JP2010016094A - 超電導コイル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルの特性を低下させることなくクエンチを抑えることが可能な超電導コイル装置を提供する。
【解決手段】この超電導コイル装置1は、ソレノイド状に巻回された超電導線材13からなる通電部12を含み、通電部12の軸方向に沿う特定方向の磁場を発生する主コイル10と、この主コイル10と同軸に当該主コイル10の径方向外側の位置に設けられる逆磁場コイル20とを備えている。逆磁場コイル20は、通電部12の外周に臨むように当該通電部12から径方向外側に離間した位置に設けられるとともに円筒状の外周面21cを有する巻枠21と、この巻枠21の外周面21cにソレノイド状に巻回された超電導線材23からなり、通電部12とは周方向で逆向きに電気が流れることにより径方向内側の領域に前記特定方向と逆向きの磁場を発生する通電部22とを含んでいる。
【選択図】図1

Description

本発明は、極低温下で励磁される主コイルを備えた超電導コイル装置に関する。
従来、超電導コイル装置の主コイルのコイル部はソレノイド状の超電導線材から構成されており、当該コイル部には、自身の発生磁場と通電電流との相互作用によって径方向外向きの電磁力(フープ力)が作用する。この電磁力によりコイル部の超電導線材が微小変位すると、クエンチが発生する虞がある。
そこで、従来から、コイル部の外周にバインド線を巻回して、コイル部が径方向外側に変位するのを機械的な力で押さえ込む技術が知られている。
また、特許文献1には、正流層部と、この正流層部の外周に隣接する逆流層部とからなるコイル部を備えた超電導コイル装置が開示されている。両層部はソレノイド状に巻回された超電導線材からなり、逆流層部には、正流層部とは周方向で逆向きに電気が流れるようになっている。
そして、正流層部には当該コイル部の磁場によって径方向外向きの電磁力が作用するため、正流層部は径方向外側に変位しようとする。一方、逆流層部には当該コイル部の磁場によって径方向内向きの電磁力が作用するため、逆流層部は径方向内側に変位しようとする。これにより、正流層部の径方向外側への変位が逆流層部の径方向内側への変位による機械的な力によって押さえ込まれ、前記クエンチの発生が抑制される。
特開2007−158265号公報
しかしながら、上記構成の超電導コイル装置では、コイル部の超電導線材の変位を機械的な力で押さえ込むため、超電導線材の歪み等に起因してコイルの特性が低下する虞がある。また、コイル部(正流層部)の外周にバインド線や逆流層部の超電導線材を、張力を付与しながら巻回するため、コイル部(正流層部)の超電導線材が傷付く虞がある。これによっても、コイルの特性が低下する。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、コイルの特性を低下させることなくクエンチを抑えることが可能な超電導コイル装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の超電導コイル装置は、ソレノイド状に巻回された超電導線材からなる第1のコイル部を含み、この第1のコイル部に電気が流れることにより当該第1のコイル部の軸方向に沿う特定方向の磁場を発生する主コイルと、この主コイルと同軸に当該主コイルの径方向外側に設けられ、前記主コイルの磁場に対する補正磁場を発生する補正コイルとを備えた超電導コイル装置であって、前記主コイルと同軸に当該主コイルの径方向外側でかつ前記補正コイルの径方向内側の位置に設けられる逆磁場コイルをさらに備え、前記逆磁場コイルは、第1のコイル部の外周に臨むように当該第1のコイル部から径方向外側に離間した位置に設けられるとともに円筒状の外周面を有する巻枠と、この巻枠の外周面にソレノイド状に巻回された超電導線材からなり、第1のコイル部とは周方向で逆向きに電気が流れることにより径方向内側の領域に前記特定方向と逆向きの磁場を発生する第2のコイル部とを含むことを特徴とする。
請求項1に記載の超電導コイル装置では、主コイルの第1のコイル部が逆磁場コイルの逆向きの磁場中に位置するために、第1のコイル部には逆磁場コイルの磁場によって径方向内向きの電磁力が働く。この径方向内向きの電磁力は、主コイルの磁場によって第1のコイル部に作用する径方向外向きの電磁力(フープ力)の一部と相殺されるため、逆磁場コイルを設けない場合に比べて、第1のコイル部に作用する径方向外向きの力は小さくなる。従って、第1のコイル部の微小変位、および、この微小変位に起因するクエンチの発生を抑えることができる。
また、この第1のコイル部の変位の抑制は、当該第1のコイル部から離れた位置にある逆磁場コイルが生成する電磁力によって行われるので、従来のように機械的な力によってコイル部の微小変位を抑制する場合と異なり、第1のコイル部の超電導線材が部分的に歪んだり傷付いたりするのを防ぐことができる。これにより、コイル特性の低下が抑えられる。
請求項2に記載の超電導コイル装置は、請求項1に記載の超電導コイル装置において、前記主コイルと同軸に前記逆磁場コイルの径方向外側に設けられ、前記主コイルの磁場の外部への漏れを低減するための磁場を発生するシールドコイルをさらに備えている。
請求項3に記載の超電導コイル装置は、請求項1または2に記載の超電導コイル装置において、第2のコイル部は、第1のコイル部の軸方向の全域を含む領域に亘って設けられていることを特徴とする。このように第2のコイル部の軸方向長さを設定すれば、逆磁場コイルの磁束が第1のコイル部の軸方向の全域を軸方向に沿って略直線状に貫くようになるので、第1のコイル部の全体に径方向内向きの電磁力を一様に作用させることができる。
また、本発明の請求項4に記載の超電導コイル装置は、ソレノイド状に巻回された超電導線材からなり、互いに同軸にかつ軸方向に並ぶように設けられる複数の第1のコイル部を含み、これらの第1のコイル部に電気が流れることにより当該第1のコイル部の軸方向に沿う特定方向の磁場を発生する主コイルと、この主コイルと同軸に当該主コイルの径方向外側に設けられ、前記主コイルの磁場の外部への漏れを低減するための磁場を発生するシールドコイルとを備えた超電導コイル装置であって、前記主コイルと同軸に前記複数の第1のコイル部の各々に対応して各第1のコイル部の径方向外側でかつ前記シールドコイルの径方向内側の位置に設けられる複数の逆磁場コイルをさらに備え、前記逆磁場コイルは、対応する第1のコイル部の外周に臨むように当該第1のコイル部から径方向外側に離間した位置に設けられるとともに円筒状の外周面を有する巻枠と、この巻枠の外周面にソレノイド状に巻回された超電導線材からなり、第1のコイル部とは周方向で逆向きに電気が流れることにより径方向内側の領域に前記特定方向と逆向きの磁場を発生する第2のコイル部とを含むことを特徴とする。
請求項4に記載の超電導コイル装置では、主コイルの各第1のコイル部が、対応する逆磁場コイルの逆向きの磁場中に位置するために、各第1のコイル部には逆磁場コイルの磁場によって径方向内向きの電磁力が働く。この径方向内向きの電磁力は、主コイルの磁場によって各第1のコイル部に作用する径方向外向きの電磁力(フープ力)の一部と相殺されるため、逆磁場コイルを設けない場合に比べて、各第1のコイル部に作用する径方向外向きの力は小さくなる。従って、各第1のコイル部の微小変位、および、この微小変位に起因するクエンチの発生を抑えることができる。
また、この各第1のコイル部の変位の抑制は、当該第1のコイル部から離れた位置にある各逆磁場コイルが生成する電磁力によって行われるので、従来のように機械的な力によってコイル部の微小変位を抑制する場合と異なり、各第1のコイル部の超電導線材が歪んだり傷付いたりするのを防ぐことができる。これにより、コイル特性の低下が抑えられる。
請求項5に記載の超電導コイル装置は、請求項4に記載の超電導コイル装置において、前記複数の逆磁場コイルの各第2のコイル部は、それぞれ、対応する第1のコイル部の軸方向の全域を含む領域に亘って設けられていることを特徴とする。このように各第2のコイル部の軸方向長さを設定すれば、対応関係にある逆磁場コイルの磁束が各第1のコイル部の軸方向の全域を軸方向に沿って略直線状に貫くようになるので、各第1のコイル部において当該第1のコイル部の全体に径方向内向きの電磁力を一様に作用させることができる。
請求項6に記載の超電導コイル装置は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の超電導コイル装置において、第2のコイル部は、その内径が第1のコイル部の外径の約1.3倍以下となるように設けられていることを特徴とする。このように第2のコイル部の内径を設定すれば、第1のコイル部に第2のコイル部による径方向内向きの十分な大きさの電磁力を作用させることができる。
本発明の超電導コイル装置によれば、第1のコイル部から離れた位置にある逆磁場コイルが生成する電磁力によって当該第1のコイル部の微小変位の抑制が行われるので、コイルの特性が低下することなくクエンチの発生が抑えられる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る超電導コイル装置の原理を説明するための断面図である。また、図2は、図1の超電導コイル装置の主コイルに作用する電磁力の向きを説明するための拡大断面図である。まず、図1を参照して、本発明に係る超電導コイル装置1の構成について説明する。
この超電導コイル装置1は、図1に示すように、主コイル10と、この主コイル10とは逆向きに磁場を発生する逆磁場コイル20とを備えている。
主コイル10は、巻枠11と、通電部12とを含んでいる。なお、通電部12は、本発明の「第1のコイル部」の一例である。巻枠11は、胴部11aと、この胴部11aの軸方向両端に設けられる一対のフランジ部11bとを有している。通電部12は、胴部11aの外周にソレノイド状に巻回されたNbTi等の超電導線材13からなる。
この主コイル10は、通電部12の超電導線材13に電気が流れることにより、当該通電部12の径方向内側領域に、軸方向に沿う図1では上向き(特定方向)の磁場を発生するように構成されている。
逆磁場コイル20は、主コイル10と同軸に当該主コイル10の径方向外側に設けられている。ここで、逆磁場コイル20は、主コイル10と径方向に所定距離を隔てて設けられており、主コイル10の通電部12とは非接触となっている。
逆磁場コイル20は、巻枠21と、通電部22とで構成されている。なお、通電部22は、本発明の「第2のコイル部」の一例である。
巻枠21は、通電部12の外周に臨むように当該通電部12から径方向外側に離間した位置に設けられている。この巻枠21は、円筒状の外周面21cを有する胴部21aと、この胴部21aの軸方向両端に設けられる一対のフランジ部21bとを有している。
通電部22は、胴部21aの外周面21cにソレノイド状に巻回された超電導線材23からなる。この通電部22は、通電部12の軸方向の全域に略合致する領域に亘って設けられている。
また、逆磁場コイル20の通電部22には、主コイル10の通電部12とは周方向で逆向きに電気が流れるように構成されている。このように両通電部12,22に互いに逆向きの電気が流れるように構成するには、例えば、超電導線材を互いに周方向で逆向きに巻回することによって両通電部12,22を形成することが考えられる。この場合、1本の超電導線材で両方の通電部12,22を形成することが可能であり、また、単一の電源を用いて両通電部12,22に逆向きの電流を供給することが可能である。
この逆磁場コイル20は、通電部22に電気が流れることにより、当該通電部22の径方向内側領域に軸方向に沿う図1では下向きの磁場を発生するように構成されている。これにより、主コイル10の通電部12が逆磁場コイル20の逆向きの磁場中に位置している。
また、両コイル10,20は、通電部22の内径、すなわち主コイル10の軸心Rから通電部22の内端縁までの距離r1が、通電部12の外径、すなわち軸心Rから通電部12の外端縁までの距離r2の約1.05倍以上約1.30倍以下の範囲となるように設置されている。このように通電部22の内径r1が通電部12の外径r2の約1.05倍以上となるように設定すれば、当該超電導コイル装置1の冷却励磁時に、巻枠21の熱収縮等に起因して逆磁場コイル20が通電部12に接触するのを確実に防止することができる。また、上記のように、通電部22の内径r1が通電部12の外径r2の約1.3倍以下となるように設定すれば、通電部12に通電部22による径方向内向きの十分な大きさの電磁力F2を作用させることができる。
上記のように構成された超電導コイル装置1の主コイル10の通電部12には、図2に示すように、自身の上向きの磁場と通電電流との相互作用によって径方向外向きの電磁力(フープ力)F1が作用する。また、通電部12には、逆磁場コイル20の下向きの磁場と自身の通電電流との相互作用によって径方向内向きの電磁力F2が作用する。
本発明に係る超電導コイル装置1では、主コイル10の通電部12が逆磁場コイル20の逆向きの磁場中に位置するために、通電部12には逆磁場コイル20の磁場によって径方向内向きの電磁力F2が働く。この径方向内向きの電磁力F2は、主コイル10の磁場によって通電部12に作用する径方向外向きの電磁力(フープ力)F1の一部と相殺されるため、逆磁場コイル20を設けない場合に比べて、通電部12に作用する径方向外向きの力は小さくなる。従って、通電部12の微小変位、および、この微小変位に起因するクエンチの発生を抑えることができる。
また、この通電部12の変位の抑制は、当該通電部12から径方向外側に離れた位置にある逆磁場コイル20の通電部22が生成する電磁力F2によって行われるので、従来のように機械的な力によってコイル部の微小変位を抑制する場合と異なり、通電部12の超電導線材13が部分的に歪んだり傷付いたりするのを防ぐことができる。これにより、コイル特性の低下が抑えられる。なお、比較的傷付きやすい金属系化合物のNbAl、NbSn、MgBや、セラミックスの酸化物超電導体からなる超電導線材13を用いる場合には、特に上記効果がある。
また、本発明に係る超電導コイル装置1では、上記のように、通電部22の内径r1が通電部12の外径r2の約1.3倍以下となるように設定されているので、通電部12に通電部22による径方向内向きの十分な大きさの電磁力F2を作用させることができる。
また、本発明に係る超電導コイル装置1では、上記のように、通電部22を、通電部12の軸方向の全域を含む領域に亘って設けることによって、逆磁場コイル20の磁束が通電部12の軸方向の全域を軸方向に沿って略直線状に貫くようになるので、通電部12の全体に径方向内向きの電磁力F2を一様に作用させることができる。
ここで、上記クエンチ抑制効果を証明するために行った比較実験(シミュレーション)について説明する。この実験では、前記逆磁場コイル20を有しない比較例による超電導コイル装置と、前記逆磁場コイル20を有する実施例による超電導コイル装置1とで、各主コイルの通電部に作用する径方向外向きの力の大きさを比較した。
まず、比較例において、主コイルの通電部のパラメータを、巻内径が100mm、巻外径が140mm、巻長さが200mm、巻数が4000に設定した。この通電部に371.3A(アンペア)の電流を流すと、主コイルにより8.0T(テスラ)の磁場が発生した。そして、このとき、通電部に作用する径方向外向きの力は、約100MPaであった。
次に、実施例において、主コイル10の通電部12のパラメータを、巻内径が100mm、巻外径が144mm、巻長さが200mm、巻数が4400に設定した。また、逆磁場コイル20の通電部22のパラメータを、巻内径が154mm、巻外径が158mm、巻長さが200mm、巻数が400に設定した。これらの通電部12,22に370.1A(アンペア)の電流を流すと、両コイルにより8.0T(テスラ)の磁場が発生した。なお、実施例では、発生磁場の強度を比較例と等しくするために、主コイル10の通電部12の巻数を増やしている。そして、このとき、実施例の通電部12に作用する径方向外向きの力は、約90MPaであった。
以上のことから、当該実験によって、主コイル10の通電部12に作用する径方向外向きの力が、逆磁場コイル20を設けることで約1割軽減したことが判明した。従って上記効果が証明された。
次に、図3を参照して、上記超電導コイル装置1を適用した本発明の一実施形態としてのNMR装置100の要部構成について説明する。
このNMR装置100では、図3に示すように、主コイル10と、逆磁場コイル20と、補正コイル30と、シールドコイル40とがこの順で径方向の内側から外側に向けて設けられている。主コイル10および逆磁場コイル20は、前述の超電導コイル装置1におけるものと略同一構成となっている。そして、逆磁場コイル20は、主コイル10の径方向外側で補正コイル30の径方向内側の位置に、通電部12から径方向外側に離間した状態で配されている。
なお、補正コイル30は、主コイル10の磁場に対する補正磁場を発生するものであり、主コイル10と同軸に設けられている。この補正コイル30は、巻枠31と、この巻枠31に支持される4つの通電部32a〜32dとで構成されている。
また、シールドコイル40は、主コイル10の磁場の外部への漏れを低減するための磁場を発生するものであり、主コイル10と同軸に設けられている。このシールドコイル40は、巻枠41と、この巻枠41に支持される2つの通電部42a,42bとで構成されている。
この構成のNMR装置100によれば、主コイル10の通電部12が逆磁場コイル20の逆向きの磁場中に位置するために、通電部12には逆磁場コイル20の磁場によって径方向内向きの電磁力が働く。この径方向内向きの電磁力は、主コイル10の磁場によって通電部12に作用する径方向外向きの電磁力(フープ力)の一部と相殺されるため、逆磁場コイル20を設けない場合に比べて、通電部12に作用する径方向外向きの力は小さくなる。従って、通電部12の微小変位、および、この微小変位に起因するクエンチの発生を抑えることができる。
また、この通電部12の変位の抑制は、当該通電部12から離れた位置にある逆磁場コイル20の通電部22が生成する電磁力によって行われるので、通電部12の超電導線材が歪んだり傷付いたりするのを防ぐことができる。これにより、コイル特性の低下が抑えられる。
また、図4を参照して、上記超電導コイル装置1を適用した本発明の他の実施形態としてのMRI装置200の要部構成について説明する。
このMRI装置200は、図4に示すように、主コイル210と、5つの逆磁場コイル20A〜20Eと、シールドコイル40とを備えている。なお、シールドコイル40は、前述のNMR装置100におけるものと略同一構成である。
主コイル210は、巻枠211と、5つの通電部(第1のコイル部)12A〜12Eとで構成されている。巻枠211は、通電部12A〜12Eが互いに同軸にかつ軸方向に並ぶように当該通電部12A〜12Eをそれぞれ保持する5つの保持部211a〜211eを有している。主コイル210は、通電部12A〜12Eに電気が流れることにより当該通電部12A〜12Eの軸方向に沿う図4では上向きの磁場を発生するようになっている。
本実施形態の逆磁場コイル20A〜20Eは、それぞれ、前記5つの通電部12A〜12Eの各々に対応して設けられている。すなわち、各逆磁場コイル20A〜20Eは、主コイル210と同軸に各通電部12A〜12Eの径方向外側でかつ前記シールドコイル40の径方向内側の位置に設けられている。
また、各逆磁場コイル20A〜20Eは、巻枠21と、通電部(第2のコイル部)22とで構成されている。巻枠21は、対応する通電部12A〜12Eの外周に臨むように当該通電部12A〜12Eから径方向外側に離間した位置に設けられている。また、通電部22は、巻枠21の外周面にソレノイド状に巻回された超電導線材からなり、通電部12A〜12Eとは周方向で逆向きに電気が流れることにより径方向内側の領域に主コイル210の磁場と逆向きの磁場を発生するものである。
また、各通電部22は、対応する通電部12A〜12Eの軸方向の全域に略合致する領域に亘って設けられている。また、各通電部22の内径は、対応する通電部12A〜12Eの外径の約1.05倍以上約1.30倍以下の範囲に設定されている。
この構成のMRI装置200によれば、主コイル210の各通電部12A〜12Eが、対応関係にある逆磁場コイル20A〜20Eの逆向きの磁場中に位置するために、通電部12A〜12Eには逆磁場コイル20A〜20Eの磁場によって径方向内向きの電磁力が働く。この径方向内向きの電磁力は、主コイル210の磁場によって通電部12A〜12Eに作用する径方向外向きの電磁力(フープ力)の一部と相殺されるため、逆磁場コイル20A〜20Eを設けない場合に比べて、通電部12A〜12Eに作用する径方向外向きの力は小さくなる。従って、通電部12A〜12Eの微小変位、および、この微小変位に起因するクエンチの発生を抑えることができる。
また、この通電部12A〜12Eの変位の抑制は、当該通電部12A〜12Eから離れた位置にある各逆磁場コイル20A〜20Eが生成する電磁力によって行われるので、通電部12A〜12Eの超電導線材が歪んだり傷付いたりするのを防ぐことができる。これにより、コイル特性の低下が抑えられる。
なお、上記装置以外の超電導物性研究用の超電導コイル装置にも本発明を適用可能である。
また、逆磁場コイルの通電部を、主コイルの通電部の軸方向全域に略合致する領域に亘って設ける例について示したが、これに限らず、逆磁場コイルの通電部は、主コイルの通電部の軸方向全域を含むような軸方向に長い領域に亘って設けられていてもよいし、逆に、主コイルの通電部の軸方向全域に含まれるような軸方向に短い領域に亘って設けられていてもよい。
また、主コイルの通電部と逆磁場コイルの通電部とは1対1に対応付けして設けられている以外に、主コイルの1つの通電部に対して、逆磁場コイルの通電部が複数対応する構成であってもよいし、主コイルの複数の通電部に対して、逆磁場コイルの通電部が単一で対応する構成であってもよい。
本発明に係る超電導コイル装置の原理を説明するための断面図である。 図1に示した超電導コイル装置の主コイルに作用する電磁力の向きを説明するための拡大断面図である。 本発明が適用された一実施形態としてのNMR装置の要部構成を示した拡大断面図である。 本発明が適用された他の実施形態としてのMRI装置の要部構成を示した拡大断面図である。
符号の説明
1 超電導コイル装置
10、210 主コイル
12、12A〜12E 通電部(第1のコイル部)
13 超電導線材
20、20A〜20E 逆磁場コイル
21 巻枠
21c 外周面
22 通電部(第2のコイル部)
23 超電導線材
30 補正コイル
40 シールドコイル
100 NMR装置
200 MRI装置

Claims (6)

  1. ソレノイド状に巻回された超電導線材からなる第1のコイル部を含み、この第1のコイル部に電気が流れることにより当該第1のコイル部の軸方向に沿う特定方向の磁場を発生する主コイルと、この主コイルと同軸に当該主コイルの径方向外側に設けられ、前記主コイルの磁場に対する補正磁場を発生する補正コイルとを備えた超電導コイル装置であって、
    前記主コイルと同軸に当該主コイルの径方向外側でかつ前記補正コイルの径方向内側の位置に設けられる逆磁場コイルをさらに備え、
    前記逆磁場コイルは、第1のコイル部の外周に臨むように当該第1のコイル部から径方向外側に離間した位置に設けられるとともに円筒状の外周面を有する巻枠と、この巻枠の外周面にソレノイド状に巻回された超電導線材からなり、第1のコイル部とは周方向で逆向きに電気が流れることにより径方向内側の領域に前記特定方向と逆向きの磁場を発生する第2のコイル部とを含むことを特徴とする超電導コイル装置。
  2. 前記主コイルと同軸に前記逆磁場コイルの径方向外側に設けられ、前記主コイルの磁場の外部への漏れを低減するための磁場を発生するシールドコイルをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル装置。
  3. 第2のコイル部は、第1のコイル部の軸方向の全域を含む領域に亘って設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の超電導コイル装置。
  4. ソレノイド状に巻回された超電導線材からなり、互いに同軸にかつ軸方向に並ぶように設けられる複数の第1のコイル部を含み、これらの第1のコイル部に電気が流れることにより当該第1のコイル部の軸方向に沿う特定方向の磁場を発生する主コイルと、この主コイルと同軸に当該主コイルの径方向外側に設けられ、前記主コイルの磁場の外部への漏れを低減するための磁場を発生するシールドコイルとを備えた超電導コイル装置であって、
    前記主コイルと同軸に前記複数の第1のコイル部の各々に対応して各第1のコイル部の径方向外側でかつ前記シールドコイルの径方向内側の位置に設けられる複数の逆磁場コイルをさらに備え、
    前記逆磁場コイルは、対応する第1のコイル部の外周に臨むように当該第1のコイル部から径方向外側に離間した位置に設けられるとともに円筒状の外周面を有する巻枠と、この巻枠の外周面にソレノイド状に巻回された超電導線材からなり、第1のコイル部とは周方向で逆向きに電気が流れることにより径方向内側の領域に前記特定方向と逆向きの磁場を発生する第2のコイル部とを含むことを特徴とする超電導コイル装置。
  5. 前記複数の逆磁場コイルの各第2のコイル部は、それぞれ、対応する第1のコイル部の軸方向の全域を含む領域に亘って設けられていることを特徴とする請求項4に記載の超電導コイル装置。
  6. 第2のコイル部は、その内径が第1のコイル部の外径の約1.3倍以下となるように設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の超電導コイル装置。
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