JP2010017199A - 輪行袋及び輪行用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】薄く、軽く、かさばらない素材で製作可能でありながら、様々なサイズ、形状の折り畳み自転車を適切に収容でき、また快適に輪行ができる輪行袋および輪行用器具を提供する。
【解決手段】上部開口12及び下部開口14を形成することにより、輪行袋10を折り畳み自転車31の上方から被せて収容することが可能となり、また、上部開口12の開閉手段を互いに間隔12bを開けて配置された複数の着脱手段対(面ファスナ12a)で構成することにより、収容された折り畳み自転車31を使用者が上方から掴むための隙間を、様々な箇所に設けることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、自転車を公共交通機関等によって運ぶ際に自転車を収容するための、輪行袋及び輪行用器具に関するものである。
自転車の使用者は、遠隔地で自分の所持する自転車に乗車することを目的として、公共交通機関(鉄道・バス・船・飛行機など)を使用して自転車を運ぶことがある。この行為を「輪行」という。
しかし多くの場合は、「他の乗客の乗車や通行を妨害する」、「自転車の突起によって他の乗客の身体や荷物に損傷を与える」、などの理由で、コンパクトな折り畳み式の自転車であっても、多くの公共交通機関は、走行できる状態や自転車の本体が露出した状態での輪行を禁じている。
そういった公共交通機関でも、折り畳んで小型化した自転車を専用の袋である輪行袋に収納した状態での輪行は認めている場合が多い。
図7に従来の輪行袋を示す。図7(a)に示すように、この輪行袋70は、全体形状が布などで構成された袋体であり、その表面には、縫製部79とファスナ部74とが設けられている。
ファスナ部74は、ファスナ金具75を操作することで開閉自在になっている。折り畳み自転車71をこの輪行袋70に収容する際には、まず、図7(b)に示すように、輪行袋70の縫製部79などの開口していない下方部分を地面(または床面)に置いた状態で、ファスナ部74を開いて上方に開口73を広げることで、輪行袋70を開いて敷いた状態とする。
次に、折り畳んだ状態の折り畳み自転車71を、開口73を通じて輪行袋70の内部に進入させて図7(b)に示すように配置し、しかるのちにファスナ部74を閉じることで、図7(a)に示すように輪行袋70の内部に折り畳み自転車71を収容するよう構成されている。
これにより、折り畳み自転車71の本体は外部に対して露出していない状態となって、鉄道などの公共交通機関に持ち込めるようになり、さらに輪行袋70の表面に設けられた止め部78に固着されたベルト76を肩に掛けたり、手で持ったりして、使用者は、折り畳み自転車71及び輪行袋70を容易に持ち運びできる、すなわち輪行が容易にできるようになる。
こういった輪行袋の変形例として、特許文献1,2に示すような形態のものも知られている。また、特許文献2には、こうした輪行袋に収容される折り畳み自転車も示されている。
しかしながら、こうした従来の輪行袋70は、折り畳み自転車71を収容する際に、地面に敷かねばならず、その際に輪行袋70が汚れてしまう欠点がある。
また、地面に敷いた輪行袋70上へ折り畳み自転車71を配置するためには、折り畳み自転車71を、輪行袋70を敷いた位置まで運んで来なければならず、収容するのに手間がかかる。
また、開口73から折り畳み自転車71の一部(ハンドルなど)が突出していると、ファスナ部74を閉じることができなくなってしまうので、折り畳み自転車71の配置の仕方が悪い場合には、再度配置しなおさなければならなくなり、この点も収容するのに手間がかかる原因となっている。
さらに、こうした従来の輪行袋70には、以下に述べるように強度的な欠点もある。すなわち、折り畳み自転車71を収容した輪行袋70を、ベルト76を用いて肩に掛けたり、手で持ったりして持ち運びしようとすると、折り畳み自転車71の重量は、止め部78、ベルト76を介して使用者の手へと至るのであるが、直接的には輪行袋70に掛かる。
すると輪行袋70の素材として余りに柔らかい(強度の低い)ものを使用すると、折り畳み自転車71を、ベルト76を介して輪行袋70で支えて吊ったとき、その状態を長時間継続することで輪行袋70が折り畳み自転車71の重量に耐え切れずに破れてしまい、長距離の輪行に支障をきたすおそれがあった。
したがって、輪行袋70の材質には、折り畳み自転車71の重量に耐えられるよう、それ相応の強度が要求され、厚く頑丈な素材を使用することになる。すると、必然的に輪行袋70そのものが重くかさばることになってしまう。
輪行は遠隔地で自分の所持する自転車に乗車することを目的として行われるものであるが、自転車に乗車することなどの、その遠隔地での用事を済ませた後、帰宅する際にも公共交通機関を使用するのであれば、再度輪行を行わなければならない。そのため、自転車の乗車中にも輪行袋70を所持しておく必要がある。しかしながら、上記の通り、頑丈な素材を用いた輪行袋70は重くかさばるため、快適な自転車走行の邪魔となってしまう。
このような問題を解決する手段として、図8に示すような輪行袋80を用いることが考えられる。図8に示す輪行袋80は、収容対象となる折り畳み自転車81の折り畳み時の寸法よりも大きな下部開口83と、折り畳み自転車81のサドル82程度の大きさの寸法の上部開口84とを有し、この輪行袋80を折り畳み自転車81の上方から被せるよう構成されている。
また、下部開口83には、この下部開口83を開閉自在とする下部開口開閉手段85を設けるとよく、この下部開口開閉手段85は、巾着袋のように、紐86によって輪行袋80の下部を絞ることで下部開口83を閉め、紐86を緩めることで下部開口83を開くことが可能なようにすると好ましい。
この輪行袋80を用いて輪行を行うには、図8(a)に示すように、折り畳んだ状態の折り畳み自転車81を地面(または床面)に配置し、下部開口83を通じて折り畳み自転車81に輪行袋80を被せる。そして、図8(b)に示すように、下部開口83を閉じた後、使用者が上部開口84から輪行袋80の内部に手を差し込み、サドル82を掴み、持ち上げる。
このようにすることにより、使用者が折り畳み自転車81の重量を直接支えることとなり、その重量は輪行袋80には掛からない。したがって重量によって破れることを心配して輪行袋80の素材に頑丈な素材を用いる必要がなくなる。よって輪行袋80は薄く、軽く、かさばらない素材で製作可能であり、この輪行袋80であれば所持したまま(折り畳み自転車81を組み立てた)自転車で走行する際にも邪魔にならない。
また、輪行袋80を折り畳み自転車81の上方から被せるだけであるので、折り畳み自転車81を収容するのに手間がかからず、さらに輪行袋80が汚れる心配もない。
特開2001−353015号公報 特開2007−008418号公報
しかしながら、図8に示すような輪行袋80では、上部開口84から手を差し込んでサドル82を掴むためには、サドル82もしくは手で保持可能なフレームの一部が上部開口84のすぐ下方に位置していなければならないが、折り畳み自転車の寸法や形状によっては、どのように輪行袋80を被せても、サドル82もしくは手で保持可能なフレームの一部を上部開口84のすぐ下方に位置させられないことがある。つまり、輪行袋80は、特定のサイズ、形状の折り畳み自転車81しか適切に収容できない。
また、サドル82を直接、使用者の手で掴んで輪行袋80及び折り畳み自転車81を持ち運ぶことになるため、使用者は片手がふさがってしまって快適に輪行することができなくなってしまう。片手がふさがってしまうことを解消するために、ベルトを輪行袋80に固着してそのベルトを肩に掛けるようにすると、結局折り畳み自転車81の重量が輪行袋80に掛かってしまい、従来の図7に示す輪行袋70と同じ問題、すなわち輪行袋80が破れるおそれ、または頑丈な素材を用いたことにより重くかさばるという問題が発生してしまう。
また、下部開口83の開閉手段として巾着袋のように紐86を用いた下部開口開閉手段85が設けられているが、この紐86は、下部開口83を閉じたときにはその大部分の領域が輪行袋80から露出した状態となり、そのままでは紐86の露出した部分が持ち運びの邪魔になるという問題が発生する。
本発明は、上記のような問題点を解消し、薄く、軽く、かさばらない素材で製作可能でありながら、様々なサイズ、形状の折り畳み自転車を適切に収容でき、また快適に輪行ができる輪行袋及び輪行用器具を提供することを目的とする。
本発明のうち、請求項1に係る発明は、折り畳み自転車を収容する輪行袋であって、収容対象となる折り畳み自転車を収容する空間を内部に確保可能な袋体で構成され、前記袋体に、開閉自在な下部開口と、開閉自在な上部開口とが形成されており、前記下部開口の開口縁部に、前記下部開口を開閉する下部開口開閉手段が設けられ、前記上部開口の開口縁部に、前記上部開口を開閉する上部開口開閉手段が設けられ、前記上部開口開閉手段は、着脱手段対が互いに間隔を開けて複数配置されることで構成されていることを特徴とする。
上下両方に開口を有することにより、輪行袋を折り畳み自転車の上方から被せて折り畳み自転車を収容することが可能となり、また、上部開口の開閉手段を、互いに間隔を開けて配置された複数の着脱手段対で構成することにより、収容された折り畳み自転車を使用者が上方から掴むための隙間を、様々な箇所に設けることができる。
また、輪行袋に収容された折り畳み自転車を、使用者が上方から掴んで持ち運ぶことが可能となり、折り畳み自転車の重量を使用者が直接支えることができて、輪行袋には折り畳み自転車の重量が掛からないようにできる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の輪行袋であって、下部開口及び上部開口と連続し且つ開閉自在な側方開口が形成され、前記側方開口の開口縁部に、前記側方開口を開閉する側方開口開閉手段が設けられ、前記側方開口開閉手段は、着脱手段対が互いに間隔を開けて複数配置されることで構成されていることを特徴とする。
下部開口及び上部開口と連続し、且つ開閉自在な側方開口を形成することにより、各開口を開いた状態での輪行袋は、長い平面状の板体(帯状体)となって、折り畳み自転車を左右から覆うようにして折り畳み自転車を収容することが可能となる。
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の輪行袋であって、着脱手段対が面ファスナ、ボタンまたはフックのいずれかであることを特徴とする。
着脱手段対を面ファスナ、ボタンまたはフックのいずれかとすることにより、着脱手段の着脱、すなわち開口の開閉が容易になる。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の輪行袋であって、下部開口開閉手段が、下部開口の開口縁部に設けられた紐挿通部と、前記紐挿通部に挿通された挿通紐と、前記挿通紐の前記紐挿通部から露出する部分に装着され、前記下部開口の開口縁部を絞った状態に維持するための止め具と、前記挿通紐の前記紐挿通部から露出する部分の端部に設けられた挿通紐係止手段と、を備えており、袋体のうち前記紐挿通部よりも上方の少なくとも一箇所に、前記係止手段が係止する挿通紐係止部が設けられたことを特徴とする。
下部開口開閉手段として紐挿通部と挿通紐とを用いることにより、下部開口縁部を緩めたり絞ったりすることで下部開口の開閉が容易になり、また、挿通紐に止め部を装着することにより、下部開口の開閉状態を維持することが容易になり、また、挿通紐係止手段と挿通紐係止部とを設けることにより、下部開口を開閉操作しないときには、挿通紐係止手段を挿通紐係止部に係止させることで、挿通紐の動きを制限することができる。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の輪行袋と、輪行用ベルトとを備えた輪行用器具であって、前記輪行用ベルトは、前記輪行袋の上部開口縁部に互いに間隔を開けて複数配置された着脱手段対の前記間隔よりも小さい幅を有するベルト本体と、それぞれ前記ベルト本体の両端に取り付けられた2つのベルト係止手段と、前記ベルト本体に設けられ、前記2つのベルト係止手段のそれぞれが係止する、前記ベルト係止手段からの距離が調整自在な2つのベルト係止部と、を有し、ベルト本体のうち、ベルト係止手段とベルト係止部との間の部分が、収容対象となる折り畳み自転車に巻き付け可能であることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の輪行用器具であって、輪行用ベルトのベルト本体に、前記ベルト本体の長さを調整可能とする、ベルト長さ調整手段が取り付けられており、前記ベルト本体上におけるベルト係止部とベルト係止手段との間の距離が調整可能であることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項5または請求項6に記載の輪行用器具であって、2つのベルト係止部の少なくとも一方が、それを操作することで、ベルト本体を第1部部分及び第2部分に分離できるよう構成された分離手段であり、前記第1部分が、前記分離手段と一方のベルト係止手段の間の部分であり、前記第2部分が、前記分離手段と他方のベルト係止手段の間の部分であることを特徴とする。
輪行用ベルトを使用することで使用者が輪行を容易に行えるようになり、この輪行用ベルトにベルト係止手段とベルト係止部とを設けることにより、このベルトを折り畳み自転車に巻きつけた状態に維持することが容易になり、また、ベルト本体の幅を着脱手段対の各対同士の距離よりも小さい幅とすることにより、輪行袋に収容された折り畳み自転車に輪行要ベルトを巻きつけた状態で、ベルト本体の一部を輪行袋の外部へと露出させることが可能となる。
請求項8に係る発明は、請求項5乃至請求項7に記載の輪行用器具であって、一方のベルト係止手段と一方のベルト係止部との距離、及び他方のベルト係止手段と他方のベルト係止部との距離、のそれぞれが、ベルト本体の長さと独立に調整可能であることを特徴とする。
ベルト本体の各部分をそれぞれ独立に長さ調整可能とすることで、ベルト係止手段とベルト係止部との間の距離を調整する度に輪行用ベルト全体の長さを変更しなくて済む。
本発明に係る輪行袋は、折り畳み自転車の上方から被せて折り畳み自転車を収容することが可能であるので、折り畳み自転車を収容するのに手間がかからず、また、収容された折り畳み自転車を使用者が上方から掴むための隙間を、様々な箇所に設けることができるために、様々なサイズ、形状の折り畳み自転車に適合することができる。
また、輪行袋に折り畳み自転車の重量が掛からないようにできるので、輪行袋の素材として薄く、軽く、かさばらない素材(例えばポリエチレンやナイロン、不織布など)が使用可能となって、安価な素材を使用して製作することもできるようになり、さらに重くもかさばりもしないので(輪行袋を折り畳んでポケットに入る程度のサイズにすることも可能なので)、この輪行袋を所持したまま折り畳み自転車(を組み立てた自転車)に乗車しても、輪行袋が乗車の邪魔とならない。
また、長い平面状の板体(帯状体)となった輪行袋を折り畳み自転車を左右から覆うようにして折り畳み自転車を収容することができるようにすると、より容易に、手間をかけずに収容を行うことができる。
また、挿通紐の係止手段を設けて挿通紐の動きを制限することにより、輪行時に挿通紐の余って露出している部分が邪魔にならないので、快適な輪行が可能になる。
また、本発明に係る輪行用ベルトを併用することにより、輪行袋に折り畳み自転車の重量を掛けずに、輪行用ベルトを肩に掛けたり、手で持ったりして容易に収容された折り畳み自転車を持ち運びができて、快適な輪行が可能になる。
また、輪行用ベルトを併用する際には、上部開口の隙間(先述の、折り畳み自転車を使用者が上方から掴むための隙間)が様々な箇所に設けられているので、輪行用ベルトを輪行袋の外部に露出させる場所をいくつかの箇所から選ぶことができ、輪行用ベルトのうち輪行袋の外部に露出した部分がなす弧を様々な形状に設定することができ、自転車の寸法や形状、あるいは使用者の体格に合わせて適切な弧の形状を選択することができる。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態を、図1〜図5を用いて説明する。
図1は、本実施の形態に係る輪行袋の概略的な形を図示したもので、図1(a)は、折り畳み自転車を収容していない状態の輪行袋を示しており、図1(b)は、この輪行袋の展開状態を示している。図1(c)はこの輪行袋に使用される止め具の拡大斜視図を示しており、図1(d)は止め具の別形態を示す斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る輪行袋と併用される輪行用ベルトを図示したもので、図2(a)は、この輪行用ベルトの全体像を示しており、図2(b)は、この輪行用ベルトの一部を拡大して示している。そして、図2(c),図2(d)は、輪行用ベルトの別形態の一部を示している。
図3は、本実施の形態に係る輪行袋及び輪行用ベルトを併用した輪行用器具を使用して折り畳み自転車を収容する様子を図示したもので、図3(a)は収容対象となる折り畳み自転車に輪行用ベルトを取り付けた状態を示しており、図3(b)は輪行用ベルトが取り付けられた折り畳み自転車を輪行袋に収容する過程の様子を示している。
図4は、本実施の形態に係る輪行袋及び輪行用ベルトを併用した輪行用器具を使用して折り畳み自転車を収容した状態の様子を図示したもので、図4(a)と図4(b)とは、それぞれ異なる形状の折り畳み自転車を収容した場合の様子を示している。
図5は、鉄道などの公共交通機関を利用して輪行を行うときの、本実施の形態に係る輪行袋及び輪行用ベルトを併用した輪行用器具の使用方法の一例を示している。
図1(a)において、10は輪行袋を示しており、輪行袋10の上方には上部開口12が、下方には下部開口14が設けられている。
輪行袋10は内部に収容対象となる折り畳み自転車を収容するのに十分なだけの領域を確保可能な袋体で構成されており、例えば図1(b)のような一枚の板状の布体(布に限らず、軟質合成樹脂など柔軟性のある素材であればよい)を、折曲部19で折り曲げて側方縫製部18を縫い付けることで、上部開口12と下部開口14を有する袋体としている。
上部開口12と下部開口14はそれぞれ開閉自在となっており、それぞれの開口縁部には上部開口12と下部開口14のそれぞれを開閉自在とする開閉手段が設けられている。なお、これら開閉手段は必ずしも開口の縁(端)に接している必要はなく、開口を閉じることができる位置であれば、開口の縁から離間した箇所に設けられていてもよい。以下、「開口縁部」とは、開口の縁に接する箇所のみならず、開口の縁から離間した箇所をも示すものとする。
<下部開口開閉手段の構成>
下部開口14を開閉自在とする下部開口開閉手段の一例としては、図1(a)に示すような紐挿通部14aと挿通紐16の組み合わせがある。これら紐挿通部14aと挿通紐16の構造を以下に示す。
まず、下部開口14の下部開口縁部を折り返して下部縫製部14bを縫い付けることで筒状の紐挿通部14aが形成されており、この紐挿通部14aに挿通紐16が挿通されている。
また、挿通紐16の先端には茄子環やフックなどからなる挿通紐係止手段16d(図1(a)では茄子環)が備えられており、この挿通紐係止手段16dは袋体上部に設けられた穴や突起など(図1(a)では穴)からなる挿通紐係止部16eに係止可能になっている。
また、この挿通紐16は、下部開口部14を閉じた状態すなわち下部開口の開口縁部を絞った状態に維持するための止め具16aを備えている。止め具16aの一例としては、図1(c)に示すように、円柱形状で凹部が形成された止め具外部体16bと、この止め具外部体16bの凹部内から出退自在に配設された円柱形状の止め具内部体16cとで構成された、いわゆるスライドタイプのものを使用することができる。
これら止め具外部体16bと止め具内部体16cにはそれぞれ挿通紐16を通すための穴H1,H2が開いており、この穴H1,H2に挿通紐16を(2本束ねて)通しておく。また、止め具内部体16cの凹部内の、止め具外部体16bと止め具内部体16cとの間にはスプリング(ばね)Sが組み込まれていて、このスプリングSによって止め具内部体16cを止め具外部体16bに対して突出する方向に付勢するようにしている。
そして、止め具内部体16cを止め具外部体16bの方向(スプリングSの付勢に逆らう方向)に押し込むと、止め具外部体16bの穴H1と止め具内部体16cの穴H2とが一直線状になって、挿通紐16上での止め具16aの位置を調整することが可能になる。
一方、止め具内部体16cを止め具外部体16bの方向に押し込まないときには、止め具外部体16bの穴H1と止め具内部体16cの穴H2との位置がずれて挿通紐16が止め具外部体16bに係止され、挿通紐16上での止め具16aの位置が維持される。
この止め具16aを以下のように操作することによって下部開口14の開閉を自由に行える。すなわち、下部開口14を閉じようとする場合、挿通紐16の端部付近(挿通紐係止手段16dが設けられた部分付近)を使用者が摘んで止め具16aを輪行袋10の袋体に押し付け、挿通紐16のうち止め具16aより袋体側の部分が囲む輪を小さくすることで、下部開口14の開口縁部を絞った状態とする。
この操作を行うときには止め具内部体16cを止め具外部体16bの方向に押し込むことになるが、使用者が止め具内部体16cの押し込みを止めると、挿通紐16が止め具外部体16bに係止されるので、下部開口14の開口端部は止め具16aによって絞った状態に維持される、すなわち下部開口14が閉まった状態に維持される。
下部開口14を閉じると、挿通紐16のうち紐挿通部14aから露出している部分の長さが大きくなるが、本発明においては、先述した通り袋体上部に挿通紐係止部16eを設けてあるため、挿通紐16の先端に設けられた挿通紐係止手段16dを挿通紐係止部16eに係止させることで、挿通紐16の動ける範囲を制限することができて、輪行時に挿通紐16の露出した部分が邪魔にならず、快適な輪行ができる。
ここで、図1(a)においては、挿通紐係止部16eは、袋体上部の一箇所にのみ設けられているが、複数箇所に設けてもよい。複数箇所に設けた場合には、挿通紐16の露出部分の長さ(下部開口縁部の絞り具合に応じて変化する)に応じて適切な箇所に挿通紐係止手段16dを係止させることで、より良好に挿通紐16の動きを制限することができる。
なお、紐挿通部14は必ずしも下部縫製部14bを縫い付けることで構成されている必要はなく、例えば輪行袋10の袋体とは別の帯状部材を袋体の下部開口縁部に接合したり、袋体の下部開口縁部自体に穴を開けて紐挿通部を形成したりしても良い。
また、止め具16aも必ずしも図1(c)に示すようなスライド式のものである必要はなく、例えば図1(d)に示すように、弾性を有する合成樹脂を屈曲させたものを止め具本体16fとし、挿通紐16を挿通するための穴H3と挿通紐16を係止させて下部開口縁部を絞った状態に維持するためのスリットH4を設けたものを用いてもよい。
<上部開口開閉手段の構成>
次に、上部開口12の開閉手段(上部開口開閉手段)の構造の一例を示す。図1(a)においては、袋体を二つの領域(例えば図1(b)における紙面左側の領域と紙面右側の領域)に分けて見たときに、一方の領域を他方の領域に当着させることで上部開口12を閉じるようにしている。
一方の領域の上部開口縁部に着脱手段を設け、他方の領域の上部開口縁部にはこれと対となる着脱手段を設け、これら互いに対となる着脱手段同士を当着させることで、上部開口縁部の一方の領域を他方の領域に当着させて開閉できるよう構成されている。このように互いに対となる2つの着脱手段の組のことを以下「着脱手段対」という。なお、着脱手段対は、当着することでお互いを留めることができるとともに、簡単な操作でお互いに離間させることもできる。
図1(a)においては、上部開口12の開閉手段は、着脱手段対として、雄雌の起毛群からなる面ファスナ12a(例えば、マジックテープ(登録商標)、ベルクロ(登録商標)など)を複数用い、これら複数の面ファスナ12aが互いに間隔12bを開けて複数配置されることで構成されている。
着脱手段対同士の間隔12bの寸法は、収容対象となる折り畳み自転車の平面寸法よりも小さくなっており、輪行袋10に折り畳み自転車を収容した際、輪行袋10が折り畳み自転車から外れてしまわないようになっている。なお、収容対象となる折り畳み自転車は種々様々ではあるが、間隔12bの寸法は想定される折り畳み自転車のうち最も小さいものよりも小さくしておけばよい。
また、間隔12bの寸法は、使用者の手が入り込むことが可能な程度の大きさとなっており、輪行袋10に折り畳み自転車を収容した際に、間隔12bから手を差し込んで収容された折り畳み自転車を掴むことが可能なようになっている。
なお、図1(a)においては、着脱手段対である複数の面ファスナ12aの寸法は全てほぼ同じ寸法となるように描かれているが、それぞれ異なる寸法となっていてもよい。複数設けられている間隔12bの寸法も、全てほぼ同じ寸法となるように描かれているが、これら間隔(隙間)12bの寸法についても、それぞれ異なる寸法となっていてよい。
ここでは着脱手段対として雄雌の起毛群よりなる面ファスナー12aを用いているが、ボタンやフックなど、対となる構成を用いて二つのものを着脱自在に留めるものであれば代用可能である。
なお、上部開口縁部は図1(a)において二点鎖線で示すように長方形の端部状となっていてもよいが、図1(a)において実線で示すように長方形の角を落としてテーパ状の部分を有する形としてもよい。このような形状にすると、折り畳み自転車を収容したときに袋体内部に生まれる余分な空間Rを減らせるほか、上部開口の開口部寸法を大きくとることができるので、使用者が手を差し込んだり後述の輪行用ベルトを通したりする隙間、すなわち間隔12bを数多く設けることができて、様々な形状や寸法の折り畳み自転車に適合させることができる。
<輪行用ベルトの構成>
輪行の際には、輪行袋10と図2に示すような輪行用ベルト21とを併用してなる輪行用器具を用いることがより好ましい。図2に示す輪行ベルト21は、帯状のベルト本体22を有し、このベルト本体22の幅は、輪行袋10の上部開口開閉手段の着脱手段対の間隔12bよりも小さな寸法となっている。ベルト本体22の幅をこのようにすることにより、ベルト本体22を着脱手段対の間隔12bに通すことができる。
この輪行用ベルト21は、輪行袋10に収容された折り畳み自転車のフレームや車輪などに巻き付けることができるようになっており、輪行用ベルト21を折り畳み自転車に巻き付けた後、使用者が輪行用ベルト21を肩に掛けたり、手で持ったりして支持することで、折り畳み自転車を支持することが可能なようになっている。
図2に示す輪行用ベルト21は、容易に折り畳み自転車に巻き付けることができるように、ベルト係止手段24a,26a及びベルト係止部24b,26bを備えている。
これらベルト係止手段24a,26aをベルト係止部24b,26bに係止させることで、輪行用ベルト21のうちベルト係止手段24a,26aとベルト係止部24b,26bとの間の部分で輪が形成される。この輪の内側に折り畳み自転車の一部を配置することで、輪行用ベルト21の端部が折り畳み自転車に巻き付けられた状態となる。
ベルト係止手段24a,26aはベルト本体22の両端に設けられており、ベルト係止部24b,26bはそれぞれベルト本体22上においてベルト係止手段24a,26aから離間した箇所に設けられている。ここで、ベルト係止手段24a,26aとベルト係止部24b,26bとの間の部分の長さは調整可能になっているが、その長さは少なくとも、この部分で輪を作った際に、収容対象となる二つ折り状態の折り畳み自転車の、車輪二つ(前輪と後輪)をその輪で縛ることが可能な程度の長さとしておくことが望ましい。
ベルト係止手段24a,26aとしては、例えば図2(a),(b)に示すような茄子環を用いることができる。また、ベルト係止部24b,26bとしては、例えば図2(a),(b)に示すような、四角状の枠金と、この枠金の対向する辺同士をつなぐ軸金と、枠金と垂直な方向に伸びるよう設けられた係止金具24c,26cで構成されたものを用いることができ、この構成の場合、茄子環が係止金具24c,26cに係止することでベルト係止手段24a,26aとベルト係止部24b,26bとの間の部分で輪が形成される。
なお、ベルト係止手段24a,26a及びベルト係止部24b,26bの構成は上記のものに限らず、互いに係止可能なものであればよく、例えばボタンなどでもよい。
また、ベルト本体22には、ベルト本体22全体の長さを調整可能とするベルト長さ調整手段28も設けられている。
なお、ベルト長さ調整手段28によるベルト本体22全体の長さ調整や、ベルト係止手段24a,26aとベルト係止部24b,26bとの間の部分の長さ調整の方法としては、ベルト本体22の一部を折り畳み、その折り畳み状態を固定する手段(留めピンなど)を設ける方法などがある。
また、使用者がこの輪行用ベルト21を肩に掛けたとき使用者の肩に掛かる負担を低減するため、ベルト本体22に、肩当て29を取り付けておいてもよい。
なお、ベルト係止部24a,26aの少なくとも一方、例えばベルト係止部26aの代わりに、分離手段として、図2(d)に示すようなはめ込み式のバックル26dを使用し、このバックル26dを操作することで、ベルト本体22を2つの部分、すなわちベルト本体22の第1部分22a(ベルト係止部26bの代わりであるバックル26dと一方のベルト係止手段24aとの間の部分)と、第2部分22b(ベルト係止部26bの代わりであるバックル26dと他方のベルト係止手段26aとの間の部分)とに分離することが可能としてもよい。このとき、第2部分22bを異なる長さのものと交換することで、ベルト係止部26bとベルト係止手段26aとの間の長さを変更可能とすることができる。
なお、第2部分22bの長さを調整可能としておいても良い。
また、ベルト係止部24a,26aの代わりに使用する分離手段は、はめ込み式のバックルに限られるものではなく、それを操作することでベルト本体を2つの部分(第1部分22a及び第2部分22b)に分離可能に構成されているものであればよい。
バックル26dを使用する場合にも、ベルト係止手段26aがこの部分に係止できるようにしておくことで(係止するための係止金具26cをバックル26dに設けておくなどの方法で)、ベルト係止手段26aとバックル26dとの間で輪を形成することができる。
<輪行用器具の使い方>
以上の輪行袋および輪行用ベルトを用いた輪行用器具によって折り畳み自転車を収容し、輪行を行う際の様子を図3、図4を用いて説明する。
<輪行袋単体使用時>
まず、輪行用ベルト21を用いることなく、輪行袋10のみを用いる場合について説明する。なお、図3(a),(b)、図4(a),(b)において、31は収容対象となる折り畳み自転車を示しているが、本発明が様々な形状の折り畳み自転車を収容できることを示すために、各図で折り畳み自転車31の形状を変えている。また、図3(a),(b)、図4(a),(b)には輪行用ベルト29が示されているが、ここでは輪行用ベルト29がないものとして説明する。
図3(a)に示すように、予め折り畳んだ状態の折り畳み自転車31を地面に配置しておき、輪行袋10の下部開口開閉手段を操作して(下部開口縁を緩めて)輪行袋10の下部開口14を開いた状態にする。次に、図3(b)に示すように、下部開口14を通じて輪行袋10を折り畳み自転車31に被せ、折り畳み自転車31を輪行袋10の内部に確保された領域内へと導く。
折り畳み自転車31が輪行袋10に完全に覆われたら、上部開口開閉手段を操作して上部開口の間隔12b以外の部分を閉じる。そして、上部開口12の隙間(間隔12b)から手を差し込み、折り畳み自転車31のサドル32またはフレームの一部を掴んで折り畳み自転車31を持ち上げる。
このとき、上部開口12の開閉手段は着脱手段対である面ファスナ12aが互いに間隔12bを開けて複数配置されることで構成されているので、上部開口12の隙間(間隔12b)は上部開口縁部に複数存在することになる。したがって、地面への折り畳み自転車31配置の仕方が多少悪くとも、また折り畳み自転車31の寸法や形状がどのようなものであっても、いずれかの隙間がサドル32の上方、あるいはフレームの一部などの掴みやすい部分の上方に位置することになるので、この輪行袋10は様々の形状、寸法の折り畳み自転車31に適合することができる。
そして、折り畳み自転車31のサドル32またはフレームの一部を掴んで折り畳み自転車31を持ち上げると、間隔12bは折り畳み自転車31よりも小さく設定されているので、輪行袋10全体は折り畳み自転車31に引っ掛る形で折り畳み自転車31とともに持ち上げられることになる。
すると、輪行袋10の下部開口14が地面から離れるので、挿通紐16の端部付近(挿通紐係止手段16dが設けられた部分付近)を使用者が摘んで止め具16aを輪行袋10の袋体に押し付け、下部開口14の開口縁部を絞った状態とすることで、下部開口14を閉じることができる。
なお、折り畳み自転車31を地面に設置したまま傾けるなどして、折り畳み自転車31を持ち上げる前に下部開口14を閉じることも可能である。
下部開口14を閉じた状態にすると、挿通紐16のうち紐挿通部14aから露出した部分が大きくなり、このままでは露出部分が垂れ下がって揺れ動いてしまい、例えば鉄道を使った輪行を行う際に、使用者や他の乗客が挿通紐16に足を取られて転ぶおそれや、鉄道列車の機構に挿通紐16が絡まり列車の運行に支障をきたしてしまうなどの危険性がある。
そこで、図4(a),(b)に示すように、挿通紐16の先端に設けられた挿通紐係止手段16dを、輪行袋10の袋体上部に設けられた挿通紐係止部16eに係止させることで、挿通紐16の動きを制限する。これにより、挿通紐16が垂れ下がって揺れ動いてしまうことによる不具合が解消される。
<輪行用ベルト併用時>
次に、輪行袋10と輪行用ベルト21とを併用して輪行を行う場合について説明する。輪行用ベルト21を用いる場合、図3(a)に示すように、折り畳み自転車31へ輪行袋を被せる前に、輪行用ベルト21を折り畳み自転車31のフレームの一部や車輪などに巻き付け、取り付ける。
具体的には、輪行ベルト21のうち、ベルト係止手段24a,26aとベルト係止部24b,26bとの間を、それぞれ折り畳み自転車31に巻き付け、ベルト係止手段24a,26aをそれぞれベルト係止部24b,26bに係止させる(なお、図3,4,5において、ベルト係止手段24a,26aおよびベルト係止部24b,26bのうち、輪行袋10の内部に位置するものについては図示していない)。
ここで、巻き付ける箇所としては、図3、図4に示すように、折り畳まれた状態の折り畳み自転車21の、前輪と後輪が重なっている部分や、フレームの折り返し部など、折り畳み自転車21の2つ以上のパーツが重なっている部分とし、それら2つ以上のパーツに亘って巻き付ける(縛る)ことによって折り畳み自転車21の折り畳み状態を固定できるようにするのが望ましい。
具体的には、ベルト係止手段24a,26aとベルト係止部24b,26bとの間の長さを、少なくとも収容対象となる折り畳み自転車の車輪二つ(前輪と後輪)をその輪で縛ることが可能な程度の長さ、例えば20cm〜40cmの長さに確保可能としておくことが望ましい。
こうした部分に巻き付けることで、輪行ベルト21によって折り畳み自転車31の折り畳まれた状態を維持させることができ、輪行時の揺動で折り畳み自転車の折り畳み状態が解除されてしまう(開いてしまう)ことを抑制することができる。
輪行ベルト21を折り畳み自転車31に巻きつけたら、図3(b)に示すように、折り畳み自転車31の上方から輪行袋10を被せる。このとき、上部開口12を開放しておくと、輪行ベルト21を輪行袋10の外部に露出させることができる。そして、上部開口開閉手段の着脱手段対である面ファスナ12aを操作して、輪行ベルト21が間隔12bの位置を基端22cとして露出するように上部開口12を閉じる。
ここで、間隔12bが複数設けられているため、図4(a),(b)に示すように、輪行用ベルト21を輪行袋10の外部に露出させる基端22cとなる位置をいくつかの場所から選ぶことができ、基端22cとなる位置を変えることで、輪行袋10の袋体外部に露出した輪行ベルト21がなす弧の大きさを変化させることができる。
これにより、収容対象となる折り畳み自転車31の形状や寸法、あるいは使用者の体格(肩幅など)に合わせて輪行ベルト21がなす弧の形状を適切に選択することができる。
また、鉄道やバスなどの公共交通機関においてこの輪行用器具を使用する場合には、上述のように、輪行ベルト21を手に持ったり肩に掛けたり、あるいは折り畳み自転車31のサドル32やフレームを手で直接掴む、といった方法で輪行することもできるが、図5に示すように、吊り革55や網棚などに輪行用ベルト21の一端(一方のベルト係止手段24aと一方のベルト係止部24bとの間の部分)を巻き付け、他端(他方のベルト係止手段26aと他方のベルト係止部26bとの間の部分)を折り畳み自転車31に巻き付け、折り畳み自転車31を収容した輪行袋10を床面54に置く形にして輪行を行ってもよい。
このとき、床面54と吊り革55との間で輪行用ベルト51が張った状態となるようにすると、折り畳み自転車31は輪行用ベルト21で支えられた状態となって、鉄道列車やバスが揺れるなどしても、倒れたり移動してしまったりすることなく、安定して置くことができる。
なお、このとき吊り革55に輪行用ベルト21が安定して巻きつくように、一方のベルト係止手段24aと一方のベルト係止部24bとの間を、5〜15cmの長さに設定可能としておくことが望ましい。
また、床面54と吊り革55との間で輪行用ベルト51がきちんと張った状態となるように、ベルト本体22のうちベルト係止部24bとベルト係止部26bとの間の長さを、1.5m〜2.5mの長さに確保できるようにしておくことが望ましい。
また、ベルト係止手段24a,26aとベルト係止部24b,26bとの間の距離を調整する度にベルト本体22の長さを変更しなくて済むように、かつ様々の寸法の列車に対応できるよう、輪行用ベルト21の各部分、すなわち、ベルト本体22全体の長さ、一方のベルト係止手段24aと一方のベルト係止部24bとの距離、及び他方のベルト係止手段26aと他方のベルト係止部26bとの距離はそれぞれ独立に長さ変更が可能であることが望ましい。
このように、輪行袋10と輪行用ベルト21とを併用した輪行用器具を用いることで、折り畳み自転車31に巻き付けられた輪行用ベルト21を手に持ったり肩に掛けたりして(状況によっては壁や天井に掛けたりして)、輪行袋10に折り畳み自転車31の重みを掛けずに容易に輪行が行えるようになる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態を、図6を用いて説明する。
図6は、本実施の形態に係る輪行袋の概略的な形を図示したもので、図6(a)は、折り畳み自転車を収容していない状態の輪行袋を示し、図6(b)は、この輪行袋の展開状態を示している。
図6(a)において、60は輪行袋を示しており、図1に示す輪行袋10と同じく、上部開口62、下部開口64、挿通紐66を有している。これらの構成は図1に示す輪行袋10とほぼ同じであるが、上部開口の開閉手段を構成する着脱手段対としては、ボタン62aを使用している。この場合においても、着脱手段対であるボタン62aは互いに間隔62bを開けて複数配置されている。
また、輪行袋60は、上部開口62、下部開口64のほか、側方開口67を有しており、この側方開口67は上部開口62及び下部開口64と連続するように形成されている。
このような輪行袋60を形成する方法としては、図6(b)に示すように、一枚の板状の布体(布に限らず、軟質合成樹脂など柔軟性のある素材であればよい)を、折曲部69で折り曲げることで、上部開口62、下部開口64、側方開口67を有する袋体とする。
側方開口67の開口端部には、上面開口62と同様の側方開口開閉手段が設けられており、図6(a)においては、着脱手段対であるボタン67aが互いに間隔67bを開けて複数配置されることで側方開口開閉手段が構成されている。
なお、側方開口開閉手段を構成する着脱手段対は、上部開口開閉手段を構成する着脱手段対と同じものである必要はなく、上部開口には面ファスナ、側方開口にはボタン、と各着脱手段対の種類を使い分けても良い。
この輪行袋60を使用すると、より容易に折り畳み自転車を収容することができる。すなわち、折り畳み自転車を収容する際に、各開口(上部開口62、下部開口64、側方開口67)を開いて輪行袋60を図6(b)に示すような一枚の板状の布体(帯状体)とし、この一枚の板状の布体となった輪行袋60で折り畳み自転車を左右から覆い(折り畳み自転車の全体を覆うように巻き付ける)、側方開口開閉手段すなわち複数のボタン67aを操作して側方開口67を閉じる。
側方開口67が閉じられると、輪行袋60は図1に示す輪行袋10と同じく、上部開口62、下部開口64を有する袋体の状態となるので、あとは図1に示す輪行袋10の場合と同じく、上部開口62、下部開口64を順次閉じていくことで折り畳み自転車の収容を行うことができる。
なお、図2に示すような輪行用ベルト21を使用する場合には、輪行袋60で折り畳み自転車31を覆う前に、輪行用ベルト21を折り畳み自転車へ巻き付けておくとよい。
また、下部開口開閉手段については、止め具66a及び挿通紐係止手段66dを挿通紐66から取り外せるようにしておいてもよい。
挿通紐係止手段66dを挿通紐66から取り外せるようにしておくと、各開口(特に側方開口67)を開いたときに挿通紐66(の形成する輪)が邪魔になる場合には、止め具66a及び挿通紐係止手段66dを挿通紐66から取り外すことで、挿通紐66の挿通紐係止手段66d側の端部を開放し(挿通紐が輪を形成しなくなる)、邪魔にならないようにすることができる。そして、下部開口64を閉めるときに、止め具66a及び挿通紐係止手段66dを再び取り付ければよい。
図6に示す輪行袋60を使用すると、突起が多いなどの理由で袋体を上から被せることが難しい折り畳み自転車に対しても、板状(帯状)となった輪行袋60で折り畳み自転車を左右から覆うという方法により、容易に収容及び輪行を行うことができる。
本発明に係る輪行袋や輪行用器具を用いることで、折り畳み二輪車の輪行が容易になる。また、輪行が気軽に行えるようになるので、長距離移動には公共交通機関、短距離移動には自転車、と、自家用車の利用頻度を減らし、省エネルギーの交通手段である自転車の利用頻度を上昇させることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る輪行袋を示す図であり、(a)は輪行袋の側面図、(b)は輪行袋の展開図、(c)は止め具の拡大斜視図、(d)は止め具の別形態を示す斜視図 本発明の第1の実施の形態に係る輪行用ベルトを示す図であり、(a)は輪行用ベルトの全体斜視図、(b)は輪行用ベルトの一部を拡大した側面図、(c)及び(d)は、輪行用ベルトの別形態の一部を示す斜視図 本発明の第1の実施の形態に係る輪行袋を用いて折り畳み自転車を収容する様子を示す図であり、(a)は収容対象となる折り畳み自転車に輪行用ベルトを取り付けた状態を示す側面図、(b)は輪行用ベルトが取り付けられた折り畳み自転車を輪行袋に収容する際の様子を示す側面図 本発明の第1の実施の形態に係る輪行袋及び輪行用ベルトを併用した輪行用器具を使用して折り畳み自転車を収容した状態の様子を図示したもので、(a)と(b)とはそれぞれ別形状、別寸法の折り畳み自転車を収容した状態を示す図 本発明の第1の実施の形態に係る輪行袋及び輪行用ベルトを併用した輪行用器具の使用方法の一例を図示したもので、鉄道などの公共交通機関を利用して輪行を行うときの様子を示す図 本発明の第2の実施の形態に係る輪行袋を示す図であり、(a)は輪行袋の側面図、(b)は輪行袋の展開図 従来の輪行袋を示す図であり、(a)は輪行袋に折り畳み自転車が収容された状態を示す側面図、(b)は折り畳み自転車を収容する際の様子を示す側面図 従来の輪行袋を示す図であり、(a)は輪行袋を折り畳み自転車に被せる様子を示す側面図、(b)は輪行袋に収容された折り畳み自転車を運ぶ様子を示す側面図
符号の説明
10 輪行袋
12 上部開口
14 下部開口
16 挿通紐
21 輪行用ベルト
31 折り畳み自転車
67 側方開口

Claims (8)

  1. 折り畳み自転車を収容する輪行袋であって、
    収容対象となる折り畳み自転車を収容する空間を内部に確保可能な袋体で構成され、
    前記袋体に、開閉自在な下部開口と、開閉自在な上部開口とが形成されており、
    前記下部開口の開口縁部に、前記下部開口を開閉する下部開口開閉手段が設けられ、
    前記上部開口の開口縁部に、前記上部開口を開閉する上部開口開閉手段が設けられ、
    前記上部開口開閉手段は、着脱手段対が互いに間隔を開けて複数配置されることで構成されていること
    を特徴とする輪行袋。
  2. 下部開口及び上部開口と連続し且つ開閉自在な側方開口が形成され、
    前記側方開口の開口縁部に、前記側方開口を開閉する側方開口開閉手段が設けられ、
    前記側方開口開閉手段は、着脱手段対が互いに間隔を開けて複数配置されることで構成されていること
    を特徴とする請求項1に記載の輪行袋。
  3. 着脱手段対が面ファスナ、ボタンまたはフックのいずれかであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の輪行袋。
  4. 下部開口開閉手段が、
    下部開口の開口縁部に設けられた紐挿通部と、
    前記紐挿通部に挿通された挿通紐と、
    前記挿通紐の前記紐挿通部から露出する部分に装着され、前記下部開口の開口縁部を絞った状態に維持するための止め具と、
    前記挿通紐の前記紐挿通部から露出する部分の端部に設けられた挿通紐係止手段と、
    を備えており、
    袋体のうち前記紐挿通部よりも上方の少なくとも一箇所に、前記係止手段が係止する挿通紐係止部が設けられたこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の輪行袋。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の輪行袋と、輪行用ベルトとを備えた輪行用器具であって、
    前記輪行用ベルトは、
    前記輪行袋の上部開口縁部に互いに間隔を開けて複数配置された着脱手段対の前記間隔よりも小さい幅を有するベルト本体と、
    それぞれ前記ベルト本体の両端に取り付けられた2つのベルト係止手段と、
    前記ベルト本体に設けられ、前記2つのベルト係止手段のそれぞれが係止する、前記ベルト係止手段からの距離が調整自在な2つのベルト係止部と、
    を有し、
    ベルト本体のうち、ベルト係止手段とベルト係止部との間の部分が、収容対象となる折り畳み自転車に巻き付け可能であること
    を特徴とする輪行用器具。
  6. 輪行用ベルトのベルト本体に、前記ベルト本体の長さを調整可能とする、ベルト長さ調整手段が取り付けられており、
    前記ベルト本体上におけるベルト係止部とベルト係止手段との間の距離が調整可能であること
    を特徴とする請求項5記載の輪行用器具。
  7. 2つのベルト係止部の少なくとも一方が、それを操作することで、ベルト本体を第1部部分及び第2部分に分離できるよう構成された分離手段であり、
    前記第1部分が、前記分離手段と一方のベルト係止手段の間の部分であり、
    前記第2部分が、前記分離手段と他方のベルト係止手段の間の部分であること
    を特徴とする請求項5または請求項6記載の輪行用器具。
  8. 一方のベルト係止手段と一方のベルト係止部との距離、及び他方のベルト係止手段と他方のベルト係止部との距離、のそれぞれが、ベルト本体の長さと独立に調整可能であること
    を特徴とする請求項5乃至請求項7記載の輪行用器具。
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