JP2010171152A - 伝熱板および超電導装置 - Google Patents

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敏広 林
Takeshi Sawa
剛 佐波
Kengo Okura
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Abstract

【課題】超電導コイルの温度上昇および発熱量の低減を図る伝熱板を提供する。
【解決手段】パンケーキ型の超電導コイルの冷却に用いる伝熱板であって、銅系金属板からなる冷却板と、前記冷却板より高透磁率を有すると共に高抵抗率を有し、該冷却板の表面に配置する軟磁性体と、からなることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、伝熱板および該伝熱板を備えた超電導装置に関し、詳しくは、超電導コイルを断熱容器内の真空部に収容し、該真空部に冷凍機のコールドヘッドを挿入して、超電導コイルを直冷伝熱式で冷却する冷却機構を備えた超電導装置において、超電導コイルの冷却効率を高めるものである。
超電導装置において、超電導コイルに直流電流を流す場合と、交流電流を流す場合の2種類がある。
交流電流を流すと、超電導線にコイルが発生する大きな交流磁場が印加されることにより、大きな交流損失(ACロス)が発生して温度が上昇し、超電導線がクエンチして超電導性能を失いやすい問題がある。
そのため、超電導コイルに交流電流を流す場合には、超電導コイルを確実に冷却してクエンチを発生させないようにするため、冷却機構が重要となる。
そのため、例えば、特開2007−37343号公報において、本出願人は、断熱容器内に超電導コイルを収容し、該断熱容器を断熱配管を介して液体窒素タンクと接続し、液体窒素を冷媒として断熱容器内に供給し、超電導コイルを超電導温度に冷却する装置を提案している。
しかしながら、液体窒素は凝固点である64K(ケルビン)以上の温度でしか液体として存在できないため、68K〜77Kでの高温超電導線に流れる臨界電流は低く、最大磁場は1T以下となり、高磁場を発生できない問題がある。
このように、超電導コイルに流せる電流は制限され、特に磁場が高くなると僅かな電流しか流せず、低い電流で超電導コイルを運転せざるを得ない問題がある。
磁場をなるべく高くするため、超電導コイルの巻数(ターン数)を大きくすると、超電導線が増加し、超電導線の増加に伴い交流ロスにより発熱量が増加する。発熱量が増加すると冷却性能を強化する必要があり、大容量の冷凍機が必要となり、冷却システムが巨大化する問題がある。
特開2007−37343号公報
本発明は、前記問題に鑑みてなされたもので、超電導コイルを10K〜50Kに冷却できるように冷却性能を高め、超電導線を増加することなく、臨界電流を高くできるように、1Hz〜60Hzの商用周波数レベルで動作できるようにすることを課題としている。
前記課題を解決するため、第1の発明として、
パンケーキ型の超電導コイルの冷却に用いる伝熱板であって、
銅系金属板からなる冷却板と、
前記冷却板より高透磁率を有すると共に高抵抗率を有し、前記冷却板の表面に配置する軟磁性体と、
からなることを特徴とする伝熱板を提供している。
本発明の伝熱板は、軟磁性体を超電導コイルとの接触面に配置して、冷却板に誘導電流が発生して発熱が生じないようにして、冷却効率を高めている。
即ち、銅系金属板からなる冷却板を超電導コイルと直接接触させると冷熱を超電導コイルに直接伝えることができるが、冷却板と超電導コイルとの間に磁束線が流れ、冷却板に垂直方向の磁場がかかり誘導電流が生じて発熱が発生しやすくなる。そのため、本発明では、冷却板と超電導コイルとの界面に前記軟磁性体を介在している。該軟磁性体は冷却板の銅系金属板よりも高透磁率を有するため、超電導コイルの軸線方向端面に発生する磁束線は軟磁性体の表面に沿って流れ、冷却板に垂直方向にかかる磁場を極小化できる。また、該軟磁性体は冷却板に比べて高抵抗であるため、冷却板にも軟磁性体にも渦電流がながれず、かつ、軟磁性体であるためヒステリシス損による発熱が非常に小さい。
このように、超電導コイルとの間に冷却板と軟磁性体を備えた伝熱板を介在させることにより冷却板の発熱を抑制でき、超電導コイルの冷却効率を高めることができる。
前記軟磁性体は、前記冷却板とする銅系金属板の表面にメッキ、蒸着、イオンプレーティング、イオンインプランテーション、CVD法のいずれかで積層した薄膜層から形成し、冷却板と軟磁性体とを一体化していることが好ましい。
なお、冷却板と軟磁性体とを別体とし、軟磁性体を超電導コイルと接触させて配置してもよい。
本発明の伝熱板は、超電導コイルの軸方向端面と同一形状のリンク状とすることが好ましい。
本発明の伝熱板において、前記軟磁性体は冷却板の両面の全面ではなく、リンク状とした冷却板の内周側にだけ配置してもよい。これは、超電導コイルの軸方向端面では内周側の磁束密度が高いことによる。よって、軟磁性体と冷却板とを別体とした場合、冷却板は超電導コイルの軸方向端面と同一形状のリンク形状とし、軟磁性体は超電導コイルの内径と同等とすると共に外径は超電導コイルの外径より小さくして超電導コイルの内周側に配置する小リング材としてもよい。
前記軟磁性体の厚さは0.1〜1000μm程度とし、銅系金属板の冷却板の厚さの0.01〜100%としている。
よって、軟磁性体の熱伝導率が冷却板の熱伝導率よりも低いが、軟磁性体の厚さは薄いため、コイル軸方向の熱抵抗は大きくならず、冷却効率を損なわない。
前記軟磁性体は、純鉄、電磁鋼板、珪素鋼板、パーマロイ、スーパーマロイ、あるいはフェライトから形成することが好ましい。
前記軟磁性体体は、その透磁率が5000〜100000、最大飽和磁束密度が3000〜20000ガウスとすることが好ましい。
前記冷却板として用いる銅系金属板は、熱伝導率が高い無酸素銅板が好適に用いられる。
なお、熱伝導率が高い材質で絶縁性を有する材質があれば、好適に用いることができるが、10〜50ケルビンでの低温時における熱伝導率が優れた素材は、前記無酸素銅板である。
第2の発明として、前記伝熱板を、交流電源に接続された前記超電導コイルの積層体の軸線方向の端面の間に介在し、
前記積層体を冷媒を充填せずに真空とした断熱容器内に収容し、該断熱容器内に冷凍機のコールドヘッドを突出させて前記伝熱板と接続していることを特徴とする超電導装置を提供している。
前記超電導コイルは、ビスマス系、特に、Bi2223あるいはイットリウム系の高温超電導線からなるダブルパンケーキ型コイルとし、1Hz〜60Hzの周波数レベルで動作するものとしていることが好ましい。
前記のように、本発明の超電導装置では、交流電流を励磁する超電導コイルを断熱容器の真空とした内部に収容し、冷凍機のコールドヘッドとそれぞれ接続した冷却用の伝熱板で直接に冷却する直冷伝熱式を採用している。
前記のように、冷却用の伝熱板を用いた直冷伝熱式で超電導コイルを冷却することにより、ビスマス系あるいはイットリウム系の高温超電導線を50ケルビンから10ケルビンまで冷却することができる。該冷却により超電導線の臨界電流を大きくでき、超電導コイルの通電量を高めることができる。
また、高温超電導線からなる超電導コイルの冷却に液体窒素を用いる場合と比較して、低い温度まで超電導コイルを冷却し、臨界電流が大きくなるため、液体窒素を用いる場合と同じアンペアターン(超電導コイルに流す電流値と超電導コイルのターン数の積)の起磁力を発生させるためには、ターン数を少なくでき、超電導線の線量を減らすことができる。
特に、本発明の超電導装置は超電導コイルに交流電流を流しているため、超電導コイルに発生する交流損失は超電導線の線量に比例し、線量が少ない程、交流損失も少なくなる。このため、交流損失を減少するために必要な冷却機構を小型化でき、かつ、超電導線の線量の減少により超電導コイル自体を小さくでき、超電導装置全体の小型化・軽量化を図ることができる。
超電導線を前記高温超電導線とし、前記冷却用の伝熱板を軟磁性体を介して接触させることで、64ケルビン以下の10ケルビン〜50ケルビンに冷却することができる。
このように、液体窒素を用いて冷却した場合の冷却温度64ケルビンより低くしているため、超電導コイルの性能を高めることができる。
前記10ケルビン〜50ケルビンとした場合には、高温超電導線からなる超電導コイルに発生する磁場は0.5T〜20Tとなり、超電導コイルに通電可能な電流は10A〜1000Aとすることができる。
本発明のパンケーキ型の超電導コイルの積層体は、前記のように、ダブルパンケーキコイルを2個以上積層して4個以上のパンケーキコイルの積層体、あるいはシングルパンケーキコイルを3個以上積層して3個以上のパンケーキコイルの積層体等からなる。
ダブルパンケーキの場合、最内周で連続させた1層目のパンケーキコイルと2層目のパンケーキコイルとの間で前記伝熱板を挿入し、パンケーキコイルの軸線方向両端面の全面と接触させている。また、積層体の軸線方向両端の最外面にもリンク状とした伝熱板の軟磁性体を接触させている。超電導コイルの積層体には、その軸線方向の両端に垂直方向の磁場が集中するが、該磁場を両外端面の軟磁性体で集束できるため超電導コイルの積層体の垂直磁束を低減して超電導コイル積層体の全体で発生する交流ロスを低減することができる。
前記積層した超電導コイルの端末をジョイントして直列通電できる構成としていることが好ましい。
超電導コイルの積層体を収容する前記断熱容器(クライオスタット)は、ステンレスやアルミニウムからなる金属またはFRPからなる外壁と内壁とを真空層を挟んで設けた2重壁として、熱の侵入を確実に防止できる構成としても良いが、前記コールドヘッドに接続した前記伝熱板を各超電導コイルの軸線方向の両端面に全面接触させて冷却能力を高めているため、外壁のみからなる1槽でも良い。
断熱容器を1槽とし、金属材で形成した場合には、強度が大きいため断熱容器の厚さを薄くでき、軽量化することができる。また、断熱容器の周囲は外気と接しているため、自然冷却や冷却水による冷却を簡単に行うことができる。
断熱容器を1槽としてFRPで形成した場合には、超電導コイルに交流電流をながしても、断熱容器に誘導電流が流れて発熱することはなく、超電導装置全体の熱損失が小さくなり冷却効率を高めることができる。
また、真空とした断熱容器の内部に、超電導コイルの積層体を樹脂を充填したシールドケースからなるコイルケース内に内蔵した状態で収容してもよい。この場合、断熱容器内に突出させるコールドヘッドをコイルケース内に配置し、コイルケース内に配置する伝熱板の端部と接続している。
前記構成からなる第1の本発明の冷却板と軟磁性体とからなる伝熱板は、軟磁性体が冷却板よりも高透磁率を有するため、超電導コイルの軸線方向端面に発生する磁束線は軟磁性体の表面に沿って流れ、冷却板に垂直方向にかかる磁場を極小化できる。また、該軟磁性体は冷却板に比べて高抵抗であるため、冷却板にも軟磁性体にも渦電流がながれず、かつ、軟磁性体であるためヒステリシス損による発熱が非常に小さくできる。その結果、超電導コイルとの間に冷却板と軟磁性体を備えた伝熱板を介在させることにより冷却板の発熱を抑制でき、超電導コイルの冷却効率を高めることができる。
第2の発明の超電導装置は、パンケーキ型の超電導コイルの積層体の間および積層体の軸線方向の両側外面にコールドヘッドとそれぞれ接続した冷却用の伝熱板を配置し、かつ、該伝熱板では冷却板と超電導コイルとの界面に軟磁性体を配置し、各超電導コイルの両端面の略全面を軟磁性体を介して接触させて、直冷伝熱式で冷却している。該直冷伝熱式で冷却すると共に、冷却板と超電導コイルとの間に誘導電流が発生するのを抑制し、冷却板に発熱の発生を防止、抑制しているため、超電導コイルを効率よく冷却することができる。その結果、臨界電流を高くでき、超電導線のターン数を減少でき、それに伴って、交流電流で励磁した場合に生じる交流損失による発熱量を低減できる。このように、超電導コイルのターン数を減少できるため、超電導コイルの小型化および軽量化を図ることができる。
本発明の超電導装置を示し、(A)は全体構成図、(B)は要部拡大図である。 図1の断熱容器を除いた平面図である。 伝熱板の平面図である。 (A)(B)は伝熱板の全体断面図である。 超電導コイルと交流電源との接続部を示す概略図である。 超電導コイルの積層体に流れる磁束を示す図面である。
以下、本発明の超電導装置の実施形態を図1乃至図6を参照して説明する。
超電導装置1は、交流電流で励磁される高温超電導線を巻回した2つのダブルパンケーキコイルを積層し、合計4個のパンケーキ型の超電導コイル2(2A〜2D)の積層体3を断熱容器4(クライオスタット)の真空とした内部に収容している。
断熱容器4はステンレスからなるボックス状の外壁4aを備えた1槽の容器であり、内部4bには冷媒を充填せずに真空としている。
断熱容器4の外壁4aの上壁4a−1に冷凍機5を搭載している。該冷凍機5は2段式冷凍機からなり、該冷凍機5の下面から突設した第一ステージ5aの下端を上壁4a−1に固定し、第2ステージ5bを上壁4a−1に貫通させ、下端のコールドヘッド5cを真空とした内部4bに突出している。
断熱容器4の内部4bに支持台6を固定し、該支持台6の一側に前記コールドヘッド5cの下端部を配置し、該コールドヘッド5cの下端部と支持台6の上面との間に5枚の冷却用の伝熱板10の一端部を重ねて介設し、ボルト7でコールドヘッド5cの下端部と5枚の伝熱板10とを一体的に締結し、5枚の伝熱板10(10A〜10E)にコールドヘッド5cから熱伝導している。
支持台6の他側の上面には、前記2つのダブルパンケーキコイルを積層した積層体3を保持用の内枠8に外嵌し、内枠8の上部外周から突設したフランジ部8aと支持台6とをボルト9で締結して固定している。
前記5枚の伝熱板10は無酸素銅板で形成した冷却板11で形成し、該冷却板11の後述する超電導コイル2と接触させる部分には、図1(B)に示すように、軟磁性体12からなる薄膜を設けた構成としている。
前記伝熱板10は、図3および図4(A)(B)に示す形状としている。各伝熱板10の一端側は前記コールドヘッド5cとの連結部10aとし、ボルト穴10bを設けている。他端側に貫通穴10cを設け、該貫通穴10cを囲む一側部10d−1が半円環形状で、他側部10d−2は一端側に連続した形状の環状板部10dを設けている。貫通穴10cの内径は超電導コイル2の内径と同等とし、環状板部10dの外径は超電導コイル2の外径と同等としている。
前記各伝熱板10の冷却板11の超電導コイル2の軸方向端面と対向する前記環状板部10dの両面に前記図1(B)に示すように、軟磁性体12からなる薄膜層を設けている。
具体的には、純鉄を冷却板11の両面にメッキして軟磁性体12からなる薄膜層を設けている。該両面の軟磁性体12の各膜厚は0.1〜1000μmとし、冷却板11の厚さを1〜10mmとし、軟磁性体12の厚さは冷却板11の0.01〜100%としている。
前記軟磁性体12は透磁率が5000〜100000、最大飽和磁束密度が3000〜20000ガウスとあり、熱伝導率は100〜100000である。
一方、冷却板11とする無酸素銅は、透磁率が5000〜100000、最大飽和磁束密度が3000〜20000ガウス、熱伝導率は100〜100000である。
なお、伝熱板10は、冷却板11とする銅板の両面に蒸着、イオンプレーティング、イオンインプランテーション、CVD法のいずれかで軟磁性体12からなる薄膜層を形成してもよい。かつ、該軟磁性体を、電磁鋼板、珪素鋼板、パーマロイ、スーパーマロイ、あるいはフェライトで形成してもよい。
上下に5枚重ねてコールドヘッド5cと連結する伝熱板10のうち、図4(A)に示す最下層の伝熱板10Aは連結部10aから環状板部10dまで直線状の平板形状のままで積層体3側へと延在させ、最下層の超電導コイル2Aの下端面に環状板部10dを配置し、超電導コイル2Aの下端面の全面に接触させている。
図4(B)に示すように、下から2層目の伝熱板10Bから最上層の伝熱板10Eは、先端側の環状板部10dに達する前に上向きの屈折部10fを設け、該屈折部10fの上端から水平の屈折部10gを設け、該屈折部10gの先端に環状板部10dを設けている。
前記屈折部10fの上端位置は2層目の伝熱板10Bは最も低く、3層目、4層目、最上層の5層目と、上端位置を次第に高くしている。これにより、2〜4層目の伝熱板10B〜10Dの先端の環状板部10dの位置が、上下に積層する超電導コイル2の各層の間に丁度位置するように設定し、最上層の伝熱板10Eが積層体3の最上層の超電導コイル2Dの上端面に接触するようにしている。
また、前記各伝熱板10には、連結部10aと環状板部10dとの間に前記積層体3の内枠8のフランジ8aと支持台6とを締結するボルト9を貫通させるボルト穴10hを設け、伝熱板10B〜10Eの水平の屈折部10gを位置決め保持している。
前記各超電導コイル2の端末に接続した端子は図5に示すようにジョイント端子21を介して直列に接続し、該ジョイント端子21に接続したリード線22を断熱容器4から外部に引き出し、交流電源23と接続している。
前記構成からなる冷却機構を備えた超電導装置1では、冷凍機5のコールドヘッド5cと直接に接続した5枚の伝熱板10の軟磁性体12の各環状板部10dを積層体3を構成する各超電導コイル2の上下両端面の全面に接触させている。
これにより、各超電導コイル2に均等にコールドヘッドからの冷熱を伝導することができる。
かつ、前記のように、伝熱板10の超電導コイル2の軸方向端面と接触する部分では冷却板11の両面に薄膜層として設けた軟磁性体12を接触させている。
該軟磁性体12は冷却板11より高透磁性としているため、超電導コイル2の軸方向端面に発生する垂直方向の磁束を軟磁性体12により軟磁性体12のリンクに沿って水平方向に流すことができ、冷却板11への垂直方向の磁束を極小化することができる。これにより、冷却板11に垂直方向の磁場がかかって誘導電流が生じ、冷却板11に発熱が生じるのを防止または抑制することができる。
さらに、超電導コイル2の積層体3の軸方向の両側外端面にも軟磁性体12を冷却板11に積層した伝熱板10を配置しているため、図6に示すように、積層体3の垂直方向にかかる磁束Cが両側端面に集中しやすいが、該磁束Cを積層体3の中間部に配置する伝熱板10の軟磁性体12によって磁束Dに示すように収束することができるため、積層体3の両側端面にかかる垂直方向の磁束Cを低減でき、その結果、積層体3自体の交流ロスを低減することができる。
かつ、冷却板11よりも高抵抗であるため、該軟磁性体12および冷却板11には渦電流が流れるのを防止できる。
さらに、軟磁性体12は冷却板11よりも熱伝導性は低いが、前記にように薄膜としているため、冷却板11から超電導コイル2へのコールドヘッドからの冷熱の伝導の阻害要因とならない。
このように、積層する超電導コイル2の軸方向の端面間および積層体の軸方向両端面に冷却板11に軟磁性体12を設けた伝熱板10を配置していることにより、冷却板11の発熱防止のみならず、超電導コイル2の積層体の交流ロスによる発熱も抑制できる。その結果、超電導コイル2を1〜60Hzの商用周波数レベルでも10〜50ケルビンの領域まで冷却して、超電導コイル2を安定して運転することができるすることができる。
本発明は前記実施形態に限定されず、積層するパンケーキ型のコイルはシングルパンケーキの積層体としても良く、かつ、積層個数も限定されない。また、断熱容器は2重壁としてもよく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の実施形態が含まれる。
1 超電導装置
2(2A〜2D) 超電導コイル
3 積層体
4 断熱容器
5 冷凍機
5c コールドヘッド
10(10A〜10E) 伝熱板
11 冷却板
12 軟磁性体
23 交流電源

Claims (7)

  1. パンケーキ型の超電導コイルの冷却に用いる伝熱板であって、
    銅系金属板からなる冷却板と、
    前記冷却板より高透磁率を有すると共に高抵抗率を有し、該冷却板の表面に配置する軟磁性体と、
    からなることを特徴とする伝熱板。
  2. 前記冷却板と軟磁性体とは固着一体化し、あるいは別体とし、
    かつ、前記冷却板は前記超電導コイルの軸方向端面を覆うリンク形状とし、前記軟磁性体は前記超電導コイルの軸方向端面の少なくとも内周面側と接触するリンク形状としている請求項1に記載の伝熱板。
  3. 前記軟磁性体は、前記冷却板の表面にメッキ、蒸着、イオンプレーティング、イオンインプランテーション、CVD法のいずれかで積層した薄膜層からなる請求項1または請求項2に記載の伝熱板。
  4. 前記軟磁性体の材質は、純鉄、電磁鋼板、珪素鋼板、パーマロイ、スーパーマロイ、あるいはフェライトからなる請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の伝熱板。
  5. 前記軟磁性体の厚さは前記冷却板の厚さの1/10000〜1とし、
    かつ、該軟磁性体は透磁率が5000〜100000、最大飽和磁束密度が3000〜20000ガウスである請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の伝熱板。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の伝熱板を、交流電源に接続された前記超電導コイルの積層体の軸線方向の端面の間に介在し、
    前記積層体を冷媒を充填せずに真空とした断熱容器内に収容し、該断熱容器内に冷凍機のコールドヘッドを突出させて前記伝熱板と接続していることを特徴とする超電導装置。
  7. 前記超電導コイルは、ビスマス系あるいはイットリウム系の高温超電導線からなるダブルパンケーキ型コイルからなり、1Hz〜60Hzの周波数レベルで動作するものとしている請求項6に記載の超電導装置。
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