JP3541123B2 - 超伝導電流リード - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、室温におかれた電源より極低温に冷却された超伝導マグネット等の超伝導機器へ電流を供給する超伝導電流リードに関する。
【0002】
【従来の技術】
超伝導マグネットは、物性研究用や磁気共鳴装置などに利用され、将来的には磁気浮上列車、核融合用磁気閉じこめ装置等にも応用されつつある。しかし、これらの極低温中に置かれた超伝導マグネットには、室温に置かれた電源より電流を供給する際に、極低温領域に熱が侵入し、問題となっている。たとえば、液体ヘリウムは1リットル1000円もする高価な液体である。また、1Wの熱侵入により蒸発した液体ヘリウムを冷凍機により再液化するために必要な冷凍機入力電力は、理想的な状態でも400W近くあり、実際上は1000Wに達する。このことから、電流リードを介しての熱侵入量が多いと液体ヘリウム購入等に伴うコストアップを招くばかりか、再液化のための冷凍機が大型化、大容量化してしまう。これでは、小型化・低電力化を目指している超伝導マグネット用電流リードの意味をなさなくなってしまう。
【0003】
そこで、低熱侵入型の電流リードの開発が重要な開発課題となってきている。酸化物超伝導材料の発見に伴い、電流リードの低温側に酸化物超伝導材料を用い、極低温部への熱侵入量を低減する電流リードが開発されてきている。たとえば、特開昭64−76707号公報は、液体ヘリウム中の超伝導機器に電流を供給する電流リードの中間部を液体窒素温度に冷却するサーマルアンカとし、電流リードの液体窒素によるサーマルアンカをとった部分以下のリード部分の材料として臨界温度が液体窒素の沸点(78K)以上である超伝導体(例えばY−Ba−Cu−O)を使用し、超伝導体部分の温度が必ずその臨界温度以下に維持されることによって、超伝導破壊を防いでいる。また、特開平5−109530号公報は、超伝導電流リードを異なる複数種、例えば3種、の導体、すなわち、低温部、中温部および高温部で構成し、これらをそれぞれ接続部材で長さ方向に接続している。これらの低温部、中温部および高温部はそれぞれ形状、超伝導特性(臨界電流密度(Jc)、臨界温度、Jcより大きい通電時での抵抗値、およびこれらの磁場変化、温度変化)、構成法が異なっている。これらの低温部、中温部および高温部の各導体の材料の例として、低温部の導体は、補強材として熱伝導率の低い絶縁基板にAgの薄い層を介して4.2Kで臨界電流密度の高いBi系の酸化物超伝導体の層を設けたものを使用し、中温部の導体としては、酸化物系超伝導体からなるコアを被覆材で被覆したテープ状線材を積層集合化したもので、コアとしては77Kでの臨界電流密度(Jc)が高いY系の酸化物超伝導体を、被覆材としては熱侵入を抑えるため、Auに少量のPdを添加した合金を用い、高温部の導体としては、中温部と同様にテープ状線材を積層集合化したものであって、コアとして臨界温度の高いTl系の酸化物超伝導体を用い、被覆材として抵抗の小さいAgを用いることが示されている。このように、超伝導マグネット近傍では熱伝導率の小さな材料を用いることにより、伝導による侵入熱を低減している。さらに、特開平4−218215号公報は、銀シース酸化物超伝導体と、この酸化物超伝導体と複合化される支持部材としてFRP、あるいは銀、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、それらの合金等からなるパイプを備え、酸化物超伝導体とこのパイプを接着剤層により接着するか、あるいはテフロンテープなどによって巻き付けて固定してあり、これにより熱膨張および熱収縮に際し酸化物超伝導体と支持部材とが一体的に動くようにして、温度変化に対しても臨界電流密度が低下せず、繰り返し温度特性等に優れた超伝導体を提供するようにしたものである。この場合、酸化物超伝導体はリード線の長さ方向に平行に、あるいは螺旋状に配置されている。
【0004】
一方、電流リードの高温側は銅製リードにより構成する場合がほとんどである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の酸化物超伝導体を用いた電流リードでは以下に述べるような問題点がある。電流リードの容量すなわち電流値が大きくなると、電流リード自身より発生する自己磁界が高くなる。使用する超伝導材料としてはビスマス系とイットリウム系があるが、いずれも磁界中では臨界電流値が著しく低下する。そのため、材料内で臨界電流密度の均一なバルク形状の超伝導材料を用いた大電流用の電流リードでは、必要となる超伝導材料の断面積が大きくなり、超伝導電流リード部の大型化、複雑化を招くばかりか、熱侵入量の増大をも招いてしまう欠点がある。この自己磁界による臨界電流値の低下の問題は従来技術においては着目されていなかった。
【0006】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、その目的は臨界電流値が低下することを防ぎ、コンパクト化された超伝導電流リードを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の基本的特長は、電流方向に対して垂直でテープ面と平行に印加された磁界に対しては、テープ状の超伝導線材(例えば、銀で被覆された酸化物超伝導線材)の臨界電流値がそれほど低下しないこと、また複数のテープ状超伝導線材の間に磁性材料を配置して、テープ面と垂直な磁界成分を抑制することができ、自己磁界による臨界電流値の劣化を抑制した電流リードを提供することができる点にある。
【0008】
すなわち、この発明においては、円筒状の支持部材上に、テープ状酸化物超伝導線材からなるユニット導体を複数本、超伝導線材のテープ面が円筒座標系における周方向と平行になるように配置する。このようにすることにより、自己電流により発生する自己磁界の主成分は超伝導線材のテープ面と平行となる。これにより、自己磁界による臨界電流値の低下をある程度抑制することができる。さらに、ユニット導体間に磁性材料片を配置することにより、超伝導体断面内における非中央部のテープ面垂直方向磁界成分を抑制し、臨界電流値の低下を極めて低いレベルに抑え、高い臨界電流値を維持することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されない。
【0010】
この発明において、テープ状酸化物超伝導線材として使用されるのは、好ましくは銀シース超伝導線として使用する超伝導体、例えば、ビスマス系(Bi−Sr−Ca−Cu−O)、イットリウム系(Y−Ba−Cu−O)などである。この場合、超伝導体に対する銀の断面積の割合は2から3程度が望ましいが、1程度でもかまわない。
【0011】
図1は、ビスマス系銀シース型のテープ状酸化物超伝導線材における印加磁界と臨界電流値の関係を示すグラフである。図1において、Ipはテープ面平行磁界に依存する臨界電流値の変化を表わす曲線、Ivはテープ面垂直磁界(テープ厚さ方向の磁界)に依存する臨界電流値の変化を表す曲線をそれぞれ示す。縦軸において、臨界電流値は、磁界0(B=0)のときの臨界電流値Ic0に対する印加された磁界Bのときの臨界電流値Ic(B)の比で表してある。図示のように、テープ面垂直方向磁界に対しては、100ガウスの磁界で臨界電流値は無磁界の場合の80数%に低下する。500ガウス程度の磁界では、無磁界の場合の50%以下に劣化してしまう。一方、テープ面平行方向の磁界に対しては、500ガウスの磁界に対しても臨界電流値は無磁界の場合の95%を維持する。すなわち、テープ状酸化物超伝導線材では、このような印加磁界方向に対して臨界電流値の極端な方向性がある。ここで、500ガウスとは、10kA級の酸化物超伝導体電流リードを構成しようとした場合に発生する自己磁界のおおよその値である。なお、シース材(安定化金属)としては酸化物超伝導体との望ましくない反応を起こさない金属であればいずれでもよく、たとえば、銀または銀合金が使用でき、金を添加した銀を用いると特によい。
【0012】
図2は、本発明の第1の実施の形態による超伝導電流リードの横断面図であり、図3はその一部を拡大した斜視図である。図2、図3に見られるように、ユニット化されたテープ状酸化物超伝導線材すなわちユニット導体1は、円筒状の支持部材4の外周に、そのテープ面が円筒座標系の周方向と平行になるように配置されている。さらに、ユニット導体1の間に磁性材料片3が配置されている。図3では、テープ状酸化物超伝導線材の単線2が8枚積層されたユニット導体1を示しているが、単線でもあるいは積層数が8以外でも良い。テープ状酸化物超伝導線材は電流リードの電流経路であり、長手方向の一端部は高温端(通常77K)であり、他端部は低温端(4.2K)で超伝導マグネット等に接続される。磁性材料片3は矩形断面が例示されているが、断面形状は特に制限されない。
【0013】
支持部材4は低熱伝導率材料からなる。電流リードの低温端部での熱伝導率は1W/mK以下であることが望ましい。このような支持部材用低熱伝導率材料としては、例えばステンレス鋼、ニッケル合金、チタン合金、FRP等を使用することができる。磁性材料片3としては、鉄、珪素鋼、インコネル、インコロイなどを使用することができる。ただし、例えば、純鉄の熱伝導率はステンレス鋼と比較しても一桁以上高いため、低温端部への熱侵入を防ぐためには、磁性材料片3を電流リードの高温側にのみ(例えば、電流リードの長さの2分の1)に配置する。
【0014】
また、ユニット導体1と支持部材4との界面を、電気的に、また熱的に接触抵抗が十分小さくなるように密着させるようにするとよい。この場合、外周側からのバインドや拡散接合による一体化が有効である。このようなユニット導体1と支持部材4との間の接触抵抗を特に十分小さくした構成とすることにより、次の様な効果を奏することができる。
【0015】
すなわち、超伝導体が超伝導状態から常伝導状態に転移(クェンチ)した場合に電流が安定化金属である銀に流れ、この際ジュール発熱により銀シース型のテープ状酸化物超伝導線材の温度が上昇するが、上記のような構成では、支持部材4とユニット導体1の銀シース型のテープ状酸化物超伝導線材とが熱的に十分な接触状態にあるため、熱容量としてユニット導体1の銀シース型のテープ状酸化物超伝導線材に加えて支持部材4も十分に寄与するため、温度上昇を十分に小さく抑えることができる。
【0016】
次に、ユニット導体1および磁性材料片3を支持部材4に配設する部分の構成の詳細について説明する。
【0017】
この発明の実施の形態では、平板な形状のユニット導体1に合わせて、円筒状支持部材4の側面に、ユニット導体1を配設する箇所に沿って平面状に面取りした底面を有する溝5を形成して、この溝5の底面にユニット導体1を配設する構成としている。
【0018】
なお、この溝5に配設されたユニット導体1は、その外周を巻回して設けられる図示されていないバインド用テープにより支持部材4に固定される。このようにバインド用テープで固定するので、ユニット導体1と支持部材4の溝5の底面との間には接着剤を付ける必要はないが、付けてもよい。この部分に接着剤を付ける場合には熱伝導率の高い接着剤を用いるようにすると、ユニット導体1と支持部材4との間の熱伝導効率が良くなり、上記のように支持部材4を転移(クェンチ)時の温度上昇を小さく抑えるための熱容量として用いる場合の熱容量としての機能が向上するので好適である。また、ユニット導体1と支持部材4との間を接着剤で接着する場合でも、ユニット導体1の外周からバインド用テープで締め付けるようにすれば、ユニット導体1の支持部材4への固定をより強固なものとすることができる。
【0019】
このように、円筒状の支持部材4の側面に設けた溝5の平面状の底面に平板な形状のユニット導体1を配設する構成としているので、ユニット導体1と支持部材4とが全面で接触することにより両者間の熱伝導効率が良くなり、支持部材4を転移(クェンチ)時の温度上昇を小さく抑えるための熱容量として用いる場合の熱容量としての機能が高められる。また、上記のようにユニット導体1と支持部材4とが全面で接触することから、ユニット導体1の外周にバインド用テープを巻回して支持部材4に固定する際にユニット導体1が変形してテープ状酸化物超伝導線材が歪んで臨界電流値が低下することがない。
【0020】
また、円筒状の支持部材4の側面に、上記のような溝加工を加えないで、ユニット導体1を配設する箇所を平面状に面取り加工するだけでもよい。また、上記のような溝加工あるいは面取り加工なしにこの円筒曲面上に平板な形状のユニット導体1を配置し、両者間の隙間に接着剤を充填するという構成とすることも可能である。
【0021】
なお、複数本のユニット導体1間に配設される磁性材料片3は、支持部材4の側面に設けられた複数本の溝5の間に残された円筒曲面部に接着剤で接着して取り付けられる。なお、磁性材料片3は転移(クェンチ)時の温度上昇を抑えるための熱容量として用いられることはないので、この磁性材料片の接着剤は、熱伝導率の高いものである必要はない。また、支持部材4の円筒部側面を平面に面取りして、この面に磁性材料片3を取り付けるようにしてもよい。
【0022】
また、支持部材4の側面に設けられるユニット導体1と磁性材料片3とは一般にはその外周径が異なるが、これらを外周からバインド用テープで固定する場合には、外周径の小さいユニット導体1の方の外周側に非磁性部材を当てがって高さを磁性材料片3と合わせるようにする。
【0023】
再び図1を参照する。図1にはすでに述べた臨界電流値を示す曲線の他に、超伝導線材に電流を流したときに発生する自己磁界と通電電流の関係を示すロードラインを6本の直線で示してある。破線A(垂直)と破線A(平行)とは、比較例として図4に示すように磁性材料片3がない場合、すなわち、電流リードがユニット導体1と支持部材4のみで構成された場合のロードラインである。臨界電流値は、ロードラインと磁界による臨界電流値の変化を表す曲線(Ip、Iv)の交点として求められる。テープ面垂直磁界とテープ面平行磁界により臨界電流値の異なる場合には、低い値の方が臨界電流値となる。磁性材料片3がない場合には、臨界電流値IcはIc0(無磁界のときの臨界電流値)の71%となる。一方、図1中の4本の実線の内、B(垂直)、B(平行)で示すロードラインが本実施例の場合を示している。この場合、臨界電流値IcはIc0の90%である。すなわち、磁性材料片3をユニット導体1間に配置することにより、テープ面垂直方向の自己磁界成分を磁性材料片3の中に導くことにより抑制し、臨界電流値の低下を防ぎ、高い臨界電流値を維持した状態で、安定的に通電することが可能となる。
【0024】
図5は本発明の第2の実施の形態による超伝導電流リードの横(径方向)断面図である。磁性材料片3を支持部材4の周方向にはユニット導体1の間に、径方向にはユニット導体1の最外周よりも外側に配置している。磁性材料片3は、図示を省略したステンレス鋼等の非磁性体を支持部材4上に配置し、その上に固定する。磁性材料片3の断面形状は図4では矩形断面であるが、断面形状は矩形に制限されない。この発明の実施の形態のように磁性材料片3を配置すると、ユニット導体1内に発生する自己磁界成分のうち、テープ面垂直方向成分を最も効果的に抑制することができる。図1に示した2本の実線のうちC(垂直)、C(平行)はこの発明の実施の形態におけるロードラインを示している。この場合、臨界電流値Icは無磁界における臨界電流値Ic0の94%にまで達する。すなわち、この発明の実施の形態のような構成とすることにより、臨界電流値の低下を防ぎ、高い電流値を維持した状態で安定的に通電することができる。
【0025】
【実施例】
(実施例1)
超伝導材料としてBi2 Sr2 Ca2 Cu3 Ox を使用したテープ状超伝導線材で、断面寸法は幅5mm、厚さ0.3mm、銀と超伝導線材の断面積比が2.5対1程度のものを使用する。この超伝導線材の77Kにおける臨界電流値は約70Aである。これを8枚積層して1ユニット(これをユニット導体と呼ぶ)とすると、このユニット導体あたりの臨界電流値は単線の臨界電流値の8倍とはならずに420Aとなる。これは、テープ面垂直方向の自己磁界成分が、テープを積層するほどに大きくなるためで、臨界電流がテープ面垂直方向の磁界成分に敏感であることによる。このユニット導体を60mm径のステンレス製円筒上に、テープ面が周方向と平行になるように24ユニット配置したもののユニット導体断面内自己磁界(平均値)は、電流値10000Aにおいて垂直方向で110Gauss、平行方向で323Gaussである。また、このような構成における臨界電流値の印加磁場依存性は図6のグラフに示される。前記の自己磁界分布から図6のロードラインを用いることにより計算上の臨界電流値はテープ面垂直磁界による臨界電流値の曲線とロードラインとの交点として11360Aとなる。次に、断面寸法が2.3mm×2.7mmの軟鉄片からなる磁性材料片3を、図2に示したように、支持部材4の側面上に直付けで、かつ、2.3mm部分が円筒周方向と平行になるようにユニット導体間に配置すると、ユニット導体1断面内の自己磁界(平均値)は、電流値10000Aにおいて垂直方向で46Gauss、平行方向で438Gaussになる。図7(a)に磁性材料片3がないものの等磁気ポテンシャル線図を示す。この線は磁力線と平行である。図7(b)に磁性材料片3をユニット導体1間に配置したものの等磁気ポテンシャル線図を示す。ユニット導体1のみのものは、ユニット導体1内でポテンシャル線が大きく変化しているのが分かる。一方、ユニット導体1間に磁性材料片3を配置したものは、磁性材料片3内でのポテンシャル線の密度が高く、ユニット導体1により発生する磁界を引きつけているのが分かる。これをユニット導体1内の磁界ベクトル図にて比較してみる。図8(a)にユニット導体1のみのものの磁界ベクトル図を、図8(b)にユニット導体1間に磁性材料片3を配置したものの磁界ベクトル図を示す。これらの図より、磁性材料片3のないもの(図8(a))は、磁界が導体内で渦を巻くように発生し、テープ面に垂直な方向の磁界成分がかなり大きいことが分かる。一方、磁性材料片3をユニット導体1間に配したもの(図8(b))は、テープ面垂直成分が減少していることがこれらの図からも明らかである。磁性材料片3をユニット導体1間に配置した場合の臨界電流値は、図6のロードラインより13640Aとなる。すなわち、ユニット導体1間に磁性材料片3を配置した場合には、臨界電流値は磁性材料片3のない場合に対して20%増加することになる。
【0026】
(実施例2)
支持部材4として実施例1と同じステンレス製円筒を用いた。実施例1と同じユニット導体1を24ユニット支持部材4上に配置し、実施例1と同じ磁性材料片3を図5に示したように、支持部材4の周方向にはユニット導体1の間に、径方向にはユニット導体1の最外周よりも外側に配置した。なお、磁性材料片3と支持部材4との間には非磁性材料を配置した。
【0027】
このユニット導体1の断面内自己磁界分布(平均値)は、電流値10000Aにおいてテープ面垂直方向で45Gauss、平行方向で375Gaussとなる。図6のロードラインを用いて臨界電流値を求めると、13890Aとなる。すなわち、ユニット導体1間に磁性材料片3がない場合に比べて22%臨界電流値が上昇することになる。
【0028】
以上の実施例では磁性材料片3として軟鉄片を使用した例を示した。しかし、磁性材料片3として粉末状の磁性材料を基材として樹脂等により固めたものを使用することができる。その場合、磁性材料片3を自由な形状に形成できるので、ユニット導体1間を隙間なく埋めることが可能となり、さらに、粉末磁性材料と樹脂等との混合比を変えることにより、磁性材料片3の透磁率を容易に調整できるので、本発明の超伝導リードのそれぞれの製品毎の構成に応じて最適な透磁率を有する磁性材料片3を得ることができるため、テープ面垂直方向磁界成分をより有効に抑制することができる。
【0029】
また、以上の実施例では円筒状の支持部材として、軸方向に沿って半径が一定の支持部材について説明したが、半径が軸方向に沿ってテーパ状に変化する形状の支持部材を用いることもできる。特に、支持部材の高温端側で半径がより大きく、極低温端側ほど半径がより小さくなるようなテーパ状とすれば、支持部材の断面積が極低温端ほど小さくなるので、支持部材を通しての極低温端側への熱侵入をより低減することが可能となる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、円筒状の支持部材上に、電流経路であるテープ状酸化物超伝導線材からなるユニット導体が複数本、超伝導線材のテープ面が円筒座標系における周方向と平行になるように配置され、複数のユニット導体の間にそれぞれ磁性材料片が配置される構成とすることとしたので、自己磁界による磁界電流値の劣化を抑え、安定した通電が可能な超伝導電流リードが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビスマス系銀シース型のテープ状酸化物超伝導線材における臨界電流値の印加磁界依存性を示すグラフである。
【図2】本発明の第1の実施の形態による超伝導電流リードの横断面図である。
【図3】図2の超伝導電流リードの一部を拡大した斜視図である。
【図4】比較例としての超伝導電流リードの横断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による超伝導電流リードの横断面図である。
【図6】実施例1および実施例2の導体の構成における臨界電流値の印加磁界依存性を示すグラフである。
【図7】ユニット導体の断面内および近傍での等磁気ポテンシャル線図である。
【図8】ユニット導体の断面内での磁界のベクトル図である。
【符号の説明】
1 ユニット導体
2 単線
3 磁性材料片
4 支持部材
5 溝
Claims (1)
- 円筒状の支持部材上に、電流経路であるテープ状酸化物超伝導線材からなるユニット導体が複数本、該超伝導線材のテープ面が円筒座標系における周方向と平行になるように配置され、前記複数のユニット導体の間にそれぞれ磁性材料片が配置されていることを特徴とする超伝導電流リード。
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