JP2012227178A - 超電導コイル装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】施工時のハンドリングや過剰な加熱による超電導特性の低下を回避させることができる超電導コイル装置を提供する。
【解決手段】互いに外径が同一であり、コイル軸方向に積層された複数のパンケーキコイル12a、12b、13a、13bを備える。複数のコイルユニット11a、11bは、互いに外径の異なる複数のコイルユニットを含んで軸方向に積層される。外側接続部14a、14bは、各コイルユニットの2つのパンケーキコイル同士を外径側で電気的に接続する。内側接続部15は、異なるコイルユニット間で隣接するパンケーキコイル12b、13aを内径側で電気的に接続する。積層された複数のコイルユニットのうち、軸方向における最外層のパンケーキコイル12a、13bには、それぞれ電流端子17a、17bが設けられる。
【選択図】 図1
【解決手段】互いに外径が同一であり、コイル軸方向に積層された複数のパンケーキコイル12a、12b、13a、13bを備える。複数のコイルユニット11a、11bは、互いに外径の異なる複数のコイルユニットを含んで軸方向に積層される。外側接続部14a、14bは、各コイルユニットの2つのパンケーキコイル同士を外径側で電気的に接続する。内側接続部15は、異なるコイルユニット間で隣接するパンケーキコイル12b、13aを内径側で電気的に接続する。積層された複数のコイルユニットのうち、軸方向における最外層のパンケーキコイル12a、13bには、それぞれ電流端子17a、17bが設けられる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、テープ形状の超電導線材を巻回してなる超電導コイル装置およびその製造方法に関する。
今日、超電導線材の開発が国内外で盛んに行われており、超電導線材の長尺化が飛躍的に進んでいる。中でも、金属基板上に中間層を介して超電導層を形成させた高温超電導線材は、第二世代の高温超電導線材と呼ばれている。この高温超電導線材は、その製法により形状がテープ状となる。
このテープ状の超電導線材は、巻枠などに巻いてコイル化され、各種機器へ応用されることが期待されている。超電導線材により円筒形のコイル(ソレノイドコイル)を巻回すと、軸方向の断面形状(コイル正面から見た外形)は矩形となる。この断面形状は、一般的には巻回す層数と層あたりのターン数とで決まる。
コイルは、モーターの界磁コイルや加速器用のコイルなどの多極コイルの1つの極を構成し得る。各コイルは、矩形ではなく多極配置の中心部に向かって幅を狭くした断面形状にすることにより、効率が良くなる場合がある。
テープ状の超電導線材を巻き円筒形のコイル(ソレノイドコイル)を形成する代表的な方法に、「レイヤ(層)巻」と「パンケーキ巻」とがある。
「レイヤ巻」は、円筒の軸(巻枠)に対して線材をらせんに巻く、すなわち軸を一周する毎に軸方向に巻き位置をずらし、次のターンを同じ曲率半径で巻く方法である。「パンケーキ巻」は、線材を渦巻きに巻く、すなわち曲率半径を増やしながら巻き位置をずらして次のターンを巻く方法である。
レイヤ巻とパンケーキ巻きは、それぞれ一長一短がある。レイヤ巻の場合、層当たりのターン数を順次減らしていくことにより、断面形状が矩形でないコイルを形成することが可能になる。しかし、テープ状の超電導線材を用いたレイヤ巻では、1層を巻き終えて次の層に移る折り返し部分において、線材をエッジワイズ方向に曲げる必要がある。よってレイヤ巻は、歪によって超電導特性を劣化させてしまう可能性がある。
従来、円筒形巻枠の端部を変形させる方法(例えば、特許文献1参照。)や、線材を円筒端部付近で重ねてエッジワイズ歪を低減させる方法(例えば、特許文献2参照。)が開示されている。これらの方法は、いずれも歪をゼロにはできず、円筒の径が小さい場合にはやはり上述したような課題の解決には至らなかった。
パンケーキ巻の場合、外径の異なるパンケーキ巻されたコイル(パンケーキコイル)を複数個積層し直列に通電することにより、断面形状が矩形ではないコイルを形成することができる。
例えば、外径を順次大きくした4個のパンケーキコイルを巻線し、1番目および2番目のコイルと、3番目および4番目のコイルを内側で接続し、2番目および3番目のコイルを外側で接続する。さらに、1番目および4番目のコイルの外側に、それぞれ電流端子を設ければ、4つのコイルに直列に通電することができる。
巻き始めとなる内径側は、一般に機械加工により製作した巻枠を用いるため、内側の接続部は施工が比較的容易である。これに対し、2番目および3番目のコイルを接続する外側の接続部は、線材を幅方向に変形させながら異なる径方向の平面または曲面間で接続しようとするため、線材に対してエッジワイズ歪が加わってしまう。
外側接続部を線材ではなく金属片で設ける場合も、外径が異なるパンケーキコイルにおいては接続面が異なる平面または曲面となり接続部を設けるのは困難である。
以上の通り、超電導線材を使って巻線部の断面が矩形以外の形状であるコイルを巻回そうとすると、レイヤ巻では、エッジワイズ方向の歪による超電導特性の低下が懸念される。また、パンケーキ巻では、外側の接続部の施工が難しいという課題がある。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、施工時のハンドリングや過剰な加熱による超電導特性の低下を回避させることができる超電導コイル装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る超電導コイル装置は、上述した課題を解決するために、コイル軸方向に積層された複数のパンケーキコイルを備え、前記軸方向に積層された複数のコイルユニットと、各前記コイルユニットの少なくとも2つの前記パンケーキコイル同士を外径側で電気的に接続する外側接続部と、少なくとも異なる前記コイルユニット間で隣接する前記パンケーキコイル同士を内径側で電気的に接続する内側接続部と、積層された前記複数のコイルユニットのうち、軸方向における最外層のパンケーキコイルにそれぞれ設けられる電流端子とを備え、各前記コイルユニットを形成する前記複数のパンケーキコイルは、互いに外径が同一であり、前記複数のコイルユニットは、互いに外径の異なる複数のコイルユニットを含むことを特徴とする。
本発明に係る超電導コイル装置およびその製造方法においては、施工時のハンドリングや過剰な加熱による超電導特性の低下を回避させることができる。
[第1実施形態]
本発明に係る超電導コイル装置およびその製造方法の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明に係る超電導コイル装置およびその製造方法の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る超電導コイル装置の第1実施形態を示す概略的な縦断面図である。
超電導コイル装置1は、コイル軸方向に積層された2個のコイルユニット11a、11bを有する。コイルユニット11a、11bは、それぞれコイル軸方向に積層された2個のパンケーキコイル12a、12bおよびパンケーキコイル13a、13bで構成される。
一のコイルユニットを構成する2個のパンケーキコイルは、外径がほぼ同一のパンケーキコイルである。また、コイルユニットは、互いに外径の異なる複数のコイルユニットを含む。第1実施形態においては、コイルユニット11bの外径は、コイルユニット11aの外径よりも小さい。具体的には、超電導コイル装置1は、軸方向における最下位層(最外層)のコイルユニット11bから軸方向における最上位層(最外層)のコイルユニット11aに向かって、コイルの外径が徐々に小さくなっている。
また、パンケーキコイルの内径は、軸方向における最下位層(最外層)のパンケーキコイル13bから軸方向における最上位層(最外層)のパンケーキコイル12aに向かって徐々に小さくなっている。
パンケーキコイル12a、12b、13a、13bは、例えば円筒形の巻枠に超電導線材が渦巻き状に巻かれたコイルであり、曲率半径を増やしながら次のターンが巻かれたコイルである。超電導線材は、例えば、金属基板上に中間層、超電導層が順次積層されたテープ形状の線材である。超電導線材は、例えば酸化物系の高温超電導線材であり、ビスマス系(例えば、Bi2223相型、Bi2212相型)、イットリウム系(例えば、YBCO系)、タリウム(Tl)系、水銀(Hg)系が用いられる。
一のコイルユニットを形成する2個のパンケーキコイルの一方は、例えば内側から外側に向かって反時計回りに巻かれている。他方のパンケーキコイルは、一方のパンケーキコイルとは異なり、時計回りに巻かれている。超電導コイル装置1は、時計回りに巻かれたパンケーキコイルと、反時計回りに巻かれたパンケーキコイルとが交互に配置されるようになっている。
コイルユニット11aのパンケーキコイル12a、12bは、コイル外径側で外側接続部14aにより電気的に接続される。また、コイルユニット11bのパンケーキコイル13a、13bは、外径側で外側接続部14bにより電気的に接続される。
異なるコイルユニット間で隣接する2個のパンケーキコイルは、コイル内径側で内側接続部15により電気的に接続される。具体的には、コイルユニット11aのパンケーキコイル12bと、コイルユニット11bのパンケーキコイル13aとは、内側接続部15により接続される。パンケーキコイル12b、13aのコイル内径は異なるため、内側接続部15に段差が設けられる。ここで、パンケーキコイルは、機械加工した巻枠に対して超電導線材を巻回して形成されるため、コイル内径側の寸法は把握することができる。このため、内側接続部15は、パンケーキコイル12b、13aに対して比較的寸法を合わせ易くなっている。
コイル軸方向における最外層のパンケーキコイル12a、13bは、超電導コイル装置1に電源を供給するための電流端子17a、17bをそれぞれコイル内径側に有する。
超電導コイル装置1は、積層された合計4個のパンケーキコイル12a、12b、13a、13bを外側接続部14a、14bおよび内側接続部15により接続することにより、直列に接続された1極のコイルを構成する。超電導コイル装置1に流れる電流は、例えばパンケーキコイル12aを起点としてパンケーキコイル12a、12b、13a、13bを順次流れる。
コイルユニット11aのパンケーキコイル12a、12bは、外径がほぼ同一であるため、径方向の最外層が略同一の平面または曲面内に位置する。外側接続部14aは、この平面または曲面に当てられハンダなどにより接続される。外側接続部14aの接続面はほぼ同一平面または曲面であるため、外側接続部14aとパンケーキコイル12aとの接続面と、外側接続部14aとパンケーキコイル12bとの接続面とに段差が生じることがない。このため、外側接続部14aとパンケーキコイル12aの径方向最外層との間と、外側接続部14aとパンケーキコイル12bの径方向最外層との間とに形成されるハンダ層の厚さは均一であり、共に薄くなる。
コイルユニット11bのパンケーキコイル13a、13bについても同様である。
この超電導コイル装置1は、複数個のパンケーキコイル12a、12b、13a、13bを用いることにより、レイヤ巻されたコイルのようにエッジワイズ方向の歪を生じさせることなく、軸方向断面形状(コイル正面から見た外形)が矩形ではなく階段状に外径の寸法が異なる断面形状を有することができる。
また、超電導コイル装置1は、外側接続部14a、14bにおける接続抵抗値を低減することができる。また、超電導コイル装置1は、2個のパンケーキコイルと外側接続部14a、14bとの接続作業を容易にし、ハンドリングによる超電導特性の低下を回避することができる。
なお、内側接続部15により接続される2つのパンケーキコイルの内径は、ほぼ同一にしてもよい。また、全てのパンケーキコイルの内径は、ほぼ同一にしてもよい。以下、これらの超電導コイル装置を第1実施形態の超電導コイル装置1の変形例として説明する。
図2は、第1実施形態の超電導コイル装置の第1の変形例を示す概略的な縦断面図である。
図3は、第1実施形態の超電導コイル装置の第2の変形例を示す概略的な縦断面図である。
図4は、第1実施形態の超電導コイル装置の第3の変形例を示す概略的な縦断面図である。
図5は、複数の図4の超電導コイル装置が多極コイル中の1極のコイルとして適用される場合の概略的な平断面図である。
図1の超電導コイル装置1と対応する構成および部分については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
一般に、パンケーキコイルは、機械加工した巻枠に対してテープ状線材を巻回して形成されるため、コイル内径側の寸法は把握することができる。このため、図1に示す超電導コイル装置1のように、内側接続部15に段差を設けてパンケーキコイル12bとパンケーキコイル13aとを接続することができる。
これに対し、図2の超電導コイル装置20は、コイル軸方向に積層された2個のコイルユニット21a、21bを有する。コイルユニット21a、21bは、それぞれコイル軸方向に積層された2個のパンケーキコイル22a、22bおよびパンケーキコイル23a、23bで構成される。
そして、パンケーキコイル22bとパンケーキコイル23aとの内径がほぼ同一であるため、外側接続部14a、14bと同様に内側接続部25の厚さを均一かつ薄くすることができる。
図3の超電導コイル装置30は、コイル軸方向に積層された2個のコイルユニット31a、31bを有する。コイルユニット31a、31bは、それぞれコイル軸方向に積層された2個のパンケーキコイル32a、32bおよびパンケーキコイル33a、33bで構成される。
そして、パンケーキコイル32bとパンケーキコイル33aとの内径がほぼ同一であるため、内側接続部35の厚さを均一かつ薄くすることができる。
図4の超電導コイル装置40は、3個のコイルユニット41a〜41cを有する。コイル軸方向における最外層のパンケーキコイル42a、44bは、超電導コイル装置40に電源を供給するための電流端子47a、47bをそれぞれコイル内径側に有する。超電導コイル装置40は、図3の超電導コイル装置30と同様に、パンケーキコイル42bとパンケーキコイル43aおよびパンケーキコイル43bとパンケーキコイル44aの内径がほぼ同一であるため、同様に内側接続部45a、45bの厚さを均一かつ薄くすることができる。
図3および図4の超電導コイル装置30、40は、全てのパンケーキコイルの内径がほぼ同一であるため、コイル内径側のボア部分を広く取ることができる。超電導コイル装置30、40は、このボア部分に支持材や鉄心などの構造物を設けることができ、超電導コイル装置30、40の極全体を電磁力などに対して強固に支持することができる。
また、図5に示すように、複数の超電導コイル装置40がそれぞれ多極コイル50中の1極のコイルとして、コイル軸方向と多極コイル(界磁コイル)50の径方向と一致させて超電導コイル装置40を多極に配置することもできる。多極コイル50は、多極コイル50の中心方向に向かってコイルユニットの外径を徐々に小さくした。これにより、隣接する極(超電導コイル装置40)との間に形成される空間が低減される。これにより、多極コイル50は、効率的に磁場を利用することができる。
[第2実施形態]
本発明に係る超電導コイル装置およびその製造方法の第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明に係る超電導コイル装置およびその製造方法の第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図6は、本発明に係る超電導コイル装置の第2実施形態を示す概略的な縦断面図である。
図7は、複数の図6の超電導コイル装置が多極コイル中の1極のコイルとして適用される場合の概略的な平断面図である。
超電導コイル装置60は、コイル軸方向に積層された6個のコイルユニット61a〜61fを有する。コイルユニット61a〜61fは、それぞれコイル軸方向に積層された2個のパンケーキコイルで構成される。
複数のコイルユニット61a〜61fは、最も外径が大きい、コイル軸方向における図示最上層から3層目のコイルユニット61cを基準として、最下位層(最外層)のコイルユニット61fおよび最上位層(最外層)のコイルユニット61aに向かって徐々にパンケーキコイルの外径が小さくなるように配置される。
コイルユニット61a〜61fのパンケーキコイル71a〜76a、71b〜76bは、コイル外径側で外側接続部64a〜64fによりそれぞれ電気的に接続される。異なるコイルユニット間で隣接する2個のパンケーキコイルは、コイル内径側で内側接続部65a〜65eにより電気的に接続される。コイル軸方向における最外層のパンケーキコイル71a、76bは、超電導コイル装置60に電源を供給するための電流端子67a、67bをそれぞれコイル内径側に有する。
超電導コイル装置60は、積層された合計12個のパンケーキコイル71a〜76a、71b〜76bを外側接続部64a〜64fおよび内側接続部65a〜65eにより接続することにより、直列に接続された1極のコイルを構成する。
図7に示すように、4つの超電導コイル装置60のコイル軸方向と多極コイル(界磁コイル)の径方向と一致させて多極コイル80を構成する場合、多極コイル80の中心方向に向かってコイルユニットの外径を徐々に小さくした。これにより、隣接する極(超電導コイル装置60)との間に形成される空間が低減される。また、多極コイル80の外周方向に向かってコイルユニットの外径を徐々に小さくした。これにより、超電導コイル装置60と外接円との空間が低減される。
この超電導コイル装置60は、多極コイル80に適用する場合において断面形状の空間効率がよく、多極コイル80全体をコンパクト化することができる。
[第3実施形態]
図8は、本発明に係る超電導コイル装置の第3実施形態を示す概略的な断面図である。
図8は、本発明に係る超電導コイル装置の第3実施形態を示す概略的な断面図である。
第3実施形態における超電導コイル装置90が第2実施形態における超電導コイル装置60と異なる点は、各パンケーキコイル71a〜76a、71b〜76bの径方向最外層にバインド巻線91a〜96a、91b〜96bが巻回された点である。第2実施形態と対応する構成および部分については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
バインド巻線91a〜96a、91b〜96bは、例えばステンレス鋼やハステロイ(登録商標)などのNi基合金である。バインド巻線91a〜96a、91b〜96bは、各パンケーキコイル71a〜76a、71b〜76bが電磁力により変形することを抑制し、各パンケーキコイル71a〜76a、71b〜76bの形状を維持する。
また、各コイルユニット61a〜61fの外径が異なる場合であっても、パンケーキコイルの巻厚とこのパンケーキコイル71a〜76a、71b〜76bに巻かれるバインド巻線91a〜96a、91b〜96bの巻厚との合計を調整することにより、バインド巻線91a〜96a、91b〜96bを巻き回した後の各コイルユニットの外径を揃えることができる。
この超電導コイル装置90は、バインド巻線91a〜96a、91b〜96bをさらに設けたことにより、高い電磁力が発生する条件下での励磁が可能になる。また、超電導コイル装置90は、バインド巻線91a〜96a、91b〜96bの巻厚により超電導コイル装置90全体の外径を調整できるため、各コイルユニット61a〜61fの外径をほぼ同一にし、さらに外径側に超電導コイル装置90全体を支持する支持部材を設けることもできる。これにより、超電導コイル装置90は、高い電磁力に対してパンケーキコイル71a〜76a、71b〜76bの形状を保持することが可能になる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、各コイルユニットは、外径がほぼ同一である2個以上のパンケーキコイルで構成してもよい。
第1実施形態における超電導コイル装置は、2個以上の複数個のコイルユニットを備えてもよい。上記各実施形態における超電導コイル装置は、複数のコイルユニットにパンケーキコイルを積層してもよい。
第2および第3実施形態における超電導コイル装置は、少なくとも3個のコイルユニットを備えていればよい。
第1〜第3実施形態における超電導コイル装置においては、コイル軸方向に見た外形が、円形、レーストラック型、あるいは直線部と円弧部とからなる角丸四角形でもよい。
さらに、Y系超電導体に特有の現象として、超電導体の臨界電流密度および結晶粒の配向度を向上させるとヒステリシス損失が低減され、経験磁場(通電時に超電導コイル装置に印加される磁場)の角度が幅広面に対して平行に近いほどヒステリシス損失が減るように作用することが知られている。この現象は、磁場の角度を幅広面に対して60度まで増やしても観測されている。
そこで、パンケーキコイルの内径および外径、積層順序は、コイル内径側のどの部分においても、超電導線材の経験磁場の角度が線材の幅広面(幅方向)に対して0度以上60度以下の範囲内となるように決定してもよい。
パンケーキコイルの内径および外径、積層順序は、磁場計算の結果に基づいて、上述した第1〜第3の実施形態で示された超電導コイル装置を含む、パンケーキコイルの内径および外径、積層順序の中から決定される。磁界変動により超電導コイル装置内部で生じるヒステリシス損失を低減できるため、超電導コイル装置の冷却システムに必要となる冷凍能力が軽減されて、低コスト化することができる。
1、20、30、40、60、90 超電導コイル装置
11a、11b、21a、21b、31a、31b、41a〜41c、61a〜61f コイルユニット
12a、12b、13a、13b、22a、22b、23a、23b、32a、32b、33a、33b、42a〜44a、42a〜44a、71a〜76a、71b〜76b パンケーキコイル
14a〜14c、64a〜64f 外側接続部
15、25、35、45a、45b、65a〜65e 内側接続部
17a、17b、47a、47b、67a、67b 電流端子
50 多極コイル
80 多極コイル
91a〜96a、91b〜96b バインド巻線
11a、11b、21a、21b、31a、31b、41a〜41c、61a〜61f コイルユニット
12a、12b、13a、13b、22a、22b、23a、23b、32a、32b、33a、33b、42a〜44a、42a〜44a、71a〜76a、71b〜76b パンケーキコイル
14a〜14c、64a〜64f 外側接続部
15、25、35、45a、45b、65a〜65e 内側接続部
17a、17b、47a、47b、67a、67b 電流端子
50 多極コイル
80 多極コイル
91a〜96a、91b〜96b バインド巻線
Claims (10)
- コイル軸方向に積層された複数のパンケーキコイルを備え、前記軸方向に積層された複数のコイルユニットと、
各前記コイルユニットの少なくとも2つの前記パンケーキコイル同士を外径側で電気的に接続する外側接続部と、
少なくとも異なる前記コイルユニット間で隣接する前記パンケーキコイル同士を内径側で電気的に接続する内側接続部と、
積層された前記複数のコイルユニットのうち、軸方向における最外層のパンケーキコイルにそれぞれ設けられる電流端子とを備え、
各前記コイルユニットを形成する前記複数のパンケーキコイルは、互いに外径が同一であり、
前記複数のコイルユニットは、互いに外径の異なる複数のコイルユニットを含むことを特徴とする超電導コイル装置。 - 前記複数のコイルユニットは、一方の前記軸方向における最外層のコイルユニットから他方の前記軸方向における最外層のコイルユニットに向かって外径が小さくなる請求項1記載の超電導コイル装置。
- 前記複数のコイルユニットは、少なくとも3つ設けられ、一のコイルユニットを基準として双方の前記軸方向における最外層のコイルユニットに向かって外径が小さくなる請求項1記載の超電導コイル装置。
- 前記内側接続部により接続される2つの前記パンケーキコイルは、内径がほぼ同一である請求項1〜3のいずれか一項記載の超電導コイル装置。
- 全ての前記パンケーキコイルは、内径がほぼ同一である請求項1〜3のいずれか一項記載の超電導コイル装置。
- 各前記パンケーキコイルの径方向における最外層に巻かれたバインド巻線をさらに備えた請求項1記載の超電導コイル装置。
- 前記パンケーキコイルは、金属基板上に中間層および酸化物超電導層が形成されたテープ形状の高温超電導線材で巻かれて形成された請求項1記載の超電導コイル装置。
- 前記複数のコイルユニットは、前記高温超電導線材の経験磁場の角度が前記高温超電導線材の幅方向に対して0度以上60度以下の範囲内となるように配置された請求項7記載の超電導コイル装置。
- 前記パンケーキコイルは、円形、レーストラック型、または角丸四角形となるように巻かれた請求項1記載の超電導コイル装置。
- 互いに外径が同一である複数のパンケーキコイルをコイル軸方向に積層してコイルユニットを形成し、
互いに外径が異なる複数の前記コイルユニットをコイル軸方向に積層し、
各前記コイルユニットの少なくとも2つの前記パンケーキコイル同士を外径側で電気的に接続し、
少なくとも異なる前記コイルユニット間で隣接する前記パンケーキコイル同士を内径側で電気的に接続し、
積層された前記複数のコイルユニットのうち、軸方向における最外層のパンケーキコイルに電流端子を設ける特徴とする超電導コイル装置の製造方法。
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JP2011090387A Withdrawn JP2012227178A (ja) | 2011-04-14 | 2011-04-14 | 超電導コイル装置およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012227178A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014216569A (ja) * | 2013-04-26 | 2014-11-17 | 株式会社東芝 | 超電導コイル装置 |
JP2014236092A (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-15 | 株式会社東芝 | 超電導コイルの製造装置およびその製造方法 |
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2011
- 2011-04-14 JP JP2011090387A patent/JP2012227178A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014216569A (ja) * | 2013-04-26 | 2014-11-17 | 株式会社東芝 | 超電導コイル装置 |
JP2014236092A (ja) * | 2013-05-31 | 2014-12-15 | 株式会社東芝 | 超電導コイルの製造装置およびその製造方法 |
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