JP2018190969A - 超電導電磁石装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】中心軸線周りに巻き回されたテープ線材の一部が、中心軸線が延びる方向で隣接する他の一部と干渉するのを抑制することができる超電導電磁石装置を提供する。【解決手段】複数の第1外側超電導コイル31〜33のうち複数の線材層の各々におけるテープ線材の巻数の平均値によって表される第1外側超電導コイルの単位線材層巻数が複数の第1外側超電導コイルにおいて互いに同じであるとしたときの中心軸線CLが延びる方向に作用する圧縮力が最も大きくなる位置に配置されている第1外側超電導コイルの単位線材層巻数が、複数の第1外側超電導コイルの単位線材層巻数の平均値よりも少ない。【選択図】図1

Description

本発明は、同心的に配置された複数の超電導コイルを備える超電導電磁石装置に関し、詳しくは、複数の超電導コイルの各々がテープ線材を所定の中心軸線周りで螺旋状に巻き回すことによって形成されている超電導電磁石装置に関する。
超電導電磁石は、超電導体で形成された線材を所定の中心軸線周りに巻き回すことで形成されたコイルからなる電磁石である。超電導電磁石装置では、電気抵抗がゼロになる超電導特性を利用することにより、高い電流密度で運転される。そのため、通常の電磁石では発生させ難い高磁場を発生させることができる。
より大きな磁場を発生させるために、同心的に配置された複数の超電導コイルを備える超電導電磁石装置が知られている(例えば、下記非特許文献1及び2参照)。下記非特許文献1及び2に記載の超電導電磁石装置は、複数の外側超電導コイルと、複数の内側超電導コイルとを備える。複数の外側超電導コイルは、それぞれ、金属系の超電導体で形成された丸線材が中心軸線周りに巻き回されることで形成されている。複数の内側超電導コイルは、それぞれ、酸化物系の超電導体を含むテープ線材が中心軸線周りに巻き回されることで形成されている。
Markiewicz et al., IEEE TRANSACTIONS ON APPLIED SUPERCONDUCTIVITY, VOL. 22, NO. 3, JUNE 2012, 4300704 Yanagisawa et al., Journal of Magnetic Resonance 249 (2014) 38-48
非特許文献1及び2に記載のような複数の内側超電導コイル(つまり、各々がテープ線材を中心軸線周りに巻き回すことで形成された複数の超電導コイル)では、中心軸線周りに巻き回されたテープ線材の一部が、中心軸線が延びる方向(軸方向)で隣接する他の一部と干渉するおそれがある。例えば、テープ線材の一部が他の一部に乗り上げようとしたり、テープ線材そのものが座屈したりすることで、テープ線材を中心軸線周りに巻き回すことで形成された線材層の一部が中心軸線に対して垂直な方向で外側に突出するように変形するおそれがある。
本発明の目的は、中心軸線周りに巻き回されたテープ線材の一部が、中心軸線が延びる方向で隣接する他の一部と干渉するのを抑制することができる超電導電磁石装置を提供することである。
本願の発明者等は、上記の目的を達成するための方策について検討した。先ず、中心軸線周りに巻き回されたテープ線材の一部が、中心軸線が延びる方向で隣接する他の一部と干渉する状態について検討した。そして、テープ線材の一部が他の一部と干渉する状態は、複数の超電導コイルの各々の軸方向の端よりも中心側で発生しやすいとの知見を得るに至った。
このような知見について、本願の発明者等は、さらに検討を重ねた。そして、テープ線材の一部が他の一部と干渉するのは、超電導コイルへの通電に起因して発生する軸方向の圧縮力が原因であるとの知見を得るに至った。
次に、本願の発明者等は、超電導コイルへの通電によって軸方向の圧縮力が超電導コイルに作用する理由について検討した。その結果、以下の知見を得るに至った。
超電導コイルへの通電によって発生する磁場は、超電導コイルの軸方向の中心よりも端に近いほど、中心軸線に対して垂直な方向(径方向)で外側に傾く。また、超電導コイルの軸方向の端での磁場の傾き(中心軸線に対する傾き)は、超電導コイルの径方向の中心よりも外側に近いほど、大きくなる。なお、超電導コイルへの通電によって発生する磁場の大きさは、超電導コイルの径方向の中心よりも外側に近いほど、小さくなる。
超電導コイルの配置や組み合わせによっては、超電導コイルへの通電によって発生する磁場の変化の傾向は、単調関数ではない場合もあるが、全体的には、上記のような傾向になる。
超電導コイルの中心軸線に対して傾斜している磁場では、テープ線材に対して、径方向の外側に向かう力だけでなく、軸方向の中心に向かう力も作用する。このような軸方向の中心に向かう力が作用すると、テープ線材は、軸方向の中心に向かって寄せ集められる。そして、軸方向の中心に向かう力が過大になると、テープ線材の一部が他の一部と干渉する。つまり、上記軸方向の中心に向かう力を合成したものが、超電導コイルに作用する軸方向の圧縮力に相当する。
また、本願の発明者は、同心的に配置された複数の超電導コイルの各々に対して、どのような圧縮力が作用するのか検討した。その結果、複数の超電導コイルの各々に作用する軸方向の圧縮力は大きさが異なるとの知見を得た。
このような知見を得た本願の発明者は、複数の超電導コイルのうち、軸方向の圧縮力が過大な超電導コイルについて、軸方向の圧縮力を小さくするための方策を検討した。そして、以下の知見を得るに至った。
上記のように、超電導コイルに作用する軸方向の圧縮力は、テープ線材に作用する軸方向の力(軸方向の中心に向かう力)を合成したものである。そのため、超電導コイルの中心軸線を含む任意の断面(中心軸線が延びる方向及び中心軸線に垂直な方向の各々に広がる断面)において超電導コイルの軸方向に並ぶテープ線材の断面の数、つまり、テープ線材が超電導コイルの中心軸線周りに巻き回される回数を少なくすれば、超電導コイルに作用する軸方向の圧縮力を小さくすることができる。本発明は、このような知見に基づいて完成されたものである。
本発明による超電導電磁石装置は、同心的に配置された複数の超電導コイルを備える超電導電磁石装置であって、前記複数の超電導コイルは、各々がテープ線材によって形成された複数の第1超電導コイルを含み、前記複数の第1超電導コイルの各々は、前記複数の第1超電導コイルが共有する中心軸線に対して垂直な方向に積層される複数の線材層を有しており、前記複数の線材層の各々は、前記テープ線材が前記中心軸線周りで螺旋状に複数回巻き回されることで形成されており、前記複数の第1超電導コイルのうち前記複数の線材層の各々における前記テープ線材の巻数の平均値によって表される第1超電導コイルの単位線材層巻数が前記複数の第1超電導コイルにおいて互いに同じであるとしたときの前記中心軸線が延びる方向に作用する圧縮力が最も大きくなる位置に配置されている第1超電導コイルの前記単位線材層巻数が、前記複数の第1超電導コイルの前記単位線材層巻数の平均値よりも少ない。
上記超電導電磁石装置では、複数の第1超電導コイルのうち単位線材層巻数が互いに同じであるとしたときに中心軸線が延びる方向(軸方向)に作用する圧縮力が最も大きくなる位置に配置されている第1超電導コイルにおいて、当該軸方向に作用する圧縮力を小さくすることができる。その結果、テープ線材の一部が他の一部と干渉するのを抑制することができる。
上記超電導電磁石装置において、好ましくは、前記複数の第1超電導コイルのうち前記単位線材層巻数が前記複数の第1超電導コイルにおいて互いに同じであるとしたときの前記圧縮力が最も大きい位置に配置される第1超電導コイルでは、他の第1超電導コイルよりも、前記単位線材層巻数が少ない。
このような態様においては、中心軸線が延びる方向(軸方向)に作用する圧縮力が最も大きい位置に配置される第1超電導コイルにおいて、当該軸方向に作用する圧縮力を小さくすることができる。その結果、テープ線材の一部が他の一部と干渉するのを抑制することができる。
上記超電導電磁石装置において、好ましくは、前記複数の第1超電導コイルのうち前記単位線材層巻数が前記複数の第1超電導コイルにおいて互いに同じであるとしたときの前記圧縮力の平均値よりも大きな圧縮力が作用する位置に配置される第1超電導コイルでは、前記単位線材層巻数が、前記複数の第1超電導コイルの単位線材層巻数の平均値よりも少ない。
このような態様においては、複数の第1超電導コイルのうち単位線材層巻数が同じであるとしたときの圧縮力の平均値よりも大きな圧縮力が作用する位置に配置される第1超電導コイルにおいて、圧縮力を小さくすることができる。その結果、テープ線材の一部が他の一部と干渉するのを抑制することができる。
上記超電導電磁石装置は、好ましくは、各々が丸断面又は矩形断面の線材が巻き回されることで形成され、前記複数の第1超電導コイルを取り囲むとともに前記複数の第1超電導コイルと同心的に配置される複数の第2超電導コイルをさらに備え、前記複数の第2超電導コイルの各々は、前記複数の第1超電導コイルの各々よりも前記中心軸線が延びる方向での長さが大きい。
このような態様においては、複数の超電導コイルに加えて、複数の第2超電導コイルが設けられているので、超電導電磁石装置によって発生する磁場をさらに大きくすることができる。
本発明による超電導電磁石装置によれば、中心軸線周りに巻き回されたテープ線材の一部が、中心軸線が延びる方向で隣接する他の一部と干渉するのを抑制することができる。
本発明の第1の実施の形態による超電導電磁石装置の概略構成を示す模式図である。 図1に示す超電導電磁石装置を構成する超電導コイルの概略構成を示す模式図である。 超電導コイルへの通電によって発生する磁場を示す概念図である。 超電導コイルの軸方向に対して磁場が傾斜しているときのテープ線材に作用する力を示す概念図である。 通電が行われていない状態での線材層を示す模式図である。 軸方向の圧縮力が作用しているときの線材層を示す模式図である。 線材層においてテープ線材の一部が他の一部と干渉している状態を示す模式図である。 本発明の第2の実施の形態による超電導電磁石装置の概略構成を示す模式図である。 比較例1に係る超電導電磁石装置の概略構成を示す模式図である。 比較例2に係る超電導電磁石装置の概略構成を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳述する。
[第1の実施の形態]
図1を参照しながら、本発明の第1の実施の形態による超電導電磁石装置10について説明する。図1は、超電導電磁石装置10の概念図である。
なお、以下の説明では、図1における左右方向(後述する中心軸線CLが延びる方向)を軸方向とし、図1における上下方向(中心軸線CLが延びる方向に対して垂直な方向)を径方向とする。
超電導電磁石装置10は、例えば、NMR装置やMRI装置に用いられる。超電導電磁石装置10は、5つの超電導コイル21−25と、3つの第1外側超電導コイル31−33と、3つの第2外側超電導コイル41−43と、5つの補正コイル51−55と、2つのシールドコイル61、62とを備える。
5つの超電導コイル21−25と、3つの第1外側超電導コイル31−33と、3つの第2外側超電導コイル41−43とは、例えば、撮像用の磁場を形成する。つまり、5つの超電導コイル21−25と、3つの第1外側超電導コイル31−33と、3つの第2外側超電導コイル41−43とにより、主磁場発生コイル群が実現されている。5つの補正コイル51−55は、主磁場発生コイル群の中心付近における磁場の空間分布を均一にするためのものである。2つのシールドコイル61、62は、主磁場発生コイル群の磁場を遮断するような磁場を形成する。以下、これらのコイルについて説明する。
先ず、5つの超電導コイル21−25について説明する。5つの超電導コイル21−25の各々は、通電により、磁場を発生させる。
5つの超電導コイル21−25は、同心的に配置されている。つまり、5つの超電導コイル21−25は、共通の中心軸線CLを有しており、内側の超電導コイルの外径は、その直ぐ外側の超電導コイルの内径よりも小さい。5つの超電導コイル21−25の各々の軸方向の中心C1は、中心軸線CLが延びる方向(つまり、軸方向)で同じ位置にある。
5つの超電導コイル21−25のうち、最も内側に位置するのが超電導コイル21であり、超電導コイル21の直ぐ外側に位置するのが超電導コイル22であり、超電導コイル22の直ぐ外側に位置するのが超電導コイル23であり、超電導コイル23の直ぐ外側に位置するのが超電導コイル24であり、超電導コイル24の直ぐ外側に位置するのが超電導コイル25である。
図2を参照しながら、5つの超電導コイル21−25の各々の具体的な構成について説明する。図2は、超電導コイル21の概略構成を示す模式図である。図2は、中心軸線CLを含む平面(軸方向及び径方向の各々に広がる平面)にて、超電導コイル21を切断したときの断面を示している。なお、残りの超電導コイル22−25については、超電導コイル21と同様な構造を有しているので、超電導コイル21についてのみ詳細を説明し、残りの超電導コイル22−25については詳細な説明を省略する。
超電導コイル21は、中心軸線CLの周りにテープ線材20Wが巻き回されることで形成されている。なお、図2では、テープ線材20Wが巻き回される巻枠について、図示を省略している。
テープ線材20Wは、超電導体を含む。超電導体は、高温超電導体である。高温超電導体は、例えば、酸化物系の超電導体である。
超電導コイル21は、複数の線材層20Lを有する。複数の線材層20Lは、径方向に積層されている。複数の線材層20Lの各々において、テープ線材20Wが中心軸線CLの周りで螺旋状に巻き回されている。
なお、図2では、理解を容易にするために、4つの線材層20Lの各々においてテープ線材20Wが12回ずつ巻き回されている例を示しているが、線材層20Lの数や各線材層20Lにおけるテープ線材20Wの巻数は、図2に示すものに限定されない。
ここで、図1に示す例では、複数の超電導コイル21−25の軸方向の長さが異なっている。なお、この点についての詳細な説明は後述する。
続いて、図1を参照しながら、3つの第1外側超電導コイル31−33について説明する。3つの第1外側超電導コイル31−33の各々は、通電により、磁場を発生させる。3つの第1外側超電導コイル31−33への通電によって発生する磁場は、5つの超電導コイル21−25への通電によって発生する磁場よりも小さい。
3つの第1外側超電導コイル31−33は、同心的に配置されている。つまり、3つの第1外側超電導コイル31−33は、共通の中心軸線CLを有しており、内側の超電導コイルの外径は、その直ぐ外側の超電導コイルの内径よりも小さい。3つの第1外側超電導コイル31−33の各々の軸方向の中心は、中心軸線CLが延びる方向(つまり、軸方向)で同じ位置にある。図1に示す例では、3つの第1外側超電導コイル31−33の各々の軸方向の中心は、5つの超電導コイル21−25の各々の軸方向の中心C1と一致している。
3つの第1外側超電導コイル31−33のうち、最も内側に位置するのが第1外側超電導コイル31であり、第1外側超電導コイル31の直ぐ外側に位置するのが第1外側超電導コイル32であり、第2外側超電導コイル32の直ぐ外側に位置するのが第1外側超電導コイル33である。
3つの第1外側超電導コイル31−33の各々の軸方向の長さは、互いに同じである。3つの第1外側超電導コイル31−33の各々の軸方向の長さは、5つの内側超電導コイル21−25の各々の軸方向の長さよりも大きい。
3つの第1外側超電導コイル31−33は、それぞれ、中心軸線CLの周りに矩形断面或いは丸断面の線材が巻き回されることで形成されている。
3つの第1外側超電導コイル31−33の各々を形成する線材は、超電導体で形成されている。超電導体は、低温超電導体である。低温超電導体は、例えば、金属系の超電導体である。金属系の超電導体は、例えば、NbSnである。
3つの第1外側超電導コイル31−33は、それぞれ、5つの超電導コイル21−25の各々と同様に、複数の線材層を有する。複数の線材層は、径方向に積層されている。複数の線材層の各々において、線材が中心軸線CLの周りで螺旋状に巻き回されている。
続いて、図1を参照しながら、3つの第2外側超電導コイル41−43について説明する。3つの第2外側超電導コイル41−43の各々は、通電により、磁場を発生させる。3つの第2外側超電導コイル41−43への通電によって発生する磁場は、5つの超電導コイル21−25への通電によって発生する磁場よりも小さい。
3つの第2外側超電導コイル41−43は、同心的に配置されている。つまり、3つの第2外側超電導コイル41−43は、共通の中心軸線CLを有しており、内側の超電導コイルの外径は、その直ぐ外側の超電導コイルの内径よりも小さい。3つの第2外側超電導コイル41−43の各々の軸方向の中心は、中心軸線CLが延びる方向(つまり、軸方向)で同じ位置にある。図1に示す例では、3つの第2外側超電導コイル41−43の各々の軸方向の中心は、5つの超電導コイル21−25の各々の軸方向の中心C1と一致している。
3つの第2外側超電導コイル41−43のうち、最も内側に位置するのが第2外側超電導コイル41であり、第2外側超電導コイル41の直ぐ外側に位置するのが第2外側超電導コイル42であり、第2外側超電導コイル42の直ぐ外側に位置するのが第2外側超電導コイル43である。
3つの第2外側超電導コイル41−43の各々の軸方向の長さは、互いに同じである。3つの第2外側超電導コイル41−43の各々の軸方向の長さは、5つの内側超電導コイル21−25の各々の軸方向の長さよりも大きい。3つの第2外側超電導コイル41−43の各々の軸方向の長さは、3つの第1外側超電導コイル31−33の各々の軸方向の長さと略同じである。
3つの第2外側超電導コイル41−43は、それぞれ、中心軸線CLの周りに矩形断面或いは丸断面の線材が巻き回されることで形成されている。
3つの第2外側超電導コイル41−43の各々を形成する線材は、超電導体で形成されている。超電導体は、低温超電導体である。低温超電導体は、例えば、金属系の超電導体である。金属系の超電導体は、例えば、NbTiである。3つの第2外側超電導コイル41−43の各々における線材の材料は、3つの第1外側超電導コイル31−33の各々における線材の材料と異なっている。
3つの第2外側超電導コイル41−43は、それぞれ、5つの超電導コイル21−25と同様に、複数の線材層を有する。複数の線材層は、径方向に積層されている。複数の線材層の各々において、線材が中心軸線CLの周りで螺旋状に巻き回されている。
続いて、図1を参照しながら、5つの補正コイル51−55について説明する。5つの補正コイル51−55は、主磁場発生コイル群(5つの超電導コイル21−25と、3つの第1外側超電導コイル31−33と、3つの第2外側超電導コイル41−43)の中心付近における磁場の空間分布を均一にする。
補正コイル51は、補正コイル52よりも、軸方向の一端側(図1中の右側)に位置している。補正コイル51及び補正コイル52は、それぞれ、線材が中心軸線CLの周りで螺旋状に巻き回されることで形成されている。補正コイル51と補正コイル52は、赤道面P1(中心C1を含み、中心軸線PLに対して垂直な平面)に対して面対称な位置に配置されている。
補正コイル53は、補正コイル54よりも、軸方向の一端側(図1中の右側)に位置している。補正コイル55は、軸方向で、補正コイル53と補正コイル54との間に位置している。補正コイル53、補正コイル54及び補正コイル55は、それぞれ、線材が中心軸線CLの周りで螺旋状に巻き回されることで形成されている。補正コイル53と補正コイル54は、赤道面P1に対して面対称な位置に配置されている。
続いて、図1を参照しながら、2つのシールドコイル61、62について説明する。2つのシールドコイル61、62は、主磁場発生コイル群(5つの超電導コイル21−25と、3つの第1外側超電導コイル31−33と、3つの第2外側超電導コイル41−43)から漏れる磁場(漏れ磁場)を遮断するような磁場を発生させる。
シールドコイル61は、シールドコイル62よりも軸方向の一端側(図1中の右側)に位置している。シールドコイル61及びシールドコイル62は、それぞれ、線材が中心軸線CLの周りで螺旋状に巻き回されることで形成されている。シールドコイル61とシールドコイル62は、赤道面P1に対して面対称な位置に配置されている。
超電導電磁石装置10は、例えば、MRI装置に用いられる。この場合、超電導電磁石装置10では、主磁場発生コイル群(5つの超電導コイル21−25と、3つの第1外側超電導コイル31−33と、3つの第2外側超電導コイル41−43)が形成する磁場を利用して、撮像が行われる。このとき、5つの補正コイル51−55は、主磁場発生コイル群の中心付近における磁場の空間分布を均一にする。2つのシールドコイル61、62は、主磁場発生コイル群の磁場を遮断するように、磁場を形成する。
5つの超電導コイル21−25が磁場を形成しているとき、つまり、5つの超電導コイル21−25の各々への通電が行われているとき、5つの超電導コイル21−25の各々には、軸方向の圧縮力が作用する。5つの超電導コイル21−25の各々に作用する軸方向の圧縮力が大きくなり過ぎると、5つの超電導コイル21−25の各々が有する複数の線材層20Lの何れかにおいてテープ線材20Wの一部が他の一部と干渉するおそれがある。
超電導電磁石装置10では、5つの超電導コイル21−25の各々が有する複数の線材層20Lの何れかにおいてテープ線材20Wの一部が他の一部と干渉するのを抑制することができる。その理由は、以下のとおりである。
先ず、図3を参照しながら、5つの超電導コイル21−25が形成する磁場について説明する。図3は、5つの超電導コイル21−25が形成する磁場を示す概念図である。
5つの超電導コイル21−25が形成する磁場は、軸方向の中心よりも端(図3中の左端及び右端)に近いほど、径方向で外側に傾く。また、図示はしていないが、軸方向の端での磁場の傾き(中心軸線CLに対する傾き)は、径方向の中心よりも外側に近いほど、大きくなる。なお、5つの超電導コイル21−25が形成する磁場の大きさは、径方向の中心よりも外側に近いほど、小さくなる。
続いて、図4を参照しながら、磁場が傾斜しているときにテープ線材20Wに作用する力について説明する。図4は、磁場が傾斜しているときにテープ線材20Wに作用する力を示す説明図である。
磁場が中心軸線CLに対して傾斜している場合、テープ線材20Wに作用する力F1は、径方向の外側に向かう力F11と、軸方向の中心に向かう力F12とに分解できる。
続いて、図5A−図5Cを参照しながら、上記のような力F1がテープ線材20Wに作用しているときの線材層20Lの状態について説明する。図5Aは、テープ線材20Wへの通電が行われていないときの線材層20Lを示す。図5Bは、テープ線材20Wが軸方向の中心に向かって寄せ集められた状態を示す。図5Cは、線材層20Lにおいてテープ線材20Wの一部と他の一部とが干渉している状態を示す。
テープ線材20Lに作用する力F1は、磁場が中心軸線CLに対して傾斜しているとき、径方向の外側に向かう力F11と、軸方向の中心に向かう力F12とに分解できる。これらの力F11、F12が線材層20Lを構成しているテープ線材20Wに作用することにより、線材層20Lは、図5Aに示す状態から図5Bに示す状態へと変化する。つまり、線材層20Lを構成しているテープ線材20Wは、力F11が作用することで径方向の外側に向かって移動し、力F12が作用することで軸方向の中心に向かって寄せ集められる。
図2を参照して、5つの超電導コイル21−25の各々の内半径をa1とし、5つの超電導コイル21−25の各々の外半径をa2とし、5つの超電導コイル21−25の各々を構成するテープ線材20Wの任意の断面(5つの超電導コイル21−25の各々の軸方向の中心から数えてi番目の巻数であって、かつ、j番目の線材層20Lに位置する断面)の座標を(r,z)とする。座標(r,z)でのテープ線材20Wに作用する力F12は、以下の式(1)で表される。
5つの超電導コイル21−25の各々に作用する軸方向の圧縮力は、式(1)で表される力F12を合成したものに相当する。
5つの超電導コイル21−25の各々の赤道面P1での圧力(面圧)Pzは、1つの線材層20Lあたりの巻数をNとし、線材層20Lの数をLとすると、以下の式(2)で表される。
式(2)で定義される面圧Pzは、5つの超電導コイル21−25の各々に作用する軸方向の圧縮力を当該圧縮力が作用する超電導コイルの断面積(中心軸線CLに垂直な方向での断面積)で除したものである。つまり、面圧Pzは、5つの超電導コイル21−25の各々に作用する軸方向の圧縮力と比例関係にある。したがって、面圧Pzの大きさにより、5つの超電導コイル21−25の各々に作用する軸方向の圧縮力の大きさを把握することができる。
ここで、面圧Pz、つまり、5つの超電導コイル21−25の各々に作用する軸方向の圧縮力が過大になると、図5Cに示すように、線材層20Lにおいてテープ線材20Wの一部が他の一部と干渉する。図5Cに示す例では、線材層20Lの一部が径方向の外側に突出するように変形している。
このようなテープ線材20Wの干渉を抑制するために、超電導電磁石装置10では、5つの超電導コイル21−25のうち、各々における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数が同じであるときに作用する軸方向の圧縮力が過大である超電導コイルについては、当該過大な圧縮力が発生するときよりも、1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数を少なくしている。より具体的には、5つの超電導コイル21−25のうち複数の線材層20Lの各々におけるテープ線材20Wの巻数の平均値によって表される超電導コイルの単位線材層巻数(つまり、1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数)が5つの超電導コイル21−25において互いに同じであるとしたときの軸方向に作用する圧縮力が最も大きくなる位置に配置されている超電導コイルの単位線材層巻数が、5つの超電導コイル21−25の単位線材層巻数の平均値よりも少ない。その理由は、以下のとおりである。
5つの超電導コイル21−25の各々に作用する軸方向の圧縮力は、上記のように、テープ線材20Wに作用する軸方向の力F12を合成したものである。そのため、任意の断面(中心軸線CLを含み、軸方向及び径方向の各々に広がる平面で切断したときの断面)において1つの線材層20Lが有するテープ線材20Wの断面の数(軸方向に並ぶテープ線材20Wの断面の数)、つまり、テープ線材20Wの巻数が少なくなれば、通電に起因して発生する軸方向の圧縮力を小さくすることができる。
また、テープ線材20Wの種類を変更しないのであれば、テープ線材20Wの巻数が少なくなることにより、線材層20Lの軸方向の長さを短くすることができる。つまり、5つの超電導コイル21−25の各々の軸方向でのサイズが大きくなるのを回避することができる。
なお、5つの超電導コイル21−25が形成する磁場を大きくするには、テープ線材20Wのトータルの巻数を確保すればよい。そのためには、線材層20Lの数を多くすればよい。
また、超電導電磁石装置10は、5つの超電導コイル21−25の他に、3つの外側超電導コイル31−33及び3つの外側超電導コイル41−43を備えている。そのため、超電導電磁石装置10は、より大きな磁場を形成することができる。
なお、5つの超電導コイル21−25の各々の軸方向でのサイズは、図1に示すものに限定されない。例えば、5つの超電導コイル21−25の各々に用いられるテープ線材20Wの幅(中心軸線CLが延びる方向での長さ)等に応じて、適宜、変更される。5つの超電導コイル21−25の少なくとも1つは、他の超電導コイルとは異なる幅を有するテープ線材20Wで形成されていてもよい。5つの超電導コイル21−25の少なくとも1つは、他の超電導コイルよりもテープ線材20Wの総巻数が多くてもよい。
なお、超電導電磁石装置10では、5つの超電導コイル21−25において径方向で隣り合う少なくとも2つの超電導コイル21−25のうち複数の線材層20Lの各々におけるテープ線材20Wの巻数の平均値によって表される超電導コイルの単位線材層巻数がこれら少なくとも2つの超電導コイルにおいて互いに同じであるとしたときの軸方向に作用する圧縮力が最も大きくなる位置に配置されている超電導コイルの単位線材層巻数が、これら少なくとも2つの超電導コイルの単位線材層巻数の平均値よりも少なくてもよい。
[第2の実施の形態]
図6を参照しながら、本発明の第2の実施の形態による超電導電磁石装置11について説明する。超電導電磁石装置11は、超電導電磁石装置10と比べて、5つの超電導コイル21−25のみを備える点で異なる。
超電導電磁石装置11においても、超電導電磁石装置10と同様に、1つの線材層20Lが有するテープ線材20Wの断面の数(軸方向に並ぶテープ線材20Wの断面の数)、つまり、テープ線材20Wの巻数を少なくすることで、通電に起因して発生する軸方向の圧縮力を小さくすることができる。
なお、5つの超電導コイル21−25の各々の軸方向でのサイズは、図6に示すものに限定されない。例えば、5つの超電導コイル21−25の各々に用いられるテープ線材20Wの幅(中心軸線CLが延びる方向での長さ)等に応じて、適宜、変更される。5つの超電導コイル21−25の少なくとも1つは、他の超電導コイルとは異なる幅を有するテープ線材20Wで形成されていてもよい。5つの超電導コイル21−25の少なくとも1つは、他の超電導コイルよりもテープ線材20Wの総巻数が多くてもよい。
なお、超電導電磁石装置11では、5つの超電導コイル21−25において径方向で隣り合う少なくとも2つの超電導コイル21−25のうち複数の線材層20Lの各々におけるテープ線材20Wの巻数の平均値によって表される超電導コイルの単位線材層巻数がこれら少なくとも2つの超電導コイルにおいて互いに同じであるとしたときの軸方向に作用する圧縮力が最も大きくなる位置に配置されている超電導コイルの単位線材層巻数が、これら少なくとも2つの超電導コイルの単位線材層巻数の平均値よりも少なくてもよい。
[実施例1]
表1及び表2を参照しながら、本発明の第1の実施の形態による超電導電磁石装置について説明する。
表1は、超電導電磁石装置10(実施例1)が備える各種のコイル(5つの超電導コイル21−25と、3つの第1外側超電導コイル31−33と、3つの第2外側超電導コイル41−43と、5つの補正コイル51−55と、2つのシールドコイル61、62)の詳細を示している。表1において、a1はコイルの内径を示し、a2はコイルの外径を示し、b2−b1はコイルの軸方向の長さを示し、Z0はコイルの軸方向中心の位置(中心軸線CLが延びる方向での位置)を示し、Turnsはコイルにおける線材の総巻数を示し、Layerはコイルにおける線材層20Lの総数を示し、Turns/Layerは1つの線材層10Lあ
たりの線材の巻数を示す。また、表1では、5つの超電導コイル21−25の各々について、赤道面P1での面圧Pz(単位:MPa)も示している。面圧Pzは、上記の式(2)に基づいて算出したものである。
表2は、図7に示す超電導電磁石装置100(比較例1)が備える各種のコイルの詳細を示している。ここで、比較例1に係る超電導電磁石装置は、実施例1に係る超電導電磁石装置と比べて、5つの超電導コイル21−25の代わりに、5つの超電導コイル210−250を備える点で異なる。5つの超電導コイル210−250は、軸方向の長さが略同じである。また、表2では、5つの超電導コイル210−250の各々について、赤道面P1での面圧Pz(単位:MPa)も示している。面圧Pzは、表1における5つの超電導コイル21−25と同様に、上記の式(2)に基づいて算出したものである。
表2を参照して、比較例1に係る超電導電磁石装置では、超電導コイル230に作用する軸方向の圧縮力(面圧Pz)と、超電導コイル240に作用する軸方向の圧縮力(面圧Pz)とが、他の3つの超電導コイル210、220、250と比べて、大きくなっている。因みに、比較例1に係る超電導電磁石装置では、5つの超電導コイル210−250の各々に作用する軸方向の圧縮力に比例する面圧の平均値は49.72(MPa)であり、4つの超電導コイル220−250の各々に作用する軸方向の圧縮力に比例する面圧の平均値は51.59(MPa)である。
これに対して、実施例1に係る超電導電磁石装置では、表1に示すように、超電導コイル23に作用する軸方向の圧縮力(面圧Pz)が超電導コイル230に作用する軸方向の圧縮力(面圧Pz)よりも小さくなっている。同様に、超電導コイル24に作用する軸方向の圧力(面圧Pz)が超電導コイル240に作用する軸方向の圧縮力(面圧Pz)よりも小さくなっている。
超電導コイル23に作用する軸方向の圧縮力(面圧Pz)が超電導コイル230に作用する軸方向の圧縮力(面圧Pz)よりも小さくなっているのは、超電導コイル23の軸方向の長さが超電導コイル230の軸方向の長さよりも短くなっているためである。同様に、超電導コイル24に作用する軸方向の圧力(面圧Pz)が超電導コイル240に作用する軸方向の圧縮力(面圧Pz)よりも小さくなっているのは、超電導コイル24の軸方向の長さが超電導コイル240の軸方向の長さよりも短くなっているためである。
ここで、比較例1に係る超電導電磁石装置は、実施例1に係る超電導電磁石装置と比べて、各種コイルの線材は同じものが採用されている。つまり、超電導コイル23に用いられているテープ線材20Wは、超電導コイル230に用いられているテープ線材と同じである。同様に、超電導コイル24に用いられているテープ線材20Wは、超電導コイル240に用いられているテープ線材と同じである。
上記のように、超電導コイル23の軸方向の長さが超電導コイル230の軸方向の長さよりも短くなっているということは、超電導コイル23における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数が、超電導コイル230における1つの線材層あたりのテープ線材の巻数よりも少ないことを意味している。同様に、超電導コイル24の軸方向の長さが超電導コイル240の軸方向の長さよりも短くなっているということは、超電導コイル24における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数が、超電導コイル240における1つの線材層あたりのテープ線材の巻数よりも少ないことを意味している。
つまり、実施例1に係る超電導電磁石装置は、比較例1に係る超電導電磁石装置と比べて、超電導コイル23及び超電導コイル24の各々において1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数を少なくしている。また、実施例1に係る超電導電磁石装置では、超電導コイル23や超電導コイル24における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数が、4つのコイル22−25の各々における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数の平均値(198.75)や、5つのコイル21−25の各々における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数の平均値(206.2)よりも小さい。実施例1に係る超電導電磁石では、超電導コイル23及び超電導コイル24の各々に作用する軸方向の圧縮力(通電に起因して発生する軸方向の圧縮力)を小さくすることができる。
なお、超電導コイル250に作用する軸方向の圧縮力が超電導コイル230や超電導コイル240と比べて小さくなっているのは、超電導コイル250の外側に超電導コイル30及び超電導コイル40が配置されていることにより、超電導コイル250に作用する磁場の中心軸線CLに対する傾きが小さくなっているためである。
[実施例2]
続いて、表3及び表4を参照しながら、本発明の第2の実施の形態による超電導電磁石装置について説明する。
表3は、超電導電磁石装置11(実施例2)が備える5つの超電導コイル21−25の詳細を示している。
表4は、図8に示す超電導電磁石装置101(比較例2)が備える各種のコイルの詳細を示している。ここで、比較例2に係る超電導電磁石装置は、比較例1に係る超電導電磁石装置と比べて、5つの超電導コイル210−250のみを備える点で異なる。因みに、比較例2に係る超電導電磁石装置では、5つの超電導コイル210−250の各々に作用する軸方向の圧縮力に比例する面圧の平均値は47.04(MPa)である。
表3及び表4から明らかなように、実施例2に係る超電導電磁石装置は、比較例2に係る超電導電磁石装置と比べて、超電導コイル23及び超電導コイル24の各々において1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数を少なくしている。また、実施例2に係る超電導電磁石装置では、超電導コイル23や超電導コイル24における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数が、5つのコイル21−25の各々における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数の平均値(122.6)よりも小さい。実施例2に係る超電導電磁石装置では、超電導コイル23及び超電導コイル24の各々に作用する軸方向の圧縮力(通電に起因して発生する軸方向の圧縮力)を小さくすることができる。
[実施例3]
続いて、表5及び表6を参照しながら、本発明の第2の実施の形態による超電導電磁石装置の応用例について説明する。
表5は、第2の実施の形態の応用例に係る超電導電磁石装置(実施例3)が備える5つの超電導コイル21−25の詳細を示している。実施例3では、2つの超電導コイル21−22の各々におけるテープ線材20Wの総巻数が、3つの超電導コイル23−25の各々におけるテープ線材20Wの総巻数よりも多い。
表6は、比較例3に係る超電導電磁石装置が備える各種のコイルの詳細を示している。ここで、比較例3に係る超電導電磁石装置は、比較例2に係る超電導電磁石装置のように、5つの超電導コイル210−250のみを備える。ただし、比較例3では、2つの超電導コイル210−220の各々における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数は、3つの超電導コイル230−250の各々における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数よりも多い。因みに、比較例3に係る超電導電磁石装置では、2つの超電導コイル210−220の各々に作用する軸方向の圧縮力に比例する面圧の平均値は48.33(MPa)であり、3つの超電導コイル230−250の各々に作用する軸方向の圧縮力に比例する面圧の平均値は50.1(MPa)である。
表5及び表6から明らかなように、実施例3に係る超電導電磁石装置は、比較例3に係る超電導電磁石装置と比べて、超電導コイル22、超電導コイル23及び超電導コイル24の各々において1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数を少なくしている。また、実施例3に係る超電導電磁石装置では、超電導コイル22における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数が2つのコイル21−22の各々における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数の平均値(129)よりも小さく、超電導コイル23や超電導コイル24における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数が3つのコイル23−25の各々における1つの線材層20Lあたりのテープ線材20Wの巻数の平均値(113.33)よりも小さい。実施例3に係る超電導電磁石装置では、超電導コイル22、超電導コイル23及び超電導コイル24の各々に作用する軸方向の圧縮力(通電に起因して発生する軸方向の圧縮力)を小さくすることができる。
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、上述した実施の形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で適宜変形して実施することができる。
上記実施の形態において、主磁場発生コイル群は、5つの超電導コイル21−25だけで構成されていてもよいし、5つの超電導コイル21−25と3つの超電導コイル31−33とで構成されていてもよいし、5つの超電導コイル21−25と3つの超電導コイル41−43とで構成されていてもよい。
上記実施の形態において、超電導コイルの数は5つであったが、超電導コイルの数は、2つ以上であれば、特に限定されない。
以上、本発明の実施の形態及びその応用例について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、上述の実施の形態及びその応用例によって、何等、限定されない。
本発明において、複数の超電導コイルの各々への通電に起因して発生する圧縮力(複数の超電導コイルに共通の中心軸線が延びる方向に作用する圧縮力)が最大となる位置は、超電導コイルの軸方向の中心に限定されない。
10 超電導電磁石装置
21 超電導コイル
22 超電導コイル
23 超電導コイル
24 超電導コイル
25 超電導コイル
31 第1外側超電導コイル
32 第1外側超電導コイル
33 第1外側超電導コイル
34 第1外側超電導コイル
35 第1外側超電導コイル
41 第2外側超電導コイル
42 第2外側超電導コイル
43 第2外側超電導コイル
44 第2外側超電導コイル
45 第2外側超電導コイル

Claims (4)

  1. 同心的に配置された複数の超電導コイルを備える超電導電磁石装置であって、
    前記複数の超電導コイルは、各々がテープ線材によって形成された複数の第1超電導コイルを含み、
    前記複数の第1超電導コイルの各々は、
    前記複数の第1超電導コイルが共有する中心軸線に対して垂直な方向に積層される複数の線材層を有しており、
    前記複数の線材層の各々は、前記テープ線材が前記中心軸線周りで螺旋状に複数回巻き回されることで形成されており、
    前記複数の第1超電導コイルのうち前記複数の線材層の各々における前記テープ線材の巻数の平均値によって表される第1超電導コイルの単位線材層巻数が前記複数の第1超電導コイルにおいて互いに同じであるとしたときの前記中心軸線が延びる方向に作用する圧縮力が最も大きくなる位置に配置されている第1超電導コイルの前記単位線材層巻数が、前記複数の第1超電導コイルの前記単位線材層巻数の平均値よりも少ない、超電導電磁石装置。
  2. 請求項1に記載の超電導電磁石装置であって、
    前記複数の第1超電導コイルのうち前記単位線材層巻数が前記複数の第1超電導コイルにおいて互いに同じであるとしたときの前記圧縮力が最も大きい位置に配置される第1超電導コイルでは、他の第1超電導コイルよりも、前記単位線材層巻数が少ない、超電導電磁石装置。
  3. 請求項1に記載の超電導電磁石装置であって、
    前記複数の第1超電導コイルのうち前記単位線材層巻数が前記複数の第1超電導コイルにおいて互いに同じであるとしたときの前記圧縮力の平均値よりも大きな圧縮力が作用する位置に配置される第1超電導コイルでは、前記単位線材層巻数が、前記複数の第1超電導コイルの単位線材層巻数の平均値よりも少ない、超電導電磁石装置。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の超電導電磁石装置であって、
    各々が丸断面又は矩形断面の線材が巻き回されることで形成され、前記複数の第1超電導コイルを取り囲むとともに前記複数の第1超電導コイルと同心的に配置される複数の第2超電導コイルをさらに備え、
    前記複数の第2超電導コイルの各々は、前記複数の第1超電導コイルの各々よりも前記中心軸線が延びる方向での長さが大きい、超電導電磁石装置。
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