JP2010018888A - Cvd装置及びcvd方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】埃や生成物が残留する懸念がなく、高品質の薄膜を形成させることが可能であり、かつ製造コストやメンテナンスコストが低いCVD装置を開発する。
【解決手段】基体受取・払出し装置2と、成膜チャンバー群3と、移動用チャンバー5及びチャンバー移動装置32によって構成される。成膜チャンバー15の成膜室出入口には気密性を有するシャッターが設けられているが、移動用チャンバー5の収納室出入口は常時開放である。チャンバー移動装置32によって基体受取・払出し装置2の位置に移動用チャンバー5が移動し、基体キャリア72を、移動用チャンバー5側に移送する。またチャンバー移動装置32によって移動用チャンバー5を成膜チャンバー15と接合し、基体キャリア72を、成膜チャンバー15に移動させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition) 等のCVD作業に使用される装置に関するものである。また本発明は、CVD方法に関するものである。
本発明のCVD装置及びCVD方法は、太陽電池等の光電変換装置を製造する場合に好適である。
無尽蔵に降り注ぐ太陽エネルギーを使用して発電することができ、且つ排気ガスを排出することなくクリーンであり、さらに放射能を放出するといった危険がなく安全であることから、太陽電池が注目を集めている。
太陽電池は、ガラス基板(基体)の上に半導体層を積層したものであり、具体例としてガラス基板上にシリコン系のp層、i層及びn層を成膜して積層したものが知られている。
またこれらのシリコン系半導体層の成膜には、プラズマCVD法が活用されることが多い。
ここでプラズマCVD法とは、成膜室を高真空に減圧し、原料ガスを成膜室に供給した後、グロー放電又はアーク放電によって原料ガスを分解し、成膜室内に設置された基板上に薄膜を形成させる技術である。
プラズマCVD法を行うための装置および具体的な作業方法としては、下記の特許文献に開示がある。
特許文献1,2に開示のプラズマCVD装置は、加熱等の前処理用のチャンバー、成膜用のチャンバー、冷却等の後処理用のチャンバーといった基体に所定の加工を行う工程別のプロセスチャンバーと、基体を搬送する移動用チャンバーを備えるものである。
特許文献1,2に開示のプラズマCVD装置では、プロセスチャンバーとして、2基の前処理チャンバーと、多数の成膜用チャンバーと、2基の後処理用チャンバーが並べて配置されている。そして各プロセスチャンバーの列の上部に移動用チャンバーが配備されている。移動用チャンバーは、搬送手段によって任意のプロセスチャンバーの上部に移動することができる。
特許文献1,2に開示されたプラズマCVD装置では、各チャンバーの基体出し入れ用の開口に、仕切りシャッターが設けられている。
すなわち特許文献1,2に記載のプラズマCVD装置で採用するプロセスチャンバーでは、内部に基体を出し入れするための開口部が設けられているが、各開口に仕切りシャッターが設けられている。この仕切りシャッターは、気密性を有するものであり、仕切りシャッターを閉じて内部の空気を排気することにより、プロセスチャンバー内を真空状態にすることができる。
また特許文献1,2に記載のプラズマCVD装置では、移動用チャンバーにも同様の仕切りシャッターが設けられている。
特許文献1,2に記載のプラズマCVD装置では、プロセスチャンバーおよび移動用チャンバーの全てに減圧装置が接続されている。
また特許文献1では、移動用チャンバーのシャッター部分についても減圧装置が接続され、特許文献2では、プロセスチャンバーのシャッター部分についても減圧装置が接続されている。
次に、特許文献1,2に記載のプラズマCVD装置を使用して成膜を行う場合の作業工程について説明する。
特許文献1,2に記載のプラズマCVD装置を使用して成膜を行う場合、最初に第1の前処理チャンバーに基体を投入する。すなわち第1の前処理チャンバーの仕切りシャッターを開いて基体を投入する。そして続いて仕切りシャッターを閉じ、内部の空気を排気して真空状態にする。さらに続いて前処理チャンバーに内蔵されたヒータ等によって基体を加熱する。
この作業と平行して移動用チャンバーでは、仕切りシャッターを閉じて内部の空気を排気し、真空状態にしておく。
前述した第1の前処理チャンバーにおける基体の加熱作業が終了すると、移動用チャンバーを第1前処理チャンバーの真上に移動させ、移動用チャンバーを第1前処理チャンバーに接続する。そして両者の仕切りシャッター間を減圧する。
その後、移動用チャンバーの仕切りシャッター及び第1前処理チャンバーの仕切りシャッターを共に開き、第1前処理チャンバー内の基体を移動用チャンバー側に移動させる。
基体の移動が完了すると、移動用チャンバーの仕切りシャッター及び第1前処理チャンバーの仕切りシャッターを共に閉じる。そして移動用チャンバーを移動して隣接する第2前処理チャンバーの上に移動用チャンバーを停止し、移動用チャンバーを第2前処理チャンバーに接続し、両者の仕切りシャッター間を減圧し、移動用チャンバーの仕切りシャッター及び第2前処理チャンバーの仕切りシャッターを共に開いて移動用チャンバー内の基体を第2前処理チャンバーに移動させる。
こうして移動用チャンバーを使用して基体を順送りに各プロセスチャンバーに移動させ、各プロセスチャンバーによって所定の作業を行って成膜作業を完了させる。
特公昭63−12138号公報 特開平4−329883号公報
ところで、太陽電池等に使用する光電変換装置をCVD法によって製造する場合には、塵や埃は厳禁である。そのためこれらはクリーンルーム内で製造されるが、たとえクリーンルームと言えども僅かに埃や塵が存在する。
またプラズマCVD法による場合は、基体以外の部分にも薄膜と類似成分の生成物が出来るが、これらの生成物が剥離する等によって塵が生じることもある。
これらの塵等は、厳重に除去する対策が取られているが、仕切りシャッターの合わせ面やシール面にこれらの塵等が挟み込まれる危険性があり、これらの部位に紛れ込んだ塵等を除去することは極めて困難である。
一方、従来技術のプラズマCVD装置では、前記した様に移動用チャンバーにも仕切りシャッターが設けられている。移動用チャンバーに取り付けられた仕切りシャッターは、プロセスチャンバーの仕切りシャッターに比べて開閉頻度が高く、塵や生成物が噛み込み易い。そのため従来技術のプラズマCVD装置によると、移動用チャンバーの仕切りシャッターに噛み込んだ塵や生成物が基体の移動の際や移動用チャンバーを移動させる際に剥離し、基体の表面に付着して悪影響を与える懸念があった。
また移動用チャンバーの仕切りシャッターに塵や生成物が噛み込むと、シャッターのシール性能が低下し、移動用チャンバー内の真空度が下がる。移動用チャンバーは各プロセスチャンバーに接続されるので、移動用チャンバーの真空度の低下はプロセスチャンバー内の真空度の低下にも結びつく。
このように移動用チャンバーの仕切りシャッターに塵や生成物が噛み込むと、移動用チャンバーやプロセスチャンバー内の真空度が低下し、装置の安定稼働が損なわれ、稼働率が低下する懸念があった。
またさらに前記した様に移動用チャンバーに取り付けられる仕切りシャッターは頻繁に開閉されるために、シールが傷みやすく、シールの取り替えといった定期的なメンテナンスが必要である。
しかし前記した様に移動用チャンバーに取り付けられる仕切りシャッターは大型であるため、メンテナンス作業は容易ではない。
さらに加えて、従来技術のプラズマCVD装置では、移動用チャンバー及びプロセスチャンバーの仕切りシャッターを開いた際に、両チャンバー内の真空度を維持する必要から両仕切りシャッターの間に残留する空気を排気する必要があるが、このための配管が複雑であり、仕切りシャッターのメンテナンスをさらに困難にしている。
また移動用チャンバーに取り付ける仕切りシャッターは大型かつ高精度のものが要求されるために高価であり、装置全体の製作費用が嵩むという問題もあった。
そこで本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、埃や生成物が残留する懸念がなく、高品質の薄膜を形成させることが可能であり、かつ製造コストやメンテナンスコストが低いCVD装置の開発を課題とするものである。
また加えて本発明は、同様の課題を解決するCVD法を提供することを課題とするものである。
そして上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、所定形状の基体に対して薄膜を成膜するCVD装置において、複数の成膜チャンバーと、1以上の移動用チャンバーを備え、前記成膜チャンバーは基体に成膜する成膜室と、当該成膜室に基体を出し入れする成膜室出入口を備え、前記成膜室出入口には気密性を有するシャッターが設けられ、前記成膜室には成膜室側減圧装置が接続されており、前記移動用チャンバーは基体を収納する収納室と、当該収納室に基体を出し入れする収納室出入口を有し、前記収納室出入口は、常時開放であるか又は気密性を有しない閉塞部材が設けられており、前記収納室には収納室側減圧装置が接続されており、前記成膜チャンバーは定位置に固定され、前記移動用チャンバーは移動可能であり、移動用チャンバーを移動してその収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口に気密的に接合可能であり、成膜室出入口のシャッターを閉じた状態で収納室側減圧装置によって前記シャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧し、その後に前記シャッターを開いて移動用チャンバー側の基体を成膜チャンバーの成膜室に移送可能であることを特徴とするCVD装置である。
本発明で採用する移動用チャンバーは、収納室に基体を出し入れする収納室出入口を有するが、当該収納室出入口は、常時開放であるか又は気密性を有しない閉塞部材が設けられているに過ぎず、従来の様な気密性を有する仕切りシャッターは無い。
そのため従来技術で懸念された様な、シャッターのシール部等に塵や生成物が噛み込む問題はない。
また本発明で採用する移動用チャンバーは、従来の様な気密性を有する仕切りシャッターが無いから、製造コストが低く、メンテナンスも容易である。
さらに本発明では、移動用チャンバーを移動してその収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口に気密的に接合し、成膜室出入口のシャッターを閉じた状態で、成膜室出入口のシャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧するから、成膜室出入口のシャッターを開いても成膜用チャンバー内の真空状態は維持される。
移動用チャンバーは一基でもよいが複数であってもよい、移動用チャンバーを複数にした場合は、一つの移動用チャンバーがトラブルにより故障しても、稼働率を下げることなく、生産を続けることができる。一基の移動用チャンバーが移動中、他の移動用チャンバーは、干渉しないポジションに待機させておくのがよい。
また、移動チャンバーを2以上とし、シーケンシャルに移動ポジションを管理することによって、より高い生産性を確保することも可能となる。
また同様の課題を解決するための方法に関する発明は、複数の成膜チャンバーと1以上の移動用チャンバーを備えたCVD装置を使用し、所定形状の基体に薄膜を成膜するCVD方法であって、前記成膜チャンバーは基体に成膜する成膜室と、当該成膜室に基体を出し入れする成膜室出入口を備え、前記成膜室出入口には気密性を有するシャッターが設けられ、前記成膜室には成膜室側減圧装置が接続されており、前記移動用チャンバーは基体を収納する収納室と、当該収納室に基体を出し入れする収納室出入口を有し、前記収納室には収納室側減圧装置が接続されており、前記成膜チャンバーは定位置に固定され、前記移動用チャンバーは移動可能であり、成膜チャンバーのシャッターが閉じられた状態において移動用チャンバーを移動してその収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口に気密的に接合し、成膜室出入口のシャッターを閉じた状態のままで収納室側減圧装置によって前記シャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧し、その後に前記シャッターを開いて移動用チャンバー側の基体を成膜チャンバーの成膜室に移送し、成膜室内において基体に所定の成膜を行うことを特徴とするCVD方法である。
本発明のCVD方法では、移動用チャンバーを移動してその収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口に気密的に接合し、成膜室出入口のシャッターを閉じた状態で成膜室出入口のシャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧するから、成膜室出入口のシャッターを開いても成膜用チャンバー内の真空状態は維持される。
また請求項3に記載の発明は、複数の成膜チャンバーと1以上の移動用チャンバーを備えたCVD装置を使用し、所定形状の基体に薄膜を成膜するCVD方法であって、前記成膜チャンバーは基体に成膜する成膜室と、当該成膜室に基体を出し入れする成膜室出入口を備え、前記成膜室出入口には気密性を有するシャッターが設けられ、前記成膜室には成膜室側減圧装置が接続されており、前記移動用チャンバーは基体を収納する収納室と、当該収納室に基体を出し入れする収納室出入口を有し、前記収納室出入口は、常時開放であるか又は気密性を有しない閉塞部材が設けられており、前記収納室には収納室側減圧装置が接続されており、前記成膜チャンバーは定位置に固定され、前記移動用チャンバーは移動可能であり、成膜チャンバーのシャッターが閉じられた状態において移動用チャンバーを移動してその収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口に気密的に接合し、成膜室出入口のシャッターを閉じた状態のままで収納室側減圧装置によって前記シャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧し、その後に前記シャッターを開いて移動用チャンバー側の基体を成膜チャンバーの成膜室に移送し、成膜室内において基体に所定の成膜を行うことを特徴とするCVD方法である。
本発明のCVD方法で採用する移動用チャンバーでは、収納室出入口は、常時開放であるか又は気密性を有しない閉塞部材が設けられているに過ぎず、従来の様な気密性を有する仕切りシャッターは無いので、シャッターのシール部等に塵や生成物が噛み込む問題はない。
また成膜室出入口のシャッターを開いても、成膜用チャンバー内の真空状態は維持される。
また請求項4に記載の発明は、成膜チャンバーにおける成膜工程が終了した時、あるいは成膜工程の終了に先立って、移動用チャンバーを移動してその収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口に気密的に接合し、成膜室出入口のシャッターを閉じた状態のままで収納室側減圧装置によって前記シャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧し、その後に前記シャッターを開いて成膜チャンバー側の基体を移動用チャンバー側に移送し、前記シャッターを閉じた後に移動用チャンバーの収納室に空気その他の気体を導入して収納室内の気圧を外圧と均衡させ、移動用チャンバーの収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口から切り離し、移動用チャンバーを移動して内部の収納された成膜後の基体を所定の位置に運搬することを特徴とする請求項2又は3に記載のCVD方法である。
本発明のCVD方法では、成膜チャンバーにおける成膜工程が終了した時、あるいは成膜工程の終了に先立って、移動用チャンバーを移動してその収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口に気密的に接合する。そして成膜室出入口のシャッターを閉じた状態のままで収納室側減圧装置によって前記シャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧する。そのため成膜室出入口のシャッターを開いても成膜用チャンバー内の真空状態は維持される。
そして本発明では、成膜室出入口のシャッターを開いて成膜チャンバー側の基体を移動用チャンバー側に移送し、成膜室出入口のシャッターを閉じる。その後、移動用チャンバーの収納室に空気その他の気体を導入して収納室内の気圧を外圧と均衡させ、さらにその後に、移動用チャンバーの収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口から切り離すので、移動用チャンバーと成膜チャンバーの切り離しに要する力が小さい。また成膜室出入口のシャッターを閉じた後に移動用チャンバーの収納室に空気等を導入するので、成膜用チャンバー内の真空状態は維持される。
また請求項5に記載のCVD方法は、移動用チャンバーには収納室内に収納された基体を加熱する基体加熱手段が設けられており、収納室側減圧装置によって前記シャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧した後、前記加熱手段によって基体を加熱することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のCVD方法である。
本発明のCVD方法で使用する移動用チャンバーは、基体を加熱する基体加熱手段を有するものである。そのため本発明のCVD方法で使用する移動用チャンバーは、基体の移動機能と加熱機能を併せ持つので、別個の前処理用チャンバーを省略することができる。また本発明のCVD方法ではチャンバー内を減圧した後に基体の加熱を行うので、品質の悪化がない。すなわち大気状態で基体の加熱を行うと、基板表面に酸化膜が形成され、品質が劣化するが、本発明のCVD方法ではチャンバー内を減圧した後に基体の加熱を行うので、基板表面に酸化膜ができず、高品質の薄膜を形成せさることができる。
収納室側減圧装置は移動用チャンバーに取り付けられた真空ポンプであることが望ましい(請求項6)。
本発明の構成によると、移動用チャンバーと移動用チャンバーを真空引きする真空ポンプは一緒に移動することとなる。
一般に、プロセスを行うチャンバーに基体を挿入するには、ローディングチャンバーが必要であり、ローディングチャンバーを真空引きする真空ポンプが必要である。本来であれば、各成膜チャンバ毎にローディングチャンバが必要であり、各ローディングチャンバ毎に真空ポンプが必要となる。
これに対して、本発明では、移動用チャンバが共通のローディングチャンバとして機能する。そして本発明では、収納室側減圧装置は移動用チャンバーに取り付けられた真空ポンプであるから、真空ポンプは一つでよい。
そのため本発明によると、真空ポンプの総数が少なく、設備コストが小さい。またメンテナンスに要する時間も少ない。
成膜チャンバーは成膜室出入口を同一方向に向けた状態で横列に配置されることが望ましい。この場合には、移動用チャンバーはその収納室出入口を前記成膜室出入口に対して対向する向きに向けて配置されることとなる。また移動用チャンバーは成膜チャンバーの列方向と、成膜チャンバーに対して近接・離反方向に移動可能であることが推奨される(請求項7)。
本発明の様に、成膜チャンバーを列状に配置する構成を採用すると、将来の増設に対する拡張性がある。すなわち増設毎に成膜チャンバを列状に増設し、チャンバ数毎に移動チャンバの稼働距離を増やすだけで増設が可能となる。
太陽電池の製造に本発明のCVD方法を採用する場合は、基体として平板状のガラスが使用される。ここで基体として平板状のものを使用する場合には、移動用チャンバーの収納室内には基体が複数収納され、各基体は平行に並べて縦置され、移動用チャンバーの収納室内の基体は、面方向に直線移動して成膜チャンバーの成膜室に移送されることが望ましい(請求項8)。
この様に複数の基体を平行に並べて縦置し、面方向に直線移動して成膜チャンバーの成膜室に移送することにより、大量の基体に同時に成膜を施すことができる。
また同様の作用効果を有する請求項9に記載の発明は、成膜チャンバーは、プラズマCVDによる成膜機能を備え、成膜チャンバーの成膜室には複数の面状のヒータ及び面状の電極が所定の間隔を設けて平行に並べて縦置きされ、基体は平板状であり、移動用チャンバーの収納室内には基体が複数収納され、各基体は所定の間隔を設けて平行に並べて縦置され、移動用チャンバーの収納室内の基体は、面方向に直線移動して成膜チャンバーの成膜室に移送され、各基体は、ヒータと電極の間に挿入されることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載のCVD方法である。
本発明のCVD方法では、成膜チャンバーの成膜室には複数の面状のヒータ及び面状の電極が所定の間隔を設けて平行に並べて縦置きされている。そして各基体は、ヒータと電極の間に挿入される。そのため大量の基体に同時に成膜を施すことができる。
また請求項10に記載の発明は、各成膜チャンバーにおいて、基体に多層の成膜が行われることを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載のCVD方法である。
本発明のCVD方法では、移動用チャンバーを成膜チャンバーに接続する度に、移動用チャンバー側の減圧と大気開放を繰り返すので、移動用チャンバーと成膜チャンバーとの接続頻度は極力少ないほうが望ましい。そこで本発明では、前記した様に各成膜チャンバーにおいて、基体に多層の成膜が行われることとした。
また本発明では、複数の成膜チャンバーが同一のシーケンスにより同一の生産を実施することとなるので、成膜チャンバーを共通仕様で作成可能である。そのため成膜チャンバーの製造コストの低下を図ることができる。
また例えば太陽電池を製造する場合の様に、ガラス基板上にp層、i層及びn層を成膜する場合であれば、3基の成膜チャンバを必要としていたが、一つの成膜チャンバで実施することによりチャンバの基数そのものを減らすこともできる。さらにチャンバに付属された真空ポンプ、ガス流量制御装置、高周波電源、高周波電極、基板ヒータ、基板搬送機構、計測システムなどの付属物の数量も減少するから、全体としての設備費用を大幅に下げる事ができる。
また、各成膜チャンバーのメンテナンス周期を同じとし、メンテナンスのタイミングを各成膜チャンバ毎にずらす様な構成を採用すれば、メンテナンスを行っている他のチャンバは生産活動をすることが可能であることから、メンテナンスによって稼働率の低下を招くことがない。さらにメンテナンスを少人数で行うことができ、一回に要するメンテナンス時間も短縮する事ができる。
本発明のCVD装置は、埃や生成物が基体に付着する懸念が少なく、高品質の薄膜を形成させることができる効果がある。また本発明のCVD装置は、埃や生成物の噛み込みによるシール性の低下を未然に防止することができ、装置の真空気密度を高く保つことが可能である。そのため装置を安定的に稼働することができる効果があり、装置の稼働率が高い。さらに本発明のCVD装置は、製造コストやメンテナンスコストが低いという効果がある。
本発明のCVD方法についても同様であり、高品質の薄膜を形成させることができる効
果があり、装置は製造コストやメンテナンスコストが低いという効果がある。
本発明の実施形態のCVD装置を移動用チャンバー側から見た全体斜視図である。 本発明の実施形態のCVD装置で採用する移動用チャンバーを収納室出入口側から見た斜視図である。 本発明の実施形態のCVD装置のレイアウト及び概略的な動作を説明する概念図である。 基体受取・払出し装置、成膜チャンバー及び移動用チャンバーに装備された基体移動装置の要部の斜視図である。 成膜チャンバーの内部構造を示す斜視図である。 成膜チャンバーの成膜室出入口に設けられるシャッターの例を示す斜視図である。 成膜チャンバーの成膜室出入口に設けられるシャッターの例を示す斜視図である。 成膜チャンバーの成膜室出入口に設けられるシャッターの例を示す斜視図である。 成膜チャンバーの内部構造を示す一部破断平面断面図である。 成膜チャンバーに内蔵される電極の断面斜視図である。 移動用チャンバーの内部を示す斜視図である。 チャンバー移動装置の断面図である。 チャンバー本体の内部構造を示す平面断面図である。 本発明の実施形態で使用する基体キャリアの斜視図である。 図14の基体キャリアの分解斜視図である。 移動用チャンバーと成膜チャンバーが接合した状態を示す外観斜視図である。 移動用チャンバーから成膜チャンバーに基体キャリアが移動する状態を示す移動用チャンバーと成膜チャンバーの一部破断斜視図である。 移動用チャンバーと成膜チャンバーのフランジの接合状態を示す断面図である。 移動用チャンバーから成膜チャンバーに基体キャリアが移動する状態を示す移動用チャンバーと成膜チャンバーの平面断面図である。
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態のCVD装置を移動用チャンバー5側から見た全体斜視図である。図2は、本発明の実施形態のCVD装置で採用する移動用チャンバー5及びチャンバー移動装置12を収納室出入口16側から見た斜視図である。図3は、本発明の実施形態のCVD装置のレイアウト及び概略的な動作を説明する概念図である。図4は、基体受取・払出し装置2、成膜チャンバー15及び移動用チャンバー5に装備された基体移動装置の要部の斜視図である。
図1において、1は本発明の実施形態のCVD装置を示す。本実施形態のCVD装置1は、ガラス製の基体46に半導体層を成膜するものである。本実施形態のCVD装置1は、大きく分けて、基体受取・払出し装置2と、成膜チャンバー群3と、移動用チャンバー5及びチャンバー移動装置32によって構成される。
順次説明すると、基体受取・払出し装置2は、図1の様にベース部材4に基体移動装置8が5基設けられたものである。
それぞれの基体移動装置8は、たとえば図4に示す様な構造をしている。すなわち基体移動装置8は、高さの低いリブ10が平行に2本延びており、その間にガイド溝11が形成されている。またガイド溝11の中にはピニオンギア12が一定間隔をあけて複数設けられている。ピニオンギア12は、図示しない動力によって回転する。
成膜チャンバー群3を構成する成膜チャンバー15は、いずれも同一の構造をしたものである。図5は、成膜チャンバー15の内部構造を示す斜視図である。図6〜図8は、成膜チャンバー15の成膜室出入口16に設けられるシャッターの例を示す斜視図である。図9は、成膜チャンバー15の内部構造を示す一部破断平面断面図である。図10は、成膜チャンバー15に内蔵される電極25の断面斜視図である。
成膜チャンバー15の外観形状は、図1、5に示すように天面、底面、左右側面、裏面の6面が囲まれた箱状であり、正面には長方形の成膜室出入口16が設けられている。成膜室出入口16の開口端にはフランジ17が設けられている。
フランジ17は、成膜室出入口16と相似形であって、長方形であるが、その4隅の内の対向する2角に穴20が設けられている。
成膜室出入口16には、気密性を備えたシャッター18が設けられている。
シャッター18は、スライド型ゲートバルブと称されるものが採用されており、図5の矢印に示すように扉状の部材14が矢印の方向にスライドする。
シャッター18の構造は限定されるものではなく、仕切り弁型のシャッターの他、バタフライ弁型のシャッター等が採用可能である。
すなわち成膜室出入口16に設けられる気密性を備えたシャッター18は、たとえば図6に示すような板体19が平行移動して成膜室出入口16を開閉する形式のものや、図7に示すようなヒンジ状の部分があってウイング状に開閉する形式のもの、或いは図8に示すような多数の板状の部材21が回転するものが知られている。
成膜チャンバー15の内部は、図9に示すようにプラズマCVD法によって基体46に成膜する成膜室22となっている。そしてその内部には、図5,図9に示すように6基のヒータ23a,b,c,d,e,fと、5基の電極25a,b,c,d,eが設けられている。すなわち図5、図9で細長方形として図示されているのがヒータ23であり、太い長方形として図示されているのが電極25である。
ヒータ23a,b,c,d,e,fは、いずれも板状の面ヒータであるが、その内部構造は、公知のプラズマCVDに使用されるものと同一であり、たとえば板体の内部にシーズヒータが埋め込まれたものや、板面状のセラミックヒータ、或いはハロゲンランプが面状に配置されたもの等を採用することができる。
6基のヒータ23a,b,c,d,e,fの内、両端部のヒータ23a,23fは、成膜室22側面の内壁24a,24bに取り付けられている。他のヒータ23b,c,dは、所定の間隔を開けて成膜室22内に平行に縦置きされている。
一方、電極25a,b,c,d,eは、図10に示すように枠体26の両面にシャワープレート27が取り付けられたものである。
枠体26にはガスパイプ31が接続されており、図示しない原料ガス供給源に接続されている。また枠体26には、マッチング回路(MBX)を介して高周波交流電源に接続されている。
電極25a,b,c,d,eは前記した6基のヒータ23a,b,c,d,e,fの間に平行に縦置きされている。なお本実施形態では、各電極25a,b,c,d,eは、いずれも成膜室22の天面から垂下されて縦置きされており、成膜室22の底面と各電極25a,b,c,d,eの間には隙間がある。
前記したように、電極25a,b,c,d,eが6基のヒータ23a,b,c,d,e,fの間に縦設された結果、成膜室22の内部は、図9に示すように、側面のヒータ23a、電極25a、ヒータ23b,電極25b,ヒータ23c,電極25c,ヒータ23d,電極25d,ヒータ23e,電極25e及び対向側面のヒータ23fが順に平行に立設された状態となっている。
また成膜室22の内部には、前記した基体受取・払出し装置2と同様の基体移動装置29が設けられている(図5参照 他の図については図示を省略)。基体移動装置29の数は、前記した基体受取・払出し装置2と同一であり、その間隔も基体受取・払出し装置2と同一である。
成膜室22の内部では、図5に示すように各基体移動装置8のガイド溝11内に電極25a〜25eが位置する。
また図5に示すように、成膜室22には弁33を介して真空ポンプ(成膜室側減圧装置)34が接続されている。
次に移動用チャンバー5及びチャンバー移動装置32について説明する。
図11は、移動用チャンバー5の内部を示す斜視図である。図12は、チャンバー移動装置32の断面図である。図13は、移動用チャンバー5の内部構造を示す平面断面図である。
移動用チャンバー5は、図2に示すように天面、底面、左右側面、裏面の6面が囲まれた箱状であり、正面には長方形の収納室出入口35が設けられている。収納室出入口35の開口端にはフランジ37が設けられている。
収納室出入口35及びフランジ37の大きさ及び形状は、前記した成膜チャンバー15の成膜室出入口16およびフランジ17と等しい。
ただし、成膜チャンバー15のフランジ17では、その4隅の内の対向する2角に穴20が設けられていたが、移動用チャンバー5のフランジ37では、相当する位置にピン40が設けられている。ピン40はテーパー状である。
またフランジ37にはオーリング41が装着されている。
オーリング41の断面形状は、図18の様に等脚状の台形である。またオーリング41を装着する溝42の断面についても台形形状であり、オーリング41は、短辺側が溝42から突出している。オーリング41の断面形状は、台形状であることが推奨されるが、正方形等の他の多角形でもよく、通常の円形断面であってもよい。
移動用チャンバー5の収納室出入口35には、これを遮蔽する部材が無く、収納室出入口35は常に開放されている。
移動用チャンバー5の内部は、図11に示すように基体46を収納する収納室47となっている。
収納室47の内部には、前記した基体受取・払出し装置2及び成膜室22と同様に基体移動装置49(図2、図13参照)が設けられている。基体移動装置49の数は、前記した基体受取・払出し装置2及び成膜室22のそれと同一であり、その間隔も基体受取・払出し装置2等と同一である。
また移動用チャンバー5の収納室47内には、6基のヒータ43a,b,c,d,e,fが設けられている。6基のヒータ43a,b,c,d,e,fの構造は、前記した成膜チャンバー15の成膜室22に配された6基のヒータ23a,b,c,d,e,fと同様である。移動用チャンバー5内の6基のヒータ43a,b,c,d,e,fの位置関係についても成膜チャンバー15の成膜室22に配された6基のヒータ23a,b,c,d,e,fと同一である。
本実施形態で採用する移動用チャンバー5は、従来必須であったシャッターが無い。そのため従来技術で懸念された様なシャッターに対する塵の噛み込みは起こりえない。
また本実施形態で採用する移動用チャンバー5は、従来必須であったシャッターが無いので製作費が安い。
チャンバー移動装置32は、横列方向と、前後方向に移動用チャンバー5を移動させるものであり、図1、図2、図12の様に横列方向の移動はレール50に沿って行われ、前後方向には直線ガイド51に沿って行われる。
すなわちチャンバー移動装置32は、横列方向に延びる一対のレール50を有する。レール50は、公知の列車用レールと同様の断面形状をしている。レール50は、床面に設けられたまくら木54に公知のタイプレート等によって接続されている。
そしてレール50の間には、図1、図2の様に長尺のラック52が歯面を横方向に向けて取り付けられている。
またレール50の端部には、図2の様にストッパ53が取り付けられている。ストッパ53は、後記する移動台車55の暴走を阻止するものであり、公知のショックアブゾーバが内蔵されている。
そしてレール50には図1、図2、図12の様に移動台車55が載置されている。移動台車55は、ベース板60の下面に4個の車輪61が設けられたものである。本実施形態では、車輪61は、自由回転を許すものであり、車輪61は、レール50に載置されている。
またベース板60の一部には、張出部62があり、ギャードモータ等の低速回転する電動機63が設けられている。電動機63は、回転軸(図示せず)がベース板60の下面側に突出された状態で取り付けられており、回転軸にはピニオンギア65が取り付けられている。そしてピニオンギア65は、レール50の間に設けられたラック52と係合としている。
したがって電動機63を回転すると、ピニオンギア65が回転し、ラック52から受ける反力によって移動台車55が自走する。なお本実施形態では、後記する様に移動台車55に真空ポンプ44が搭載されており、一般的に真空ポンプ44は振動に弱いので、移動台車55は急加速や急減速が無いように設計するべきである。一つの目安として、移動台車55の加速度は、0.25m/秒秒以下であることが望ましい。より推奨される加速度の限界は、0.15m/秒秒である。定常速度は、0.5m/秒(望ましくは0.35m/秒)以下であることが望ましい。
移動台車55のベース板60の上面には、前記した直線ガイド51が設けられている。直線ガイド51は平行に二列設けられ、その方向は、床面のレール50に対して直行する。
前記した直線ガイド51の上には、移動板67が設けられている。そして前記した移動用チャンバー5は、図2,図12の様に移動板67に固定されている。
また移動板67の正面側(移動用チャンバーの収納室出入口35側)の辺であって、その中央には、移動側ブラケット部68(図2、図12参照)が設けられている。移動側ブラケット部68は移動板67の下面側に突出する板体である。
一方、ベース板60の上面側には、図12に示すように固定側ブラケット部70が設けられている。そして前記した固定側ブラケット部70と移動側ブラケット部68の間には、油圧又は空気圧シリンダー71が取り付けられている。そのためシリンダー71のロッドを伸縮させると、ベース板60上の移動板67が直線ガイド51に沿ってレール50と直行する方向に直線移動し、移動板67に載置された移動チャンバー5が前後方向(成膜チャンバー15に対して近接・離反方向)に直線移動する。
また移動板67には図示しない真空ポンプ44(図3,11に図示。図1,2には作図の都合上、図示を省略。)が搭載されている。真空ポンプ44は、収納室側減圧装置として機能し、図3,11の様に移動用チャンバー5の収納室47に接続されている。
次に、基体46を運搬する基体キャリア72について説明する。図14は、本発明の実施形態で使用する基体キャリア72の斜視図である。図15は、図14の基体キャリア72の分解斜視図である。
基体キャリア72は、細長い台車に二枚の枠体77を対向して立設した様な形状をしている。すなわち基体キャリア72は、直方体のキャリアベース73を有し、その両側に合計8個の車輪75が設けられている。またキャリアベース73の底面には、ラック76が取り付けられている。
キャリアベース73の上面側の長辺部には、二枚の枠体77が平行に対向して設けられている。枠体77どうしの間は空隙74となっている。すなわちキャリアベース73と二枚の枠体77によって上向きの「コ」の字形状をなしている。
枠体77は、図14,15の様に、正方形の開口78が2個設けられたものであり、当該開口78の周囲にクリップ80が多数設けられている。
基体キャリア72の枠体77には、図15に示すように基体46たるガラス基板が取り付けられ、この二者をクリップ80が押さえている。
したがって、基体46たるガラス基板の露出面は、対向する枠体77の内側を向いている。
次に、本実施形態のCVD装置の全体的なレイアウトを説明する。
本実施形態のCVD装置では、図1、図3の様に、成膜チャンバー群3を構成する4個の成膜チャンバー15がいずれも成膜室出入口16を同一方向に向けた状態で横列に配置されている。また基体受取・払出し装置2は、成膜チャンバー群3と並んだ位置にある。
成膜チャンバー群3を構成する4個の成膜チャンバー15及び基体受取・払出し装置2は、いずれも床面にしっかりと固定されており、動かない。
そして図1、図2の様にチャンバー移動装置32のレール50が、成膜チャンバー群3及び基体受取・払出し装置2の正面側に沿って設置されており、前記した様に移動台車55を介して移動用チャンバー5がレール50に載置されている。移動用チャンバー5の収納室出入口35は、成膜チャンバー15の成膜室出入口16に対して対向する方向を向いている。
本実施形態では、チャンバー移動装置32の電動機63を回転すると、移動台車55が自走し、移動用チャンバー5は、成膜チャンバー群3の列方向に移動する。
またチャンバー移動装置32のシリンダー71を伸縮させると、移動用チャンバー5は、成膜チャンバー15に対して近接・離反方向に移動する。
次に、本実施形態のCVD装置を使用したCVD方法について説明する。
図16は、移動用チャンバー5と成膜チャンバー15が接合した状態を示す外観斜視図である。図17は、移動用チャンバー5から成膜チャンバー15に基体キャリア72が移動する状態を示す移動用チャンバー5と成膜チャンバー15の一部破断斜視図である。図18は、移動用チャンバー5と成膜チャンバー15のフランジの接合状態を示す断面図である。図19は、移動用チャンバー5から成膜チャンバー15に基体キャリア72が移動する状態を示す移動用チャンバー5と成膜チャンバー15の平面断面図である。
本実施形態のCVD方法の準備段階として、成膜チャンバー群3を構成する4個の成膜チャンバー15の成膜室22内を減圧する。具体的には、成膜室出入口16のシャッター18を閉じ、真空ポンプ(成膜室側減圧装置)34を起動すると共に、弁33を開いて成膜室22内の空気を排気する。また基体46を基体キャリア72に取り付けておく。
本実施形態のCVD方法では、最初に、基体受取・払出し装置2に基体キャリア72をセットする。具体的には、基体キャリア72を基体受取・払出し装置2に載置し、基体受取・払出し装置2の基体移動装置8のガイド溝11間に基体キャリア72の車輪75を嵌め込む。この時、基体キャリア72の底面に設けられたラック76が基体受取・払出し装置2に設けられた基体移動装置8のピニオンギア12と係合する。
そして以下の一連の作業工程は、図示しない制御装置によって自動的に行われる。
すなわち図示しない制御装置によって基体受取・払出し装置2、移動用チャンバー5及び成膜チャンバー群3が有機的に動作し、基体46にシリコン系のp層、i層及びn層を成膜する。
具体的に説明すると、基体キャリア72を基体受取・払出し装置2に載置すると、基体受取・払出し装置2の位置に移動用チャンバー5が移動する。すなわちチャンバー移動装置32の電動機63が回転し、移動台車55がレール50上を自走し、移動用チャンバー5は、成膜チャンバー群3の列方向に移動して基体受取・払出し装置2の前で停止する。なお位置決めは、電動機63の回転数をカウントする方策や、公知のリミットスイッチを設けることによって行われる。
そして基体受取・払出し装置2に設けられた基体移動装置8のピニオンギア12、及び移動用チャンバー5の基体移動装置49のピニオンギア12が回転する。ここで、基体キャリア72の底面に設けられたラック76が基体受取・払出し装置2に設けられた基体移動装置8のピニオンギア12と係合しているから、基体受取・払出し装置2に設けられたピニオンギア12を回転させると基体キャリア72が前進し、移動用チャンバー5側に移動する。ここで本実施形態で採用する移動用チャンバー5では、移動用チャンバー5の収納室出入口35に開口を遮蔽する部材が無く、収納室出入口35は常に開放されているので、移動用チャンバー5側に移動した基体キャリア72は、移動用チャンバー5側に入り込む。また本実施形態で採用する移動用チャンバー5は、従来必須であったシャッターが無いのでシャッターに噛み込まれた塵等が基体46側に落下する懸念はない。
そして前記した様に、移動用チャンバー5の基体移動装置49のピニオンギア12も回転しているから、基体キャリア72のラック76は、移動用チャンバー5側のピニオンギア12と係合し、基体キャリア72は移動用チャンバー5の収納室47内に引き込まれる。
本実施形態では、基体受取・払出し装置2に5列の基体移動装置8が設けられ、基体受取・払出し装置2には5基の基体キャリア72がセットされているが、基体受取・払出し装置2に設けられた基体移動装置8の数及び間隔等と、移動用チャンバー5側の基体移動装置49の数及び間隔等が同一であるから、基体受取・払出し装置2にセットされた5基の基体キャリア72は、全て移動用チャンバー5側に移動し、その収納室47内に納まる。
なお、5基の基体キャリア72の移動は、一度に行っても良く、順に行ってもよい。後記する移動用チャンバー5から成膜チャンバーへの基体キャリア72の移動、成膜チャンバーから移動用チャンバー5への基体キャリア72の移動、及び移動用チャンバー5から基体受取・払出し装置2への基体キャリア72の移動についても同様であり、一斉に行っても良く、個別に行ってもよい。
基体受取・払出し装置2にセットされた5基の基体キャリア72が、全て移動用チャンバー5側に移動し、基体受取・払出し装置2上に基体キャリア72が無くなれば、再度基体キャリア72を基体受取・払出し装置2に補充する。この補充作業は、多くの場合、作業者の手作業によって行われる。
全ての基体キャリア72が移動用チャンバー5側に移動したことが確認されると、移動用チャンバー5が再度横列方向に移動し、隣接する位置の成膜チャンバー15の前で停止する。
続いて移動用チャンバー5のシリンダー71が伸び、移動用チャンバーが成膜チャンバー15に対して近接する向に移動する。
そしてついには、図16、図17の様に移動用チャンバー5の先端が成膜チャンバー15の先端と当接する。
すなわち移動用チャンバー5の収納室出入口35が、成膜チャンバー15の成膜室出入口16と合致し、移動用チャンバー5のフランジ37が、成膜チャンバー15のフランジ17と合致して移動用チャンバー5のフランジ37が、成膜チャンバー15のフランジ17を押しつける。
なお本実施形態では、成膜チャンバー15のフランジ17に二個の穴20が設けられ、移動用チャンバー5のフランジ37の相当する位置にピン40が設けられているので、移動用チャンバー5の先端が成膜チャンバー15の先端と当接する際に移動用チャンバー5側のピン40が成膜チャンバー15側の穴20に入り、フランジ17,37の位置のずれを修正する。
また前記した様に移動用チャンバー5のフランジ37にはオーリング41が装着されているので、フランジ17とフランジ37は、気密性を確保した状態で接合される。特に本実施形態では、オーリング41の断面形状が台形であるから、図18に示すようにオーリング41の先端部と成膜チャンバー15側のフランジ37との接触面積が大きく、気密性が高い。また多少の異物が混入しても気密性は確保される。
前記した様に成膜チャンバー15の成膜室出入口16には気密性を備えたシャッター18が設けられているので、移動用チャンバー5においては、図19(a)の様に収納室47と、成膜チャンバー15のシャッター18とによって囲まれた閉塞空間85が形成される。
移動用チャンバー5のフランジ37と成膜チャンバー15のフランジ17が完全に結合されたことが確認されると、真空ポンプ(収納室側減圧装置)44を起動すると共に弁49を開き、前記した収納室47と、成膜チャンバー15のシャッター18とによって囲まれた閉塞空間85から空気を排気し、減圧して真空にする。
そして前記した閉塞空間が所定の真空度に達すると、移動用チャンバー5の収納室47内に設けられた6基のヒータ43a,b,c,d,e,fを昇温し、内部の基体46を加熱昇温する。ここで本実施形態のCVD方法ではチャンバー内を減圧した後に基体の加熱を行うので、基板表面に酸化膜ができず、高品質の薄膜を形成せさることができる。
基体46が所定の温度になったことが確認されると、成膜チャンバー15のシャッター18が開かれる。ここで成膜チャンバー15の成膜室22は、先に高真空状態となっているが、前記した様に収納室47と、成膜チャンバー15のシャッター18とによって囲まれた閉塞空間85から空気を排気して当該部分も真空状態であるから、成膜チャンバー15のシャッター18を開いても成膜室22内の真空度は維持される。
そしてシャッター18が完全に開いたことが確認されると、移動用チャンバー5側の基体移動装置49のピニオンギア12、及び成膜チャンバー15の成膜室22内に設けられた基体移動装置29のピニオンギア12を回転させる。なお今回のピニオンギア12の回転方向は、基体キャリア72を移動用チャンバー5側に移動させる場合とは逆である。
前記した様に基体キャリア72の底面に設けられたラック76が移動用チャンバー5側に設けられた基体移動装置49のピニオンギア12と係合しているから、移動用チャンバー5側に設けられたピニオンギア12を回転させると基体キャリア72が収納室出入口35側に進む。すなわち基体キャリア72は、移動用チャンバー5側から、成膜チャンバー15の成膜室22側に進み、成膜チャンバー15の成膜室22に入り込む。そして前記した様に、成膜チャンバー15側の基体移動装置29のピニオンギア12も回転しているから、基体キャリア72のラック76は、成膜チャンバー15側のピニオンギア12と係合し、基体キャリア72は成膜チャンバー15の成膜室22内に引き込まれる。
基体キャリア72を成膜チャンバー15の成膜室22に入れる際においても、本実施形態で採用する移動用チャンバー5は、従来必須であったシャッターが無いのでシャッターに噛み込まれた塵等が基体46側に落下する懸念はない。
成膜室22内は、図9に示すようにプラズマCVD法によって基体に成膜する成膜室22となっており、6基のヒータ23a,b,c,d,e,fと、5基の電極25a,b,c,d,eが設けられている。成膜室22の内部では、各基体移動装置8のガイド溝11内に電極25eが位置する。そして前記した様に電極25a,b,c,d,eは成膜室22天面から垂下されて縦置きされており、成膜室22の底面と各電極25a,b,c,d,eの間には隙間がある。
基体キャリア72のラック76は、成膜チャンバー15側のピニオンギア12と係合するから、基体キャリア72は成膜チャンバー15の成膜室22内に引き込まれ、基体キャリア72の車輪は、ガイド溝11内を走行して成膜室22に進入するが、このとき、図17に示すように基体キャリア72の長方形のキャリアベース73は、各電極25a,b,c,d,eの下部に設けられた隙間に入り込み、基体キャリア72の枠体77は、各電極25a,b,c,d,eの両脇に入り込む。
また成膜室22の内部には6基のヒータ23a,b,c,d,e,fがあり、各電極25a,b,c,d,eとヒータ23a,b,c,d,e,fは互い違いに配されているから、各基体46は、いずれもヒータ23と電極25の間に挿入される。
すなわち移動用チャンバー5の収納室47内には基体46が複数収納され、各基体46は所定の間隔を設けて平行に並べて縦置きされていたが、移動用チャンバー5の収納室47内の基体46は、面方向に直線移動して成膜チャンバー15の成膜室22に移送され、各基体46は、ヒータ23と電極25の間に挿入される。
基体キャリア72の全てが成膜チャンバー15の成膜室22内に移動し、それぞれ所定の位置に配置されたことが確認されると成膜チャンバー15のシャッター18を閉じる。そして成膜チャンバー15の成膜室22内において、基体キャリア72の基体46にシリコン半導体が成膜される。
すなわち電極25a,b,c,d,eの枠体26内に原料ガスを供給すると共に電極25a,b,c,d,eに高周波交流を印加し、電極25a,b,c,d,eと基体キャリア72の間にグロー放電を発生させて原料ガスを分解し、縦置きされた基体46の表面上に薄膜を形成させる。
そして本実施形態では、一つの成膜チャンバー15の成膜室22内で、太陽電池を構成する各薄膜層を形成させる。すなわち太陽電池は、p層、i層及びn層の各半導体層が積層されたものであるが、本実施形態では、一つの成膜チャンバー15の成膜室22内で、p層、i層及びn層の各半導体層を順次積層して行く。
また成膜チャンバー15内で成膜工程が実行されてる間に、基体キャリア72が排出されて空状態となり且つ減圧状態の移動用チャンバー5に大気が導入され、収納室47内の圧力を外気圧と均衡化させる。
そして収納室47内と外気との圧力差が解消すると、チャンバー移動装置32のシリンダー71を縮め、移動用チャンバー5が成膜チャンバー15から離れる方向に移動する。すなわち接合状態であった、移動用チャンバー5を成膜チャンバー15から分離する。なお本実施形態では、収納室47を大気開放してから移動用チャンバー5を成膜チャンバー15から分離するので、移動用チャンバー5に大気圧がかからず、移動用チャンバー5の移動は容易である。
そして移動用チャンバー5の電動機63を再度回転させ、移動用チャンバー5の移動台車55をレール50に沿って自走させて成膜チャンバーの列方向に移動し、基体受取・払出し装置2の前で再度停止させる。
その後は、先の工程と同様に基体受取・払出し装置2にセットされた基体キャリア72を移動用チャンバー5の収納室に移動させ、移動用チャンバー5の移動台車55をレール50に沿って自走させて二番目の成膜チャンバー15の前で停止し、シリンダー71を伸ばして移動用チャンバー5を前進させ移動用チャンバー5の先端を成膜チャンバー15の先端と当接させる。そして移動用チャンバー5の収納室出入口35が、成膜チャンバー15の成膜室出入口16と合致し、移動用チャンバー5のフランジ37が、成膜チャンバー15のフランジ17と合致した状態で移動用チャンバー5のフランジ37を、成膜チャンバー15のフランジ17に押しつける。
その後に真空ポンプ44によって、収納室47と成膜チャンバー15のシャッター18とによって囲まれた閉塞空間85を減圧し、ヒータ43a,b,c,d,e,fによって内部の基体46を加熱昇温する。
その後に成膜チャンバー15のシャッター18を開いて移動用チャンバー5内の基体キャリア72を成膜チャンバー15の成膜室22に移動させ、シャッター18を閉じて成膜を行う。
こうして次々に4基の成膜チャンバー15に基体46を挿入し、各成膜チャンバー15内でp層、i層及びn層の各半導体層を積層する。
そして積層工程が終了した成膜チャンバー15から順次基体キャリア72を運び出し、基体受取・払出し装置2に戻す。
本実施形態では、この戻し作業についても、移動用チャンバー5を使用する。
すなわち4基の成膜チャンバー15の中で全ての成膜作業が終了したものがある場合、あるいは成膜作業か終盤に差しかかったものがある場合は、移動用チャンバー5を内蔵せずに空状態の移動用チャンバー5を当該成膜チャンバー15に接続する。すなわち移動用チャンバー5の移動台車55をレール50に沿って自走させて成膜作業が終了した成膜チャンバー15の前で停止し、移動用チャンバー5を前進させて移動用チャンバー5の先端を成膜チャンバー15の先端と当接させ、移動用チャンバー5のフランジ37を、成膜チャンバー15のフランジ17に押しつける。
その後に真空ポンプ44によって収納室47と、成膜チャンバー15のシャッター18とによって囲まれた閉塞空間85を減圧する。
そしてシャッター18を開き、成膜が終了した基体46を成膜チャンバー15側から移動用チャンバー5側に移動させる。すなわち成膜チャンバー15及び移動用チャンバー5の基体移動装置8のピニオンギア12を先の場合とは逆に回転させ、基体キャリア72を成膜チャンバー15の成膜室出入口16側に移動させ、さらに移動用チャンバー5の収納室47側に基体キャリア72を引き込む。
すべての基体キャリア72が移動用チャンバー5側に移動したことが確認されると、シャッター18を閉じ、移動用チャンバー5に大気が導入される。
そして収納室47内と外気との圧力差が解消すると、移動用チャンバー5のシリンダー71を縮め、移動用チャンバー5を成膜チャンバー15から離れる方向に移動させ、移動用チャンバー5を成膜チャンバー15から分離する。そしてチャンバー移動装置32の電動機63を再度回転させ、移動台車55をレール50に沿って自走させて成膜チャンバー5の列方向に移動し、基体受取・払出し装置2の前で再度停止させる。
そして移動用チャンバー5内の基体移動装置8、及び基体受取・払出し装置2の基体移動装置8のピニオンギア12を回転させ、移動用チャンバー5内の基体キャリアを基体受取・払出し装置2側に移動させる。
以下、この工程を繰り返し、基体46に薄膜を積層する作業を行う。
こうして成膜され製造された太陽電池は、塵等による不良が少なく歩留りが高い。また膜が均質であって高性能である。
また本実施形態のCVD装置では、前記した様に成膜チャンバー15を列状に配置し、チャンバー移動装置32のレール50を、成膜チャンバー15の前に敷設した。本実施形態の様に、成膜チャンバー15を列状に配置する構成を採用すると、将来の増設に対する拡張性があり推奨される。すなわち新しい成膜チャンバ15を横に並べ、これに合わせてレール50を延長することにより、生産能力の増強を図ることができる。
以上説明した実施形態では、一つの成膜チャンバー15の成膜室22内で、p層、i層及びn層の各半導体層を順次積層して行く構成を開示したが、本発明は、この方策に限定されるものではなく、複数の成膜チャンバー15を使用して各層を成膜してもよい。
ただし、複数の成膜チャンバー15を使用して各層を成膜する方策によると、移動用チャンバー5を各成膜チャンバー15に接続する頻度が増える。本発明では、移動用チャンバー5を各成膜チャンバー15に接続する度に移動用チャンバー5の収納室を減圧する必要があり、この工程に時間がかかる。そのため複数の成膜チャンバー15を使用して各層を成膜する方策は、一連の成膜工程に要する時間が延びる懸念がある。
以上説明した実施形態では、一台の基体受取・払出し装置2で基体のセットと払出しを行ったが、受け取り専用の装置と払出し専用の装置を別々に設けてもよい。
また以上説明した実施形態では、移動用チャンバーが自走式の移動台車を備え、ラックとピニオンとの嵌合によって移動用チャンバーが所定の位置に走行する構成を採用したが、シリンダーのロッドで移動台車を移動させる構成や、チェーン、ワイヤー等の索体で移動台車を引く構成を採用することもできる。前後方向(成膜チャンバーに対して近接・離反方向)の移動手段についても同様である。
成膜チャンバーの配置レイアウトは、本実施形態の様な横一列構成が推奨されるが、環状に配置したり、立体的なレイアウトを採用することもできる。すなわち成膜チャンバーを横列方向に並べるだけではなく、高さ方向にも積み上げ、面状に配置する。この様な構成を採用する場合は、移動用チャンバーは、立体倉庫の様にXYZ方向に移動させることとなる。
また上記した実施形態では、移動側チャンバーを成膜チャンバーに押しつけることだけによって移動側チャンバーと成膜チャンバーの気密性を確保したが、何らかのクランプ機構を補助的に活用してもよい。
また移動用チャンバー5の収納室出入口は、上記した実施形態の様に何らのシャッターも有しない構造が推奨されるが、暖簾や簾の様な簡単な覆いや気密性の保持を目的としない閉塞部材を設けてもよい。
上記した実施形態では、移動用チャンバー5は一基であったけれども、移動用チャンバー5を複数を有するものであってもよい。移動用チャンバー5を複数にした場合は、一つの移動用チャンバー5がトラブルにより故障しても、稼働率を下げることなく、生産を続けることができる。通常、一基の移動用チャンバー5が移動中、他の移動用チャンバー5は、干渉しないポジションに待機させておく。
また、移動チャンバを2以上とし、シーケンシャルに移動ポジションを管理することによって、より高い生産性を確保することも可能である。
また上記した実施形態では、移動用チャンバー5側に真空ポンプを搭載した。これに対して成膜チャンバー15側の真空ポンプ(成膜室側減圧装置)34を利用して移動用チャンバー5内を減圧することも可能である。
この構成を採用する場合には、成膜チャンバー15のシャッター18よりも外側の部分に真空ポンプ34の配管を接続することとなる。そして移動用チャンバー5を成膜チャンバー15に接続した後、バルブ切り換え等の手段により、成膜チャンバー15側の真空ポンプ34を利用して移動用チャンバー5内を減圧する。
しかしながらこの方策によると、真空ポンプ34から成膜チャンバー15のシャッター18の外側に至る配管が長くなり、配管の容積が大きくなる。そのため所定の到達真空度に至るまでの時間が多く掛かるので、前述の実施形態の様に移動用チャンバー5側に真空ポンプを搭載する構成が推奨される。
1 CVD装置
2 基体受取・払出し装置
3 成膜チャンバー群
5 移動用チャンバー
8 基体移動装置
16 成膜室出入口
17 フランジ
18 シャッター
23a〜23f ヒータ
25a〜25e 電極
32 チャンバー移動装置
35 収納室出入口
37 フランジ
41 オーリング
43a〜43f ヒータ
46 基体
47 収納室
50 レール
51 直線ガイド
52 ラック
55 移動台車
71 シリンダー
72 基体キャリア7

Claims (10)

  1. 所定形状の基体に対して薄膜を成膜するCVD装置において、複数の成膜チャンバーと、1以上の移動用チャンバーを備え、前記成膜チャンバーは基体に成膜する成膜室と、当該成膜室に基体を出し入れする成膜室出入口を備え、前記成膜室出入口には気密性を有するシャッターが設けられ、前記成膜室には成膜室側減圧装置が接続されており、前記移動用チャンバーは基体を収納する収納室と、当該収納室に基体を出し入れする収納室出入口を有し、前記収納室出入口は、常時開放であるか又は気密性を有しない閉塞部材が設けられており、前記収納室には収納室側減圧装置が接続されており、前記成膜チャンバーは定位置に固定され、前記移動用チャンバーは移動可能であり、移動用チャンバーを移動してその収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口に気密的に接合可能であり、成膜室出入口のシャッターを閉じた状態で収納室側減圧装置によって前記シャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧し、その後に前記シャッターを開いて移動用チャンバー側の基体を成膜チャンバーの成膜室に移送可能であることを特徴とするCVD装置。
  2. 複数の成膜チャンバーと1以上の移動用チャンバーを備えたCVD装置を使用し、所定形状の基体に薄膜を成膜するCVD方法であって、前記成膜チャンバーは基体に成膜する成膜室と、当該成膜室に基体を出し入れする成膜室出入口を備え、前記成膜室出入口には気密性を有するシャッターが設けられ、前記成膜室には成膜室側減圧装置が接続されており、前記移動用チャンバーは基体を収納する収納室と、当該収納室に基体を出し入れする収納室出入口を有し、前記収納室には収納室側減圧装置が接続されており、前記成膜チャンバーは定位置に固定され、前記移動用チャンバーは移動可能であり、成膜チャンバーのシャッターが閉じられた状態において移動用チャンバーを移動してその収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口に気密的に接合し、成膜室出入口のシャッターを閉じた状態のままで収納室側減圧装置によって前記シャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧し、その後に前記シャッターを開いて移動用チャンバー側の基体を成膜チャンバーの成膜室に移送し、成膜室内において基体に所定の成膜を行うことを特徴とするCVD方法。
  3. 複数の成膜チャンバーと1以上の移動用チャンバーを備えたCVD装置を使用し、所定形状の基体に薄膜を成膜するCVD方法であって、前記成膜チャンバーは基体に成膜する成膜室と、当該成膜室に基体を出し入れする成膜室出入口を備え、前記成膜室出入口には気密性を有するシャッターが設けられ、前記成膜室には成膜室側減圧装置が接続されており、前記移動用チャンバーは基体を収納する収納室と、当該収納室に基体を出し入れする収納室出入口を有し、前記収納室出入口は、常時開放であるか又は気密性を有しない閉塞部材が設けられており、前記収納室には収納室側減圧装置が接続されており、前記成膜チャンバーは定位置に固定され、前記移動用チャンバーは移動可能であり、成膜チャンバーのシャッターが閉じられた状態において移動用チャンバーを移動してその収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口に気密的に接合し、成膜室出入口のシャッターを閉じた状態のままで収納室側減圧装置によって前記シャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧し、その後に前記シャッターを開いて移動用チャンバー側の基体を成膜チャンバーの成膜室に移送し、成膜室内において基体に所定の成膜を行うことを特徴とするCVD方法。
  4. 成膜チャンバーにおける成膜工程が終了した時、あるいは成膜工程の終了に先立って、移動用チャンバーを移動してその収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口に気密的に接合し、成膜室出入口のシャッターを閉じた状態のままで収納室側減圧装置によって前記シャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧し、その後に前記シャッターを開いて成膜チャンバー側の基体を移動用チャンバー側に移送し、前記シャッターを閉じた後に移動用チャンバーの収納室に空気その他の気体を導入して収納室内の気圧を外圧と均衡させ、移動用チャンバーの収納室出入口を成膜チャンバーの成膜室出入口から切り離し、移動用チャンバーを移動して内部の収納された成膜後の基体を所定の位置に運搬することを特徴とする請求項2又は3に記載のCVD方法。
  5. 移動用チャンバーには収納室内に収納された基体を加熱する基体加熱手段が設けられており、収納室側減圧装置によって前記シャッターと収納室によって閉塞される空間を減圧した後、前記加熱手段によって基体を加熱することを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載のCVD方法。
  6. 収納室側減圧装置は移動用チャンバーに取り付けられた真空ポンプであることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載のCVD方法。
  7. 成膜チャンバーは成膜室出入口を同一方向に向けた状態で横列に配置され、移動用チャンバーはその収納室出入口を前記成膜室出入口に対して対向する向きに向けて配置され、さらに移動用チャンバーは成膜チャンバーの列方向と、成膜チャンバーに対して近接・離反方向に移動可能であることを特徴とする請求項2乃至6のいずれかに記載のCVD方法。
  8. 基体は平板状であり、移動用チャンバーの収納室内には基体が複数収納され、各基体は平行に並べて縦置され、移動用チャンバーの収納室内の基体は、面方向に直線移動して成膜チャンバーの成膜室に移送されることを特徴とする請求項2乃至7のいずれかに記載のCVD方法。
  9. 成膜チャンバーは、プラズマCVDによる成膜機能を備え、成膜チャンバーの成膜室には複数の面状のヒータ及び面状の電極が所定の間隔を設けて平行に並べて縦設され、基体は平板状であり、移動用チャンバーの収納室内には基体が複数収納され、各基体は所定の間隔を設けて平行に並べて縦置され、移動用チャンバーの収納室内の基体は、面方向に直線移動して成膜チャンバーの成膜室に移送され、各基体は、ヒータと電極の間に挿入されることを特徴とする請求項2乃至8のいずれかに記載のCVD方法。
  10. 各成膜チャンバーにおいて、基体に多層の成膜が行われることを特徴とする請求項2乃至9のいずれかに記載のCVD方法。
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