JP2009188065A - 超電導装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】超電導コイルに交流電流を流した場合に、超電導装置を小型で軽量化して超電導性能を向上させる。
【解決手段】交流電流で励磁される超電導線を巻回した超電導コイル11と、真空とした内部に前記超電導コイル11を収容している一方、冷媒は充填していない真空断熱容器12と、真空断熱容器12内にコールドヘッド15を突出させている冷凍機13と、真空断熱容器12内でコールドヘッド15と超電導コイル11とを連結する超電導コイル11直接冷却用の伝熱材16を備え、超電導コイル11の超電導温度を10K以上60K以下、超電導コイル11により発生する磁場を0.1T以上20T以下、超電導コイル11に流れる電流を10A以上1000A以下としている。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導装置に関し、詳しくは、交流電流で励磁される超電導コイルを真空断熱容器内に収容した超電導装置において、超電導コイルの冷却機構を改善して超電導装置全体の小型化・軽量化を図ると共に、超電導性能を向上させるものである。
従来、超電導コイルを用いた装置として超電導モータや変圧器が提供されている。例えば特開2007−37343号公報(特許文献1)において、本出願人は超電導モータの固定子に超電導コイルを用いた超電導モータを提案している。該超電導モータにおいては、界磁側固定子の溝部に断熱容器を埋没し、該断熱容器に超電導コイルを収容している。断熱容器には断熱配管を介して液体窒素タンクを接続し、液体窒素を冷媒として循環させる冷却システムを設けて、超電導コイルを超電導温度まで冷却している。
液体窒素を冷媒として循環させて超電導コイルを冷却する冷却システムの一般的な構成は図4に示す構成からなる。即ち、冷却システム1は、断熱容器2内に超電導コイル3を収容し、断熱容器2に連結具4を介して断熱配管5を取り付けて液体窒素を冷媒として循環させている。断熱配管5にはポンプ6を設けて液体窒素を循環させる動力とすると共に、冷凍機7を取り付けたリザーバー8を設けている。
このように、超電導コイルを収容した断熱容器に液体窒素を充填することで、超電導コイル全体を冷却している。
前記液体窒素を冷媒とした冷却システムは、超電導コイルに交流電流を流す場合に用いられている。
超電導コイルに交流電流を流すと、超電導線自体が発熱して交流損失(ACロス)が発生し、該交流損失のために超電導線がクエンチして超電導性能を失いやすくなる。該交流損失は超電導コイルに流れる電流の大きさと、超電導コイルの各位置において超電導コイルにかかる磁界強度によって定まる。
図5は磁場に対する交流損失の概略を示した図であり、磁場が強い場合には超電導コイルを冷却する温度によらず大きい交流損失が発生する。
このため、超電導コイルに交流電流を流した場合には、超電導コイルを確実に冷却して発熱を効率よく除去することが重要であり、液体窒素を冷媒とした冷却システムを用いることで、超電導コイル全体を確実に冷却することができる。
しかし、液体窒素は64K(ケルビン)以上の温度でしか液体として存在できないため、冷媒として液体窒素を用いた場合には、これ以下の温度に超電導コイルを冷却することはできない。一方、超電導コイルを構成する高温超電導線は64K以下に冷却するとより性能が向上することが知られている。
このため、液体窒素を用いて超電導コイルを冷却した場合は、超電導コイルを64K以下に冷却した場合に比べて超電導コイルの臨界電流が小さく、超電導コイルにかかる磁場が弱い範囲でしか超電導状態を保つことができないという問題がある。
また、液体窒素等の冷媒により冷却を行う場合、断熱容器を二重槽にして外部からの熱侵入を抑制しなければならず、断熱容器の構造が複雑となるという問題がある。
さらに、冷媒を循環させるため、冷却システムは冷凍機に加えて断熱配管やポンプ、リザーバー、熱交換機等が必要となる。また、液体窒素などの液体冷媒の配管には特殊なコネクタが必要であり、冷却システムの構造が複雑でコスト高になるという問題がある。
さらにまた、冷却システムは、断熱配管等において外部から侵入する熱や、ポンプでの発熱等も冷却しなければならないため、冷凍機が大型化するという問題がある。
特に、超電導コイルに流す電流を交流電流とした場合には、前述したように交流損失が発生するため、冷却システムは該交流損失を確実に冷却しなければならず、さらに大型の冷凍機が必要となるという問題がある。とりわけ、超電導コイルにかかる磁場が大きい場合や、超電導コイルの巻き数が多く線量が多い場合には交流損失も大きくなるため、冷却システムが大型化し、超電導コイルを備えた装置全体も大型化するという問題がある。
特開2007−37343号公報
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、超電導コイルに交流電流を流す場合において、超電導装置を小型化・軽量化して超電導性能を向上させることを課題としている。
前記課題を解決するため、本発明は、交流電流で励磁される超電導線を巻回した超電導コイルと、
真空とした内部に前記超電導コイルを収容している一方、冷媒は充填していない真空断熱容器と、
前記真空断熱容器内にコールドヘッドを突出させている冷凍機と、
前記真空断熱容器内で前記コールドヘッドと前記超電導コイルとを連結する超電導コイル直接冷却用の伝熱材を備え、
前記超電導コイルの超電導温度を10K以上60K以下、前記超電導コイルにより発生する磁場を0.1T以上20T以下、前記超電導コイルに流れる電流を10A以上1000A以下としていることを特徴とする超電導装置を提供している。
本発明の超電導装置は、交流電流を励磁する超電導コイルを真空断熱容器に収容し、超電導コイルを伝熱材を介して冷凍機で直接冷却している。このため、従来技術のように液体窒素の冷媒を使用する必要がなく、液体窒素で冷却できる限界の温度であった64Kより低い温度まで超電導コイルを冷却できる。該冷却により、超電導コイルの臨界電流が大きく超電導コイルにかかる磁場が強い状態であっても超電導コイルを超電導状態とすることができ、超電導コイルの性能を向上させることができる。
また、液体窒素を用いる場合と比べて低い温度まで超電導コイルを冷却することで超電導コイルの臨界電流が大きくなるため、液体窒素を用いる場合と同じアンペアターン(超電導コイルに流す電流値と超電導コイルの巻き数の積)の起磁力を発生させるためには、少ない超電導コイルの巻き数でよく、超電導線の線量を減らすことができる。
特に、本発明の超電導装置の超電導コイルには交流電流を流しているため、超電導コイルに発生する交流損失は超電導線の線量により定まり、超電導線の線量が少ないほど交流損失も小さくなる。このため、交流損失を冷却するための冷却システムを小型化することができる。また、超電導線の線量を減らすことができるため、超電導コイル自体の小型化、軽量化を図ることができる。
さらに、本発明では冷媒を使用しないため、冷却システムに断熱配管やポンプ、リザーバー、熱交換機等が不要となり、冷却システムのコストを抑えることができると共に、小型化、軽量化することができる。さらにまた、断熱配管等からの侵入熱や、ポンプでの発熱等が減少するため、冷凍機は該発熱を冷却する必要がなく、冷凍機の小型化を図ることができる。
前記のように、超電導コイルの超電導温度は10K以上60K以下としている。
超電導温度、即ち超電導コイルの冷却温度を60Kより高くした場合には、液体窒素の冷媒を用いた場合と比べて超電導コイルの性能に変化がないからである。また、超電導コイルの超電導温度を10K未満とした場合には、冷凍機の冷却能力が低下するからである。
このとき、前記超電導コイルにより発生する磁場は0.1T以上20T以下であり、より好ましくは0.5T以上20T以下となる。また、前記超電導コイルに流れる電流は10A以上1000A以下となる。
前記断熱容器は金属材またはFRPからなる1槽の容器からなり、
前記伝熱材は、銅、アルミから選択される高熱伝導率の金属からなる金属板または該金属からなる導体を絶縁被覆した金属線からなり、かつ、前記容器内部には、断熱材を充填していることが好ましい。
液体窒素等の冷媒により冷却を行う場合、断熱容器を二重槽にして外部からの熱侵入を抑制しなければならないが、本発明では断熱容器内を真空としているので、1槽の容器であっても十分な断熱性能を備えることができる。
また、伝熱材を熱伝導率が高い金属または金属線とすることで、冷凍機のコールドヘッドから伝熱材を介して超電導コイルを冷却することができる。
さらに、断熱容器内の空間には断熱材を充填しているため、輻射熱が超電導コイルに伝わることを防ぐことができる。断熱材としてはアルミ箔が軽量であるため好適に用いられる。
前記断熱容器を金属材とした場合には、強度が強いため断熱容器の厚さを薄くすることができ、小型化できる。また、断熱容器の周囲は大気と接しているため自然冷却や冷却水による冷却を簡単に低コストで行うことができる。
また、断熱容器をFRP(繊維強化樹脂)とした場合には、超電導コイルに交流電流を流しても断熱容器に誘導電流が流れて発熱することがなく、超電導装置全体の損失が小さくなり冷却効率を高めることができる。
前記超電導コイルは、複数のシングルパンケーキコイルまたはダブルパンケーキコイルからなり、これら超電導コイルを樹脂製の中央連結芯材に積層固定しており、
前記中央連結芯材の軸線方向の両端にフランジ部を設け、該フランジ部に前記伝熱材と同種の金属板を固定し、該金属板と前記伝熱材とを半田付けで固定し、及び/または、
前記積層する超電導コイルの間に前記金属板を配置し、該金属板を前記伝熱材と半田付けで固定すると共に、該金属板と超電導コイルとの間に絶縁フィルムを介在させていることが好ましい。
前記構成によれば、超電導コイルの軸線方向の両端に設けた金属板に伝熱材を固定しているので、超電導コイルを両端から冷却することができる。また、積層する超電導コイルの間に金属板を配置しているので、超電導コイルの間からも冷却することができる。
前述したように、本発明の超電導装置によれば、交流電流を超電導コイルに流し、超電導コイルを冷凍機で伝熱板を介して直接冷却することで、液体窒素を用いる場合よりも低温で超電導コイルを使用することができる。さらに、冷却システムを小型化・軽量化できると共に超電導コイル自体の小型化・軽量化を図ることができ、超電導装置全体が小型かつ軽量となる。
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図3に本発明の第1実施形態を示す。
本発明の超電導装置10は、交流電流で励磁される超電導線を巻回した超電導コイル11を真空断熱容器12に収容し、超電導コイル11を冷凍機13で冷却している。
真空断熱容器12は金属材であるステンレスからなる断面環状の1槽の容器であり、冷媒を充填せずに内部を真空としている。
真空断熱容器12の側壁に貫通孔12aを設け、冷凍機13の伝熱管14を貫通孔12aに挿入して固定し、冷凍機13を真空断熱容器12に取り付けている。冷凍機13の伝熱管14の先端にはコールドヘッド15が取り付けられ、該コールドヘッド15は真空断熱容器12内に突出している。
冷凍機13は、本実施形態ではクライオメック社製のAL325を用いているが、住友重機械工業製SRDK408、アイシン製RS373等を用いてもよい。
また、真空断熱容器12内には、超電導コイル11を直接冷却するための伝熱材16を設けている。伝熱材16は高熱伝導率の銅板からなり、該伝熱材16でコールドヘッド15と超電導コイル11とを連結し超電導コイル11を冷却している。
なお、伝熱材16は銅に替えて、アルミ等の熱伝導率の高い金属からなる金属の板を用いてもよい。また、該金属からなる導体を絶縁被覆したリッツ線等の金属線としてもよい。
さらに、真空断熱容器12内には、輻射熱が超電導コイル11に伝わるのを防止する断熱材17を充填しており、該断熱材17は積層したアルミ箔からなる。なお、図1では断熱材17の一部のみを記載しているが、断熱材17は真空断熱容器12内全体に充填されている。
超電導コイル11は複数のシングルパンケーキコイル11aから形成している。各シングルパンケーキコイル11aは、超電導線を樹脂製の円筒状の中央連結芯材11bにフラットワイズ巻きしており、複数のシングルパンケーキコイル11aを軸線方向に複数積層固定して一つの超電導コイル11としている。両端のパンケーキコイルの超電導線の端面をリード線(図示せず)を介して電源(図示せず)と接続している。
なお、超電導コイル11はダブルパンケーキコイルから形成してもよい。
中央連結芯材11bの軸線方向の両端には、超電導コイル11と同径の円状のフランジ部11cを設けている。該フランジ部11cの内面は超電導コイル11の軸線方向の両端面に接触させ、フランジ部11cの外面には超電導コイル11よりも径が大きい円状の金属板18Aを接着剤で固定している。即ち、超電導コイル11と金属板18Aはフランジ部11cで絶縁している。金属板18Aは伝熱材16と同種の金属である銅からなる。
また、各シングルパンケーキコイル11aの間に金属板18Bを配置し、該金属板18Bと超電導コイル11との間には絶縁フィルム19を介在させている。絶縁フィルム19は、熱的抵抗を小さくするためにできるだけ厚さが小さいものとし、本実施形態ではポリイミドフィルム12.5μm厚を用いている。
さらに、これら金属板18A,18Bの内面の外周側に伝熱材16を半田付けで接続している。伝熱材16は銅板を打ち抜きして作成し、コールドヘッド15に接続するコールドヘッド接続部16aと、超電導コイル11の両端の金属板18Aに接続する金属板接続部16bと、シングルパンケーキコイル11aの間の金属板18Bに接続する金属板接続部16cとを設けている。
金属板接続部16bの断面積は金属板接続部16cの断面積よりも大きくしている。超電導コイル11に交流電流を流すと、超電導コイル11の軸線方向の両端には超電導線のテープ面に垂直方向の成分を備える磁場が発生し、該垂直方向成分の磁場は超電導コイル11の交流損失、即ち発熱の原因となる。このため、超電導コイル11の両端の金属板18に接続する金属板接続部16bの断面積を大きくすることで、超電導コイル11の軸線方向の両端位置からコールドヘッド15までの伝熱材16の熱抵抗が小さくなるようにしている。
また、伝熱材16の表面には、磁束の流れる方向と平行にスリット16dを入れている。該スリット16dにより、超電導コイル11に交流電流を流したときに伝熱材16の表面に流れる渦電流のルートを遮って、伝熱材16に発生する誘導電流や渦電流による発熱を少なくしている。即ち、図1では縦方向にスリット16dを入れているが、縦方向に限られるものではない。
次に、本発明の超電導装置10の動作条件について説明する。
本発明の超電導装置10の冷凍機13は、超電導コイル11に交流電流を流したときに超電導線に発生する発熱(交流損失、ACロス)を冷却している。
図2はクライオメック社の冷凍機13の型番AL325の性能を示す図である。
例えば、70Kでは約280Wの冷却能力があり、20Kでは約70Wの冷却能力がある。即ち、冷凍機13は、70Kを保つ場合には約280Wの交流損失を冷却することができるが、20Kのときは約70Wの損失しか冷却することができず1/4倍に冷却能力が低下している。
一方、図3は超電導コイル11が20Kから77Kに冷却されている場合に、磁場に対する臨界電流を示す図である。例えば、磁場が0.5Tで超電導コイル11を使用する場合、臨界電流は70Kでは約30A、20Kまで冷却すると約600Aであり約20倍となる。
このとき、超電導コイル11の起磁力を示すアンペアターンは超電導コイル11に流す電流と超電導コイル11の巻き数の積で定義される。
このため、アンペアターンを一定とすると、超電導コイル11を20Kで使用する場合は70Kで使用する場合に比べて臨界電流は20倍となるため、巻き数は1/20倍でよい。即ち、超電導線の線量が1/20倍となる。
前述したように、交流損失とは、超電導コイル11に交流電流を流したときに超電導線に発生する発熱による損失であり、交流損失は超電導線の線量に比例する。このため、超電導コイル11を20Kで使用する場合は70Kで使用する場合に比べて、交流損失が1/20倍となる。
従って、超電導コイル11に交流電流を流したときに、超電導コイル11を20Kで使用する場合は70Kで使用する場合に比べて、冷凍機13の冷却能力は1/4倍となってしまうが、冷凍機13により冷却されるべき交流損失による発熱量も1/20倍となり、超電導コイル11の冷却に必要な電力は1/5倍となる。すなわち、冷凍機13の冷却能力の低下よりも交流損失による発熱量の低下の方が大きい。
このように、本発明の超電導装置10は、交流損失による発熱量の低下が冷凍機13の冷却能力の低下よりも大きい範囲の温度に超電導コイル11を冷却して使用することで、超電導コイル11の性能が向上する。
また、液体窒素を冷媒とした冷却システムを用いて70Kに超電導コイル11を冷却した場合と比較すると、本発明の超電導装置10は20Kに冷却が可能であるため、超電導コイル11の線量が少なく交流損失が少なくなる上、冷却システムからの熱侵入や断熱容器12の渦電流による損失、ポンプの発熱等を冷却する必要がない。このため、少ない巻き数の超電導線からの交流損失だけを冷却するだけでよく、該交流損失を液体窒素を冷媒とした場合の損失の1/4倍とできれば、本発明の超電導装置10の方が冷却効率が向上する。
また、液体窒素を冷媒とした冷却システムを用いた場合には64Kまでしか超電導コイル11を冷却できないが、この場合、超電導コイル11に高磁場が発生した場合には超電導コイル11は超電導状態を保つことができない。図3に示すように、超電導コイル11を70Kに冷却した場合、超電導コイル11にかかる磁場が約0.5T以下の場合には超電導状態を保つことができるが、約0.5Tより大きい磁場がかかる場合には超電導状態を保つことができない。
一方、本発明の超電導装置10において20Kまで超電導コイル11を冷却すると、図3に示すように超電導コイル11にかかる磁場が12Tであっても超電導状態を保っている。
従って、本発明の超電導装置10の動作条件は、超電導コイル11の超電導温度を液体窒素で冷却する場合よりも低い10K以上60K以下まで冷却することで、超電導コイル11により発生する磁場が0.1T以上20T以下、より好ましくは0.5T以上12T以下であり、超電導コイル11に流れる電流が10A以上1000A以下となる。この場合に超電導コイル11は超電導状態を保ち、超電導装置10の運転が可能となる。
このように、本発明によれば、交流電流を励磁する超電導コイル11を真空断熱容器12に収容し、超電導コイル11を伝熱材16を介して冷凍機13で直接冷却している。このため、従来技術のように液体窒素の冷媒を使用する必要がなく、液体窒素で冷却できる限界の温度であった64Kより低い温度まで超電導コイル11を冷却できる。該冷却により、超電導コイル11の臨界電流が大きく超電導コイル11にかかる磁場が強い状態であっても超電導コイル11を超電導状態とすることができ、超電導コイル11の性能を向上させることができる。
また、超電導コイル11の臨界電流が大きくなるため、液体窒素を用いる場合と同じアンペアターン(超電導コイル11に流す電流値と超電導コイル11の巻き数の積)の起磁力を発生させるためには、少ない超電導コイル11の巻き数でよく、超電導線の線量を減らすことができる。
特に、本発明の超電導装置10の超電導コイル11には交流電流を流しているため、超電導コイル11に発生する交流損失は超電導線の線量により定まり、超電導線の線量が少ないほど交流損失も小さくなる。このため、交流損失を冷却するための冷却システムを小型化することができる。超電導線の線量を減らすことができるため、超電導コイル11自体の小型化、軽量化を図ることができる。
また、本発明では冷媒を使用しないため、冷却システムに断熱配管やポンプ、リザーバー、熱交換機等が不要となり、冷却システムのコストを抑えることができると共に、小型化、軽量化することができる。さらに、断熱配管等からの侵入熱や、ポンプでの発熱等が減少するため、冷凍機13は該発熱を冷却する必要がなく、冷凍機13の小型化を図ることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の特許請求の範囲内の種々の形態が含まれるものである。
本発明である超電導装置の第1実施形態を示す全体的な概略構成図である。 冷凍機の冷却性能を示す図である。 超電導コイルの超電導温度における磁場に対する臨界電流を示す図である。 液体窒素を冷媒とした冷却システムの図である。 磁界に対する交流損失を示す図である。
符号の説明
10 超電導装置
11 超電導コイル
11a シングルパンケーキコイル
11b 中央連結芯材
11c フランジ部
12 真空断熱容器
13 冷凍機
15 コールドヘッド
16 伝熱材
17 断熱材
18 金属板
19 絶縁フィルム

Claims (3)

  1. 交流電流で励磁される超電導線を巻回した超電導コイルと、
    真空とした内部に前記超電導コイルを収容している一方、冷媒は充填していない断熱容器と、
    前記真空断熱容器内にコールドヘッドを突出させている冷凍機と、
    前記真空断熱容器内で前記コールドヘッドと前記超電導コイルとを連結する超電導コイル直接冷却用の伝熱材を備え、
    前記超電導コイルの超電導温度を10K以上60K以下、前記超電導コイルにより発生する磁場を0.1T以上20T以下、前記超電導コイルに流れる電流を10A以上1000A以下としている特徴とする超電導装置。
  2. 前記断熱容器は金属材またはFRPからなる1槽の容器からなり、
    前記伝熱材は、銅、アルミから選択される高熱伝導率の金属からなる金属板または該金属からなる導体を絶縁被覆した金属線からなり、かつ、
    前記容器内部には、断熱材を充填している請求項1に記載の超電導装置。
  3. 前記超電導コイルは、複数のシングルパンケーキコイルまたはダブルパンケーキコイルからなり、これら超電導コイルを樹脂製の中央連結芯材に積層固定しており、
    前記中央連結芯材の軸線方向の両端にフランジ部を設け、該フランジ部に前記伝熱材と同種の金属板を固定し、該金属板と前記伝熱材とを半田付けで固定し、または、
    前記積層する超電導コイルの間に前記金属板を配置し、該金属板を前記伝熱材と半田付けで固定すると共に、該金属板と超電導コイルとの間の絶縁フィルムを介在させている請求項1または請求項2に記載の超電導装置。
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