JP2005310887A - 超伝導コイル - Google Patents

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敏 西尾
Toshinari Ando
俊就 安藤
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Abstract

【課題】
平行に配置されたパンケーキコイルは、コイル内の断面が四角形に近い場合ではこの
平行配置での構造が巻き線数を多くする上で有効であるが、三角形である場合ではこの
平行配置が必ずしも効果的な導体配置とはならない。
【解決手段】
金属板にら旋状に超伝導導体を配置したパンケーキコイルの複数から構成される超伝
導コイルにおいて、それらのパンケーキコイルの少なくとも一つのパンケーキコイルの
金属板が超伝導導体の一部を折り曲げて三角形状に加工されている超伝導コイル。
【選択図】 図３

Description

本発明は、超伝導コイル技術、核融合炉技術に関するものであり、特に、核融合炉のトロイダルコイルを構成するパンケーキコイルにおいて、そのパンケーキコイルに三角形の断面構造を形成することにより、コイルに巻かれる導体の巻き数を増加させることに関するものである。
トカマク型核融合炉のトロイダル磁場コイル（以下ＴＦコイルと記す）は核融合反応を起こす燃料である水素のプラズマを取り囲むようにトーラス状に配置された十数個のＤ型のユニットコイルから構成されている。すなわち、各ユニットコイルはＴＦコイルの中心から放射状に配置される。そのため、各ユニットコイルのＴＦコイルの中心側にある部分（内側脚）の断面は、隣のユニットコイルと干渉するため中心に向かうほど狭くなり、台形又は三角形となる。ユニットコイルの巻き線構造は、Ｄ型の金属板の側面にら旋状の溝加工を施し、その溝の中に絶縁被覆した超伝導導体を挿入した全パンケーキコイルを数個重ね合わせて一体化した構造である。
一体化の方法としてはパンケーキコイルをケースに挿入される場合とケースに挿入されないで通しボルトで固定する場合がある。導体と導体の間隔は機械設計、絶縁設計条件等により定まる最小の値以上が必要となる。コイル断面が四角形でないため、ユニット内のパンケーキコイルは全て同じ大きさではなく、端部に置かれるパンケーキコイルの外径は中央に置かれるパンケーキコイルより小さくなる。したがって、ユニットコイル内の側面に置かれたパンケーキコイルの超伝導体の巻き数は中央に置かれたパンケーキコイルの超伝導体の巻き数より少ない。近年、プラズマ性能を高めるためにユニットコイルの内側脚はＴＦコイルの中心に配置され、その断面はほぼ三角形である。
図１は１２個のユニットコイルからなるＴＦコイルの全体構造を示し、中心部で各ユ
ニットコイルは一点に集まり、ユニットコイルの中心側を内部脚、反対側を外部脚と呼
ぶ。
図２は６個のパンケーキコイルが平行に並べられて構成されたユニットコイルの断
面を示す。この場合は通しボルトで一体化されている。中央のパンケーキコイルの導体の巻き数は８に対して端部の巻き数は１である。合計の導体の巻き数は２６である。
即ち、図２は、従来のユニットコイルの(a)内部脚と(b)外部脚の巻き線構造の断面を示す。６個のパンケーキコイルは平板で、平行に並べられ、通しボルトで一体化されており、導体の巻き数は中心側のパンケーキコイルほど多い。
コイル内の導体の巻き数は、コイルの高性能化において重要な役割を担う。すなわち巻き線断面と導体の大きさが一定であれば、導体の巻き数が多きくできればでコイルの電流密度が大きくなり、高い磁場を発生することが出来る。従って本発明の課題は、三角形の断面構造をもつコイルにおいて、導体の巻き数を多くする巻き線構造を提供することにある。
これまでのユニットコイル内の巻き線構造では、図２に示されるように、各パンケーキコイルは平行に配置されている。しかしながら、コイル内の断面が、四角形に近い場合ではこの平行配置での構造が巻き線数を多くする上で有効であるが、三角形である場合ではこの平行配置が必ずしも効果的な導体配置とはならない。そこで三角形の巻き線断面において導体の巻き数を多くするための巻き線構造を考察した。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、三角形の巻き線断面での導体の巻き数を多くするための巻き線構造として、三角形の角度に沿って導体を配置する方法を発見し、本発明を完成させた。
本発明の超伝導ＴＦコイルのユニットコイルにおいては、図３に示されるように、Ｄ型金属板に絶縁被覆導体をら旋状に巻いた平板パンケーキコイルを積層し、その内側中心位置にあるパンケーキコイルを除き、その外側位置にある複数のパンケーキコイルをユニットコイルの内部脚において平行配置ではなく三角形の角度に沿って互い違いに折り曲げ加工し、その外脚部において平行配置にし、その平行配置部を冷却板及び支持板を介して通しボルトで一体化することにより、超伝導ＴＦコイルのユニットコイルの内脚部の三角形状に基づいてユニットコイルをトーラス状に構成するものである。
本発明の効果は、次のとおりである。
１．パンケーキコイルからなる超伝導ＴＦコイルにおいて、そのパンケーキコイルの内部脚部に相当する部分を折り曲げることにより巻き線部内の導体の数を増加させることができ、超伝導コイルの磁場を高めることができる。
２．内部脚においてユニットコイル間の接触するパンケーキコイルの数が少なくてすむためＴＦコイルの内部脚全体の機械的一体化が図れる。
３．本発明の超伝導コイルは、核融合炉において特に有用であるが、トロイダル型コイルを適用する磁気エネルギー蓄積装置等の他の大型超伝導コイルにおいても有用である。
本発明の巻き線断面構造の一態様を図３に示す。図３において、内部脚ではパンケーキコイル５は平行ではなく三角形の角度に沿って互い違いに配置される。これにより、ユニットコイルの巻き線数の総数は３０となり、従来の平行配置の総数より多くすることができた。ただし、内部脚においてはこのような巻き線配置を示すが、反対側の外部脚では十分に巻き線領域があるので、従来の平行配置の巻き線構造にすることもできる。この場合は端部側のパンケーキコイル５は内部脚に相当する部分が折り曲げられた構造となる。この折り曲げ角度はトロイダル磁場コイルのユニットコイルの数（N）とすると360度/Nがもっとも効果的である。
即ち、図３に、本発明のユニットコイルの(a)内部脚と(b)外部脚の巻き線構造の断面を示す。内部脚では６個のパンケーキコイルは平行配置ではなく三角形の角度に沿って互い違いに配置される。外部脚では平行配置である。したがって、５個のパンケーキコイルは内部脚部で３０度の角度で曲げ加工が施されている。
図３に、本発明の一態様である超伝導コイル断面の巻き線断面構造を示す。内部脚部で３０度に折り曲げられ、ら旋状に加工された溝をもつ金属板４、その溝に加工せず納められるように製作された絶縁被覆した正方形の超伝導導体を挿入してなる５個のパンケーキコイル５と中心部の１個の平板のパンケーキコイル５を用意し、それらの６個のパンケーキを冷却板３と支持板２で挟み通しボルト６で一体化したユニットコイルの断面を示す。図３(a)は内部脚の断面構造を、図３(b)は外部脚の断面構造を示す。このユニットコイルが１２個でトロイダル磁場コイルとなる。
１２個のユニットコイルからなる超伝導トロイダル磁場コイルの全体図を示す図である。 従来のユニットコイルの(a)内部脚と(b)外部脚の巻き線構造の断面を示す図 である。 本発明のユニットコイルの(a)内部脚と(b)外部脚の巻き線構造の断面を示す 図である。
符号の説明
１：絶縁被覆した超伝導導体
２：支持板
３：冷却板
４：金属板
５：パンケーキコイル
６：通しボルト














Claims (2)

  1. 金属板にら旋状の溝加工を施し、その溝に超伝導導体を配置したパンケーキコイルの複数から構成される超伝導コイルにおいて、それらのパンケーキコイルの少なくとも一つのパンケーキコイルの金属板が超伝導導体の一部を折り曲げ加工されている超伝導コイル。
  2. ３６０度をトロイダル磁場コイルのユニットコイルの数で割った値の角度で金属板の折り曲げ加工したパンケーキコイルからなる請求項１記載の超伝導コイル。














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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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