JP2001119078A - 超電導電流リード - Google Patents

超電導電流リード

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JP2001119078A
JP2001119078A JP29821899A JP29821899A JP2001119078A JP 2001119078 A JP2001119078 A JP 2001119078A JP 29821899 A JP29821899 A JP 29821899A JP 29821899 A JP29821899 A JP 29821899A JP 2001119078 A JP2001119078 A JP 2001119078A
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JP29821899A
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Yukio Yasukawa
保川  幸雄
Masanobu Nozawa
正信 野澤
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】臨界電流値の低下を防ぎコンパクト化された超
電導電流リードを提供する。 【解決手段】常温端子1の接続された高温側導体部3は
複数本の電気良導体の線材の束からなり、導体用パイプ
2の中に挿入されガス入口パイプ4から供給される低温
ガスにより冷却される。高温側導体部3は電気的には筒
状の中間導体5に接続され、中間導体5には筒状の折り
返し導体6が接続されている。折り返し導体6の他端に
は筒状の低温側導体部7を接続する。低温側導体部7は
折り返し導体6の下端部に設けられた穴を貫通する形と
なる。低温側導体部7の自己磁界を折り返し導体6の電
流による発生磁界によって打ち消すことにより、低温側
導体部7を構成する酸化物超電導体における臨界電流値
の低下を防ぐ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、室温に置かれた
電源より極低温に冷却された超電導マグネット等への電
流を供給する超電導電流リードに関する。
【0002】
【従来の技術】超電導マグネットは、物性研究用や磁気
共鳴装置などに利用され、将来的には磁気浮上列車,核
融合炉用磁気閉じ込め装置等にも応用されつつある。し
かし、これらの極低温中に置かれた超電導マグネットに
は、室温に置かれた電源より電流を供給する際に極低温
領域に熱が侵入し、問題となっている。例えば、液体ヘ
リウムは1リットル1000円もする高価な液体であ
る。また、1Wの熱侵入により蒸発した液体ヘリウム
を、冷凍機により再液化するために必要な冷凍機入力電
力は、理想的な状態でも400W近くあり、実際上は1
000Wに達する。このことから、電流リードを介する
熱侵入量が多いと、液体ヘリウム購入等に伴うコストア
ップを招くばかりでなく、再液化のための冷凍機が大型
化,大容量化してしまう。これでは、小型化,低電力化
を目指している超電導マグネット用電流リードの意味が
なくなってしまう。
【0003】そこで、低熱侵入型の電流リードの開発が
重要な開発課題となってきており、この開発課題に対応
する技術として、酸化物超電導材料の発見に伴い、電流
リードの低温側に酸化物超電導材料を用い、極低温部へ
の熱侵入量を低減するように構成された電流リードが開
発されてきている(特開昭64−76707号,特開平
5−109530号など)。なお、電流リードの高温側
は従来通り銅製リードにより構成する場合が殆どであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
酸化物超電導材料を用いた電流リードでは、以下に述べ
るような問題点がある。電流リードの容量、すなわち電
流値が大きくなると、電流リード自身より発生する自己
磁界が強くなる。使用する超電導材料としてはビスマス
系とイットリウム系があるが、いずれも磁界中では臨界
電流値が著しく低下する。このような自己磁界による臨
界電流値の低下のため、材料内で臨界電流密度の均一な
バルク形状の超電導材料を用いた大電流用(例えば、3
0kAを超えるような電流容量)の電流リードでは、必
要となる超電導材料の断面積が大きくなり、超電導電流
リード部の大型化,複雑化を招くばかりでなく、熱侵入
量の増大をも招いてしまう欠点がある。
【0005】また、テープ状銀シース線材を用いた場合
でも、自己磁界による臨界電流値の低下を抑えきれず、
現状の高温超電導材料を用いた実用的な寸法で、この自
己磁界による臨界電流値の低下を具体的に解決する方法
は、従来技術では明示されていなかった。この発明は、
上記の問題点に鑑みなされたもので、その目的とすると
ころは、臨界電流値の低下を防ぎ、コンパクト化された
超電導電流リードを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、高温側導体部と低温側導体部との直
列接続箇所に折り返し導体を介装し、この折り返し導体
の電流の向きが低温側導体部の電流と平行で方向が反対
となるようにすることにより、低温側導体部を構成する
酸化物超電導体の自己磁界を折り返し導体の電流による
発生磁界によって打ち消し、酸化物超電導体上の磁界を
低減して臨界電流値の低下を抑制し、安定した通電が可
能で、かつ、コンパクト化された超電導電流リードを提
供できるようにした。
【0007】すなわち、本発明においては、電気良導体
よりなる高温側導体部と、酸化物超電導体よりなる筒状
の低温側導体部とが直列接続されてなる超電導電流リー
ドにおいて、前記高温側導体部の低温側に電気良導体よ
りなる筒状の中間導体が形成されるとともに、この中間
導体の内周側に電気良導体よりなる筒状あるいは棒状の
折り返し導体が設けられ、かつ、前記中間導体と前記折
り返し導体との間の径方向における中間位置に前記低温
側導体部が配設され、前記折り返し導体の電流の向きが
前記低温側導体部の電流と平行で方向が反対となるよう
に前記折り返し導体の両端部が前記中間導体および前記
低温側導体部にそれぞれ接続されてなるものとする。
【0008】このような構成とすることにより、低温側
導体部を構成する酸化物超電導体の自己磁界が折り返し
導体の電流による発生磁界によって打ち消され、臨界電
流値の低下が抑制され、高い臨界電流値を維持すること
ができる。また、高温側導体部と低温側導体部との間に
折り返し導体が介装されることにり、超電導電流リード
の熱伝達経路としての実効長さが長くなるので、低温側
への熱侵入量の低減にも寄与する。
【0009】また、電気良導体よりなる高温側導体部
と、酸化物超電導体よりなる筒状の低温側導体部とが直
列接続されてなる超電導電流リードにおいて、前記高温
側導体部の低温側に電気良導体よりなる筒状あるいは棒
状の中間導体が形成されるとともに、この中間導体の外
周側に磁性体が配設され、この磁性体の外周側に電気良
導体よりなる筒状の折り返し導体が設けられ、かつ、こ
の折り返し導体の外周側に前記低温側導体部が配設さ
れ、前記折り返し導体の電流の向きが前記低温側導体部
の電流と平行で方向が反対となるように前記折り返し導
体の両端部が前記中間導体および前記低温側導体部にそ
れぞれ接続されてなるものとしてもよい。
【0010】このような構成とすことにより、低温側導
体部を構成する酸化物超電導体の自己磁界が折り返し導
体の電流による発生磁界によって打ち消され、臨界電流
値の低下が抑制され、高い臨界電流値を維持することが
できる。なお、この構成においては、中間導体の外周側
で、かつ、折り返し導体の内周側に磁性体を設けること
により、中間導体の電流による磁界がこの磁性体より外
周側には発生しないようにしている。また、高温側導体
部と低温側導体部との間に折り返し導体が介装されるこ
とにより、超電導電流リードの熱伝達経路としての実効
長さが長くなるので、低温側への熱侵入量の低減にも寄
与する。
【0011】
【発明の実施の形態】この発明にによる超電導電流リー
ドの低温側導体部において使用される酸化物超電導体
は、例えば、ビスマス系(Bi-Sr-Ca-Cu-O),イッ
トリウム系(Y- Ba-Cu-O)などの超電導材料で構成
される銀シース型超電導線、もしくはバルク型超電導体
である。
【0012】図1は、本発明の第1の実施例の超電導電
流リードの長手方向断面図である。図1において、1は
常温端子、2は導体用パイプ、3は通常銅または銅合金
などの電気良導体により構成される高温側導体部、4は
ガス入口パイプ、5は通常銅または銅合金などの電気良
導体により構成される筒状の中間導体、6は通常銅また
は銅合金などの電気良導体により構成される筒状の折り
返し導体、7は酸化物超電導体により構成される筒状の
低温側導体部、8は低温端子、11は低温側導体部7と
低温端子8とを接続する接続導体、12は筒状の保護カ
バーである。
【0013】常温端子1は高温側導体部3に接続されて
いる。この高温側導体部3は複数本の銅または銅合金な
どの電気良導体線材の束からなり、導体用パイプ2の中
に挿入され、ガス入口パイプ4から供給される低温ガス
(通常はヘリウムガス)により冷却される。高温側導体
部3は、電気的には中間導体5に接続され、中間導体5
には折り返し導体6が接続されている。折り返し導体6
の他端には低温側導体部7が接続される。低温側導体部
7は、折り返し導体6の下端部を貫通する形となる。従
って、折り返し導体6の下端部には、低温側導体部7が
貫通できるような穴が設けられるが、この構造について
は後述の図2で説明する。
【0014】低温側導体部7を構成する酸化物超電導体
しては、銀シース材料でもバルク材料でも良い。また、
ビスマス系でもイットリウム系でも酸化物超電導体であ
ればもちろん構わない。低温側導体部7の他端は低温端
子8に電気的に接続される。低温側導体部7を構成する
酸化物超電導体は機械的強度に問題があるため、低温側
導体部7の外周には保護カバー12を設置することが有
効である。保護カバー12の材料としては熱伝導性の低
い材料がよく、例えばFRPが用いられる。保護カバー
12は、中間導体5の外周部と接続導体11の外周部と
に固定される。
【0015】低温端子8は、通常4.2Kの液体ヘリウ
ムにより冷却されている。低温側導体部7は、液体ヘリ
ウムからの蒸発ガスにより冷却される場合と、周囲から
の冷却は期待せず、低温側導体部7の両端部のみで冷却
する伝導冷却による場合がある。両端部のみで冷却する
伝導冷却方式とは、低温側導体部7の高温側端部および
低温側端部にそれぞれ冷却手段を熱的に接触させて、こ
の両端部を介する熱伝導により低温側導体部7を冷却す
る方式である。上記いずれの冷却方式を選択するかは電
流リードの設計コンセプトにより異なる。いずれにせ
よ、低温側導体部7の高温側(上部)は少なくとも80
K以下に冷却されている。これは、温度が上昇すると低
温側導体部7を構成する酸化物超電導体の臨界電流値が
急激に低下するためと、臨界温度までの温度マージンを
少なくとも10K程度確保したいという要求とからであ
る。
【0016】さて、低温側導体部に酸化物超電導体を使
用した大容量電流リードにおいて、最も問題となるの
は、自己電流、すなわち酸化物超電導体自体を通流する
電流によって発生する自己磁界により酸化物超電導体の
臨界電流値が低下してしまう現象である。臨界電流値
は、温度が低くなるほど増加する。例えば、ビスマス2
223系の場合、64Kでは77Kの臨界電流値の約2
倍、50Kでは77Kの臨界電流値の約5倍程度まで増
加する。一方、外部磁界による臨界電流値の低下も著し
い。ここで、自己電流により発生する自己磁界の臨界電
流に対する影響は、外部磁界を印加した時と同様に作用
する。ビスマス2223系の場合、外部磁界による臨界
電流値への影響は、温度77Kにおいて、外部磁界が1
000ガウスでは、外部磁界がゼロの時と比べて約30
%程度にまで低下してしまう。例えば、電流値が30k
Aの導体の場合、低温側導体部7が仮に直径100mm
の円筒形状の酸化物超電導体で形成されたとすると、こ
の酸化物超電導体での最大磁界は1200ガウスとな
る。この場合、77Kでの臨界電流値は、無磁界の時の
約3分の1程度にまで低下してしまう。
【0017】低温側導体部7は、その高温側端部が80
K以下に、低温側端部が4.2Kに温度が維持されてい
るため、その間は低温側導体部7の長さ方向に沿って温
度分布を持つことになる。30kAを超えるような大容
量電流リードにおいては、低温側導体部7の長さ方向に
おける高温領域、すなわち、80Kから約40K程度の
温度領域での臨界電流値の低下が著しい。そこで、低温
側導体部7の内周側に折り返し導体6を配置し、低温側
導体部7の自己磁界を、折り返し導体6の電流による発
生磁界によって打ち消してしまう。低温側導体部7の長
さ方向において、折り返し導体6を設ける範囲は、低温
側導体部7の長さ方向における温度領域が80Kから約
40K程度の温度領域の範囲だけでよく、低温側導体部
7の全長にわたって設ける必要はない。低温側導体部7
および折り返し導体6にそれぞれ流れる電流は電流値が
等しく方向が反対であるため、折り返し導体6の外周側
にある低温側導体部7における磁界は、ほぼゼロにする
ことができる。また、低温側導体部7の外周側にある中
間導体5を流れる電流はこの中間導体5より外周側にの
み磁界を発生させるため、低温側導体部7における磁界
には何ら影響を与えない。なお、折り返し導体6および
低温側導体部7の形状は円筒状に限定されるものではな
く、角筒状であってもよい。ただし、円筒状の場合、自
己磁界分布が均一になるので、円筒状の構成が最も好適
である。すなわち、一般に導体が円筒状の場合、この導
体を流れる電流により発生する磁界は、この円筒状の導
体の外側に円周状に発生する。したがって、折り返し導
体6と低温側導体7とがいずれも円筒状に形成されてい
る場合には、この折り返し導体6および低温側導体部7
の各電流により発生する磁界はいずれも円周状であるの
で、折り返し導体6の外形側にある低温側導体7の外側
では磁界は十分にキャンセルされる。一方、折り返し導
体6と低温側導体7とが角筒状に形成されている場合に
は、この折り返し導体6および低温側導体7の各電流に
より発生する磁界は、それぞれ、その発生源の導体の近
傍では角型状となるとともに、その発生源の導体から径
方向に離れていくに従い円周状に近づくという磁界分布
となる。したがって、折り返し導体6とこの折り返し導
体6の外側に配置される低温側導体7とでは寸法が異な
ることから、それぞれの電流により発生する磁界の分布
は互いに異なったものとなる。そして、低温側導体部7
の外側においても、内側の折り返し導体6の電流により
発生する磁界はその発生源の導体である折り返し導体6
から径方向にはなれているためにより円周状に近く、低
温側導体部7の電流により発生する磁界はその発生源の
導体である低温側導体部7から径方向に離れていないた
めにより角型状に近い、という両者の磁界パターンの違
いがあるため、その磁界は上記の円筒状の構成の場合ほ
ど十分にはキャンセルされない。このように、折り返し
導体6および低温側導体部7の形状については、円筒状
の構成が自己磁界キャンセル効果の点で好適である。ま
た、折り返し導体6の形状は図では筒状となっている
が、中実構造(すなわち棒状)でも自己磁界キャンセル
の機能を果たすことができるので中実構造でもよい。た
だし、低温側導体部7内に冷却用ヘリウムガスの通流経
路を設ける場合には、折り返し導体6を中空構造(すな
わち筒状)とする必要がある。
【0018】以上のように、第1の実施例の構成によれ
ば、自己磁界による酸化物超電導体の臨界電流値の低下
をなきものとし、安定した通電が可能で、がつ、コンパ
クト化された超電導電流リードを提供することができ
る。また、本実施例の構成では、高温側導体部3と低温
側導体部7との間に折り返し導体6が介装されるため
に、超電導電流リードの熱伝達経路としての実効長さを
長くすることができるので、低温端子8側への熱侵入量
を低減させることにも寄与することができる。
【0019】図2は、図1の折り返し導体6付近の部分
断面斜視図である。図2において、13は支持部材、6
1は折り返し導体6のつば部6Aに設けられた貫通穴、
71は銀シース型超電導線、72はユニット導体であ
り、その他の構成要素は図1と同じであり同じ符号を付
してある。銀シース型超電導線71が単層あるいは複数
層(例えば8層)半径方向に積層されるとともに、周方
向に1本あるいは複数本(図では3本)隣接して配設さ
れてなるユニット導体72が、円筒状に複数ユニット
(図では6ユニット)配設された構成となっている。こ
の銀シース型超電導線71からなる複数ユニット(6ユ
ニット)のユニット導体72は、それぞれ電流リードの
長手方向に設けられた角棒状の支持部材13上に配設さ
れ、これらは折り返し導体6のつば部6Aに設けられた
た貫通穴61を貫通して配設されている。
【0020】この支持部材13の材料としては、熱伝導
性が小さい非磁性体の材料、例えばステンレスあるいは
FRPが適用可能であり、特にステンレスの場合には、
銀シース型超電導線71からなるユニット導体72が超
電導状態から常電導状態に転移(クエンチ)した際の電
流バイパス路の機能も果たすことができる。ユニット導
体72の支持部材13への固着方法としては、例えば接
着剤による固着あるいはバインドテープなどによる機械
的固定が可能である。支持部材13と折り返し導体6と
は、例えばボルトにて接続固定され、折り返し導体6と
ユニット導体72とは、例えば半田付けにより導電接続
される。また、ユニット導体72がバルク型超電導体か
らなる場合には、上記のような支持部材13は必要ない
が、超電導電流リードの安定動作のため、電流バイパス
導体兼用の支持部材を設けてもよい。
【0021】なお、図2においては保護カバー12の図
示は省略してあるが、この図2のような銀シース型超電
導線71からなる複数ユニットのユニット導体72がぞ
れ支持部材13により支持固定されている構成において
も、保護カバー12を設けることにより、外部よりの機
械的衝撃から酸化物超電導導体が保護されるとともに、
支持部材13の支持強度も補強される。
【0022】図3は、本発明の第2の実施例の超電導電
流リードの長手方向断面図である。図3において、10
は磁性体であり、その他の構成要素は図1と同じであり
同じ符号を付してある。中間導体5は、第1の実施例と
異なり最内周側に配置され、その外周側に磁性体10が
配置され、中間導体5の低温側端部には筒状の折り返し
導体6が接続され、折り返し導体6の他端には筒状の低
温側導体部7が接続されている。低温側導体部7および
折り返し導体6にそれぞれ流れる電流は電流値が等しく
方向が反対であるため、低温側導体部7の自己磁界は、
その内周側にある折り返し導体6の電流による発生磁界
によって打ち消される。また、中間導体5を流れる電流
は、低温側導体部7を流れる電流と通電方向が同じであ
るため、中間導体5の電流による発生磁界が低温側導体
部7における磁界に影響しないように、磁性体10によ
りその発生磁束を吸収し、この磁性体10よりも外周側
へ磁束が漏れないように工夫してある。磁性体10の材
料としては、例えば鉄などの飽和磁束密度の高いものが
適している。また磁性体10の形状は筒状であればよ
く、例えば角筒状であってもよいが、円筒状とすること
が好適である。外部からの機械的衝撃から低温側導体7
の酸化物超電導体を保護する保護カバー12は、折り返
し導体6の外周部と接続導体11の外周部とに固定され
ている。
【0023】なお、第1の実施例と同様に、折り返し導
体6および低温側導体部7の形状は円筒状に限定される
ものではなく、角筒状であってもよい。ただし、円筒状
の場合、自己磁界分布が均一になるので、円筒状の構成
が好適である。また、中間導体5の形状は図では筒状に
なっているが、中実構造(すなわち棒状)でも電流の通
流経路としての機能を果たすことができるので、中実構
造でもよい。ただし、低温導体部7内に冷却用ヘリウム
ガスの通流経路を設ける場合には、中間導体5を中空構
造(すなわち筒状)とする必要がある。
【0024】以上のように、第2の実施例の構成によっ
ても、低温側導体部7を構成する酸化物超電導体上では
磁界がほぼゼロである状態を作りだし臨界電流値の低下
をなきものとし、安定して通電することが可能でかつ、
コンパクト化された超電導電流リードを供給することが
できる。なお、本発明の超電導電流リードにおける低温
側導体部7は、バルク型超電導体自体が筒状に形成され
てなる構成であってもよく、また、銀シース型超電導線
あるいはバルク型超電導体からなるユニット導体が複数
本円筒状に配置されてなる構成であってもよい。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、低温側導体部を構成す
る酸化物超電導体における自己磁界による臨界電流値の
低下を抑え、安定した通電が可能で、かつ、コンパクト
化された超電導電流リードを得ることができる。また、
超電導電流リードの熱伝達経路としての実効長さが長く
なるので、低温端への熱侵入量も低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の超電導電流リードの長
手方向断面図。
【図2】図1の折り返し導体付近の部分断面斜視図。
【図3】本発明の第2の実施例の超電導電流リードの長
手方向断面図。
【符号の説明】
1…常温端子、2…導体用パイプ、3…高温側導体部、
4…ガス入口パイプ、5…中間導体、6…折り返し導
体、7…低温側導体部、8…低温端子、10…磁性体、
11…接続導体、12…保護カバー、13…支持部材、
61…貫通穴、71…銀シース型超電導線、72…ユニ
ット導体。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気良導体よりなる高温側導体部と、酸化
    物超電導体よりなる筒状の低温側導体部とが直列接続さ
    れてなる超電導電流リードにおいて、前記高温側導体部
    の低温側に電気良導体よりなる筒状の中間導体が形成さ
    れるとともに、この中間導体の内周側に電気良導体より
    なる筒状あるいは棒状の折り返し導体が設けられ、か
    つ、前記中間導体と前記折り返し導体との間の径方向に
    おける中間位置に前記低温側導体部が配設され、前記折
    り返し導体の電流の向きが前記低温側導体部の電流と平
    行で方向が反対となるように前記折り返し導体の両端部
    が前記中間導体および前記低温側導体部にそれぞれ接続
    されてなることを特徴とする超電導電流リード。
  2. 【請求項2】電気良導体よりなる高温側導体部と、酸化
    物超電導体よりなる筒状の低温側導体部とが直列接続さ
    れてなる超電導電流リードにおいて、前記高温側導体部
    の低温側に電気良導体よりなる筒状あるいは棒状の中間
    導体が形成されるとともに、この中間導体の外周側に磁
    性体が配設され、この磁性体の外周側に電気良導体より
    なる筒状の折り返し導体が設けられ、かつ、この折り返
    し導体の外周側に前記低温側導体部が配設され、前記折
    り返し導体の電流の向きが前記低温側導体部の電流と平
    行で方向が反対となるように前記折り返し導体の両端部
    が前記中間導体および前記低温側導体部にそれぞれ接続
    されてなることを特徴とする超電導電流リード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100390906C (zh) * 2005-07-08 2008-05-28 清华大学 超导储能磁体的电流引线结构
JP2009230913A (ja) * 2008-03-19 2009-10-08 Swcc Showa Cable Systems Co Ltd 酸化物超電導電流リード

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