40内における投受光部Lの下方に設けられている。
以下、前記ケーシング40及び前記把手10について説明を加える。
図2に示すように、ケーシング40が、左右の両横側部及び背部にわたって開口する開口部41aを備えたケーシング本体41と、そのケーシング本体41の開口部41aを開閉自在なカバー部42とを備えて構成されている。
更に、図6にも示すように、ケーシング40の背部における底部側の部分に、その背部から離れる方向に突出する状態で、脚用突起部43が設けられている。
図2〜図5に示すように、把手10が、ケーシング40の上部の左右両端に振り分けて配置されて夫々がケーシング40の上部から上方に延びる一対の腕部10aとその腕部10aの上端部に取り付けられた把持部10bとを備えて構成され、腕部10aの長手方向の中間部のうちの少なくとも一部がケーシング40の背部から離れる方向に突出するように構成されている。
具体的には、図2及び図4に示すように、各腕部10aは、ケーシング40の側面視において、ケーシング40の背部から離れる方向に突出し且つ上端部がケーシング40の上方におけるケーシング前後方向の中央よりもやや後方側に相当する箇所に位置する形態の概ね円弧状に、ケーシング40の上面部における後端から上面部の上方に延びるように設けられている。
矩形状のケーシング底板部分41b、そのケーシング底板部分41bの前端部から鉛直上方に延びる矩形状のケーシング前板部分41c、そのケーシング前板部分41cの上端からケーシング背部側ほど上方に位置する傾斜状に延びる矩形状のケーシング上板部分41d、及び、そのケーシング上板部分41eの後端から上方に延びる前記一対の腕部10aを一体的に備えるように、ケーシングフレームFがアルミ押出成型にて形成されて、ケーシング底板部分41b、ケーシング前板部分41c及びケーシング上板部分41dにて構成されるケーシング本体41と把手10の一対の腕部10aとがケーシングフレームFにて一体的に形成されている。
又、ケーシング本体41のケーシング底板部分41bの後端側に、その端縁に沿って、両端部夫々にネジ孔が形成された長尺状の蓋体当て付け部44が設けられ、ケーシング本体41のケーシング上板部分41dの上部側にその縁部に沿って、両端部夫々にネジ孔が形成された長尺状の蓋体当て付け部45が設けられている。
又、図4及び図5に示すように、ケーシング本体41のケーシング前板部分41cにおける上方側部分の左右方向の略中央には、被計測物を収納した被計測物収納容器としてのサンプル収納容器50を挿脱するための縦長矩形状の容器挿入用開口部41eが形成されている。
このサンプル収納容器50には、生籾、玄米等の粉粒状の被計測物が収納されて、この内部品質計測装置にて粉粒状の被計測物の内部品質が計測されることになる。
図2〜図4に示すように、前部が全体にわたって開口され且つ左右両側部に円形の光通過用開口部(図示省略)を備えた縦長直方体形状の容器保持フレーム11が、その前部の開口部を前記容器挿入用開口部41eに臨ませた状態で、ケーシング本体41のケーシング前板部分41cにおける内面側に取り付けられている。つまり、容器保持フレーム11の内部を前記計測箇所Pとするように構成されている。
前記容器保持フレーム11の背部には、押し操作を繰り返すことにより磁石が出退するように構成されて、容器保持フレーム11内に挿入されたサンプル収納容器50を保持するためのマグネットラッチ12が取り付けられている。
そして、サンプル収納容器50を容器挿入用開口部41eを通して容器保持フレーム11に挿入して、サンプル収納容器50の先端にてマグネットラッチ12を押し操作することにより磁石が突出してサンプル収納容器50が磁石に接当して、サンプル収納容器50が計測箇所Pに保持されることになる。
そのようにサンプル収納容器50が計測箇所Pに保持された状態で、サンプル収納容器50を押し操作すると、マグネットラッチ12の磁石が引退してサンプル収納容器50が磁石から離間することになって、サンプル収納容器50を容器挿入用開口部41eを通して容器保持フレーム11から取り出すことが可能となる。
つまり、被計測物を収納したサンプル収納容器50が、前記ケーシング40の前面に設けられた容器挿入用開口部41eを通して前記計測箇所Pに挿入自在で且つ前記計測箇所Pから取り出し自在なように構成されていることになる。
又、図1、図2及び図4に示すように、容器保持フレーム11内の上部の奥部には、サンプル収納容器50が容器保持フレーム11に挿入されるに伴って押圧されるように、計測指令用スイッチ17が設けられていて、この計測指令用スイッチ17がサンプル収納容器50により押圧されることにより、前記制御部5に計測開始指令が指令されるように構成されている。
更に、図2、図3及び図6に示すように、ケーシング本体41のケーシング前板部分41cの内面側における左側端縁の上端部側に、内部品質計測装置の運転開始及び停止を指令する電源スイッチ13、内部品質計測装置の駆動用電力を給電する電源用ケーブル23,24を接続する電源用ケーブル接続部14、内部品質の計測結果等を出力するデータ出力ケーブル接続部15等が取り付けられた矩形状の端子取付板16が取り付けられている。
図2〜図4に示すように、前記制御部5等を搭載した回路基板(図示省略)を内装した制御ボックス18が、前記投受光部Lの下方側で且つ分光計測部Mの背部側に位置させた状態で、ケーシング本体41のケーシング底板部分41bにおける内面側に支持されている。
図2に示すように、カバー部42は、ケーシング背板部分42a、ケーシング右側板部分42b及びケーシング左側板部分42cを備えるように、アルミ板材を平面視でコの字状に屈曲成形して形成される。
又、そのカバー部42のケーシング左側板部分42cにおける上方側には、前記端子取付板16を露出するための切り欠きが形成され、カバー部42のケーシング右側板部分42bの内面側には、前記冷却用送風機8が、カバー部42がケーシング本体41に装着された状態で前記投光手段1に対向する状態となるように取り付けられている。
又、カバー部42のケーシング背板部分42aには、前記冷却用送風機8の通風作用によりケーシング40内に冷却用空気を吸い込むための吸気口42dが形成され、その吸気口には除塵用フィルタ19が介装されている。
カバー部42のケーシング背板部分42aの4角には、ケーシング本体41に設けられた蓋体当て付け部44,45のネジ孔にビス46を螺入するための孔が形成され、カバー部42を蓋体当て付け部44,45に接当させた状態で、4角の孔を通して蓋体当て付け部44,45のネジ孔に4本のビス46を螺入することにより、カバー部42がケーシング本体41に取り付けられた、開口部41aが閉じられることになる。
図4及び図6に示すように、上述のようにカバー部42がケーシング本体41に取り付けられた状態において、カバー部42が、ケーシング本体41のケーシング底板部分41bの後端縁部よりも内方側に入り込んだ状態となるように構成されて、ケーシング底板部分41bにおけるカバー部42から突出する部分を、前記脚用突起部43として機能させるように構成されている。
そして、前記ケーシング40が、図5に示すように前記把手10を上方側に位置させた通常姿勢と、図6に示すように、把手10の腕部10a及び前記脚用突起部43を脚とする仰向け姿勢とに設置可能なように構成されている。
ちなみに、図6の(a)は、前記ケーシング40が仰向け姿勢で置かれた状態での側面視での図を示し、(b)は、前記ケーシング40が仰向け姿勢で置かれた状態での正面視での図を示す。
図5及び図6に示すように、前記表示部7が、前記ケーシング本体41のケーシング上板部分41dに、その表示画面がケーシング上板部分41dと平行となるように設けられ、前記操作部6が、各制御情報を入力するためのボタン6a,6bと、そのボタン6a,6bにて入力するための情報の項目とが前記表示部7に表示されるタッチパネル式に構成されている。
つまり、表示部7が、前記ケーシング40が前記把手10を上方側に位置させた通常姿勢にて置かれる状態において、表示画面が前記ケーシング40の背部側ほど上方に位置する傾斜状になる状態で前記ケーシング10の上面部に設けられていることになる。
前記表示部7について説明を加える。
表示部7は、内部品質の計測結果等を表示する画面の他に、制御情報を入力するためのボタンの種類が異なる複数種の操作ボタン画面に切り換え自在なように構成されている。
例えば、図5に示すように、計測対象の農産物を選択する計測農産物選択用の操作ボタン画面が表示される。
この計測農産物選択用の操作ボタン画面には、生籾、生玄米、乾玄米、精米のうちのいずれかを計測対象として選択する計測対象選択ボタン6aが生籾、生玄米、乾玄米、精米の夫々に対応して表示される。
又、表示部7には、どのような画面を表示しているかに拘わらず、常時、画面反転ボタン6bが表示される。
そして、制御部5は、画面反転ボタン6bにより表示状態切換指令が指令されると、表示状態切換指令が指令される前の表示状態に対して上下を反転して表示情報を表示部7に表示させるように構成されている。
つまり、制御部5が、表示情報を表示させるように表示部7の表示作動を制御し、且つ、画面反転ボタン6bによる表示状態切換指令に基づいて、前記ケーシング40が前記通常姿勢にて置かれる状態に対応して上下方向を定めて前記表示情報を前記表示部7にて表示する通常表示状態(図5参照)とその通常表示状態に対して上下を反転して前記表示情報を前記表示部7にて表示する上下反転表示状態(図6参照)とに切り換えるように構成されている。
前記投光手段1は、赤外線光を放射するハロゲンランプ等の光源を備えて構成されて、図2及び図3に示すように、前記容器保持フレーム11の右側部の光通過用開口部を通して容器保持フレーム11内のサンプル収納容器50に光を投射するように、容器保持フレーム11の右側方に位置させた状態で、ケーシング本体41のケーシング前板部分41cにおける内面側に支持されている。
又、図1及び図3に示すように、前記投光手段1と前記容器保持フレーム11との間には、シャッタ20が、投光手段1から投射される光の光路を横断する閉じ位置とその光路から退避する開き位置とにシャッタ用ソレノイド21にて位置切換自在に設けられている。
更に、前記投光手段1と前記容器保持フレーム11との間には、投光手段1から投射される光のうちの遠赤外線波長範囲の光をカットする熱カットフィルタ22も設けられている。
図3に示すように、前記受光手段2が、容器保持フレーム11内のサンプル収納容器50を透過して容器保持フレーム11の左側部の光通過用開口部から出射される光を受光するように、容器保持フレーム11の左側方に位置させた状態で、ケーシング本体41のケーシング前板部分41cにおける内面側に支持されている。
図1〜図3に示すように、前記光案内手段3は、被計測物を透過した光を導く計測光用光ファイバ3aと、参照光を導く参照光用光ファイバ3bとを備えて構成されている。
計測光用光ファイバ3a及び参照光用光ファイバ3b夫々は多数の素線から構成され、図1及び図7に示すように、計測光用光ファイバ3aは、その入射側の端部が環状になり、その他の部分は円柱状になるように多数の素線を束ねて構成され、参照光用光ファイバ3bは全長にわたって円柱状になるように多数の素線を束ねて構成されている
そして、前記受光手段2は、計測光用光ファイバ3aにおける環状の入射側端部及び参照光用光ファイバ3bにおける円状の入射側端部を、計測光用光ファイバ3aにおける環状の入射側端部の内部に参照光用光ファイバ3bにおける円状の入射側端部が位置する形態でファイバ保持体2aに保持して構成されている。
図2〜図4に示すように、前記分光計測部Mは、前記投受光部Lの下方側に位置させた状態で、ケーシング本体41のケーシング底板部分41bにおける内面側に支持されている。
図1に示すように、分光計測部Mの前記分光手段30は、前記計測光用光ファイバ3a又は参照光用光ファイバ3bにより導かれる光を入射させる入射スリット31sを備えた分光部用暗箱31内に、前記入射スリット31sから入射した光を複数の波長の光に分光する凹面回折格子32が収納されて構成されている。
そして、前記受光センサ4が、前記凹面回折格子32にて分光反射された光を同時に波長毎に受光するように、前記暗箱31内に設けられている。この受光センサ4は、1024画素の電荷蓄積型のCCDラインセンサにて構成されている。
又、図1に示すように、前記計測光用光ファイバ3aにて導かれる光を入射スリット31sに入射させる状態と、前記参照光用光ファイバ3bにより導かれる光を入射スリット31sに入射させる状態とに切り換える入射光切換部60が設けられている。
この入射光切換部60について説明を加える。
前記分光部用暗箱31における入射スリット31sが形成された側壁に、入射光切換部用暗箱61が連設され、その入射光切換部用暗箱61における分光部用暗箱31の入射スリット31sに対向する側壁部に、前記計測光用光ファイバ3a及び参照光用光ファイバ3bが貫通状態に支持されている。
そして、入射光切換部60は、入射光切換部用暗箱61内に、計測光用中継ファイバ62a及び参照光用中継ファイバ62bを備えたファイバ支持体62が、計測光用中継ファイバ62aの入射端面が計測光用光ファイバ3aの出射端面に対向し且つ計測光用中継ファイバ62aの出射端面が分光部用暗箱31の入射スリット31sに対向する通常計測位置と、参照光用中継ファイバ62bの入射端面が参照光用光ファイバ3bの出射端面に対向し且つ参照光用中継ファイバ62bの出射端面が分光部用暗箱31の入射スリット31sに対向する基準データ計測位置とに入射光切換用モータ63にて移動駆動自在に設けられて構成されている。
ちなみに、64は、ファイバ支持体62を前記通常計測位置と前記基準データ計測位置とに移動駆動されるように前記入射光切換用モータ63に伝動連結するギア機構である。
つまり、入射光切換用モータ63により前記ファイバ支持体62が前記通常計測位置に切り換えられると、計測光用光ファイバ3aにて導かれる光が計測光用中継ファイバ62aを介して前記入射スリット31sから分光部用暗箱31に入射し、入射光切換用モータ63により前記ファイバ支持体62が前記基準データ計測位置に切り換えられると、参照光用光ファイバ3bにて導かれる光が参照光用中継ファイバ62bを介して前記入射スリット31sから分光部用暗箱31に入射することになる。
更に、図1に示すように、前記入射光切換部用暗箱61内には、前記ファイバ支持体62と分光部用暗箱31の入射スリット31sが形成された側壁部との間に位置させて、フィルタ装備用円板25が、入射スリット31sに入射する入射光路に直交する姿勢で、フィルタ切換用モータ26にて前記入射光路に平行な軸心周りに回転駆動自在に設けられている。
そして、図示を省略するが、フィルタ装備用円板25には、前記入射光路と交差する円周に沿って並ぶ状態で、所定の透過率を有するリファレンスフィルタ、成分分析用の波長範囲において少なくとも2つのピーク部を備えた校正用光が得られる波長校正用フィルタ(V10フィルタ等)、及び、光を通過させる光通過用開口が備えられている。
この内部品質計測装置は、AC100V、DC12V及び前記電池9の3電源にて駆動可能なように構成されている。
以下、図8に基づいて、上述のように3電源での駆動を可能にする電源回路70について説明を加える。
AC100VをDC12Vに変換する変換器23cを備えて、AC100Vのコンセントに接続するAC電源用ケーブル23、及び、自動車やコンバイン等のDC12Vが出力されるソケット(シガレットライタ用のソケット等)に接続するDC電源用ケーブル24が備えられている。
これらAC電源用ケーブル23やDC電源用ケーブル24は、前記電源用ケーブル接続部14に接続されて、駆動用電力が給電されることになる。
前記電源回路70は、前記電源用ケーブル接続部14から給電がない状態では、電池側に切り換わって電池9から駆動用電力が出力される状態と、電源用ケーブル接続部14から給電されるのに伴って電源側に切り換わって電源用ケーブル接続部14から駆動用電力が出力される状態とに切り換え自在なリレー71、及び、電源用ケーブル接続部14からのDC12V/4Aの電力をDC24V/1Aに変換して電池9に充電する充電回路部72等から構成されている。
つまり、前記電源用ケーブル接続部14にAC電源用ケーブル23を接続すると、AC100V電源にて内部品質計測装置が駆動され、又、そのAC100V電源にて電池9に充電されることになり、前記電源用ケーブル接続部14にDC電源用ケーブル24を接続すると、自動車やコンバイン等のDC12V電源にて内部品質計測装置が駆動され、又、そのDC12V電源にて電池9に充電されることになる。
次に、図9及び図10に基づいて、前記サンプル収納容器50について説明を加える。
このサンプル収納容器50は、上方が開口されかつ底壁53b及び側周壁53cを備える収納部53を有する容器本体51と、前記収納部53における前記開口53aを開閉自在でかつ閉じ姿勢にて前記容器本体51に固定装着自在な蓋体52とが設けられ、容器本体51が、前記収納部53に測定対象としての粉粒状被計測物を収納しかつ前記蓋体52を閉じ姿勢にて固定装着した状態において、品質計測装置における計測箇所Pに着脱されるように構成されている。
そして、前記収納部53の前記側周壁53cにおける周方向の少なくとも一部が、後退弾性変位自在な後退変位壁部54に構成されている。
この実施形態では、前記後退変位壁部54が、前記側周壁53cの周方向に沿って伸びる長尺状の板バネ55を、その長手方向の一部を固定状態に支持して構成されている。
更に、前記後退変位壁部54が、一対の前記板バネ55を、その長手方向の一端側部分が重複する状態で前記側周壁53cの周方向に並べ、且つ、前記重複される一端側部分とは反対側の他端側部分を固定状態に支持して構成されている。
以下、前記サンプル収納容器50について、更に説明を加える。
前記収納部53の側周壁53cが、上面視で矩形状に構成され、前記容器本体51は、前記収納部53の矩形状の側周壁53cを備えるように、上面が全面にわたって開口され且つ且つ低壁51bを備えて、外周部が上面視で矩形状となる有底状に構成されている。
前記蓋体52が、前記収納部53の前記側周壁53cにおける4辺に対応する4つの壁部分における対向する一対の壁部分の長手方向に沿い、且つ、上面視にて前記収納部53の内部空間よりも外方に位置する揺動軸心周りで開閉自在に蝶番56にて前記容器本体51に支持されるように構成されている。
尚、以下の説明では、前記容器本体51の側周壁における4辺に対応する4つの側周壁部分のうち、蓋体52が揺動自在に支持される側の側周壁を前方側周壁部分51mと称し、その前方側周壁部分51mの左側端部に連なる側周壁部分を左側周壁部分51xと称し、前方側周壁部分51mの右側端部に連なる側周壁部分を右側周壁部分51yと称し、前方側周壁部分51mに対向する側周壁部分を後方側周壁部分51nと称する場合がある。
容器本体51の左側周壁部分51x及び右側周壁部分51y夫々における後方側周壁部分51nの側に偏った箇所の夫々に、前記板バネ55が、後方側周壁部分51nと略平行に伸び、且つ、遊端部分を互いに重ねた状態で、片持ち状に支持されている。
そして、前記容器本体51の前方側周壁部分51m、左側周壁部分51x及び右側周壁部分51y、並びに、前記一対の板バネ55にて、前記収納部53の前記側周壁53cが構成され、前記容器本体51の底壁51bにて、前記収納部53の前記底壁53bが構成されている。ちなみに、各板バネ55が、容器本体51の後方側周壁部分51n側に膨出するように屈曲形成され、それら一対の板バネ55にて形成される収納部53の側周壁53cにおける壁部分が容器本体51の後方側周壁部分51n側に膨出する形状に形成されているが、このような壁部分を含む形状も、矩形状に含まれるものとする。
つまり、前記収納部53の前記側周壁53cの4つの壁部分における長手方向が前記蓋体52の揺動軸心と平行な一対の壁部分のうちで、前記蓋体52の揺動軸心とは離れる側の壁部分が、前記後退変位壁部54に構成されていることになる。
又、容器本体51の後方側周壁部分51nと前記2枚の板バネ55との間の空間が、前記収納部53から溢れた粉粒状被計測物を収納する余剰サンプル収納部57として機能するように構成されている。
容器本体51の底壁51bにおける前記収納部53の底壁53bに相当する部分に円形の開口が形成されて、その開口に光透過用ガラス58が嵌め込まれ、前記蓋体52には、それが前記閉じ姿勢に操作された状態で、容器本体51の底部の光透過用ガラス57に対向するように円形の開口が形成されて、その開口に光透過用ガラス59が嵌め込まれている。
又、蓋体52における蝶番56に支持される端縁部に対向する端縁部には、容器本体側に向けて直角に屈曲する状態で係止用切片52aが延設され、その係止用切片52aの中央部には内方側(蝶番側)に突起するように係止用突起部52bが形成されている。
又、容器本体51の後方側周壁部分51nには、蓋体52が閉じ姿勢に操作された状態で、係止用切片52aの係止用突起部52bが嵌まり込んで蓋体52を閉じ状態に保持する係止用凹部51eが形成されている。
そして、前記蓋体52を開けた状態で、容器本体51の収納部53に粉粒状被計測物を山盛り状態に収納して蓋体52を閉じ操作すると、その閉じられる蓋体52にて収納部53に収納された粉粒状被計測物が押圧されることにより、2枚の板バネ55が図10に仮想線(二点鎖線)にて示すように後退弾性変位しつつ粉粒状被計測物が広がり、又、収納部53に収納された粉粒状被計測物の余剰分が余剰サンプル収納部57にこぼれることになって、収納部53に粉粒状被計測物が均等な充填密度にて充填されることになる。
そして、蓋体52が閉じ姿勢で固定装着された状態の容器本体51が、その後方側周壁部分51nを前方に向けた姿勢で、容器挿入用開口部41eを通して容器保持フレーム11に挿入されて、計測箇所Pに保持されるように構成され、そのように容器本体51が計測箇所Pに保持された状態で、容器本体51の前方側周壁部分51mが容器挿入用開口部41eを閉じる蓋部として機能するように構成されている。
前記制御部5は、マイクロコンピュータを利用して構成され、操作部6、計測指令スイッチ17等からの各種制御情報に基づいて、投光手段1の光源、表示部7、シャッタ用ソレノイド21、フィルタ切換用モータ26、入射光切換用モータ63等の各部の動作の制御を実行し、並びに、前記受光センサ4の検出情報に基づいて被計測物の内部品質情報を求める演算処理を実行するように構成されている。
以下、制御部5による演算処理について説明する。
制御部5は、被計測物を透過した光のスペクトルデータ(以下、計測用スペクトルデータと記載する場合がある)を計測する通常計測モード、前記リファレンスフィルタを透過した光のスペクトルデータ(以下、基準スペクトルデータと記載する場合がある)を計測する基準データ計測モード、光が遮断された状態での受光センサ4の出力値(以下、暗電流データと記載する場合がある)を得る暗電流データ計測モード、前記波長校正用フィルタを通過した光のスペクトルデータ(以下、波長校正スペクトルデータと記載する場合がある)を計測する波長校正データ計測モードを択一的に実行可能なように校正されている。
制御部5は、前記通常計測モードにおいては、被計測物が充填されたサンプル収納容器50が容器保持フレーム11に装填されている状態で、前記シャッタ20を開くように前記シャッタ用ソレノイド21を制御し、前記ファイバ支持体62を通常計測位置に位置させるように前記入射光切換用モータ63を制御し、前記フィルタ装備用円板25の光通過用開口を前記入射光路を横断する位置に位置させるように前記フィルタ切換用モータ26を制御して、受光センサ4の出力値を計測用スペクトルデータとして得るように構成されている。
この計測用スペクトルデータでは、サンプル収納容器50に充填されている被計測物を透過した光が計測光用光ファイバ3aの環状の入射端面にて受光され、その受光された光が計測光用光ファイバ3a及びファイバ支持体62の計測光用中継ファイバ62aにて導かれて、入射スリット31sから分光部用暗箱31に入射して凹面回折格子32により分光され、その分光された光が受光センサ4にて受光されてその受光センサ4から波長毎のデータが出力されることになる。
そして、サンプル収納容器50に充填されている被計測物を透過した光を計測光用光ファイバ3aの環状の入射端面で受光するので、広範囲の被計測物のデータを得ることができるものとなり、内部品質情報の計測精度を向上することができる。
制御部5は、前記基準データ計測モードにおいては、被計測物が充填されていない空のサンプル収納容器50が容器保持フレーム11に装填されている状態で、前記シャッタ20を開くように前記シャッタ用ソレノイド21を制御し、前記ファイバ支持体62を基準データ計測位置に位置させるように前記入射光切換用モータ63を制御し、前記フィルタ装備用円板25のリファレンスフィルタを前記入射光路を横断する位置に位置させるように前記フィルタ切換用モータ26を制御して、受光センサ4の出力値を基準スペクトルデータとして得るように構成されている。
この基準データ計測モードでは、空のサンプル収納容器50を透過した光が参照光用光ファイバ3bの入射端面にて受光され、その受光された光が参照光用光ファイバ3b及びファイバ支持体62の参照光用中継ファイバ62bにて導かれて、入射スリット31sから分光部用暗箱31に入射して凹面回折格子32により分光され、その分光された光が受光センサ4にて受光されてその受光センサ4から波長毎のデータが出力されることになる。
制御部5は、暗電流データ計測モードでは、前記シャッタ20を閉じるように前記シャッタ用ソレノイド21を制御して、受光センサ4の出力値を暗電流データとして得るように構成されている。
又、制御部5は、波長校正データ計測モードでは、被計測物が充填されていない空のサンプル収納容器50が容器保持フレーム11に装填されている状態で、前記シャッタ20を開くように前記シャッタ用ソレノイド21を制御し、前記ファイバ支持体62を基準データ計測位置に位置させるように前記入射光切換用モータ63を制御し、前記フィルタ装備用円板25の波長校正用フィルタを前記入射光路を横断する位置に位置させるように前記フィルタ切換用モータ26を制御して、受光センサ4の出力値を波長校正用スペクトルデータとして得るように構成されている。
ちなみに、制御部5は、この波長校正用スペクトルデータ用いて、受光センサ4の複数の受光素子と受光波長との対応関係を求めて、各受光素子の受光波長の校正を行うように構成されている。
そして、前記制御部5は、公知技術である分光分析手法を用いて被計測物の内部品質情報を求めるように構成されている。
つまり、前記通常計測モードにて得た計測用スペクトルデータを、前記基準データ計測モードにて得た基準スペクトルデータ及び前記暗電流データ計測モードにて得た暗電流データを用いて正規化して、分光された光の各波長毎の吸光度スペクトルデータを得るとともに、その吸光度スペクトルデータの二次微分値を求める。そして、その二次微分値及び予め設定されている検量式により、被計測物に含まれる水分、たんぱく質、アミロース等の含有率や食味を内部品質情報として得るように構成されている。
吸光度スペクトルデータdは、計測用スペクトルデータをSdとし、基準スペクトルデータをRdとし、暗電流データをDaとすると、下記の式1にて求められる。
〔式1〕
d=log[(Rd−Da)/(Sd−Da)]
そして、このようにして得られた吸光度スペクトルデータdを二次微分した値のうち特定波長の値と、下記の式2に示される検量式とを用いて、被計測物の内部品質情報が求められる。
〔式2〕
Y=K0+K1・A(λ1)+K2・A(λ2)……
但し、
Y ;内部品質情報
K0,K1,K2……;係数
A(λ1 ),A(λ2 )……;特定波長λにおける吸光度スペクトルの二次微分値
そして、複数種の被計測物夫々について、計測する内部品質情報の項目毎に検量式が予め設定されて、制御部5に記憶されている。
つまり、被計測物夫々について、計測する内部品質情報の項目毎に、特定波長λ1、λ2……、係数K0,K1,K2……が設定されて、検量式が設定されている。
この実施形態の内部品質計測装置では、生籾については、水分及びタンパク質夫々の計測用の検量式が設定され、生玄米(乾燥されていない玄米)については、水分、たんぱく質及び食味夫々の計測用の検量式が設定され、乾玄米(乾燥された玄米)及び精米の夫々については、水分、タンパク質、アミロース及び食味夫々の計測用の検量式が設定されている。
以下、前記制御部5に制御動作について説明する。
尚、予め、受光センサ4の出力値(電圧値)について、容器保持フレーム11に装填されているサンプル収納容器50が被計測物が充填されていない空の状態か否かを判別するための空容器判別用設定値、及び、内部品質情報を適切に計測するための計測用設定値が予め設定されて、制御部5に記憶されている。
制御部5は、前記計測指令スイッチ17により計測開始指令が指令されると、前記ファイバ支持体62を基準データ計測位置に位置させるように前記入射光切換用モータ63を制御し、且つ、前記フィルタ装備用円板25のリファレンスフィルタを前記入射光路を横断する位置に位置させるように前記フィルタ切換用モータ26を制御した状態で、予備計測用の設定計測時間(例えば30msec)の間、前記シャッタ20を開くように前記シャッタ用ソレノイド21を制御して、受光センサ4における複数の受光素子の出力値のうちのピーク出力値を予備計測データとして得る予備計測モードを実行する。
そして、制御部5は、予備計測データが空容器判別用設定値以上の場合は、容器保持フレーム11に空のサンプル収納容器50が装填されていると判別して、前記基準データ計測モード、暗電流データ計測モード及び波長校正データ計測モードを実行して、基準スペクトルデータ、暗電流データ及び波長校正用スペクトルデータを計測する。
又、制御部5は、予備計測データが空容器判別用設定値よりも小さい場合は、容器保持フレーム11に被計測物が充填されたサンプル収納容器50が装填されていると判別して、予備計測データに基づいて、受光センサ4により計測用設定値以上のデータが得られる投光時間を求めて、その求めた投光時間の間、シャッタ20を開くようにシャッタ用ソレノイド21を制御する状態で、通常計測モードを実行して、計測用スペクトルデータを計測する。
尚、通常計測モードを設定回数(例えば3回)実行して、各モードで計測したデータの平均値を計測用スペクトルデータとするように構成されている。
そして、制御部5は、操作部6により計測対象として設定されている被計測物に対応する検量式に基づいて、内部品質情報を演算して、その演算結果を表示部7に表示させる。
又、制御部5は、操作部6の画面反転ボタン6bにより表示状態切換指令が指令されると、表示状態切換指令が指令される前の表示状態に対して上下を反転して内部品質情報等の表示情報を表示部7に表示させる。
〔別実施形態〕
次に別実施形態を説明する。
(イ) カバー部42にて開閉するケーシング本体41の開口部41aは、上記の実施形態においては、ケーシング本体41における左右の両横側部及び背部の三方を開口するように構成する場合について例示したが、ケーシング本体41における左右の両横側部及び背部のうちのいずれか二方又はいずれか一方を開口するように構成しても良い。
(ロ) ケーシング40に対する把手10の設置形態は、上記の実施形態において説明した形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施形態では、ケーシング40の上部から上方に延びる一対の腕部10aの上端部に把持部10bが取り付けられる形態としたが、ケーシング40の上部から上方に延びる1本の腕部の上端部に把持部が取り付けられる形態としてもよい。
(ハ) 上記の実施形態では、表示部7の表示状態を通常表示状態と上下反転表示状態とに切り換えるための表示状態切換指令を、画面反転ボタン6bにより人為的に指令する場合について例示したが、ケーシングの設置姿勢が通常姿勢であるか仰向け姿勢であるかを検出する姿勢検出手段を設けて、その姿勢検出手段の検出情報に基づいて表示状態切換指令が自動的に指令されるように構成しても良い。
(ニ) 被計測物を計測箇所Pに位置させるための構成として、上記の実施形態においては、被計測物を収納した被計測物収納容器50を計測箇所Pに対して挿脱自在に構成して、被計測物収納容器50に収納された状態で被計測物を計測箇所Pに位置させる場合について例示したが、果物等の被計測物が塊状の場合は、塊状の被計測物そのものを計測箇所Pに位置させるように構成してもよい。
(ホ) 上記の実施形態においては、投光手段1と受光手段2とを、被計測物を透過した光を受光する形態にて配置する場合について例示したが、被計測物を反射した光を受光する形態にて配置してもよい。
農産物の内部品質計測装置の全体構成を示すブロック図 農産物の内部品質計測装置の分解斜視図 農産物の内部品質計測装置の縦断後面図 農産物の内部品質計測装置の縦断左側面図 農産物の内部品質計測装置の通常姿勢で設けた状態の正面図 農産物の内部品質計測装置を仰向け姿勢で設けた状態を示す図 受光手段の光入射側から見た図 電源回路を示すブロック図 サンプル収納容器の斜視図 サンプル収納容器の横断平面図
符号の説明
1 投光手段
2 受光手段
3 光案内手段
4 光強度検出手段
5 制御部
7 表示部
9 電池
10 把手
10a 腕部
10b 把持部
30 分光手段
40 ケーシング
41 ケーシング本体
41a 開口部
41e 容器挿入用開口
42 カバー部
43 脚用突起部
50 被計測物収納容器
L 投受光部
M 分光計測部
P 計測箇所

Claims (6)

  1. 計測箇所に位置する被計測物に光を投射する投光手段及びその投光手段から光が投射された前記被計測物からの光を受光する受光手段を備えた投受光部と、
    前記受光手段にて受光されて光案内手段にて導かれる光を分光する分光手段及びその分光手段にて分光された光の強度を波長毎に検出する光強度検出手段を備えた分光計測部とが設けられた農産物の内部品質計測装置であって、
    前記投受光部及び前記分光計測部が、吊り下げ支持用の把手を上部に備えたケーシング内に、前記分光計測部を前記投受光部の下方に位置させた形態で設けられている農産物の内部品質計測装置。
  2. 前記ケーシングが、横側部及び背部の少なくとも一方を開口する開口部を備えたケーシング本体と、そのケーシング本体の前記開口部を開閉自在なカバー部とを備えて構成されている請求項1記載の農産物の内部品質計測装置。
  3. 前記把手が、前記ケーシングの上部から上方に延びる腕部とその腕部の上端部に取り付けられた把持部とを備えて構成され、
    前記腕部の長手方向の中間部のうちの少なくとも一部が前記ケーシングの背部から離れる方向に突出するように構成され、
    前記ケーシングの背部における底部側の部分に、その背部から離れる方向に突出する状態で、脚用突起部が設けられ、
    前記ケーシングが、前記把手の腕部及び前記脚用突起部を脚とする仰向け姿勢で設置可能なように構成されている請求項1又は2記載の農産物の内部品質計測装置。
  4. 前記光強度検出手段の検出情報に基づいて前記被計測物の内部品質情報を求める制御部が、前記ケーシング内に設けられ、
    前記制御部にて求められた内部品質情報を読み取り可能な表示情報として表示する表示部が、前記ケーシングが前記把手を上方側に位置させた通常姿勢にて設置される状態において、表示画面が前記ケーシングの背部側ほど上方に位置する傾斜状になる状態で前記ケーシングの上面部に設けられ、
    前記制御部が、前記表示情報を表示させるように前記表示部の表示作動を制御し、且つ、表示状態切換指令に基づいて、前記ケーシングが前記通常姿勢にて設置される状態に対応して上下方向を定めて前記表示情報を前記表示部にて表示する通常表示状態とその通常表示状態に対して上下を反転して前記表示情報を前記表示部にて表示する上下反転表示状態とに切り換えるように構成されている請求項3記載の農産物の内部品質計測装置。
  5. 前記被計測物を収納した被計測物収納容器が、前記ケーシングの前面に設けられた容器挿入用開口部を通して前記計測箇所に挿入自在で且つ前記計測箇所から取り出し自在なように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の農産物の内部品質計測装置。
  6. 装置駆動用の電池が、前記ケーシング内における前記投受光部の下方に設けられている請求項1〜5のいずれか1項に記載の農産物の内部品質計測装置。
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