JP4413365B2 - 超電導コイル装置および超電導コイルの接続方法 - Google Patents

超電導コイル装置および超電導コイルの接続方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化物超電導体を用いた超電導コイル装置および超電導コイルの接続方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のNbTiやNbSnなどの金属系超電導体からなる超電導コイルの接続では、スイッチバック接続を用いる方法があった。
【0003】
図7は、従来の超電導コイルのスイッチバック接続方法を示す斜視図である。図7(a)において、ダブルパンケーキコイル101には含浸部103が形成され、ダブルパンケーキコイル101の外周部から超電導線102a、102bが引き出されている。そして、図7(b)に示すように、超電導線102a、102bが同一方向に重ね合わされた後、はんだ付けや拡散接合により接続箇所104が形成される。
【0004】
このスイッチバック接続では、超電導線102a、102bが外部に引き出されるため、作業性に優れる。また、超電導線102a、102bが同一方向に重ね合わされるため、接続面積を大きく取ることができる。このため、接続抵抗を低減することができ、ジュール発熱を抑制することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、スイッチバック接続では、超電導線が外部に引き出されるため、超電導線の引き出し部分が容易に撓んだり、折れ曲がったりするという問題がある。
【0006】
図8は、従来の超電導コイルの概略構成を示す斜視図である。図8において、シングルパンケーキコイル111には含浸部113が形成されている。ここで、、超電導線の引き出し部112は、スイッチバック接続が行われるため、樹脂含浸が行われない。この結果、超電導線の引き出し部112は、容易に撓んだり、折れ曲がったりして、容易に歪みが加わる。
【0007】
このため、超電導コイルを酸化物超電導線で形成すると、酸化物超電導線は、機械的に特に弱いことから、微少な応力や歪みが加わっても、臨界電流などの超電導特性が大きく劣化するという問題があった。
【0008】
また、酸化物超電導線の場合には、スイッチバック接続以外の方法によっても、接続箇所に歪みが加わることを防止することは困難である。
【0009】
このため、従来の酸化物超電導線の接続方法では、超電導特性を劣化させることなく、酸化物超電導線の接続を行うことは困難であった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、超電導体を接続する際の超電導体に発生する歪みを低減することが可能な超電導コイルおよび超電導体の接続方法を提供することである。
【0011】
上述した課題を解決するために、請求項1記載の発明によれば、接続部をコイルの周に沿わせたまま含浸され、積み重ねられて、接続対象となるコイルの最外周または最内周の少なくとも一部の領域の酸化物超電導体が露出された複数の超電導コイルと、接続対象となる前記コイル間の段差を軽減するスペーサと、前記酸化物超電導体の露出部間を、前記スペーサを介し、前記コイルの最外周または最内周に沿って、前記酸化物超電導体の露出部を覆って接続する酸化物超電導体からなる接続手段と、を備え、前記スペーサは、前記接続手段に発生する歪みを0.5%以下にするスペーサであることを特徴とする。
【0012】
これにより、超電導線の接続箇所でのコイルとしての一体性を保ったまま、超電導線の接続を行うことが可能となり、超電導線の接続を行う際に超電導線の接続箇所が撓んだり、折れ曲がったりすることがなくなることから、超電導線を接続する際の超電導線に発生する歪みを低減することが可能となる。
【0013】
ここで、前記接続手段は、前記コイルの最外周または最内周の少なくとも一部の領域に密着する板状、リング状または筒状の接続治具であることが好ましい。
【0014】
これにより、超電導線の接続箇所でのコイルとしての一体性を保ったまま、超電導線の接続を行うことが可能となるとともに、接続治具自体もコイルと一体化することが可能となり、超電導線の接続箇所における強度を向上させることが可能となる。
【0015】
また、前記接続治具は、互いに隣接するコイル同士を導電させる導電部と、前記導電部と一体的に形成され、他のコイルとの絶縁をとる絶縁部とを備えることが好ましい。
【0016】
これにより、パンケーキコイルを積み重ねて接続治具をはめ込むだけでパンケーキコイルを直列に接続することが可能となり、超電導コイルの強度を向上させつつ、超電導コイルの磁力を上げることが可能となる。
【0017】
また、前記接続手段は、前記超電導線の長手方向と垂直に接続を行うことが好ましい。
【0018】
これにより、パンケーキコイルを積み重ねた際の接続を、パンケーキコイルに歪みを与えることなく行うことが可能となるとともに、超電導線の長手方向に接続手段を延ばすだけで、接続面積を容易に増加させることが可能となり、超電導特性の劣化を抑制しつつ、接続抵抗を低減することが可能となる。
【0019】
また、前記接続手段の接続面積は、コイル一周分であることが好ましい。
【0020】
これにより、超電導線に歪みを与えることなく、大きな接続面積を確保することが可能となり、接続抵抗をほとんど発生させることなく、超電導線の接続を行うことが可能となる。
【0021】
また、前記接続手段は、酸化物高温超電導体であることが好ましい。
【0022】
これにより、接続抵抗を発生させることなく、超電導線を接続することが可能となる。
【0023】
また、前記接続手段は、圧着または拡散接合により前記超電導線の接続を行うことが好ましい。
【0024】
これにより、酸化物高温超電導体同士を直接接続することが可能となり、接続抵抗を低減することが可能となる。
【0025】
また、接続対象となるコイル間の段差を軽減するスペーサをさらに備えることが好ましい。
【0026】
これにより、接続対象となるコイル間に段差がある場合においても、接続手段を折り曲げることなく、コイル同士の接続を行うことが可能となり、接続手段に歪みが発生することを防止することが可能となる。
【0027】
また、前記スペーサは、前記接続手段に発生する歪みを0.5%以下とすることが好ましい。
【0028】
これにより、接続手段が酸化物高温超電導体である場合においても、超電導特性の劣化を抑制しつつ、コイル同士の接続を行うことが可能となる。
【0029】
また、前記スペーサは、はんだ、金属板、金属箔、導電性ペースト、導電性テープ、または導電性フィルムであることが好ましい。
【0030】
これにより、接続手段の形状に対応させてスペーサを容易に挿入することが可能となるとともに、スペーサによる接続抵抗の増加を抑制することが可能となる。
【0031】
また、請求項記載の発明によれば、超電導コイルの接続部を該コイルの周に沿わせたまま含浸を行うステップと、前記超電導コイルを複数積み重ねるステップと、接続対象となる前記超電導コイル間の段差を軽減し、接続手段に発生する歪みを0.5%以下にするスペーサを設置するステップと、前記超電導コイルの接続部を前記スペーサを介して酸化物超電導体からなる接続手段で覆うことにより、前記超電導コイルの接続を行うステップとを備えることを特徴とする。
【0032】
これにより、超電導線をコイルから引き出すことなしに、十分な接続面積を確保しつつ超電導線の接続を行うことが可能となり、超電導線を接続する際の歪みおよび接続抵抗を低減することが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態に係わる超電導コイルおよびその接続方法について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態では、銀シース酸化物超電導線を用いたパンケーキコイル同士の接続方法を例に取って述べるが、本発明は、銀シース酸化物超電導線を用いたパンケーキコイル同士の接続に限定されるものではない。
【0034】
図1は、本発明の第1実施形態に係わる超電導コイルの接続方法を示す斜視図である。図1(a)において、超電導コイル1aは、銀シース酸化物超電導線が右回りに巻かれ、超電導コイル1bは、銀シース酸化物超電導線が左回りに巻かれ、各超電導コイル1a、1bには含浸部3a、3bが形成されている。ここで、含浸部3a、3bは、コイル最外層2a、2bの外周面を除いて、超電導コイル1a、1bの上下面全体に渡って形成されている。このため、コイル最外層2a、2bの銀シース酸化物超電導線は、超電導コイル1a、1bの外周面に密着するとともに、コイル最外層2a、2bの銀シース酸化物超電導線の少なくとも一部の領域は露出している。含浸部3a、3bの形成方法は、銀シース酸化物超電導線をコイル状に巻いた後、コイル最外層2a、2bの外周面をテープなどで覆って、エポキシ樹脂などを含浸させることができる。また、銀シース酸化物超電導線をコイル状に巻く時に、銀シース酸化物超電導線の内側に樹脂などを巻き込むことにより、含浸部3a、3bを形成することもできる。
【0035】
次に、図1(b)に示すように、各超電導コイル1a、1bを互いに重ね合わせ、超電導コイル1a、1bの外周面に沿ってコイル最外層2a、2bの露出面を覆うようにして、接続治具4を各超電導コイル1a、1bに接続する。ここで、接続治具4とコイル最外層2a、2bの露出面との接続は、はんだなどのロウ付けや拡散接合などを用いることができる。なお、はんだなどのロウ材を接続治具4の内側に予め形成しておいてもよい。
【0036】
接続治具4は、銀や銅などの低抵抗の金属板や金属テープ、酸化物超電導体や酸化物超電導線などを用いることができる。また、コイル最外層2a、2bの銀シースを除去し、コイル最外層2a、2bの酸化物超電導体を露出させて、接続治具4をコイル最外層2a、2bの酸化物超電導体に直接接続するようにしてもよい。ここで、コイル最外層2a、2bの銀シースを除去方法は、銀シースの部分を削り取ったり、酸などの薬品で銀シースの部分をエッチングしたりすることができる。
【0037】
なお、接続治具4は、図1(c)に示すように、銀シース酸化物超電導線の長手方向に垂直に分割されていてもよい。
【0038】
また、図1の例では、接続治具4がコイル最外層2a、2bの外周面の一部を覆う例について説明したが、接続治具4はコイル最外層2a、2bの外周面全体を覆うようにしてもよい。
【0039】
このように、上述した実施形態によれば、コイル最外層2a、2bの銀シース酸化物超電導線が含浸部3a、3bにより超電導コイル1a、1bの外周面に密着された状態で、超電導コイル1a、1b間の導通をとることが可能となり、コイル最外層2a、2bの銀シース酸化物超電導線に歪みが加わることを抑制することが可能となる。このため、超電導コイル1a、1bを接続する際の超電導特性の劣化を防止することが可能となり、より強力な超電導磁石を製作することが可能となる。
【0040】
また、コイル最外層2a、2bが接続治具4により覆われるため、コイル最外層2a、2bを保護することが可能となり、超電導コイル1a、1bの強度を向上させることが可能となる。
【0041】
さらに、超電導コイル1a、1bの外周面に沿って接続治具4を取り付けることが可能となることから、接続治具4に負荷がかかることを抑制することが可能となり、接続治具4にかかる歪みを低減させることが可能となるとともに、取り扱いの容易な超電導磁石を提供することが可能となる。
【0042】
さらにまた、接続治具4を銀シース酸化物超電導線の長手方向に延伸させるだけで、コイル最外層2a、2bの銀シース酸化物超電導線と接続治具4との接触面積を増加させることが可能となり、接触抵抗を容易に小さくすることが可能となる。
【0043】
図2は、本発明の第2実施形態に係わる超電導コイルの接続方法を示す斜視図である。図2(a)において、超電導コイル11aは、銀シース酸化物超電導線が右回りに巻かれ、超電導コイル11bは、銀シース酸化物超電導線が左回りに巻かれている。そして、コイル最外層12a、12bの外周面を除き、超電導コイル11a、11bの上下面全体に渡って含浸部13a、13bが形成されている。ここで、各超電導コイル11a、11bの製造時のばらつきなどにより、超電導コイル11aの外径は、超電導コイル11bの外径より小さいものとする。このような製造時のばらつきは、銀シース酸化物超電導線の厚みのばらつきや、含浸部13a、13bに用いられる含浸剤の不均一などにより容易に発生する。
【0044】
次に、図1(b)および図1(c)に示すように、超電導コイル11a、11bを互いに重ね合わせる。この時、各超電導コイル11a、11bの外径の違いにより、超電導コイル11a、11b間に段差16が発生する。そこで、超電導コイル11a、11bを接続治具14で接続する場合、コイル最外層2a、2bの外周面をスペーサ15を介して接続治具14で覆うようにする。ここで、スペーサ15の厚さは、段差16の幅Wに相当することが好ましい。
【0045】
これにより、超電導コイル11a、11b間に段差16がある場合においても、接続治具14を折り曲げることなく、各超電導コイル11a、11bを接続治具14を介して接続することが可能となり、接続治具14にかかる歪みを低減することができる。この結果、接続治具14が酸化物超電導体で形成されている場合においても、超電導特性の劣化を防止することが可能となる。
【0046】
なお、スペーサ15は、酸化物超電導体のほか、銀シース酸化物超電導線、酸化物超電導粉末を含む導電性ペースト、銀や銅などの低抵抗の金属板や金属テープなどを用いることができる。
【0047】
図3は、本発明の一実施形態に係わるIc−ε曲線を示す図である。図3において、接続治具14を酸化物超電導体により構成し、接続治具14にかかる歪みεを大きくすると、接続治具14の臨界電流Icは低下し、歪みεが0.5%に達すると、接続治具14の破断に至る。
【0048】
従って、接続治具14が酸化物超電導体の場合、接続治具14にかかる歪みεを0.5%以下にすることが好ましく、スペーサ15を用いることにより、この歪みεを緩和することができる。また、接続治具14にかかる歪みεを0.2%以下として、臨界電流Icの低下を防止するようにしてもよい。
【0049】
図4は、本発明の第3実施形態に係わる超電導コイルの接続方法を示す斜視図である。図4(a)において、超電導コイル21aは、銀シース酸化物超電導線が右回りに巻かれ、超電導コイル21bは、銀シース酸化物超電導線が左回りに巻かれている。そして、コイル最外層22a、22bの外周面を除き、超電導コイル21a、21bの上下面全体に渡って含浸部23が形成されている。
【0050】
また、切り欠き部25を有する円環状の接続リング24が用意される。ここで、接続リング24は、銀や銅などの低抵抗の金属、酸化物超電導体、または銀シース酸化物超電導線などにより構成することができる。また、接続リング24の内径は、超電導コイル21a、21bの外径とほぼ一致していることが好ましい。さらに、接続リング24の高さは、超電導コイル21a、21bの個数分の高さとほぼ一致することが好ましい。例えば、2個の超電導コイル21a、21bの接続を行う場合、接続リング24の高さは、2個分の超電導コイル21a、21bの高さに設定することができる。なお、切り欠き部25はなくてもよい。
【0051】
次に、図4(b)に示すように、超電導コイル21a、21bを互いに重ね合わせ、接続リング24を超電導コイル21a、21bの外周に沿ってはめ込む。ここで、接続リング24とコイル最外層22a、22bとの導通は、圧着、または拡散接合などでとることができる。あるいは、接続リング24の内側に、はんだなどのロウ材を、メッキや蒸着などで予め形成しておくようにしてもよい。
【0052】
これにより、接続リング24で超電導コイル21a、21bの外周を保護することが可能となるとともに、コイル最外層22a、22bの銀シース酸化物超電導線に歪みを与えることなく、超電導コイル21a、21bの接続を行うことが可能となる。また、大きな接続面積を確保することができ、接触抵抗の容易に低減することが可能となる。
【0053】
図5は、本発明の第4実施形態に係わる超電導コイルの接続方法を示す斜視図である。図5(b)において、超電導コイル31aは、銀シース酸化物超電導線が右回りに巻かれ、超電導コイル31bは、銀シース酸化物超電導線が左回りに巻かれている。そして、コイル最内層32a、32bの内周面を除き、超電導コイル31a、31bの上下面全体に渡って含浸部33が形成されている。
【0054】
一方、図5(a)において、接続筒37は、円筒状の導電部34a〜34cおよび円筒状の絶縁部35a、35bが交互に積層されている。ここで、導電部34a〜34cは、銀や銅などの低抵抗の金属、酸化物超電導体などにより構成することができる。また、接続筒37の径は、超電導コイル31a、31bの内径とほぼ一致していることが好ましい。さらに、接続筒37の高さは、超電導コイル31a、31bの個数分の高さとほぼ一致することが好ましく、各導電部34a〜34cの高さは、超電導コイル31a、31bを2個積み上げた高さ程度であることが好ましい。
【0055】
次に、図5(b)に示すように、各超電導コイル31a、31bを互いに重ね合わせ、接続筒37を超電導コイル31a、31bの内周に沿って挿入する。ここで、接続筒37とコイル最内層32a、32bとの導通は、圧着、または拡散接合などでとることができる。あるいは、導電部34a〜34cの表面に、はんだなどのロウ材を、メッキや蒸着などで予め形成しておくようにしてもよい。
【0056】
または、図5(c)に示すように、接続筒37を超電導コイル31a、31bの内周に沿って挿入した後、接続筒37と超電導コイル31a、31bとの隙間にはんだ36a、36bを流し込むことにより、導通をとるようにしてもよい。
【0057】
これにより、はんだ36a、36bが銀により均一に加熱されるため、最大でコイル一周分の面積を利用した均一な接続を行うことが可能となる。
【0058】
また、接続筒37に絶縁部35a、35bを設けることにより、他コイルとの絶縁をとりながら、超電導コイル31a、31bの接続を行うことが可能となり、複数のパンケーキコイルの直列接続を容易に行うことが可能となる。
【0059】
図6は、本発明の一実施形態に係わる超電導コイルの直列接続方法を示す断面図、図6(b)は、図6(a)の超電導コイルの等価回路である。図6において、超電導コイル41a〜41cは、銀シース酸化物超電導線が右回りに巻かれ、超電導コイル42a〜42cは、銀シース酸化物超電導線が左回りに巻かれている。そして、超電導コイル41a〜41cおよび超電導コイル42a〜42cの内周面および外周面を除いて、超電導コイル41a〜41cおよび超電導コイル42a〜42cの上下面全体に渡って含浸部が形成されている。
【0060】
ここで、右回りの超電導コイル41a〜41cと左回りの超電導コイル42a〜42cが交互に積み重ねられ、超電導コイル41a〜41cおよび超電導コイル42a〜42cの外周には、導電リング43a〜43dおよび絶縁リング44a〜44cが交互にはめ込まれ、超電導コイル41a〜41cおよび超電導コイル42a〜42cの内周には、導電筒45a〜45cおよび絶縁筒46a、46bが交互に挿入されている。
【0061】
この結果、超電導コイル41aの最外層から入力された電流は、超電導コイル41aを反時計回りに回って、超電導コイル41aの最内層に至り、導電筒45aを伝って、超電導コイル42aの最内層に至る。さらに、超電導コイル42aを反時計回りに回って、超電導コイル42aの最外層に至り、導電リング43bを伝って、超電導コイル41bの最外層に至る。さらに、超電導コイル41bを反時計回りに回って、超電導コイル41bの最内層に至り、導電筒45bを伝って、超電導コイル42bの最内層に至る。さらに、超電導コイル42bを反時計回りに回って、超電導コイル42bの最外層に至り、導電リング43cを伝って、超電導コイル41cの最外層に至る。さらに、超電導コイル41cを反時計回りに回って、超電導コイル41の最内層に至り、導電筒45cを伝って、超電導コイル42cの最内層に至る。さらに、超電導コイル42cを反時計回りに回って、超電導コイル42cの最外層に至り、外部に出力される。
【0062】
この結果、超電導コイル41aの最外層から入力された電流は、超電導コイル41a〜41cおよび超電導コイル42a〜42cを同方向に回り、この電流により発生する磁界は強め合う。これにより、超電導特性に優れ、強力で強固な超電導磁石を製作することが可能となる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、超電導体を接続する際の超電導体に発生する歪みを低減することが可能となり、超電導特性の劣化を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係わる超電導コイルの接続方法を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係わる超電導コイルの接続方法を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わるIc−ε曲線を示す図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係わる超電導コイルの接続方法を示す斜視図である。
【図5】本発明の第4実施形態に係わる超電導コイルの接続方法を示す斜視図である。
【図6】図6(a)は、本発明の一実施形態に係わる超電導コイルの直列接続方法を示す断面図、図6(b)は、図6(a)の超電導コイルの等価回路である。
【図7】従来の超電導コイルの接続方法を示す斜視図である。
【図8】従来の超電導コイルの概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1a、1b、11a、11b、21a、21b、31a、31b、41a〜41c、42a〜42c 超電導コイル
2a、2b、12a、12b、22a、22b コイル最外層
3a、3b、13a、13b、23、33 含浸部
4、14 接続治具
15 スペーサ
16 段差
17 コイル中心
24 接続リング
25 切り欠き部
32a、32b コイル最内層
34a〜34c 導電部
35a、35b 絶縁部
36a、36b はんだ
37 接続筒
43a〜43d 導電リング
44a〜44c 絶縁リング
45a〜45c 導電筒
46a、46b 絶縁筒

Claims (8)

  1. 接続部をコイルの周に沿わせたまま含浸され、積み重ねられて、接続対象となるコイルの最外周または最内周の少なくとも一部の領域の酸化物超電導体が露出された複数の超電導コイルと、
    接続対象となる前記コイル間の段差を軽減するスペーサと、
    前記酸化物超電導体の露出部間を、前記スペーサを介し、前記コイルの最外周または最内周に沿って、前記酸化物超電導体の露出部を覆って接続する酸化物超電導体からなる接続手段と、
    を備え、
    前記スペーサは、前記接続手段に発生する歪みを0.5%以下にするスペーサであることを特徴とする超電導コイル装置。
  2. 前記接続手段は、接続対象の前記コイルの最外周または最内周の少なくとも一部の領域に密着する板状、リング状または筒状の接続治具であることを特徴とする請求項1記載の超電導コイル装置。
  3. 前記接続治具は、
    互いに隣接するコイル同士を導通させる導電部と、
    前記導電部と一体的に形成され、他のコイルとの絶縁をとる絶縁部とを備えることを特徴とする請求項2記載の超電導コイル装置。
  4. 前記接続手段は、前記超電導線の長手方向と垂直に接続を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の超電導コイル装置。
  5. 前記接続手段の接続面積は、前記のコイル一周分であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の超電導コイル装置。
  6. 前記接続手段は、圧着または拡散接合により前記超電導線の接続を行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の超電導コイル装置。
  7. 前記スペーサは、はんだ、金属板、金属箔、導電性ペースト、導電性テープ、または導電性フィルムであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の超電導コイル装置。
  8. 超電導コイルの接続部を該コイルの周に沿わせたまま含浸を行うステップと、
    前記超電導コイルを複数積み重ねるステップと、
    接続対象となる前記コイル間の段差を軽減し、接続手段に発生する歪みを0.5%以下にするスペーサを設置するステップと、
    前記超電導コイルの接続部を前記スペーサを介して酸化物超電導体からなる接続手段で覆うことにより、前記超電導コイルの接続を行うステップと
    を備えることを特徴とする超電導コイルの接続方法。
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