JP2003115405A - 超電導コイル - Google Patents

超電導コイル

Info

Publication number
JP2003115405A
JP2003115405A JP2002220829A JP2002220829A JP2003115405A JP 2003115405 A JP2003115405 A JP 2003115405A JP 2002220829 A JP2002220829 A JP 2002220829A JP 2002220829 A JP2002220829 A JP 2002220829A JP 2003115405 A JP2003115405 A JP 2003115405A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
superconducting
conductor
spool
winding
superconducting conductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002220829A
Other languages
English (en)
Inventor
Katsuya Tsutsumi
克哉 堤
Hidemi Hayashi
秀美 林
Hironobu Kimura
博伸 木村
Yasuhiro Hatanabe
康宏 畑辺
Takaaki Bono
敬昭 坊野
Akira Tomioka
章 富岡
Yasutaka Sanuki
育孝 讃岐
Yujiro Yagi
裕治郎 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyushu Electric Power Co Inc
Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Kyushu Electric Power Co Inc
Fuji Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyushu Electric Power Co Inc, Fuji Electric Co Ltd filed Critical Kyushu Electric Power Co Inc
Priority to JP2002220829A priority Critical patent/JP2003115405A/ja
Publication of JP2003115405A publication Critical patent/JP2003115405A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 多層巻線を1つの巻枠に1工程で容易に巻回
可能とし、かつ並列導体の場合には電流分流の均一化が
可能であり、さらに交流損失が低く高効率にしてコンパ
クトな超電導コイルを提供する。 【解決手段】 円筒状巻枠4の外周面上に、巻枠軸方向
に複数個の円環状の溝5を形成し、この溝に沿って超電
導導体を巻回してなる超電導コイルにおいて、円環状の
溝5を形成する巻枠の各土手部6に、その一部を円弧状
に切り欠いた超電導導体の渡り部7を形成し、複数個の
円環状の溝5および渡り部7に沿って、矩形平板状の超
電導導体を、巻枠の半径方向に複数ターン積層して巻回
し、かつ、巻枠の一方の軸端から他方の軸端に向けて、
巻枠の軸方向に複数回繰り返して巻回してなるものとす
る。超電導導体が複数本の並列導体により構成される場
合には、軸方向に隣接する溝間の渡り部において転位処
理を施す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変圧器やリアク
トル等の誘導電器などに用いる超電導コイル、特に、そ
の巻回構造に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導コイルは高磁界発生手段として種
々の分野で実用されている。一方、変圧器やリアクトル
などのような交流機器への超電導コイルの適用は、超電
導導体が交流によって損失を発生するという現象がある
ことから、その実用化は、あまり進んでいない。
【0003】しかしながら、近年、超電導導体素線の細
線化による交流損失の小さな超電導線が開発されて以
来、変圧器などの交流機器への適用研究が進展し、その
超電導コイルの構成に関しても、種々の提案が行われて
いる(例えば、特開2001−244108号公報参
照)。
【0004】この場合の超電導導体としては、液体ヘリ
ウムの蒸発温度である4Kの極低温で超電導状態を維持
する金属超電導体を使用した超電導線が、実用的な超電
導材料として、主に使用されるが、最近では、酸化物超
電導体を適用した超電導コイルの開発も進められてい
る。この酸化物超電導体は高温超電導体とも呼ばれてお
り、この高温超電導体を使用した場合には、金属超電導
体を使用した場合に比べて運転コストが低い利点があ
る。
【0005】図8は、変圧器の模式的なコイル構成図を
示す。図8において、鉄心1、内側コイル2、外側コイ
ル3は、それぞれ同心状に配置されており、その対称軸
はこの図の鉄心1の左側にある。従って、鉄心1の外径
側に内側コイル2、更にその外径側に外側コイル3が配
置されている。変圧器の場合、一般的に内側コイルを低
圧巻線、外側コイルを高圧巻線としている。
【0006】上記変圧器の場合、前記低圧巻線と高圧巻
線との巻回数の比は、ほぼ変圧比に比例する。例えば、
変圧比4の変圧器の場合、高圧巻線の巻回数は低圧巻線
の巻回数のほぼ4倍となる。この場合、高圧巻線を4層
構造として構成するのが一般的である。図9は内側コイ
ル(低圧巻線)1層、外側コイル(高圧巻線)4層とし
た場合の模式的構成図を示す。
【0007】図10は、銀シースHTS線(高温超電導
線)を変圧器に適用した場合の模式的巻線構成図を示
す。図10は、図9に示した外側コイル(高圧巻線)3
の拡大断面図である。現在開発されているHTS線材は、
厚さが0.3mm程度のテープ状であるため、FRP等の絶
縁物からなる巻枠に螺旋状に溝加工を施し、この溝に沿
ってテープ状のHTS線材を、複数層重ねて溝に埋め込む
ようにして巻回している(詳細は、前記特開2001−
244108号公報参照)。
【0008】ところで、図10においては、2並列導体
を螺旋状に巻回した例を示すが、並列導体の各導体への
電流分流の均一化のために、螺旋状に巻回する際に、図
示しない転位部で導体を転位させる。この転位の意義お
よび構成に関しては、例えば、特開平10−17282
4号公報や、本件出願と同一出願人によって提案された
特開2002−124143号公報に、その詳細が記載
されている。
【0009】例えば、5並列導体の場合に、1〜5の超
電導導体が、初期状態から順次転位してその位置を変
え、5本の導体が断面構成において全ての位置を経験す
るように巻回することにより、5本の導体のインダクタ
ンスが同じとなる。従って、上記のような転位コイル構
成を採用した場合、超電導線の半径位置の違いによる誘
起電圧の違いを打ち消すことができ、並列導体の各導体
への偏流を抑制して電流分流の均一化が図られ、交流損
失や電磁力の発生を抑制することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記図10
に示すような超電導コイル構成においては、多層の外側
コイルの数に応じた複数個の超電導導体の巻枠が必要で
あり、装置が大型化する問題がある。
【0011】高温超電導変圧器の場合、従来の油入変圧
器等と比較して、その超電導特性から導体の電流密度を
5〜10倍程度まで高くすることができ、また負荷損失
も1/10〜1/100程度となるため、1ターンあたりの電圧
を低く設定して鉄心重量を低減することにより、小型化
・軽量化を図る方法が考えられる。しかしながら、この
場合、特に高圧巻線(外側コイル)の巻数が増大し、図
10における高圧巻線の層数が増えるため、全体寸法と
して逆に大きくなってしまう問題が生ずる。
【0012】また、一つの巻枠に多層コイルを形成する
方法として、超電導テープを同心状に巻回したパンケー
キコイルを巻枠の軸方向に積層し、隣接するパンケーキ
コイル間を、パンケーキの外周部に設けたジョイントに
より電気的に接続した構成が提案されている(特開平6
−260335号公報参照)。
【0013】さらに、前記パンケーキコイル方式におい
て、半径方向に重ねて並列に結線された複数本の超電導
線の半径方向に重ねる順番がそれぞれ異なるパンケーキ
コイルを積層して、電流分担の均一化を図った構成も提
案されている(特開2000−277321号公報参
照)。
【0014】しかしながら、上記パンケーキコイル方式
の場合、個々にパンケーキコイルを形成した上で積層
し、ジョイントする必要があるので、作業工数が増大
し、組み立ても容易ではない。
【0015】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、本発明の課題は、多層巻線を
1つの巻枠に1工程で容易に巻回可能とし、かつ並列導
体の場合には電流分流の均一化が可能であり、さらに交
流損失が低く高効率にしてコンパクトな超電導コイルを
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
め、この発明は、電気絶縁性材料からなる円筒状巻枠の
外周面上に、巻枠軸方向に複数個の円環状の溝を形成
し、この溝に沿って超電導導体を巻回してなる超電導コ
イルにおいて、前記円環状の溝を形成する巻枠の各土手
部に、その一部を円弧状に切り欠いた超電導導体の渡り
部を形成し、前記複数個の円環状の溝および渡り部に沿
って、矩形平板状の超電導導体を、前記巻枠の半径方向
に複数ターン積層して巻回し、かつ、前記巻枠の一方の
軸端から他方の軸端に向けて、巻枠の軸方向に複数回繰
り返して巻回してなるものとする(請求項1の発明)。
【0017】上記により、多層巻線を、1つの巻枠に1
工程で容易に巻回可能となり、超電導コイルのコンパク
ト化が図れる。また、超電導導体が複数本の並列導体に
より構成される場合には、軸方向に隣接する溝間の渡り
部において転位処理を施すことにより、並列導体間に均
等に電流が流れ、偏流を抑制することができる。この観
点から、下記請求項2の発明が好ましい。即ち、請求項
1記載の超電導コイルにおいて、前記超電導導体は、複
数本の並列導体からなり、並列導体の各導体への電流分
流の均一化のために、前記渡り部において、前記導体を
転位してなるものとする(請求項2の発明)。
【0018】さらに、前記発明の実施態様として、下記
請求項3ないし6の発明が好適である。即ち、請求項1
または2記載の超電導コイルにおいて、前記超電導導体
は、高温超電導導体とする(請求項3の発明)。また、
請求項1ないし3のいずれかに記載の超電導コイルにお
いて、前記超電導導体の半径方向の各ターン間に、電気
絶縁部材を介挿してなるものとする(請求項4の発
明)。さらに、請求項4に記載の超電導コイルにおい
て、前記電気絶縁部材は、半硬化エポキシ樹脂を塗布し
たガラステープとする(請求項5の発明)。さらにま
た、請求項4または5に記載の超電導コイルにおいて、
前記電気絶縁部材の厚さは、前記超電導導体の厚さと同
等もしくはそれ以下とする(請求項6の発明)。
【0019】上記のように、ターン間に絶縁材料を挿入
しながら巻回することにより、ターン間の高い電気絶縁
性能が確保され、電圧的に安全なコイルとなる。また、
前記絶縁材料は、半硬化状エポキシ樹脂を塗布したガラ
ステープとして、巻線後硬化熱処理することにより強固
な巻線とすることができる。さらに、電気絶縁部材の厚
さを超電導導体と同等以下に薄くすることにより、詳細
は後述するように、超電導導体の磁気遮蔽効果に基づ
き、交流損失の低減が可能となって、超電導コイルの高
効率化が図れる。
【0020】
【発明の実施の形態】図面に基づき、本発明の実施の形
態について以下に述べる。
【0021】図1は本発明による巻枠の実施例の斜視図
を示す。図1において、円筒状の巻枠4は、電気絶縁性
材料、例えば、GFRP(ガラス繊維強化プラスチッ
ク)からなり、巻枠の外周面上に巻枠軸方向に複数個の
円環状の溝5が、土手部6によって形成されている。
【0022】上記土手部6には、その一部を円弧状に切
り欠いた超電導導体の渡り部7が形成され、前記複数個
の円環状の溝5および渡り部7に沿って、図示しない超
電導導体を、イメージ的に太線と矢印Lで示すように、
巻枠の一方の軸端Mから他方の軸端Nに向けて、巻枠の
軸方向に複数回繰り返して巻回可能に構成している。
【0023】図2は、前記巻枠に超電導導体を巻回した
状態において、前記溝部を部分的に拡大した超電導コイ
ルの模式的部分拡大断面図を示す。図2に示すように、
溝5に超電導導体10が埋め込まれるようにして巻回さ
れ、1つの溝に、矩形平板状の超電導導体を複数ターン
(図では4ターン)積層して巻回し、図示しない渡り部
を経由して、軸方向に隣接した溝に移動して同様に複数
ターン巻回する。この構成により、1つの巻枠に巻回す
る巻数は、従来の構成に比して複数倍(図では4倍)と
なり、コイルをコンパクト化することが可能となる。な
お、コイル巻回時における超電導導体の曲げ歪は、0.
4%以下が望ましい。
【0024】図3ないし図5は、図2とはそれぞれ異な
る実施例に関わる超電導コイルの模式的部分拡大断面図
を示す。図3は図2における超電導導体10が2並列導
体である場合の実施例を示したものであるが、並列数が
2以上であっても同じ構成で解決できる。この場合、詳
細は後述するように、溝と溝の図示しない渡り部で転位
を行うことにより、導体間の電流が均等に流れるように
なり、偏流に伴う急激な発熱や交流損失の増大といった
問題が生ずることを防止できる。
【0025】図4は、図2に示す実施例において、ター
ン間に電気絶縁部材11を挿入して巻回した実施例を示
す。近年では、超電導体自体に、絶縁被覆処理されたも
のが開発されているが、電力機器の場合、雷インパルス
課電時に大きな電圧がかかることがあるため、ターン間
の高い絶縁性能を維持するためには、図4に示す構成が
望ましい。図4における電気絶縁部材11の材料として
は、ガラステープに半硬化状の樹脂を塗布したガラスバ
インドテープが好適である。超電導導体巻回後、熱処理
硬化させることにより、GFRPと同等の機械強度を有
し、短絡時における電磁機械力支持にも貢献できる。
【0026】図5は、図3のように超電導導体10が2
並列導体である場合に、図4と同様に、ターン間に電気
絶縁部材11を挿入した実施例の図を示す。電気絶縁部
材11の効能は図4の構成と同じであるので、説明を省
略する。
【0027】次に、並列導体における転位構成につい
て、前記図5のケースを対象として、図6に基づいて、
以下に説明する。図6(a)は、超電導コイルの一部を
展開した転位部巻回導体展開図を示し、図6(b)は、
図6(a)におけるA−A,B−B,C−C,D−Dの
各部に沿った部分拡大断面図を示す。
【0028】図6(a)の巻回導体展開図において、図
の右から左方向へ超電導導体10は巻回される。また、
図の下方から上方へ向かって巻回される。図6(a)に
おける斜線ハッチング部は、円筒状の巻枠に溝を形成す
る土手部6の一部を示し、超電導導体の転位部12は、
土手がない部分の渡り部7に設けられる。
【0029】以下に、超電導導体の巻回手順を、図6に
基づいて説明する。なお、図6では、2並列導体の場合
を示しているが、3以上の並列数でもよく、転位回数が
増加するだけで同じ手順で巻回できる。
【0030】まず、円環状の溝5に所定の巻数(図6で
は4ターン)巻回し(A−A断面)、2並列導体のうち
の外層側の1本の導体のみを土手のない部分としての渡
り部7に渡らせる(B−B断面)。その後、2並列導体
のうちの他の内層側の1本の導体を渡らせて前記導体と
重ね合わせることにより、2並列導体の幾何学的位置、
すなわち半径方向位置が入れ替わり転位が完了する(C
−C断面)。転位が完了した2並列導体は,隣の円環状
の溝5に移り、同様に所定の巻数(図6では4ターン)
巻回する(D−D断面)。
【0031】なお、A−A断面からB−B断面、あるい
はB−B断面からC−C断面の間において、渡る超電導
導体は最外層から最内層へ斜めに移行するため、エッジ
部が擦れて絶縁が劣化する恐れがある。これを防止する
ために、土手のない渡り部7の領域には、図6(b)の
断面図に示すように、絶縁物13を挿入するのが望まし
い。前記構成によれば、ターン間絶縁を損なうことなく
超電導導体の巻回を行うことが可能となる。
【0032】次に、請求項6の発明に関わり、図7に基
づいて説明する。図7は、前記巻枠に超電導導体を巻回
した状態において、前記溝部5を部分的に拡大した超電
導コイルの巻線断面と磁力線等を模式的に示した図であ
り、3並列・3層の超電導導体に対して磁界が一様に下
から上に印加された状態の模式図を示す。
【0033】前記図1ないし図6のように巻回された超
電導コイルの場合、巻枠4の軸方向端部においては、巻
枠の半径方向の磁界ベクトルが生ずる。超電導導体の交
流損失は、半径方向の磁界ベクトルが支配的であり、こ
の観点から、図7においては、前記半径方向の磁力線2
4を模式的に示している。
【0034】図7(a)は3本並列導体よりなる超電導
導体を3層重ねて超電導導体21〜23とし、この超電
導導体間に電気絶縁部材11を介挿した本発明の実施例
で、電気絶縁部材11の厚さを超電導導体の厚さよりも
薄くした実施例である。図7(b)は後述する比較例で
ある。
【0035】まず、図7(a)について説明する。超電
導導体が超電導状態の場合には、磁気遮蔽効果により、
超電導導体外部へ磁力線24を追い出すような作用が生
じ、第1層の超電導導体21において、磁力線24は超
電導導体21の外側に押し出される。図7(a)の場
合、電気絶縁部材11が比較的薄いので、押し出された
磁力線24は完全にはもとに戻らない状態で第2層の超
電導導体22に印加され、ここでも磁界は導体の外側に
押し出される。第3層の超電導導体23においても同様
である。
【0036】図7(b)は、図7(a)と対比して、電
気絶縁部材11が比較的厚い場合の構成および磁力線2
4の模式図を示し、電気絶縁部材11の厚さを、超電導
導体の厚さよりも厚くした場合の例を示す。この場合、
第1層の超電導導体21下部における磁力線24の振る
舞いは図7(a)と同様であるが、図7(b)の場合、
電気絶縁部材11が厚いために、押し出された磁力線2
4は元の位置に戻ることができる。従って、第2層の超
電導導体22において印加される磁界は、第1層の超電
導導体21と同等となる。第3層の超電導導体23にお
いても同様である。
【0037】上記比較によると、本発明の実施例である
図7(a)の場合には、超電導導体に印加される磁界
が、対比した構成である図7(b)の場合より小さくな
る。このように、超電導導体に印加される磁界が小さく
なれば、磁界に起因する交流損失も小さくなる。従っ
て、高効率の超電導コイルとなり、ランニングコストが
低減できる。
【0038】なお、本実施例は3本並列導体の場合を示
したが、超電導導体の並列本数に限定されるものではな
い。また、図7(a)には、電気絶縁部材の厚さを超電
導導体の厚さよりも薄くした構成を示したが、本発明で
は、電気絶縁部材の厚さが超電導導体の厚さと同等もし
くはそれ以下であればよい。
【0039】
【発明の効果】この発明によれば前述のように、電気絶
縁性材料からなる円筒状巻枠の外周面上に、巻枠軸方向
に複数個の円環状の溝を形成し、この溝に沿って超電導
導体を巻回してなる超電導コイルにおいて、前記円環状
の溝を形成する巻枠の各土手部に、その一部を円弧状に
切り欠いた超電導導体の渡り部を形成し、前記複数個の
円環状の溝および渡り部に沿って、矩形平板状の超電導
導体を、前記巻枠の半径方向に複数ターン積層して巻回
し、かつ、前記巻枠の一方の軸端から他方の軸端に向け
て、巻枠の軸方向に複数回繰り返して巻回してなるもの
とすることにより、多層巻線を、1つの巻枠に1工程で
容易に巻回可能となり、超電導コイルのコンパクト化が
図れる。
【0040】さらに、超電導導体が複数本の並列導体に
より構成される場合には、軸方向に隣接する溝間の渡り
部において転位処理を施すことにより、電流分流の均一
化が可能にしてコンパクトな超電導コイルを提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わるコイル巻枠の実施例の斜視図
【図2】本発明の超電導コイルの一例の模式的部分拡大
断面図
【図3】本発明の異なる超電導コイルの一例の模式的部
分拡大断面図
【図4】本発明のさらに異なる超電導コイルの一例の模
式的部分拡大断面図
【図5】本発明のさらに異なる超電導コイルの一例の模
式的部分拡大断面図
【図6】本発明の超電導コイルの一部を展開した転位部
巻回導体展開図および部分拡大断面図
【図7】本発明および比較例の超電導コイル巻線部の部
分拡大断面と磁力線の模式図
【図8】変圧器の模式的コイル構成図
【図9】変圧器の図8とは異なる模式的コイル構成図
【図10】図9における外側コイル(高圧巻線)の従来
構造の拡大断面図
【符号の説明】
4:巻枠、5:溝、6:土手部、7:渡り部、10,2
1〜23:超電導導体、11:電気絶縁部材、12:転
位部、24:磁力線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 秀美 福岡県福岡市南区塩原二丁目1番47号 九 州電力株式会社総合研究所内 (72)発明者 木村 博伸 福岡県福岡市南区塩原二丁目1番47号 九 州電力株式会社総合研究所内 (72)発明者 畑辺 康宏 福岡県福岡市南区塩原二丁目1番47号 九 州電力株式会社総合研究所内 (72)発明者 坊野 敬昭 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 富岡 章 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 讃岐 育孝 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内 (72)発明者 八木 裕治郎 神奈川県川崎市川崎区田辺新田1番1号 富士電機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気絶縁性材料からなる円筒状巻枠の外
    周面上に、巻枠軸方向に複数個の円環状の溝を形成し、
    この溝に沿って超電導導体を巻回してなる超電導コイル
    において、 前記円環状の溝を形成する巻枠の各土手部に、その一部
    を円弧状に切り欠いた超電導導体の渡り部を形成し、前
    記複数個の円環状の溝および渡り部に沿って、矩形平板
    状の超電導導体を、前記巻枠の半径方向に複数ターン積
    層して巻回し、かつ、前記巻枠の一方の軸端から他方の
    軸端に向けて、巻枠の軸方向に複数回繰り返して巻回し
    てなることを特徴とする超電導コイル。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超電導コイルにおい
    て、前記超電導導体は、複数本の並列導体からなり、並
    列導体の各導体への電流分流の均一化のために、前記渡
    り部において、前記導体を転位してなることを特徴とす
    る超電導コイル。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の超電導コイル
    において、前記超電導導体は、高温超電導導体とするこ
    とを特徴とする超電導コイル。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の超
    電導コイルにおいて、前記超電導導体の半径方向の各タ
    ーン間に、電気絶縁部材を介挿してなることを特徴とす
    る超電導コイル。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の超電導コイルにおい
    て、前記電気絶縁部材は、半硬化エポキシ樹脂を塗布し
    たガラステープとすることを特徴とする超電導コイル。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の超電導コイル
    において、前記電気絶縁部材の厚さは、前記超電導導体
    の厚さと同等もしくはそれ以下とすることを特徴とする
    超電導コイル。
JP2002220829A 2001-08-03 2002-07-30 超電導コイル Pending JP2003115405A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002220829A JP2003115405A (ja) 2001-08-03 2002-07-30 超電導コイル

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-236292 2001-08-03
JP2001236292 2001-08-03
JP2002220829A JP2003115405A (ja) 2001-08-03 2002-07-30 超電導コイル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003115405A true JP2003115405A (ja) 2003-04-18

Family

ID=26619913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002220829A Pending JP2003115405A (ja) 2001-08-03 2002-07-30 超電導コイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003115405A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006135005A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Fuji Electric Systems Co Ltd 超電導コイル
JP2008166569A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Sumitomo Electric Ind Ltd 超電導コイル、該超電導コイルの製造方法および超電導コイルを備えた超電導機器
JP2011171641A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 Fuji Electric Co Ltd 誘導機器の超電導コイル
JP2014154634A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Fuji Electric Co Ltd 超電導コイル
JPWO2021149156A1 (ja) * 2020-01-21 2021-07-29
CN113571253A (zh) * 2021-08-25 2021-10-29 北京智诺嘉能源科技有限公司 一种改进corc圆芯导体的多槽超导缆线

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006135005A (ja) * 2004-11-04 2006-05-25 Fuji Electric Systems Co Ltd 超電導コイル
JP4674457B2 (ja) * 2004-11-04 2011-04-20 富士電機システムズ株式会社 超電導コイル
JP2008166569A (ja) * 2006-12-28 2008-07-17 Sumitomo Electric Ind Ltd 超電導コイル、該超電導コイルの製造方法および超電導コイルを備えた超電導機器
JP2011171641A (ja) * 2010-02-22 2011-09-01 Fuji Electric Co Ltd 誘導機器の超電導コイル
JP2014154634A (ja) * 2013-02-06 2014-08-25 Fuji Electric Co Ltd 超電導コイル
JPWO2021149156A1 (ja) * 2020-01-21 2021-07-29
WO2021149156A1 (ja) * 2020-01-21 2021-07-29 三菱電機株式会社 超電導コイル及び超電導コイルの製造方法
JP7278429B2 (ja) 2020-01-21 2023-05-19 三菱電機株式会社 超電導コイル及び超電導コイルの製造方法
CN113571253A (zh) * 2021-08-25 2021-10-29 北京智诺嘉能源科技有限公司 一种改进corc圆芯导体的多槽超导缆线

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7227438B2 (en) Superconducting wire transposition method and superconducting transformer using the same
JP4558517B2 (ja) 超電導コイル
US7777602B2 (en) Superconducting wire and superconducting coil made therewith
JP3936755B2 (ja) 超電導コイル
CA1296399C (en) High-voltage winding for core form power transformers
JP5123604B2 (ja) 超電導コイル
JP2003115405A (ja) 超電導コイル
JP2006196720A (ja) 超電導導体及びそれを用いた超電導コイル
US6023216A (en) Transformer coil and method
JP2004342972A (ja) 超電導コイル
US4460885A (en) Power transformer
EP0339934A2 (en) Winding for an electrical induction device
JP3840819B2 (ja) 誘導機器の超電導コイル
JP5262607B2 (ja) 超電導コイル
JP2004259737A (ja) 超電導変圧器
JP6200354B2 (ja) 交流用超電導ケーブルの製造方法
JP2010109043A (ja) 超電導コイルの転位方法及び超電導コイル
JP4674457B2 (ja) 超電導コイル
WO2022244409A1 (ja) 超伝導導体および巻線
JPH03280409A (ja) 平面トランス
JP2011077248A (ja) 超電導コイル装置およびその製造方法
JPH06260335A (ja) 高温超電導マグネット
Janowski et al. Equalizing current in the windings of 2G HTS transformer with parallel tapes transposed with clusters of transpositioners
JP2004063225A (ja) 転位超電導テープユニット及び超電導ケーブル
JPS629606A (ja) 超電導コイル

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041014

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070223

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070510

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070705

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080522