JPH10214713A - 超電導コイル - Google Patents
超電導コイルInfo
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- JPH10214713A JPH10214713A JP1548397A JP1548397A JPH10214713A JP H10214713 A JPH10214713 A JP H10214713A JP 1548397 A JP1548397 A JP 1548397A JP 1548397 A JP1548397 A JP 1548397A JP H10214713 A JPH10214713 A JP H10214713A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】高温超電導体を用いる超電導コイルにおいて、
巻線に加わる電磁力が効果的に支持され、大型コイルに
あっても安定して作動するものとする。 【解決手段】高温超電導導体21を銀シース22に埋設
したテープ状の高温超電導線材2と、高強度のステンレ
ス鋼32と良熱伝導性の銅31との金属複合材の外周に
セラミックス層33を配した複合材3を、巻枠1の溝中
に同時に巻回し、超電導線材2と複合材3を交互に配設
して超電導コイルを構成する。
巻線に加わる電磁力が効果的に支持され、大型コイルに
あっても安定して作動するものとする。 【解決手段】高温超電導導体21を銀シース22に埋設
したテープ状の高温超電導線材2と、高強度のステンレ
ス鋼32と良熱伝導性の銅31との金属複合材の外周に
セラミックス層33を配した複合材3を、巻枠1の溝中
に同時に巻回し、超電導線材2と複合材3を交互に配設
して超電導コイルを構成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、高温超電導線材
を巻回して形成され、低温に冷却して用いられる超電導
コイルの巻線構造に関する。
を巻回して形成され、低温に冷却して用いられる超電導
コイルの巻線構造に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導コイルの巻線には、従来よりNbTi
等の金属系超電導線材やNb3Sn 等の化合物系超電導線材
が用いられているが、これらの超電導線材の臨界温度
は、一番高いNb3Ge においても約 23 Kであり、通常、
高価な液体ヘリウムを用いて極低温に冷却して運転され
ている。一方、最近、ビスマス系、イットリウム系、タ
リウム系等、臨界温度が液体窒素温度を超える高温超電
導体が発見され、この高温超電導体を巻線に用い、安価
な液体窒素で冷却して運転される超電導コイルの開発が
種々の研究機関で積極的に進められている。
等の金属系超電導線材やNb3Sn 等の化合物系超電導線材
が用いられているが、これらの超電導線材の臨界温度
は、一番高いNb3Ge においても約 23 Kであり、通常、
高価な液体ヘリウムを用いて極低温に冷却して運転され
ている。一方、最近、ビスマス系、イットリウム系、タ
リウム系等、臨界温度が液体窒素温度を超える高温超電
導体が発見され、この高温超電導体を巻線に用い、安価
な液体窒素で冷却して運転される超電導コイルの開発が
種々の研究機関で積極的に進められている。
【0003】高温超電導体を巻線に適用できるように長
尺化した高温超電導線材としては、例えば、ビスマス
系、イットリウム系、タリウム系等の高温超電導体を銀
管中に組み込み、伸線、圧延して形成される銀シーステ
ープ線材がある。図5は、この方法により形成された高
温超電導線材2の断面を模式的に示したもので、高温超
電導導体21は銀シース22の内部に埋設され、薄いテ
ープ状に形成されている。なお、図に示した高温超電導
線材2においては、一本の高温超電導導体21が埋設さ
れているが、例えば61本等、複数の高温超電導導体2
1を埋設して形成したものもある。
尺化した高温超電導線材としては、例えば、ビスマス
系、イットリウム系、タリウム系等の高温超電導体を銀
管中に組み込み、伸線、圧延して形成される銀シーステ
ープ線材がある。図5は、この方法により形成された高
温超電導線材2の断面を模式的に示したもので、高温超
電導導体21は銀シース22の内部に埋設され、薄いテ
ープ状に形成されている。なお、図に示した高温超電導
線材2においては、一本の高温超電導導体21が埋設さ
れているが、例えば61本等、複数の高温超電導導体2
1を埋設して形成したものもある。
【0004】このように高温超電導線材2は薄いテープ
状に形成されているので、従来の高温超電導線材を用い
た超電導コイルは、銀シーステープ線材をいわゆるパン
ケーキ状に巻線して構成されているのが一般的である。
また、高温超電導導体は脆く、曲げ歪みが大きくなると
超電導特性が大幅に低下するので、曲げ径の大きな超電
導コイルを構成する際には、超電導特性を出すための熱
処理を行った後巻線するリアクトアンドワインド法が用
いられるが、曲げ径の小さな超電導コイルを構成する際
には、巻線を行ったのち熱処理を行うワインドアンドリ
アクト法が用いられる。図6は、高温超電導線材を用い
た超電導コイルの従来例を示す構成図で、(a)は円筒
状の超電導コイルの縦断面図、(b)は(a)のA部の
拡大図である。本超電導コイルはリアクトアンドワイン
ド法によるもので、図に見られるように、電気絶縁性材
料であるFRPよりなる巻枠1に設けられた溝中に複数
のパンケーキコイル10を挿入固定して構成されてお
り、各パンケーキコイル10は、図5に示したごとき高
温超電導線材2を、テープ状の薄い絶縁シート5を挿入
しながら巻回して形成されている。
状に形成されているので、従来の高温超電導線材を用い
た超電導コイルは、銀シーステープ線材をいわゆるパン
ケーキ状に巻線して構成されているのが一般的である。
また、高温超電導導体は脆く、曲げ歪みが大きくなると
超電導特性が大幅に低下するので、曲げ径の大きな超電
導コイルを構成する際には、超電導特性を出すための熱
処理を行った後巻線するリアクトアンドワインド法が用
いられるが、曲げ径の小さな超電導コイルを構成する際
には、巻線を行ったのち熱処理を行うワインドアンドリ
アクト法が用いられる。図6は、高温超電導線材を用い
た超電導コイルの従来例を示す構成図で、(a)は円筒
状の超電導コイルの縦断面図、(b)は(a)のA部の
拡大図である。本超電導コイルはリアクトアンドワイン
ド法によるもので、図に見られるように、電気絶縁性材
料であるFRPよりなる巻枠1に設けられた溝中に複数
のパンケーキコイル10を挿入固定して構成されてお
り、各パンケーキコイル10は、図5に示したごとき高
温超電導線材2を、テープ状の薄い絶縁シート5を挿入
しながら巻回して形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のごとく、従来の
高温超電導線材を用いた超電導コイルは、テープ状に形
成された線材を用い、リアクトアンドワインド法、ある
いはワインドアンドリアクト法により形成されており、
例えば図6に示した構成の超電導コイルでは、層間に挿
入するテープ状の薄い絶縁膜5に熱伝導性のよいアルミ
ナ不織布を用いれば、熱的安定性のよい超電導コイルを
得ることができる。
高温超電導線材を用いた超電導コイルは、テープ状に形
成された線材を用い、リアクトアンドワインド法、ある
いはワインドアンドリアクト法により形成されており、
例えば図6に示した構成の超電導コイルでは、層間に挿
入するテープ状の薄い絶縁膜5に熱伝導性のよいアルミ
ナ不織布を用いれば、熱的安定性のよい超電導コイルを
得ることができる。
【0006】しかしながら、銀シース中に高温超電導体
を埋設した構成の銀シーステープ線材よりなる高温超電
導線材2は機械強度に乏しく、また絶縁膜5も強度が十
分でないので、磁界発生に伴って巻線に加わる電磁力が
大きくなると機械的強度が不十分となり、電磁力の小さ
い小型の超電導コイルには適用できるが、電磁力が大き
くなる大型のコイルには適用できないという問題点があ
る。
を埋設した構成の銀シーステープ線材よりなる高温超電
導線材2は機械強度に乏しく、また絶縁膜5も強度が十
分でないので、磁界発生に伴って巻線に加わる電磁力が
大きくなると機械的強度が不十分となり、電磁力の小さ
い小型の超電導コイルには適用できるが、電磁力が大き
くなる大型のコイルには適用できないという問題点があ
る。
【0007】本発明の目的は、上記の難点を解決し、高
温超電導体を用いる超電導コイルにおいて、巻線に加わ
る電磁力が大きくなる大型のコイルにあっても、電磁力
が効果的に支持され、さらには熱的安定性が確保され、
安定して作動するものを提供することにある。
温超電導体を用いる超電導コイルにおいて、巻線に加わ
る電磁力が大きくなる大型のコイルにあっても、電磁力
が効果的に支持され、さらには熱的安定性が確保され、
安定して作動するものを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては、 (1)高温超電導線材と、ステンレス鋼と銅または銅合
金との並列接続体の外周に、例えばアルミナまたは窒化
アルミニウムからなるセラミックス層を備えた複合材と
を交互に巻回して、超電導コイルを構成することとす
る。
めに、本発明においては、 (1)高温超電導線材と、ステンレス鋼と銅または銅合
金との並列接続体の外周に、例えばアルミナまたは窒化
アルミニウムからなるセラミックス層を備えた複合材と
を交互に巻回して、超電導コイルを構成することとす
る。
【0009】(2)あるいは、高温超電導線材を巻回
し、その最外周に、上記と同様の複合材を巻回して、超
電導コイルを構成することとする。 (3)あるいは、高温超電導線材を巻回し、その最外周
にアルミナまたは窒化アルミニウムからなるセラミック
ス材を巻回し、さらにその外周に上記と同様の複合材を
巻回して、超電導コイルを構成することとする。
し、その最外周に、上記と同様の複合材を巻回して、超
電導コイルを構成することとする。 (3)あるいは、高温超電導線材を巻回し、その最外周
にアルミナまたは窒化アルミニウムからなるセラミック
ス材を巻回し、さらにその外周に上記と同様の複合材を
巻回して、超電導コイルを構成することとする。
【0010】(4)また、上記(2)あるいは(3)の
構成において、複合材を構成するステンレス鋼に高透磁
率を備えたステンレス鋼を用いて超電導コイルを構成す
ることとする。上記(1)のごとくとすれば、機械的強
度に優れるステンレス鋼を備えた複合材を内部に配して
巻線が形成されるので、超電導コイルの発生磁界により
高温超電導線材に大きな電磁力が加わる際にも、複合材
がこれを支持することとなり、大きな電磁力の発生する
大型コイルの構成として効果的である。また、複合材に
は熱の良導体である銅あるいは銅合金が備えられている
ので、効果的に熱の伝達、拡散が行われ熱的安定性に優
れたコイルとなる。また、複合材の外周には、セラミッ
クス層が備えられているので高温超電導線材のターン間
の電気絶縁が確保される。また、このセラミックス層を
熱伝導性の良いアルミナ、あるいは窒化アルミニウムか
ら形成すれば、超電導コイルの熱的安定性を一段と向上
させることができる。
構成において、複合材を構成するステンレス鋼に高透磁
率を備えたステンレス鋼を用いて超電導コイルを構成す
ることとする。上記(1)のごとくとすれば、機械的強
度に優れるステンレス鋼を備えた複合材を内部に配して
巻線が形成されるので、超電導コイルの発生磁界により
高温超電導線材に大きな電磁力が加わる際にも、複合材
がこれを支持することとなり、大きな電磁力の発生する
大型コイルの構成として効果的である。また、複合材に
は熱の良導体である銅あるいは銅合金が備えられている
ので、効果的に熱の伝達、拡散が行われ熱的安定性に優
れたコイルとなる。また、複合材の外周には、セラミッ
クス層が備えられているので高温超電導線材のターン間
の電気絶縁が確保される。また、このセラミックス層を
熱伝導性の良いアルミナ、あるいは窒化アルミニウムか
ら形成すれば、超電導コイルの熱的安定性を一段と向上
させることができる。
【0011】また、上記(2)のごとくとすれば、高温
超電導線材よりなる巻線は複合材によって外周より支持
されるので、大きな電磁力が加わる際にも複合材がこれ
を支持することとなる。また、(3)のごとく高温超電
導線材よりなる巻線の外周に熱伝導性に優れるアルミナ
または窒化アルミニウムからなるセラミックス材を巻回
し、その外周に複合材を配して支持することとすれば、
電磁力を効果的に支持できるのみならず、超電導コイル
の熱的安定性を向上させることができ、大型コイルの構
成として効果的である。
超電導線材よりなる巻線は複合材によって外周より支持
されるので、大きな電磁力が加わる際にも複合材がこれ
を支持することとなる。また、(3)のごとく高温超電
導線材よりなる巻線の外周に熱伝導性に優れるアルミナ
または窒化アルミニウムからなるセラミックス材を巻回
し、その外周に複合材を配して支持することとすれば、
電磁力を効果的に支持できるのみならず、超電導コイル
の熱的安定性を向上させることができ、大型コイルの構
成として効果的である。
【0012】また、(4)のごとく、高透磁率材料を備
えた複合材を用い、これを超電導コイルの最外周に配し
て巻線を支持することとすれば、巻線に加わる電磁力が
支持できるとともに、高透磁率材料によって超電導コイ
ルの外部に生じる磁束がシールドされることとなるの
で、漏れ磁束の小さい超電導コイルが得られることとな
る。
えた複合材を用い、これを超電導コイルの最外周に配し
て巻線を支持することとすれば、巻線に加わる電磁力が
支持できるとともに、高透磁率材料によって超電導コイ
ルの外部に生じる磁束がシールドされることとなるの
で、漏れ磁束の小さい超電導コイルが得られることとな
る。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の超電導コイルの
第1実施例の基本構成図で、(a)はコイル要部の拡大
断面図、(b)は用いられている高温超電導線材の拡大
断面図、(c)は複合体の拡大断面図である。図1
(a)に見られるように、本実施例の超電導コイルは、
巻枠1に設けられた溝中に高温超電導線材2と複合材3
とを重ねあわせて同時に巻線することにより、高温超電
導線材2と複合材3が交互に配されるパンケーキコイル
が形成されるよう構成されている。巻線されている高温
超電導線材2は、図1(b)のごとく、高温超電導導体
21を銀シース22に埋設して薄いテープ状に形成した
いわゆる銀シーステープ線材である。また、複合材3
は、図1(c)のごとく、内部に高強度材料であるステ
ンレス鋼32を、外側に良熱伝導性材料である銅31を
配した金属複合材の外周にアルミナからなるセラミック
ス層33を形成して構成されている。
第1実施例の基本構成図で、(a)はコイル要部の拡大
断面図、(b)は用いられている高温超電導線材の拡大
断面図、(c)は複合体の拡大断面図である。図1
(a)に見られるように、本実施例の超電導コイルは、
巻枠1に設けられた溝中に高温超電導線材2と複合材3
とを重ねあわせて同時に巻線することにより、高温超電
導線材2と複合材3が交互に配されるパンケーキコイル
が形成されるよう構成されている。巻線されている高温
超電導線材2は、図1(b)のごとく、高温超電導導体
21を銀シース22に埋設して薄いテープ状に形成した
いわゆる銀シーステープ線材である。また、複合材3
は、図1(c)のごとく、内部に高強度材料であるステ
ンレス鋼32を、外側に良熱伝導性材料である銅31を
配した金属複合材の外周にアルミナからなるセラミック
ス層33を形成して構成されている。
【0014】本構成では、熱伝導性に富み、機械強度が
高く、かつ電気絶縁性の外層を備えた複合材3を高温超
電導線材2と同時に巻線して超電導コイルを形成してい
るので、加わる電磁力が適切に支持され、かつ、熱的に
優れた安定性を備えることとなる。図2は、本発明の超
電導コイルの第2実施例の基本構成を示すコイル要部の
拡大断面図である。本構成の特徴は、巻枠1の溝中に、
第1実施例の高温超電導線材と同様の高温超電導線材2
を図示しない絶縁シートを介装しながら巻線してパンケ
ーキコイルを構成し、その最外層に、第1実施例の複合
材と同じく、内部にステンレス鋼を埋設した銅の外層に
セラミックス層を備えてなる複合材3を巻線して構成さ
れている点にある。本構成では、高温超電導線材2より
なるパンケーキコイルが、機械強度の高い複合材3によ
って支持されるので、コイルに加わる電磁力が適切に支
持されることとなる。
高く、かつ電気絶縁性の外層を備えた複合材3を高温超
電導線材2と同時に巻線して超電導コイルを形成してい
るので、加わる電磁力が適切に支持され、かつ、熱的に
優れた安定性を備えることとなる。図2は、本発明の超
電導コイルの第2実施例の基本構成を示すコイル要部の
拡大断面図である。本構成の特徴は、巻枠1の溝中に、
第1実施例の高温超電導線材と同様の高温超電導線材2
を図示しない絶縁シートを介装しながら巻線してパンケ
ーキコイルを構成し、その最外層に、第1実施例の複合
材と同じく、内部にステンレス鋼を埋設した銅の外層に
セラミックス層を備えてなる複合材3を巻線して構成さ
れている点にある。本構成では、高温超電導線材2より
なるパンケーキコイルが、機械強度の高い複合材3によ
って支持されるので、コイルに加わる電磁力が適切に支
持されることとなる。
【0015】図3は、本発明の超電導コイルの第3実施
例の基本構成を示すコイル要部の拡大断面図である。本
構成の特徴は、巻枠1の溝中に、第1、第2実施例の高
温超電導線材と同様の高温超電導線材2を図示しない絶
縁シートを介装しながら巻線してパンケーキコイルを構
成し、その外層に窒化アルミニウムからなるセラミック
ス材4を配し、最外層に第1、第2実施例の複合材と同
様の複合材3を巻線して構成されている点にある。本構
成では、機械強度の高い複合材3によってコイルに加わ
る電磁力が適切に支持されるとともに、超電導コイルの
作動温度である液体窒素温度において熱の良導体である
銅より高い熱伝導率を有する窒化アルミニウムからなる
セラミックス材4が介装されているので、熱的に極めて
安定した超電導コイルとなる。
例の基本構成を示すコイル要部の拡大断面図である。本
構成の特徴は、巻枠1の溝中に、第1、第2実施例の高
温超電導線材と同様の高温超電導線材2を図示しない絶
縁シートを介装しながら巻線してパンケーキコイルを構
成し、その外層に窒化アルミニウムからなるセラミック
ス材4を配し、最外層に第1、第2実施例の複合材と同
様の複合材3を巻線して構成されている点にある。本構
成では、機械強度の高い複合材3によってコイルに加わ
る電磁力が適切に支持されるとともに、超電導コイルの
作動温度である液体窒素温度において熱の良導体である
銅より高い熱伝導率を有する窒化アルミニウムからなる
セラミックス材4が介装されているので、熱的に極めて
安定した超電導コイルとなる。
【0016】なお、第2、第3実施例において、複合材
を、内部に高透磁率材料のステンレス鋼、外側に良熱伝
導性材料である銅を配した金属複合材の外周にアルミナ
からなるセラミックス層を形成して構成される複合材と
すれば、超電導コイルの外側に生じた磁束が複合材中の
高透磁率材料のステンレス鋼の内部に集中して通過する
こととなるので、超電導コイルの外側の磁界がシールド
され、漏洩する磁界は微量に抑えられることとなる。
を、内部に高透磁率材料のステンレス鋼、外側に良熱伝
導性材料である銅を配した金属複合材の外周にアルミナ
からなるセラミックス層を形成して構成される複合材と
すれば、超電導コイルの外側に生じた磁束が複合材中の
高透磁率材料のステンレス鋼の内部に集中して通過する
こととなるので、超電導コイルの外側の磁界がシールド
され、漏洩する磁界は微量に抑えられることとなる。
【0017】図4は、本発明の超電導コイルの第4実施
例の基本構成を示すコイル要部の拡大断面図である。本
構成の特徴は、上記の実施例の高温超電導線材と同様の
高温超電導線材2を図示しない絶縁シートを介装しなが
ら巻線してパンケーキコイルを構成し、複数のパンケー
キコイルの外層に、内部に高透磁率材料のステンレス
鋼、外側に良熱伝導性材料である銅を配した金属複合材
の外周にアルミナからなるセラミックス層を形成して構
成された複合材3Aを配して支持している点にある。本
構成では、加わる電磁力が複合材3Aにより適切に支持
されるとともに、複合材3A中の高透磁率材料のステン
レス鋼の内部に、超電導コイルの外側に生じた磁束が集
中して通過することとなるので、超電導コイルの外側の
磁界がシールドされ、漏洩する磁界は微量に抑えられる
ので、外部への磁界の影響の少ない超電導コイルとな
る。
例の基本構成を示すコイル要部の拡大断面図である。本
構成の特徴は、上記の実施例の高温超電導線材と同様の
高温超電導線材2を図示しない絶縁シートを介装しなが
ら巻線してパンケーキコイルを構成し、複数のパンケー
キコイルの外層に、内部に高透磁率材料のステンレス
鋼、外側に良熱伝導性材料である銅を配した金属複合材
の外周にアルミナからなるセラミックス層を形成して構
成された複合材3Aを配して支持している点にある。本
構成では、加わる電磁力が複合材3Aにより適切に支持
されるとともに、複合材3A中の高透磁率材料のステン
レス鋼の内部に、超電導コイルの外側に生じた磁束が集
中して通過することとなるので、超電導コイルの外側の
磁界がシールドされ、漏洩する磁界は微量に抑えられる
ので、外部への磁界の影響の少ない超電導コイルとな
る。
【0018】
【発明の効果】上述のように、本発明によれば、 (1)高温超電導線材と、ステンレス鋼と銅または銅合
金との並列接続体の外周に、例えばアルミナまたは窒化
アルミニウムからなるセラミックス層を備えた複合材を
交互に巻回して、超電導コイルを構成することとしたの
で、巻線に加わる電磁力が大きくなる大型のコイルにあ
っても、電磁力が効果的に支持され、さらには熱的安定
性が確保されて、安定して作動する超電導コイルが得ら
れることとなった。
金との並列接続体の外周に、例えばアルミナまたは窒化
アルミニウムからなるセラミックス層を備えた複合材を
交互に巻回して、超電導コイルを構成することとしたの
で、巻線に加わる電磁力が大きくなる大型のコイルにあ
っても、電磁力が効果的に支持され、さらには熱的安定
性が確保されて、安定して作動する超電導コイルが得ら
れることとなった。
【0019】(2)また、高温超電導線材を巻回し、そ
の最外周に、上記と同様の複合材を巻回して、超電導コ
イルを構成することとすれば、同様に巻線に加わる電磁
力が効果的に支持され、さらには熱的安定性が確保され
るので、安定して作動する超電導コイルが得られること
となる。 (3)また、高温超電導線材を巻回し、その最外周にア
ルミナまたは窒化アルミニウムからなるセラミックス材
を巻回し、さらにその外周に上記と同様の複合材を巻回
して、超電導コイルを構成することとすれば、同様に巻
線に加わる電磁力が効果的に支持され、さらに熱的安定
性がより一層向上するので、安定して作動する超電導コ
イルとして、好適である。
の最外周に、上記と同様の複合材を巻回して、超電導コ
イルを構成することとすれば、同様に巻線に加わる電磁
力が効果的に支持され、さらには熱的安定性が確保され
るので、安定して作動する超電導コイルが得られること
となる。 (3)また、高温超電導線材を巻回し、その最外周にア
ルミナまたは窒化アルミニウムからなるセラミックス材
を巻回し、さらにその外周に上記と同様の複合材を巻回
して、超電導コイルを構成することとすれば、同様に巻
線に加わる電磁力が効果的に支持され、さらに熱的安定
性がより一層向上するので、安定して作動する超電導コ
イルとして、好適である。
【0020】(4)また、上記(2)あるいは(3)の
構成において、複合材を構成するステンレス鋼に高透磁
率を備えたステンレス鋼を用いて超電導コイルを構成す
ることとすれば、巻線に加わる電磁力が効果的に支持さ
れ、さらには熱的安定性が確保されるのみならず、外部
への漏洩磁界が抑制された超電導コイルを得ることがで
きる。
構成において、複合材を構成するステンレス鋼に高透磁
率を備えたステンレス鋼を用いて超電導コイルを構成す
ることとすれば、巻線に加わる電磁力が効果的に支持さ
れ、さらには熱的安定性が確保されるのみならず、外部
への漏洩磁界が抑制された超電導コイルを得ることがで
きる。
【図1】本発明の超電導コイルの第1実施例の基本構成
図で、(a)はコイル要部の拡大断面図、(b)は用い
られている高温超電導線材の拡大断面図、(c)は複合
体の拡大断面図
図で、(a)はコイル要部の拡大断面図、(b)は用い
られている高温超電導線材の拡大断面図、(c)は複合
体の拡大断面図
【図2】本発明の超電導コイルの第2実施例の基本構成
を示すコイル要部の拡大断面図
を示すコイル要部の拡大断面図
【図3】本発明の超電導コイルの第3実施例の基本構成
を示すコイル要部の拡大断面図
を示すコイル要部の拡大断面図
【図4】本発明の超電導コイルの第4実施例の基本構成
を示すコイル要部の拡大断面図
を示すコイル要部の拡大断面図
【図5】従来の高温超電導線材の断面模式図
【図6】高温超電導線材を用いた超電導コイルの従来例
を示す構成図で、(a)は円筒状の超電導コイルの縦断
面図、(b)は(a)のA部の拡大図
を示す構成図で、(a)は円筒状の超電導コイルの縦断
面図、(b)は(a)のA部の拡大図
1 巻枠 2 高温超電導線材 3 複合材 3A 複合材 4 セラミックス材 5 絶縁シート 10 パンケーキコイル 21 高温超電導体 22 銀シース 31 銅 32 ステンレス鋼 33 セラミックス層
Claims (5)
- 【請求項1】高温超電導線材と、ステンレス鋼と銅また
は銅合金との並列接続体の外周にセラミックス層を備え
てなる複合材とが、交互に巻回して構成されていること
を特徴とする超電導コイル。 - 【請求項2】巻回された高温超電導線材の最外周に、ス
テンレス鋼と銅または銅合金との並列接続体の外周にセ
ラミックス層を備えてなる複合材を巻回して構成されて
いることを特徴とする超電導コイル。 - 【請求項3】巻回された高温超電導線材の最外周にアル
ミナまたは窒化アルミニウムからなるセラミックス材を
巻回し、さらにその外周に、ステンレス鋼と銅または銅
合金との並列接続体の外周にセラミックス層を備えてな
る複合材を巻回して構成されていることを特徴とする超
電導コイル。 - 【請求項4】請求項2または3の超電導コイルにおい
て、前記複合材を構成するステンレス鋼が、高透磁率を
備えたステンレス鋼よりなることを特徴とする超電導コ
イル。 - 【請求項5】請求項1、2、3または4の超電導コイル
において、複合材の外周に備えられた前記セラミックス
層が、アルミナまたは窒化アルミニウムからなることを
特徴とする超電導コイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1548397A JPH10214713A (ja) | 1997-01-29 | 1997-01-29 | 超電導コイル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1548397A JPH10214713A (ja) | 1997-01-29 | 1997-01-29 | 超電導コイル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10214713A true JPH10214713A (ja) | 1998-08-11 |
Family
ID=11890052
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1548397A Withdrawn JPH10214713A (ja) | 1997-01-29 | 1997-01-29 | 超電導コイル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10214713A (ja) |
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1997
- 1997-01-29 JP JP1548397A patent/JPH10214713A/ja not_active Withdrawn
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